JPH11230866A - 台上試験エンジンにおける点火時期の遠隔調整装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンの点火時期の調整を、全てコントロ
ール室内において１人で行いうるようにすることによ
り、省力化を図る。 【解決手段】 ベンチ室１内に設けられ、エンジン２の
クランク軸８に取付けられた角度付目盛盤９とこの目盛
を指示する指針１０とを、エンジン２の回転数と同期し
て照射するタイミングライト１１と、 同じくベンチ室
１内に設けられ、前記角度付目盛盤９をエンジン２の前
方より撮影する画像入力手段１６と、コントロール室１
５内に設けられ、前記画像入力手段１６よりの画像出力
信号を表示する映像表示手段１６と、同じくコントロー
ル室１５内に設けられ、エンジン２に取付けた配電器１
２への二次電圧の供給時期を制御する点火時期制御手段
２０とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ベンチ室の台上に
おいて試験されるエンジンの点火時期を、エンジンより
離れたコントロール室内において簡単に調整することに
より、省力化が図れるようにしたエンジンにおける点火
時期の遠隔調整装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】エンジン単体を台上において運転し、各
種の測定や実験を行う際に使用される試験室は、エンジ
ン及び動力計等が設置されるベンチ室と、エンジンの回
転数や負荷等を外部より制御するコントロール室とから
なり、これらは、エンジン監視用のガラス窓を有する遮
音壁により仕切られているのが一般的である。

【０００３】ガソリンエンジンを台上で運転し、例えば
エンジンバルブの各部の温度を測定する際の試験方法の
１つとして、空燃比と点火時期とを変数とした方法があ
る。

【０００４】点火時期の調整は、クランク軸に取付けた
角度付目盛盤と指針とに、タイミングライトのストロボ
光を照射し、指針が指し示す目盛盤の角度(目盛)を読み
取ることにより行われる。すなわち、上述のように、ベ
ンチ室とコントロール室とに仕切られている試験室での
点火時期の調整は、１人の作業者がベンチ内に入って点
火時期を読み取り、この結果をコントロール室内の他の
作業者に合図等により知らせ、エンジンに取付けた点火
時期制御装置を遠隔操作して行っている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上述のように、作業者
がベンチ内において直接点火時期を読み取り、これを合
図等によりコントロール室内の作業者に知らせていたの
では、多くの変数をこなす際の作業能率が悪く、かつ上
記実験を遂行するに当たっては、制御盤においてエンジ
ンの回転数や負荷等を制御するための別の作業者も要す
るため、少なくとも３人の作業者を必要とし、省略化が
図れない。

【０００６】また、ベンチ内のエンジン付近に長時間作
業者が留まることは、エンジンの騒音や安全性等、作業
環境の上でも好ましくない。

【０００７】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
ので、点火時期の調整を、全てコントロール室内におい
て１人で行うことにより、省力化が図れ、かつ作業環境
を改善しうるようにした、台上試験エンジンにおける点
火時期の遠隔調整装置を提供することを目的としてい
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明によると、上記課
題は、ベンチ室内の台上で運転されるエンジンの点火時
期を、ベンチ室より仕切られたコントロール室内におい
て調整する点火時期の遠隔調整装置であって、前記ベン
チ室内に設けられ、エンジンのクランク軸に取付けられ
た角度付目盛盤とこの目盛を指示する指針とを、エンジ
ンの点火時期と同期して照射するタイミングライトと、
同じくベンチ室内に設けられ、前記角度付目盛盤をエン
ジンの前方より撮影する画像入力手段と、前記コントロ
ール室内に設けられ、前記画像入力手段よりの画像出力
信号を表示する映像表示手段と、同じくコントロール室
内に設けられ、エンジンに取付けた配電器への二次電圧
の供給時期を制御する点火時期制御手段とを備えること
により解決される。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を、図１に
基づいて説明する。ベンチ室(１)内の基台上（図示略）
には、試験用のガソリンエンジン(２)が載置され、その
後方(以下、方向は図の左を前方とする)のクランク軸
（図示略）は、トランスミッション(３)を介して動力計
(４)に連結されている。(５)は、冷却用の水タンクで、
エンジン(２)の吸、排水ホース(６)(７)に接続されてい
る。

【００１０】エンジン(２)の前方に突出するクランク軸
(８)には、角度付目盛盤(９)が取付られ、エンジン本体
に固着された指針(10)が指し示す目盛の値により、点火
時期を見ることができる。

【００１１】(11)は、図示しない支持台に取付られたタ
イミングライトで、配電器(12)に接続された４本のイグ
ニッションコード(13)の中の前方の第１シリンダ用のイ
グニッションコード(13)の電気信号と同期して発光し、
そのストロボ光は、指針(10)と目盛盤(９)に向けて照射
されるようになっている。

【００１２】目盛盤(９)の前方の支持台（図示略）上に
は、目盛盤(９)全体と指針(10)とを撮影するテレビカメ
ラ(14)が取付けられ、その画像信号は、コントロール室
(15)内のモニタテレビ(16)に入力されて表示されるよう
になっている。(17)は、エンジン(２)の回転数や負荷等
を制御する制御盤である。

【００１３】(18)は、上記配電器(12)に２次電圧を供給
する点火コイルで、これに供給される１次電気は、点火
時期制御ユニット(19)を介して行われる。点火時期制御
ユニット(19)は、コントロール室(15)内に設けたボリュ
ームつまみ(20)と電気的に接続され、ボリュームつまみ
(20)を回すことにより、点火コイル(18)に一次電気を送
る時期を任意に調節することができる。すなわち、ボリ
ュームつまみ(20)を回すことにより、点火時期の制御信
号が点火コイル(18)に発せられ、この信号に基づいて、
点火時期を任意に調整することができる。

【００１４】上記実施例において、点火時期を変数とし
て各種の実験を行う際には、テレビカメラ(14)により撮
影された画像、すなわち目盛盤(９)と指針(10)とが、コ
ントロール室(15)内のモニタテレビ(16)に写し出される
ので、１人の作業者がこの画像を見ながらボリュームつ
まみ(20)を操作し、点火時期を容易に調整することがで
きる。従って、作業者は、上記点火時期の調整及びデー
タの記録要員と、制御盤(17)の操作要員との２名でよ
く、従来に比して１名の省力化が図れる。

【００１５】また、実験を全てコントロール室(15)内で
行いうるので、従来のように、作業者がベンチ室(１)内
に長く留まる必要はなく、騒音や安全性等の作業環境を
改善することができる。

【００１６】なお、上記実施例において、点火時期調整
ユニット(19)をコントロール室(15)内に設けて、ボリュ
ームつまみ(20)により直接制御するようにしてもよい。

【００１７】

【発明の効果】本発明によれば、点火時期の調整作業
を、映像表示手段を見ながら全てコントロール室内で１
人で行いうるので、省略化が図れる。また、作業者がベ
ンチ室内に長く留まる必要がなくなるので、騒音や安全
性等、作業環境を改善することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を適用したエンジン試験室の
側面図である。

【符号の説明】

(１)ベンチ室 (２)ガソリンエンジン (３)トランスミッション (４)動力計 (５)水タンク (６)吸水ホース (７)排水ホース (８)クランク軸 (９)角度付目盛盤 (10)指針 (11)タイミングライト (12)配電器 (13)イグニッションコード (14)テレビカメラ(画像入力手段) (15)コントロール室 (16)モニタテレビ(映像表示手段) (17)制御盤 (18)点火コイル (19)点火時期制御ユニット (20)ボリュームつまみ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ベンチ室内の台上で運転されるエンジン
   の点火時期を、ベンチ室より仕切られたコントロール室
   内において調整する点火時期の遠隔調整装置であって、 前記ベンチ室内に設けられ、エンジンのクランク軸に取
   付けられた角度付目盛盤とこの目盛を指示する指針と
   を、エンジンの点火時期と同期して照射するタイミング
   ライトと、 同じくベンチ室内に設けられ、前記角度付目盛盤をエン
   ジンの前方より撮影する画像入力手段と、 前記コントロール室内に設けられ、前記画像入力手段よ
   りの画像出力信号を表示する映像表示手段と、 同じくコントロール室内に設けられ、エンジンに取付け
   た配電器への二次電圧の供給時期を制御する点火時期制
   御手段とを備えることを特徴とする台上試験エンジンに
   おける点火時期の遠隔調整装置。