JPH11231109A - 遮光板及びその製造方法 - Google Patents

遮光板及びその製造方法

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JPH11231109A
JPH11231109A JP10032821A JP3282198A JPH11231109A JP H11231109 A JPH11231109 A JP H11231109A JP 10032821 A JP10032821 A JP 10032821A JP 3282198 A JP3282198 A JP 3282198A JP H11231109 A JPH11231109 A JP H11231109A
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JP
Japan
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honeycomb structure
honeycomb
light
printing
cells
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Application number
JP10032821A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyohiro Sakasegawa
清浩 逆瀬川
Kenichi Yoneyama
健一 米山
Masafumi Kato
雅史 加藤
Toshihiko Nakamura
俊彦 中村
Naoki Fujii
直己 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】孔径が2mm未満の微細なセルを有する高精度
なハニカム構造体で、セル内壁面の表面粗さが大きく、
各種光源からの入射光がハニカム構造体のセル内部で乱
反射せず、効果的に観視方向の前面に設けた剛性を有す
る基板に対して法線方向のみに光を透過でき、画像を立
体的に表示できる高精細度された遮光板及びその製造方
法を提供する。 【解決手段】印刷積層法により剛性を有する基板上に、
少なくとも一種以上の硬化性樹脂と顔料とを含有するハ
ニカム成形用組成物から成るペーストを、一回以上印刷
積層した後、印刷積層体を硬化処理する工程を繰り返し
て、必要な厚さのハニカム構造体2を形成し、セル内壁
3の表面粗さがRmax 5μm以上、ハニカム構造体2の
積層ズレ4が10μm以上で、セル孔径5の10%以下
である遮光板1を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発光ダイオード
(LED)や液晶表示素子(LCD)、プラズマディス
プレイパネル(PDP)等、各種光源から成る平面画像
表示装置に適用し、その画像を立体的に表示するために
用いられる前記装置前面に設けた剛性を有する基板に対
して法線方向以外の光を遮蔽し、該法線方向と一致する
その厚さ方向のみに光を透過するハニカム構造体から成
る遮光板及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より各種光源から成る画像表示装置
の画像を立体的に表示するために、画像表示装置の観視
方向の前面に設けた剛性を有する基板に対して法線方向
以外の光を遮蔽し、該法線方向のみに光を透過するハニ
カム構造体から成る遮光板を用いることが採用されてい
る。
【0003】かかるハニカム構造体から成る遮光板とし
ては、一般的には、ハニカム構造体のセル孔の最大径R
と光の透過方向のセルの厚さLとの比(L/R)は、少
なくとも1以上であることが必要とされ、その開口数は
横640個、縦480個が整列した合計30万個以上の
ハニカムセルから構成されていることが必要とされてい
る。
【0004】このようなハニカム構造体を製造する方法
としては、従来より一般に押出成形法や射出成形法が良
く知られている。
【0005】前記押出成形法は、所定のハニカム形状を
成す口金を用いてハニカム成形用組成物を押し出して棒
状に成形し、得られた棒状の成形体を所望の厚さに切断
して所望のハニカム構造体を製造するものである。
【0006】一方、前記射出成形法は、ハニカム成形用
組成物を加熱混練して可塑化し、該可塑化物をハニカム
壁面形状の凹部を設けた金型に高圧で射出して充填した
後、金型を冷却して充填物を固化し、次いで固化したハ
ニカム成形体を金型より離型してハニカム構造体を製造
するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記画
像表示装置の画像を立体的に表示するために用いるハニ
カム構造体から成る遮光板のように、孔径が微細なセル
を多数有する緻密なハニカム構造体を製造せんとした場
合、前記押出成形法では、押し出し成形時にハニカム成
形用組成物を押し出し成形可能なように調整することに
より付与した可塑性から、得られたハニカム成形体が変
形し易く、目標とする精度が得られず、セル孔径は2m
m程度が限度となり、それより孔径が微細なセルを多数
有する緻密なハニカム構造体を精度良く成形することは
困難であり、更に、かかる押出成形体は乾燥収縮によっ
ても変形を生じてしまい、目標の精度が得られないとい
う課題があった。
【0008】また、前記射出成形法でも、孔径が微細な
セルを多数有する緻密なハニカム構造体用の金型に充填
されたハニカム成形用組成物は、該ハニカム成形用組成
物の冷却固化時の収縮が不均一となり易く、金型に成形
体が固着して離型時にハニカム構造体のセルが破損した
り、前記固化収縮時の歪みにより離型後の成形体に反り
を生じたりして目標とする精度が得られないという課題
があった。
【0009】更に、前記従来のいずれの成形方法におい
ても、ハニカム成形体のセル内壁面が口金から押し出さ
れる時、あるいは射出充填された金型から離型する時に
すべり、その結果、前記セル内壁面が表面粗さの小さい
平滑な面となり、その結果、前記各種光源からの入射光
がハニカム構造体のセル内部で乱反射してしまい、画像
を立体的に表示するための遮光板として、適切な遮光性
を得ることができないという課題があった。
【0010】
【発明の目的】本発明は前記課題を解決するために成さ
れたもので、その目的は、孔径が2mm未満の微細なセ
ルを多数有する高精度なハニカム構造体から成り、ハニ
カム構造体のセル内壁面の表面粗さが大きく、各種光源
からの入射光がハニカム構造体のセル内部で乱反射せず
に、効果的に観視方向の前面に設けた剛性を有する基板
に対して法線方向以外の光を有効に遮蔽し、法線方向の
み、即ちハニカム構造体の厚さ方向のみに光を透過する
ことができ、画像を立体的に表示することが可能な高精
細度された遮光板及びその製造方法を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
に鑑み鋭意検討した結果、ハニカム構造体を画像表示装
置の観視方向の前面に設けた剛性を有する基板に対して
法線方向以外の光を遮蔽し、法線方向のみ、即ちハニカ
ム構造体の厚さ方向のみに光を効果的に透過させるため
には、ハニカムセル内壁の表面の粗さが大きく影響する
ことに着目し、前記内壁の表面粗さを粗くすることを検
討した結果、少なくとも10μm以上の変動がある印刷
位置精度で印刷を繰り返す印刷積層法でハニカム構造体
を成形することにより、印刷積層法の積層ズレを利用し
てハニカムセル内壁の表面の粗さを制御することが可能
となることが判明し、ハニカム構造体から成る遮光板と
その製造方法について最適化を種々検討し、硬化性樹脂
を用いた印刷積層法により、極めて簡単に表面粗さの粗
いセル内壁を有し、不要な光の遮光性に優れた高精細化
が実現できるハニカム構造体から成る遮光板が得られる
ことを見いだし、本発明に至った。
【0012】即ち、本発明の遮光板の製造方法は、印刷
積層法により剛性を有する基板上に、少なくとも一種以
上の硬化性樹脂と顔料とを含有するハニカム成形用組成
物から成るペーストを、所定のハニカムパターンで一回
以上印刷積層した後、得られた印刷積層体を硬化処理す
る印刷積層・硬化処理工程を繰り返して、必要な厚さを
有するハニカム構造体を形成することを特徴とするもの
である。
【0013】また、本発明の遮光板の他の製造方法は、
印刷積層法により剛性を有する基板上に、少なくとも一
種以上の硬化性樹脂と顔料とを含有するハニカム成形用
組成物から成るペーストを、所定のハニカムパターンで
一回以上印刷積層した後、得られた印刷積層体を硬化処
理する印刷積層・硬化処理工程を繰り返して、必要な厚
さを有するハニカム構造体を形成した後、該ハニカム構
造体を前記基板より剥離することを特徴とするものであ
る。
【0014】とりわけ、前記いずれの遮光板の製造方法
においても、剛性を有する基板がガラス基板であること
や、硬化性樹脂がアクリル系樹脂又はエポキシ系樹脂で
あること、顔料が黒色系の色調を呈するものであるこ
と、該顔料の含有量は、体積比で硬化性樹脂100部に
対して10〜60部であることがより望ましいものであ
る。
【0015】次に、本発明の遮光板は、前記製造方法に
より製造されたハニカム構造体から成り、該ハニカム構
造体の厚さ方向のみに光を透過するもので、ハニカム構
造体のセル内壁の表面粗さがRmax 5μm以上と粗く、
かつ印刷積層して形成されたハニカム構造体の各層間の
積層ズレが10μm以上であり、該積層ズレの上限がハ
ニカムセル孔が示す最大径で表したセル孔径の10%で
あることを特徴とするものである。
【0016】
【作用】本発明の遮光板及びその製造方法によれば、印
刷積層法で少なくとも一種以上の硬化性樹脂と顔料を含
有するハニカム成形用組成物から成るペーストを所望厚
さとなるまで、印刷積層・硬化処理の工程を繰り返して
ハニカム構造体を形成することから、印刷積層法の積層
ズレを制御することでハニカムセル内壁の表面粗さを粗
くすることが可能となると共に、かかる印刷積層法で多
数の微細なセルを極めて安価にかつ効率良く、製造歩留
りを向上させて基板付きの有無を問わず容易に製造する
ことが可能となる。
【0017】その上、前記製造方法により得られた遮光
板を用いることにより、各種光源からの光をその厚さ方
向のみに透過させることができ、装置前面に設けた剛性
を有する基板に対して法線方向以外の光を有効に遮蔽し
て平面画像表示装置の画像が鮮明かつ立体的に表示され
た高画質なものとすることが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の遮光板及びその製
造方法について図面に基づき詳細に説明する。
【0019】図1は、本発明の遮光板を構成するハニカ
ム構造体の一実施例を示す厚さ方向の要部を拡大した断
面図であり、図2は、本発明の遮光板の製造方法の一例
を示す工程図である。
【0020】図1において、1は印刷積層されたハニカ
ム構造体2のセル内壁3が積層ズレ4を示す遮光板であ
り、ハニカム構造体2のセル内壁3がRmax 5μm以上
の表面粗さを有し、該ハニカム構造体2は積層ズレ4が
10μm以上、セル孔が示す最大径であるセル孔径5の
10%以下の範囲内を示し、画像表示装置の光源からの
光が矢印6で図示するようにハニカム構造体2の厚さ方
向にのみ透過するものである。
【0021】次に、図2に示すように、本発明の遮光板
の製造方法は、先ず、硬化性樹脂と顔料に所望のバイン
ダーを加えて混合し、所定の粘度を有するようにペース
ト化する。
【0022】その後、遮光板として剛性を有する基板付
きハニカム構造体として製造する場合には、該基板表面
に直接、又、前記基板付きハニカム構造体として製造し
ない場合には、例えば、基板表面に熱可塑性樹脂等の離
型剤を被覆しておき、前記ペースト化したハニカム成形
用組成物をハニカム形状を成す印刷製版で、少なくとも
10μm以上の変動がある印刷位置精度で一回以上、ス
クリーン印刷法で印刷積層し、得られた印刷積層体を後
述する各種方法で硬化処理する。
【0023】以後、前記印刷積層・硬化処理の工程を、
所望厚さが得られるまで繰り返して前記基板に密着した
ハニカム構造体を作製する。
【0024】その後、前記基板付きハニカム構造体とし
ない場合には、予め基板表面に被覆しておいた離型剤を
溶媒等で溶解除去したり、超音波を用いて基板より剥離
することにより、ハニカム構造体のみを得ることができ
る。
【0025】本発明における剛性を有する基板として
は、前記印刷工程や加熱工程において、実質的に反りや
歪み等が生じない素材であればいずれでも良く、例え
ば、鉄やステンレス、チタニウム等の金属板、あるいは
各種ガラスやアルミナ(Al2 3 )、ジルコニア(Z
rO2 )等のセラミック板が挙げられるが、熱伝導性や
製造工程におけるハンドリング性の点からは、特にガラ
ス板から成るものが好ましい。
【0026】次に、本発明における硬化性樹脂として
は、一般的に用いられるモノマーやオリゴマーを含有す
る硬化性の樹脂であればいずれでも良く、反応基及び反
応形態を特に限定するものではない。
【0027】従って、本発明の硬化性樹脂とは、熱又は
紫外線、あるいは電子線や重合開始剤等で反応性あるい
は有機官能基を有する樹脂成分を含有しておれば良く、
例えば、ラジカル重合型のアクリル系紫外線硬化性樹脂
やカチオン重合型のエポキシ系あるいはアゾ系紫外線硬
化性樹脂、チオール・エン付加型の紫外線硬化性樹脂等
が挙げられ、他にもウレタン基を有する樹脂及びその誘
導体を用いることもできる。
【0028】なかでもアクリル系の硬化性樹脂やエポキ
シ系樹脂が好適に使用でき、具体的には、アクリルモノ
マーを含有するメタアクリレートやメタクリレートメチ
ル、2ヒドロキシメチル−メタクリレート、トリメチル
メタクリレート−エチル、ジーメチルメタクリレート−
エチレングリコール−エステル等が挙げられ、またエポ
キシ基を有するビスフェノールAやビスフェノールHか
ら誘導される樹脂が挙げられる。
【0029】又、光硬化性樹脂を混合して用いる場合に
は、その添加量は、体積比でハニカム成形用組成物中の
他の硬化性樹脂100部に対して20部未満では硬化物
の強度が低くなり遮光板が外力により破損する恐れがあ
り、又、80部を越えると硬化時の収縮により遮光板自
体が破損する恐れがあるため、20〜80重量部とする
ことが好適である。
【0030】一方、本発明の顔料としては、実質的に前
記硬化性樹脂と相溶せず、添加することにより光を透過
しないものであればいずれの顔料をも用いることがで
き、例えば、有機系の顔料としては、カーボンブラック
を主成分とするものが、又、無機系の顔料としては、各
種金属酸化物粉末、例えば、アルミナ(Al2 3 )や
ジルコニア(ZrO2 )等の酸化物系セラミック粒子
や、窒化珪素(Si3 4)等の非酸化物セラミック粒
子をはじめ、希主類元素の酸化物や周期律表第3a族元
素酸化物の酸化物等を添加混合して使用することも可能
である。
【0031】又、前記顔料の添加量は、母材である硬化
性樹脂との親和性が影響するが、体積比で硬化性樹脂1
00部に対して10部未満になると、前記硬化性樹脂に
顔料が埋没する傾向にあり、ハニカムセル内壁の表面粗
さが平滑になり易く、他方、60部を越えると、硬化性
樹脂成分が減少するためにハニカムセルの壁の強度が不
足勝ちになるという点を考慮すると、体積比で硬化性樹
脂100部に対して10〜60部がより望ましい。
【0032】更に、前記顔料の他に、着色を目的として
染料を添加することも可能であり、具体的な染料として
は、ジアゾの誘導体から得られる色素を用いることがで
き、例えば、フェノールフタレインやメチルオレンジ等
がある。
【0033】次に、前記ハニカム構造体を印刷積層する
方法としては特に限定するものではなく、例えば、スク
リーン印刷法やグラビア印刷法等、公知の各種方法を適
用することができる。
【0034】又、本発明の硬化性樹脂を硬化させる処理
方法としては、任意に硬化を開始させることが可能な条
件であれば良く、特に限定されるものではなく、具体的
には反応基及び反応形態によって異なるが、加熱した
り、UV線及びX線、EBに代表される高出力電子線等
の照射法等がある。
【0035】更には、任意の半減期を有する硬化剤を用
いて、経時により硬化を行うことも可能であり、硬化を
促進するために、硬化促進剤やラジカル安定剤を添加す
ることもでき、例えば、前記硬化促進剤として好適なも
のとしては、光硬化性樹脂に対しては、硬化触媒として
アセトフェノン類やベンゾフェノン類、有機過酸化物、
アゾ化合物、チオキサントン類を含有させることができ
る。
【0036】かくして得られたハニカム構造体のセル内
壁の表面粗さが、Rmax で5μm未満になると、セル内
壁の光の拡散により遮光板としての要求特性を損ない、
他方、セル孔径の10%を越える粗さになると該セル孔
の開口面積が低減して、光の透過率が減少し、遮光板と
しての要求を満足しない。
【0037】又、本発明における前記ハニカム構造体の
積層ズレとは、繰り返して印刷積層する際の印刷製版と
既に印刷形成されたハニカムパターンとの相対的な位置
精度及び印刷製版の伸び等による印刷位置精度のバラツ
キを示すものであり、具体的には、前記印刷積層を10
0回繰り返した時の印刷面に直交する軸の最大の位置ズ
レを光学的な方法で測定したものである。
【0038】尚、本発明のハニカム成形用組成物から成
るペーストの調製に用いるバインダーとしては、一種以
上の熱可塑性樹脂、及び溶媒、可塑剤、分散剤等の各種
添加剤を使用することができ、前記熱可塑性樹脂や溶
媒、可塑剤は、前記硬化性樹脂と相溶するものであれば
特に限定するものではなく、例えば、熱可塑性樹脂で
は、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアクリレート、
ブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂等を添加することが
でき、その添加量は、遮光板に含まれる硬化性樹脂と熱
可塑性樹脂の合計(全樹脂成分)に対して、体積比で2
0〜80部であることが好ましい。
【0039】又、前記溶媒としては、トルエンやキシレ
ン、ベンゼン、フタル酸エステル等の芳香族溶剤、ある
いはヘキサノール、オクタノール、デカノール、オキシ
アルコール等の高級アルコール類を溶媒として添加する
こともでき、特に、前記フタル酸エステルやオキシアル
コール等は好適に使用できる。
【0040】一方、可塑剤としては、酢酸エステル、グ
リセライド、フタル酸エステル等のエステル類が挙げら
れ、前記溶媒及び可塑剤を緩やかに揮発させるために、
前記溶媒及び可塑剤は、2種類以上併用することも可能
である。
【0041】又、顔料の分散剤としては、ハニカム成形
用組成物中の無機成分の分散性を向上させることができ
るものであれば特に限定するものではないが、ノニオン
系やアニオン系、カチオン系、ベタイン系の各種界面活
性剤が使用でき、例えば、ポリエチレングリコールアル
キルエーテルやアルキルスルホン酸塩、ポリカルボン酸
塩、アルキルアンモニウム塩等を好適に用いることがで
き、2種類以上を併用することも可能である。
【0042】前記分散剤の含有量としては、分散性の向
上及び熱分解の点から、ハニカム成形用組成物中の顔料
成分は、該組成物100重量部に対して0.05〜5重
量部の範囲内であることが望ましい。
【0043】更に、ハニカム構造体の強度向上のため
に、有機シリケート化合物を添加することができ、例え
ば、テトラメトキシシラン、トリメトキシメチルシラ
ン、ジメトキシジメチルシラン、メトキシドリメチルシ
ラン、テトラエトキシシラン、トリエトキシエチルシラ
ン、ジエトキシジエチルシラン、エトキシトリエチルシ
ラン、トリメトキシエチルシラン、ジメトキシジエチル
シラン、メトキシドリエチルシラン等のシラン系化合
物、及びこれら化合物の脱アルコール重合物が挙げられ
る。
【0044】又、これらシリケートには硬化性樹脂との
親和性を向上させるために、該シリケートを前駆体とし
た反応性官能基を含むことができ、有機シリケート化合
物としては、例えば、ポリメトキシジメチルシラン、ビ
ニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、
γ−メタクリトキシプロピルトリメトキシシラン、
(3、4エポキジシクロヘキシル)エチルトリメトキシ
シラン、γ−グリシドキシブロピルトリメトキシシラ
ン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、N−フェノール−γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン、γ−トリクロロプロピルトリメトキ
シシラン等が挙げられる。
【0045】
【実施例】次に、本発明の遮光板及びその製造方法を以
下のようにして評価した。
【0046】(実施例1)先ず、ガラス基板表面にポリ
ビニルアルコールの10%水溶液をドクターブレード法
で乾燥後の平均の厚さが100μmとなるように塗布し
た後、120℃の温度で30分間乾燥させた。
【0047】一方、硬化性樹脂としてアクリル系紫外線
硬化性樹脂100部に対して、体積比で顔料としてカー
ボン顔料粉末15部と、溶媒としてブチルセルソルブア
セテートを3部、分散剤としてポリカルボン酸塩を1
部、紫外線硬化触媒としてアセトフェノン類を3部を添
加し、20℃の温度を保ちながら、高速攪拌してハニカ
ム成形用組成物から成るペーストを調製した。
【0048】更に、得られたペーストを3本ロールミル
で混練してペースト中の凝集粒を粉砕除去した。
【0049】かくして得られたペーストを用いて、最終
的にハニカム構造体のセルの中心間距離が150μmピ
ッチで、高さが150μm、セルを構成する隔壁の厚さ
が30μmとなるように型取りされ、開口した凹部を有
する10インチ画面相当のスクリーン製版を用いて該開
口部をガラス基板上に印刷してハニカム形状の塗布膜を
形成した。
【0050】得られた塗布膜を120℃に加熱して硬化
性樹脂成分を硬化させ、膜厚が53μmのハニカム層を
得た。
【0051】次いで、得られたハニカム層上に、前記同
様にして印刷と加熱硬化を40回繰り返して積層し、最
終的に厚さが2002μmのハニカム構造体を得ること
ができた。
【0052】次いで、水中で超音波を照射してガラス基
板からハニカム構造体を剥離して、ハニカム構造体単体
を得ることができた。
【0053】かくして得られた評価用のハニカム構造体
100枚を製造し、光学的な方法で印刷製版と印刷積層
体との相対位置を観察したところ、積層ズレは10層当
たり平均12μmであり、ハニカム構造体の形状精度と
してその縦方向の長さのバラツキは、±0.01%以内
であることを確認した。
【0054】一方、得られた前記ハニカム構造体を破断
し、セル内壁を接触型表面粗さ計でハニカム構造体の厚
さ方向に表面粗さを測定した結果、各構造体の表面粗さ
は、Rmax で平均5μmであった。
【0055】又、ハニカム構造体の反射率として、ハニ
カム構造体に対して法線方向より45度の角度で赤色半
導体レーザ光(強度P0 )を入射し、逆方向の法線方向
への光強度(P1 )を測定し、P1 /P0 の比率をセル
内壁の45度の反射率として評価した。
【0056】その結果、前記評価用のハニカム構造体1
00枚の反射率は、平均で7.3%であった。
【0057】(実施例2)実施例1と同様にしてハニカ
ム形状の塗布層をガラス基板表面に印刷した後、160
W/cmの紫外線を照射する紫外線照射装置の照射部を
最短距離で20cm離して60秒で通過させ、前記ガラ
ス基板の裏面から該ガラス基板を通して露光させて前記
塗布層を硬化させた。
【0058】更に、前記同様に印刷積層と紫外線照射に
よる硬化処理を繰り返して、厚さ2000μmを目標に
したハニカム構造体を作製した。
【0059】その後、実施例1と同様に水中で超音波を
照射して、ガラス基板とハニカム構造体を分離した。
【0060】得られた評価用のハニカム構造体を実施例
1と同様にして評価したところ、積層ズレは、10層当
たり12μmであり、形状精度は±0.01%以内、セ
ル内壁の表面粗さはRmax で5μm、セル内壁の45度
の反射率は7%であった。
【0061】(比較例)体積比でカーボンブラック40
部と、フェノール樹脂30部及びフェノール樹脂と等モ
ルのホルマリンを混合して可塑化物を作製し、得られた
可塑化物を実施例1のハニカム形状と同一寸法の口金か
ら押し出した後、該押し出し成形体を硬化処理した後、
厚さ3000μmを目標にスライスした。
【0062】その後、スライスしたハニカム構造体素材
の上下面を研磨して厚さ2000μmに調整し、評価用
のハニカム構造体を100枚、作製した。
【0063】得られた評価用のハニカム構造体を実施例
1と同様にして評価したところ、形状精度は±3.0%
以内と悪く、セル内壁の表面粗さはRmax で0.2μm
と極めて滑らかであり、従ってセル内壁の45度の反射
率は43%と極めて大きなものであった。
【0064】以上の結果からも明らかなように、本発明
の遮光板及びその製造方法は、寸法精度が良好であり、
セル内部の反射率も低く、好ましい遮光板が得られてい
ることが分かる。
【0065】
【発明の効果】本発明の遮光板及びその製造方法によれ
ば、硬化性樹脂を用いた印刷積層法でハニカム構造体を
形成し、得られたハニカム構造体は、セル内壁の表面粗
さがRmax で5μm以上と粗く、ハニカム構造体の積層
ズレが10μm以上、セル孔径の10%以下であること
から、極めて簡単に寸法精度に優れた、表面粗さの粗い
セル内壁を有し、セル内部の反射率も低く、不要な光の
遮光性に優れた高精細化が実現できるハニカム構造体か
ら成る遮光板が得られ、各種光源から成る平面画像表示
装置の画像を、鮮明にかつ立体的に表示された高画質な
ものとすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の遮光板を構成するハニカム構造体の一
実施例を示す厚さ方向の要部を拡大した断面図である。
【図2】本発明の遮光板の製造方法の一例を示す工程図
である。
【符号の説明】
1 遮光板 2 ハニカム構造体 3 セル内壁 4 積層ズレ 5 セル孔径
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 俊彦 鹿児島県川内市高城町1810番地 京セラ株 式会社鹿児島川内工場内 (72)発明者 藤井 直己 茨城県水戸市泉町1丁目2番4号 泉町第 一生命ビル8F 京セラ株式会社水戸営業 所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】剛性を有する基板表面に、少なくとも一種
    以上の硬化性樹脂と顔料とを含有するハニカム成形用組
    成物から成るペーストを用いて一回以上、所定のハニカ
    ムパターンで印刷積層した後、該印刷積層体を硬化処理
    する工程を、必要な厚さを得るまで繰り返してハニカム
    構造体を形成することを特徴とする遮光板の製造方法。
  2. 【請求項2】剛性を有する基板表面に、少なくとも一種
    以上の硬化性樹脂と顔料とを含有するハニカム成形用組
    成物から成るペーストを用いて一回以上、所定のハニカ
    ムパターンで印刷積層した後、該印刷積層体を硬化処理
    する工程を、必要な厚さを得るまで繰り返してハニカム
    構造体を形成した後、該ハニカム構造体を前記基板より
    剥離することを特徴とする遮光板の製造方法。
  3. 【請求項3】前記剛性を有する基板が、ガラス基板であ
    ることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに
    記載の遮光板の製造方法。
  4. 【請求項4】前記硬化性樹脂が、アクリル系樹脂又はエ
    ポキシ系樹脂であることを特徴とする請求項1又は請求
    項2のいずれかに記載の遮光板の製造方法。
  5. 【請求項5】前記顔料が、黒色系の色調を呈するもので
    あることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか
    に記載の遮光板の製造方法。
  6. 【請求項6】前記顔料の含有量は、体積比で硬化性樹脂
    100部に対して10〜60部であることを特徴とする
    請求項1又は請求項2、請求項5のいずれかに記載の遮
    光板の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1乃至請求項6に記載された遮光板
    の製造方法により製造されたハニカム構造体が、該ハニ
    カム構造体の厚さ方向のみに光を透過する遮光板であっ
    て、前記ハニカム構造体のセル内壁の表面粗さがRmax
    5μm以上であり、ハニカム構造体の積層ズレが10μ
    m以上、セル孔径の10%以下であることを特徴とする
    遮光板。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007329714A (ja) * 2006-06-08 2007-12-20 Funai Electric Co Ltd 複眼撮像装置
JP2015507760A (ja) * 2012-11-13 2015-03-12 エルジー・ケム・リミテッド 相変化インク組成物を用いて形成された遮光パターンを含む立体映像表示装置
CN107329250A (zh) * 2017-08-16 2017-11-07 南通云天光电科技有限公司 一种蜂窝状遮光罩

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