JPH11228831A - ポリジオルガノシロキサンの水性分散体組成物、及びその製造方法 - Google Patents

ポリジオルガノシロキサンの水性分散体組成物、及びその製造方法

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JPH11228831A
JPH11228831A JP3251098A JP3251098A JPH11228831A JP H11228831 A JPH11228831 A JP H11228831A JP 3251098 A JP3251098 A JP 3251098A JP 3251098 A JP3251098 A JP 3251098A JP H11228831 A JPH11228831 A JP H11228831A
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JP
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emulsion
polymerization
phenyl group
octamethylcyclotetrasiloxane
polysiloxane
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JP3251098A
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English (en)
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Takanori Hatano
貴典 畑野
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フェニルシロキシ単位を多量に含有するポリ
シロキサン乳濁液を安定に、且つ経済的に製造する方法
を提供すること。 【解決手段】 6員環、8員環および10員環より選ば
れた1種または2種以上であるジメチル環状シロキサン
の重合転化率上昇中に、アルキルスルホン酸またはアル
キルベンゼンスルホン酸より選ばれた1種または2種以
上を重合触媒として用いながら、フェニル基を有するジ
アルコキシシランを連続追加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリジオルガノシ
ロキサンの水性分散体組成物、及びその製造方法に関
し、詳しくはフェニル基を有するポリシロキサン水性分
散体組成物、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】ポリシロ
キサンの水性分散体は、環状シロキサンの開環乳化重合
により容易に製造できることが知られている。フェニル
基を含有するポリシロキサンの水分散体についても特公
昭41-13995号公報に記載されている。この方法は、フェ
ニルメチル環状4量体シロキサンを用いた開環重合が例
示されている。この方法により、安定に水分散体を得て
いるが、フェニルメチル環状体は非常に高価であり、工
業的な製造には全く適していない。
【0003】この方法と同様に、ジフェニル環状4量体
シロキサンとジメチル環状4量体シロキサンの共開環重
合による製造も考えられる。しかし、ジフェニル環状4
量体は高融点を有する固形物であり、ジメチル環状4量
体に溶解せず、共乳化重合前の予備乳化で均一な乳化物
は得られなかった。また、その不均一な乳化物をジメチ
ル環状シロキサンの重合する温度で加熱、撹拌を行って
も、原料回収に終わるのみで安定なフェニル基含有ポリ
シロキサンは得られなかった。
【0004】また、環状ジメチルシロキサンの開環乳化
重合にアルコキシシランを導入する方法についても報告
されている。特公昭41-13995号公報において、大量にア
ルコキシシランを用いる場合、連続追加による方法が良
いと記載されている。しかし、この場合、アルコキシシ
ランとしてフェニル基を含有することは記載されておら
ず、それのみならず、アルコキシシランの連続追加する
時期についても明確に記載されていない。
【0005】フェニル基を有するポリシロキサン乳濁液
の製造法として、フェニルポリシロキサンオイルの強制
乳化が挙げられる。この方法に関し、特公平6-37726 号
公報に次のような記載がある。すなわち、いてフェニル
基を有するポリシロキサンをポリオキシエチレンアルキ
ルエーテルの様な非イオン界面活性剤により乳化する方
法が記載されている。しかしながら、この方法による乳
濁液の製造は、ポリシロキサンに対し大量の乳化剤を必
要とし、粒子径の制御も困難であった。更に、この方法
では直鎖状のポリシロキサンに限定され、架橋導入した
シロキサンには適用できないという制約があった。
【0006】[発明の目的]本発明の目的は、フェニル
シロキシ単位を多量に含有するポリシロキサン乳濁液
(水性分散体組成物)を提供、及び該乳濁液(水性分散
体組成物)を安定に、且つ経済的に製造する方法を提供
するところにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる現
状を鑑み、鋭意研究を重ねた結果、ジメチル環状シロキ
サンの重合転化率上昇中にフェニル基を含有するアルコ
キシシランを連続追加することにより安定に多量のフェ
ニル単位を含有するポリシロキサンの乳濁液を製造でき
ることを見出した。
【0008】即ち、請求項1記載のポリジオルガノシロ
キサンの水性分散体組成物は、ジメチル環状シロキサン
の重合転化率上昇中にフェニル基を有するジアルコキシ
シランを連続追加することによって得られる、フェニル
単位を15〜55重量%有し、0.03〜0.5μmの
粒子径を有するものである。
【0009】請求項2記載のポリジオルガノシロキサン
の水性分散体組成物の製造方法は、フェニル単位を15
〜55重量%含有し、0.03〜0.5μmの粒子径を
有するポリジオルガノシロキサンの水性分散体組成物の
製造方法であって、ジメチル環状シロキサンの重合転化
率上昇中にフェニル基を有するジアルコキシシランを連
続追加することを特徴とする方法である。
【0010】請求項3記載のポリジオルガノシロキサン
の水性分散体組成物の製造方法は、請求項2に記載の製
造方法において、前記ジメチル環状シロキサンが、6員
環、8員環および10員環より選ばれた1種または2種
以上であることを特徴とする方法である。
【0011】請求項4記載のポリジオルガノシロキサン
の水性分散体組成物の製造方法は、請求項2または3に
記載の製造方法において、さらに、アルキルスルホン酸
またはアルキルベンゼンスルホン酸より選ばれた1種ま
たは2種以上を重合触媒として用いることを特徴とする
方法である。
【0012】請求項5記載のポリジオルガノシロキサン
の水性分散体組成物の製造方法は、請求項2〜4のいず
れか1項に記載の製造方法において、前記フェニル基を
有するジアルコキシシランが、ジフェニルジメトキシシ
ラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルメチルジ
メトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシランより
選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする方
法である。
【0013】請求項6記載のポリジオルガノシロキサン
の水性分散体組成物の製造方法は、請求項2〜5のいず
れか1項に記載の製造方法において、さらに、アルキル
トリアルコキシシラン、テトラアルコキシシラン、ある
いはこれらの部分加水分解縮合物を反応系中に20重量
%以下の割合で以て含ませることを特徴とする方法であ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】ジメチル環状シロキサン 本発明に使用可能なジメチル環状シロキサンは、特に限
定されないが、コスト及び重合性の点からヘキサメチル
シクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロ
キサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等の6員
環、8員環、10員環の化合物が最適である。
【0015】フェニル基含有ジアルコキシシラン 本発明に用いられるフェニル基を有するジアルコキシシ
ランとしては、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニ
ルジエトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラ
ン、フェニルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
【0016】フェニル基を有するアルコキシシランの使
用量は、得られるポリシロキサン全量に対し、フェニル
重量が15〜55重量%に相当する量を用いるのが好ま
しい。フェニル導入量が15重量%未満の場合、フェニ
ル基導入の効果が薄く、また、55重量%を超える場
合、安定なエマルジョンが得られない。この場合、生成
するアルコールによる安定性の低下と特にジフェニル体
を用いた場合、低環状ジフェニルシロキサンの生成が顕
著となる。低環状ジフェニルシロキサンが生成した場
合、凝集物としてエマルジョンから分離してくる。
【0017】アルキルトリアルコキシシラン、又はテト
ラアルコキシシラン(部分加水分解縮合物を含む) 本発明に用いることができるアルキルトリアルコキシシ
ラン、または、テトラアルコキシシランとしてメチルト
リメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、γーメ
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γーメタク
リロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメト
キシシラン、ビニルトリエトキシシラン、テトラメトキ
シシラン、テトラエトキシシランが挙げられる。これら
のアルコキシシランを使用した場合、T、Q単位の構造
をポリシロキサン中に導入することが可能であり、架橋
したポリシロキサン粒子を形成する。これらのアルコキ
シシラン類の使用上限は20重量%であり、これを超え
る場合、安定なエマルジョンが得られない。この理由と
して、アルコキシシラン類の水層への溶解が挙げられ
る。特にテトラアルコキシシランまたはその部分加水分
解縮合物は、酸性状態において、水への溶解性が高く、
アルコキシシランがポリシロキサン粒子に吸収される前
に水中に溶解し、水中で縮合反応を起こし、ゲル状物の
生成が顕著となる。なお、このアルキルトリアルコキシ
シラン、又はテトラアルコキシシラン(部分加水分解縮
合物を含む)を添加するタイミングとしては特に限定は
なく、開環乳化重合転化率上昇中でもよく、重合前でも
構わない。
【0018】重合触媒 本発明において重合触媒が使用される。重合触媒として
は、例えばアルキルスルホン酸またはアルキルベンゼン
スルホン酸が挙げられ、その中でも炭素原子が6以上で
ある脂肪族の置換基を有するベンゼンスルホン酸または
脂肪族のスルホン酸が好適である。これらの脂肪族の炭
素原子は最低8個有することがさらに望ましく、最低1
0個のものが最適である。これらの脂肪族基は直鎖状で
も分岐状のものでもよい。上記重合触媒は、単一でも2
種以上の混合物でもよい。これらの重合触媒は、環状シ
ロキサンの開環重合触媒としての他にエマルジョンを安
定化させる乳化剤としての機能にも有効である。
【0019】重合触媒の使用量は、ポリシロキサン10
0重量部に対し、0.1〜5重量部用いるのが好まし
い。重合触媒の使用量は、ポリシロキサンの重合速度と
ポリシロキサンエマルジョンの粒子径に影響する。重合
触媒の使用量が増加した場合、重合速度は大きくなり、
得られるポリシロキサンエマルジョンの粒子径は減少す
る。実用的な反応速度のためには最低0.1重量部使用
することが好ましい。0.1重量部未満でも重合は進行
するが、得られるポリシロキサンエマルジョンの粒子径
が大きくなる可能性がある。重合触媒の使用量が5部を
超える場合には、重合速度の上昇率は低くなり、得られ
るポリシロキサンエマルジョンの粒子径の変化も小さく
なり、重合触媒を増加させる意味がなくなる可能性があ
る。また、大量に使用する場合、それを除去する必要が
ある時に困難となる。
【0020】非イオン性乳化剤 本発明において、重合触媒以外に非イオン性乳化剤を併
用することも可能である。非イオン系界面活性剤として
は、以下のものが使用可能である。すなわち、ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ンオクチルフェニルエーテル等のアルキルアリルエーテ
ル類;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキ
シエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステ
アリルエーテル等のアルキルエーテル類;ポリオキシエ
チレンラウレート、ポリオキシエチレンステアレート等
のアルキルエステル類;ソルビタンラウレート、ソルビ
タンパルミテート、ソルビタンステアレート等のソルビ
タン誘導体等が使用可能である。
【0021】非イオン性乳化剤の使用量は、使用する重
合触媒に対し、当量以下用いるのが好ましい。非イオン
性乳化剤を併用した場合、その量が増加するに従い、重
合速度が低下し、粒子径が小さくなる。特に、非イオン
性乳化剤を少量用いることでも粒子径の変化が顕著であ
り、厳密な粒子径制御が可能である。
【0022】その他、重合方法、用途など 環状低分子シロキサン化合物の乳化重合は、乳化分散系
で強酸あるいは強アルカリを触媒として開環し、末端シ
ラノール基高分子ポリシロキサンの水分散体が得られ
る。この方法については公知(特公昭41-13995号公報、
特公昭44-20116号公報参照)であり、広く実用化されて
いる。本発明における重合についてもこの方法が適用で
きる。
【0023】本発明におけるシロキサンの重合の一例と
しては、ジメチル低環状シロキサン、重合触媒、及び水
の混合物をホモジナイザー等の高シェア発生装置により
予備乳化を行い、ジメチル低環状シロキサンの均一乳化
物を作製する。この均一乳化物は、数時間分離せずに保
つ程度でよく、例えば、ホモジナイザーで4000rp
mで3分程度で十分である。このようにして作製したジ
メチル低環状シロキサンの予備乳化物を加熱撹拌し、開
環重合を開始させる。予め、重合転化状態を観察してお
き、重合転化率上昇時期(時間)を把握しておく。そし
て、その重合転化率上昇時期に、フェニル基含有アルコ
キシシランを連続追加する。重合転化率上昇前にフェニ
ル基含有アルコキシシランを追加した場合、粒子径の大
きいペースト状のエマルジョンが得られる。また、重合
転化率上昇後に追加した場合、比較的安定なエマルジョ
ンが得られるものの、このエマルジョンを乾燥させた場
合において、液状物に固形物が混合した状態のものが得
られる。この固形物はフェニル基含有アルコキシシラン
の加水分解物であるジフェニルシランジオール、また
は、縮合物である低環状フェニルシロキサンと考えられ
る。
【0024】その他のアルコキシシランの導入は、ジメ
チル環状シロキサンの重合前であってもよく、フェニル
基含有アルコキシシランと同時であってもよく、あるい
は重合後に追加のいずれでも良い。上記いずれの時期に
導入した場合でも、目的であるポリシロキサンへの架橋
導入は可能である。また、その他のケイ素化合物とし
て、アルコキシトリメチルシラン、ヘキサメチルジシロ
キサンの様なトリメチルシリル基含有シランを導入する
ことも可能である。このようなシランを用いた場合、ポ
リシロキサン末端がトリメチルシリル基により封鎖さ
れ、ポリシロキサンの分子量の調節が可能である。この
ようなシラン化合物の導入時期はその他のアルコキシシ
ランと同様である。
【0025】シロキサンの重合温度は50℃〜95℃が
好ましい。更に好ましくは65℃〜85℃である。50
℃以下の場合でも重合は進行するが、重合速度は非常に
遅く、重合転化率が上昇するのに24時間以上を要す
る。また、分散媒が水であるため常圧において95℃以
上の温度をかけることは不可能なのは明らかである。
【0026】本発明におけるポリシロキサンの固形分重
量はポリシロキサンエマルジョン全量に対し、10〜6
0重量部が好ましい。10重量部以下の場合、生産性が
低く、不経済的である。60重量部以上の場合、エマル
ジョン自体の粘度が撹拌できない程上昇する。
【0027】本発明におけるシロキサンの重合は、加熱
によりジメチル低環状シロキサンの開環重合、フェニル
基含有ジアルコキシシランのポリシロキサンへの挿入が
進行する。加熱後、ポリシロキサンエマルジョンを室温
により熟成する必要がある。開環乳化重合により得られ
たポリシロキサンの分子量は、放置温度により分子量が
変化することが知られている。ジメチルポリシロキサン
の場合、1日放置すれば分子量は、放置温度における分
子量に達する。これに対し、フェニル基を含有するポリ
シロキサンの場合、分子量が平衡に達するのがジメチル
ポリシロキサンと比較し遅い。これは、フェニル基を有
するシラノール基の縮合反応速度が遅いためと考えられ
る。そのため、本発明におけるフェニル基を含有するポ
リシロキサンの場合、7〜30日放置する必要がある。
【0028】本発明の方法により得られるポリオルガノ
シロキサン乳濁液(水性分散体組成物)は、一般の繊維
の柔軟剤、減摩剤、平滑剤として、あるいはプラスチッ
ク、ゴム、紙の離型剤として、また、エマルジョン塗料
成分、消泡剤、耐衝撃性改良剤成分として有用である。
【0029】なお、本発明により得られるポリオルガノ
シロキサンの粒子径は、0.03〜0.5μmであり、
粒子径をこの範囲に設定することにより、上記のような
用途に供することができる。
【0030】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいて説明する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0031】
【表1】
【表2】
【0032】合成例1(表1参照) オクタメチルシクロテトラシロキサン100部、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸1.4部、脱イオン水400部を
ホモジナイザーにより予備乳化し、オクタメチルシクロ
テトラシロキサンの乳濁液を得た。撹拌機、還流冷却
管、窒素ガス導入管を取り付けた1リットルの反応装置
にオクタメチルシクロテトラシロキサンの乳濁液を仕込
み、80℃で8時間撹拌した。加熱後、1時間毎にサン
プリングし、重合反応率を追跡した。重合反応率の変化
を表3に示す。これにより、合成例1の重合転化率上昇
時間(期間)は2〜4時間であることが分かった。
【0033】合成例2(表1参照) オクタメチルシクロテトラシロキサン100部、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸1.0部、N−504(ポリエチ
レングリコールアルキル(C数:8〜9)フェニルエー
テル(EO)20モル付加、日本乳化剤(株)製)0.
25部、脱イオン水400部をホモジナイザーにより予
備乳化し、オクタメチルシクロテトラシロキサンの乳濁
液を得た。撹拌機、還流冷却管、窒素ガス導入管を取り
付けた1リットルの反応装置にオクタメチルシクロテト
ラシロキサンの乳濁液を仕込み、80℃で8時間撹拌し
た。加熱後、1時間毎にサンプリングし、重合反応率を
追跡した。重合反応率の変化を表3に示す。これによ
り、合成例2の重合転化率上昇時間(期間)は3〜6時
間後であることが分かった。
【0034】合成例3(表1参照) オクタメチルシクロテトラシロキサン100部、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸1.4部、N−504(日本乳化
剤(株)製)1.0部、脱イオン水400部をホモジナ
イザーにより予備乳化し、オクタメチルシクロテトラシ
ロキサンの乳濁液を得た。撹拌機、還流冷却管、窒素ガ
ス導入管を取り付けた1リットルの反応装置にオクタメ
チルシクロテトラシロキサンの乳濁液を仕込み、80℃
で10時間撹拌した。加熱後、1時間毎にサンプリング
し、重合反応率を追跡した。重合反応率の変化を表3に
示す。これにより、合成例1の重合転化率上昇時間(期
間)は3〜7時間であることが分かった。
【0035】
【表3】
【0036】合成例4 撹拌機、還流冷却管、窒素ガス導入管を取り付けた1リ
ットルの反応装置にオクタメチルシクロテトラシロキサ
ン、オクタフェニルシクロテトラシロキサン、ヘキサメ
チルジシロキサン、水酸化カリウムを仕込み、160℃
で20時間反応させた。反応後、高粘度の液状物が得ら
れた。
【0037】合成例5 撹拌機、滴下ロート、還流冷却管、窒素ガス導入管を取
付けた1リットルの反応装置に脱イオン水120部、ロ
ンガリット0.7部、酢酸アンモニウム0.6部、Ne
wcol−707SF4部(R−C−(EO)
−SONH[R;C〜C]、日本乳化剤製)、
メチルメタクリレート25部、ブチルメタクリレート1
5部、tーブチルハイドロパーオキサイド0.2部を仕
込み、50℃に昇温した。1時間撹拌した後、メチルメ
タクリレート219部、ブチルメタクリレート135
部、アクリル酸6部の混合物をNewcol−707S
F15部、脱イオン水220部より作製したモノマー乳
化液、tーブチルハイドロパーオキサイド1%水溶液8
0部を3時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間後重
合した。後重合後、冷却し、アンモニア水によりpH8
に調整した。
【0038】実施例1〜7 オクタメチルシクロテトラシロキサン、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸、および脱イオン水を、表1および表2に
記載の割合で以て混合し(混合比率は合成例1と同
じ)、この混合物をホモジナイザーにより予備乳化し、
オクタメチルシクロテトラシロキサンの乳濁液を得た。
【0039】撹拌機、滴下ロート、還流冷却管、窒素ガ
ス導入管を取り付けた1リットルの反応装置にオクタメ
チルシクロテトラシロキサンの乳濁液を仕込み、重合転
化率上昇時間(期間)2〜4時間に、前記乳濁液に滴下
ロートからジフェニルジメトキシシラン(実施例1〜
3、5〜7)、またはフェニルメチルジメトキシシラン
(実施例4)を表1および表2に記載の配合割合で以て
仕込み、80℃で撹拌した。なお、実施例5については
更にヘキサメチレンジシロキサンを、実施例6について
は更にメチルトリメトキシシランを、実施例7について
は更にγーメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
を同時に仕込んだ。滴下終了後、脱イオン水2を追加
し、更に3時間撹拌した。
【0040】実施例8 オクタメチルシクロテトラシロキサン、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸、脱イオン水、及びN−504(日本乳化
剤(株)製)を、表2に記載の割合で以て混合し(混合
比率は合成例2と同じ)、この混合物をホモジナイザー
により予備乳化し、オクタメチルシクロテトラシロキサ
ンの乳濁液を得た。
【0041】撹拌機、滴下ロート、還流冷却管、窒素ガ
ス導入管を取り付けた1リットルの反応装置にオクタメ
チルシクロテトラシロキサンの乳濁液を仕込み、重合転
化率上昇時間(期間)3〜6時間に、前記乳濁液に滴下
ロートからジフェニルジメトキシシランを表2に記載の
配合割合で以て仕込み、80℃で撹拌した。滴下終了
後、脱イオン水2を追加し、更に3時間撹拌した。
【0042】実施例9 オクタメチルシクロテトラシロキサン、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸、脱イオン水、及びN−504(日本乳化
剤(株)製)を、表2に記載の割合で以て混合し(混合
比率は合成例3と同じ)、この混合物をホモジナイザー
により予備乳化し、オクタメチルシクロテトラシロキサ
ンの乳濁液を得た。
【0043】撹拌機、滴下ロート、還流冷却管、窒素ガ
ス導入管を取り付けた1リットルの反応装置にオクタメ
チルシクロテトラシロキサンの乳濁液を仕込み、重合転
化率上昇時間(期間)3〜7時間に、前記乳濁液に滴下
ロートからジフェニルジメトキシシランを表2に記載の
配合割合で以て仕込み、80℃で撹拌した。滴下終了
後、脱イオン水2を追加し、更に3時間撹拌した。
【0044】実施例10 オクタメチルシクロテトラシロキサン、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸、及び脱イオン水を、表2に記載の割合で
以て混合し(混合比率は合成例1と同じ)、この混合物
をホモジナイザーにより予備乳化し、オクタメチルシク
ロテトラシロキサンの乳濁液を得た。
【0045】撹拌機、滴下ロート、還流冷却管、窒素ガ
ス導入管を取り付けた1リットルの反応装置にオクタメ
チルシクロテトラシロキサンの乳濁液を仕込み、重合転
化率上昇時間(期間)2〜4時間に、前記乳濁液に滴下
ロートからジフェニルジメトキシシランおよびフェニル
メチルジメトキシシランを表2に記載の配合割合で以て
仕込み、80℃で撹拌した。滴下終了後、脱イオン水2
を追加し、更に3時間撹拌した。
【0046】比較例1 オクタメチルシクロテトラシロキサン、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸、および脱イオン水を、表2に記載の割合
で以て混合し(混合比率は合成例1と同じ)、この混合
物をホモジナイザーにより予備乳化し、オクタメチルシ
クロテトラシロキサンの乳濁液を得た。
【0047】撹拌機、滴下ロート、還流冷却管、窒素ガ
ス導入管を取り付けた1リットルの反応装置にオクタメ
チルシクロテトラシロキサンの乳濁液を仕込み、滴下ロ
ートにジフェニルジメトキシシランを表2に記載の配合
割合で以て仕込み、80℃で撹拌した。
【0048】比較例2 オクタメチルシクロテトラシロキサン、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸、および脱イオン水を、表2に記載の割合
で以て混合し(混合比率は合成例1と同じ)、この混合
物をホモジナイザーにより予備乳化し、オクタメチルシ
クロテトラシロキサンの乳濁液を得た。
【0049】撹拌機、還流冷却管、窒素ガス導入管を取
り付けた1リットルの反応装置に、オクタメチルシクロ
テトラシロキサンの乳濁液とジフェニルジメトキシシラ
ンを表2に記載の配合割合で以て同時に仕込み、80℃
で撹拌した。撹拌開始20分で凝集物が生成した。
【0050】比較例3 オクタメチルシクロテトラシロキサン、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸、および脱イオン水を、表2に記載の割合
で以て混合し(混合比率は合成例1と同じ)、この混合
物をホモジナイザーにより予備乳化し、オクタメチルシ
クロテトラシロキサンの乳濁液を得た。
【0051】撹拌機、滴下ロート、還流冷却管、窒素ガ
ス導入管を取り付けた1リットルの反応装置にオクタメ
チルシクロテトラシロキサンの乳濁液を仕込み、滴下ロ
ートにジフェニルジメトキシシランを表2に記載の配合
割合で以て仕込み、80℃で撹拌した。撹拌開始後すぐ
にフェニルジアルコキシシランを滴下を開始し、3時間
かけて滴下した。滴下終了後、脱イオン水2を追加し、
更に、3時間撹拌した。1780nmの粒子径を有する
安定な乳濁液が得られた。乳濁液をそのまま乾燥した結
果、白色固形物が混合した液状物が得られた。
【0052】比較例4 オクタメチルシクロテトラシロキサン、オクタフェニル
シクロテトラシロキサン、ドデシルベンゼンスルホン
酸、及び脱イオン水を表2に記載の割合で以て混合し、
この混合物をホモジナイザーにより予備乳化した。凝集
物が混合した分散体が得られた。この分散体をそのまま
80℃で6時間撹拌したが、性状に変化は見られなかっ
た。
【0053】<乳濁液の状態(目視により判定)> ○:異常なし △:少量の凝集物の生成 ×:大量の凝集物の生成。
【0054】<粒子径の測定>ポリシロキサン乳濁液の
粒子径は、ナイコンプモデル370サブミクロンアナラ
イザーにより測定した。
【0055】<重合率の測定>サンプリングした乳濁液
をアンモニア水により中和し、80℃で2時間加熱し
た。加熱前後の重量変化率を算出し、オクタメチルシク
ロテトラシロキサンの重合率とした。
【0056】<透明性の評価>合成例5で合成したアク
リルエマルジョン100部とポリシロキサン乳濁液50
部を混合し、ポリエチレンシート上に塗布し、クリアー
塗膜を作製した。作製したクリアー塗膜を日本電色工業
(株)製、Σ80 color measuring
systemにより透過率を測定した。
【0057】[考察]実施例1〜10 安定な乳濁液が得られた。また、2週間室温で放置した
実施例5の乳濁液を2倍量のイソプロピルアルコールに
混合し、固形分を分離した結果、高粘性の液状物が得ら
れた。この液状物は、29Si−NMRにより分析した結
果、合成例4で合成したポリジフェニルジメチルポリシ
ロキサンと同一のピークを示した。
【0058】合成例5で合成したアクリルエマルジョン
と実施例1〜10、合成例1〜3のポリシロキサン乳濁
液を混合し、塗膜を作製した。作製した塗膜の透過率を
下記の表4に示す。
【0059】
【表4】 上記の表4から明らかなように、合成例1〜3のジメチ
ルタイプのポリシロキサン乳濁液と比較し、実施例1〜
10は高い透明性を有していた。
【0060】比較例1 ジフェニルジメトキシシラン追加終期に大量の凝集物が
生成した。生成した凝集物を分離し、再結晶により精製
した。この結晶の融点を測定した結果、200℃であり
オクタフェニルシクロテトラシロキサンであることを確
認した。
【0061】比較例2 オクタメチルシクロテトラシロキサンの予備乳化物にジ
フェニルジメトキシシランを一括追加した場合、比較例
1と同一の凝集物が生成した。
【0062】比較例3 安定な乳濁液が得られたが、1700nmと粒子径が大
きな乳濁液となった。(大粒子径エマルジョンは放置
後、分離が起こりやすい)。
【0063】比較例4 80℃における加熱撹拌により性状の変化はみられず、
低環状ジフェニルシロキサンよりポリシロキサン乳濁液
の合成はできなかった。
【0064】
【発明の効果】本発明は、フェニル基を含有するポリシ
ロキサンの乳濁液が安定に安価に製造できる新規製造法
であり、粒子径の制御が容易である。また、アクリルエ
マルジョンと複合させた場合、透明性の高い塗膜が得ら
れる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジメチル環状シロキサンの重合転化率上昇
    中にフェニル基を有するジアルコキシシランを連続追加
    することによって得られる、フェニル単位を15〜55
    重量%有し、0.03〜0.5μmの粒子径を有するポ
    リジオルガノシロキサンの水性分散体組成物。
  2. 【請求項2】フェニル単位を15〜55重量%含有し、
    0.03〜0.5μmの粒子径を有するポリジオルガノ
    シロキサンの水性分散体組成物の製造方法であって、ジ
    メチル環状シロキサンの重合転化率上昇中にフェニル基
    を有するジアルコキシシランを連続追加することを特徴
    とするポリジオルガノシロキサンの水性分散体組成物の
    製造方法。
  3. 【請求項3】前記ジメチル環状シロキサンが、6員環、
    8員環および10員環より選ばれた1種または2種以上
    であることを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】さらに、アルキルスルホン酸またはアルキ
    ルベンゼンスルホン酸より選ばれた1種または2種以上
    を重合触媒として用いることを特徴とする請求項2また
    は3に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】前記フェニル基を有するジアルコキシシラ
    ンが、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエト
    キシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニ
    ルメチルジエトキシシランより選ばれた1種または2種
    以上であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1
    項に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】さらに、アルキルトリアルコキシシラン、
    テトラアルコキシシラン、あるいはこれらの部分加水分
    解縮合物を反応系中に20重量%以下の割合で以て含ま
    せることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記
    載の製造方法。
JP3251098A 1998-02-16 1998-02-16 ポリジオルガノシロキサンの水性分散体組成物、及びその製造方法 Pending JPH11228831A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110403853A (zh) * 2019-09-06 2019-11-05 广州宏翼新材料有限公司 一种新型聚合硅油乳液及制备方法

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