JPH1122669A - スクロール形流体機械 - Google Patents

スクロール形流体機械

Info

Publication number
JPH1122669A
JPH1122669A JP18236897A JP18236897A JPH1122669A JP H1122669 A JPH1122669 A JP H1122669A JP 18236897 A JP18236897 A JP 18236897A JP 18236897 A JP18236897 A JP 18236897A JP H1122669 A JPH1122669 A JP H1122669A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bearing
oil
fluid machine
scroll
oil supply
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP18236897A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3337948B2 (ja
Inventor
Shiyuuichi Shirotani
周一 城村
Mikio Kajiwara
幹央 梶原
Toshiyuki Toyama
俊之 外山
Shusaku Ueda
秀作 植田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP18236897A priority Critical patent/JP3337948B2/ja
Publication of JPH1122669A publication Critical patent/JPH1122669A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3337948B2 publication Critical patent/JP3337948B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Rotary Pumps (AREA)
  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 摺動面の潤滑および冷却を有効に行ない、軸
受けの焼付きなどを防止できるスクロール形流体機械を
提供する。 【解決手段】 可動スクロール5に滑り軸受け3を介し
て駆動力を伝達可能なように転がり軸受け4に支持され
たクランク軸1には、給油通路1aと吐出ガス通路1b
とが別個独立に並行に設けられている。給油通路1a
は、クランク軸1の下方において油溜りに連通可能で、
かつ上端に油を導くことができるよう構成されている。
このスクロール形流体機械は、給油通路1aを通じてク
ランク軸1の上端部に達した油が、滑り軸受け3とスラ
イドブッシュ2との摺動面および転がり軸受け4の内外
輪と転動体との摺動面を1系統の給油通路のみで給油可
能な構成を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スクロール形流体
機械に関するものであり、より特定的には、スクロール
形流体機械の給油経路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スクロール形流体機械において給油経路
に関する構成を示す文献は数多くあるが、その中から特
公平6−65880号公報および特開昭62−1018
94号公報を従来の第1および第2の例として以下に説
明する。なお、上記公報で開示された各部材の名称につ
いては、説明の便宜上、適宜修正してある。
【0003】図4は、特公平6−65880号公報に示
された従来のスクロール形流体機械の第1の例を示す部
分概略断面図である。図4を参照して、ケーシング11
の内部には、モータMと、圧縮要素CFとが主に配設さ
れている。
【0004】モータMは、ケーシング11の内壁面に取
付けられたステータ21と、このステータ21と間隔を
もって対向するロータ22とを有している。このロータ
22には、クランク軸101が連結されており、このク
ランク軸101の上端には偏心部となるクランク101
cが設けられている。このクランク101cを介在して
クランク軸101から回転力を伝達されるように圧縮要
素CFが設けられている。
【0005】圧縮要素CFは、その姿勢を相対的に保っ
たまま公転可能な可動スクロール105と、ハウジング
108を介してケーシング11に固定された固定スクロ
ール23とを有している。可動スクロール105は、鏡
板105bと、その鏡板105bの前面に突出した渦巻
状歯部105aと、鏡板105bの背面に突出した駆動
短軸105cとを有している。駆動短軸105cは、ク
ランク101c内に受入れられており、またこのクラン
ク101cの内周面にはその駆動短軸105cを支持す
るための軸受け103が取付けられている。また固定ス
クロール23は、鏡板23bと、その鏡板23bの前面
に突出しかつ可動スクロール105の渦巻状歯部105
aに噛み合う渦巻状歯部23aとを有している。
【0006】なお、クランク101cは、ハウジング1
08に取付けられた軸受け104によって支持されてい
る。
【0007】このスクロール圧縮機では、吸入管24に
よって外部からケーシング11内部へ吸入された流体
は、圧縮要素CFの圧縮動作によって圧縮される。この
後、この圧縮流体は、白矢印に沿って、駆動短軸105
cに設けられた排出通路105dを通じてクランク軸1
01に設けられた排出室101aに入る。排出室101
a内に入った油は、開口部101dを通じてクランク軸
101外に出た後、ロータ22とステータ21とのエア
ギャップを通じて一旦下方へ導かれ、吐出管25によっ
てケーシング11外部へ吐出される。
【0008】このスクロール圧縮機では、油による潤滑
は以下のように行なわれる。まず油は、ケーシング11
底部の油溜り26から送出管110を通じてスラスト軸
受け111の摺動面上に分配される。この後、油は、圧
縮要素CFによって圧縮されている流体と混合されるこ
とで圧縮サイクルを通じて搬送され、排出通路105d
を介して、排出室101a内へ排出される。この排出室
101a内に排出された油は、クランク101cの回転
によって生ずる遠心力によって、黒矢印に沿って、駆動
端軸105cと軸受け103との摺動面およびクランク
101cと軸受け104との摺動面を潤滑した後、下方
へ落ちて油溜り26へ戻る。
【0009】図5は、特開昭62−101894号公報
に示された従来のスクロール形流体機械の第2の例を示
す部分概略断面図である。図5を参照して、この第2の
従来例では、給油経路は、クランク軸201内に設けら
れた給油通路201aと、その給油通路201aから分
岐した油路201bとを有している。この給油通路20
1aは、クランク軸201の下端部においてケーシング
底部の油溜りに連通し、かつクランク軸201の上端付
近に達している。この給油通路201aは、カウンタウ
エイト201dの図中上側に位置する偏心部(図示せ
ず)と可動スクロール(図示せず)との摺動部および、
クランク軸201とハウジング208との間に設けられ
た転がり軸受け4に油を供給する役割をなすものであ
る。また油路201bは、クランク軸201とハウジン
グ208との間に設けられた転がり軸受け4を潤滑する
役割をなすものである。
【0010】なお、この転がり軸受け4は、下側におい
てスラストプレート206により支持されており、この
スラストプレート206は、図6に示すようにリング形
状を有し、かつ内周側から外周側へ延びる複数の放射溝
206aを有している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】図4に示した第1の従
来例では、給油経路と流体の経路とが、圧縮要素CF
内、排出通路105d内および排出室101a内におい
て同一経路をとるため、潤滑油は流体と混合されてしま
う。このため、この潤滑油では、駆動短軸105cと軸
受け103との摺動面およびクランク101cと軸受け
104との摺動面の潤滑および冷却を有効に行なうこと
ができないという問題点があった。
【0012】また、クランク101cと軸受け104と
の摺動面に給油した後、そのまま潤滑油を下落させて油
溜り26へ戻すだけであるため、油上がりが多く、油面
切れが起こりやすくなり、軸受けの焼付きなどが起こり
やすくなるという問題点があった。
【0013】図5に示した第2の従来例では、給油経路
を途中で給油通路201aと油路201bとに分岐させ
ている。このため、給油通路201aと油路201bと
に適正な給油量を分配することが難しい。また分配され
ることで各給油量は減少することになるため、軸受けの
焼付き等が起こりやすくなるという問題点があった。
【0014】また、転がり軸受け7を潤滑した後の油
は、転がり軸受け7下の放射溝209aを経てハウジン
グ208外に排出される。この放射溝209aによる油
通路を十分に確保しようとすると放射溝209aが多数
必要となり、加工が複雑となるため生産コストが高くな
る。一方、油通路が不十分だと油の流れが悪くなり、潤
滑不良による軸受けの焼付きが起こるという問題点があ
った。
【0015】それゆえ本発明の1の目的は、摺動面の潤
滑および冷却を有効に行ない、軸受けの焼付きなどを防
止できるスクロール形流体機械を提供することである。
【0016】本発明の他の目的は、軸受け潤滑後の油上
がりを防止可能なスクロール形流体機械を提供すること
である。
【0017】本発明のさらに他の目的は、容易な構造
で、軸受け潤滑後の油通路を十分に確保することができ
るスクロール形流体機械を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のスクロ
ール型流体機械は、可動スクロールを駆動する駆動軸
と、この駆動軸を支持する第1の軸受けと第2の軸受け
とを備えている。駆動軸は、流体通路と分離した給油通
路を有している。油溜りの油を第1および第2の軸受け
を経由した1系統の給油経路のみで供給できるよう給油
通路が構成されている。
【0019】請求項1に記載のスクロール形流体機械で
は、給油通路は、流体通路と分離して設けられているた
め、油が流体と混合されることは防止できる。このた
め、第1および第2の軸受けの潤滑および冷却を有効に
行なうことができる。
【0020】また、油溜りの油を第1および第2の軸受
けを経由した1系統の給油経路のみで供給できるよう給
油通路を構成しているため、給油経路を分配する場合よ
りも構成を容易にでき、かつ適正給油量の制御も容易に
することができる。
【0021】これにより、第1および第2の軸受けの潤
滑および冷却を有効に行ない、軸受けの焼付きなどを防
止できるスクロール形流体機械を得ることができる。
【0022】請求項2に記載のスクロール形流体機械で
は、第1の軸受けは滑り軸受けよりなり、第2の軸受け
は転がり軸受けよりなっている。給油経路は、給油通路
から出た油が第1の軸受けを潤滑した後に第2の軸受け
を潤滑するように構成されている。
【0023】請求項2に記載のスクロール形流体機械で
は、スクロール圧縮/膨張要素と駆動軸との間の第1の
軸受けは滑り軸受けにより構成され、また駆動軸を支持
する第2の軸受けは転がり軸受けにより構成される。こ
の滑り軸受けには転がり軸受けよりも油切れに対してシ
ビアな条件が求められる。このため、転がり軸受けより
も先に滑り軸受けに給油することで、滑り軸受けに十分
な量の油を供給でき、滑り軸受けの焼付きなどを防止す
ることが可能となる。
【0024】請求項3に記載のスクロール形流体機械で
は、第2の軸受けは、駆動軸に固定された内輪と、内輪
と間隔をおいてハウジングに配置された外輪と、内輪お
よび外輪の間に挟まれた転動体とを有する転がり軸受け
である。駆動軸は第2の軸受けの他方端側に鍔部を有し
ている。鍔部の内輪側主面の内周領域には内輪が当接し
ており、外周領域には鍔部の外周端に達する切欠(1
e)が設けられている。
【0025】請求項3に記載のスクロール形流体機械で
は、鍔部の外周領域に切欠領域を設けているため、油が
滞留せず、効果的に軸受けの潤滑および冷却を行なうこ
とができる。
【0026】請求項4に記載のスクロール形流体機械で
は、第2の軸受けは、駆動軸に固定された内輪と、内輪
と間隔をおいてハウジングに配置された外輪と、内輪お
よび外輪の間に挟まれた転動体とを有する転がり軸受け
である。内輪の一方端側には軸スラスト受け部が位置し
ている。軸スラスト受け部は、内周側に内輪に当接する
凸部を有し、外周側に軸スラスト受け部の外周端に達す
る凹部を有している。
【0027】請求項4に記載のスクロール形流体機械で
は、軸スラスト受け部は凸部を有しており、その凸部に
おいて内輪と当接している。また外周側には油を受入れ
る凹部が形成されているため、油が滞留せず、効果的に
油の排出を行なうことができる。
【0028】請求項5に記載のスクロール形流体機械で
は、第2の軸受けを潤滑した油を受入れるための環状溝
が第2の軸受けの一方端側において駆動軸の周囲を取囲
むようにハウジングに形成されている。
【0029】請求項5に記載のスクロール形流体機械で
は、ハウジングの第2の軸受けの一方端側に環状溝が設
けられているため、油が滞留せず、効果的に油の排出を
行なうことができる。
【0030】請求項6に記載のスクロール形流体機械で
は、第1および第2の軸受けを潤滑した油は、ハウジン
グに設けられた返油穴に連通する返油通路を通じて油溜
り空間に導かれる。
【0031】請求項6に記載のスクロール形流体機械で
は、第2の軸受けを潤滑した油は返油通路によって油溜
り空間に導かれるため、油溜り空間に戻るまでに油上が
りが生じることが防止され、よって軸受けの焼付きなど
が防止される。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図に基づいて説明する。
【0033】図1は、本発明の一実施の形態におけるス
クロール形圧縮機の構成を概略的に示す部分断面図であ
る。図1を参照して、モータのロータ(図示せず)に連
結されたクランク軸1には鍔部1dと、その鍔部1dの
上方に位置する偏心部1cとが形成されている。鍔部1
dの下面の外周領域には鍔部1dの外周端に達する切欠
部(ぬすみ)1eが設けられている。このクランク軸1
には、図2にも示すように、給油通路1aと吐出ガス通
路1bとが互いに独立に並行に設けられている。特に給
油通路1aは、分岐されることなく形成されており、偏
心部1cの付け根近傍に開口している。このようなクラ
ンク軸1の偏心部1cには、略筒状のスライドブッシュ
2が隙間をもって遊嵌されている。
【0034】スライドブッシュ2は、偏心部1cに対し
てスライドすることにより可動スクロールの旋回半径を
変化させることで、加工・組立誤差があっても固定スク
ロールの歯面と可動スクロールの歯面とを常に接触して
旋回運動させる役割をなすものである。このスライドブ
ッシュ2の下端部には鍔部2aが設けられており、この
鍔部2aの内周面には油プール部2bが設けられてい
る。この油プール部2bは、給油通路1aの開口部の上
方に位置するように設けられている。またスライドブッ
シュ2の内周面には、給油切欠部2cが設けられてい
る。このスライドブッシュ2を介在してクランク軸1か
ら回転力を受けて公転可能なように、可動スクロール5
は支持されている。
【0035】可動スクロール5は、鏡板5bと、その鏡
板5bの前面に突出した渦巻状歯部5aと、鏡板5aの
背面に突出したボス部5cとを有している。ボス部5c
内には、スライドブッシュ2が遊嵌された偏心部1cが
受入れられており、このボス部5cの内周面にはスライ
ドブッシュ2を支持する滑り軸受け3が取付けられてい
る。
【0036】またクランク軸1は、転がり軸受け4と、
下部軸受(図示せず)とによって支持されている。この
転がり軸受け4は、互いに間隔をもって配置された内輪
および外輪と、その内輪および外輪の間に転動可能に配
置された転動体とを有している。本実施の形態では、内
輪がクランク軸1の外周に嵌められ、外輪が上部ハウジ
ング8に固定される。特に内輪は、クランク軸1の鍔部
1dの切欠部(ぬすみ)1e以外の内周側領域に当接す
るよう嵌められている。この転がり軸受け4の下方に
は、ワッシャ7によって押圧されたスラストプレート6
が配置されている。
【0037】このスラストプレート6は、図3に示すよ
うにリング状で内周側に凸部6a、外周側に凹部6bを
有している。このスラストプレート6の凸部6aの端面
は、転がり軸受け4の内輪と当接することで摺動面を構
成している。また転がり軸受け4の下部には、上部ハウ
ジング8に環状溝8aがクランク軸1の外周を連続的に
取囲むように(図3)設けられている。この環状溝8a
に連通し、かつ上部ハウジング8の外周側へ直線状に延
びるように返油穴8bが設けられている。この返油穴8
bに連通するように上部ハウジング8には、返油管9が
取付けられている。
【0038】なお、図3は、スラストプレートおよび環
状溝の構成を示す上面図である。なお、これ以外のモー
タや固定スクロールなどの構成については、たとえば図
4に示した従来の構成と同様であってもよい。
【0039】本実施の形態では、主要な軸受けを潤滑す
るための給油経路は1系統のみである。以下、その給油
経路について説明する。
【0040】まずクランク軸1の回転による遠心力もし
くはポンプによって、ケーシング11底部の油溜りから
給油通路1aを通じて油が上方へ汲み上げられる。給油
通路1aの開口端に達した油はスライドブッシュ2に設
けられた油プール部2bの全周を満たすとともに、その
全周においてスライドブッシュ2と偏心部1cとの隙間
を上方へ上がっていく。この際、主にスライドブッシュ
2の内周面に設けられた給油切欠部2cを通じて油は上
方へ上がっていくことになる。スライドブッシュ2の上
端に達した油はスライドブッシュ2と滑り軸受け3との
摺動面に供給される。その後、その摺動面に沿って下方
へ落ちた油は転がり軸受け4の内外輪と転動体との間を
潤滑した後、環状溝8aを通じて返油穴8bに入り、返
油管9を通じてケーシング底部の油溜りに戻る。
【0041】本実施の形態では、クランク軸1に設けら
れた給油通路1aから、滑り軸受け3とスライドブッシ
ュ2との摺動面および転がり軸受け4の内外輪および転
動体との摺動面とに一系統の給油経路のみで油が供給さ
れる。このため、図5に示すように給油経路が分配され
る場合に比較して、構成を容易にすることができる。ま
た、給油経路が1系統のみであるため、滑り軸受け3と
スライドブッシュ2との摺動面および転がり軸受け4の
内外輪と転動体との摺動面に適正な量の油を供給するよ
う制御することが容易となる。
【0042】また、クランク軸1に、給油通路1aと吐
出ガス通路1bとが互いに別個独立に並行に設けられて
いるため、油が圧縮要素からの冷媒ガスと混合されるこ
とは防止され得る。このため、滑り軸受け3とスライド
ブッシュ2との摺動面および転がり軸受け4の内外輪と
転動体との摺動面の潤滑および冷却を有効に行なうこと
が可能となる。
【0043】またクランク軸1の上端に達した油は、ま
ず滑り軸受け3とスライドブッシュ2との摺動面を潤滑
した後、転がり軸受け4の内外輪と転動体との摺動面を
潤滑する。この滑り軸受けには、転がり軸受けよりも潤
滑に対してシビアな条件が求められる。このため、転が
り軸受けよりも先に滑り軸受けに油を供給することで、
滑り軸受けによる摺動面に十分な量かつ、潤滑上有効な
油を供給することが可能となり、滑り軸受けの焼付きな
どを防止することが可能となる。
【0044】またクランク軸1の鍔部1dに切欠部(ぬ
すみ)1eを設けたため、油が滞留せず、効果的に転が
り軸受け4の潤滑および冷却を行なうことができる。
【0045】またスラストプレート6は、内周側に凸部
6aを有し、その凸部6aにおいて転がり軸受け4の内
輪と当接している。また、外周側には油の受入れを容易
にするための凹部6bが設けられている。この凹部6b
は、放射溝よりも加工が容易であるとともに、十分な油
通路を容易に確保することができる。このため、油は滞
留せず、効果的に油を排出することが可能となる。
【0046】またハウジング8には環状溝8aが設けら
れているため、これによっても円滑に油の排出を行なう
ことが可能となる。
【0047】またハウジング8の返油穴8bに達した油
は返油管9を通じてケーシング11底部の油溜り空間に
導かれる。このため、油溜り空間に油が至るまでに油上
がりが生じることは防止され、これによる軸受けの焼付
きなどは防止される。
【0048】なお、本実施の形態においては、圧縮要素
によって圧縮されたガスがクランク軸1内の吐出ガス通
路1bに入る、いわゆる軸内吐出形のスクロール圧縮機
について説明したが、本発明はこれに限られるものでは
ない。
【0049】また、本実施の形態では、スライドブッシ
ュ2を用いた構成について説明したが、本発明はこれに
限られず、スライドブッシュ2がなくても、給油通路1
aを通じてクランク軸1の上端部付近に油を導くことの
できる構成にも適用されうる。
【0050】また本実施の形態では、可動スクロール5
とクランク軸1との摺動部に滑り軸受け3を、またクラ
ンク軸1とハウジング8との摺動部に転がり軸受け4を
各々用いた構成について説明したが、本発明は特にこれ
に限定されるものではなく、可動スクロール5とクラン
ク軸1との摺動部に転がり軸受けが用いられてもよく、
またハウジング8とクランク軸1との間に滑り軸受けが
用いられてもよい。
【0051】また本実施の形態では、スクロール圧縮機
について説明したが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、スクロール膨張機に適用されてもよい。
【0052】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【0053】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、給油通
路は、流体通路と分離して設けられているため、油が流
体と混合されることが防止できる。このため、第1およ
び第2の軸受けの潤滑および冷却を有効に行なうことが
できる。
【0054】また、油溜りの油を第1および第2の軸受
けを経由した1系統の給油経路のみで供給できるよう給
油通路を構成したため、給油通路を分配する場合よりも
構成を容易にでき、かつ適正給油量の制御も容易にする
ことができる。
【0055】これにより、第1および第2の軸受けの潤
滑および冷却を有効に行ない、軸受けの焼付きなどを防
止できるスクロール形流体機械が得られる。
【0056】請求項2に記載の発明によれば、スクロー
ル圧縮/膨張要素と駆動軸との間の第1の軸受けは滑り
軸受けにより構成され、また駆動軸を支持する第2の軸
受けは転がり軸受けにより構成される。この滑り軸受け
には転がり軸受けよりも油切れに対してシビアな条件が
求められる。このため、転がり軸受けよりも先に滑り軸
受けに給油することで滑り軸受けに十分な量の油を供給
でき、滑り軸受けの焼付きなどを防止することが可能と
なる。
【0057】請求項3に記載の発明によれば、鍔部の外
周領域に切欠領域を設けたため、油が滞留せず、効果的
に軸受けの潤滑および冷却を行なうことができる。
【0058】請求項4に記載の発明によれば、軸スラス
ト受け部は内周側に凸部を有し、外周側に油を受入れる
ための凹部を有しているため、油が滞留せず、効果的に
油の排出を行なうことができる。
【0059】請求項5に記載の発明によれば、第2の軸
受けの一方端側に環状溝が設けられているため、油が滞
留せず、効果的に油の排出を行なうことができる。
【0060】請求項6に記載の発明では、第2の軸受け
を潤滑した油は返油通路によって、油溜り空間に導かれ
るため、油溜り空間に戻るまでに油上がりが生じること
が防止され、よって軸受けの焼付きなどが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるスクロール形流
体機械の構成を概略的に示す部分断面図である。
【図2】図1に示すスクロール形流体機械におけるクラ
ンク軸の構成を部分的に示す概略断面図である。
【図3】図1に示すスクロール形流体機械におけるスラ
ストプレートの凸部および環状溝の構成を示す上面図で
ある。
【図4】従来のスクロール形流体機械の第1の例を示す
概略断面図である。
【図5】従来のスクロール形流体機械の第2の例を示す
概略断面図である。
【図6】図5に示す従来のスクロール形流体機械におけ
るスラストプレートに設けられた放射溝の形状を示す概
略上面図である。
【符号の説明】
1 クランク軸 1a 給油通路 1b 吐出ガス通路 1c 偏心部 1d 鍔部 1e 切欠部(ぬすみ) 2 スライドブッシュ 2a 鍔部 2b 油プール部 2c 給油用切欠部 3 滑り軸受け 4 転がり軸受け 5 可動スクロール 6 スラストプレート 8 ハウジング 8a 環状溝 8b 返油穴 9 返油管
フロントページの続き (72)発明者 外山 俊之 大阪府堺市築港新町3丁12番地 ダイキン 工業株式会社堺製作所臨海工場内 (72)発明者 植田 秀作 大阪府堺市築港新町3丁12番地 ダイキン 工業株式会社堺製作所臨海工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可動スクロール(5)を駆動する駆動軸
    (1)と、この駆動軸(1)を支持する第1の軸受け
    (3)と第2の軸受け(4)とを備え、 前記駆動軸(1)は、流体通路(1b)と分離した給油
    通路(1a)を有しており、 油溜りの油を前記第1および第2の軸受けを経由した1
    系統の給油経路のみで供給できるよう前記給油通路(1
    a)を構成した、スクロール型流体機械。
  2. 【請求項2】 前記第1の軸受け(3)は滑り軸受けで
    あり、前記第2の軸受け(4)は転がり軸受けであり、 前記給油経路は、前記給油通路(1a)から出た油が前
    記第1の軸受けを潤滑した後に前記第2の軸受けを潤滑
    するように構成されている、請求項1に記載のスクロー
    ル型流体機械。
  3. 【請求項3】 前記第2の軸受け(4)は、前記駆動軸
    (1)に固定された内輪と、前記内輪と間隔をおいてハ
    ウジング(8)に配置された外輪と、前記内輪および前
    記外輪の間に挟まれた転動体とを有する転がり軸受けで
    あって、 前記駆動軸は前記第2の軸受けの前記他方端側に鍔部
    (1d)を有しており、 前記鍔部の前記内輪側主面の内周領域には前記内輪が当
    接しており、外周領域には鍔部の外周端に達する切欠
    (1e)が設けられている、請求項1に記載のスクロー
    ル形流体機械。
  4. 【請求項4】 前記第2の軸受け(4)は、前記駆動軸
    (1)に固定された内輪と、前記内輪と間隔をおいてハ
    ウジング(8)に配置された外輪と、前記内輪および前
    記外輪の間に挟まれた転動体とを有する転がり軸受けで
    あって、 前記内輪の前記一方端側には軸スラスト受け部(6)が
    位置しており、 前記軸スラスト受け部は、内周側に前記内輪に当接する
    凸部(6a)を有し、外周側に前記軸スラスト受け部の
    外周端に達する凹部(6b)を有している、請求項1に
    記載のスクロール形流体機械。
  5. 【請求項5】 前記第2の軸受け(4)を潤滑した油を
    受入れるための環状溝(8a)が、前記第2の軸受けの
    前記一方端側において前記駆動軸(1)の周囲を取囲む
    ようにハウジング(8)に形成されている、請求項1に
    記載のスクロール形流体機械。
  6. 【請求項6】 前記第1および第2の軸受け(3、4)
    を潤滑した油は、ハウジング(8)に設けられた返油穴
    (8b)に連通する返油通路(9)を通じて油溜り空間
    に導かれる、請求項1に記載のスクロール形流体機械。
JP18236897A 1997-07-08 1997-07-08 スクロール形流体機械 Expired - Fee Related JP3337948B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18236897A JP3337948B2 (ja) 1997-07-08 1997-07-08 スクロール形流体機械

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18236897A JP3337948B2 (ja) 1997-07-08 1997-07-08 スクロール形流体機械

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1122669A true JPH1122669A (ja) 1999-01-26
JP3337948B2 JP3337948B2 (ja) 2002-10-28

Family

ID=16117097

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18236897A Expired - Fee Related JP3337948B2 (ja) 1997-07-08 1997-07-08 スクロール形流体機械

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3337948B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100424353C (zh) * 2003-06-17 2008-10-08 乐金电子(天津)电器有限公司 涡旋式压缩机的防止磨损的装置
EP2735741A4 (en) * 2011-07-19 2015-03-04 Daikin Ind Ltd COMPRESSOR
JP2018119503A (ja) * 2017-01-27 2018-08-02 パナソニックIpマネジメント株式会社 密閉型圧縮機

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100424353C (zh) * 2003-06-17 2008-10-08 乐金电子(天津)电器有限公司 涡旋式压缩机的防止磨损的装置
EP2735741A4 (en) * 2011-07-19 2015-03-04 Daikin Ind Ltd COMPRESSOR
US9322403B2 (en) 2011-07-19 2016-04-26 Daikin Industries, Ltd. Compressor
JP2018119503A (ja) * 2017-01-27 2018-08-02 パナソニックIpマネジメント株式会社 密閉型圧縮機
WO2018139308A1 (ja) * 2017-01-27 2018-08-02 パナソニックIpマネジメント株式会社 密閉型圧縮機

Also Published As

Publication number Publication date
JP3337948B2 (ja) 2002-10-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR910002402B1 (ko) 스크롤압축기
US4637786A (en) Scroll type fluid apparatus with lubrication of rotation preventing mechanism and thrust bearing
US4874302A (en) Scroll compressor with oil feeding passages in thrust bearing
JP2675313B2 (ja) スクロール型圧縮機
US5554015A (en) Refrigeration compressor thrust bearing assembly
JPS59115488A (ja) 密閉形スクロ−ル圧縮機の軸受装置
US4488855A (en) Main bearing lubrication system for scroll machine
KR890000052B1 (ko) 스크롤 유체기계
JP3337948B2 (ja) スクロール形流体機械
PH26403A (en) Motor compressor bearing assembly
JPH05302581A (ja) 縦形圧縮機
JPH08200244A (ja) スクロール型圧縮機
CN111788394A (zh) 压缩机
JP4089209B2 (ja) 両吸込み渦巻きポンプ
JP3031297B2 (ja) スクロール圧縮機
US20190323505A1 (en) Compressor
JP4064325B2 (ja) スクロ−ル圧縮機
JP2616128B2 (ja) スクロール圧縮機
EP0498061B1 (en) Enclosed motor-driven compressor
JPH02296098A (ja) 自己潤滑軸受
JP2007146864A (ja) スクロ−ル圧縮機
JP4310827B2 (ja) スクロール形流体機械
JPH05231357A (ja) スクロール流体機械
JPS639693A (ja) スクロ−ル圧縮機
CN217029311U (zh) 用于涡旋压缩机的主轴承座及涡旋压缩机

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20000613

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080809

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080809

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090809

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100809

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100809

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110809

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110809

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120809

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120809

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130809

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees