JPH1122895A - 断熱体およびその製造方法 - Google Patents
断熱体およびその製造方法Info
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Abstract
を真空部分に置き換えることで断熱性を改善した熱線反
射シートにおいて、中空真空粒子が均一に付着しにく
く、中空真空粒子が熱線反射シート表面を被覆する割合
が低くなり、断熱性改善の効果が上がりにくいという課
題があった。 【解決手段】熱線反射シート2にメッシュ状シート3を
積層し、メッシュ状シート3面内の空隙部分に複数個の
中空真空粒子4を配した断熱シート1を有することで、
中空真空粒子4の位置が容易に固定されるために、中空
真空粒子4が高密度に熱線反射シート2表面に配置さ
れ、断熱効果が向上する。
Description
空断熱を利用した断熱体及びその製造方法に関する。
積層した構成は、断熱体として公知である(特開平5−
26391)。この断熱体は、熱源から輻射される熱線
を熱線反射シートで反射し、一方熱源からの熱を空気層
で断熱する作用がある。
めの一つの方法としては、空気層部分の断熱性能を改善
することが考えられる。例えば、内部を真空減圧化した
高断熱性の中空真空粒子を熱線反射シート表面に付着さ
せて空気層の一部を真空中空粒子に置き換えることで断
熱性を改善する構成が考えられる。
粒子を熱線反射シート表面に付着させる場合に、中空真
空粒子が均一に付着しにくく、中空真空粒子が熱線反射
シート表面を被覆する割合が低くなり、中空真空粒子に
よる断熱性改善の効果が上がりにくいという課題があっ
た。
考慮し、従来に比べてより一層断熱性に優れた断熱体及
びその製造方法を提供することを目的とする。
は、熱線反射シートと、前記熱線反射シート上に形成さ
れたメッシュ状シートと、前記メッシュ状シート面内の
空隙部分に配設された中空真空粒子とを有する断熱シー
トを一層又は複数層備えた断熱体である。
上に、表面が熱融着型接着樹脂よりなるメッシュ状シー
トを重ねる工程と、中空真空粒子を前記メッシュ状シー
トの空隙部に配する工程と、その後、加熱により前記熱
融着型接着樹脂を融着する工程とを備えた断熱体の製造
方法である。
表面に接着層を形成する工程と、前記接着層を未硬化状
態で粘着性を残したまま、メッシュ状シートと前記熱線
反射シートとを前記接着層で貼り合わせる工程と、中空
真空粒子を前記メッシュ状シートの空隙部に付着させる
工程と、その後、前記接着層を硬化する工程とを備えた
断熱体の製造方法である。
て、図面を用いて説明する。
する断熱シートの概念図を図1に示す。 即ち、同図に
示す様に、本実施の形態の断熱シート1は、熱線反射シ
ート2上にメッシュ状シート3が積層されており、その
メッシュ状シート3面内の空隙部分に真空中空粒子4が
配されて構成されている。
が積層され、メッシュ状シート3面内では空隙部分が規
則的に配置されているために、中空真空粒子4を配する
際に空隙部分に中空真空粒子3の少なくとも一部が仕切
られた空隙部分に収まることで中空真空粒子4の位置が
容易に固定されるために、空隙部分に対応して中空真空
粒子4が高密度に熱線反射シート2表面に配置される。
で構成することもできるが、断熱シートを積層した構成
の場合には、さらに高い断熱性が得られる。裁断した断
熱シート1を重ねることで断熱シート1を多層化した断
熱体を構成することができる。また、本発明における断
熱シート1は可とう性を有するために、例えば、図2に
示すように断熱シート1を熱源5周辺に多層に巻き付け
ることで断熱体1を構成したり、図3に示すように断熱
シート1を複数回折り曲げて構成した断熱体を熱源5表
面に設けることでも容易に多層構造にすることができ
る。尚、図2、図3は、何れも断熱体の略示側面図であ
る。
めに熱源に隣接させて配することが断熱性に関しては効
果的である。また、本発明の断熱体に対して熱源とは反
対側に、プラスチックフォームやガラスウールなどの別
の断熱体を配することでさらに断熱効果を上げることが
できる。
源からの輻射熱となる波長2μm程度以上の赤外線を反
射し断熱できることが必要である。熱線反射シートとし
ては、アルミニウムや銅などの金属箔、半導体や金属を
蒸着したシート、あるいは半導体や金属の微粒子を塗布
したシートなどをあげることができる。熱線反射層は数
百nm程度の膜厚であれば、充分な熱線反射効果を得る
ことができる。熱線反射層は熱伝導性が良いために、そ
の膜厚が厚いと熱線反射層部分での熱伝導が断熱体の断
熱性能を低下させることになり注意が必要である。
子を高密度に配置させるために、シート面内に規則的に
高密度に微小の仕切られた空隙部分を有する必要があ
る。具体的な空隙部分の大きさとしては、空隙部分面積
の平方根で表示した場合に数μm〜数mm程度の範囲が
好ましい。また、メッシュ状シートでの熱伝導による断
熱性能の低下をできるだけ抑えるために、空隙部の孔が
シートを貫通して、さらにシート全体の面積に対する空
隙部の面積の合計が大きくなっていることが必要であ
る。同様に、シートでの熱伝導による断熱性能の低下を
抑制する観点から、シートの厚みはできるだけ小さいこ
とが必要である。
はないが、緯細線および経細線により構成された織物を
メッシュ状シートとして用いると、可とう性を有しかつ
上記メッシュ状シートに必要な条件を容易に達成するこ
とができる。また、熱線反射シート表面に直接メッシュ
状シートを印刷することにより、メッシュ状シートを形
成することも可能である。
性を有する材質なら特に限定はなく、プラスチックや金
属などが用いられる。メッシュ状シートでの熱線の吸収
による断熱性の低下を抑えるために、メッシュ状シート
の表面が熱線反射性を有することが好ましい。熱線反射
性を付与する方法としては、メッシュ状シートを熱線反
射性の材質のもので構成するか、蒸着やコーティングな
どにより熱線反射物質で表面処理する方法があげられ
る。特に、メッシュ状シートが織物である場合、ステン
レス細線、銅細線、アルミニウム細線などの金属細線を
用いて容易に構成できる。また、プラスチック細線表面
にアルミニウム、銅 、銀、金などの金属の薄膜を形成
することでも可能である。
することよって空気に比べて効果的な断熱ができる必要
がある。一般的に、中空部分の気体の断熱性能は、中空
真空粒子内の真空度と中空口径によって決まる。つま
り、ある真空度における中空真空粒子内に残留している
気体の平均自由工程と中空口径とによって断熱性能が決
まる。できるだけ真空度を高くし、そして中空口径を小
さくする程、断熱効果が得られる。例えば、真空度が1
0-1torr程度なら、中空口径を500μm程度まで
小さくすることで顕著な断熱効果が得られ、真空度が1
0-2torr程度なら、中空口径を5mm程度まで小さ
くすることで顕著な断熱効果が得られる。
うにメッシュ状シートの厚みより粒径が大きいことが好
ましい。本発明の断熱体を積層した場合に、メッシュ状
シートの厚みの方が粒径より大きいと、断熱体の層間に
おいて熱線反射シートとメッシュ状シートとが線接触に
なるが、中空真空粒子の粒径の方が大きいと熱線反射シ
ートと中空真空粒子とが点接触になり断熱効果が上が
る。しかし、メッシュ状シートとして織物を用いる場
合、緯細線および経細線とが交差する点でメッシュ状シ
ートとしての厚みが大きくなる。そのため、交差する点
でメッシュ状シートと熱線反射シートとが点接触に近い
状態で接触するために、中空真空粒子の粒径については
特に制約はなくなる。
状態を維持するために、ガスバリヤ性の材料により粒子
の壁材が構成されていることが好ましい。材質としては
ガラス、エチレンビーニルアルコール共重合体、アクリ
ロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ塩化
ビニリデンなどを用いることができる。
線反射シート、メッシュ状シート、および中空真空粒子
が接着されて一体化されていることが必要である。接着
方法は特に限定されないが、比較的効率的な製造方法と
しては、次の2つのタイプがある。
よりなり、前記接着樹脂を介して熱線反射シートと中空
真空粒子とを接着し一体化するタイプ(以下、第1のタ
イプと称す)。
ト、および前記熱線反射シートと中空真空粒子とを、前
記熱線反射シート表面に形成された接着層により接着し
一体化するタイプ(以下、第2のタイプと称す)。
て、図面を用いて断熱体の構成を述べると共に、その製
造方法の一実施の形態についても説明する。
示したのが図5である。
るメッシュ状シート53を介して熱線反射シート2およ
び中空真空粒子4が接着一体化されている。この場合、
接着がメッシュ状シート53表面で行なわれるために、
特にメッシュ状シート53と中空真空粒子4とが接しや
すいようにメッシュ状シート53の空隙の大きさあるい
は中空真空粒子4の粒径を最適化する必要がある。
線反射シート2上に、表面が熱融着型接着樹脂よりなる
メッシュ状シート53を重ねた後、中空真空粒子4を前
記メッシュ状シートの空隙部に配した後、加熱して前記
熱融着型接着樹脂を融着する工程を行う方法により、乾
式で接着一体化が実現できるため、好ましい。メッシュ
状シート53は、熱融着型接着樹脂を後処理によりメッ
シュ状シート表面にコーティングする方法以外に、メッ
シュ状シートを熱融着性接着樹脂により構成する方法が
ある。特に、メッシュ状シートが織物である場合、緯細
線あるいは経細線に熱融着性樹脂よりなる細線を用いる
ことができ好ましい。熱融着性樹脂としては、ポリエチ
レン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどを
あげることができる。
の状態を示したのが図6である。
形成された接着層6により、メッシュ状シート3および
中空真空粒子4が接着一体化されている。
て説明する。熱線反射シート2表面に接着層6を形成
(同図において、Aを付した工程に対応)した後、前記
接着層6を未硬化状態で粘着性を残したままで、メッシ
ュ状シート3と前記熱線反射シート2とを前記接着層6
を介して貼り合わせた(同図において、Bを付した工程
に対応)後、中空真空粒子4を前記メッシュ状シート3
の空隙部に付着させた(同図において、Cを付した工程
に対応)後、前記接着層6を露光装置7により硬化する
工程(同図において、Dを付した)を行う方法が比較的
簡便で好ましい。特に、接着層6の粘着性を残したまま
で接着一体化を行なうために、メッシュ状シート3およ
び中空真空粒子4の位置が熱線反射シート2上に仮固定
され取り扱いしやすい。また、必要に応じて上記工程C
と上記工程Dとの間に加圧ロールを設けて、仮固定され
ているメッシュ状シート3および中空真空粒子4を熱線
反射シート2に圧着することで、接着がより確実に行な
われる。
とができるが、取り扱いの面では特に光硬化樹脂、放射
線硬化樹脂、および熱硬化性樹脂より選ばれた接着剤が
好ましい。光硬化樹脂としては、紫外線硬化樹脂、赤外
線硬化樹脂などがあげられる。放射線硬化樹脂として
は、X線硬化樹脂、電子線硬化樹脂などがあげられる。
接着層6での熱源からの熱線の吸収をできるだけ小さく
するために、メッシュ状シート3および中空真空粒子4
を接着できる範囲で接着層6の膜厚は薄い程よく、数μ
m程度が好ましい。
ートを製造し、断熱性能の確認を行ったので、その具体
例について更に説明する。
熱シートについて述べる。
レフタレート(12μm)、ポリエチレン(13μ
m)、アルミニウム箔(9μm)、ポリエチレン(40
μm)をラミネートしたシートを用いた。
経細線が熱融着型接着樹脂であるポリエチレンの細線
(50μm径)により構成した織物を用いた(空隙部
分:300μm×300μm)。
00μm、真空度が0.01torr程度であるガラス
製のものを用いた。
ッシュ状シートを重ねた後、中空真空粒子をメッシュ状
シートの空隙部に配した後、100℃程度に加熱しなが
らシート全体を圧着一体化して断熱シートを構成した。
と、メッシュ状シートの空隙部分に対してほぼ100%
中空真空粒子が配されていることが確認できた。
状シートを用いずに、熱線反射シートのポリエチレン層
表面に中空真空粒子を配した後、100℃程度に加熱し
ながらシート全体を圧着一体化して、比較例1としての
断熱シートを構成した。
と、配した中空真空粒子の一部がポリエチレン層表面か
ら落ちたために、熱線反射シート内の単位面積当たりの
粒子数が具体例1に対して約50%程度に低減した。
トを円筒型の熱源(80℃)の周りに10回巻き付け
て、熱源周りにそれぞれ断熱体を形成したところ、比較
例1で作成した断熱シートを用いた場合に比べて、具体
例1で作成した断熱シートを用いることで断熱性能が約
20%程度改善されていた。
熱シートについて述べる。
レフタレート(12μm)上にアルミニウムを0.5μ
mの厚みで蒸着して構成した。
経細線がステンレス細線(30μm径)により構成した
織物を用いた(空隙部分:300μm×300μm)。
いた。
ート側に紫外線硬化樹脂よりなる接着層(3μm)を形
成した後、接着層を未硬化状態で粘着性を残したまま
で、メッシュ状シートと熱線反射シートとを接着層で貼
り合わせた後、中空真空粒子をメッシュ状シートの空隙
部に付着させ、その後、シート表面を加圧ロールで圧着
し、その後、シート表面に紫外線を照射することで接着
層を硬化して、断熱シートを構成した。
と、メッシュ状シートの空隙部分に対してほぼ100%
中空真空粒子が配されていることが確認できた。
状シートを用いずに、熱線反射シートの未硬化状態の接
着層表面に中空真空粒子を配した後、シート表面を加圧
ロールで圧着し、その後、シート表面に紫外線を照射す
ることで接着層を硬化して、比較例2としての断熱シー
トを構成した。
と、中空真空粒子が不均一に配され、熱線反射シート内
の単位面積当たりの粒子数が具体例2に対して約70%
程度に低減した。
トを折り畳むことで10層積層された断熱体をそれぞれ
構成した。これらの断熱体を面状発熱体(50℃)より
なる熱源に重ねたところ、比較例2で作成した断熱シー
トを用いた場合に比べて、具体例2で作成した断熱シー
トを用いることで断熱性能が約5%程度改善することが
出来た。
状シートを積層し、前記メッシュ状シート面内の空隙部
分に複数個の中空真空粒子を配した断熱シートを有する
ことを特徴とする断熱体によって、簡便な操作により熱
線反射シート表面に中空真空粒子を高密度に配すること
ができ中空真空粒子による熱線反射シート上の被覆率が
向上し、優れた断熱性能を得ることができる。
発明は、断熱性により一層優れていると言う長所を有す
る。
斜視図
トの斜視図
図
図
す略示工程図
Claims (5)
- 【請求項1】熱線反射シートと、前記熱線反射シート上
に形成されたメッシュ状シートと、前記メッシュ状シー
ト面内の空隙部分に配設された中空真空粒子とを有する
断熱シートを一層又は複数層備えたことを特徴とする断
熱体。 - 【請求項2】前記メッシュ状シートが、緯細線および経
細線により構成された織物であることを特徴とする請求
項1記載の断熱体。 - 【請求項3】熱線反射シート上に、表面が熱融着型接着
樹脂よりなるメッシュ状シートを重ねる工程と、中空真
空粒子を前記メッシュ状シートの空隙部に配する工程
と、その後、加熱により前記熱融着型接着樹脂を融着す
る工程とを備えたことを特徴とする断熱体の製造方法。 - 【請求項4】熱線反射シート表面に接着層を形成する工
程と、前記接着層を未硬化状態で粘着性を残したまま、
メッシュ状シートと前記熱線反射シートとを前記接着層
で貼り合わせる工程と、中空真空粒子を前記メッシュ状
シートの空隙部に付着させる工程と、その後、前記接着
層を硬化する工程とを備えたことを特徴とする断熱体の
製造方法。 - 【請求項5】前記接着層の材料が、光硬化樹脂、放射線
硬化樹脂、および熱硬化性樹脂の内の、何れかの材料で
あることを特徴とする請求項4記載の断熱体の製造方
法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP17709697A JP4251463B2 (ja) | 1997-07-02 | 1997-07-02 | 断熱シート及び断熱体 |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH1122895A true JPH1122895A (ja) | 1999-01-26 |
JP4251463B2 JP4251463B2 (ja) | 2009-04-08 |
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ID=16025075
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-
1997
- 1997-07-02 JP JP17709697A patent/JP4251463B2/ja not_active Expired - Fee Related
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