JPH11231512A - ヒートモード感受性画像形成要素からポジテイブ作用性印刷版を作製するための方法 - Google Patents

ヒートモード感受性画像形成要素からポジテイブ作用性印刷版を作製するための方法

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JPH11231512A
JPH11231512A JP33027398A JP33027398A JPH11231512A JP H11231512 A JPH11231512 A JP H11231512A JP 33027398 A JP33027398 A JP 33027398A JP 33027398 A JP33027398 A JP 33027398A JP H11231512 A JPH11231512 A JP H11231512A
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heat
exposed
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JP33027398A
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Joan Vermeersch
ジヨアン・ベルメールシユ
Damme Marc Van
マルク・バン・ダメ
Inge Claes
インゲ・クラース
Andreas Dr Elsaesser
アンドレアス・エルゼサー
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Agfa Gevaert NV
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒートモード感受性画像形成要素から優れた
印刷性を有し、選択的、迅速、簡便且つ生態学的な方法
でポジティブ平版印刷版を作製するための方法を提供す
ること。 【解決手段】 本発明に従えば、 a)親水性表面を有する平版印刷ベース上に、アルカリ
性水溶液中に可溶性のポリマーを含む第1層及び平版印
刷ベースの第1層と同じ側にアルカリ性現像液により非
浸透性であり且つ光を熱に変換することができる化合物
を含有する最上層を有し、ここで該第1層及び該最上層
が1つの同じ層であることができるヒートモード画像形
成要素を画像通りにIR−線に露光し; b)該画像通りに露光されたヒートモード画像形成要素
を該アルカリ性現像液を用いて現像し、それにより同じ
であり得る第1層及び最上層の露光された領域が溶解さ
れ、第1層の露光されない領域が溶解されないで残る段
階を含み、該アルカリ性現像液が少なくとも12のpH
及び少なくとも30mN/mの表面張力を有することを
特徴とする平版印刷版の作製のための方法が提供され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】本発明は、露光されると水性現像液によ
り浸透及び/又は可溶化される最上層(top lay
er)の容量が変化するヒートモード画像形成要素を用
いて平版印刷版を作製するための方法に関する。
【0002】さらに特定的には、本発明は、少なくとも
12のpH及び少なくとも30mN/mの表面張力を有
するアルカリ性溶液を用いる現像により、ヒートモード
画像形成要素を用いて平版印刷版を作製するための方法
に関する。
【0003】
【発明の背景】平版印刷は、そのいくらかの領域が平版
印刷インキを受容することができるが、他の領域は水で
湿らされるとインキを受容しない特別に作られた表面か
らの印刷の方法である。インキを受容する領域は印刷画
像領域を形成し、インキ−反発性領域は背景領域を形成
する。
【0004】写真平版印刷の技術分野の場合、写真材料
は、露光された領域において(ネガティブ−作用性)又
は非露光領域において(ポジティブ−作用性)、親水性
背景上で画像通りに油性又は脂性インキに対して受容性
とされる。
【0005】表面平版印刷版(surface lit
ho plates)又はプラノグラフィ印刷版(pl
anographic printing plate
s)とも呼ばれる通常の平版印刷版の作製の場合、水に
対して親和性を有するか又は化学的処理によりそのよう
な親和性を得る支持体に感光性組成物の薄層がコーティ
ングされる。その目的のためのコーティングにはジアゾ
化合物、ジクロム酸塩−増感親水性コロイド及び多様な
合成感光性樹脂を含有する感光性ポリマー層が含まれ
る。特にジアゾ−増感系が広く用いられる。
【0006】感光層が画像通りに露光されると、露光さ
れた画像領域は不溶性となり、非露光領域は溶解性のま
まである。次いで版は適した液を用いて現像され、非露
光領域のジアゾニウム塩又はジアゾ樹脂が除去される。
【0007】別の場合、画像通りに露光されると露光さ
れた領域において可溶性とされる感光性コーティングを
含む印刷版が既知である。その場合、続く現像は露光さ
れた領域を除去する。そのような感光性コーティングの
典型的例はキノン−ジアジドに基づくコーティングであ
る。
【0008】典型的に、それから印刷版が作製される上
記の写真材料は、平版印刷法において再現されるべき画
像を含有する写真フィルムを介してカメラ−露光され
る。そのような作業法はやっかいであり、労働集約的で
ある。しかし他方、かくして得られる印刷版は優れた平
版印刷の質のものである。
【0009】かくして上記の方法において写真フィルム
の必要を除き、特に再現されるべき画像を示すコンピュ
ーターデータから直接印刷版を得るための試みが成され
てきた。しかし感光性コーティングはレーザーを用いて
直接露光されるのに十分に感受性ではない。従って感光
性コーティングの上にハロゲン化銀層をコーティングす
ることが提案された。次いでハロゲン化銀をコンピュー
ターの制御下でレーザーを用いて直接露光することがで
きる。続いてハロゲン化銀層を現像して感光性コーティ
ングの上に銀画像を残す。次いでその銀画像は感光性コ
ーティングの全体的露光においてマスクとして働く。全
体的露光の後、銀画像は除去され、感光性コーテイング
が現像される。そのような方法は例えばJP−A−60
−61752に開示されているが、複雑な現像及びそれ
に伴う現像液が必要であるという欠点を有する。
【0010】GB−1 492 070は金属層又はカ
ーボンブラックを含有する層を感光性コーティング上に
設ける方法を開示している。次いでこの金属層をレーザ
ーを用いて融蝕し、感光層上の画像マスクを得る。次い
で感光層を画像マスクを介してUV−光により全体的に
露光する。画像マスクの除去の後、感光層を現像して印
刷版を得る。しかしこの方法は感光層の現像の前にやっ
かいな処理により画像マスクを除去しなければならない
という欠点をまだ有している。
【0011】さらに、感光性ではなく感熱性である画像
形成要素の使用を含む印刷版の作製のための方法が既知
である。印刷版の作製のための上記のような感光性画像
形成要素の特別な欠点は、それを光から遮蔽しなければ
ならないことである。さらにそれらは保存安定性の観点
で感度の問題を有し、それらは比較的低い解像度を示
す。明らかに市場で、ヒートモード印刷版前駆体に向か
う傾向が見られる。
【0012】例えば1992年1月のResearch
Disclosure no.33303は、熱可塑
性ポリマー粒子及び赤外吸収性顔料、例えばカーボンブ
ラックを含有する架橋された親水性層を支持体上に含む
ヒートモード画像形成要素を開示している。赤外レーザ
ーに画像通りに露光することにより、熱可塑性ポリマー
粒子が画像通りに凝析し、それによりこれらの領域にお
いて画像形成要素の表面を、さらなる現像なしでインキ
受容性とする。この方法の欠点は、得られる印刷版が容
易に損傷を受けることであり、それはそこにいくらかの
圧力が加えられると非−印刷領域がインキ−受容性とな
り得るからである。さらに限界的条件下で、そのような
印刷版の平板印刷性能は劣り得、従ってそのような印刷
版はほとんど平版印刷寛容度を有していない。
【0013】US−P−4 708 925は、アルカ
リ−可溶性ノボラック樹脂及びオニウム−塩を含有する
感光性組成物を含む画像形成要素を開示している。この
組成物は場合によりIR−増感剤を含有することができ
る。該画像形成要素をUV−可視−又はIR−線に画像
通りに露光し、水性アルカリ液を用いる現像段階が続い
た後、ポジティブ又はネガティブ作用性印刷版が得られ
る。該画像形成要素の照射及び現像により得られる平版
印刷版の印刷結果は劣っている。
【0014】EP−A−625 728は、UV−及び
IR−線に感受性である層を含み、ポジティブもしくは
ネガティブ作用性であることができる画像形成要素を開
示している。この層はレゾール樹脂、ノボラック樹脂、
潜在的ブレンステッド酸及びIR−吸収性物質を含む。
該画像形成要素の照射及び現像により得られる平版印刷
版の印刷結果は劣っている。
【0015】US−P−5 340 699はEP−A
−625 728とほとんど同じであるが、ネガティブ
作用性IR−レーザー記録画像形成要素を得るための方
法を開示している。IR−感受性層はレゾール樹脂、ノ
ボラック樹脂、潜在的ブレンステッド酸及びIR−吸収
性物質を含む。該画像形成要素の照射及び現像により得
られる平版印刷版の印刷結果は劣っている。
【0016】さらにEP−A−678 380は、レー
ザー−融蝕可能な表面層の下の粗面化された金属支持体
上に保護層が設けられる方法を開示している。画像通り
に露光されると表面層は保護層のいくらかの部分と同様
に完全に融蝕される。次いで印刷版を清浄化溶液で処理
し、保護層の残りを除去し、それにより親水性表面層を
露光する。
【0017】EP−A−97 200 588.8は親
水性表面を有する平版印刷ベース上にアルカリ水溶液中
に可溶性のポリマーを含む中間層及びIR−線に感受性
の最上層を含み、ここで該最上層はIR−線に露光され
るとアルカリ性水溶液により浸透及び/又は可溶化され
る容量が減少するか又は増加する、平版印刷版の作製の
ためのヒートモード画像形成要素を開示している。
【0018】アルカリ性溶液に可溶性の該ポリマーは好
ましくはノボラックである。露光された材料と露光され
ない材料の間の画像分化は、露光された領域上の湿潤性
又は浸透性の向上に基づいている。得られる平版印刷版
の性質は多くの場合におそらくドットの表現に関して不
十分であることが観察され、該版を高い質の印刷に不適
なものとした。従って該性質の改善が望まれている。
【0019】
【発明の目的】本発明の目的は、優れた印刷性、特にド
ット表現を有し、選択的、迅速、簡便且つ生態学的方法
で現像可能なポジティブ平版印刷版をヒートモード感受
性画像形成要素から作製するための方法を提供すること
である。
【0020】本発明のさらなる目的は、高い赤外感度を
有するヒートモード感受性画像形成要素からポジティブ
平版印刷版を作製するための方法を提供することであ
る。
【0021】短いならびに長い画素滞留時間(pixe
l dwell time)におけるレーザー露光によ
り画像形成されることができるヒートモード感受性画像
形成要素からポジティブ平版印刷版を作製するための方
法を提供することも本発明の目的である。
【0022】本発明のさらにる目的は、下記の記載から
明らかになるであろう。
【0023】
【発明の概略】本発明に従えば、 a)親水性表面を有する平版印刷ベース上に、アルカリ
性水溶液中に可溶性のポリマーを含む第1層及び平版印
刷ベースの第1層と同じ側にアルカリ性現像液により非
浸透性であり且つ光を熱に変換することができる化合物
を含有する最上層を有し、ここで該第1層及び該最上層
が1つの同じ層であることができるヒートモード画像形
成要素を画像通りにIR−線に露光し; b)該画像通りに露光されたヒートモード画像形成要素
を該アルカリ性現像液を用いて現像し、それにより同じ
であり得る第1層及び最上層の露光された領域が溶解さ
れ、第1層の露光されない領域が溶解されないで残る段
階を含み、該アルカリ性現像液が少なくとも12のpH
及び少なくとも30mN/mの表面張力を有することを
特徴とする平版印刷版の作製のための方法が提供され
る。
【0024】
【発明の詳細な記述】本発明に従えば、 a)親水性表面を有する平版印刷ベース上に、アルカリ
性水溶液中に可溶性のポリマーを含む第1層及び平版印
刷ベースの第1層と同じ側にアルカリ性現像液により非
浸透性であり且つ光を熱に変換することができる化合物
を含有する最上層を有し、ここで該第1層及び該最上層
が1つの同じ層であることができるヒートモード画像形
成要素を画像通りにIR−線に露光し; b)該画像通りに露光されたヒートモード画像形成要素
を該アルカリ性現像液を用いて現像し、それにより同じ
であり得る第1層及び最上層の露光された領域が溶解さ
れ、第1層の露光されない領域が溶解されないで残る段
階を含み、該アルカリ性現像液が少なくとも12のpH
及び少なくとも30mN/mの表面張力を有することを
特徴とする平版印刷版の作製のための方法が提供され
る。
【0025】最上層は第2層とも呼ばれる。
【0026】第1の群の態様の場合、第1層及び最上層
は異なる。第1の態様において以下の段階、すなわち: a)親水性表面を有する平版印刷ベース上に、アルカリ
性水溶液中に可溶性のポリマーを含む第1層及び平版印
刷ベースの第1層と同じ側にIR−線に感受性であり、
アルカリ性現像液に関して非浸透性である最上層を有す
るヒートモード画像形成要素を製造し; b)該ヒートモード画像形成要素を画像通りにIR−線
に露光し; c)該画像通りに露光されたヒートモード画像形成要素
を該アルカリ性現像液を用いて現像し、最上層の露光さ
れた領域及びその下の第1層の領域が溶解され、第1層
及び第2層の露光されない領域が溶解されないで残る段
階を含み、該最上層がIR−色素又はカーボンブラック
を含むことを特徴とする平版印刷版の作製のための方法
が提供される。
【0027】本発明の最上層はIR−色素及び結合剤樹
脂を含む。IR−色素の混合物を用いることができる
が、1種類のIR−色素のみを用いるのが好ましい。好
ましくは該IR−色素はIR−シアニン色素である。特
に有用なIR−シアニン色素は2つの酸基、より好まし
くは2つのスルホン基を有するシアニン色素である。さ
らにもっと好ましいのは2つのインドレニン及び2つの
スルホン酸基を有するシアニン色素である。最も好まし
いのは示される構造を有する化合物Iである。
【0028】
【化1】
【0029】最上層は好ましくは結合剤として水に不溶
性のポリマー、例えばセルロースエステル、塩化ビニリ
デンとアクリロニトリルのコポリマー、ポリ(メタ)ア
クリレート、ポリ塩化ビニル、シリコーン樹脂などを含
むことができる。
【0030】IR−シアニン色素の合計量対樹脂結合剤
の比率は好ましくは1:99〜100:0、より好まし
くは5:95〜95:5の範囲である。最上層の合計量
は好ましくは0.1〜10g/m2、より好ましくは
0.3〜2g/m2の範囲である。
【0031】画像通りに露光されると、最上層におい
て、アルカリ性水溶液により浸透及び/又は可溶化され
る容量における差が本発明のアルカリ性現像液に関して
生まれる。
【0032】本発明の場合、画像通りにIR露光される
と、現像の間に非画像形成部分を可溶化したり及び/又
は損傷を与えたりせずに画像形成された部分が清浄化さ
れる程度まで該容量が増加する。
【0033】アルカリ性水溶液を用いる現像は好ましく
は5〜120秒の間隔内に行われる。
【0034】最上層及び平版印刷ベースの間に本発明は
水性現像液、より好ましくは優先的に(prefere
ntially)7.5〜14のpHを有する水性アル
カリ性現像液中で可溶性の第1層を含む。該層は好まし
くは最上層に連続しているが、最上層と第1層の間に他
の層が存在することができる。この層において用いられ
るアルカリ可溶性結合剤は好ましくは通常のポジティブ
又はネガティブ作用性PS−版で用いられるような疎水
性結合剤、例えばノボラック、ポリビニルフェノール、
カルボキシ置換ポリマーなどである。これらのポリマー
の典型的例はDE−A−4 007 428、DE−A
−4 027 301及びDE−A−4445 820
に記載されている。本発明と関連して用いられる疎水性
結合剤はさらに、水中における不溶性及びアルカリ性溶
液中における部分的な可溶性/膨潤性及び/又は補助溶
媒と組み合わされた場合の水中における部分的な可溶性
を特徴としている。さらにこのアルカリ水溶液可溶性層
は好ましくは可視光−及びUV−光減感層である。該層
は好ましくは熱的に硬膜可能である。この好適に可視光
−及びUV−減感されている層は、250nm〜650
nmの波長領域内で吸収する感光性成分、例えばジアゾ
化合物、フォトアシッド(photoacids)、光
開始剤、キノンジアジド、増感剤などを含まない。この
方法で昼光に安定な印刷版を得ることができる。
【0035】該第1層は好ましくは低分子量の酸、好ま
しくはカルボン酸、さらにもっと好ましくは安息香酸、
最も好ましくは3,4,5−トリメトキシ安息香酸ある
いはベンゾフェノンも含む。
【0036】第1層における低分子量の酸又はベンゾフ
ェノンの合計量対ポリマーの比率は好ましくは2:98
〜40:60、より好ましくは5:95〜20:80の
範囲である。該第1層の合計量は好ましくは0.1〜1
0g/m2、より好ましくは0.3〜2g/m2の範囲で
ある。
【0037】本発明の画像形成要素において、平版印刷
ベースはすべての実施態様の場合に陽極酸化されたアル
ミニウムであることができる。特に好ましい平版印刷ベ
ースは電気化学的に粗面化され、陽極酸化されたアルミ
ニウム支持体である。陽極酸化されたアルミニウム支持
体を処理してその表面の親水性を向上させることができ
る。例えばアルミニウム支持体を例えば95℃などの高
められた温度でケイ酸ナトリウム溶液を用いてその表面
を処理することによりケイ酸塩化することができる。別
の場合、リン酸塩処理を適用することができ、それは酸
化アルミニウム表面をリン酸塩溶液で処理することを含
み、リン酸塩溶液はさらに無機フッ化物を含有している
ことができる。さらに酸化アルミニウム表面をクエン酸
又はクエン酸塩溶液で濯ぐことができる。この処理は室
温で行うことができるか又は約30〜50℃というわず
かに高められた温度で行うことができる。さらに興味深
い処理は酸化アルミニウム表面を重炭酸塩溶液で濯ぐこ
とを含む。さらに、酸化アルミニウム表面をポリビニル
ホスホン酸、ポリビニルメチルホスホン酸、ポリビニル
アルコールのリン酸エステル、ポリビニルスルホン酸、
ポリビニルベンゼンスルホン酸、ポリビニルアルコール
の硫酸エステル及びスルホン化脂肪族アルデヒドとの反
応により生成するポリビニルアルコールのアセタールを
用いて処理することができる。これらの後処理の1つ又
はそれ以上を単独でか又は組み合わせて行うことができ
ることはさらに明らかである。これらの処理のもっと詳
細な記載はGB−A−1 084 070、DE−A−
4 423 140、DE−A−4 417 907、
EP−A−659 909、EP−A−537 63
3、DE−A−4 001 466、EP−A−292
801、EP−A−291 760及びUS−P−4
458 005に示されている。
【0038】本発明と関連する他の様式に従うと、親水
性表面を有する平版印刷ベースはすべての実施態様の場
合に柔軟性支持体、例えば架橋された親水性層が設けら
れた紙又はプラスチックフィルムを含む。特に適した架
橋された親水性層は、ホルムアルデヒド、グリオキサ
ル、ポリイソシアナート又は加水分解されたテトラ−ア
ルキルオルトシリケートなどの架橋剤を用いて架橋され
た親水性結合剤から得ることができる。後者が特に好ま
しい。
【0039】親水性結合剤として親水性(コ)ポリマ
ー、例えばビニルアルコール、アクリルアミド、メチロ
ールアクリルアミド、メチロールメタクリルアミド、ア
クリル酸、メタクリル酸、ヒドロキシエチルアクリレー
ト、ヒドロキシエチルメタクリレートのホモポリマー及
びコポリマーあるいは無水マレイン酸/ビニルメチルエ
ーテルコポリマーを用いることができる。用いられる
(コ)ポリマー又は(コ)ポリマー混合物の親水度は好
ましくは、少なくとも60重量パーセント、好ましくは
80重量パーセントの程度まで加水分解されたポリ酢酸
ビニルの親水度と同じか又はそれより高い。
【0040】架橋剤、特にテトラアルキルオルトシリケ
ートの量は好ましくは親水性結合剤の重量部当たり少な
くとも0.2重量部、より好ましくは0.5〜5重量
部、最も好ましくは1.0重量部〜3重量部である。
【0041】本態様に従って用いられる平版印刷ベース
の架橋された親水性層は好ましくは、層の機械的強度及
び多孔度を向上させる物質も含有する。この目的でコロ
イドシリカを用いることができる。用いられるコロイド
シリカは例えば最高40nm、例えば20nmの平均粒
度を有するコロイドシリカのいずれの商業的に入手可能
な水−分散液の形態であることもできる。さらにコロイ
ドシリカより大きな寸法の不活性粒子、例えばJ.Co
lloid and Interface Sci.,
Vol.26,1968,pages 62 to 6
9に記載されている通りStoeberに従って調製さ
れるシリカあるいはアルミナ粒子あるいは二酸化チタン
又は他の重金属酸化物の粒子である少なくとも100n
mの平均直径を有する粒子を加えることができる。これ
らの粒子の導入により、架橋された親水性層の表面に顕
微鏡的丘と谷から成る均一な粗いきめが与えられ、それ
は背景領域における水のための保存場所として働く。
【0042】本態様に従う平版印刷ベースの架橋された
親水性層の厚さは0.2〜25μmの範囲内で変化する
ことができ、好ましくは1〜10μmである。
【0043】本発明に従って用いるために適した架橋さ
れた親水性層の特定の例は、EP−A−601 24
0、GB−P−1 419 512、FR−P−2 3
00354、US−P−3 971 660、US−P
−4 284 705及びEP−A 514 490に
開示されている。
【0044】本態様と関連する平版印刷ベースの柔軟性
支持体として、プラスチックフィルム、例えば基質化ポ
リエチレンテレフタレートフィルム、酢酸セルロースフ
ィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィ
ルムなどを用いるのが特に好ましい。プラスチックフィ
ルム支持体は不透明又は透明であることができる。
【0045】接着促進層が設けられたポリエステルフィ
ルム支持体を用いるのが特に好ましい。本発明に従って
用いるのに特に適した接着促進層は、EP−A−619
524、EP−A−620 502及びEP−A−6
19 525に開示されている通り親水性結合剤及びコ
ロイドシリカを含む。好ましくは接着促進層中のシリカ
の量はm2当たり200mg〜m2当たり750mgであ
る。さらにシリカ対親水性結合剤の比率は好ましくは1
より高く、コロイドシリカの表面積は好ましくは少なく
ともグラム当たり300m2、より好ましくは少なくと
もグラム当たり500m2である。
【0046】この群の第2の態様に従えば、以下の段
階、すなわち: a)親水性表面を有する平版印刷ベース上に、アルカリ
性水溶液中に可溶性のポリマー、光を熱に変換すること
ができる化合物を含む第1層及び平版印刷ベースの第1
層と同じ側にアルカリ性現像液に関して非浸透性である
最上層を有するヒートモード画像形成要素を製造し; b)該ヒートモード画像形成要素を画像通りに化学線に
露光し; c)該画像通りに露光されたヒートモード画像形成要素
を該アルカリ性現像液を用いて現像し、最上層の露光さ
れた領域及びその下の第1層の領域が溶解され、第1層
の露光されない領域が溶解されないで残る段階を含み、
該最上層が有機第4級アンモニウム塩を含むことを特徴
とする平版印刷版の作製のための方法が提供される。
【0047】本発明の最上層は有機第4級アンモニウム
塩を含む。有機第4級アンモニウム塩の混合物を用いる
ことができるが、1種類のみの有機第4級アンモニウム
塩を用いるのが好ましい。該有機第4級アンモニウム塩
は、好ましくは少なくともC6炭素鎖、より好ましくは
少なくともC12炭素基、さらに好ましくは少なくともC
12脂肪族基を含有する低分子量化合物であることができ
る。最も好ましくは該有機第4級アンモニウム塩はポリ
マー、特別に好ましくはポリ−p−ビニルベンジルトリ
メチルアンモニウム塩である。
【0048】最上層は結合剤として水に不溶性のポリマ
ー、例えばセルロースエステル、塩化ビニリデンとアク
リロニトリルのコポリマー、ポリ(メタ)アクリレー
ト、ポリ塩化ビニル、シリコーン樹脂などを含むことが
できる。
【0049】最上層は本発明に従う結合剤樹脂として好
ましくは水溶性ポリマーを含む。水溶性ポリマーとして
タンパク質、特にゼラチンを用いることができる。しか
し合成、半−合成又は天然の水溶性ポリマーを用いるこ
ともできる。合成ポリマーは例えばポリビニルアルコー
ル、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリビニルイミダゾ
ール、ポリビニルピラゾール、ポリアクリルアミド、ポ
リアクリル酸及びそれらの誘導体、特にそれらのコポリ
マーである。ゼラチンのための天然の置換物は、例えば
他のタンパク質、例えばゼイン、アルブミン及びカゼイ
ン、セルロース、糖、澱粉ならびにアルギン酸塩であ
る。一般にゼラチンのための半−合成置換物は修飾され
た天然の生成物、例えばアルキル化又はアシル化剤を用
いるゼラチンの転換によるかあるいはゼラチン上に重合
可能なモノマーをグラフトさせることにより得られるゼ
ラチン誘導体ならびにセルロース誘導体、例えばヒドロ
キシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、フタロイルセルロース及び硫酸セルロースである。
【0050】最上層の合計量は好ましくは0.1〜10
g/m2、より好ましくは0.3〜2g/m2の範囲であ
る。
【0051】画像通りに露光されると、最上層におい
て、アルカリ性水溶液により浸透及び/又は可溶化され
る容量における差が本発明のアルカリ性現像液に関して
生まれる。
【0052】本発明の場合、画像通りに化学線に露光さ
れると、現像の間に非画像形成部分を可溶化したり及び
/又は損傷を与えたりせずに画像形成された部分が清浄
化される程度まで該容量が増加する。
【0053】アルカリ性水溶液を用いる現像は好ましく
は5〜120秒の間隔内に行われる。
【0054】最上層又は該最上層の直接下の層は、光を
熱に変換することができる化合物を含む。光を熱に変換
することができる適した化合物は、好ましくは赤外吸収
成分であるが、用いられる化合物の吸収が画像通りの露
光に用いられる光源の波長領域内にあれば、吸収の波長
は特に重要なものではない。特に有用な化合物は例えば
色素、特に赤外色素、カーボンブラック、金属炭化物、
ホウ化物、窒化物、炭化窒化物、ブロンズ−構造酸化物
及びブロンズ群に構造的に関連しているがA成分がない
酸化物、例えばWO2.9である。導電性ポリマー分散
液、例えばポリピロールもしくはポリアニリンに基づく
導電性ポリマー分散液を用いることもできる。得られる
平版印刷性能及び特に印刷耐久性は画像形成要素の感熱
性に依存する。これに関し、カーボンブラックが非常に
優れ且つ好ましい結果を与えることが見いだされた。
【0055】他の好ましい色素はIR−シアニン色素で
ある。IR−シアニン色素の混合物を用いることができ
るが、1種類のIR−シアニン色素のみを用いるのが好
ましい。特に有用なIR−シアニン色素は2つの酸基、
より好ましくは2つのスルホン基を有するシアニン色素
である。さらにもっと好ましいのは2つのインドレニン
及び2つのスルホン酸基を有するシアニン色素である。
最も好ましいのは示される構造を有する化合物Iであ
る。
【0056】
【化2】
【0057】有機第4級アンモニウム塩対光を熱に変換
できる化合物の重量比は好ましくは98:2〜20:8
0、より好ましくは95:5〜50:50である。
【0058】最上層及び平版印刷ベースの間に本発明は
水性現像液、より好ましくは優先的に7.5〜14のp
Hを有する水性アルカリ性現像液中で可溶性の第1層を
含む。該層は好ましくは最上層に連続しているが、最上
層と第1層の間に他の親水性層が存在することができ
る。この層において用いられるアルカリ可溶性結合剤は
好ましくは通常のポジティブ又はネガティブ作用性PS
−版で用いられるような疎水性結合剤、例えばノボラッ
ク、ポリビニルフェノール、カルボキシ置換ポリマーな
どである。これらのポリマーの典型的例はDE−A−4
007 428、DE−A−4 027 301及び
DE−A−4 445 820に記載されている。本発
明と関連して用いられる疎水性結合剤はさらに、水中に
おける不溶性及びアルカリ性溶液中における部分的な可
溶性/膨潤性及び/又は補助溶媒と組み合わされた場合
の水中における部分的な可溶性を特徴としている。さら
にこのアルカリ水溶液可溶性層は好ましくは可視光−又
はUV−光減感層である。さらに該層は好ましくは熱的
に硬膜可能である。この好適に可視光−又はUV−光減
感されている層は、250nm〜650nmの波長領域
内で吸収する感光性成分、例えばジアゾ化合物、フォト
アシッド、光開始剤、キノンジアジド、増感剤などを含
まない。この方法で昼光に安定な印刷版を得ることがで
きる。
【0059】該第1層は好ましくは低分子量の酸、好ま
しくはカルボン酸、さらにもっと好ましくは安息香酸、
最も好ましくは3,4,5−トリメトキシ安息香酸ある
いはベンゾフェノンも含む。
【0060】第1層における低分子量の酸又はベンゾフ
ェノンの合計量対ポリマーの重量比は好ましくは2:9
8〜40:60、より好ましくは5:95〜20:80
の範囲である。該第1層の合計量は好ましくは0.1〜
10g/m2、より好ましくは0.3〜2g/m2の範囲
である。
【0061】該群の第3の態様に従えば、以下の段階、
すなわち: a)親水性表面を有する平版印刷ベース上に、アルカリ
性水溶液中に可溶性のポリマーを含む第1層及び平版印
刷ベースの第1層と同じ側にIR−線に感受性であり、
アルカリ性現像液に関して非浸透性である最上層を有す
るヒートモード画像形成要素を製造し; b)該ヒートモード画像形成要素を画像通りにIR−線
に露光し; c)該画像通りに露光されたヒートモード画像形成要素
を該アルカリ性現像液を用いて現像し、最上層の露光さ
れた領域及びその下の第1層の領域が溶解され、第1層
の露光されない領域が溶解されないで残る段階を含み、
該最上層がIR−色素を該IR−感受性最上層の合計量
の1〜100重量%の量で含むことを特徴とする平版印
刷版の作製のための方法が提供される。
【0062】本発明の最上層はIR−色素及び好ましく
はIR−色素と結合剤樹脂から成る。IR−色素の混合
物を用いることができるが、1種のみのIR−色素を用
いるのが好ましい。適したIR−色素はずっと以前から
既知であり、数種の化学的種類、例えばインドアニリン
色素、オキソノール色素、ポルフィン誘導体、アントラ
キノン色素、メロスチリル色素、ピリリウム化合物及び
スクアリリウム誘導体に属する。好ましくは該IR−色
素は、特に約1060nmの発光スペクトルを有するレ
ーザー源を用いる照射の場合、ドイツ特許出願DE−
4.31 162の一般式の範囲に属する。この一般式
(I)は:
【0063】
【化3】
【0064】[式中、Kは対イオンAn−と一緒にQを
示すか又は
【0065】
【化4】
【0066】を示し、ここでQは塩素、フッ素、臭素、
ヨウ素、アルキルオキシ、アリールオキシ、ジアルキル
アミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、
ニトロ、シアノ、アルキルスルホニル、アリールスルホ
ニル、ヘテロシクリル又はL−S−により示される部分
を示し、ここでLはアルキル、アリール、ヘテロシクリ
ル、シアノ又は置換カルボニル、チオカルボニルもしく
はイミノカルボニルを示し、An−はカチオン性色素の
化学において通常用いられるアニオン又はその同等物を
示し、B1はシアノ、アルコキシカルボニル、アルキル
−もしくはアリールカルボニル又は場合により窒素原子
においてアルキル及び/もしくはアリールにより1回又
は2回置換されていることができるアミノカルボニルを
示し、B2はアリールスルホニル、アルキルスルホニ
ル、ヘテロアリールを示すかあるいは
【0067】
【化5】
【0068】により示されることができ、ここでB3
炭素環式もしくは複素環式環を完成するための非−金属
原子を示し、環Tは1〜3個のC1−C4アルキル基によ
り置換されていることができ、n=1又は2であり、A
1及びA2は以下の組み合わせ: (1)X3、X10=O、 X4、X11=−CR38=−CR39、 R38及びR39がそれぞれ独立して水素、アルキル、アリ
ールあるいは一緒になって環状脂肪族、芳香族又は複素
環式5−もしくは7−員環を完成するために必要な非−
金属原子あるいは互いに独立して環状脂肪族、芳香族又
は複素環式5−もしくは7−員環を完成するために必要
な非−金属原子を示し、R3、R4、R19及びR20がそれ
ぞれ独立して水素、C1−C8アルキル、アリール、ハロ
ゲン、シアノ、アルコキシカルボニル、場合により置換
されていることができるアミノカルボニル、アミノ、モ
ノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、ア
ルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチ
オ、アシルオキシ、アシルアミノ、アリールアミノ、ア
ルキルカルボニル、アリールカルボニルあるいは環状脂
肪族、芳香族又は複素環式5−もしくは7−員環を完成
するために必要な非−金属原子を示し、R47及びR50
それぞれ独立して水素、アルキル、アリール、シアノ、
アルコキシシアノ又は第1の場合はR47とそれぞれX4
及びR3の間で、第2の場合はR50とそれぞれX11及び
19の間で飽和もしくは不飽和5−〜7−員環を形成す
るための非−金属原子を示す式(IIIa)及び(II
Ib)の部分:
【0069】
【化6】
【0070】(2)X3、X10=R44N X4、X11=−CR38=−CR39、 それぞれR3とR4、R38とR39が一緒になって場合によ
り置換されていることができる芳香環を完成するための
原子を示し、R44が場合により置換されていることがで
きるアルキル又はアリールあるいは5−もしくは7−員
環を完成するために必要な原子を示す同じ式(III
a)及び(IIIb)の部分、 (3)X5及びX12がそれぞれ独立してO、S、Se、
Te又はR44Nを示し、R5〜R10及びR21〜R26がそ
れぞれ独立してR3の場合に上記で示された意味の1つ
を示し、R48及びR51がそれぞれ独立して水素、アルキ
ル、アリール又はアルコキシカルボニルを示し、X5
12が一緒にR44Nであり、Q=ハロゲンである化合物
を除く式(IVa)及び(IVb)の部分:
【0071】
【化7】
【0072】(4)R60及びR61がそれぞれ独立して水
素、アルキル、アリール、シアノ、アルコキシカルボニ
ル、ハロゲンを示し、R62、R64、R66、R68がそれぞ
れ独立してアルキル又はアリールを示し、R63、R65
67、R69がそれぞれ独立して水素、アルキル又はアリ
ールを示し、環D1〜D4がそれぞれ独立して水素、塩
素、臭素、アルキル又はアルコキシにより1回か又は多
数回置換されていることができる式(VIIa)及び
(VIIb)の部分
【0073】
【化8】
【0074】を示すことができる]により示される。
【0075】この一般式(I)の最も好ましいサブクラ
スは以下である: −式(XXI)に従う化合物
【0076】
【化9】
【0077】−式(XXIII)に従う化合物:
【0078】
【化10】
【0079】−式(XXV)に従う化合物:
【0080】
【化11】
【0081】−式(XXVII)に従う化合物
【0082】
【化12】
【0083】−式(XXIX)に従う化合物:
【0084】
【化13】
【0085】これらのサブクラスの式において、R1、
R2、R17及びR18はR3と同じ意味を有し、B
1、B2、他のR記号、T及びD記号は前記と同じに定
義され、αは0又は1である。
【0086】特に約830nmの発光スペクトルを有す
るレーザー源を用いる照射のための他の好ましいIR−
色素は以下の一般式の範囲に属する。
【0087】
【化14】
【0088】式中、X、X’はそれぞれ独立してO、S
を示し、R70〜R74はそれぞれ独立して水素、アルキル
又はアリールを示すことができ;R70はR72と一緒に、
72はR74と一緒に、R71はR73と一緒に、R70はR72
及びR74と一緒に炭素環式環を形成することができる。
【0089】R72はハロゲン、NR8889(R88、R89
はそれぞれ独立してアルキル、アリールを示すか又は
(複素)環式環を形成することができる)、PR
8889、エステル−COOR92(R92はアルキル又はア
リールを示す)、バルビツル酸基(場合により置換され
ていることができるN−原子を有する)を示すこともで
きる。
【0090】R71又はR73は:−OCOR93を示すこと
ができ;R93はアルキル又はアリールを示す。
【0091】R77はR78と一緒に、R78はR79と一緒
に、R79はR80と一緒に、R81はR82と一緒に、R82
83と一緒に、R83はR84と一緒に場合により炭素環式
酸、エステルもしくはスルホ基で置換されていることが
できる環付加ベンゾ環を形成することができる。
【0092】R78、R79、R82、R83はそれぞれ独立し
て水素、アルキル、アリール、ハロゲン、エステル、炭
素環式酸、アミド、アミン、ニトリル、アルコキシ、ア
リールオキシ又はスルホ基を示すことができる。
【0093】R85、R86、R87、R88はそれぞれ独立し
てアルキル基を示すことができ、R85はR86と一緒に、
87はR88と一緒に環式(スピロ)環(cyclic
(spiro)ring)を形成することができる。
【0094】R75、R76はそれぞれ独立してアルキル、
アリール基;−Cn2nSO3M(nは2〜4の整数を示
し、MはH又は正に帯電した対イオンを示す);−Cn
2nCOOM(nは1〜5の整数を示し、MはH又は正
に帯電した対イオンを示す);−Cn2nCOOR
94(nは1〜5の整数を示し、R94はアルキル又はアリ
ール基を示す);−L1−CONHSO295(L1は
−Cn2n−を示し、nは1〜4の整数であり、R95
アルキル又はアリールを示す)を示す。
【0095】
【化15】
【0096】R96、R102はアルキル又はアリール基;
−Cn2nSO3M(nは2〜4の整数を示し、MはH又
は正に帯電した対イオンを示す);;−Cn2nCOO
M(nは1〜5の整数を示し、MはH又は正に帯電した
対イオンを示す);−Cn2nCOOR103(nは1〜5
の整数を示し、R103はアルキル又はアリール基を示
す);−L1−CONHSO2104(L1は−Cn2n
−を示し、nは1〜4の整数であり、R104はアルキル
又はアリールである)を示す。
【0097】R97、R98、R100、R101はそれぞれ独立
して:水素、アルキル、アリールを示し;R97はR98
一緒に、R100はR101と一緒に環付加ベンゾ環を形成す
ることができる。
【0098】R98は:水素、アルキル、アリール、ハロ
ゲン、エステル又は−SO2R105(R105はアルキル又
はアリールを示す)を示すことができる。
【0099】
【化16】
【0100】R106、R107、R108、R109はそれぞれ独
立してアルキル、アリール基;−Cn2nSO3M(nは
2〜4の整数を示し、MはH又は正に帯電した対イオン
を示す);−Cn2nCOOM(nは1〜5の整数を示
し、MはH又は正に帯電した対イオンを示す);−Cn
2nCOOR117(nは1〜5の整数を示し、R117はア
ルキル又はアリール基を示す);−L1−CONHSO
2118(L1は−Cn2n−を示し、nは1〜4の整数
であり、R118はアルキル又はアリールである)を示す
ことができる。
【0101】R110、R111、R112、R113はそれぞれ独
立して:水素、アルキル又はアリール基を示す。
【0102】R114、R115、R116はそれぞれ独立し
て:水素、アルキル又はアリール基を示すことができ;
115はハロゲン、エステル又は−SO2R119(R119
はアルキル又はアリールを示す)を示す。
【0103】
【化17】
【0104】R120、R121、R122、R123、R124、R
125、R126、R127は:それぞれ独立してアルキル、ア
リール基;−Cn2nSO3M(nは2〜4の整数を示
し、MはH又は正に帯電した対イオンを示す);;−C
n2nCOOM(nは1〜5の整数を示し、MはH又は
正に帯電した対イオンを示す);−Cn2nCOOR131
(nは1〜5の整数を示し、R131はアルキル又はアリ
ール基を示す);−L1−CONHSO2132(L1は
−Cn2n−を示し、nは1〜4の整数であり、R132
アルキル又はアリールを示す)を示すことができる。
【0105】R120はR121と一緒に、R122はR123と一
緒に、R124はR125と一緒に、R126はR127と一緒に環
(cyclic ring)を形成することができる。
【0106】R128、R129、R130は:それぞれ独立し
て水素、アルキル又はアリール基を示すことができ;R
129は:ハロゲン、エステル又は−SO2R133(R133
はアルキル又はアリールを示す)を示すことができる。
【0107】
【化18】
【0108】R134、R137、R138、R141はそれぞれ独
立して:水素、アルキル又はアリールを示すことがで
き、R134はR135と一緒に、R141はR140と一緒に炭素
環式環を形成することができる。
【0109】R135はR136と一緒に、R139はR140と一
緒に炭素環式環を形成することができる。
【0110】R135、R136、R139、R140はそれぞれ独
立して:水素、アルキル、アリール基;−Cn2nSO3
M(nは2〜4の整数を示し、MはH又は正に帯電した
対イオンを示す);;−Cn2nCOOM(nは1〜5
の整数を示し、MはH又は正に帯電した対イオンを示
す)を示すことができる;
【0111】
【化19】
【0112】R142、R143、R144、R145はそれぞれ独
立してアルキル、アリール基;−Cn2nSO3M(nは
2〜4の整数を示し、MはH又は正に帯電した対イオン
を示す);;−Cn2nCOOM(nは1〜5の整数を
示し、MはH又は正に帯電した対イオンを示す);−C
n2nCOOR146(nは1〜5の整数を示し、R146
アルキル又はアリール基を示す);−L1−CONHS
2147(L1は−Cn2n−を示し、nは1〜4の整
数であり、R147はアルキル又はアリールを示す)を示
す。
【0113】R142はR143と一緒に、R144は
R145と一緒に環を形成することができる。
【0114】色素の電荷はいずれかの(分子間又は分子
内)対イオンにより補償されることができる。
【0115】最上層中の結合剤樹脂としてゼラチン、セ
ルロース、セルロースエステル、例えば酢酸セルロー
ス、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、塩
化ビニリデンとアクリロニトリルのコポリマー、ポリ
(メタ)アクリレート、ポリ塩化ビニル、ニトロセルロ
ース、シリコーン樹脂などを用いることができる。結合
剤樹脂として好ましいのは疎水性結合剤樹脂、より好ま
しくはフェノール性樹脂、例えばノボラック及びビニル
フェノールである。
【0116】IR−色素は好ましくは該IR−感受性最
上層の合計量の10〜80重量部の量で存在する。
【0117】最上層の合計量は好ましくは0.1〜10
g/m2、より好ましくは0.3〜2g/m2の範囲であ
る。
【0118】本発明に従って画像通りに露光されると、
最上層において、アルカリ性水溶液により浸透及び/又
は可溶化される容量における差が生まれる。
【0119】本発明の場合、画像通りにIR露光される
と、現像の間に非画像形成部分を可溶化したり及び/又
は損傷を与えたりせずに最上層の画像形成された部分及
び下の第1層の領域が清浄化される程度まで該容量が増
加する。
【0120】アルカリ性水溶液を用いる現像は好ましく
は5〜120秒の間隔内に行われる。
【0121】最上層及び平版印刷ベースの間に本発明は
水性現像液、より好ましくは7.5〜14のpHを有す
る水性アルカリ性現像液中で可溶性の第1層を含む。該
層は好ましくは最上層に連続している。この層において
用いられるアルカリ可溶性ポリマーは好ましくは通常の
ポジティブ又はネガティブ作用性PS−版で用いられる
ような疎水性且つインキ受容性ポリマー、例えばノボラ
ック、ポリビニルフェノール、カルボキシ置換ポリマー
などである。これらのポリマーの典型的例はDE−A−
4 007 428、DE−A−4 027 301及
びDE−A−4445 820に記載されている。本発
明と関連して用いられる疎水性ポリマーはさらに、水中
における不溶性及びアルカリ性溶液中における少なくと
も部分的な可溶性/膨潤性及び/又は補助溶媒と組み合
わされた場合の水中における少なくとも部分的な可溶性
を特徴としている。さらにこのアルカリ水溶液可溶性層
は好ましくは可視光−及びUV−光減感層である。該層
は好ましくは熱的に硬膜可能である。この好適に可視光
−及びUV−光減感されている層は、250nm〜65
0nmの波長領域内で吸収する感光性成分、例えばジア
ゾ化合物、フォトアシッド、光開始剤、キノンジアジ
ド、増感剤などを含まない。この方法で昼光に安定な印
刷版を得ることができる。
【0122】該第1層は好ましくは低分子量の酸、好ま
しくはカルボン酸、さらにもっと好ましくは安息香酸、
最も好ましくは3,4,5−トリメトキシ安息香酸ある
いはベンゾフェノンも含む。
【0123】第1層における低分子量の酸又はベンゾフ
ェノンの合計量対ポリマーの比率は好ましくは2:98
〜40:60、より好ましくは5:95〜20:80の
範囲である。該第1層の合計量は好ましくは0.1〜1
0g/m2、より好ましくは0.3〜2g/m2の範囲
である。
【0124】該群の第4の態様に従い、以下の段階、す
なわち: a)親水性表面を有する平版印刷ベース上に、アルカリ
性水溶液中に可溶性のポリマーを含む層及びIR−線に
感受性の最上層を有するヒートモード画像形成要素を製
造し; b)該ヒートモード画像形成要素を画像通りに化学線に
露光し; c)該画像通りに露光されたヒートモード画像形成要素
を該アルカリ性水溶液を用いて現像し、最上層の露光さ
れた領域及びその下の第1層の領域が溶解され、第1層
の露光されない領域が溶解されないで残る段階を含み、
該最上層がIR−線に露光されるとアルカリ性水溶液に
より浸透及び/又は可溶化される容量が増加することを
特徴とする平版印刷版の作製のための方法を提供する。
【0125】本発明に従う最上層はIR−吸収性化合物
及び結合剤樹脂を含む。特に有用なIR−吸収性化合物
は例えば赤外色素、金属炭化物、ホウ化物、窒化物、炭
化窒化物、ブロンズ−構造酸化物及びブロンズ群に構造
的に関連しているがA成分がない酸化物、例えばWO
2.9である。好ましくはカーボンブラックがIR−吸収
性化合物として用いられる。結合剤樹脂としてゼラチ
ン、セルロース、セルロースエステル、例えば酢酸セル
ロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、塩化ビニリデンとアクリロニトリルのコポリマー、
ポリ(メタ)アクリレート、ポリ塩化ビニル、シリコー
ン樹脂などを用いることができる。結合剤樹脂として好
ましいのはニトロセルロースである。
【0126】画像通りに露光されると最上層において、
アルカリ性水溶液により浸透及び/又は可溶化される容
量における差が生まれる。現像液により浸透及び/又は
可溶化される最上層の容量における差は、熱により誘導
される物理的又は化学的変換によって得ることができ
る。該容量における差を生む熱により誘導される物理的
変換の例は:露光された領域において浸透及び/又は可
溶化される容量を増加させる上記の実施態様ならびに層
の露光された領域において現像液による浸透及び/又は
可溶化に関する容量を増加させるレーザー誘導による材
料の除去である。現像液による浸透及び/又は可溶化に
関する層の容量における差を生む熱により誘導される化
学的変換の例は:露光された領域における該容量を増加
させるレーザー誘導による極性の変化である。レーザー
露光されて生まれる該容量の変化は、アルカリ性水溶液
を用いて現像されると、得られる画像に損傷を与えたり
及び/又は可溶化することなく、完全に清浄化すること
を許すのに十分に高くなければならない。
【0127】画像通りにレーザー露光されると該容量が
増加する場合、現像の間に非画像形成部分を可溶化した
り及び/又は損傷を与えたりせずに画像形成された部分
が清浄化されるであろう。
【0128】アルカリ性水溶液を用いる現像は好ましく
は5〜120秒の間隔内に行われる。
【0129】最上層及び平版印刷ベースの間に本発明は
水性現像液、より好ましくは優先的に7.5〜14のp
Hを有する水性アルカリ性現像液中で可溶性の層を含
む。この層において用いられるアルカリ可溶性結合剤は
好ましくは通常のポジティブ又はネガティブ作用性PS
−版で用いられるような疎水性結合剤、例えばノボラッ
ク、ポリビニルフェノール、カルボキシ置換ポリマーな
どである。これらのポリマーの典型的例はDE−A−4
007428、DE−A−4027301及びDE−A
−4445820に記載されている。本発明と関連して
用いられる疎水性結合剤はさらに、水中における不溶性
及びアルカリ性溶液中における部分的な可溶性/膨潤性
及び/又は補助溶媒と組み合わされた場合の水中におけ
る部分的な可溶性を特徴としている。さらにこのアルカ
リ水溶液可溶性層は好ましくは熱的に硬膜可能でインキ
−受容性の可視光−及びUV−減感層である。この可視
光−及びUV−減感層は、250nm〜650nmの波
長領域内で吸収する感光性成分、例えばジアゾ化合物、
フォトアシッド、光開始剤、キノンジアジド、増感剤な
どを含まない。この方法で昼光に安定な印刷版を得るこ
とができる。さらにIR−線感受性最上層は、露光され
ると部分的にアルカリ水溶液可溶性層に可溶化されるこ
とができる。
【0130】該第1層は好ましくは低分子量の酸、好ま
しくはカルボン酸、さらにもっと好ましくは安息香酸、
最も好ましくは3,4,5−トリメトキシ安息香酸ある
いはベンゾフェノンも含む。
【0131】第1層における低分子量の酸又はベンゾフ
ェノンの合計量対ポリマーの比率は好ましくは2:98
〜40:60、より好ましくは5:95〜20:80の
範囲である。該第1層の合計量は好ましくは0.1〜1
0g/m2、より好ましくは0.3〜2g/m2の範囲
である。
【0132】第2の群の態様の場合、第1層及び第2層
は同じである。
【0133】第2群の第1の態様において、以下の段
階、すなわち: a)親水性表面ならびにIR−線に感受性であり、アル
カリ性水溶液中に可溶性のポリマーを含み、アルカリ性
現像液に関して非浸透性の最上層を有する平版印刷ベー
スから成るヒートモード画像形成要素を製造し; b)該ヒートモード画像形成要素を画像通りにIR−線
に露光し; c)該画像通りに露光されたヒートモード画像形成要素
を該アルカリ性現像液を用いて現像し、最上層の露光さ
れた領域が溶解され、最上層の露光されない領域が溶解
されないで残る段階を含み、該最上層がIR−色素を含
むことを特徴とする平版印刷版の作製のための方法が提
供される。
【0134】本発明のIR−感受性層はIR−色素及び
アルカリ性水溶液中で可溶性のポリマーを含む。IR−
色素の混合物を用いることができるが、1種類のみのI
R−色素を用いるのが好ましい。適したIR−色素は第
1の群の第3の実施態様において上記で挙げたものであ
る。
【0135】IR−色素は好ましくは該IR−感受性最
上層の合計量の1〜60重量部、より好ましくは3〜5
0重量部の量で存在する。
【0136】この層において用いられるアルカリ可溶性
ポリマーは好ましくは通常のポジティブ又はネガティブ
作用性PS−版で用いられるような疎水性且つインキ受
容性ポリマー、例えばカルボキシ置換ポリマーなどであ
る。より好ましいのはフェノール性樹脂、例えばポリビ
ニルフェノール又はノボラックポリマーである。最も好
ましいのはノボラックポリマーである。これらのポリマ
ーの典型的例はDE−A−4 007 428、DE−
A−4 027 301及びDE−A−4 445 8
20に記載されている。本発明と関連して用いられる疎
水性ポリマーはさらに、水中における不溶性及びアルカ
リ性溶液中における少なくとも部分的な可溶性/膨潤性
及び/又は補助溶媒と組み合わされた場合の水中におけ
る少なくとも部分的な可溶性を特徴としている。
【0137】さらに、このIR−感受性層は好ましくは
可視光−及びUV−光減感層である。さらに、該層は好
ましくは熱的に硬膜可能である。この好適に可視光−及
びUV−光減感されている層は、250nm〜650n
mの波長領域内で吸収する感光性成分、例えばジアゾ化
合物、フォトアシッド、光開始剤、キノンジアジド、増
感剤などを含まない。この方法で昼光に安定な印刷版を
得ることができる。
【0138】該IR−感受性層は好ましくは低分子量の
酸、好ましくはカルボン酸、さらにもっと好ましくは安
息香酸、最も好ましくは3,4,5−トリメトキシ安息
香酸あるいはベンゾフェノン、より好ましくはトリヒド
ロキシベンゾフェノンも含む。
【0139】IR−感受性層における低分子量の酸又は
ベンゾフェノンの合計量対ポリマーの比率は好ましくは
2:98〜40:60、より好ましくは5:95〜3
0:70の範囲である。該IR−感受性層の合計量は好
ましくは0.1〜10g/m2、より好ましくは0.3
〜2g/m2の範囲である。
【0140】画像通りに露光されるとIR−感受性層に
おいて、アルカリ性現像液により浸透及び/又は可溶化
される容量における差が本発明のアルカリ性現像液に関
して生まれる。
【0141】この群の第2の態様に従えば、以下の段
階、すなわち: a)親水性表面ならびにIR−線に感受性であり、アル
カリ性水溶液中に可溶性のポリマーを含み、アルカリ性
現像液に関して非浸透性の最上層を有する平版印刷ベー
スから成るヒートモード画像形成要素を製造し; b)該ヒートモード画像形成要素を画像通りにIR−線
に露光し; c)該画像通りに露光されたヒートモード画像形成要素
を該アルカリ性現像液を用いて現像し、最上層の露光さ
れた領域が溶解され、最上層の露光されない領域が溶解
されないで残る段階を含み、該最上層がIR−吸収性顔
料を含むことを特徴とする平版印刷版の作製のための方
法が提供される。
【0142】本発明のIR−感受性層はIR−吸収性顔
料及びアルカリ性水溶液中で可溶性のポリマーを含む。
IR−吸収性顔料の混合物を用いることができるが、1
種類のみのIR−吸収性顔料を用いるのが好ましい。特
に有用なIR−吸収性顔料はカーボンブラック、金属炭
化物、ホウ化物、窒化物、炭化窒化物、ブロンズ−構造
酸化物及びブロンズ群に構造的に関連しているがA成分
がない酸化物、例えばWO2.9である。導電性ポリマー
分散液、例えばポリピロールもしくはポリアニリンに基
づく導電性ポリマー分散液を用いることもできる。得ら
れる平版印刷性能及び特に印刷耐久性は画像形成要素の
感熱性に依存する。これに関し、カーボンブラックが非
常に優れ且つ好ましい結果を与えることが見いだされ
た。
【0143】IR−吸収性顔料は好ましくは該IR−感
受性最上層の合計量の1〜60重量部、より好ましくは
3〜50重量部の量で存在する。
【0144】この層において用いられるアルカリ可溶性
ポリマーは好ましくは通常のポジティブ又はネガティブ
作用性PS−版で用いられるような疎水性且つインキ受
容性ポリマー、例えばカルボキシ置換ポリマーなどであ
る。より好ましいのはフェノール性樹脂、例えばポリビ
ニルフェノール又はノボラックポリマーである。最も好
ましいのはノボラックポリマーである。これらのポリマ
ーの典型的例はDE−A−4 007 428、DE−
A−4 027 301及びDE−A−4 445 8
20に記載されている。本発明と関連して用いられる疎
水性ポリマーはさらに、水中における不溶性及びアルカ
リ性溶液中における少なくとも部分的な可溶性/膨潤性
及び/又は補助溶媒と組み合わされた場合の水中におけ
る少なくとも部分的な可溶性を特徴としている。
【0145】さらに、このIR−感受性層は好ましくは
可視光−及びUV−光減感層である。さらに、該層は好
ましくは熱的に硬膜可能である。この好適に可視光−及
びUV−光減感されている層は、250nm〜650n
mの波長領域内で吸収する感光性成分、例えばジアゾ化
合物、フォトアシッド、光開始剤、キノンジアジド、増
感剤などを含まない。この方法で昼光に安定な印刷版を
得ることができる。
【0146】該IR−感受性層は好ましくは低分子量の
酸、好ましくはカルボン酸、さらにもっと好ましくは安
息香酸、最も好ましくは3,4,5−トリメトキシ安息
香酸あるいはベンゾフェノン、より好ましくはトリヒド
ロキシベンゾフェノンも含む。
【0147】IR−感受性層における低分子量の酸又は
ベンゾフェノンの合計量対ポリマーの比率は好ましくは
2:98〜40:60、より好ましくは5:95〜3
0:70の範囲である。該IR−感受性層の合計量は好
ましくは0.05〜10g/m2、より好ましくは0.
1〜2g/m2の範囲である。
【0148】本発明と関連する画像通りの露光は、赤外
又は近−赤外、すなわち700〜1500nmの波長領
域で働くレーザーの使用を含む画像通りの走査露光であ
る。最も好ましいのは近−赤外で発光するレーザーダイ
オードである。画像形成要素の露光は短い画素滞留時間
を有するレーザーならびに長い画素滞留時間を有するレ
ーザーを用いて行うことができる。好ましいのは0.0
05μ秒〜20μ秒の画素滞留時間を有するレーザーで
ある。
【0149】画像通りの露光の後、ヒートモード画像形
成要素はアルカリ性現像液でそれを濯ぐことにより現像
される。本発明で用いられるアルカリ性現像液は、少な
くとも12のpH及び少なくとも30mN/m、より好
ましくは少なくとも35mN/mの表面張力を有する。
かくして露光されてアルカリ性水溶液に関してより浸透
性とされた最上層の画像形成された部分及びもしあれば
下の層の対応する部分は清浄化され、それによりポジテ
ィブ作用性印刷版が得られる。
【0150】好ましくは画像通りに露光された画像形成
要素の現像は15〜45℃、より好ましくは22〜35
℃において行われる。
【0151】本発明の場合、用いられる現像液の組成は
非常に重要である。
【0152】好ましくは本発明で用いられる現像液及び
現像液のための補充液は、好ましくは主にアルカリ金属
ケイ酸塩及びMOHにより示されるアルカリ金属水酸化
物又はM2Oにより示されるその酸化物を含む水溶液で
あり;より好ましくはここで該現像液はSiO2及びM2
Oを0.5〜1.5のモル比及び0.5〜5重量%のS
iO2の濃度で含む。そのようなアルカリ金属ケイ酸塩
として好適に用いられるのは例えばケイ酸ナトリウム、
ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム及びメタケイ酸ナトリ
ウムである。他方、そのようなアルカリ金属水酸化物と
して好ましいのは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及
び水酸化リチウムである。
【0153】本発明で用いられる現像液は同時に他のア
ルカリ性試薬を含有することができる。そのような他の
アルカリ性試薬の例には水酸化アンモニウム、第三リン
酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸カリ
ウム、第二リン酸カリウム、第三リン酸アンモニウム、
第二リン酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム及び炭酸アンモニウムなどの無機
アルカリ性試薬;ならびにモノ−、ジ−もしくはトリエ
タノールアミン、モノ−、ジ−もしくはトリメチルアミ
ン、モノ−、ジ−もしくはトリエチルアミン、モノ−も
しくはジ−イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モ
ノ−、ジ−もしくはトリイソプロパノールアミン、エチ
レンイミン、エチレンジイミン及びテトラメチルアンモ
ニウムヒドロキシドなどの有機アルカリ性試薬が含まれ
る。
【0154】好ましい現像液の場合、現像液中の[Si
2]/[M2O]のモル比が特に重要であり、それは一
般に0.5〜1.5、好ましくは0.7〜1.3であ
る。これはもしモル比が0.5より低いと活性の大きな
ばらつきが観察され、一方もしそれが1.5を越えると
迅速現像を行うのが困難になり、画像領域上の感光層の
溶出又は除去が不完全でありがちなためである。さらに
現像液及び補充液中のSiO2の濃度は好ましくは1〜
6重量%の範囲である。SiO2の濃度のそのような制
限は、大量の本発明の版を長期間処理した場合でも優れ
た仕上げの質を有する平版印刷版を安定して与えること
を可能にする。
【0155】特に好ましい実施態様の場合、1.0〜
1.5の範囲のモル比[SiO2]/[M2O]及び1〜
6重量%のSiO2の濃度を有するアルカリ金属ケイ酸
塩の水溶液が現像液として用いられる。そのような場
合、現像液のアルカリ濃度と等しいか又はそれより高い
アルカリ濃度を有する補充液が用いられるのはもちろん
である。供給されるべき補充液の量を減少させるため
に、補充液のモル比[SiO2]/[M2O]が現像液の
それと等しいか又はそれより小さいことあるいは現像液
のモル比が補充液のそれと等しい場合はSiO2の濃度
が高いことが有利である。
【0156】本発明で用いられる現像液及び補充液にお
いて同時に、20℃における水中の溶解度が10重量%
以下の有機溶媒を必要に従って用いることができる。そ
のような有機溶媒の例は酢酸エチル、酢酸プロピル、酢
酸ブチル、酢酸アミル、酢酸ベンジル、エチレングリコ
ールモノブチルアセテート、乳酸ブチル及びレブリン酸
ブチルなどのカルボン酸エステル類;エチルブチルケト
ン、メチルイソブチルケトン及びシクロヘキサノンなど
のケトン類;エチレングリコールモノブチルエーテル、
エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコ
ールモノフェニルエーテル、ベンジルアルコール、メチ
ルフェニルカルビノール、n−アミルアルコール及びメ
チルアミルアルコールなどのアルコール類;キレシンな
どのアルキル−置換芳香族炭化水素;ならびにメチレン
ジクロリド及びモノクロロベンゼンなどのハロゲン化炭
化水素である。これらの有機溶媒は単独でか又は組み合
わせて用いられることができる。本発明において特に好
ましいのはベンジルアルコールである。これらの有機溶
媒は一般に5重量%以下、好ましくは4重量%以下の量
で現像液又はそのための補充液に加えられる。
【0157】本発明で用いられる現像液及び補充液の現
像安定性を強化するために、以下の化合物を同時に用い
ることができる。
【0158】そのような化合物の例は中性塩、例えばJ
N−A−58−75 152に開示されているようなN
aCl、KCl及びKBr;キレート化剤、例えばJN
−A−58−190 952(U.S−A−4 469
776)に開示されているようなEDTA及びNT
A、JN−A−59−121 336(US−A−46
06 995)に開示されているような[Co(NH
3)6]C13などの錯体;JN−A−55−25 1
00に開示されているもののような周期表のIIa、I
IIa又はIIIb族の元素のイオン化可能化合物;U
S−A−4 374 920に開示されているようなテ
トラメチルデシンジオール;カチオン性ポリマー、例え
ばJN−A−55−95 946に開示されているよう
なp−ジメチルアミノメチルポリスチレンのメチルクロ
リド第4級生成物(methylchloride q
uaternary products);両性高分子
電解質、例えばJN−A−56−142 528に開示
されているようなビニルベンジルトリメチルアンモニウ
ムクロリドとアクリル酸ナトリウムのコポリマー;還元
性無機塩、例えばJN−A−57−192 952(U
S−A−4 467027)に開示されているような亜
硫酸ナトリウム及びアルカリ−可溶性メルカプト化合物
又はチオエーテル化合物、例えばチオサリチル酸、シス
テイン及びチオグリコール酸;無機リチウム化合物、例
えばJN−A−58−59 444に開示されているよ
うな塩化リチウム;有機リチウム化合物、例えばJN−
A−50 34 442に開示されているような安息香
酸リチウム;JN−A−59−84 241(US−A
−4 500 625)に開示されているような有機ホ
ウ素化合物;第4級アンモニウム塩、例えばEP−A−
101 010に開示されているようなテトラアルキル
アンモニウムオキシド;ならびに殺バクテリア剤、例え
ばJN−A−63−226 657に開示されているよ
うなデヒドロ酢酸ナトリウムである。
【0159】本発明の現像処理のための方法において、
現像液のための補充液を補充するいずれの既知の手段も
用いることができる。好適に用いられるそのような方法
の例は、JN−A−55−115 039及びGB−A
−2 046 931に開示されているように処理され
たPS版の量と時間の関数として断続的又は継続的に補
充液を補充するための方法、JN−A−58−95 3
49(US−A−4537 496)に開示されている
ように溶出された感光層の程度を検出するためのセンサ
ーを現像領域の中央部分に配置し、検出される溶出され
た感光層の程度に比例して補充液を補充することを含む
方法;GB−A−2 208 249に開示されている
ように現像液のインピーダンス値を決定し、検出される
インピーダンス値をコンピューターにより処理して補充
液の補充を行うことを含む方法である。
【0160】本発明の印刷版は印刷法においてシームレ
ススリーブ印刷版として用いられることもできる。この
選択肢の場合、印刷版はレーザーを用いて円筒形にはん
だ付けされる。古典的に作製された印刷版を古典的な方
法で適用する代わりに、直径として印刷シリンダーの直
径を有するこの円筒状印刷版を印刷シリンダー上で滑ら
せる。スリーブに関するさらなる詳細は“Grafis
ch Nieuws”ed.Keesing,15,1
995,page 4 to 6に示されている。
【0161】画像通りに露光された画像形成要素をアル
カリ性現像液を用いて現像し、乾燥した後、版を好まし
くは水で濯ぐ。次いで版を乾燥し、好ましくはゴム引き
する。得られる版を次いでそのまま印刷版として用いる
ことができる。しかし耐久性を向上させるために該版を
200℃〜300℃の温度で30秒〜5分間、焼くこと
もできる。画像形成要素をUV−線への全体的後−露光
に供し、画像を硬化させて印刷版のランレングスを増加
させることもできる。
【0162】以下の実施例は本発明をそこに制限するこ
となく例示するものである。すべての部及びパーセンテ
ージは、他に特定されなければ重量による。
【0163】
【実施例】実施例1 平版印刷ベースの製造 厚さが0.30mmのアルミニウム箔を、50℃におい
て5g/lの水酸化ナトリウムを含有する水溶液に箔を
沈め、脱イオン水で濯ぐことにより脱脂した。次いで3
5℃の温度及び1200A/m2の電流密度において交
流を用い、4g/lの塩酸、4g/lの硼酸及び5g/
lのアルミニウムイオンを含有する水溶液中で箔を電気
化学的に粗面化し、0.5mmの平均中心線粗さRaを
有する表面トポロジーを形成した。
【0164】脱イオン水で濯いだ後、次いで300g/
lの硫酸を含有する水溶液を用い、60℃において18
0秒間、アルミニウム箔をエッチングし、25℃におい
て30秒間、脱イオン水で濯いだ。
【0165】続いて箔を200g/lの硫酸を含有する
水溶液中で、45℃の温度、約10Vの電圧及び150
A/m2の電流密度において約300秒間、陽極酸化に
供し、3.00g/m2のAl2O3の陽極酸化フィル
ムを形成し、次いで脱イオン水で洗浄し、ポリビニルホ
スホン酸を含有する溶液及び次いで三塩化アルミニウム
を含有する溶液を用いて後処理し、脱イオン水を用いて
20℃で120秒間濯ぎ、乾燥した。
【0166】ヒートモード画像形成要素1及び2の製造 上記の平版印刷ベース上に、酢酸エチル/酢酸ブチル6
0/40中の4.9重量%溶液から25μmの湿潤厚さ
でIR−感受性層をコーティングした。得られるIR−
感受性層は22.3%のカーボンブラック(Speci
al Schwarz 250)、8.3%の3,4,
5−トリメトキシ安息香酸、61.1%のAlnovo
l PN 452、0.5%のSolsperse 5
000、2.2%のSolsperse 28000及
び2.2%のニトロセルロースE950を含有した。次
いでコーティングを110℃で乾燥した。
【0167】ヒート−モード画像形成要素の露光 この材料をGERBER C42T TM内部ドラムプ
レートセッター(platesetter)を用い、1
2,000rpm(367m/s、画素滞留時間0.0
32μ秒)及び2540dpiにおいて画像形成させ
た。画像面におけるレーザーの出力レベルは4.8Wで
あった。
【0168】画像通りに露光された要素の現像及び印刷 同様に製造された2つの画像形成要素を同様に露光した
後、これらの2つの要素を表1に記載される通りに水性
アルカリ性現像液中で現像した。これらの現像は現像部
に表1に記載されている現像液及び濯ぎ部に水及びゴム
引き部にOzasol RC795ゴムが満たされたT
echnigraph NPX−32処理機において行
われた。
【0169】現像液中における浸漬時間は44秒であ
り、現像温度は26℃であった。
【0170】
【表1】
【0171】アルカリ性現像液1は水中にケイ酸ナトリ
ウム(0.3モル/l)を含み、水酸化ナトリウムの添
加によりpHを得ている。アルカリ性現像液2は、硫酸
オクチルの添加により表面張力を得た以外はアルカリ性
現像液1と同一である。
【0172】処理の間にIR−露光された領域は非常に
迅速に溶解してポジティブ作用性版を生ずる。画質に関
する版上の結果を表1に示す。
【0173】版の両方をHeidelberg GTO
46印刷機上で通常のインキ(A BDick 102
0)及び湿し液(Rotamatic)を用いて印刷
し、IR−露光された領域にスカム形成のないプリント
を得た。
【0174】しかし要素1(より高い表面張力を有する
アルカリ水溶液中で現像)は版上の3%ドットを表現す
るが要素2は5%ドットさえ表現できない。
【0175】同時に要素2において、スクリーンスケー
ルの全範囲に及んで明確なドットアタック(dot a
ttack)が検出されたが(例えば50%ドットが4
0%しか表現されない)、このドットアタックは要素1
の場合は観察されない。
【0176】要素2を印刷するとほとんどプリント上に
画像が残されず、それは現像の間のイメージアタック
(image attack)が非常に低い機械抵抗性
を生ずるからであった。
【0177】実施例2 平版印刷ベースの製造 実施例1に記載された通りに平版印刷ベースを製造し
た。
【0178】ヒートモード画像形成要素3及び4の製造 上記の平版印刷ベース上に、酢酸エチル/酢酸ブチル5
8/42中の5.60重量%溶液から25μmの湿潤厚
さでIR−感受性層をコーティングした。得られるIR
−感受性層は4.3%のカーボンブラック Speci
al Schwarz 250、7.3%のナフトキノ
ンジアジド CP3171、2.0%のトリヒドロキシ
安息香酸、5.8%の3,4,5−トリメトキシ安息香
酸、76.6%のAlnovol PN 452、0.
1%のSolsperse 5000、0.4%のSo
lsperse 28000、0.4%のニトロセルロ
ース E950及び3.0%のFluorad FC4
31を含有した。コーティングを110℃で乾燥した。
【0179】ヒート−モード画像形成要素の露光 この材料をGERBER C42T TM内部ドラムプ
レートセッターを用い、12,000rpm(367m
/s、画素滞留時間0.032μ秒)及び2540dp
iにおいて画像形成させた。画像面におけるレーザーの
出力レベルは4.4Wであった。
【0180】画像通りに露光された要素の現像及び印刷 同様に製造された2つの画像形成要素を同様に露光した
後、これらの2つの要素を表2に記載される通りに水性
アルカリ性現像液中で現像した。これらの現像は現像部
に表2に記載されている現像液及び濯ぎ部に水及びゴム
引き部にOzasol RC795ゴム(Agfaから
商業的に入手可能)が満たされたTechnigrap
h NPX−32処理機において行われた。
【0181】現像液中における浸漬時間は44秒であ
り、現像温度は26℃であった。
【0182】
【表2】
【0183】処理の間にIR−露光された領域は非常に
迅速に溶解してポジティブ作用性版を生ずる。画質に関
する版上の結果を表2に示す。
【0184】要素3(より高い表面張力を有するアルカ
リ水溶液中で現像)は版上の3%ドットを表現するが要
素4は5%ドットしか表現できない。
【0185】同時に要素4において、スクリーンスケー
ルの全範囲に及んで明確なドットアタックが検出された
が(例えば50%ドットが44%しか表現されない)、
このドットアタックは要素3の場合は観察されない。
【0186】版の両方をHeidelberg GTO
46印刷機上で通常のインキ(A BDick 102
0)及び湿し液(Rotamatic)を用いて印刷
し、IR−露光された領域にスカム形成がなく、露光さ
れない領域においてインキ−吸収が優れたプリントを得
たが、プリント上のドット表現は要素3の場合に好まし
く:3%ドットがプリント上で表現されるが、要素4は
プリント上で5%ドットしか表現しない。
【0187】実施例3 平版印刷ベースの製造 実施例1及び2に記載された通りに平版印刷ベースを製
造した。
【0188】ヒートモード画像形成要素5及び6の製造 平版印刷ベース上に最初にテトラヒドロフラン/メトキ
シプロパノール 57/43中の3重量%溶液からの層
を20μmの湿潤厚さでコーティングした。得られる層
は88.0%のAlnovol PN452及び12.
0%の3,4,5−トリメトキシ安息香酸を含有し、1
00℃で乾燥された。
【0189】この層の上に次いで、酢酸エチル/酢酸ブ
チル60/40中の3重量%溶液から25μmの湿潤コ
ーティング厚さでIR−感受性層をコーティングした。
得られるIR−感受性層は66.0%のAlnovol
PN452、14.0%の1,2−ナフトキノン−2
−ジアジド−5−スルホニルクロリド及びp−ter
t.ブチルフェノール/ホルムアルデヒドコポリマーの
エステル化生成物(PCASから入手可能なPR1
2)、3.8%のトリヒドロキシ安息香酸、8.6%の
Special Schwarz 250、0.9%の
ニトロセルロース E950、0.2%のSolspe
rse 5000、0.8%のSolsperse 2
8000及び5.7%のFluorad FC431を
含有した。この第2のコーティングを120℃で乾燥し
た。
【0190】ヒート−モード画像形成要素の露光 この材料をGERBER C42T TM内部ドラムプ
レートセッターを用い、12,000rpm(367m
/s、画素滞留時間0.032μ秒)及び2540dp
iにおいて画像形成させた。画像面におけるレーザーの
出力レベルは4.0Wであった。
【0191】画像通りに露光された要素の現像及び印刷 同様に製造された2つの画像形成要素を同様に露光した
後、これらの2つの要素を表3に記載される通りに水性
アルカリ性現像液中で現像した。これらの現像は現像部
に表3に記載されている現像液及び濯ぎ部に水及びゴム
引き部にOzasol RC795ゴム(Agfaから
商業的に入手可能)が満たされたTechnigrap
h NPX−32処理機において行われた。
【0192】現像液中における浸漬時間は44秒であ
り、現像温度は26℃であった。
【0193】
【表3】
【0194】処理の間にIR−露光された領域は非常に
迅速に溶解してポジティブ作用性版を生ずる。画質に関
する版上の結果を表3に示す。
【0195】要素5(より高い表面張力を有するアルカ
リ水溶液中で現像)は版上の3%ドットを表現するが要
素6は6%ドットしか表現できない。
【0196】同時に要素6において、スクリーンスケー
ルの全範囲に及んで明確なドットアタックが検出された
が(例えば50%ドットが43%しか表現されない)、
このドットアタックは要素5の場合は観察されない。
【0197】版の両方をHeidelberg GTO
46印刷機上で通常のインキ(A BDick 102
0)及び湿し液(Rotamatic)を用いて印刷
し、IR−露光された領域にスカム形成がなく、露光さ
れない領域においてインキ−吸収が優れたプリントを得
たが、プリント上のドット表現は要素5の場合に好まし
く:3%ドットがプリント上で表現されるが、要素6は
プリント上で6%ドットしか表現しない。
【0198】実施例4 平版印刷ベースの製造 実施例1〜3に記載された通りに平版印刷ベースを製造
した。
【0199】ヒートモード画像形成要素7及び8の製造 上記の平版印刷ベース上にテトラヒドロフラン/プロピ
レングリコール1−メチルエーテル 1/1中の11重
量%溶液からIR−感受性層をコーティングした。得ら
れるIR−感受性層は2μmのコーティング厚さを有
し、6.7%のカーボンブラック、70.3%のクレゾ
ール−ホルムアルデヒドノボラック、3%の2,4−ジ
ヒドロキシベンゾ−フェノン及び20%の2,3,4−
トリヒドロキシベンゾフェノンと1,2−ナフトキノン
−2−ジアジド−5−スルホニルクロリドのエステル化
生成物を含有した。コーティングを100℃で2分間乾
燥した。
【0200】ヒート−モード画像形成要素の露光 この材料をGERBER C42T TM内部ドラムプ
レートセッターを用い、12,000rpm(367m
/s、画素滞留時間0.032μ秒)及び2540dp
iにおいて画像形成させた。画像面におけるレーザーの
出力レベルは4.4Wであった。
【0201】画像通りに露光された要素の現像及び印刷 同様に製造された2つの画像形成要素を同様に露光した
後、これらの2つの要素を表4に記載される通りに水性
アルカリ性現像液中で現像した。これらの現像は現像部
に表4に記載されている現像液及び濯ぎ部に水及びゴム
引き部にOzasol RC795ゴム(Agfaから
商業的に入手可能)が満たされたTechnigrap
h NPX−32処理機において行われた。
【0202】現像液中における浸漬時間は22秒であ
り、現像温度は26℃であった。
【0203】
【表4】
【0204】アルカリ性現像液3は水中にケイ酸ナトリ
ウム(0.3モル/l)を含み、水酸化ナトリウムの添
加によりpHを得ている。アルカリ性現像液4は、硫酸
オクチルの添加により表面張力を得た以外はアルカリ性
現像液3と同じである。
【0205】処理の間にIR−露光された領域は非常に
迅速に溶解してポジティブ作用性版を生ずる。画質に関
する版上の結果を表4に示す。
【0206】要素7(より高い表面張力を有するアルカ
リ水溶液中で現像)は完全に現像され(Dmin=0.
00)、印刷の間にスカム形成が起こらないが、要素8
は画像がすでにアタックされても(Dmaxが0.92
から0.89に低下する)まだ完全に現像されない(D
min=0.05)。
【0207】版の両方をHeidelberg GTO
46印刷機上で通常のインキ(A BDick 102
0)及び湿し液(Rotamatic)を用いて印刷
し、要素7を用いてスカム形成のないプリントを得た
が、要素8を用いると重大なスカム形成が起こった。
【0208】本発明の主たる特徴及び態様は以下の通り
である。
【0209】1.a)親水性表面を有する平版印刷ベー
ス上に、アルカリ性水溶液中に可溶性のポリマーを含む
第1層及び平版印刷ベースの第1層と同じ側にアルカリ
性現像液により非浸透性であり且つ光を熱に変換するこ
とができる化合物を含有する最上層を有し、ここで該第
1層及び該最上層が1つの同じ層であることができるヒ
ートモード画像形成要素を画像通りにIR−線に露光
し; b)該画像通りに露光されたヒートモード画像形成要素
を該アルカリ性現像液を用いて現像し、それにより同じ
であり得る第1層及び最上層の露光された領域が溶解さ
れ、第1層の露光されない領域が溶解されないで残る段
階を含み、該アルカリ性現像液が少なくとも12のpH
及び少なくとも30mN/mの表面張力を有することを
特徴とする平版印刷版の作製のための方法。
【0210】2.該アルカリ性現像液がアルカリ金属ケ
イ酸塩を含有する上記1項に記載の平版印刷版の作製の
ための方法。
【0211】3.該アルカリ金属ケイ酸塩含有現像液が
SiO2及びM2Oを0.5〜1.5のモル比及び0.5
〜6重量%のSiO2の濃度で含む上記2項に記載の平
版印刷版の作製のための方法。
【0212】4.該第1層及び該第2層が別の層である
上記1〜3項のいずれかに記載の平版印刷版の作製のた
めの方法。
【0213】5.該最上層がアルカリ可溶性又は水溶性
ポリマーを結合剤として含む上記4項に記載の平版印刷
版の作製のための方法。
【0214】6.第1層がアルカリ可溶性結合剤を含む
上記1〜5項のいずれかに記載の平版印刷版の作製のた
めの方法。
【0215】7.該アルカリ可溶性結合剤がノボラッ
ク、ポリヒドロキシスチレン及びカルボキシ基含有ポリ
マーから成る群より選ばれる化合物である上記6項に記
載の平版印刷版の作製のための方法。
【0216】8.第1層が低分子量の酸及びベンゾフェ
ノン類から成る群より選ばれる化合物を含む上記1〜7
項のいずれかに記載の平版印刷版の作製のための方法。
【0217】9.光を熱に変換することができる化合物
がカーボンブラック及びI.R.色素から成る群より選
ばれる化合物である上記1〜8項のいずれかに記載の平
版印刷版の作製のための方法。
【0218】10.親水性表面を有する平版印刷ベース
が電気化学的に粗面化され且つ陽極酸化されたアルミニ
ウム基質である上記1〜8項のいずれかに記載の平版印
刷版の作製のための方法。
【0219】11.アルカリ性現像液を用いる現像の後
に画像形成要素を水で濯ぎ及び/又はゴム引きする上記
1〜10項のいずれかに記載の平版印刷版の作製のため
の方法。
【0220】12.アルカリ性現像液を用いる現像の後
に画像形成要素を焼付けする上記1〜11項のいずれか
に記載の平版印刷版の作製のための方法。
【0221】13.レーザーの画素滞留時間が0.00
5〜20μ秒に含まれる上記1〜12項のいずれかに記
載の平版印刷版の作製のための方法。
【0222】14.該画像通りに露光された画像形成要
素の現像を22〜35℃の温度で行う上記1〜8項のい
ずれかに記載の平版印刷版の作製のための方法。
【0223】15.最上層及び第1層が1つの同じ層で
あり、この層が結合剤としてアルカリ可溶性樹脂を含む
上記1〜3項のいずれかに記載の平版印刷版の作製のた
めの方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マルク・バン・ダメ ベルギー・ビー2640モルトセル・セプテス トラート27・アグフア−ゲヴエルト・ナー ムローゼ・フエンノートシヤツプ内 (72)発明者 インゲ・クラース ベルギー・ビー2640モルトセル・セプテス トラート27・アグフア−ゲヴエルト・ナー ムローゼ・フエンノートシヤツプ内 (72)発明者 アンドレアス・エルゼサー ドイツ・デー−65510イドスタイン・アド ルフ−コプリング−ベーク13

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)親水性表面を有する平版印刷ベース
    上に、アルカリ性水溶液中に可溶性のポリマーを含む第
    1層及び平版印刷ベースの第1層と同じ側にアルカリ性
    現像液により非浸透性であり且つ光を熱に変換すること
    ができる化合物を含有する最上層を有し、ここで該第1
    層及び該最上層が1つの同じ層であることができるヒー
    トモード画像形成要素を画像通りにIR−線に露光し; b)該画像通りに露光されたヒートモード画像形成要素
    を該アルカリ性現像液を用いて現像し、それにより同じ
    であり得る第1層及び最上層の露光された領域が溶解さ
    れ、第1層の露光されない領域が溶解されないで残る段
    階を含み、該アルカリ性現像液が少なくとも12のpH
    及び少なくとも30mN/mの表面張力を有することを
    特徴とする平版印刷版の作製のための方法。
JP33027398A 1997-11-07 1998-11-06 ヒートモード感受性画像形成要素からポジテイブ作用性印刷版を作製するための方法 Pending JPH11231512A (ja)

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EP97203466 1997-11-07

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