JPH11228503A - 芳香族炭酸ジエステルの製造方法 - Google Patents

芳香族炭酸ジエステルの製造方法

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JPH11228503A
JPH11228503A JP10035967A JP3596798A JPH11228503A JP H11228503 A JPH11228503 A JP H11228503A JP 10035967 A JP10035967 A JP 10035967A JP 3596798 A JP3596798 A JP 3596798A JP H11228503 A JPH11228503 A JP H11228503A
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aromatic
diester
catalyst
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less
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JP10035967A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Kaneko
博章 兼子
Wataru Funakoshi
渉 船越
Katsuji Sasaki
勝司 佐々木
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
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    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Abstract

(57)【要約】 【課題】下記式(3) (式中Zは水素原子または炭素数1から4のアルキル
基、−COOCH3、および−COOC25からなる群
より選ばれる少なくとも一種である。)で表される芳香
族炭酸ジエステルを製造する方法において目的とする芳
香族炭酸ジエステルを転化率、および選択率よく生産す
る。 【解決手段】原料である下記式(1) (式中Xはメチル基またはエチル基である。)で表され
るサリチル酸エステル誘導体と、下記式(2) (式中Yは水素原子または炭素数1から4のアルキル基
である。)で表される芳香族炭酸ジエステルに含まれる
塩素量をそれぞれ1000ppm以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は特定の構造を有する
芳香族炭酸ジエステル化合物を製造する方法に関するも
のである。さらに詳しくは塩素量が特定値以下である特
定のサリチル酸エステル誘導体と特定の炭酸ジエステル
とを触媒の存在下反応せしめることにより目的とする芳
香族炭酸ジエステルを得る方法に関するものである。本
発明で合成される芳香族炭酸ジエステルは、主に芳香族
ポリカーボネート製造時の末端封止剤として有効に利用
される。
【0002】
【従来の技術】ジフェニルカーボネートなどの芳香族炭
酸ジエステル化合物は、エステル交換法による芳香族ポ
リカーボネートの重合(溶融法)時の原料などに利用さ
れることなどから、近年その合成方法に関する研究が活
発に行われている。
【0003】たとえば、ジアルキルカーボネートまたは
アルキルアリルカーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物
を原料としてジアリルカーボネートを合成する方法や、
芳香族ヒドロキシ化合物を一酸化炭素および酸素と反応
させ、ジアリルカーボネートを得る方法などが開示され
ている。
【0004】本発明者らにより目的とする炭酸ジエステ
ルを合成し精製(蒸留)する際に、特定の化合物を用い
ることによって好ましくない不均化反応を抑制し、効率
よく炭酸ジエステルを製造する方法が提案されている。
しかし、合成時における原料の品質についてはなんら検
討されていないままであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特定の構造
を有する芳香族炭酸ジエステルの製造方法に関するもの
であり、さらに詳しくは、特定の構造を有するサリチル
酸エステル誘導体と特定の芳香族炭酸ジエステル中に含
まれる塩素量を特定値以下のものを用いることにより反
応を円滑に進める方法が開示され、目的物を転化率、お
よび選択率良く製造する方法に関するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は含まれる塩素量
が1000ppm以下である下記式(1)
【0007】
【化4】
【0008】(式中Xはメチル基またはエチル基であ
る。)で表されるサリチル酸エステル誘導体と、塩素量
が1000ppm以下である下記式(2)
【0009】
【化5】
【0010】(式中Yは水素原子または炭素数1から4
のアルキル基である。)で表される芳香族炭酸ジエステ
ルとを触媒の存在下、エステル交換することにより下記
式(3)
【0011】
【化6】
【0012】(式中Zは水素原子または炭素数1から4
のアルキル基、−COOCH3、および−COOC25
からなる群より選ばれる少なくとも一種である。)で表
される芳香族炭酸ジエステルを製造することを特徴とす
る。
【0013】ここで、上記式(3)で表される特定の構
造を有する炭酸ジエステルの具体例としては以下のもの
をあげることができる。すなわち2―メチルオキシカル
ボニルフェニル−フェニルカーボネート、2―エチルオ
キシカルボニルフェニル−フェニルカーボネート、2―
メチルオキシカルボニルフェニル−トリルカーボネー
ト、2―メチルオキシカルボニルフェニル−エチルフェ
ニルカーボネート、2―メチルオキシカルボニルフェニ
ル−ブチルフェニルカーボネート、2―エチルオキシカ
ルボニルフェニル−トリルカーボネート、2―エチルオ
キシカルボニルフェニル−エチルフェニルカーボネー
ト、2―エチルオキシカルボニルフェニル−ブチルフェ
ニルカーボネート、ビス(2―メチルオキシカルボニル
フェニル)カーボネート、ビス(2―エチルオキシカル
ボニルフェニル)カーボネートが具体例としてあげられ
る。
【0014】本発明において原料として用いられる上記
式(1)で表されるサリチル酸エステル誘導体の具体例
としてはサリチル酸メチル、サリチル酸エチルをあげる
ことができる。
【0015】同様に原料として用いられる上記式(2)
で表される芳香族炭酸ジエステル化合物の具体例として
はジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート、フ
ェニルトリルカーボネート、ビス(エチルフェニル)カ
ーボネート、エチルフェニル−フェニルカーボネート、
ビス(プロピルフェニル)カーボネート、ビス(ブチル
フェニル)カーボネートなどをあげることができる。
【0016】本発明では上記式(1)で表されるサリチ
ル酸エステル誘導体と上記式(2)で表される芳香族炭
酸ジエステルに含まれる塩素量がそれぞれ1000pp
m以下のものを用いることを特徴としている。含まれる
塩素量は好ましくは200ppm以下、さらに好ましく
は100〜0.1ppmである。
【0017】1000ppmよりも塩素量が多いと、反
応に使用される触媒の活性に悪影響を及ぼし、反応活性
が極端に減少するため、好ましくない。
【0018】また、一方の原料の塩素量が1000pp
m以下であっても、もう一方の原料の塩素量が1000
ppm以上であれば、反応に使用される触媒の活性に悪
影響を及ぼし、反応活性が極端に減少する。双方の塩素
量がともに1000ppm以下であることが本発明の目
的を達成する上で必要な条件である。
【0019】上記原料に含まれる塩素量を1000pp
m以下に低減する方法としては特に制限はないが、具体
的な方法としては熱水で洗浄する方法、ハイドロタルサ
イトなどの吸着剤により処理する方法や蒸留精製する方
法などがあげられる。また、塩素吸着剤で処理してから
蒸留するなどいくつかの方法を組み合わせて行っても差
し支えない。
【0020】原料の塩素量は元素分析で測定できる。好
ましくはドーマン微量電流滴定法などの測定方法がよ
い。
【0021】本発明では上記のそれぞれの原料に含まれ
る鉄、銅、鉛、クロム、ニッケル、マンガン、コバルト
の合計量は、好ましくは100ppm以下であり、さら
に好ましくは20ppm以下、さらに好ましくは10p
pm以下である。これよりも金属量が多いと、反応に使
用される触媒の活性を低下させたり、好ましくない副反
応を引き起こしたりするため、好ましくない。
【0022】一方の原料の金属量が100ppm以下で
あっても、もう一方の原料の金属量が100ppm以上
であれば、反応に使用される触媒の活性に悪影響を及ぼ
し、反応活性が極端に減少するため、好ましくない。双
方の原料の金属量がともに100ppm以下であること
が本発明の目的を達成する上で好ましい。
【0023】上記原料に含まれる鉄、銅、鉛、クロム、
ニッケル、マンガン、コバルト合計量を100ppm以
下に低減する方法としては特に制限はないが、具体的な
方法としては熱水で洗浄する方法、イオン交換樹脂など
の吸着剤により処理する方法や蒸留精製する方法などが
あげられる。また、熱水洗浄してから蒸留するなどいく
つかの方法を組み合わせて行っても差し支えない。
【0024】原料の金属含量は、好ましくはICPなど
のプラズマ発光法で測定するのがよい。
【0025】本発明では上記原料に含まれる芳香族モノ
ヒドロキシ化合物がそれぞれ3%以下であることが好ま
しい。ここで芳香族モノヒドロキシ化合物とは、上記式
(2)の芳香族炭酸ジエステル合成時に用いられ、下記
式(4)で表される。
【0026】
【化7】
【0027】(ここでYの定義は上記式(2)に同じ)
具体例としてはフェノール、o−クレゾール、m−クレ
ゾール、p−クレゾール、p−i−プロピルフェノー
ル、p−t−ブチルフェノールなどがあげられる。
【0028】芳香族モノヒドロキシ化合物の含量として
は好ましくは3%以下であり、好ましくは1%以下、さ
らに好ましくは0.7〜0.01%である。
【0029】上記原料に含まれる芳香族モノヒドロキシ
化合物含量をそれぞれ3%以下に低減する方法としては
特に制限はないが、具体的な方法としては蒸留精製する
方法、再結晶する方法、層状粘度鉱物などの吸着剤によ
り処理する方法などがあげられる。また、蒸留精製して
から再結晶するなどいくつかの方法を組み合わせて行っ
ても差し支えない。再結晶する溶媒は特に制限はなく、
キシレンなどが好ましく用いられる。
【0030】本発明では上記原料に含まれる水分がそれ
ぞれ5%以下であることが好ましい。水分量はさらに好
ましくは3%以下、さらに好ましくは1〜0.01%で
ある。これよりも水分が多いと原料のサリチル酸エステ
ル、炭酸ジエステルの加水分解など副反応が起こること
がある。
【0031】上記原料に含まれる水分をそれぞれ5%以
下に低減する方法としては特に制限はないが、具体的な
方法としては蒸留精製する方法、加熱乾燥する方法、減
圧乾燥する方法、無水硫酸マグネシウムなどの乾燥剤を
用いる方法などがあげられる。また、乾燥剤で水分を吸
着してから蒸留するなどいくつかの方法を組み合わせて
行っても差し支えない。
【0032】本発明で目的とする芳香族炭酸ジエステル
を合成する主要な反応スキームは以下に示すことができ
る。
【0033】
【化8】
【0034】上記のように通常は2種の芳香族炭酸ジエ
ステルの混合物として得られるが、それぞれの芳香族炭
酸ジエステルは例えば蒸留のような方法で単離すること
ができる。
【0035】上記反応において、反応により生成する上
記式(4)の芳香族モノヒドロキシ化合物は、反応釜中
の濃度をできるだけ低く保つことが反応を速やかに進行
させ、かつ好ましくない副反応を抑えるうえで好まし
い。具体的には反応により生成する上記式(4)の芳香
族モノヒドロキシ化合物の反応液中濃度を2%以下、さ
らに好ましくは1%以下に保つのがよい。これよりも芳
香族モノヒドロキシ化合物の濃度が高い場合は目的とす
る物質以外が生成する副反応が起こりやすくなり、また
反応速度が遅くなることがある。
【0036】この上記式(4)の芳香族モノヒドロキシ
化合物濃度を低く抑えるためには、圧力条件で反応を行
うのが好ましい。より好ましくは、上記式(4)の芳香
族モノヒドロキシ化合物が蒸留回収さるような温度、圧
力条件であることが好ましい。反応の温度の範囲として
は、100℃〜300℃が好ましく、さらに好ましくは
150℃〜280℃、より好ましくは170℃〜260
℃である。また、減圧条件としては好ましくは600t
orr以下であり、さらに好ましくは500〜1tor
r、より好ましくは400〜10torrである。
【0037】本発明で用いる触媒としては、本発明の範
囲内においてはいかなる公知のエステル交換触媒を用い
ることができるが、カルシウムの酸化物、ランタンの酸
化物、ランタンのアルコキシドまたは亜鉛カルボキシレ
ートが好ましく用いられる。
【0038】ランタンアルコキシドとしては、トリメト
キシランタン、トリエトキシランタン、トリプロポキシ
ランタン、トリセチルオキシランタン、トリステアリル
オキシランタン、トリベヘニルオキシランタンなどの脂
肪族アルコキシランタン類、トリフェノキシランタンな
どの芳香族アルコキシランタン類をあげることができ、
また亜鉛カルボキシレートとしては、酢酸亜鉛、プロピ
オン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛、シュウ
酸亜鉛、セバシン酸亜鉛、アスコルビン酸亜鉛などの化
合物を例示することができる。
【0039】もっとも好ましい触媒に酸化ランタンをあ
げることができる。しかしながら酸化ランタンは空気中
に放置することにより二酸化炭素、水分等を吸着し、二
酸化ランタンなどに変質することが知られており、この
ように変質した酸化ランタンを反応に用いると、触媒活
性が低く反応の選択性も悪化することが明らかとなっ
た。これを防止するためには、酸化ランタンを加熱し、
吸着したガス成分を除くことによって好ましい触媒活性
を得ることが本発明者らにより解明された。従って、本
発明の触媒として用いられる酸化ランタンは、500℃
における重量減少(吸着したガス成分の放出による重量
減少)が3%以内のものを用いるのが好ましく、この品
質の酸化ランタンを得る方法としては、通常400度以
上、好ましくは600から1500℃で焼成処理を行う
ことによって達成される。
【0040】上記触媒は単独で用いてもよく、また組み
合わせて用いてもよい。また所望により添加時期を別々
にしてもよくこれら触媒の使用法についてはとくに制限
はない。これら触媒の使用量としては各々の金属原子が
原料である芳香族炭酸ジエステル1モル当り1×10-6
〜1×10-2当量となる割合で用いるのが好ましい。よ
り好ましい割合は同じ基準に対し1×10-5〜1×10
-3当量となる割合である。特に好ましい割合は同じ基準
に対し5×10-5〜5×10-4当量となる割合である。
【0041】また、本発明においては触媒として含窒素
塩基性化合物も好ましく用いられる。ここで含窒素塩基
性化合物としてはテトラメチルアンモニウムヒドロキシ
ド(Me4NOH)、テトラエチルアンモニウムヒドロ
キシド(Et4NOH)、テトラブチルアンモニウムヒ
ドロキシド(Bu4NOH)、ベンジルトリメチルアン
モニウムヒドロキシド(φ―CH2(Me)3NOH)、
ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシドなど
のアルキル、アリール、アラルキル基などを有するアン
モニウムヒドロオキシド類、トリエチルアミン、トリブ
チルアミン、ジメチルベンジルアミン、ヘキサデシルジ
メチルアミンなどの3級アミン類、あるいはテトラメチ
ルアンモニウムボロハイドライド(Me4NBH4)、テ
トラブチルアンモニウムボロハイドライド(Bu4NB
4)、テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレ
ート(Bu4NBPh4)、テトラメチルアンモニウムテ
トラフェニルボレート(Me4NBPh4)などの塩基性
塩などを挙げることができる。
【0042】これらのなかではMe4NOHが好ましく
用いられ、その使用量としては含窒素塩基性化合物中の
アンモニウム窒素原子が原料である芳香族炭酸ジエステ
ル1モル当り1×10-6〜1×10-2当量となる割合で
用いるのが好ましい。より好ましい割合は同じ基準に対
し1×10-5〜1×10-3当量となる割合である。特に
好ましい割合は同じ基準に対し5×10-5〜5×10-4
当量となる割合である。これら含窒素塩基性化合物触媒
は単独で用いても組み合わせて用いてもよい。また、前
記金属触媒(元素周期律表上第1族、第2族、第3族お
よび/または第12族元素の酸化物、アルコキシド、水
酸化物、カルボン酸塩)の一群より選ばれる化合物と組
み合わせてもよく、これら触媒の使用法に関しては特に
制限はない。
【0043】本発明において、反応が終了した段階で触
媒を特定の化合物を用いて失活するのが好ましい。失活
に用いられる剤としては、pKaが7以下の酸性化合
物、酸性化合物の塩、酸性化合物の誘導体よりなる群の
少なくとも1つの化合物が好ましく用いられる。pKa
が7以下の酸性化合物としては、リン酸(オルトリン
酸)、硫酸、硝酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、ポリリ
ン酸、メタリン酸、ケイ酸、ゲルマニウム酸、スズ酸、
リンタングステン酸、リンモリブデン酸などの無機酸
類、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、などの
有機スルホン酸化合物類、ベンゼンホスホン酸、トルエ
ンホスホン酸、などの有機りん酸化合物、酢酸、ステア
リン酸、安息香酸などのカルボン酸類などが例示でき
る。これらの中ではリン酸が好ましく用いられる。
【0044】酸性化合物の塩としては、上記酸性化合物
の塩であり、上記酸性化合物のアンモニウム塩、ホスホ
ニウム塩などの有機塩類、ナトリウム塩、カリウム塩、
リチウム塩などの無機塩類が具体例としてあげられる。
これらの中では有機スルホン酸の塩類が好ましく用いら
れる。特に好ましくは有機スルホン酸のホスホニウム塩
がよい。
【0045】酸性化合物の誘導体としては、上記酸性化
合物の誘導体であり、上記有機酸性化合物のエステル、
酸無水物などの誘導体を具体的に例示できる。これらの
中では有機スルホン酸やりん酸の無水物などが好まし
い。
【0046】かかる触媒失活剤の使用量としては、合成
反応に用いた触媒の金属原子または窒素原子に対して通
常0.1〜10モル等量用いられる。好ましくは0.5
〜5モル等量用いられ、より好ましくは1.0〜3モル
等量用いられる本発明により製造された上記式(1)の
芳香族炭酸ジエステルを蒸留精製するときは、本発明者
らにより提案されているように、好ましくない不均化を
抑えるべく無機酸性化合物、有機スルホン酸化合物を添
加することができる。
【0047】本発明では反応および精製工程で使用され
る装置の種類や釜の材質などは公知のいかなるものを用
いても良い。装置としては縦型、横型、槽型、塔型のい
ずれでもよいが、好ましくは減圧条件にできる密閉型
で、還流塔がついた蒸留塔がついており、ステンレス製
の釜を有する通常のエステル交換で用いるものがよい。
【0048】装置の材質としては、SUS316やSU
S304等のステンレスや、窒化鉄などポリマーの色調
に影響のない材質が好ましい。また装置の内側(ポリマ
ーと接触する部分)には、バフ加工を施したりクロムな
どの金属メッキを行ったりしても良い。
【0049】本発明で製造される芳香族炭酸ジエステル
は、溶融法による芳香族ポリカーボネートの末端封止剤
として有効に利用される。また芳香族系の水酸基、カル
ボキシル基を末端や側鎖に有するポリマーの修飾剤など
にも有効に利用できる。
【0050】
【発明の効果】本発明によって、塩素量を特定値以下に
抑えた原料を用いることによって目的とする芳香族炭酸
ジエステルが転化率、および選択率よく生産する事がで
きる。これにより、用いる触媒の活性を最大限に引き出
すことが可能となり、反応効率がよくなり、短時間での
製造が可能となる。
【0051】
【実施例】以下、実施例に基づき、本発明をより詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例により限定される
ものではない。本発明において物性測定は以下の方法に
よって測定した。
【0052】(i)元素分析;塩素量はサンプルを80
0〜825℃で燃焼した後にドーマン微量電流滴定法で
測定した。金属含量はICPプラズマイオン発光法で定
量した。
【0053】(ii)フェノール類の定量; サンプル
をアセトニトリルに1mg/mlの濃度で溶解し、それ
を高速液体クロマトグラフィー(東ソー(株)製SC−
8020)で分析し、フェノール類を定量した。溶媒に
はアセトニトリル−水、カラムには野村科学(株)製の
ODS−7、検出器には東ソー(株)製UV−8020
を用いた。
【0054】(iii)水分の定量;カールフィッシャ
ー水分測定装置で定量した。
【0055】(iv)反応の転化率、選択率;反応によ
り得られた混合液を上記液体クロマトグラフィーで定量
し、得られた結果から以下の式に従って、転化率および
反応の選択率を計算した。
【0056】
【数1】転化率(%)=得られた炭酸ジエステル(モ
ル)/原料として用いた炭酸ジエステル(モル)×10
【0057】
【数2】選択率(%)=得られた炭酸ジエステルの合計
(モル)/反応で消費された原料の炭酸ジエステル(モ
ル)×100
【0058】[実施例1〜4、比較例1〜2]500ml
容の3つ口フラスコ、20cm長の蒸留塔と50cm長
の空冷式コンデンサがついた蒸留装置を用いて、表1〜
表3に示す種、量の原料(芳香族炭酸ジエステル、サリ
チル酸エステル類および触媒。各原料塩素量を表1に示
す)を仕込み、フラスコ内温200℃で、反応により生
成した芳香族ヒドロキシ化合物を留去しながら6時間反
応を行い、表1〜表3に示す目的物を含む混合液を得
た。得られた混合液を分析し、転化率および反応の選択
率を算出した。
【0059】[実施例5]比較例1で用いたジフェニルカ
ーボネートを熱水で3回洗浄し、蒸留を行うことにより
塩素量の低減を行った。得られた精製ジフェニルカーボ
ネートを用いて、表4に示す種、量の原料(芳香族炭酸
ジエステル、サリチル酸エステル類および触媒。各原料
塩素量を表1に示す)を仕込み、比較例1と同様に反応
を行い、以下表4に示す目的物を含む混合液を得た。得
られた混合液を分析し、転化率および反応の選択率を算
出した。
【0060】なお、実施例表中の重金属含量は鉄、銅、
鉛、クロム、ニッケル、マンガン、コバルトの合計量を
表す。また実施例表中のフェノール類量は液クロ測定に
おける原料の不純物含量で表した。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 68/06 C07C 68/06 Z // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1) 【化1】 (式中Xはメチル基またはエチル基である。)で表され
    るサリチル酸エステル誘導体と、下記式(2) 【化2】 (式中Yは水素原子、炭素数1から4のアルキル基であ
    る。)で表される芳香族炭酸ジエステルとを触媒の存在
    下、エステル交換することにより下記式(3) 【化3】 (式中Zは水素原子または炭素数1から4のアルキル
    基、−COOCH3、および−COOC25からなる群
    より選ばれる少なくとも一種である。)で表される芳香
    族炭酸ジエステルを製造する方法において、上記式
    (1)で表されるサリチル酸エステル誘導体と上記式
    (2)で表される芳香族炭酸ジエステルに含まれる塩素
    量が該サリチル酸エステル誘導体と該芳香族炭酸ジエス
    テルそれぞれの1000ppm以下であることを特徴と
    する芳香族炭酸ジエステルの製造方法。
  2. 【請求項2】 上記式(1)で表されるサリチル酸エス
    テル誘導体と上記式(2)で表される芳香族炭酸ジエス
    テルに含まれる鉄、銅、鉛、クロム、ニッケル、マンガ
    ン、コバルト量の合計が該サリチル酸エステル誘導体と
    該芳香族炭酸ジエステルそれぞれの100ppm以下で
    あることを特徴とする請求項1に記載の芳香族炭酸ジエ
    ステルの製造方法。
  3. 【請求項3】 上記式(1)で表されるサリチル酸エス
    テル誘導体と上記式(2)で表される芳香族炭酸ジエス
    テルに含まれる芳香族モノヒドロキシ化合物がそれぞれ
    3重量%以下であることを特徴とする請求項1〜2のい
    ずれかに記載の芳香族炭酸ジエステルの製造方法。
  4. 【請求項4】 上記式(1)で表されるサリチル酸エス
    テル誘導体と上記式(2)で表される芳香族炭酸ジエス
    テルに含まれる水分がそれぞれ5重量%以下であること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の芳香族炭
    酸ジエステルの製造方法。
  5. 【請求項5】 触媒としてランタンの酸化物、カルシウ
    ムの酸化物、ランタンのアルコキシド、または亜鉛カル
    ボキシレートのいずれかを用いることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかに記載の芳香族炭酸ジエステルの製
    造方法。
  6. 【請求項6】 触媒としてランタンの酸化物を用い、か
    つ該酸化物は500℃で1時間保持したときの重量減少
    が3%以内であることを特徴とする請求項5に記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 触媒として400℃以上で加熱処理をし
    たランタンの酸化物を用いることを特徴とする請求項5
    〜6のいずれかに記載の芳香族炭酸ジエステルの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 触媒として含窒素塩基性化合物を用いる
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の芳香
    族炭酸ジエステルの製造方法。
  9. 【請求項9】 エステル交換反応終了後に、pKaが7
    以下の酸性化合物、酸性化合物の塩、および酸性化合物
    の誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1つの化合
    物を用いて触媒を失活させる事を特徴とする請求項1〜
    8に記載の芳香族炭酸ジエステルの製造方法。
  10. 【請求項10】 酸性化合物が、リン酸および/または
    その縮合体である請求項9に記載の芳香族炭酸ジエステ
    ルの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004504291A (ja) * 2000-07-19 2004-02-12 ラボラトワール エクスパンシアンス 医薬、美容又は食品産業において脂肪物質エステルを調製するための方法、及びその使用
KR100493458B1 (ko) * 2002-07-09 2005-06-07 주식회사 엘지생활건강 옥시카보닐계 표백활성화 화합물 및 이를 함유하는 표백조성물

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