JPH1122951A - 煙道清掃装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンパクトな設計とし、内壁付着物を効率よ
く除去する。 【解決手段】 炉で発生した排ガスの通路となる煙道１
０を、外管１８と内管１９とからなる二重管構造とす
る。内管１９は内壁に波形の凹凸部１９ａを形成し、外
管１９に対し回動自在に支持させる。内管１９の外壁に
作動片２０を突設し、作動片２０を挟んでノッカー２２
とストッパ２４を対向させて組み付ける。ノッカー２２
の作動で作動片２０を介し内管１９を回動させ、そのと
き生ずる円周方向の衝撃力で内壁付着物を落下させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は灰溶融炉の如き炉の
排ガス用煙道の内壁に付着した物質を除去するために用
いる煙道清掃装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ごみ焼却灰や飛灰等の灰を溶融処理する
灰溶融炉は、図２に電気抵抗式のものの一例を示す如
く、炉蓋２の中心部を昇降可能に貫通させて炉体１内の
溶融スラグ３内に挿入配置した上部電極４と、炉底５に
設けた炉底電極６との間に溶融スラグ３を通して電流を
流すことによって、溶融スラグ３自体を熱源とし、灰投
入口８から炉体１内に投入された灰７を順次ジュール熱
により溶融させるようにしてあり、この際、炉体１内で
発生した排ガスＧを、炉蓋２の排ガス出口９に接続され
た煙道１０を通して洗煙装置１１へ導くようにしてあ
る。１０ａは煙道１０の水平煙道部、１０ｂは同じく垂
直煙道部を示す。

【０００３】上記灰溶融炉では、炉体１内で発生する排
ガス中にＮａＣｌ等の低沸点物質を含んでおり、これら
低沸点物質は温度が下がると煙道１０の内壁に付着し、
そのまま放置すると煙道閉塞を起す虞があるため、随時
煙道付着物を除去する必要が生ずる。

【０００４】上記煙道１０の内壁に付着した付着物を除
去するため、従来は、図３に一例を示す如く、先端部に
ブラシ１２を取り付けたプッシュロッド１３の後端部
を、プッシュロッド１３と平行に配置したロッドレスシ
リンダ１４の可動体１５に連結してなる構成の清掃装置
１６を、煙道１０の水平煙道部１０ａと垂直煙道部１０
ｂにそれぞれ対応させて設置するようにしてある。すな
わち、水平煙道部１０ａでは、プッシュロッド１３が排
ガス流通方向の下流側端部より長手方向に沿って水平方
向に出し入れされるように配置し、一方、垂直煙道部１
０ｂでは、プッシュロッド１３が、排ガス流通方向の上
流側端部より長手方向に沿って上下方向に出し入れされ
るように配置し、それぞれロッドレスシリンダ１４の可
動体１５を反復作動させることによりプッシュロッド１
３を煙道１０内に出し入れさせて、先端部のブラシ１２
によって内壁の付着物を掻き落すようにしてある。１７
はロッドレスシリンダ１４の支持フレームを示す。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
清掃装置１６の場合、ブラシ１２にて付着物を掻き落す
領域長さと同等の長さのプッシュロッド１３及びロッド
レスシリンダ１４が必要となるため、大きなスペースが
必要不可欠となり、且つブラシ１２の動く範囲が長いこ
とからやや信頼性に欠けるという問題がある。又、水平
煙道部１０ａでは、プッシュロッド１３は排ガス流通方
向に挿入するのが好ましいものであるが、配置関係上、
逆方向から挿入しなければならないことから、ブラシ１
２で掻き落した付着物を排ガス流通方向の上流側へ押し
寄せてしまうことになり、排ガス流通方向の上流側へ押
し寄せた付着物を排ガスの流れで下流側へ運ぶようにす
るので、掻き落した付着物の搬送効率の面でも問題があ
る。

【０００６】そこで、本発明は、大きなスペースを必要
とすることなく設置でき、しかも内壁付着物を効率よく
除去することができるような煙道清掃装置を提供しよう
とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、炉の排ガス用煙道を、外管と該外管内に
回動自在に配置した内管とからなる二重管構造とし、且
つ上記外管に、内管を回動させて円周方向の衝撃力を付
与するための内管用回動装置を組み付けた構成とする。

【０００８】内管用回動装置の作動で内管を回動させて
内管に円周方向の衝撃力を与えると、内壁に付着してい
る付着物を振動させることができて容易に落下除去させ
ることができる。

【０００９】又、内管用回動装置を、内管の外壁に突設
した作動片と、該作動片をプランジャの突出作動で周方
向に押すようにしたノッカーと、上記作動片をスプリン
グの圧縮反力で押し戻すようにしたストッパとからなる
構成とすることにより、小さな回動角度でも大きな角加
速度が得られるため、付着物を効率よく除去することが
できる。

【００１０】更に、内管の内壁に凹凸部を形成した構成
とすることによって、内管の回動時に付着物に対し接線
方向以外の力をも加えることができるようになるので、
付着物の除去効率をより向上できるようになる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。

【００１２】図１（イ）（ロ）は本発明の実施の一形態
を示すもので、図２に示したと同様な構成としてある灰
溶融炉において、煙道１０の水平煙道部１０ａを、外管
１８と該外管１８内にベアリング２５を介して回動自在
に支承させるようにした内管１９とからなる二重管構造
として、上記内管１９の内壁に波形による周方向の凹凸
部１９ａを形成し、且つ上記内管１９の外壁の長手方向
中間部に、内管１９の長手方向に延びる作動片２０を突
設すると共に、該作動片２０を周方向から挟むように、
ノッカー２２とストッパ２４とを対向させて配置して、
該ノッカー２２とストッパ２４を外管１８に組み付け、
ノッカー２２は、プランジャ２１の突出作動で上記作動
片２０を介して内管１９を所要角度回動させるように
し、又、ストッパ２４は、作動片２０をスプリング２３
で受けて押し返すようにして、内管用回動装置２６を構
成し、ノッカー２２とストッパ２４で作動片２０を介し
て内管１９を回動させ、そのときの円周方向の衝撃力に
よって内管１９の内壁面に付着した付着物に振動を与え
て付着物を落下除去させられるようにする。

【００１３】なお、煙道１０の垂直煙道部１０ｂについ
ても、水平煙道部１０ａとその向きが９０°異なるだけ
で基本的には同じ構成としてあり、水平煙道部１０ａと
垂直煙道部１０ｂとの連絡部において、垂直煙道部１０
ｂの内管１９の上端部に、該内管１９が回動しても水平
煙道部１０ａの内管１９の下流側端部と干渉しない形状
の連絡口２７が設けてあること以外は異なるところはな
く、同一部分には同一符号が付してある。

【００１４】煙道１０の水平煙道部１０ａと垂直煙道部
１０ｂを外管１８と内管１９とからなる構成として、煙
道１０の全長を二重管構造としてあることから、灰溶融
炉内で発生した排ガスＧは、排ガス出口９から内管１９
内を通って洗煙装置１１内に導かれるようになる。した
がって、排ガスＧ中に含まれる低沸点物質は内管１９の
内壁に付着することになる。

【００１５】上記において、内管１９の内壁に付着した
付着物を除去する場合には、外管１８部に対峙して組み
付けてあるノッカー２２とストッパ２４を用いるように
する。この場合、ノッカー２２のプランジャ２１を突出
させると、内管１９の外壁に突設してある作動片２０が
押される（叩かれる）ことにより内管１９がベアリング
２５を介して周方向に回動させられ、このとき、作動片
２０はストッパ２４のスプリング２３に接してスプリン
グ２３を圧縮することになる。ストッパ２４に規制され
る範囲まで作動片２０を押し付けた後、プランジャ２１
を引き込むと、作動片２０はスプリング２３の圧縮反力
により押し戻されるため、内管１９は逆方向に回動させ
られる。したがって、上記ノッカー２２のプランジャ２
１を出し入れさせる動作を繰り返して行うと、内管１９
は周方向に反復して回動させられることになり、このと
きの振動衝撃力によって内壁に付着している付着物が落
下除去させられる。落下した付着物は排ガスの流れに乗
って下流へ運ばれる。

【００１６】上記の場合、内管１９の内壁には波形の凹
凸部１９ａが形成してあるため、円周方向に衝撃力が与
えられることにより、付着物を容易に落下させることが
できる。すなわち、内管１９の内壁が単なる円筒面であ
ると、円周方向の衝撃力が与えられても、付着物は接線
方向へ滑る如く内壁に対し相対変位し易いが、凹凸部１
９ａがあると、接線方向以外の力も入り混じって作用す
るため、付着物の剥離性がより向上することになる。
又、この際、付着物の除去効率に直接的に関係するの
は、内管１９の角加速度であるため、ノッカー２２のプ
ランジャ２１の出入速度とストッパ２４のスプリング２
３の圧縮反力を選定することによって、内管１９の回動
角度は小さくても付着物を効率よく除去することができ
る。このため、装置全体としてはコンパクトになり、信
頼性の面でも優れたものとすることができる。

【００１７】又、垂直煙道部１０ｂの内管１９の上端部
には、該内管１９が水平煙道部１０ａの内管１９と干渉
することなく回動できるようにした連絡口２７が設けて
あるが、両煙道部１０ａ，１０ｂの内管１９内には誘引
作用が働くため、この連絡口２７から排ガスＧが漏れる
ことはなく、万一、排ガスＧが連絡口２７を通り抜けた
としても、その外側には外管１８があるので、外管１８
外へ漏れることはない。

【００１８】なお、上記実施の形態では、内管１９の内
壁に波形の凹凸部１９ａを形成した場合を示したが、凹
凸部１９ａとして、たとえば、丸棒等を取り付けるよう
にしてもよいこと、又、ノッカー２２としては、電磁式
ソレノイドの他、油圧式あるいはエア式シリンダの如き
装置を採用できること、更に、実施の形態では、灰溶融
炉の煙道について示したが、他の炉に付随する煙道につ
いても同様に実施できること、その他本発明の要旨を逸
脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論
である。

【００１９】

【発明の効果】以上述べた如く、本発明の煙道清掃装置
によれば、次の如き優れた効果を発揮する。 (1) 炉の排ガス用煙道を、外管と該外管内に回動自在に
配置した内管とからなる二重管構造とし、且つ上記外管
に、内管を回動させて円周方向の衝撃力を付与するため
の内管用回動装置を組み付けた構成としてあるため、内
管用回動装置を作動させて内管に円周方向の衝撃力を与
えることにより、内管の内壁に付着している付着物質を
容易に落下除去することができ、且つ従来装置のように
長手方向の動きを伴わないことから、大スペースを要し
ないコンパクトな設計とすることができる。 (2) 内管用回動装置を、内管の外壁に突設した作動片
と、該作動片をプランジャの突出作動で周方向に押すよ
うにしたノッカーと、上記作動片をスプリングの圧縮反
力で押し戻すようにしたストッパとからなる構成とする
ことにより、内管の回動角度を小さくしても大きな角加
速度が得られるため、付着物を効率よく除去することが
できて、高い信頼性が得られる。 (3) 内管の内壁に凹凸部を形成した構成とすることによ
って、内管の回動時に付着物に対してあらゆる方向の力
を加えることができるため、付着物の除去効率をより向
上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の煙道清掃装置の実施の一形態を示すも
ので、（イ）は全体の概要図、（ロ）は（イ）のＡ−Ａ
方向矢視図である。

【図２】灰溶融炉の一例を示す概略図である。

【図３】従来の煙道清掃装置の概要図である。

【符号の説明】 １０ 煙道 １８ 外管 １９ 内管 １９ａ 凹凸部 ２０ 作動片 ２１ プランジャ ２２ ノッカー ２３ スプリング ２４ ストッパ ２６ 内管用回動装置

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 炉の排ガス用煙道を、外管と該外管内に
   回動自在に配置した内管とからなる二重管構造とし、且
   つ上記外管に、内管を回動させて円周方向の衝撃力を付
   与するための内管用回動装置を組み付けた構成を有する
   ことを特徴とする煙道清掃装置。
2. 【請求項２】 内管用回動装置を、内管の外壁に突設し
   た作動片と、該作動片をプランジャの突出作動で周方向
   に押すようにしたノッカーと、上記作動片をスプリング
   の圧縮反力で押し戻すようにしたストッパとからなる構
   成とした請求項１記載の煙道清掃装置。
3. 【請求項３】 内管の内壁に凹凸部を形成した請求項１
   又は２記載の煙道清掃装置。