JPH11232810A - ヘッド位置決め制御回路および記録ディスク装置 - Google Patents

ヘッド位置決め制御回路および記録ディスク装置

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JPH11232810A
JPH11232810A JP10028162A JP2816298A JPH11232810A JP H11232810 A JPH11232810 A JP H11232810A JP 10028162 A JP10028162 A JP 10028162A JP 2816298 A JP2816298 A JP 2816298A JP H11232810 A JPH11232810 A JP H11232810A
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JP
Japan
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head
eccentricity
wave amplitude
disk
recording
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Withdrawn
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JP10028162A
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English (en)
Inventor
Kazunori Mori
和則 森
Tatsuhiko Kosugi
辰彦 小杉
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/48Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed
    • G11B5/58Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed with provision for moving the head for the purpose of maintaining alignment of the head relative to the record carrier during transducing operation, e.g. to compensate for surface irregularities of the latter or for track following
    • G11B5/596Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed with provision for moving the head for the purpose of maintaining alignment of the head relative to the record carrier during transducing operation, e.g. to compensate for surface irregularities of the latter or for track following for track following on disks
    • G11B5/59627Aligning for runout, eccentricity or offset compensation
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B21/00Head arrangements not specific to the method of recording or reproducing
    • G11B21/02Driving or moving of heads
    • G11B21/10Track finding or aligning by moving the head ; Provisions for maintaining alignment of the head relative to the track during transducing operation, i.e. track following
    • G11B21/106Track finding or aligning by moving the head ; Provisions for maintaining alignment of the head relative to the track during transducing operation, i.e. track following on disks

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  • Moving Of The Head To Find And Align With The Track (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディスクの高速化に十分に対応可能な記録デ
ィスク装置用シリンダサーボ回路を提供する。 【解決手段】 偏心量測定器36は、ヘッドが通過する
セクタごとに測定される位置誤差信号qのx成分qco
s(N)およびy成分qsin(N)をディスク1回転
にわたって総計し、総計値aおよびbを算出する。総計
値aおよびbに基づいて、偏心補正値計算器34はu
(θ)=Acos(θ)+Bsin(θ)の波形を設定
する。この波形は、ディスク上の記録シリンダに対する
ヘッド軌跡偏心円の記録シリンダ半径方向ずれ量を示す
ことから、この波形に基づいて記録シリンダ半径方向に
駆動されるヘッドは記録シリンダに沿って軌跡を描くこ
ととなる。ヘッドに対してフィードバック制御が実施さ
れれば、ヘッドは確実に記録シリンダを追従することと
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスク上で同心
状に並ぶ記録シリンダに対しヘッドを追従させる際に用
いられるヘッド用シリンダサーボ回路に関する。
【0002】こうしたシリンダサーボ回路は、例えばハ
ードディスク装置(HDD)に代表される磁気ディスク
装置に用いられる。
【0003】
【従来の技術】例えば磁気ディスク装置では、磁気ディ
スク上で、データが記録される複数の記録シリンダ(円
形トラック)が同心状に配列される。磁気ヘッドは、デ
ータの書き込み時や読み出し時に、回転する磁気ディス
ク上で目標とされる記録シリンダに正確に追従しなけれ
ばならない。
【0004】磁気ディスクが回転すると、磁気ヘッド
は、ディスクの回転中心と同心の円を描くように磁気デ
ィスク上に軌跡を描く。しかしながら、ディスクの回転
中心に対して記録シリンダの中心が偏倚していると、磁
気ヘッドが記録シリンダに正確に追従することはできな
くなってしまう。記録シリンダに対して磁気ヘッドの軌
跡が偏心円を描いてしまうからである。こうした記録シ
リンダに対する磁気ヘッドのずれは、記録密度が高まる
ほど、言い換えれば、記録シリンダの間隔が狭まるほ
ど、データ読み出しの精度を落とす原因となってしま
う。
【0005】従来では、磁気ヘッドが記録シリンダから
半径方向にずれる位置誤差量を測定し、この位置誤差量
に基づいてフィードバック制御が行われている。こうし
たフィードバック制御によって、磁気ヘッドは、位置誤
差量を解消するようにディスク半径方向に駆動される。
その結果、磁気ヘッドが記録シリンダ上を追従するよう
になるのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年、磁気ディスク装
置の分野では、転送レートの高速化が求められている。
こうした高速化の流れは、磁気ディスクの回転速度の高
速化を誘引している。しかしながら、磁気ディスクの回
転速度が高速化されると、従来のフィードバック制御は
位置誤差量の変化に追随しきれず、正確なシリンダサー
ボ制御を実現することができなくなってしまった。
【0007】本発明は、上記実状に鑑みてなされたもの
で、ディスクの回転速度が高速化される場合でも、正確
なシリンダサーボ制御を実現することができるヘッド用
シリンダサーボ回路を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、ディスク1回転における角変数θ
の変化に応じて、ディスク上の記録シリンダに対するヘ
ッド軌跡偏心円の記録シリンダ半径方向ずれ量u(θ)
をu(θ)=Acos(θ)+Bsin(θ)の波形に
設定する偏心補正値計算器と、測定されたヘッド軌跡偏
心円および記録シリンダ間の偏心量に基づき余弦波振幅
Aおよび正弦波振幅Bを設定する補正変数計算器とを備
えることを特徴とするヘッド用シリンダサーボ回路が提
供される。
【0009】かかるシリンダサーボ回路によれば、ヘッ
ド軌跡偏心円の記録シリンダ半径方向ずれ量の波形に基
づいてヘッドを駆動させることができる。したがって、
同時にフィードバック制御を実施すれば、フィードバッ
ク制御のみでは達成きしれない記録シリンダに対するヘ
ッドの正確な追従を達成することができる。
【0010】シリンダサーボ回路は、ディスク上のセク
タごとに測定されるヘッド軌跡偏心円の記録シリンダ半
径方向ずれ量に基づき、ディスク1回転におけるずれ量
x成分の総計値を算出するとともにずれ量y成分の総計
値を算出することによって前記偏心量を測定する偏心量
測定器を備えてもよい。かかる偏心量測定器の働きによ
れば、ディスクの偏心量を実測し、実測された偏心量に
基づいて前記波形を設定することができる。その結果、
常に実際の記録シリンダ半径方向ずれ量に対応する偏心
補正値を得ることができる。
【0011】加えて、シリンダサーボ回路は、前記ずれ
量x成分の総計値およびずれ量y成分の総計値を縮小さ
せて前記余弦波振幅Aおよび正弦波振幅Bを設定する補
正変数計算器を備えてもよい。かかる構成によれば、実
測された偏心量に外乱が影響する場合でも、前記偏心補
正値を安定化させることができる。その結果、ヘッド軌
跡偏心円は確実に記録シリンダに収束することができ
る。
【0012】前記偏心量測定器は、シーク制御からオン
トラック制御に移行した後に前記ずれ量x成分の総計値
およびずれ量y成分の総計値を算出することが望まし
い。シーク制御時には、ヘッドが目標記録シリンダ以外
の記録シリンダを横切ることから、実測される偏心量に
周期性が見られなくなる。したがって、シーク制御時に
偏心量の測定を控えることによって正確な偏心量を測定
することが可能となる。
【0013】しかも、前記偏心量測定器は、シーク制御
からオントラック制御に移行した後、任意の待機期間を
経て前記ずれ量x成分の総計値およびずれ量y成分の総
計値を算出することが望ましい。オントラック制御中で
あっても、シーク制御直後にはヘッドの位置が安定化さ
れていない。したがって、待機期間を経ることによっ
て、ヘッドの位置が安定化した後に偏心量を測定するこ
とができる。その結果、正確な偏心量の測定が可能とな
る。
【0014】ただし、前記偏心量測定器は、オフセット
シーク制御時に前記ずれ量x成分の総計値およびずれ量
y成分の総計値を算出するようにしてもよい。オフセッ
トシーク制御時には、既にヘッドが目標記録シリンダに
位置決めされており、シーク制御といってもヘッドが目
標記録シリンダ以外の記録シリンダを横切ることはな
い。したがって、オフセットシーク制御時に偏心量の測
定を実行すれば、ヘッド軌跡を迅速に記録シリンダに収
束させることができる。
【0015】さらに、前記余弦波振幅Aおよび正弦波振
幅Bはヘッドごとに補正変数記憶器に記憶されてもよ
い。余弦波振幅Aおよび正弦波振幅Bをヘッドごとに設
定すれば、ディスク面ごとに記録シリンダに対するヘッ
ド軌跡偏心円の偏心量が異なっても、記録シリンダにヘ
ッドを確実に追従させることが可能となる。加えて、補
正変数記憶器に記憶された前記余弦波振幅Aおよび正弦
波振幅Bを初期値として用いれば、予め記録シリンダに
近似したヘッド軌跡を描かせることができることから、
ヘッド軌跡を迅速に記録シリンダに収束させることがで
きる。
【0016】前記余弦波振幅Aおよび正弦波振幅Bはデ
ィスク1回転ごとに更新されてもよい。ただし、ヘッド
軌跡の安定化が図られた後、そういった更新動作を中止
させてもよい。1つのディスク面に対しては1つの偏心
量が存在するはずであるから、同一のディスク面に対し
て常に余弦波振幅Aおよび正弦波振幅Bを更新し続ける
必要は必ずしもない。
【0017】前記シリンダサーボ回路では、ディスク1
回転を複数周期に分解し、各周期ごとに前記余弦波振幅
Aおよび正弦波振幅Bを算出するようにしてもよい。こ
うした余弦波振幅Aおよび正弦波振幅Bによれば、偏心
以外の要因によって記録シリンダ半径方向ずれ量に現れ
る周期的な変位を補正することが可能となる。こうした
要因には例えばディスクの反り等が考えられる。
【0018】なお、以上のシリンダサーボ回路は、例え
ばハードディスク装置(HDD)といった磁気ディスク
装置に代表される記録ディスク装置に適用されることが
できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しつつ本発
明の一実施形態を説明する。
【0020】図1は、ハードディスク装置(HDD)に
用いられる磁気ディスクの構造を概略的に示す。この磁
気ディスク10は、シリンダ中心CO周りに同心状に並
ぶ複数の記録シリンダ(円形トラック)11を備える。
記録シリンダ11は例えば2.7μmの間隔で配列され
ている。磁気ディスク10には、周方向に等分割された
例えば60個のセクタ12が設定される。各セクタ12
では、サーボフレームと、このサーボフレームに後続す
るデータフレームとから記録シリンダ11が構成され
る。
【0021】図2は、サーボフレーム15の構造を概略
的に示す。こうしたサーボフレーム15は、例えば、記
録シリンダ11の中心軌跡Fに対して半径方向内側に変
位された第1サーボマーカ16と、同じく中心軌跡Fに
対して半径方向外側に変位された第2サーボマーカ17
とを備える。図2(a)に示すように、例えば磁気ヘッ
ド18が正確に記録シリンダ11に沿ってサーボフレー
ム15をなぞると、第1サーボマーカ16に対応する電
気信号と、第2サーボマーカ17に対応する電気信号と
が同レベルで連続して現れる。図2(b)に示すよう
に、磁気ヘッド18が磁気ディスク10内側方向にずれ
てサーボフレーム15をなぞると、第1サーボマーカ1
6に対応する電気信号は現れるのに対し、第2サーボマ
ーカ17に対応する電気信号は現れないことになる。反
対に磁気ヘッド18が磁気ディスク10外側方向にずれ
つつサーボフレーム15をなぞると、図2(c)に示す
ように、第1サーボマーカ16に対応する電気信号は現
れないこととなる。サーボフレーム15を用いれば、こ
ういった電気信号の違いから、記録シリンダ11に対す
る磁気ヘッド18のずれ量を測定することができる。
【0022】ここで、図1に示すように、シリンダ中心
COに対して磁気ディスク10の回転中心ROが偏心量
eで偏倚する場合を考える。磁気ヘッド18の軌跡は、
記録シリンダ11から偏心したヘッド軌跡偏心円TRを
描く。各セクタ12では、図3に示されるように、目標
とする記録シリンダ11に対して磁気ヘッド18のヘッ
ド軌跡TRが乖離量qでディスク半径方向に乖離する。
ここで、任意の出発点から磁気ディスク10が1回転す
る際に、ディスク中心角θの変化に応じて乖離量qの変
化を観察すると、例えば図4に示すような波形q(θ)
が得られることとなる。
【0023】図5は、磁気ディスク10にデータを書き
込んだり、磁気ディスク10からデータを読み出したり
するHDD20の制御系を概略的に示す。このHDD2
0は、前述した磁気ディスク10が回転軸21に固定さ
れるスピンドルモータ22を備える。データの書き込み
や読み出しにあたっては、スピンドルモータ22が磁気
ディスク10を回転軸21回りで回転させる。
【0024】磁気ディスク10の両ディスク面には1対
の磁気ヘッド18が対向する。磁気ヘッド18はキャリ
ッジ23の先端に支持される。ボイスコイルモータ(V
CM)24は、キャリッジ23を駆動することによって
磁気ヘッド18をディスク半径方向に変位させることが
できる。磁気ヘッド18の変位量は、パワーアンプ25
からVCM24に供給される電流の大きさによって決定
される。パワーアンプ25で出力される電流の大きさ
は、シリンダサーボ回路26から出力される電流指示値
cによって制御される。電流指示値cを示すデジタル信
号は、デジタルアナログ変換器(DAC)27でアナロ
グ信号に変換された後、パワーアンプ25に供給され
る。
【0025】シリンダサーボ回路26は、上位のホスト
(例えばコンピュータ装置の中央演算装置CPU)から
供給される位置決め指令に基づきシリンダサーボ制御を
実行する。データの書き込みや読み出し時には、このシ
リンダサーボ制御の働きによって、磁気ヘッド18は磁
気ディスク10上の記録シリンダ11を追従することが
できる。
【0026】シリンダサーボ制御には、位置決め指令に
よって特定される目標記録シリンダ11の位置と、実際
の磁気ヘッド18の位置とが用いられる。実際の磁気ヘ
ッド18の位置は、復調回路28から供給される位置信
号pによって特定される。復調回路28は、磁気ヘッド
18が前述したサーボフレーム15をなぞると、磁気ヘ
ッド18が読み取ったリード信号に基づいて位置信号p
を生成する。磁気ヘッド18がデータフレームをなぞれ
ば、復調回路28はリード信号に基づいてデータ信号を
生成する。位置信号pは、例えば、記録シリンダ11の
番号を特定する整数部分と、前述の原理に従って記録シ
リンダ11に対する磁気ヘッド18の乖離量qを特定す
る小数部分とから構成されればよい。こうした位置信号
pによれば、各セクタ12ごとに、シリンダ中心COに
対する磁気ヘッド18の半径方向位置が特定されること
ができる。
【0027】図6を参照し、本発明の第1実施形態に係
るシリンダサーボ回路26の構成を詳述する。このシリ
ンダサーボ回路26は、位置誤差信号qを生成する位置
誤差計算器31を備える。この位置誤差計算器31は、
復調回路28から供給される位置信号pと、目標記録シ
リンダ11の位置を規定する目標値信号とに基づいて位
置誤差信号qを生成する。目標値信号は、上位ホストか
ら供給される位置決め指令に基づいて目標位置設定器3
2によって作成される。目標値信号には、例えば、記録
シリンダ11の番号を特定する整数のみが含まれればよ
い。位置誤差信号qは、位置信号pと目標値信号との差
分を求めることによって得られる。
【0028】コントローラ33はフィードバック制御用
指示値fを生成する。このフィードバック制御用指示値
fは、位置誤差信号qをキャンセルさせるように、ディ
スク半径方向に変位量(−q)で磁気ヘッド18を変位
させることとなる。
【0029】偏心補正値計算器34は偏心補正値u
(N)を生成する。この偏心補正値u(N)はu(N)
=Acos(N)+Bsin(N)の波形に設定され
る。ここで、変数Nは、ディスク1回転における角変位
θを表すセクタ番号である。したがって、この波形によ
れば、記録シリンダ11に対するヘッド軌跡偏心円TR
の記録シリンダ半径方向ずれ量がディスク1回転にわた
って連続的に表現される。この偏心補正値u(N)は、
図4に示される乖離量q(θ)をキャンセルさせるよう
に、ディスク半径方向に−q(θ)で磁気ヘッド18を
変位させることが望まれる。なお、変数Nを用いる代わ
りに、ディスク1回転を示すパラメータである限り、例
えば時間変数tといった変数を用いてもよい。
【0030】偏心補正値計算器34で用いられる余弦波
振幅Aおよび正弦波振幅Bは実際に測定されたヘッド軌
跡偏心円TRおよび記録シリンダ11間の偏心量eに基
づき設定される。この偏心量eは偏心量測定器36によ
って算出される。偏心量測定器36は、磁気ディスク1
0上のセクタ12ごとに測定されるヘッド軌跡偏心円T
Rの記録シリンダ半径方向ずれ量すなわち位置誤差信号
qに基づき、ディスク1回転におけるずれ量x成分すな
わちqcos(N)の総計値aを算出するとともに、デ
ィスク1回転におけるずれ量y成分すなわちqsin
(N)の総計値bを算出する。
【0031】補正変数計算器37は、ずれ量x成分の総
計値aおよびずれ量y成分の総計値bを縮小させて余弦
波振幅Aおよび正弦波振幅Bを設定する。例えば、この
補正変数計算器37では、総計値aおよび総計値bに係
数k(=0.25)が掛け合わせられ縮小化が図られ
る。ここで、係数kは、0<k<1の条件の下で任意に
設定されればよい。掛け合わされた結果kaは、前回の
余弦波振幅Aに足し合わされた後、今回の余弦波振幅A
に置き換えられる。同様に、掛け合わされた結果kb
は、前回の正弦波振幅Bに足し合わされた後、今回の正
弦波振幅Bに置き換えられる。前回の余弦波振幅Aや正
弦波振幅Bは、補正変数記憶器38に記憶されている。
【0032】図7に示すように、HDD20の電源が投
入されるとコマンド処理タスクが実行される。このコマ
ンド処理タスクでは、HDD20が待機状態の間、上位
ホストから読み出し指令や書き込み指令が送信されてき
たか否かが監視される(ステップS1およびS2)。い
ま、上位ホストからHDD20に対してデータ読み出し
指令が発令された場合を考える。まず、ステップS3で
シークコマンドが発行されるとともに、ステップS4で
カウンタのカウント値Pがゼロに設定される。このカウ
ンタは、後述するように偏心量測定器36のオンオフス
イッチとして機能する。
【0033】カウント値Pがゼロに設定された後、ステ
ップS5でシーク制御が実行される。このシーク制御に
よって磁気ヘッド18は目標とされる記録シリンダ11
に向けて位置決めされる。シーク制御が終了すると、ス
テップS6でカウント値Pにカウント数T1が設定され
る。このカウント数T1は、ディスク1回転のセクタ数
よりも大きな値に予め設定される。ここでは、カウント
数T1=90とする。
【0034】カウント値Pがカウント数T1に設定され
た後、ステップS7で、シリンダサーボ回路26から出
力される電流指示値cを用いてオントラック制御が実行
される。このオントラック制御によって磁気ヘッド18
は目標記録シリンダ11を追従することとなる。ステッ
プS8では、磁気ヘッド18の追従によってデータの読
み出しが可能か否かが判断される。データの読み出しが
不可能であれば、再びシークコマンドが発行された後
(ステップS9)、オフセットシーク制御が実行される
(ステップS10)。このとき、シークコマンドは、デ
ィスク半径方向に微小に磁気ヘッド18を変位させる。
こうしたオフセットシーク制御が実行されると、磁気ヘ
ッド18が変位した上で、目標記録シリンダ11に対し
て再びオントラック制御が実行される(ステップS
7)。
【0035】オントラック制御によってデータの読み出
しが可能であれば、データの読み出しが実行される。ス
テップS11でデータの読み出しが終了したと判断され
ると、HDD20は待機状態に戻る(ステップS1)。
データの読み出しが終了していなければ、オントラック
制御(ステップS7)を維持しつつデータの読み出しを
続行する。
【0036】次に、図8のフローチャートを参照して偏
心補正値の計算手順を説明する。この偏心補正値の計算
は、磁気ヘッド18が1つのセクタ12すなわちサーボ
フレーム15を通過するごとに実行される。まず、ステ
ップQ1で、カウンタのカウント値Pがゼロであるか否
かが判断される。カウント値P=0であれば、ステップ
Q2に進み、偏心補正値計算器34が偏心補正値u
(N)を算出する。カウント値P=0であれば、シーク
制御(図7ステップS5)が実行されているものと判断
され、偏心量測定器36が偏心量eを測定しない。シー
ク制御時には、磁気ヘッド18が目標記録シリンダ11
以外の記録シリンダを横切ることから、偏心量eの測定
を実行しても正確な偏心補正値u(N)を算出すること
はできない。したがって、シーク制御時には偏心量eの
測定を控えるのである。偏心量測定器36はa=0およ
びb=0を出力し、その結果、補正変数記憶器38に記
憶された余弦波振幅Aおよび正弦波振幅Bがそのまま補
正変数計算器37から出力される。
【0037】補正変数記憶器38には、磁気ヘッド18
ごとに余弦波振幅Aおよび正弦波振幅Bが記憶される。
したがって、発行された読み出し指令で特定される磁気
ヘッド18に対応する余弦波振幅Aおよび正弦波振幅B
が補正変数記憶器38から読み出される。このように磁
気ヘッド18ごとに余弦波振幅Aおよび正弦波振幅Bを
設定すれば、磁気ディスク10のデータ面ごとに偏心量
eが異なる場合でも、磁気ヘッド18を記録シリンダ1
1に正確に追従させることが可能となる。
【0038】シーク制御後であっても、補正変数記憶器
38には、前回のオントラック制御時に記憶された余弦
波振幅Aおよび正弦波振幅Bが保持されている。1つの
記録シリンダから他の記録シリンダに磁気ヘッド18が
移動したとしても、磁気ディスク10の偏心量e自体は
変化しないはずであるから、前回の余弦波振幅Aおよび
正弦波振幅Bを用いることによって、偏心補正値u
(N)が瞬時に切り替えられることが回避され、磁気ヘ
ッド18の変位揺れ(暴れ)が排除される。例えば工場
出荷時には、補正変数記憶器38にA=0およびB=0
が記憶されていればよい。
【0039】余弦波振幅値Aおよび正弦波振幅値Bは、
前回のHDD20電源切断時に補正変数記憶器38に記
憶されているものを初期値としてそのまま用いてもよ
い。こうした初期値は、例えば不揮発性メモリに記憶さ
れればよい。こうした初期値を用いれば、磁気ヘッド1
8の軌跡は迅速に目標記録シリンダ11に収束すること
ができる。こうした初期値は、工場出荷時に偏心量eを
測定しておき、測定された偏心量eに基づいて設定され
てもよい。偏心量eの測定にあたっては、上位ホストか
らの指令によって、補正値計算の実行は阻止されること
が望ましい。
【0040】ただし、シークコマンドが発行される場合
でも、図7のステップS9およびS10に示されるオフ
セットシーク制御時には偏心量eの測定を控える必要は
ない。オフセットシーク制御時には、すでに磁気ヘッド
18が目標とされる記録シリンダ11に位置決めされて
おり、複数本の記録シリンダ11を横切ることがないか
らである。その結果、同じシークコマンドが発行される
場合でも、オフセットシーク制御時には、迅速に偏心量
eが測定されることとなる。その結果、磁気ヘッド18
の軌跡は迅速に目標記録シリンダ11に収束することと
なる。
【0041】カウント値Pがゼロでなければ、シーク制
御中ではないと判断され、ステップQ3でカウンタのカ
ウントダウンが実行される。その結果、カウント値Pは
1減少する。ステップQ4では、1減少したカウント値
Pがディスク1回転のセクタ数S(この場合、S=6
0)以上か否かが判断される。カウント値Pがセクタ数
S以上であると判断されると、ステップQ2に進み、偏
心補正値計算器34が偏心補正値u(N)を算出する。
ここでは、カウント値Pがセクタ数S=60より小さく
なるまでステップQ1〜Q4の処理が繰り返される。し
たがって、カウント数T1=90がセクタ数S=60に
減少するまでの間、偏心量測定器36が偏心量eを測定
しない。このように、偏心量eの測定に待機期間(T1
−S)を設けることによって、シーク制御の終了後、磁
気ヘッド18の位置が安定してから偏心量eを測定する
ことが可能となる。正確な偏心量eが測定される。
【0042】カウント値Pがセクタ数Sに達すると、ス
テップQ5で、偏心量測定器36はそのセクタNでのず
れ量x成分すなわちqcos(N)およびずれ量y成分
すなわちqsin(N)を算出する。qcos(N)の
値は前回の総計値aに加算され、qsin(N)は前回
の総計値bに加算される。こうした加算は、カウント値
Pがゼロになるまで繰り返される。すなわち、ステップ
Q6でカウント値P=0と判断されるまで、ステップQ
1〜Q6の処理が繰り返される。その結果、ディスク1
回転にわたってずれ量x成分の総計値aおよびずれ量y
成分の総計値bが算出される。
【0043】ずれ量x成分の総計値aおよびずれ量y成
分の総計値bが算出されると、ステップQ7で、補正変
数計算器37は総計値aおよび総計値bに各々係数kを
掛け合わせる。掛け合わされた結果kaおよびkbは、
前回の余弦波振幅Aおよび正弦波振幅Bに足し合わされ
る。足し合わされた結果が今回の余弦波振幅Aおよび正
弦波振幅Bに設定される。このように、総計値aおよび
総計値bを縮小させて余弦波振幅Aおよび正弦波振幅B
を設定することによって、外乱による偏心量eのぶれの
影響を排除することができる。その結果、磁気ヘッド1
8の移動軌跡は、偏心量eに基づく正確な偏心補正値u
(N)に徐々に接近することとなる。
【0044】ステップQ8では、総計値aおよび総計値
bが初期化され、次回の偏心量eの測定に備えられる。
続いて、ステップQ9で、カウント値Pにカウント数T
2が設定される。このカウント数T2は、ディスク1回
転のセクタ数S=60に設定される。したがって、最初
のディスク1回転の偏心量e測定が終了すると、ディス
ク回転の2周目からは待機期間を経ずに偏心量eの測定
が実行されることとなる。
【0045】以上のようなオントラック制御によれば、
記録シリンダ11に対する磁気ヘッド18軌跡の偏心に
基づく変位量u(N)を電流指示値cに設定することに
よって、フィードバック制御のみでは達成しきれない記
録シリンダ11に対する磁気ヘッド18の正確な追従が
達成される。しかも、実際に磁気ディスク10を回転さ
せながら偏心量eを測定するので、常に正確な磁気ヘッ
ド18の追従を期待することができる。偏心量eの測定
時と偏心補正値の波形u(N)とが同期化されていれ
ば、磁気ディスク10上のどの位置から偏心量e測定を
始めても正確な電流指示値cを得ることができる。
【0046】なお、シリンダサーボ回路26は、デジタ
ル信号処理装置(DSP)によって構成されればよく、
前述した処理は、DSPに設定されるソフトウェア処理
によって実行されればよい。また、前述した実施形態で
は、ディスクの1回転ごとに余弦波振幅Aおよび正弦波
振幅Bが更新されたが、記録シリンダ11に対する磁気
ヘッド18の追従が約束された時点で余弦波振幅Aおよ
び正弦波振幅Bの更新を中止するようにしてもよい。
【0047】図9は本発明の第2実施形態に係るシリン
ダサーボ回路26の構成を示す。このシリンダサーボ回
路26では、第1実施形態のようにディスク1回転ごと
に余弦波振幅Aおよび正弦波振幅Bが算出されるととも
に、ディスク1/2回転ごとに余弦波振幅A1および正
弦波振幅B1が算出される。こうしたディスク1/2回
転ごとの余弦波振幅A1および正弦波振幅B1によっ
て、ディスク1/2回転を1周期として変化する偏心補
正値u(N)=A1cos(N)+B1sin(N)が
得られる。得られた偏心補正値u(N)=Acos
(N)+Bsin(N)およびu(N)=A1cos
(N)+B1sin(N)がともに電流指示値cに設定
される。これにより、ディスク1回転を1周期に変化す
る記録シリンダ半径方向ずれ量と、ディスク1/2回転
を1周期に変化する記録シリンダ半径方向ずれ量とがと
もに補正されることとなる。余弦波振幅A1および正弦
波振幅B1の算出にあたっては、偏心量測定器36、補
正変数計算器37および偏心補正値計算器34に、周期
設定器40で分解された複数周期のセクタ番号変数Nす
なわち角変数θが入力される。ここでは、ディスク1/
2回転ごとに同一の余弦波振幅A1および正弦波振幅B
1を用いたが、ディスク1回転内で周期ごとに異なる例
えば余弦波振幅A1、A2および正弦波振幅B1、B2
を用いるようにしてもよい。
【0048】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ヘッド軌
跡偏心円および記録シリンダ間の偏心量によって生じる
ずれ量u(θ)=Acos(θ)+Bsin(θ)を用
いることにより、フィードバック制御のみでは達成しき
れない記録シリンダに対するヘッドの正確な追従が達成
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 磁気ディスクの構造を概略的に示す図であ
る。
【図2】 サーボフレームの構造を概略的に示す図であ
る。
【図3】 記録シリンダとヘッド軌跡偏心円との乖離量
を示す図である。
【図4】 ディスク1回転に対する乖離量の変化を示す
グラフである。
【図5】 ハードディスク装置(HDD)の制御系を概
略的に示すブロック図である。
【図6】 本発明の第1実施形態に係るシリンダサーボ
回路の構成を示すブロック図である。
【図7】 コマンド処理タスクの処理手順を示すフロー
チャートである。
【図8】 偏心補正値計算の処理手順を示すフローチャ
ートである。
【図9】 本発明の第2実施形態に係るシリンダサーボ
回路の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10 ディスクとしての磁気ディスク、11 記録シリ
ンダ、12 セクタ、ヘッドとしての磁気ヘッド、20
記録ディスク装置としてのハードディスク装置(HD
D)、26 シリンダサーボ回路、34 補正値計算
器、36 偏心量測定器、37 補正変数計算器、38
補正変数記憶器、N 角変数θとしてのセクタ番号変
数、TR ヘッド軌跡偏心円、a ずれ量x成分の総計
値、b ずれ量y成分の総計値、e 偏心量、q 記録
シリンダ半径方向ずれ量、u(θ)記録シリンダ半径方
向ずれ量としての偏心補正値。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年2月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ヘッド位置決め制御回路および記録デ
ィスク装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスク上で同心
状に並ぶ記録トラックに対しヘッドを追従させる際に用
いられるヘッド位置決め制御回路に関する。
【0002】こうした位置決め制御回路は、例えばハー
ドディスク装置(HDD)に代表される磁気ディスク装
置に用いられる。
【0003】
【従来の技術】例えば磁気ディスク装置では、磁気ディ
スク上で、データが記録される複数の記録トラックが同
心状に配列される。磁気ヘッドは、データの書き込み時
や読み出し時に、回転する磁気ディスク上で目標とされ
る記録トラックに正確に追従しなければならない。
【0004】磁気ディスクが回転すると、磁気ヘッド
は、ディスクの回転中心と同心の円を描くように磁気デ
ィスク上に軌跡を描く。しかしながら、ディスクの回転
中心に対して記録トラックの中心が偏倚していると、磁
気ヘッドが記録トラックに正確に追従することはできな
くなってしまう。記録トラックに対して磁気ヘッドの軌
跡が偏心円を描いてしまうからである。こうした記録
ラックに対する磁気ヘッドのずれは、記録密度が高まる
ほど、言い換えれば、記録トラックの間隔が狭まるほ
ど、データ読み出しの精度を落とす原因となってしま
う。
【0005】従来では、磁気ヘッドが記録トラックから
半径方向にずれる位置誤差量を測定し、この位置誤差量
に基づいてフィードバック制御が行われている。こうし
たフィードバック制御によって、磁気ヘッドは、位置誤
差量を解消するようにディスク半径方向に駆動される。
その結果、磁気ヘッドが記録トラック上を追従するよう
になるのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年、磁気ディスク装
置の分野では、転送レートの高速化が求められている。
こうした高速化の流れは、磁気ディスクの回転速度の高
速化を誘引している。しかしながら、磁気ディスクの回
転速度が高速化されると、従来のフィードバック制御は
位置誤差量の変化に追随しきれず、正確なトラッキング
サーボ制御を実現することができなくなってしまった。
【0007】本発明は、上記実状に鑑みてなされたもの
で、ディスクの回転速度が高速化される場合でも、正確
位置決め制御を実現することができるヘッド位置決め
制御回路を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、ディスク1回転における角変数θ
の変化に応じて、ディスク上の記録トラックに対するヘ
ッド軌跡偏心円の記録トラック半径方向ずれ量u(θ)
をu(θ)=Acos(θ)+Bsin(θ)の波形に
設定する偏心補正値計算器と、測定されたヘッド軌跡偏
心円および記録トラック間の偏心量に基づき余弦波振幅
Aおよび正弦波振幅Bを設定する補正変数計算器とを備
えることを特徴とするヘッド位置決め制御回路が提供さ
れる。
【0009】かかるヘッド位置決め制御回路によれば、
ヘッド軌跡偏心円の記録トラック半径方向ずれ量の波形
に基づいてヘッドを駆動させることができる。したがっ
て、同時にフィードバック制御を実施すれば、フィード
バック制御のみでは達成きしれない記録トラックに対す
るヘッドの正確な追従を達成することができる。
【0010】ヘッド位置決め制御回路は、ディスク上の
セクタごとに測定されるヘッド軌跡偏心円の記録トラッ
半径方向ずれ量に基づき、ディスク1回転におけるず
れ量x成分の総計値を算出するとともにずれ量y成分の
総計値を算出することによって前記偏心量を測定する偏
心量測定器を備えてもよい。かかる偏心量測定器の働き
によれば、ディスクの偏心量を実測し、実測された偏心
量に基づいて前記波形を設定することができる。その結
果、常に実際の記録トラック半径方向ずれ量に対応する
偏心補正値を得ることができる。
【0011】加えて、ヘッド位置決め制御回路は、前記
ずれ量x成分の総計値およびずれ量y成分の総計値を縮
小させて前記余弦波振幅Aおよび正弦波振幅Bを設定す
る補正変数計算器を備えてもよい。かかる構成によれ
ば、実測された偏心量に外乱が影響する場合でも、前記
偏心補正値を安定化させることができる。その結果、ヘ
ッド軌跡偏心円は確実に記録トラックに収束することが
できる。
【0012】前記偏心量測定器は、シーク制御からオン
トラック制御に移行した後に前記ずれ量x成分の総計値
およびずれ量y成分の総計値を算出することが望まし
い。シーク制御時には、ヘッドが目標記録トラック以外
の記録トラックを横切ることから、実測される偏心量に
周期性が見られなくなる。したがって、シーク制御時に
偏心量の測定を控えることによって正確な偏心量を測定
することが可能となる。
【0013】しかも、前記偏心量測定器は、シーク制御
からオントラック制御に移行した後、任意の待機期間を
経て前記ずれ量x成分の総計値およびずれ量y成分の総
計値を算出することが望ましい。オントラック制御中で
あっても、シーク制御直後にはヘッドの位置が安定化さ
れていない。したがって、待機期間を経ることによっ
て、ヘッドの位置が安定化した後に偏心量を測定するこ
とができる。その結果、正確な偏心量の測定が可能とな
る。
【0014】ただし、前記偏心量測定器は、オフセット
シーク制御時に前記ずれ量x成分の総計値およびずれ量
y成分の総計値を算出するようにしてもよい。オフセッ
トシーク制御時には、既にヘッドが目標記録トラック
位置決めされており、シーク制御といってもヘッドが目
標記録トラック以外の記録トラックを横切ることはな
い。したがって、オフセットシーク制御時に偏心量の測
定を実行すれば、ヘッド軌跡を迅速に記録トラックに収
束させることができる。
【0015】さらに、前記余弦波振幅Aおよび正弦波振
幅Bはヘッドごとに補正変数記憶器に記憶されてもよ
い。余弦波振幅Aおよび正弦波振幅Bをヘッドごとに設
定すれば、ディスク面ごとに記録トラックに対するヘッ
ド軌跡偏心円の偏心量が異なっても、記録トラックにヘ
ッドを確実に追従させることが可能となる。加えて、補
正変数記憶器に記憶された前記余弦波振幅Aおよび正弦
波振幅Bを初期値として用いれば、予め記録トラック
近似したヘッド軌跡を描かせることができることから、
ヘッド軌跡を迅速に記録トラックに収束させることがで
きる。
【0016】前記余弦波振幅Aおよび正弦波振幅Bはデ
ィスク1回転ごとに更新されてもよい。ただし、ヘッド
軌跡の安定化が図られた後、そういった更新動作を中止
させてもよい。1つのディスク面に対しては1つの偏心
量が存在するはずであるから、同一のディスク面に対し
て常に余弦波振幅Aおよび正弦波振幅Bを更新し続ける
必要は必ずしもない。
【0017】前記ヘッド位置決め制御回路では、ディス
ク1回転を複数周期に分解し、各周期ごとに前記余弦波
振幅Aおよび正弦波振幅Bを算出するようにしてもよ
い。こうした余弦波振幅Aおよび正弦波振幅Bによれ
ば、偏心以外の要因によって記録トラック半径方向ずれ
量に現れる周期的な変位を補正することが可能となる。
こうした要因には例えばディスクの反り等が考えられ
る。
【0018】なお、以上のヘッド位置決め制御回路は、
例えばハードディスク装置(HDD)といった磁気ディ
スク装置に代表される記録ディスク装置に適用されるこ
とができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しつつ本発
明の一実施形態を説明する。
【0020】図1は、ハードディスク装置(HDD)に
用いられる磁気ディスクの構造を概略的に示す。この磁
気ディスク10は、トラック中心CO周りに同心状に並
ぶ複数の記録トラック11を備える。記録トラック11
は例えば2.7μmの間隔で配列されている。磁気ディ
スク10には、周方向に等分割された例えば60個のセ
クタ12が設定される。各セクタ12では、サーボフレ
ームと、このサーボフレームに後続するデータフレーム
とから記録トラック11が構成される。
【0021】図2は、サーボフレーム15の構造を概略
的に示す。こうしたサーボフレーム15は、例えば、記
トラック11の中心軌跡Fに対して半径方向内側に変
位された第1サーボマーカ16と、同じく中心軌跡Fに
対して半径方向外側に変位された第2サーボマーカ17
とを備える。図2(a)に示すように、例えば磁気ヘッ
ド18が正確に記録トラック11に沿ってサーボフレー
ム15をなぞると、第1サーボマーカ16に対応する電
気信号と、第2サーボマーカ17に対応する電気信号と
が同レベルで連続して現れる。図2(b)に示すよう
に、磁気ヘッド18が磁気ディスク10内側方向にずれ
てサーボフレーム15をなぞると、第1サーボマーカ1
6に対応する電気信号は現れるのに対し、第2サーボマ
ーカ17に対応する電気信号は現れないことになる。反
対に磁気ヘッド18が磁気ディスク10外側方向にずれ
つつサーボフレーム15をなぞると、図2(c)に示す
ように、第1サーボマーカ16に対応する電気信号は現
れないこととなる。サーボフレーム15を用いれば、こ
ういった電気信号の違いから、記録トラック11に対す
る磁気ヘッド18のずれ量を測定することができる。
【0022】ここで、図1に示すように、トラック中心
COに対して磁気ディスク10の回転中心ROが偏心量
eで偏倚する場合を考える。磁気ヘッド18の軌跡は、
記録トラック11から偏心したヘッド軌跡偏心円TRを
描く。各セクタ12では、図3に示されるように、目標
とする記録トラック11に対して磁気ヘッド18のヘッ
ド軌跡TRが乖離量qでディスク半径方向に乖離する。
ここで、任意の出発点から磁気ディスク10が1回転す
る際に、ディスク中心角θの変化に応じて乖離量qの変
化を観察すると、例えば図4に示すような波形q(θ)
が得られることとなる。
【0023】図5は、磁気ディスク10にデータを書き
込んだり、磁気ディスク10からデータを読み出したり
するHDD20の制御系を概略的に示す。このHDD2
0は、前述した磁気ディスク10が回転軸21に固定さ
れるスピンドルモータ22を備える。データの書き込み
や読み出しにあたっては、スピンドルモータ22が磁気
ディスク10を回転軸21回りで回転させる。
【0024】磁気ディスク10の両ディスク面には1対
の磁気ヘッド18が対向する。磁気ヘッド18はキャリ
ッジ23の先端に支持される。ボイスコイルモータ(V
CM)24は、キャリッジ23を駆動することによって
磁気ヘッド18をディスク半径方向に変位させることが
できる。磁気ヘッド18の変位量は、パワーアンプ25
からVCM24に供給される電流の大きさによって決定
される。パワーアンプ25で出力される電流の大きさ
は、トラッキングサーボ回路26から出力される電流指
示値cによって制御される。電流指示値cを示すデジタ
ル信号は、デジタルアナログ変換器(DAC)27でア
ナログ信号に変換された後、パワーアンプ25に供給さ
れる。
【0025】トラッキングサーボ回路26は、上位のホ
スト(例えばコンピュータ装置の中央演算装置CPU)
から供給される位置決め指令に基づきトラッキングサー
ボ制御を実行する。データの書き込みや読み出し時に
は、このトラッキングサーボ制御の働きによって、磁気
ヘッド18は磁気ディスク10上の記録トラック11を
追従することができる。
【0026】トラッキングサーボ制御には、位置決め指
令によって特定される目標記録トラック11の位置と、
実際の磁気ヘッド18の位置とが用いられる。実際の磁
気ヘッド18の位置は、復調回路28から供給される位
置信号pによって特定される。復調回路28は、磁気ヘ
ッド18が前述したサーボフレーム15をなぞると、磁
気ヘッド18が読み取ったリード信号に基づいて位置信
号pを生成する。磁気ヘッド18がデータフレームをな
ぞれば、復調回路28はリード信号に基づいてデータ信
号を生成する。位置信号pは、例えば、記録トラック
1の番号を特定する整数部分と、前述の原理に従って記
トラック11に対する磁気ヘッド18の乖離量qを特
定する小数部分とから構成されればよい。こうした位置
信号pによれば、各セクタ12ごとに、トラック中心C
Oに対する磁気ヘッド18の半径方向位置が特定される
ことができる。
【0027】図6を参照し、本発明の第1実施形態に係
トラッキングサーボ回路26の構成を詳述する。この
トラッキングサーボ回路26は、位置誤差信号qを生成
する位置誤差計算器31を備える。この位置誤差計算器
31は、復調回路28から供給される位置信号pと、目
標記録トラック11の位置を規定する目標値信号とに基
づいて位置誤差信号qを生成する。目標値信号は、上位
ホストから供給される位置決め指令に基づいて目標位置
設定器32によって作成される。目標値信号には、例え
ば、記録トラック11の番号を特定する整数のみが含ま
れればよい。位置誤差信号qは、位置信号pと目標値信
号との差分を求めることによって得られる。
【0028】コントローラ33はフィードバック制御用
指示値fを生成する。このフィードバック制御用指示値
fは、位置誤差信号qをキャンセルさせるように、ディ
スク半径方向に変位量(−q)で磁気ヘッド18を変位
させることとなる。
【0029】偏心補正値計算器34は偏心補正値u
(N)を生成する。この偏心補正値u(N)はu(N)
=Acos(N)+Bsin(N)の波形に設定され
る。ここで、変数Nは、ディスク1回転における角変位
θを表すセクタ番号である。したがって、この波形によ
れば、記録トラック11に対するヘッド軌跡偏心円TR
の記録トラック半径方向ずれ量がディスク1回転にわた
って連続的に表現される。この偏心補正値u(N)は、
図4に示される乖離量q(θ)をキャンセルさせるよう
に、ディスク半径方向に−q(θ)で磁気ヘッド18を
変位させることが望まれる。なお、変数Nを用いる代わ
りに、ディスク1回転を示すパラメータである限り、例
えば時間変数tといった変数を用いてもよい。
【0030】偏心補正値計算器34で用いられる余弦波
振幅Aおよび正弦波振幅Bは実際に測定されたヘッド軌
跡偏心円TRおよび記録トラック11間の偏心量eに基
づき設定される。この偏心量eは偏心量測定器36によ
って算出される。偏心量測定器36は、磁気ディスク1
0上のセクタ12ごとに測定されるヘッド軌跡偏心円T
Rの記録トラック半径方向ずれ量すなわち位置誤差信号
qに基づき、ディスク1回転におけるずれ量x成分すな
わちqcos(N)の総計値aを算出するとともに、デ
ィスク1回転におけるずれ量y成分すなわちqsin
(N)の総計値bを算出する。
【0031】補正変数計算器37は、ずれ量x成分の総
計値aおよびずれ量y成分の総計値bを縮小させて余弦
波振幅Aおよび正弦波振幅Bを設定する。例えば、この
補正変数計算器37では、総計値aおよび総計値bに係
数k(=0.25)が掛け合わせられ縮小化が図られ
る。ここで、係数kは、0<k<1の条件の下で任意に
設定されればよい。掛け合わされた結果kaは、前回の
余弦波振幅Aに足し合わされた後、今回の余弦波振幅A
に置き換えられる。同様に、掛け合わされた結果kb
は、前回の正弦波振幅Bに足し合わされた後、今回の正
弦波振幅Bに置き換えられる。前回の余弦波振幅Aや正
弦波振幅Bは、補正変数記憶器38に記憶されている。
【0032】図7に示すように、HDD20の電源が投
入されるとコマンド処理タスクが実行される。このコマ
ンド処理タスクでは、HDD20が待機状態の間、上位
ホストから読み出し指令や書き込み指令が送信されてき
たか否かが監視される(ステップS1およびS2)。い
ま、上位ホストからHDD20に対してデータ読み出し
指令が発令された場合を考える。まず、ステップS3で
シークコマンドが発行されるとともに、ステップS4で
カウンタのカウント値Pがゼロに設定される。このカウ
ンタは、後述するように偏心量測定器36のオンオフス
イッチとして機能する。
【0033】カウント値Pがゼロに設定された後、ステ
ップS5でシーク制御が実行される。このシーク制御に
よって磁気ヘッド18は目標とされる記録トラック11
に向けて位置決めされる。シーク制御が終了すると、ス
テップS6でカウント値Pにカウント数T1が設定され
る。このカウント数T1は、ディスク1回転のセクタ数
よりも大きな値に予め設定される。ここでは、カウント
数T1=90とする。
【0034】カウント値Pがカウント数T1に設定され
た後、ステップS7で、トラッキングサーボ回路26か
ら出力される電流指示値cを用いてオントラック制御が
実行される。このオントラック制御によって磁気ヘッド
18は目標記録トラック11を追従することとなる。ス
テップS8では、磁気ヘッド18の追従によってデータ
の読み出しが可能か否かが判断される。データの読み出
しが不可能であれば、再びシークコマンドが発行された
後(ステップS9)、オフセットシーク制御が実行され
る(ステップS10)。このとき、シークコマンドは、
ディスク半径方向に微小に磁気ヘッド18を変位させ
る。こうしたオフセットシーク制御が実行されると、磁
気ヘッド18が変位した上で、目標記録トラック11に
対して再びオントラック制御が実行される(ステップS
7)。
【0035】オントラック制御によってデータの読み出
しが可能であれば、データの読み出しが実行される。ス
テップS11でデータの読み出しが終了したと判断され
ると、HDD20は待機状態に戻る(ステップS1)。
データの読み出しが終了していなければ、オントラック
制御(ステップS7)を維持しつつデータの読み出しを
続行する。
【0036】次に、図8のフローチャートを参照して偏
心補正値の計算手順を説明する。この偏心補正値の計算
は、磁気ヘッド18が1つのセクタ12すなわちサーボ
フレーム15を通過するごとに実行される。まず、ステ
ップQ1で、カウンタのカウント値Pがゼロであるか否
かが判断される。カウント値P=0であれば、ステップ
Q2に進み、偏心補正値計算器34が偏心補正値u
(N)を算出する。カウント値P=0であれば、シーク
制御(図7ステップS5)が実行されているものと判断
され、偏心量測定器36が偏心量eを測定しない。シー
ク制御時には、磁気ヘッド18が目標記録トラック11
以外の記録トラックを横切ることから、偏心量eの測定
を実行しても正確な偏心補正値u(N)を算出すること
はできない。したがって、シーク制御時には偏心量eの
測定を控えるのである。偏心量測定器36はa=0およ
びb=0を出力し、その結果、補正変数記憶器38に記
憶された余弦波振幅Aおよび正弦波振幅Bがそのまま補
正変数計算器37から出力される。
【0037】補正変数記憶器38には、磁気ヘッド18
ごとに余弦波振幅Aおよび正弦波振幅Bが記憶される。
したがって、発行された読み出し指令で特定される磁気
ヘッド18に対応する余弦波振幅Aおよび正弦波振幅B
が補正変数記憶器38から読み出される。このように磁
気ヘッド18ごとに余弦波振幅Aおよび正弦波振幅Bを
設定すれば、磁気ディスク10のデータ面ごとに偏心量
eが異なる場合でも、磁気ヘッド18を記録トラック
1に正確に追従させることが可能となる。
【0038】シーク制御後であっても、補正変数記憶器
38には、前回のオントラック制御時に記憶された余弦
波振幅Aおよび正弦波振幅Bが保持されている。1つの
記録トラックから他の記録トラックに磁気ヘッド18が
移動したとしても、磁気ディスク10の偏心量e自体は
変化しないはずであるから、前回の余弦波振幅Aおよび
正弦波振幅Bを用いることによって、偏心補正値u
(N)が瞬時に切り替えられることが回避され、磁気ヘ
ッド18の変位揺れ(暴れ)が排除される。例えば工場
出荷時には、補正変数記憶器38にA=0およびB=0
が記憶されていればよい。
【0039】余弦波振幅値Aおよび正弦波振幅値Bは、
前回のHDD20電源切断時に補正変数記憶器38に記
憶されているものを初期値としてそのまま用いてもよ
い。こうした初期値は、例えば不揮発性メモリに記憶さ
れればよい。こうした初期値を用いれば、磁気ヘッド1
8の軌跡は迅速に目標記録トラック11に収束すること
ができる。こうした初期値は、工場出荷時に偏心量eを
測定しておき、測定された偏心量eに基づいて設定され
てもよい。偏心量eの測定にあたっては、上位ホストか
らの指令によって、補正値計算の実行は阻止されること
が望ましい。
【0040】ただし、シークコマンドが発行される場合
でも、図7のステップS9およびS10に示されるオフ
セットシーク制御時には偏心量eの測定を控える必要は
ない。オフセットシーク制御時には、すでに磁気ヘッド
18が目標とされる記録トラック11に位置決めされて
おり、複数本の記録トラック11を横切ることがないか
らである。その結果、同じシークコマンドが発行される
場合でも、オフセットシーク制御時には、迅速に偏心量
eが測定されることとなる。その結果、磁気ヘッド18
の軌跡は迅速に目標記録トラック11に収束することと
なる。
【0041】カウント値Pがゼロでなければ、シーク制
御中ではないと判断され、ステップQ3でカウンタのカ
ウントダウンが実行される。その結果、カウント値Pは
1減少する。ステップQ4では、1減少したカウント値
Pがディスク1回転のセクタ数S(この場合、S=6
0)以上か否かが判断される。カウント値Pがセクタ数
S以上であると判断されると、ステップQ2に進み、偏
心補正値計算器34が偏心補正値u(N)を算出する。
ここでは、カウント値Pがセクタ数S=60より小さく
なるまでステップQ1〜Q4の処理が繰り返される。し
たがって、カウント数T1=90がセクタ数S=60に
減少するまでの間、偏心量測定器36が偏心量eを測定
しない。このように、偏心量eの測定に待機期間(T1
−S)を設けることによって、シーク制御の終了後、磁
気ヘッド18の位置が安定してから偏心量eを測定する
ことが可能となる。正確な偏心量eが測定される。
【0042】カウント値Pがセクタ数Sに達すると、ス
テップQ5で、偏心量測定器36はそのセクタNでのず
れ量x成分すなわちqcos(N)およびずれ量y成分
すなわちqsin(N)を算出する。qcos(N)の
値は前回の総計値aに加算され、qsin(N)は前回
の総計値bに加算される。こうした加算は、カウント値
Pがゼロになるまで繰り返される。すなわち、ステップ
Q6でカウント値P=0と判断されるまで、ステップQ
1〜Q6の処理が繰り返される。その結果、ディスク1
回転にわたってずれ量x成分の総計値aおよびずれ量y
成分の総計値bが算出される。
【0043】ずれ量x成分の総計値aおよびずれ量y成
分の総計値bが算出されると、ステップQ7で、補正変
数計算器37は総計値aおよび総計値bに各々係数kを
掛け合わせる。掛け合わされた結果kaおよびkbは、
前回の余弦波振幅Aおよび正弦波振幅Bに足し合わされ
る。足し合わされた結果が今回の余弦波振幅Aおよび正
弦波振幅Bに設定される。このように、総計値aおよび
総計値bを縮小させて余弦波振幅Aおよび正弦波振幅B
を設定することによって、外乱による偏心量eのぶれの
影響を排除することができる。その結果、磁気ヘッド1
8の移動軌跡は、偏心量eに基づく正確な偏心補正値u
(N)に徐々に接近することとなる。
【0044】ステップQ8では、総計値aおよび総計値
bが初期化され、次回の偏心量eの測定に備えられる。
続いて、ステップQ9で、カウント値Pにカウント数T
2が設定される。このカウント数T2は、ディスク1回
転のセクタ数S=60に設定される。したがって、最初
のディスク1回転の偏心量e測定が終了すると、ディス
ク回転の2周目からは待機期間を経ずに偏心量eの測定
が実行されることとなる。
【0045】以上のようなオントラック制御によれば、
記録トラック11に対する磁気ヘッド18軌跡の偏心に
基づく変位量u(N)を電流指示値cに設定することに
よって、フィードバック制御のみでは達成しきれない記
トラック11に対する磁気ヘッド18の正確な追従が
達成される。しかも、実際に磁気ディスク10を回転さ
せながら偏心量eを測定するので、常に正確な磁気ヘッ
ド18の追従を期待することができる。偏心量eの測定
時と偏心補正値の波形u(N)とが同期化されていれ
ば、磁気ディスク10上のどの位置から偏心量e測定を
始めても正確な電流指示値cを得ることができる。
【0046】なお、トラッキングサーボ回路26は、デ
ジタル信号処理装置(DSP)によって構成されればよ
く、前述した処理は、DSPに設定されるソフトウェア
処理によって実行されればよい。また、前述した実施形
態では、ディスクの1回転ごとに余弦波振幅Aおよび正
弦波振幅Bが更新されたが、記録トラック11に対する
磁気ヘッド18の追従が約束された時点で余弦波振幅A
および正弦波振幅Bの更新を中止するようにしてもよ
い。
【0047】図9は本発明の第2実施形態に係るトラッ
キングサーボ回路26の構成を示す。このトラッキング
サーボ回路26では、第1実施形態のようにディスク1
回転ごとに余弦波振幅Aおよび正弦波振幅Bが算出され
るとともに、ディスク1/2回転ごとに余弦波振幅A1
および正弦波振幅B1が算出される。こうしたディスク
1/2回転ごとの余弦波振幅A1および正弦波振幅B1
によって、ディスク1/2回転を1周期として変化する
偏心補正値u(N)=A1cos(N)+B1sin
(N)が得られる。得られた偏心補正値u(N)=Ac
os(N)+Bsin(N)およびu(N)=A1co
s(N)+B1sin(N)がともに電流指示値cに設
定される。これにより、ディスク1回転を1周期に変化
する記録トラック半径方向ずれ量と、ディスク1/2回
転を1周期に変化する記録トラック半径方向ずれ量とが
ともに補正されることとなる。余弦波振幅A1および正
弦波振幅B1の算出にあたっては、偏心量測定器36、
補正変数計算器37および偏心補正値計算器34に、周
期設定器40で分解された複数周期のセクタ番号変数N
すなわち角変数θが入力される。ここでは、ディスク1
/2回転ごとに同一の余弦波振幅A1および正弦波振幅
B1を用いたが、ディスク1回転内で周期ごとに異なる
例えば余弦波振幅A1、A2および正弦波振幅B1、B
2を用いるようにしてもよい。
【0048】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ヘッド軌
跡偏心円および記録トラック間の偏心量によって生じる
ずれ量u(θ)=Acos(θ)+Bsin(θ)を用
いることにより、フィードバック制御のみでは達成しき
れない記録トラックに対するヘッドの正確な追従が達成
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 磁気ディスクの構造を概略的に示す図であ
る。
【図2】 サーボフレームの構造を概略的に示す図であ
る。
【図3】 記録トラックとヘッド軌跡偏心円との乖離量
を示す図である。
【図4】 ディスク1回転に対する乖離量の変化を示す
グラフである。
【図5】 ハードディスク装置(HDD)の制御系を概
略的に示すブロック図である。
【図6】 本発明の第1実施形態に係るトラッキング
ーボ回路の構成を示すブロック図である。
【図7】 コマンド処理タスクの処理手順を示すフロー
チャートである。
【図8】 偏心補正値計算の処理手順を示すフローチャ
ートである。
【図9】 本発明の第2実施形態に係るトラッキング
ーボ回路の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】 10 ディスクとしての磁気ディスク、11 記録トラ
ック、12 セクタ、ヘッドとしての磁気ヘッド、20
記録ディスク装置としてのハードディスク装置(HD
D)、26 ヘッド位置決め制御回路としてのトラッキ
ングサーボ回路、34 補正値計算器、36 偏心量測
定器、37 補正変数計算器、38 補正変数記憶器、
N 角変数θとしてのセクタ番号変数、TR ヘッド軌
跡偏心円、a ずれ量x成分の総計値、b ずれ量y成
分の総計値、e 偏心量、q 記録トラック半径方向ず
れ量、u(θ) 記録トラック半径方向ずれ量としての
偏心補正値。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスク1回転における角変数θの変化
    に応じて、ディスク上の記録シリンダに対するヘッド軌
    跡偏心円の記録シリンダ半径方向ずれ量u(θ)をu
    (θ)=Acos(θ)+Bsin(θ)の波形に設定
    する偏心補正値計算器と、測定されたヘッド軌跡偏心円
    および記録シリンダ間の偏心量に基づき余弦波振幅Aお
    よび正弦波振幅Bを設定する補正変数計算器とを備える
    ことを特徴とするヘッド用シリンダサーボ回路。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のヘッド用シリンダサー
    ボ回路において、ディスク上のセクタごとに測定される
    ヘッド軌跡偏心円の記録シリンダ半径方向ずれ量に基づ
    き、ディスク1回転におけるずれ量x成分の総計値を算
    出するとともにずれ量y成分の総計値を算出することに
    よって前記偏心量を測定する偏心量測定器を備えること
    を特徴とするヘッド用シリンダサーボ回路。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のヘッド用シリンダサー
    ボ回路において、前記ずれ量x成分の総計値およびずれ
    量y成分の総計値を縮小させて前記余弦波振幅Aおよび
    正弦波振幅Bを設定する補正変数計算器を備えることを
    特徴とするヘッド用シリンダサーボ回路。
  4. 【請求項4】 請求項2または3に記載のヘッド用シリ
    ンダサーボ回路において、前記偏心量測定器は、シーク
    制御からオントラック制御に移行した後に前記ずれ量x
    成分の総計値およびずれ量y成分の総計値を算出するこ
    とを特徴とするヘッド用シリンダサーボ回路。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のヘッド用シリンダサー
    ボ回路において、前記偏心量測定器は、シーク制御から
    オントラック制御に移行した後、任意の待機期間を経て
    前記ずれ量x成分の総計値およびずれ量y成分の総計値
    を算出することを特徴とするヘッド用シリンダサーボ回
    路。
  6. 【請求項6】 請求項2または3に記載のヘッド用シリ
    ンダサーボ回路において、前記偏心量測定器は、オフセ
    ットシーク制御時に前記ずれ量x成分の総計値およびず
    れ量y成分の総計値を算出することを特徴とするヘッド
    用シリンダサーボ回路。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載のヘッド用シリンダサー
    ボ回路において、前記余弦波振幅Aおよび正弦波振幅B
    をヘッドごとに記憶する補正変数記憶器を備えることを
    特徴とするヘッド用シリンダサーボ回路。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のヘッド用シリンダサー
    ボ回路において、補正変数記憶器に記憶された前記余弦
    波振幅Aおよび正弦波振幅Bを初期値として用いること
    を特徴とするヘッド用シリンダサーボ回路。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載のヘッド用シリンダサー
    ボ回路において、ディスク1回転ごとに前記余弦波振幅
    Aおよび正弦波振幅Bを更新することを特徴とするヘッ
    ド用シリンダサーボ回路。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載のヘッド用シリンダサ
    ーボ回路において、ディスク1回転を複数周期に分解
    し、各周期ごとに前記余弦波振幅Aおよび正弦波振幅B
    を算出することを特徴とするヘッド用シリンダサーボ回
    路。
  11. 【請求項11】 ディスク1回転における角変数θの変
    化に応じて、ディスク上の記録シリンダに対するヘッド
    軌跡偏心円の記録シリンダ半径方向ずれ量u(θ)をu
    (θ)=Acos(θ)+Bsin(θ)の波形に設定
    する偏心補正値計算器と、測定されたヘッド軌跡偏心円
    および記録シリンダ間の偏心量に基づき余弦波振幅Aお
    よび正弦波振幅Bを設定する補正変数計算器とを備える
    ヘッド用シリンダサーボ回路が組み込まれることを特徴
    とする記録ディスク装置。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の記録ディスク装置
    において、前記ヘッド用シリンダサーボ回路は、ディス
    ク上のセクタごとに測定されるヘッド軌跡偏心円の記録
    シリンダ半径方向ずれ量に基づき、ディスク1回転にお
    けるずれ量x成分の総計値を算出するとともにずれ量y
    成分の総計値を算出することによって前記偏心量を測定
    する偏心量測定器をさらに備えることを特徴とする記録
    ディスク装置。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の記録ディスク装置
    において、前記ヘッド用シリンダサーボ回路は、前記ず
    れ量x成分の総計値およびずれ量y成分の総計値を縮小
    させて前記余弦波振幅Aおよび正弦波振幅Bを設定する
    補正変数計算器をさらに備えることを特徴とする記録デ
    ィスク装置。
JP10028162A 1998-02-10 1998-02-10 ヘッド位置決め制御回路および記録ディスク装置 Withdrawn JPH11232810A (ja)

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