JPH11230903A - 液体の屈折率測定方法および装置 - Google Patents

液体の屈折率測定方法および装置

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JPH11230903A
JPH11230903A JP10028399A JP2839998A JPH11230903A JP H11230903 A JPH11230903 A JP H11230903A JP 10028399 A JP10028399 A JP 10028399A JP 2839998 A JP2839998 A JP 2839998A JP H11230903 A JPH11230903 A JP H11230903A
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JP10028399A
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Kazuo Hakamata
和男 袴田
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 測定対象の液体が微少量であっても、また散
乱体であっても、その測定精度を低下させることなく、
液体の屈折率を測定する。 【解決手段】 屈折率既知の試料台1上に密接して載置
された液体 200に、試料台1を介して光源10から低コヒ
ーレンスな光を照射し、試料台1と液体 200との境界面
2 で反射した後方散乱光を光検出器70により検出し、
この後方散乱光の強度、試料台1の屈折率等に基づい
て、屈折率算出手段80が液体 200の屈折率を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液体の屈折率測定方
法および装置に関し、詳細には、特に微少量の液体に適
した屈折率測定方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液体物質の性状の1つである光に対する
屈折率は従来よりアッベの屈折計等が用いられていた
が、近年、試料の吸光度に基づいて屈折率を測定する方
法が提案されている。例えば特開昭63−179223号公報に
よれば、試料に極短パルス光を入射し、試料からの透過
光だけをストリークカメラで検出する極短パルス時間ゲ
ート法により試料の吸光度情報を得、得られた吸光度情
報に基づいて屈折率を算出する技術が提案されている。
【0003】また、特開平7−159320号公報によれば、
光ヘテロダイン検出処理により、試料からの透過光のう
ち直線透過光のみを精度よく検出することで吸光度の測
定精度を高めた技術が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、アッベの屈折
計等は、その構造上、測定対象となる試料を少なくとも
数百μl(1μl=10-93 )必要とするため、これ
よりも少ない、例えば数μlの試料については測定する
ことができない。また試料が散乱体である場合も測定す
ることができず、さらに測定精度も3〜4桁程度に過ぎ
ない。
【0005】また、試料の吸光度を計測することによる
屈折率測定方法、特に光ヘテロダイン検出処理によるも
のは、光が通過する試料中の光路長を長く確保しなけれ
ば検出精度を高めることはできない。
【0006】例えば、光ヘテロダイン検出のための参照
光の光路長を変化させる参照鏡の移動距離の精度を 0.0
01mm、光の透過方向の試料の物理的な長さを10mm、測定
された光路長差(参照光と信号光)をΔとすると、屈折
率は1+Δ/10となる。この計測精度は、計測系の縦分
解能(光軸方向分解能)により決定されるが、縦分解能
は使用するコヒーレント光のコヒーレンス長に依存す
る。ここで高い縦分解能を実現するためには低コヒーレ
ンス光(可干渉距離が短い光)を用いるのが適当であ
り、一般的にはSLD(Super Luminescent Diode )が
使用され、SLD使用時の縦分解能は半値幅で20μmで
ある。したがって、屈折率の測定精度は、小数点以下3
〜4桁が限度である。
【0007】このような測定系で屈折率の測定精度を1
桁向上させるためには、試料の物理長を1桁長くする必
要があり、この結果、試料を増大することが必要とな
る。例えば、ビーム径が1mmの光束を用いて屈折率の精
度を4〜5桁まで確保しようとする場合、試料量はπr
2 Lより、2mm×2mm×π× 100mm=約1200μl必要と
なる。
【0008】また吸光度によるものは透過光によるもの
のため、試料は非散乱体であることが望ましい。
【0009】このように上記各測定方法では、数μl程
度の微少量の液体を対象とする屈折率の測定には適さ
ず、また散乱体を対象とすることもできない。
【0010】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
って、測定対象の液体が微少量であっても、また散乱体
であっても、その測定精度を低下させることなく、屈折
率を測定することができる、液体の屈折率測定方法およ
び測定装置を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の液体の屈折率測
定方法および測定装置は、屈折率が既知の試料台に密接
された測定対象である液体に、試料台を介して所定の光
を照射し、液体と試料台との境界面による後方散乱光
(反射光)に基づいて、液体の屈折率を求めるものであ
る。
【0012】すなわち、本発明の第1の液体の屈折率測
定方法は、屈折率が既知の試料台上に密接して配置され
た屈折率測定の対象となる液体に、所定の光源から出射
された光を、前記試料台を介して照射し、前記照射され
た光による、前記液体と前記試料台との境界面による後
方散乱光の強度を検出し、前記後方散乱光の強度および
前記試料台の屈折率に基づいて、前記液体の屈折率を求
めることを特徴とするものである。
【0013】ここで、液体の屈折率の具体的な求め方と
しては、前記液体に向けて照射される光の強度をI0
前記空気の屈折率をn0 、前記試料台の屈折率をn1
前記後方散乱光の強度をIR2、前記試料台の吸光度を
a、前記試料台の厚さをd、{(n0 −n1 )/(n0
+n1 )}2 =R1としたとき、 IR2=I0 (1−R1)2 10-2ad{(n1 −n2 )/(n
1 +n2 )}2 より、前記液体の屈折率n2 を求めればよい。
【0014】ここで、上記後方散乱光の強度に基づい
て、液体の屈折率を求める方法について、図面を用いて
具体的に説明する。
【0015】図2は液体に外部から光を入射させる様子
を示す図である。
【0016】試料台1を介して液体 200を照射する光の
強度をI0 、外部雰囲気である空気300の屈折率を
0 、試料台の屈折率をn1 としたとき、空気 300と試
料台1との境界面R1 での反射光(第1の後方散乱光)
の強度IR1は、 IR1=I0 {(n0 −n1 )/(n0 +n1 )}2 となる。ここで、上式の左辺の項である第1の後方散乱
光の強度IR1を実際に測定し、右辺の項である試料台の
屈折率n1 を計算によって求めるが、試料台の屈折率n
1 は予め求めることができるため既知と考えてよく、し
たがって第1の後方散乱光の強度IR1を実際に測定する
必要はない。
【0017】次に、{(n0 −n1 )/(n0
1 )}2 を反射率R1、試料台1と液体 200との境界面
2 での反射光(第2の後方散乱光)の強度をIR2、試
料台1の吸光度をa、試料台の厚さをd、液体 200の屈
折率をn2 としたとき、 IR2=I0 (1−R1)2 10-2ad{(n1 −n2 )/(n
1 +n2 )}2 より、k=(IR2/I0 )とし、液体の屈折率n2 が求
められる。
【0018】この屈折率n2 の解は、下記の2種類存在
するが、上段のものが実験データに整合した値を示し
た。
【0019】 n2 =(-2kn1-2n1+4k1/2 1 )/{2(k-1)} n2 =(-2kn1-2n1-4k1/2 1 )/{2(k-1)} また試料台としては、光学的に透明、すなわち照射され
る光に対して散乱、吸収が少ないものを用いるのが望ま
しい。これは、試料台と液体との境界面で反射された光
が試料台により散乱、吸収されるのを可及的に少なくし
て測定精度の低下を抑止するためである。
【0020】さらに試料台を所定温度に調節するのが望
ましい。試料台自体の屈折率も温度に依存するため、所
定温度に調節することにより屈折率をより精度よく算出
するためであり、特に微少量の液体を測定対象とする場
合には、この液体が試料台に密接してから試料台の温度
と略同一となる温度平衡に至るまでの時間が短時間で済
むため、屈折率測定に要する全体の時間が大幅に延長さ
れることもない。
【0021】以上の好ましい態様は以下の各発明につい
ても同様に適用可能である。
【0022】本発明の第1の液体の屈折率測定装置は、
上記本発明の第1の液体の屈折率測定方法を実施する測
定装置であって、屈折率測定の対象となる液体が密接し
て配置される、屈折率が既知の試料台と、前記試料台を
介して前記液体に光を照射する光源装置と、前記照射さ
れた光による、前記液体と前記試料台との境界面による
後方散乱光の強度を検出する光検出器と、前記後方散乱
光の強度および前記試料台の屈折率に基づいて、前記液
体の屈折率を求める屈折率算出手段とを備えたことを特
徴とするものである。
【0023】屈折率算出手段としては、前記液体に向け
て照射される光の強度をI0 、前記空気の屈折率を
0 、前記試料台の屈折率をn1 、前記後方散乱光の強
度をIR2、前記試料台の吸光度をa、前記試料台の厚さ
をd、{(n0 −n1 )/(n0 +n1 )}2 =R1とし
たとき、 IR2=I0 (1−R1)2 10-2ad{(n1 −n2 )/(n
1 +n2 )}2 より、前記液体の屈折率n2 を求めるものを適用するの
が好ましい。
【0024】また試料台は、光学的に透明であるものを
適用するのが好ましく、試料台の温度を所定温度に調節
する温調手段をさらに備えた構成を採用するのが好まし
い。
【0025】本発明の第2から第6の液体の屈折率測定
方法は、本発明の第1の液体の屈折率測定方法をより具
体化したものであり、特に、第2から第5の液体の屈折
率測定方法は、入射させた光による反射光のうち、空気
と試料台との境界面による反射光を除去して試料台と液
体との境界面による反射光(後方散乱光)のみを抽出す
る構成を具体化したものである。
【0026】同様に、本発明の第2から第6の液体の屈
折率測定装置は、本発明の第1の液体の屈折率測定装置
をより具体化したものであり、特に、第2から第5の液
体の屈折率測定装置は、入射させた光による反射光のう
ち、空気と試料台との境界面による反射光を除去して試
料台と液体との境界面による反射光(後方散乱光)のみ
を抽出する構成を具体化したものである。
【0027】すなわち、本発明の第2の液体の屈折率測
定方法は、所定の光源から出射された低コヒーレンスな
光を、互いに異なる2つの光路に沿って各別に進行する
信号光と参照光とに分割し、該信号光と参照光とで僅か
な周波数差が生じるように両光のうち少なくとも一方を
変調し、前記信号光を、屈折率が既知の試料台上に密接
して配置された屈折率測定の対象となる液体に、前記試
料台を介して照射し、前記信号光による、前記液体と前
記試料台との境界面による後方散乱光と、前記参照光と
を、該参照光の光路長を調整することにより干渉せし
め、該干渉により得られた干渉光の強度を測定し、前記
干渉光の強度に基づいて前記後方散乱光の強度を求め、
前記後方散乱光の強度および前記試料台の屈折率に基づ
いて、前記液体の屈折率を求めることを特徴とするもの
である。
【0028】ここで、上記低コヒーレンスな光として
は、可干渉距離が数十μm程度と短い例えばSLD(Su
per Luminescent Diode )やLED等が用いられる。な
お実用上はより指向性の高いSLDを用いるのが望まし
い。
【0029】また、上記干渉光の強度を測定するとは、
上記後方散乱光(信号光)と参照光との差周波数で強弱
を繰り返すビート信号(干渉光)の強度を計測すること
を意味する。以下の発明においても同様である。
【0030】本発明の第2の液体の屈折率測定装置は、
上記本発明の第2の液体の屈折率測定方法を実施する測
定装置であって、屈折率測定の対象となる液体が密接し
て配置される、屈折率が既知の試料台と、低コヒーレン
スな光を出射する光源装置と、該光源装置から出射され
た低コヒーレンスな光を、互いに異なる2つの光路に沿
って各別に進行する、参照光と前記試料台を介して前記
液体に入射される信号光とに分割する光路分割手段と、
前記信号光と前記参照光とで僅かな周波数差が生じるよ
うに両光のうち少なくとも一方を変調する、少なくとも
一方の前記光路上に設けられた変調手段と、前記参照光
が進行する光路の長さを調整する光路長調整手段と、前
記信号光による、前記液体と前記試料台との境界面によ
る後方散乱光と前記参照光とを波面整合させる波面整合
手段と、前記波面整合による前記参照光と前記後方散乱
光との干渉光の強度を光電的に検出する光検出器と、該
各干渉光の強度に基づいて前記後方散乱光の強度を求め
るヘテロダイン演算手段と、前記後方散乱光の強度およ
び前記試料台の屈折率に基づいて、前記液体の屈折率を
求める屈折率算出手段とを備えたことを特徴とするもの
である。
【0031】本発明の第3の液体の屈折率測定方法は、
所定の光源から出射された、時間的に鋸歯状に周波数掃
引されたコヒーレント光を、互いに異なる2つの光路に
沿って各別に進行する信号光と参照光とに分割し、前記
信号光を、屈折率が既知の試料台上に密接して配置され
た屈折率測定の対象となる液体に、前記試料台を介して
照射し、前記信号光による、前記液体と前記試料台との
境界面による後方散乱光と、前記信号光および前記後方
散乱光と前記参照光との光路長差に基づく時間差をもっ
て前記光源から出射した、前記後方散乱光とは周波数差
を有するコヒーレント光による前記参照光とを干渉せし
め、該干渉により得られた干渉光の強度を測定し、該干
渉光の強度に基づいて前記後方散乱光の強度を求め、前
記後方散乱光の強度および前記試料台の屈折率に基づい
て、前記液体の屈折率を求めることを特徴とするもので
ある。
【0032】ここで上記後方散乱光と干渉せしめられる
参照光が「後方散乱光とは周波数差を有する」のは、以
下の理由による。
【0033】上記信号光が通過する光路長と後方散乱光
が通過する光路長との和と、参照光が通過する光路長と
には差が設けられており(参照光の光路長の方が短い場
合だけでなく、参照光の光路長の方を長く設定すること
も勿論可能である。)、この光路長差によって、例えば
参照光の光路長の方が短い場合には、波面整合(干渉)
せしめられる位置に到達するのは参照光の方が後方散乱
光よりも早い。
【0034】すなわち後方散乱光がその位置に到達した
ときには、この後方散乱光を生じせしめた信号光と分割
された参照光は既にこの位置を通過しており、この信号
光が光源から出射された時点よりも遅い時刻に出射され
たコヒーレント光の一部である参照光が到達する。
【0035】この遅い時刻に出射されたコヒーレント光
は、時間的に周波数掃引されているため、後方散乱光と
は僅かに周波数差を有するものとなっている。
【0036】本発明の第3の液体の屈折率測定装置は、
上記本発明の第3の液体の屈折率測定方法を実施する測
定装置であって、屈折率測定の対象となる液体が密接し
て配置される、屈折率が既知の試料台と、時間的に鋸歯
状に周波数掃引されたコヒーレント光を出射する光源装
置と、該光源装置から出射された周波数掃引されたコヒ
ーレント光を、互いに異なる2つの光路に沿って各別に
進行する、参照光と前記試料台を介して前記液体に入射
される信号光とに分割する光路分割手段と、前記信号光
による、前記液体と前記試料台との境界面による後方散
乱光と、前記信号光および前記後方散乱光と前記参照光
との光路長差に基づく時間差をもって前記光源から出射
した、前記後方散乱光とは周波数差を有するコヒーレン
ト光による前記参照光とを、波面整合させる波面整合手
段と、前記波面整合による前記参照光と前記後方散乱光
との干渉光の強度を光電的に検出する光検出器と、該各
干渉光の強度に基づいて前記後方散乱光の強度を求める
ヘテロダイン演算手段と、前記後方散乱光の強度および
前記試料台の屈折率に基づいて、前記液体の屈折率を求
める屈折率算出手段とを備えたことを特徴とするもので
ある。
【0037】本発明の第4の液体の屈折率測定方法は、
所定の光源から出射された超短パルス光を、屈折率が既
知の試料台上に密接して配置された屈折率測定の対象と
なる液体に、前記試料台を介して照射し、前記超短パル
ス光による、前記液体と前記試料台との境界面による後
方散乱光の強度を測定し、前記後方散乱光の強度および
前記試料台の屈折率に基づいて、前記液体の屈折率を求
めることを特徴とするものである。
【0038】ここで上記超短パルス光とは、少なくとも
上記後方散乱光の強度と、空気と試料台との境界面によ
る後方散乱光とを、時間的に分離して各別に測定し得る
程度の非常に短時間(例えばフェムト秒〜ピコ秒単位程
度)だけ発光するパルス状の光(例えばモードロックT
i:サファイアレーザーなど)等を意味する。このよう
な超短パルス光を用いることにより、上記後方散乱光を
例えばストリークカメラ等の時間分解可能の光検出器を
用いて検出することができる。
【0039】本発明の第4の液体の屈折率測定装置は、
上記本発明の第4の液体の屈折率測定方法を実施する測
定装置であって、屈折率測定の対象となる液体が密接し
て配置される、屈折率が既知の試料台と、超短パルス光
を出射する光源装置と、該光源装置から出射された超短
パルス光を前記試料台を介して前記液体に入射せしめ、
該超短パルス光による、前記液体と前記試料台との境界
面による後方散乱光の強度を求める光時間領域後方散乱
測定手段と、前記後方散乱光の強度および前記試料台の
屈折率に基づいて、前記液体の屈折率を求める屈折率算
出手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0040】本発明の第5の液体の屈折率測定方法は、
所定の光源から出射された光を、屈折率が既知の試料台
上に密接して配置された屈折率測定の対象となる液体
に、前記試料台を介して照射し、前記照射された光によ
る、前記液体と前記試料台との境界面による後方散乱光
の強度を、前記境界面を一方の焦点とする共焦点光学系
により、前記境界面に共役な位置で検出し、前記後方散
乱光の強度および前記試料台の屈折率に基づいて、前記
液体の屈折率を求めることを特徴とするものである。
【0041】ここで、共焦点光学系により上記境界面に
共役な位置で後方散乱光を検出する方法としては、この
共役な位置にピンホールを設けて、このピンホールの設
けられた位置で焦点を結ぶ後方散乱光だけを通過させて
検出すればよく、ピンホールまたはピンホール以外の共
焦点光学系の少なくとも一方を光軸方向に可動とするこ
とで、上記後方散乱光を選択的に検出することができ
る。
【0042】本発明の第5の液体の屈折率測定装置は、
上記本発明の第5の液体の屈折率測定方法を実施する測
定装置であって、屈折率測定の対象となる液体が密接し
て配置される、屈折率が既知の試料台と、前記試料台を
介して前記液体に光を照射する光源装置と、前記光によ
る、前記液体と前記試料台との境界面による後方散乱光
を、空間的に分離する共焦点光学系と、前記共焦点光学
系により空間的に分離された前記後方散乱光の強度を検
出する光検出器と、前記後方散乱光の強度および前記試
料台の屈折率に基づいて、前記液体の屈折率を求める屈
折率算出手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0043】本発明の第6の液体の屈折率測定方法は、
所定の光源から出射された円偏光の光を、屈折率が既知
の試料台上に密接して配置された屈折率測定の対象とな
る液体に、所定の入射角で前記試料台を介して照射し、
前記照射された光による、前記液体と前記試料台との境
界面による後方散乱光の楕円偏光状態を検出し、前記楕
円偏光状態および前記試料台の屈折率に基づいて、前記
液体の屈折率を求めることを特徴とするものである。
【0044】ここで、後方散乱光の楕円偏光状態および
試料台の屈折率に基づいて液体の屈折率を求めるとは、
具体的には例えば、エリプソメーターの原理を利用して
屈折率を求めるなどの方法を適用することができる。す
なわち、測定により得られた後方散乱光の楕円偏光の楕
円率ρと方位角φとにより振幅比ψと位相差Δとを得、
既知の入射角ψ0 と併せて、下記式により屈折率nを求
めることができる。
【0045】n2 = sin2 ψ0 [1+{ tan2 ψ0 ( c
os2 2ψ− sin2 2ψ sin2 Δ)}/(1+ sin2ψ c
osΔ)2 ] 液体と試料台との境界面による後方散乱光だけを選択的
に抽出するには、共焦点光学系を用いて、上記境界面に
共役な位置にピンホールを設けて、このピンホールの設
けられた位置で焦点を結ぶ後方散乱光だけを通過させて
検出すればよい。
【0046】本発明の第6の液体の屈折率測定装置は、
上記本発明の第6の液体の屈折率測定方法を実施する測
定装置であって、屈折率測定の対象となる液体が密接し
て配置される、屈折率が既知の試料台と、前記試料台を
介して前記液体に対して所定の入射角で円偏光の光を照
射する光源装置と、前記円偏光の光による、前記液体と
前記試料台との境界面による後方散乱光を抽出する共焦
点光学系と、前記共焦点光学系により抽出された前記後
方散乱光の楕円偏光状態を検出する楕円偏光状態検出手
段と、前記後方散乱光の楕円偏光状態および前記試料台
の屈折率に基づいて、前記液体の屈折率を求める屈折率
算出手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0047】楕円偏光状態検出手段としては、光源装置
から出射された光を直線偏光とする偏光子(例えばλ/
2板等)と、この直線偏光を円偏光とする補償板(例え
ばλ/4板等)と、円偏光の光を、試料台と液体との境
界面に楕円偏光の光として照射する反射鏡と、この境界
面による反射光である楕円偏光光の方位角および振幅を
検出する検光子および光検出器とを備えた構成等を採用
することができる。
【0048】
【発明の効果】本発明の第1の液体の屈折率測定方法お
よび第1の液体の屈折率測定装置によれば、屈折率が既
知の試料台上に密接して配置された液体に、試料台を介
して光を照射して、その液体と試料台との境界面による
後方散乱光のみの強度を検出し、この後方散乱光の強度
および試料台の屈折率に基づいて、液体の屈折率を求め
ることができる。
【0049】そしてこの方法および装置では、測定対象
の液体に光を透過させるのではなく反射光に基づいて屈
折率を求めることから、光の透過光路を考慮することな
く測定することができ、したがって対象の液体が微少量
であっても、また散乱体であっても、その測定精度を低
下させることなく、屈折率を測定することができる。
【0050】本発明の第2から第6の液体の屈折率測定
方法は、本発明の第1の液体の屈折率測定方法をより具
体化したものであるため、第1の液体の屈折率測定方法
と同様の効果を得ることができ、本発明の第2から第6
の液体の屈折率測定装置は、本発明の第1の液体の屈折
率測定装置をより具体化したものであるため、第1の液
体の屈折率測定装置と同様の効果を得ることができる。
【0051】すなわち、本発明の第2の液体の屈折率測
定方法および第2の液体の屈折率測定装置によれば、試
料台の厚さによる光路長を利用して、可干渉距離の短い
低コヒーレンスな光を用いた光ヘテロダイン後方散乱測
定法を適用することにより、試料台と液体との境界面に
よる後方散乱光を精度よく弁別してその強度IR2を検出
することができる。そして、検出された強度IR2に基づ
いて液体の屈折率を求めることができる。
【0052】本発明の第3の液体の屈折率測定方法およ
び第3の液体の屈折率測定装置によれば、試料台の厚さ
による光路長を利用して、時間的に鋸歯状に周波数掃引
されたコヒーレント光を用いた光ヘテロダイン後方散乱
測定法を適用することにより、試料台と液体との境界面
による後方散乱光を精度よく弁別してその強度IR2を検
出することができる。そして、検出された強度IR2に基
づいて液体の屈折率を求めることができる。
【0053】本発明の第4の液体の屈折率測定方法およ
び第4の液体の屈折率測定装置によれば、試料台の厚さ
による光路長を利用して、超短パルス光を用いた時間軸
上での分離検出を適用することにより、試料台と液体と
の境界面による後方散乱光を精度よく弁別してその強度
R2を検出することができる。そして、検出された強度
R2に基づいて液体の屈折率を求めることができる。
【0054】本発明の第5の液体の屈折率測定方法およ
び第5の液体の屈折率測定装置によれば、試料台の厚さ
による光路長を利用して、共焦点光学系を用いた分離検
出を適用することにより、試料台と液体との境界面によ
る後方散乱光を精度よく弁別してその強度IR2を検出す
ることができる。そして、検出された強度IR2に基づい
て液体の屈折率を求めることができる。
【0055】本発明の第6の液体の屈折率測定方法およ
び第6の液体の屈折率測定装置によれば、試料台と液体
との境界面で光が反射される(後方散乱光)ときに、円
偏光の光の偏光面が楕円偏光に変化されることを利用し
て、共焦点光学系を用いた分離検出を適用するととも
に、検出された楕円偏光の状態に基づいて液体の屈折率
を求めることができる。
【0056】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施の形
態について図面を用いて説明する。
【0057】図1は本発明の第1の液体の屈折率測定方
法を実施する屈折率測定装置の一実施形態を示す図であ
る。
【0058】図示の屈折率測定装置 100は、屈折率測定
の対象となる液体 200が密接して配置された、屈折率n
1 が既知の試料台1と、試料台1を介して液体 200に光
(強度I0 )を照射する光源装置10と、照射された光に
よる、液体 200と試料台1との境界面R2 による後方散
乱光の強度IR2を検出する光検出器70と、後方散乱光の
強度IR2および試料台の屈折率n1 に基づいて、液体 2
00の屈折率n2 を求める屈折率算出手段80とを備えた構
成である。
【0059】ここで、屈折率算出手段80による後方散乱
光の強度IR2に基づいて液体 200の屈折率n2 を求める
処理について、具体的に説明する。
【0060】図2は液体 200に、試料台1を介して外部
から光を入射させる様子を示す図である。
【0061】試料台1を介して液体 200を照射する光の
強度をI0 、外部雰囲気である空気300の屈折率を
0 、試料台の屈折率をn1 としたとき、空気 300と試
料台1との境界面R1 での反射光(第1の後方散乱光)
の強度IR1は、 IR1=I0 {(n0 −n1 )/(n0 +n1 )}2 となる。ここで、上式の左辺の項である第1の後方散乱
光の強度IR1を実際に測定し、右辺の項である試料台の
屈折率n1 を計算によって求めるが、試料台の屈折率n
1 は予め求めることができるため既知と考えてよく、し
たがって第1の後方散乱光の強度IR1を実際に測定する
必要はない。
【0062】次に、{(n0 −n1 )/(n0
1 )}2 を反射率R1、試料台1と液体 200との境界面
2 での反射光(第2の後方散乱光)の強度をIR2、試
料台1の吸光度をa、試料台の厚さをd、液体 200の屈
折率をn2 としたとき、 IR2=I0 (1−R1)2 10-2ad{(n1 −n2 )/(n
1 +n2 )}2 より、k=(IR2/I0 )とし、液体 220の屈折率n2
は、 n2 =(-2kn1-2n1+4k1/2 1 )/{2(k-1)} または、 n2 =(-2kn1-2n1-4k1/2 1 )/{2(k-1)} と、算出することができる。
【0063】ここで、屈折率n2 の解は、上記2種類存
在するが、上段のものが実験データに整合した値を示し
た。
【0064】屈折率n2 の求め方は以下に説明する各実
施形態においても同様である。
【0065】このように本実施形態の屈折率測定装置に
よれば、測定対象の液体 200に光を透過させるのではな
く反射光に基づいて屈折率を求めることから、光の透過
光路を考慮することなく測定することができ、したがっ
て対象の液体が微少量であっても、また散乱体であって
も、その測定精度を低下させることなく、屈折率を測定
することができる。
【0066】図3は、本発明の第2の液体の屈折率測定
方法を実施する屈折率測定装置の一実施形態を示す図で
あり、後方散乱光の強度IR2の求め方に関し、図1に示
した実施形態の屈折率測定装置をより具体化したもので
ある。
【0067】図示の屈折率測定装置 100は、可干渉距離
が数十μm程度の低コヒーレンスな光を出射する光源装
置(例えばSLD)10Aと、この光源装置10Aから出射
された低コヒーレンスな光を直線偏光とする1/2波長
板11と、この直線偏光とされた光を集光する集光レンズ
13と、入射端から入射した光の偏波面を保持して出射端
に出射する第1から第4の偏波面保存ファイバー41,4
2,43,44と、各偏波面保存ファイバーから入射した光
の偏波面を保存して他の偏波面保存ファイバーに光を伝
達する偏波面保存カプラー60と、試料台1を介して測定
対象の液体 200に光を導光する第2の偏波面保存ファイ
バー42中を導光される光(照射光)の周波数を1Hz(変
調周波数は1Hzに限るものではない)だけ変調される変
調器50と、第2の偏波面保存ファイバー42から出射した
照射光を平行光とするレンズ14と、この平行光を円偏光
の光に変換する1/4波長板12と、円偏光とされた光
を、試料台1とこの試料台1上に密接して配置された液
体 200との境界面R2 (図2参照)に集光する集光レン
ズ15と、この境界面R2 からの反射光(後方散乱光)の
みを通過せしめる外光カットフィルター20と、偏波面保
存カプラー60により第1の偏波面保存ファイバー41から
第3の偏波面保存ファイバー43にも入射せしめられた光
(参照光)を平行光とするレンズ17と、この平行光を円
偏光の光に変換する1/4波長板12と、円偏光とされた
光を反射せしめる、参照鏡18bおよび集光レンズ18aか
らなる、光軸方向に可動の参照鏡ユニット18と、第2の
偏波面保存ファイバー42から戻る光(信号光(後方散乱
光))および第3の偏波面保存ファイバー43から戻る参
照光を第4の偏波面保存ファイバー44の出射端において
平行光とするレンズ16と、偏光方向を90度回転させる1
/2波長板11と、この光を光検出器70に集光せしめる集
光レンズ19と、集光レンズ19により集光された光の強度
を検出する光検出器70と、光検出器70で検出された光の
強度に基づいて液体 200の屈折率n2 を算出する信号処
理回路80と、求められた屈折率n2 を表示する表示装置
90とを備えた構成である。
【0068】なお、信号処理回路80は、屈折率算出手段
としての機能を有する。
【0069】次に本実施形態の液体屈折率測定装置の作
用について説明する。
【0070】まず、光源装置10Aから低コヒーレンスな
光が出射され、この光は1/2波長板11により直線偏光
とされ、集光レンズ13により第1の偏波面保存ファイバ
ー41に入射せしめられる。第1の偏波面保存ファイバー
41の内部を導光された直線偏光の光は偏波面保存カプラ
ー60により、その偏波面が直線偏光のまま保存されて第
2および第3の偏波面保存ファイバー42,43に分割して
入射される。第2の偏波面保存ファイバー42を進む光は
変調器50によりその周波数が1Hzだけシフトされ、第2
の偏波面保存ファイバー42から出射されて、レンズ14に
より平行光とされ、1/4波長板12により円偏光の光に
変換され、集光レンズ15により試料台1と液体 200との
境界面R2 に集光される。このとき境界面R2 に入射さ
れる光の強度はI0 に調整されている。
【0071】この入射光は境界面R2 で反射され、この
境界面R2 で反射して生じた後方散乱光は外光カットフ
ィルター20を通過して、集光レンズ15、1/4波長板12
およびレンズ14を介して、第2の偏波面保存ファイバー
42に入射される。
【0072】ここで第2の偏波面保存ファイバー42に入
射された後方散乱光は、1/4波長板12を通過したこと
により、もとの偏光面に対して90度回転した偏光面を有
し、偏波面保存カプラー60に入射する。
【0073】一方、偏波面保存カプラー60により分割さ
れて第3の偏波面保存ファイバー43に入射せしめられた
参照光はレンズ17により平行光とされ、1/4波長板12
により円偏光の光に変換されて参照鏡ユニット18で反射
され、再び1/4波長板12およびレンズ17を通過して第
3の偏波面保存ファイバー43に入射し、偏波面保存カプ
ラー60に導光される。そしてこれらの光は第4の偏波面
保存ファイバー44に入射せしめられ、レンズ17、1/2
波長板11および集光レンズ19を通過して光検出器70に入
射される。
【0074】ここで、偏波面保存カプラー60に入射し
た、第2の偏波面保存ファイバー42から戻った後方散乱
光と、第3の偏波面保存ファイバー43から戻った参照光
とは、それらの偏光面は一致するため干渉し得るが、第
1の偏波面保存ファイバー41から入射した光とは偏光面
が一致しないため、これらの光とは干渉し得ない。
【0075】また、後方散乱光と第3の偏波面保存ファ
イバー43から戻った参照光とは、両光の光路長差が一致
するとき干渉するが、空気 300と試料台1との境界面R
1 による反射光と、試料台1と液体 200との境界面R2
による反射光とは、試料台1の厚さの2倍だけ光路長差
があり、参照鏡ユニット18を光軸方向に移動調整するこ
とにより、境界面R2 による反射光を参照光と選択的に
干渉させることができる。
【0076】境界面R2 による反射光(後方散乱光)
と、第3の偏波面保存ファイバー43から戻った参照光と
が干渉すると、両光の周波数差1Hzで強弱を繰り返すビ
ート信号が発生する。このビート信号の強度を光検出器
70で検出し、光ヘテロダイン検出処理により、後方散乱
光の強度IR2を求めることができる。
【0077】このようにして求められた後方散乱光の強
度IR2、予め既知の空気の屈折率n0 、試料台1の屈折
率n1 、試料台1の厚さd、境界面R1 の反射率R1(=
{(n0 −n1 )/(n0 +n1 )}2 )および試料台
1の吸光度aに基づいて、信号処理回路80が液体 200の
屈折率n2 を上述した式にしたがって算出し、この算出
結果を表示装置90に出力する。
【0078】表示装置90は、入力された液体 200の屈折
率n2 を表示する。
【0079】このように本実施形態の液体の屈折率測定
装置 100によれば、境界面R2 からの微弱な反射光IR2
のみを光ヘテロダイン検出処理により精度よく検出し、
測定対象の液体 200に光を透過させるのではなく反射光
に基づいて屈折率を求めることから、光の透過光路を考
慮することなく測定することができ、したがって対象の
液体が微少量であっても、また散乱体であっても、その
測定精度を低下させることなく、屈折率を測定すること
ができる。
【0080】図4は、本発明の第3の液体の屈折率測定
方法を実施する屈折率測定装置の一実施形態を示す図で
あり、後方散乱光の強度IR2の求め方に関し、図1に示
した実施形態の屈折率測定装置をより具体化したもので
ある。
【0081】図示の屈折率測定装置 101は、周波数が一
定の帯域で時間的に鋸歯状に掃引されたレーザー光を出
力する周波数掃引レーザー光源装置10Bと、この光源装
置10Bから出射された周波数掃引レーザー光を直線偏光
とする1/2波長板11と、この直線偏光とされた光を集
光する集光レンズ13と、入射端から入射した光の偏波面
を保持して出射端に出射する第1から第3の偏波面保存
ファイバー45,46,47と、各偏波面保存ファイバーから
入射した光の偏波面を保存して波面保存ファイバーに光
を伝達する偏波面保存カプラー61と、第2の偏波面保存
ファイバー46から出射した照射光を平行光とするレンズ
14と、この平行光を円偏光の光に変換する1/4波長板
12と、円偏光とされた光を、試料台1とこの試料台1上
に密接して配置された液体 200との境界面R2 に集光す
る集光レンズ15と、この境界面R2 からの反射光のみを
通過せしめる外光カットフィルター20と、第2の偏波面
保存ファイバー46から戻る光(信号光(後方散乱光))
および1/4波長板12で反射し第2の偏波面保存ファイ
バー46から戻る参照光を第3の偏波面保存ファイバー47
の出射端において平行光とするレンズ16と、偏光方向を
90度回転させる1/2波長板11と、この光を光検出器71
に集光せしめる集光レンズ19と、集光レンズ19により集
光された光の強度を検出する光検出器71と、光検出器71
で検出された光の強度に基づいて液体 200の屈折率n2
を算出する信号処理回路81と、求められた屈折率n2
表示する表示装置90とを備えた構成である。
【0082】なお、信号処理回路81は、屈折率算出手段
としての機能を有する。
【0083】次に本実施形態の屈折率測定装置の作用に
ついて説明する。
【0084】まず光源10Bからレーザー光が出射され
る。この光はその周波数が時間軸上で掃引されたもので
あり、図5に示すように、出射された時刻t0 において
周波数をf0 とする。
【0085】光源装置10Bから出射された周波数f0
光は、1/2波長板11により直線偏光とされ、集光レン
ズ13により第1の偏波面保存ファイバー45に入射せしめ
られる。第1の偏波面保存ファイバー45の内部を導光さ
れた直線偏光の光は偏波面保存カプラー61により、その
偏波面が直線偏光のまま保存されて第2の偏波面保存フ
ァイバー46に入射される。第2の偏波面保存ファイバー
46を進んだ光はその出射端から出射されて、レンズ14に
より平行光とされ、1/4波長板12により円偏光の光に
変換され、集光レンズ15により境界面R2 に集光され
る。このときの境界面R2 に入射される光の強度はI0
に調整されている。
【0086】この入射光は境界面R2 で反射され、境界
面R2 で反射して生じた後方散乱光は外光カットフィル
ター20を通過して、集光レンズ15、1/4波長板12およ
びレンズ14を介して、第2の偏波面保存ファイバー42に
入射される。
【0087】ここで第2の偏波面保存ファイバー42に入
射された第1および第2の後方散乱光は、1/4波長板
12を通過したことによりもとの偏光面に対して90度回転
した偏光面を有し、偏波面保存カプラー61に入射する。
【0088】一方、第2の偏波面保存ファイバー46から
出射された光のうち一部は1/4波長板12に反射されて
再度第2の偏波面保存ファイバー46に入射し、参照光と
して偏波面保存カプラー61に入射する。
【0089】ここで、空気 300と試料台1との境界面R
1 による反射光および試料台1と液体 200との境界面R
2 による反射光と、1/4波長板12で反射された参照光
との光路長差について考察すると、境界面R1 による反
射光は、1/4波長板12から境界面R1 までの往復距離
だけ参照光よりも光路長が長く、一方、境界面R2 によ
る反射光は、1/4波長板12から境界面R2 までの往復
距離だけ参照光よりも光路長が長い。
【0090】すなわち、境界面R1 による反射光の方が
境界面R2 による反射光よりも早い時間に1/4波長板
12において参照光に到達する。この時間差は試料台1の
厚さdの往復分の距離2dに依存するものである。
【0091】一方、光源装置10Bからは時間的に周波数
掃引されたレーザー光が連続的に出射されており、これ
らの光も連続的に1/4波長板12に到達する。
【0092】この結果、時刻t0 に光源装置10Bから出
射した光による境界面R1 での反射光(周波数f0
は、1/4波長板12において、時刻t1 (図5参照)に
光源装置10Bから出射された周波数f1 の参照光と出会
って波面整合される。したがって、この波面整合による
干渉光のビート信号は両光の周波数差(f1 −f0 )で
強弱を繰り返す。
【0093】一方、時刻t0 に光源装置10Bから出射し
た光による境界面R2 での反射光(周波数f0 )は、1
/4波長板12において、試料台1の厚さdの往復分の距
離2dを光速cで除した時間2d/cだけ時刻t1 より
も遅い時刻t2 に、光源装置10Bから出射された周波数
2 の参照光と出会って波面整合される。したがって、
この波面整合による干渉光のビート信号は両光の周波数
差(f2 −f0 )で強弱を繰り返す。
【0094】光源装置10Bからは周波数が刻々と変化す
るレーザー光が連続的に出射されるが、上記2つの反射
光間の光路長差は不変であるため、上記各反射光による
干渉のビート信号の周波数は常に一定に保たれる。
【0095】そしてこのように、差周波数(f1
0 )で強弱を繰り返すビート信号と差周波数(f2
0 )で強弱を繰り返すビート信号とがそれぞれ、偏波
面保存カプラー61から第3の偏波面保存ファイバー47に
導光されて光検出器71に検出される。
【0096】光検出器71はこれらの検出されたビート信
号の強度から光ヘテロダイン検出処理により、各反射光
の強度を算出する。
【0097】このようにして求められた後方散乱光の強
度IR2、予め既知の空気の屈折率n0 、試料台1の屈折
率n1 、試料台1の厚さd、境界面R1 の反射率R1(=
{(n0 −n1 )/(n0 +n1 )}2 )および試料台
1の吸光度aに基づいて、信号処理回路81が液体 200の
屈折率n2 を上述した式にしたがって算出し、この算出
結果を表示装置90に出力する。
【0098】表示装置90は、入力された液体 200の屈折
率n2 を表示する。
【0099】このように本実施形態の液体の屈折率測定
装置 101によれば、境界面R2 からの微弱な反射光IR2
のみを光ヘテロダイン検出処理により精度よく検出し、
測定対象の液体 200に光を透過させるのではなく反射光
に基づいて屈折率を求めることから、光の透過光路を考
慮することなく測定することができ、したがって対象の
液体が微少量であっても、また散乱体であっても、その
測定精度を低下させることなく、屈折率を測定すること
ができる。
【0100】図6は、本発明の第4の液体の屈折率測定
方法を実施する屈折率測定装置の一実施形態を示す図で
ある。
【0101】図示の屈折率測定装置 102は、超短パルス
光を出射するTi:サファイアレーザー光源(以下、単に
光源という)10Cと、この光源10Cから出射された超短
パルス光を平行光とするレンズ21と、平行光とされた超
短パルス光を試料台1と液体200との境界面R2 に集光
する集光レンズ23と、空気 300と試料台1との境界面R
1 からの反射光(第1の後方散乱光)および試料台1と
この試料台1上に密接して配置された液体 200との境界
面R2 からの反射光(第2の後方散乱光)を通過せしめ
る外光カットフィルター20と、レンズ21により平行光と
された光を透過し各境界面R1 、R2 から外光カットフ
ィルター20を透過した各後方散乱光を反射するビームス
プリッター22と、第1の後方散乱光の強度および第2の
後方散乱光の強度を時系列的に各別に求める、例えばス
トリークカメラ等の光検出器72と、光検出器72で検出さ
れた光の強度に基づいて液体 200の屈折率n2 を算出す
る信号処理回路82と、求められた屈折率n2 を表示する
表示装置90とを備えた構成である。
【0102】なお、信号処理回路82は、屈折率算出手段
としての機能を有する。
【0103】ここで上記超短パルス光は、例えばフェム
ト秒〜ピコ秒という極めて短い時間だけ発光するパルス
状の光を意味する。
【0104】次に本実施形態の屈折率測定装置 102の作
用について説明する。
【0105】まず光源10Cから超短パルス光が出射され
る。この光はレンズ21に入射されて平行光とされ、ビー
ムスプリッター22を透過して集光レンズ23で集光され、
試料台1を介して液体 200との境界面R2 に入射する。
【0106】この超短パルス光は、空気 300と試料台1
との境界面R1 、試料台1と液体 200との境界面R2
それぞれ反射し、それぞれ第1の後方散乱光および第2
の後方散乱光として外光カットフィルター20を透過し、
ビームスプリッター22で反射されて時間分解可能の光検
出器72に入射する。
【0107】このとき、第1の後方散乱光と第2の後方
散乱光とは、各境界面で反射されるタイミングが互いに
異なり、まず第1の後方散乱光が反射し、次いで第2の
後方散乱光が反射する。そして各後方散乱光はいずれも
超短パルス光であり、この超短パルス光の発光時間は、
両光の生じる境界面R1 とR2 との深さの差2dを通過
する時間に対して短いため、両後方散乱光は完全に分離
されて順次に各境界面R1 、R2 で反射される。
【0108】このように順次に反射された各後方散乱光
が時間分解可能の光検出器72に順次に検出される。光検
出器72により時間分解されて時系列的に各別に検出され
た各後方散乱光の強度の様子を図7に示す。
【0109】ここで、図7に示した各後方散乱光の強度
を時間について積分することにより各後方散乱光の光量
が求められる。
【0110】このようにして求められた後方散乱光の強
度IR2、予め既知の空気の屈折率n0 、試料台1の屈折
率n1 、試料台1の厚さd、境界面R1 の反射率R1(=
{(n0 −n1 )/(n0 +n1 )}2 )および試料台
1の吸光度aに基づいて、信号処理回路82が液体 200の
屈折率n2 を上述した式にしたがって算出し、この算出
結果を表示装置90に出力する。
【0111】表示装置90は、入力された液体 200の屈折
率n2 を表示する。
【0112】このように本実施形態の液体の屈折率測定
装置 102によれば、境界面R2 からの微弱な反射光IR2
のみを精度よく検出し、測定対象の液体 200に光を透過
させるのではなく反射光に基づいて屈折率を求めること
から、光の透過光路を考慮することなく測定することが
でき、したがって対象の液体が微少量であっても、また
散乱体であっても、その測定精度を低下させることな
く、屈折率を測定することができる。
【0113】図8は、本発明の第5の液体の屈折率測定
方法を実施する屈折率測定装置の一実施形態を示す図で
ある。
【0114】図示の屈折率測定装置 103は、レーザー光
源10Dと、この光源10Dから出射された光を平行光にす
るレンズ24と、この平行光を直線偏光とする1/2波長
板11と、直線偏光とされた光を透過する偏向ビームスプ
リッター25と、偏向ビームスプリッター25を透過した光
を円偏光の光に変換する1/4波長板12と、この円偏光
の光の一部を透過するビームスプリッター22と、試料台
1とこの試料台1上に密接して配置された液体 200との
境界面R2 にこの円偏光の光を集光せしめるように光軸
方向に移動可能とされた集光レンズ26と、集光レンズ26
を光軸方向に移動せしめるレンズ移動装置29と、境界面
2 からの反射光(後方散乱光)のみを通過せしめる外
光カットフィルター20と、集光レンズ26とともに共焦点
光学系を構成する集光レンズ27と、この共焦点光学系の
一方の焦点(境界面R2 )とは反対の焦点位置において
集光される光を通過せしめるピンホール28と、ピンホー
ル28を通過した光を検出する光検出器73と、光検出器73
により検出された境界面R2 からの反射光の強度IR2
基づいて液体 200の屈折率n2 を算出する信号処理回路
83と、求められた屈折率n2 を表示する表示装置90とを
備えた構成である。
【0115】なお、信号処理回路83は、屈折率算出手段
としての機能を有する。
【0116】次に本実施形態の屈折率測定装置の作用に
ついて説明する。
【0117】まず、光源10Dからレーザー光が出射さ
れ、この光はレンズ24により平行光とされ、1/2波長
板11、偏向ビームスプリッター25および1/4波長板12
を順次透過する。ここで、1/2波長板11、偏向ビーム
スプリッター25および1/4波長板12は戻り光カット光
学系を構成し、境界面R2 からの反射光が光源10D側に
戻るのを防止している。
【0118】1/4波長板12を透過した光は、さらにビ
ームスプリッター22を透過し、集光レンズ26により試料
台1を介して液体 200に照射される。ここでレンズ移動
装置29を集光レンズ26の光軸方向に移動調整して、液体
200に照射された光を境界面R2 に集光させる。
【0119】境界面R2 に集光された光は、この境界面
2 で反射され後方散乱光として外光カットフィルター
20を透過し、共焦点光学系を構成する集光レンズ26、ビ
ームスプリッター22および集光レンズ27によりピンホー
ル28で集光され、このピンホール28を通過して光り検出
器73に検出される。このとき検出される光は、境界面R
2 による後方散乱光のみであり、境界面R1 で反射した
光はピンホール28でカットされ検出されない。したがっ
て、境界面R2 による後方散乱光の強度IR2のみを検出
することができる。
【0120】検出された後方散乱光の強度IR2は信号処
理回路83に入力され、信号処理回路83は、この後方散乱
光の強度IR2、予め既知の空気の屈折率n0 、試料台1
の屈折率n1 、試料台1の厚さd、境界面R1 の反射率
R1(={(n0 −n1 )/(n0 +n1 )}2 )および
試料台1の吸光度aに基づいて、液体 200の屈折率n2
を上述した式にしたがって算出し、この算出結果を表示
装置90に出力する。
【0121】表示装置90は、入力された液体 200の屈折
率n2 を表示する。
【0122】このように本実施形態の液体の屈折率測定
装置 103によれば、境界面R2 からの微弱な反射光IR2
のみを精度よく検出し、測定対象の液体 200に光を透過
させるのではなく反射光に基づいて屈折率を求めること
から、光の透過光路を考慮することなく測定することが
でき、したがって対象の液体が微少量であっても、また
散乱体であっても、その測定精度を低下させることな
く、屈折率を測定することができる。
【0123】図9は、本発明の第6の液体の屈折率測定
方法を実施する屈折率測定装置の一実施形態を示す図で
ある。
【0124】図示の屈折率測定装置 104は、レーザー光
源10Eと、この光源10Eから出射された光を平行光にす
るレンズ30と、この平行光を所定の角度で反射させるミ
ラー31と、反射された光を直線偏光とする1/2波長板
11と、直線偏光とされた光を円偏光の光に変換する1/
4波長板12と、この円偏光の光を、試料台1とこの試料
台1上に密接して配置された液体 200との境界面R
2 に、予め設定された入射角ψ0 で入射し、楕円偏光の
光として照射せしめるレンズ32と、この境界面R2で反
射された後方散乱光の楕円偏光の方位角および振幅を検
出する検光子34および光検出器74と、検光子34を通過し
た後方散乱光を所定の角度で反射せしめるミラー31と、
境界面R2 からの後方散乱光のみを空間的に分離検出す
る共焦点光学系を構成する集光レンズ33,35およびピン
ホール36と、境界面R2 で反射された後方散乱光の楕円
偏光の状態(楕円偏光の方位角および楕円率)および円
偏光の光の入射角ψ0 に基づいて液体 200の屈折率n2
を求める信号処理回路84と、求められた屈折率n2 を表
示する表示装置90とを備えた構成である。
【0125】なお、信号処理回路84は、屈折率算出手段
としての機能を有する。
【0126】信号処理回路84による、楕円偏光の状態に
基づいての屈折率n2 を求める処理は、具体的には、検
光子34および光検出器74により検出された楕円偏光光の
楕円率ρおよび方位角φに基づいて、振幅比ψと位相差
Δとを得、既知の入射角ψ0と併せて、下記式により屈
折率nを求めるものである。
【0127】n2 = sin2 ψ0 [1+{ tan2 ψ0 ( c
os2 2ψ− sin2 2ψ sin2 Δ)}/(1+ sin2ψ c
osΔ)2 ] この楕円偏光の状態に基づいて屈折率n2 を求める処理
は、エリプソメーターによる屈折率の検出処理の原理を
利用したものである。
【0128】次に本実施形態の屈折率測定装置 104の作
用について説明する。
【0129】まずレーザー光源10Eからレーザー光が出
射され、このレーザー光はレンズ30により平行光とされ
る。次いで、この平行光はミラー31により所定の角度で
反射され、1/2波長板11で直線偏光の光とされ、さら
に1/4波長板12を通過して円偏光の光に変換される。
この円偏光の光はレンズ32により、境界面R2 に所定の
角度で照射される。
【0130】このとき円偏光の光は試料台1に対して正
面からではなく、所定の傾斜した角度ψ0 で照射される
ため、境界面R2 においては楕円偏光となる。
【0131】またこの円偏光の光は空気 300と試料台1
との境界面R1 、試料台1と液体 200との境界面R2
おいて反射するが、これらの後方散乱光のうち、集光レ
ンズ33および35からなる共焦点光学系により、境界面R
2 による後方散乱光のみが、ピンホール36を通過する。
【0132】ここで、ピンホール36を通過して光検出器
74に検出される光量(すなわち、境界面R2 で反射され
た後方散乱光の光量)が最大となるように、集光レンズ
33と集光レンズ35との間に配された検光子34を調整し、
そのときの検光子34の方位と光検出器74の出力とから、
後方散乱光の方位角φおよび楕円率ρが信号処理回路84
により求められる。
【0133】信号処理回路84は求められた楕円率ρおよ
び方位角φ、並びに円偏光の入射角ψ0 に基づいて、液
体 200の屈折率n2 を求め、表示装置90に表示される。
【0134】このように本実施形態の液体の屈折率測定
装置 104によれば、境界面R2 からの微弱な反射光IR2
のみを精度よく検出し、測定対象の液体 200に光を透過
させるのではなく反射光に基づいて屈折率を求めること
から、光の透過光路を考慮することなく測定することが
でき、したがって対象の液体が微少量であっても、また
散乱体であっても、その測定精度を低下させることな
く、屈折率を測定することができる。
【0135】なお、上記各実施形態において、試料台1
は、光学的に透明、すなわち照射される光に対して散
乱、吸収が少ないものを用いるのが望ましい。これは、
試料台1と液体 200との境界面R2 で反射された光が試
料台1により散乱、吸収されるのを可及的に少なくして
測定精度の低下を抑止するためである。
【0136】さらに試料台1を所定温度に調節する温調
手段を設けるのが望ましい。試料台1の屈折率も温度に
依存するため、所定温度に調節することにより屈折率を
より精度よく算出するためである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の液体の屈折率測定方法を実施す
るための基本的な装置構成を示す図
【図2】液体への入射光と後方散乱光との関係を示す図
【図3】本発明の第2の液体の屈折率測定方法を実施す
るための装置構成を示す図
【図4】本発明の第3の液体の屈折率測定方法を実施す
るための装置構成を示す図
【図5】周波数掃引の様子を示すグラフ
【図6】本発明の第4の液体の屈折率測定方法を実施す
るための装置構成を示す図
【図7】時間分解可能の光検出器により検出された各光
の強度の概念を示すグラフ
【図8】本発明の第5の液体の屈折率測定方法を実施す
るための装置構成を示す図
【図9】本発明の第6の液体の屈折率測定方法を実施す
るための装置構成を示す図
【符号の説明】
1 試料台 10 光源装置 70 光検出器 80 屈折率算出手段 100 液体の屈折率測定装置 200 液体

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屈折率が既知の試料台上に密接して配置
    された屈折率測定の対象となる液体に、所定の光源から
    出射された光を、前記試料台を介して照射し、 前記照射された光による、前記液体と前記試料台との境
    界面による後方散乱光の強度を検出し、 前記後方散乱光の強度および前記試料台の屈折率に基づ
    いて、前記液体の屈折率を求めることを特徴とする液体
    の屈折率測定方法。
  2. 【請求項2】 所定の光源から出射された低コヒーレン
    スな光を、互いに異なる2つの光路に沿って各別に進行
    する信号光と参照光とに分割し、 該信号光と参照光とで僅かな周波数差が生じるように両
    光のうち少なくとも一方を変調し、 前記信号光を、屈折率が既知の試料台上に密接して配置
    された屈折率測定の対象となる液体に、前記試料台を介
    して照射し、 前記信号光による、前記液体と前記試料台との境界面に
    よる後方散乱光と、前記参照光とを、該参照光の光路長
    を調整することにより干渉せしめ、 該干渉により得られた干渉光の強度を測定し、 前記干渉光の強度に基づいて前記後方散乱光の強度を求
    め、 前記後方散乱光の強度および前記試料台の屈折率に基づ
    いて、前記液体の屈折率を求めることを特徴とする液体
    の屈折率測定方法。
  3. 【請求項3】 所定の光源から出射された、時間的に鋸
    歯状に周波数掃引されたコヒーレント光を、互いに異な
    る2つの光路に沿って各別に進行する信号光と参照光と
    に分割し、 前記信号光を、屈折率が既知の試料台上に密接して配置
    された屈折率測定の対象となる液体に、前記試料台を介
    して照射し、 前記信号光による、前記液体と前記試料台との境界面に
    よる後方散乱光と、前記信号光および前記後方散乱光と
    前記参照光との光路長差に基づく時間差をもって前記光
    源から出射した、前記後方散乱光とは周波数差を有する
    コヒーレント光による前記参照光とを干渉せしめ、 該干渉により得られた干渉光の強度を測定し、 該干渉光の強度に基づいて前記後方散乱光の強度を求
    め、 前記後方散乱光の強度および前記試料台の屈折率に基づ
    いて、前記液体の屈折率を求めることを特徴とする液体
    の屈折率測定方法。
  4. 【請求項4】 所定の光源から出射された超短パルス光
    を、屈折率が既知の試料台上に密接して配置された屈折
    率測定の対象となる液体に、前記試料台を介して照射
    し、 前記超短パルス光による、前記液体と前記試料台との境
    界面による後方散乱光の強度を測定し、 前記後方散乱光の強度および前記試料台の屈折率に基づ
    いて、前記液体の屈折率を求めることを特徴とする液体
    の屈折率測定方法。
  5. 【請求項5】 所定の光源から出射された光を、屈折率
    が既知の試料台上に密接して配置された屈折率測定の対
    象となる液体に、前記試料台を介して照射し、 前記照射された光による、前記液体と前記試料台との境
    界面による後方散乱光の強度を、前記境界面を一方の焦
    点とする共焦点光学系により、前記境界面に共役な位置
    で検出し、 前記後方散乱光の強度および前記試料台の屈折率に基づ
    いて、前記液体の屈折率を求めることを特徴とする液体
    の屈折率測定方法。
  6. 【請求項6】 前記液体に向けて照射される光の強度を
    0 、前記空気の屈折率をn0 、前記試料台の屈折率を
    1 、前記後方散乱光の強度をIR2、前記試料台の吸光
    度をa、前記試料台の厚さをd、{(n0 −n1 )/
    (n0 +n1 )}2 =R1としたとき、 IR2=I0 (1−R1)2 10-2ad{(n1 −n2 )/(n
    1 +n2 )}2 より、前記液体の屈折率n2 を求めることを特徴とする
    請求項1から5のうちいずれか1項に記載の液体の屈折
    率測定方法。
  7. 【請求項7】 所定の光源から出射された円偏光の光
    を、屈折率が既知の試料台上に密接して配置された屈折
    率測定の対象となる液体に、所定の入射角で前記試料台
    を介して照射し、 前記照射された光による、前記液体と前記試料台との境
    界面による後方散乱光の楕円偏光状態を検出し、 前記楕円偏光状態および前記試料台の屈折率に基づい
    て、前記液体の屈折率を求めることを特徴とする液体の
    屈折率測定方法。
  8. 【請求項8】 前記試料台が、光学的に透明であること
    を特徴とする請求項1から7のうちいずれか1項に記載
    の液体の屈折率測定方法。
  9. 【請求項9】 前記試料台を所定温度に調節することを
    特徴とする請求項1から8のうちいずれか1項に記載の
    液体の屈折率測定方法。
  10. 【請求項10】 屈折率測定の対象となる液体が密接し
    て配置される、屈折率が既知の試料台と、 前記試料台を介して前記液体に光を照射する光源装置
    と、 前記照射された光による、前記液体と前記試料台との境
    界面による後方散乱光の強度を検出する光検出器と、 前記後方散乱光の強度および前記試料台の屈折率に基づ
    いて、前記液体の屈折率を求める屈折率算出手段とを備
    えたことを特徴とする液体の屈折率測定装置。
  11. 【請求項11】 屈折率測定の対象となる液体が密接し
    て配置される、屈折率が既知の試料台と、 低コヒーレンスな光を出射する光源装置と、 該光源装置から出射された低コヒーレンスな光を、互い
    に異なる2つの光路に沿って各別に進行する、参照光と
    前記試料台を介して前記液体に入射される信号光とに分
    割する光路分割手段と、 前記信号光と前記参照光とで僅かな周波数差が生じるよ
    うに両光のうち少なくとも一方を変調する、少なくとも
    一方の前記光路上に設けられた変調手段と、 前記参照光が進行する光路の長さを調整する光路長調整
    手段と、 前記信号光による、前記液体と前記試料台との境界面に
    よる後方散乱光と前記参照光とを波面整合させる波面整
    合手段と、 前記波面整合による前記参照光と前記後方散乱光との干
    渉光の強度を光電的に検出する光検出器と、 該各干渉光の強度に基づいて前記後方散乱光の強度を求
    めるヘテロダイン演算手段と、 前記後方散乱光の強度および前記試料台の屈折率に基づ
    いて、前記液体の屈折率を求める屈折率算出手段とを備
    えたことを特徴とする液体の屈折率測定装置。
  12. 【請求項12】 屈折率測定の対象となる液体が密接し
    て配置される、屈折率が既知の試料台と、 時間的に鋸歯状に周波数掃引されたコヒーレント光を出
    射する光源装置と、 該光源装置から出射された周波数掃引されたコヒーレン
    ト光を、互いに異なる2つの光路に沿って各別に進行す
    る、参照光と前記試料台を介して前記液体に入射される
    信号光とに分割する光路分割手段と、 前記信号光による、前記液体と前記試料台との境界面に
    よる後方散乱光と、前記信号光および前記後方散乱光と
    前記参照光との光路長差に基づく時間差をもって前記光
    源から出射した、前記後方散乱光とは周波数差を有する
    コヒーレント光による前記参照光とを、波面整合させる
    波面整合手段と、 前記波面整合による前記参照光と前記後方散乱光との干
    渉光の強度を光電的に検出する光検出器と、 該各干渉光の強度に基づいて前記後方散乱光の強度を求
    めるヘテロダイン演算手段と、 前記後方散乱光の強度および前記試料台の屈折率に基づ
    いて、前記液体の屈折率を求める屈折率算出手段とを備
    えたことを特徴とする液体の屈折率測定装置。
  13. 【請求項13】 屈折率測定の対象となる液体が密接し
    て配置される、屈折率が既知の試料台と、 超短パルス光を出射する光源装置と、 該光源装置から出射された超短パルス光を前記試料台を
    介して前記液体に入射せしめ、該超短パルス光による、
    前記液体と前記試料台との境界面による後方散乱光の強
    度を求める光時間領域後方散乱測定手段と、 前記後方散乱光の強度および前記試料台の屈折率に基づ
    いて、前記液体の屈折率を求める屈折率算出手段とを備
    えたことを特徴とする液体の屈折率測定装置。
  14. 【請求項14】 屈折率測定の対象となる液体が密接し
    て配置される、屈折率が既知の試料台と、 前記試料台を介して前記液体に光を照射する光源装置
    と、 前記光による、前記液体と前記試料台との境界面による
    後方散乱光を、空間的に分離する共焦点光学系と、 前記共焦点光学系により空間的に分離された前記後方散
    乱光の強度を検出する光検出器と、 前記後方散乱光の強度および前記試料台の屈折率に基づ
    いて、前記液体の屈折率を求める屈折率算出手段とを備
    えたことを特徴とする液体の屈折率測定装置。
  15. 【請求項15】 前記屈折率算出手段が、前記液体に向
    けて照射される光の強度をI0 、前記空気の屈折率をn
    0 、前記試料台の屈折率をn1 、前記後方散乱光の強度
    をIR2、前記試料台の吸光度をa、前記試料台の厚さを
    d、{(n0 −n1 )/(n0 +n1 )}2 =R1とした
    とき、 IR2=I0 (1−R1)2 10-2ad{(n1 −n2 )/(n
    1 +n2 )}2 より、前記液体の屈折率n2 を求めるものであることを
    特徴とする請求項9から14のうちいずれか1項に記載
    の液体の屈折率測定装置。
  16. 【請求項16】 屈折率測定の対象となる液体が密接し
    て配置される、屈折率が既知の試料台と、 前記試料台を介して前記液体に対して所定の入射角で円
    偏光の光を照射する光源装置と、 前記円偏光の光による、前記液体と前記試料台との境界
    面による後方散乱光を抽出する共焦点光学系と、 前記共焦点光学系により抽出された前記後方散乱光の楕
    円偏光状態を検出する楕円偏光状態検出手段と、 前記後方散乱光の楕円偏光状態および前記試料台の屈折
    率に基づいて、前記液体の屈折率を求める屈折率算出手
    段とを備えたことを特徴とする液体の屈折率測定装置。
  17. 【請求項17】 前記試料台が、光学的に透明であるこ
    とを特徴とする請求項9から16のうちいずれか1項に
    記載の液体の屈折率測定装置。
  18. 【請求項18】 前記試料台の温度を所定温度に調節す
    る温調手段をさらに備えたことを特徴とする請求項9か
    ら17のうちいずれか1項に記載の液体の屈折率測定装
    置。
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