JPH1122645A - 燃料ポンプ - Google Patents

燃料ポンプ

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Publication number
JPH1122645A
JPH1122645A JP17443897A JP17443897A JPH1122645A JP H1122645 A JPH1122645 A JP H1122645A JP 17443897 A JP17443897 A JP 17443897A JP 17443897 A JP17443897 A JP 17443897A JP H1122645 A JPH1122645 A JP H1122645A
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JP
Japan
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fuel
oil
pressure
piston
chamber
Prior art date
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Pending
Application number
JP17443897A
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English (en)
Inventor
Yorito Nakao
頼人 中尾
Takayuki Arai
孝之 荒井
Hidenori Sakai
秀則 坂井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料ポンプにおいて、圧送行程におけるオイ
ルの洩れを抑制して、燃料ポンプの効率を高める。 【解決手段】 メインピストン7の往復動に伴うオイル
の流動により撓むダイヤフラム11と、ダイヤフラム1
1により画成される燃圧室10とを備える燃料ポンプ1
において、油圧室8にオイルを供給する補充油通路4
と、補充油通路4から油圧室8に流入するオイルに対し
て開弁するチェックバルブ9と、補充油通路4にオイル
を圧送するサブピストン5とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧を介して駆動
される燃料ポンプの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】筒内直接噴射式エンジンに備えられる燃
料ポンプとして、密封構造のダイヤフラム等の隔壁によ
って燃圧室を画成し、燃圧室の拡縮により燃料の吸入お
よび圧送を行うものがある。これは、ピストンやプラン
ジャ等のシリンダ構造によるものに比較して洩れがな
く、効率よく高圧が得られるという特徴がある。
【0003】この種の燃料ポンプとして従来例えば図4
に示すようなものがあった(特開平5−118279号
公報、参照)。
【0004】これについて説明すると、ダイヤフラム7
1を撓ませる機構として、ダイヤフラム71との間に油
圧室68を画成するシリンダ74と、シリンダ74に摺
動可能に嵌合するピストン67と、ピストン67をシリ
ンダ74に対して往復動させる駆動手段とを備え、ピス
トン67の往復動に伴うオイルの流動によりダイヤフラ
ム71を撓ませるようになっている。
【0005】油圧室68の拡縮に伴いダイヤフラム71
が撓むことにより燃圧室70が拡縮する。燃圧室70が
拡張するのに伴い燃料入口バルブ62が開き、比較的低
圧の燃料が燃圧室70へと吸い込まれる。燃圧室70が
収縮するのに伴い燃料出口バルブ63が開き、燃圧室7
0の燃料がエンジンの燃料噴射ノズルへと圧送される。
【0006】ピストン67がシリンダ74を移動して油
圧室68のオイルを圧送する行程で、一部のオイルがピ
ストン67とシリンダ74の隙間を通って洩れ出す。こ
れに対処して、シリンダ74には補充油通路64が接続
され、洩れ分に相当するオイルが補充油通路64からを
油圧室68に吸入されるようになっている。
【0007】補充油通路64はシリンダ74のピストン
67が摺接する部位に開口している。ピストン67がシ
リンダ74を移動して補充油通路64の開口部を閉塞す
ることにより、油圧室68のオイルを圧送するようにな
っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の燃料ポンプにあっては、ピストン67がシリ
ンダ74を移動して油圧室68のオイルを圧送する行程
で、一部のオイルがピストン67とシリンダ74の隙間
を通って補充油通路64へと逆流する。すなわち、ピス
トン67がシリンダ74に対する補充油通路64の開口
部を閉塞することにより事実上圧送行程に入る構造のた
め、ピストン67がストロークを開始しても、初期は、
ピストン67とシリンダ74の間に設けられる油密が補
充油通路64の開口部によって確保できないため、ピス
トン67とシリンダ74の隙間から補充油通路64へと
洩れ出すオイル量が多くなる。このため、所定の燃料吐
出圧を得るために必要なピストン67のストロークが大
きくなり、燃料ポンプの大型化を招いた。
【0009】本発明は上記の問題点を鑑みてなされたも
のであり、圧送行程におけるオイルの洩れを抑制して、
燃料ポンプの効率を高めることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の燃料ポ
ンプは、オイルが充填される油圧室を画成するメインシ
リンダと、メインシリンダに摺動可能に嵌合するメイン
ピストンと、メインピストンをメインシリンダに対して
往復動させる駆動手段と、メインピストンの往復動に伴
うオイルの流動により撓む隔壁と、隔壁により画成され
る燃圧室と、燃圧室の拡張に伴い燃圧室に流入する燃料
に対して開弁する燃料入口バルブと、燃圧室の収縮に伴
い燃圧室から流出する燃料に対して開弁する燃料出口バ
ルブと、を備える燃料ポンプにおいて、油圧室にオイル
を供給する補充油通路と、補充油通路から油圧室に流入
するオイルに対して開弁するチェックバルブと、補充油
通路にオイルを圧送するオイル圧送手段とを備えるもの
とした。
【0011】請求項2に記載の燃料ポンプは、請求項1
に記載の発明において、前記オイル圧送手段として、オ
イルが充填される補充油通路を画成するサブシリンダ
と、サブシリンダに摺動可能に嵌合するサブピストンと
を備え、前記駆動手段としてメインピストンとサブピス
トンを往復動させる共通のカムを備えるものとした。
【0012】請求項3に記載の燃料ポンプは、請求項2
に記載の発明において、前記カムが収装されるカム室を
備え、カム室にオイルを貯溜し、サブピストンにそのス
トローク位置に応じてカム室と補充油通路を連通する吸
入スリットを備えるものとした。
【0013】請求項4に記載の燃料ポンプは、請求項1
から3のいずれか一つに記載の発明において、前記メイ
ンピストンのストローク位置が吸入行程から圧送行程に
切り換わる下死点付近にサブピストンのストローク位置
が圧送行程となる構成とした。
【0014】請求項5に記載の燃料ポンプは、請求項1
から4のいずれか一つに記載の発明において、前記補充
油通路の余剰オイルを逃がす逃がし通路と、逃がし通路
から流出するオイルに対して開弁する調圧バルブとを備
え、調圧バルブの開弁圧をチェックバルブの開弁圧より
高く設定するものとした。
【0015】請求項6に記載の燃料ポンプは、請求項5
に記載の発明において、前記逃がし通路をカム室に接続
するものとした。
【0016】請求項7に記載の燃料ポンプは、請求項6
に記載の発明において、前記燃圧室に燃料入口バルブを
介して燃料を圧送する燃料導入通路を備え、調圧バルブ
の開弁圧を燃料入口バルブの開弁圧より低く設定するも
のとした。
【0017】
【発明の作用および効果】請求項1に記載の燃料ポンプ
において、メインピストンの往復動に伴い油圧室のオイ
ルはダイヤフラムを撓ませて燃圧室を拡縮する。
【0018】燃圧室が拡張するのに伴い、燃圧室の燃料
圧力が低下し、燃料が燃料入口バルブを開いて燃圧室へ
と吸い込まれる。
【0019】燃圧室が収縮するのに伴い、燃圧室の燃料
圧力が上昇し、燃圧室の燃料は燃料出口バルブを開いて
吐出される。
【0020】メインピストンがメインシリンダに押し込
まれる圧送行程にて、大部分のオイルがメインシリンダ
から隔壁の方へ移動する一方、一部のオイルがメインピ
ストンとメインシリンダの隙間を通って洩れ出す。
【0021】メインピストンがメインシリンダ内から押
し出される吸入行程の後半にて、洩れ分に相当するオイ
ルが補充油通路からメインシリンダへと供給される。
【0022】本発明は、補充油通路がチェックバルブを
介して油圧室に接続する構造のため、上記メインピスト
ンがメインシリンダに押し込まれる圧送行程にて油圧室
のオイルが補充油通路へ逆流することがチェックバルブ
を介して阻止される。
【0023】したがって、メインピストンのメインシリ
ンダの間に設けられるシール長が補充油通路の開口部に
よって決まることがなく、メインピストンとメインシリ
ンダの隙間からカム室へと洩れ出すオイル量が抑えられ
る。この結果、所定の燃料吐出圧を得るためにピストン
のストローク等を増大する必要がなく、燃料ポンプの大
型化が避けられる。
【0024】請求項2に記載の燃料ポンプにおいて、カ
ムの回転に伴い、メインピストンとサブピストンがそれ
ぞれ往復動する。
【0025】メインピストンの往復動に伴い油圧室のオ
イルはダイヤフラムを撓ませて燃圧室を拡縮し、燃圧室
に吸入された燃料を吐出する。
【0026】サブピストンの往復動に伴い補充油通路の
圧力が高められ、補充油通路のオイルが油圧室へと圧送
される。
【0027】サブピストンがメインピストンと共通のカ
ムによって駆動されるため、オイル圧送手段として別の
油圧ポンプを設ける場合に比べて、構造の簡素化がはか
れ、燃料ポンプの小型化がはかれる。
【0028】請求項3に記載の燃料ポンプにおいて、吸
入スリットはサブピストンのストローク位置に応じてカ
ム室と補充油通路を連通し、サブピストンが往復動する
のに伴ってカム室から吸入スリットを介してサブシリン
ダ内に吸入したオイルを補充油通路を通して油圧室へと
圧送する。
【0029】したがって、吸入スリットの形状を変更す
ることで、サブピストンのストローク量にかかわらず、
サブピストンによる補充オイル量を調整できる。よっ
て、サブピストンとメインピストンを共通のカムで駆動
する場合、補充オイル量の設定が容易となる。
【0030】請求項4に記載の燃料ポンプにおいて、洩
れ分のオイルがメインシリンダに補充される吸入行程の
後半で、サブピストンは補充油通路の圧力を高め、補充
油通路からオイルをメインシリンダに圧送する。これに
より、メインピストンの吸入行程の後半において、油圧
室の圧力が低下することを抑えられ、油圧室に気泡等が
発生することが防止される。この結果、油圧室には常に
オイルが充満し、メインピストンの作動が隔壁に伝えら
れて、燃料ポンプの燃料吐出特性が維持される。
【0031】請求項5に記載の燃料ポンプにおいて、サ
ブピストンによってサブシリンダから吐出される余剰オ
イルは調圧バルブを介して逃がされる。
【0032】調圧バルブは補充油通路の圧力が所定値を
超えて上昇すると開弁し、補充油通路の圧力を所定値以
下に保つ。
【0033】調圧バルブの開弁圧はチェックバルブの開
弁圧より高いため、補充油通路のオイルがチェックバル
ブを介して油圧室へ供給される。
【0034】請求項6に記載の燃料ポンプにおいて、サ
ブピストンによってサブシリンダから吐出される余剰オ
イルは調圧バルブを介してカム室に戻される。
【0035】請求項7に記載の燃料ポンプにおいて、調
圧バルブの開弁圧は燃料入口バルブの開弁圧より低く設
定されているため、補充油通路の圧力が燃圧室の圧力よ
り低く保たれる。この結果、サブピストンの往復動に伴
って隔壁が撓むことが回避される。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面に基づいて説明する。
【0037】図1に示すように、エンジンに備えられる
燃料ポンプ1は、ダイヤフラム11により画成される燃
圧室10を備える。燃圧室10には図示しないフィード
ポンプに連通する燃料導入通路22が燃料入口バルブ2
を介して接続されるとともに、図示しない燃料噴射ノズ
ルに連通する燃料吐出通路23が燃料出口バルブ3を介
して接続される。
【0038】燃料入口バルブ2は、燃料導入通路22か
ら燃圧室10側へのみ燃料の流れを許容するチェック弁
として機能し、燃料出口バルブ3は燃圧室10側から燃
料吐出通路23側へのみ燃料の流れを許容するチェック
弁として機能する。
【0039】ダイヤフラム11は燃圧室10と油圧室8
を仕切る隔壁として機能する。したがって、油圧室8に
介在するオイルと、燃圧室10の燃料とが混合すること
はない。油圧室8のオイルが移動するのに伴いダイヤフ
ラム11が撓んで燃圧室10を拡縮する。燃圧室10が
拡張するのに伴い燃料入口バルブ2が開き、フィードポ
ンプから送られる比較的低圧の燃料が燃料導入通路22
から燃圧室10へと吸い込まれる。燃圧室10が収縮す
るのに伴い燃料出口バルブ3が開き、燃圧室10の燃料
は燃料吐出通路23から図示しないレギュレータ等を経
て燃料噴射ノズルへと圧送される。燃料噴射ノズルはエ
ンジンの燃焼室に臨み、燃料噴霧をピストン冠部に向け
て噴出するようになっている。
【0040】なお、燃圧室10と油圧室8を仕切る隔壁
として、ダイヤフラム11に代えて蛇腹状に屈曲した断
面を持つ金属製ベローズを用いてもよい。
【0041】第一ポンプハウジング21にはメインシリ
ンダ24が形成される。メインシリンダ24にメインピ
ストン7が摺動可能に嵌合する。メインシリンダ24と
メインピストン7およびダイヤフラム11の間に油圧室
8が画成される。
【0042】メインピストン7をメインシリンダ24に
対して往復動させる駆動手段として、偏心カム6が設け
られる。偏心カム6の中心は、図示しないメインピスト
ン7が最大リフトしている状態で、カム室25の中心に
対して、メインピストン7の軸線上をメインピストン7
から遠ざかる方向へオフセットして設けられる。メイン
リターンスプリング15はメインピストン7を偏心カム
6側へ付勢し、メインピストン7の先端は偏心カム6の
外周面に摺接は、偏心カム6の回転に伴ってメインリタ
ーンスプリング15に抗して往復動する。偏心カム6は
第一ポンプハウジング21に対して回転可能に支持さ
れ、エンジンの図示しない吸・排気弁を開閉するカム軸
等に連結されて回転する。
【0043】第二ポンプハウジング21には偏心カム6
を収装するカム室25が設けられる。カム室25には高
い潤滑性を持つオイルが貯溜される。
【0044】油圧室8にはカム室25から補充油通路4
を通して供給されるオイルが満たされている。メインピ
ストン7の往復動に伴い油圧室8のオイルはダイヤフラ
ム11を撓ませて燃圧室10を拡縮する。
【0045】第二ポンプハウジング31にはダイヤフラ
ム11に対する受け部材32が介装される。メインピス
トン7の往復動に伴い油圧室8のオイルが受け部材32
の各通孔33を通って移動することにより、ダイヤフラ
ム11を撓ませるようになっている。
【0046】メインピストン7がメインシリンダ24を
縮小方向に押し込まれる圧送行程において、大部分のオ
イルがメインシリンダ24からダイヤフラム11の方へ
移動する一方、一部のオイルがメインピストン7とメイ
ンシリンダ24の隙間を通ってカム室25側へと洩れ出
す。
【0047】上記洩れ分に相当するオイルをカム室25
から油圧室8に補充するため、カム室25と油圧室8を
結ぶ補充油通路4が配設される。
【0048】しかし、従来装置のように補充油通路をピ
ストンによって開閉する構造とすると、ピストンのスト
ローク初期は、ピストンとシリンダの間に設けられるシ
ール長が補充油通路の開口部によって確保できないた
め、メインピストンとシリンダの隙間から補充油通路へ
と洩れ出すオイル量が多くなる。この結果、所定の燃料
吐出圧を得るためにピストンのストローク等を増大しな
ければならず、燃料ポンプの大型化を招いた。
【0049】本発明はこれに対処して、補充油通路4か
ら油圧室8に流入するオイルに対して開弁するチェック
バルブ9が設けられる。チェックバルブ9は補充油通路
4を開閉する弁体と、弁体を閉弁方向に付勢するスプリ
ングとから構成される。チェックバルブ9は油圧室8の
圧力が補充油通路4より所定値を超えて低下するとスプ
リングに抗して開弁し、洩れ分に相当するオイルを油圧
室8に流入させる。
【0050】補充油通路4はメインシリンダ24に対し
てメインピストン7の最大ストロークによっても閉塞さ
れない位置に開口し、油圧室8に常時連通している。な
お、補充油通路4はメインシリンダ24に対してメイン
ピストン7によって閉塞される位置に開口させてもよ
い。その場合、補充油通路4は少なくとも洩れ分のオイ
ルがサブシリンダ26に補充される吸入行程の後半で開
通すればよい。
【0051】補充油通路4にオイルを圧送するオイル圧
送手段として、偏心カム6に追従して往復動するサブピ
ストン5が設けられる。
【0052】第一ポンプハウジング21にはサブシリン
ダ26が形成される。サブンシリンダ26にサブピスト
ン5が摺動可能に嵌合する。メインシリンダ24の軸線
とサブシリンダ26の軸線とのなす角は鋭角である。
【0053】サブピストン5はその先端を偏心カム6の
外周面に摺接させ、偏心カム6の回転に伴ってサブリタ
ーンスプリング17に抗して往復動する。
【0054】サブピストン5はその筒部に吸入スリット
18が形成される。吸入スリット18はサブピストン5
のストローク位置によってカム室25に臨み、サブピス
トン5が往復動するのに伴ってカム室25から吸入スリ
ット18を介してサブシリンダ26内に吸入したオイル
を補充油通路4を通して油圧室8へと圧送するようにな
っている。
【0055】図2は偏心カム6の回転角度に対するメイ
ンピストン7およびサブピストン5の変位特性を示して
いる。メインピストン7とサブピストン5の変位は概ね
逆転しているが、メインピストン7の圧送行程とサブピ
ストン5の圧送行程がメインピストン7の下死点(0
度)付近で重なるように設定される。すなわち、メイン
ピストン7のストローク位置が吸入行程から圧送行程に
切り換わる下死点付近に、サブピストン5のストローク
位置が圧送行程となるように設定される。
【0056】図3は偏心カム6の回転角度に対するメイ
ンピストン7およびサブピストン5の吐出流量特性を示
している。サブピストン5の吐出流量は、メインピスト
ン7の吸入行程から圧送行程に切り換わる下死点(0
度)付近に、サブピストン5の吐出流量が所定値以上と
なるように設定される。サブピストン5の吐出量は、ス
リット18の形状により設定することができ、サブピス
トン5のストローク位置とスリット18の閉塞位置とで
関係づけられる。
【0057】第二ポンプハウジング21には補充油通路
4の余剰オイルをカム室25に戻す逃がし通路27が形
成される。逃がし通路27には調圧バルブ16が介装さ
れる。調圧バルブ16は逃がし通路27を開閉する弁体
と、弁体を閉弁方向に付勢するスプリングとから構成さ
れる。調圧バルブ16は補充油通路4の圧力がチェック
バルブ9の開弁圧より高い所定値を超えて上昇するとス
プリングに抗して開弁し、補充油通路4の余剰オイルを
カム室25に戻す。
【0058】調圧バルブ16の開弁圧はチェックバルブ
9の開弁圧より高く設定される。これにより、補充油通
路4のオイルがチェックバルブ9を介して油圧室8へ供
給される。
【0059】調圧バルブ16の開弁圧は燃料入口バルブ
2の開弁圧より低く設定される。これにより、補充油通
路4の圧力が燃圧室10の圧力より上昇しないようにな
っている。
【0060】以上のように構成され、燃料ポンプ1によ
る燃料圧送作用は次のようにして行われる。
【0061】偏心カム6の回転に伴い、リターンスプリ
ング15の付勢力によりメインピストン7がメインシリ
ンダ24内からカム室25へ押し出される。こうして油
圧室8のオイルがメインピストン7へと移動するのに伴
い、ダイヤフラム11が燃圧室10を拡張させるように
撓む。こうして燃圧室10が拡張するのに伴い、燃圧室
10の燃料圧力が低下し、燃料導入通路22から送られ
る比較的低圧の燃料が燃料入口バルブ2を開いて燃圧室
10へと吸い込まれる。
【0062】続く偏心カム6の回転に伴い、メインピス
トン7がメインシリンダ24内に押し込まれる。こうし
て油圧室8のオイルがダイヤフラム11へと移動するの
に伴い、ダイヤフラム11が燃圧室10を収縮させるよ
うに撓む。こうして燃圧室10が収縮するのに伴い、燃
圧室10の燃料圧力が上昇し、燃圧室10の燃料は燃料
出口バルブ3を開いて燃料吐出通路23へと吐出し、燃
料噴射ノズルへと圧送される。
【0063】メインピストン7がメインシリンダ24に
押し込まれる圧送行程にて、大部分のオイルがメインシ
リンダ24からダイヤフラム11の方へ移動するが、一
部のオイルがメインピストン7とメインシリンダ24の
隙間を通ってカム室25へと洩れ出す。
【0064】この圧送行程では、補充油通路4がチェッ
クバルブ9を介して油圧室8に接続する構造のため、油
圧室8のオイルが補充油通路4へと逆流することがチェ
ックバルブ9を介して阻止される。
【0065】したがって、メインピストン7のメインシ
リンダ24の間に設けられるシール長が補充油通路4の
開口部によって支配されることがなく、メインピストン
7とメインシリンダ24の隙間からカム室25へと洩れ
出すオイル量が抑えられる。この結果、所定の燃料吐出
圧を得るためにメインピストン7のストローク等を増大
する必要がなく、燃料ポンプ1の大型化が避けられる。
【0066】図2に示すように、メインピストン7がメ
インシリンダ24内から押し出される吸入行程の後半に
て、洩れ分に相当するオイルが補充油通路4からメイン
シリンダ24へと供給される。
【0067】そして図3に示すように、メインピストン
7の圧送行程とサブピストン5の圧送行程がメインピス
トン7の下死点付近で重なるように設定されているた
め、洩れ分のオイルがメインシリンダ24に流入する吸
入行程の後半で、サブピストン5は補充油通路4の圧力
を高め、補充油通路4からオイルをメインシリンダ24
に圧送する。これにより、メインピストン7の吸入行程
の後半において、油圧室8の圧力が低下することを抑え
られ、油圧室8に気泡等が発生することが防止される。
この結果、油圧室8には常にオイルが充満した状態が維
持され、メインピストン7の作動がダイヤフラム11に
伝えられて、燃料ポンプ1の燃料吐出特性が維持され
る。
【0068】サブピストン5によってサブシリンダ26
から吐出される余剰オイルは調圧バルブ16を介してカ
ム室25に戻される。
【0069】調圧バルブ16の開弁圧は燃料入口バルブ
2の開弁圧より低く設定されているため、補充油通路4
の圧力が燃圧室10の圧力より低く保たれる。この結
果、サブピストン5の往復動に伴ってダイヤフラム11
が撓むことが回避される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す燃料ポンプの断面図。
【図2】同じく偏心カムの回転角度に対するメインピス
トンおよびサブピストンの変位を示す特性図。
【図3】同じく偏心カムの回転角度に対するメインピス
トンおよびサブピストンの吐出流量を示す特性図。
【図4】従来例を示す燃料ポンプの断面図。
【符号の説明】
1 燃料ポンプ 2 燃料入口バルブ 3 燃料出口バルブ 4 補充油通路 5 サブピストン 6 偏心カム 7 メインピストン 8 油圧室 9 チェックバルブ 10 燃圧室 11 ダイヤフラム 15 メインリターンスプリング 16 調圧バルブ 17 サブリターンスプリング 18 吸入スリット 22 燃料導入通路 23 燃料吐出通路 24 メインシリンダ 25 カム室 26 サブシリンダ 27 逃がし通路

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オイルが充填される油圧室を画成するメイ
    ンシリンダと、 メインシリンダに摺動可能に嵌合するメインピストン
    と、 メインピストンをメインシリンダに対して往復動させる
    駆動手段と、 メインピストンの往復動に伴うオイルの流動により撓む
    隔壁と、 隔壁により画成される燃圧室と、 燃圧室の拡張に伴い燃圧室に流入する燃料に対して開弁
    する燃料入口バルブと、 燃圧室の収縮に伴い燃圧室から流出する燃料に対して開
    弁する燃料出口バルブと、 を備える燃料ポンプにおいて、 油圧室にオイルを供給する補充油通路と、 補充油通路から油圧室に流入するオイルに対して開弁す
    るチェックバルブと、 補充油通路にオイルを圧送するオイル圧送手段と、 を備えたことを特徴とする燃料ポンプ。
  2. 【請求項2】前記オイル圧送手段として、 オイルが充填される補充油通路を画成するサブシリンダ
    と、 サブシリンダに摺動可能に嵌合するサブピストンとを備
    え、 前記駆動手段としてメインピストンとサブピストンを往
    復動させる共通のカムを備えたことを特徴とする請求項
    1に記載の燃料ポンプ。
  3. 【請求項3】前記カムが収装されるカム室を備え、 カム室にオイルを貯溜し、 サブピストンにそのストローク位置に応じてカム室と補
    充油通路を連通する吸入スリットを備えたことを特徴と
    する請求項2に記載の燃料ポンプ。
  4. 【請求項4】前記メインピストンのストローク位置が吸
    入行程から圧送行程に切り換わる下死点付近にサブピス
    トンのストローク位置が圧送行程となる構成としたこと
    を特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の燃
    料ポンプ。
  5. 【請求項5】前記補充油通路の余剰オイルを逃がす逃が
    し通路と、 逃がし通路から流出するオイルに対して開弁する調圧バ
    ルブとを備え、 調圧バルブの開弁圧をチェックバルブの開弁圧より高く
    設定したことを特徴とする請求項1から4のいずれか一
    つに記載の燃料ポンプ。
  6. 【請求項6】前記逃がし通路をカム室に接続したことを
    特徴とする請求項5に記載の燃料ポンプ。
  7. 【請求項7】前記燃圧室に燃料入口バルブを介して燃料
    を圧送する燃料導入通路を備え、 調圧バルブの開弁圧を燃料入口バルブの開弁圧より低く
    設定したことを特徴とする請求項6に記載の燃料ポン
    プ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP4652968B2 (ja) * 2005-12-21 2011-03-16 日本ケミカル工業株式会社 ラジエータ冷却液の再生装置及び再生方法

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