JPH11226114A - 医療用具表面のポリウレタン被覆方法 - Google Patents

医療用具表面のポリウレタン被覆方法

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JPH11226114A
JPH11226114A JP10050201A JP5020198A JPH11226114A JP H11226114 A JPH11226114 A JP H11226114A JP 10050201 A JP10050201 A JP 10050201A JP 5020198 A JP5020198 A JP 5020198A JP H11226114 A JPH11226114 A JP H11226114A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリアミドその他の酸アミド基含有樹脂製医
療用具の表面に強固に接合され、容易に剥離しないポリ
ウレタン被覆層を形成する。 【解決手段】 酸アミド基含有樹脂製基材の少なくとも
表面の酸アミド基をN−アシル化し、次いで、該基材表
面にポリウレタン溶液を適用することによってポリウレ
タン被覆層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸アミド基含有樹
脂製医療用具の表面にポリウレタン被覆層を形成する方
法に関する。さらに詳しくは、本発明は、ポリアミド樹
脂その他の酸アミド基含有樹脂製医療用具に抗血栓性を
付与するために、その表面にポリウレタン被覆層を形成
する方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド樹脂は、その優れた性質から
医療器具用途に広く用いられ、例えば、カテーテル、イ
ントロデューサ、シース、シリンジなどに用いられる。
これらの医療用器具は抗血栓性を有することが必要であ
り、そのため医療用具表面にポリウレタンの被覆層を形
成する方法が一般に採られている。
【0003】医療用具表面にポリウレタンの被覆層を形
成するには種々の方法が知られているが、それぞれ一長
一短を有している。例えば、エポキシ系、シアノアクリ
レート系、フェノール樹脂系などの接着剤を介して医療
用具表面にポリウレタン被覆を形成する方法が知られて
いるが、(イ)残留接着剤が医療に悪影響を及ぼすこと
がある、(ロ)高い接着強度を得ることが困難である、
(ハ)医療用具の材質によっては適当な接着剤がない場
合がある、(ニ)接着剤層が硬く、可撓性に乏しいなど
の問題点がある。
【0004】熱、高周波、超音波などを医療用具表面に
適用することによって同表面とポリウレタン被覆とを融
着する方法も知られている。しかしながら、被着材間の
融点差が小さくなければ高い接着力が得られないため融
着方法が採用できる医療用具材質には制約がある。医療
用具表面に、ポリウレタンをテトラヒドロフランその他
の溶剤に溶解してなる溶液を塗布することによってポリ
ウレタン被覆層を形成する方法も知られている。この溶
液法はポリウレタン被覆操作が簡便であるが、厚みのあ
るポリウレタン被覆層を形成することができず、また、
被覆層が剥がれ易い難点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の技
術に鑑み、本発明の目的は、酸アミド基含有樹脂製医療
用具の表面に剥離強度の高い強固なポリウレタン被覆層
を形成する方法を提供することにある。本発明者らは、
ナイロン製シート表面にポリウレタン被覆層を形成する
方法について検討を重ねた結果、ポリウレタン/THF
溶液の塗布に先立って、予めナイロン製シートをトリフ
ルオロ無水酢酸のTHF溶液に浸漬処理しておくことに
よって、ナイロン製シート表面にポリウレタン被覆層が
強固に形成されることを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0006】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、酸アミド基含有樹脂製基材の少なくとも表面の酸ア
ミド基をN−アシル化し、次いで、該基材表面にポリウ
レタン被覆層を形成することを特徴とする酸アミド基含
有樹脂製医療用具表面のポリウレタン被覆方法が提供さ
れる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の方法においてポリウレタ
ン被覆層を形成する被処理対象は酸アミド基含有樹脂製
基材であって、ポリウレタン被覆層の形成処理は樹脂基
材を医療用具の形態に成形する前または成形した後に行
うことができる。本発明方法の被処理対象である医療用
具としては、例えば、カテーテル、イントロデューサ、
シース、シリンジその他の体内に挿入する医療用具が挙
げられる。これらの医療用具のように人体組織ないし血
液と接触する医療用具では、抗血栓性が要求されるた
め、本発明のウレタン被覆方法の適用対象として特に効
果が大きい。その他、輸液回路などの体内への液体注入
回路、人工心臓などの循環回路または体液排出回路など
に用いられるシリンジなどにも適用することができる。
【0008】(酸アミド基含有樹脂)本発明方法の被処
理対象である医療用具基材を構成する酸アミド基含有樹
脂は、分子中に酸アミド基をもつ重合体からなり、その
酸アミド基は一級、二級および三級アミド基のいずれで
あってもよい。酸アミド基含有樹脂の例としては、酸ア
ミド結合の繰返しによって主鎖を構成するポリアミドが
代表的である。ポリアミドの具体例としては、ε−カプ
ロラクタムの開環重合体であるナイロン6、ヘキサメチ
レンジアミンとアジピン酸との縮重合体であるナイロン
66、ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸との縮重合
体であるナイロン610、11−アミノウンデカン酸の
縮重合体であるナイロン11、ω−ラウロラクタムの開
環重合体または12−アミノドデカン酸の縮重合体であ
るナイロン12が挙げられる。なかでもナイロン11が
好適に使用される。さらに、これらの他に、ウレタン結
合の繰返しによって構成されるポリウレタンおよび尿素
結合によるポリウレアなどが挙げられる。特にポリウレ
タンを医療用具の基材とする場合は、通常、基材の硬度
を高め、硬い材料として成形することが多く、このよう
な医療用具の表面に柔かいポリウレタン被覆層を形成す
る場合に本発明の方法が有効である。
【0009】(N−アシル化)酸アミド基含有樹脂製基
材の少なくとも表面の酸アミド基をN−アシル化するに
は、基材表面にアシル化剤の溶液を適用する。具体的に
は、常温ないし昇温下に酸アミド基含有樹脂製基材をア
シル化剤の溶液に浸漬するか、または酸アミド基含有樹
脂製基材表面上にアシル化剤溶液をスプレイ、塗布など
によりコーティングする。
【0010】(アシル化剤)アシル化剤としては、アセ
チル化剤が好適であり、その具体例としては、無水酢
酸、トリフルオロ無水酢酸、トリクロロ無水酢酸、トリ
ブロモ無水酢酸などの酢酸無水物もしくはハロゲン化酢
酸無水物、および弗化アセチル、塩化アセチル、臭化ア
セチルなどの酢酸ハロゲン化物などが挙げられる。アシ
ル化剤の溶液の調製に用いる溶剤は、アシル化剤を溶解
し得るものであれば格別限定されるものではなく、その
具体例としてはメチルエチルケトンなどのケトン、テト
ラヒドロフランなどのエーテル、塩化メチレンなどのハ
ロゲン化炭化水素などが挙げられる。溶液中のアシル化
剤の濃度も格別限定されることはなく、一般に、1〜3
0重量%、好ましくは1〜10重量%の範囲から選ばれ
る。
【0011】(ポリウレタン被覆層の形成)本発明方法
において、酸アミド基含有樹脂製基材表面にポリウレタ
ン被覆層を形成するために、前記N−アシル化した該樹
脂製基材の表面にポリウレタン溶液を適用する。前記N
−アシル化の反応は、アシル化剤を適用することによっ
て行われる。この反応によって基材表面の酸アミド基の
窒素原子にアシル基が導入されるが、N−アシル化酸ア
ミド基は空気中の湿分によって容易に加水分解され、元
の酸アミド基に戻る。従って、N−アシル化の後、短時
間(例えば、10秒〜10分間)風乾し、直ちにポリウ
レタン溶液を適用することが好ましい。
【0012】(ポリウレタン被覆層)表面被覆層形成材
として用いるポリウレタンはウレタン結合を有する高分
子化合物であるが、本発明で用いるポリウレタンとして
は、ポリウレタンのみならず、ポリウレタンウレア、ポ
リウレタン・シリコーンブロック共重合体、フッ素化ポ
リウレタン、フッ素化ポリウレタンウレアなどのポリウ
レタン系ポリマーが含まれる。また、ポリウレタンとポ
リジメチルシロキサンとのブレンドなど、ポリウレタン
と異種ポリマーとのブレンド物も使用できる。
【0013】ポリウレタンとしては、例えば、4,4′
−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)や水添
MDI、ヘキサメチレンジイソシアネートなどのジイソ
シアネートと1,4−ブタンジオールやエチレングリコ
ールなどの短鎖ジオールからなるウレタンまたはウレア
結合をハードセグメントとし、ポリオキシテトラメチレ
ングリコールやポリオキシプロピレングリコールなどの
ポリエーテル、エチレンアジペートやブチレンアジペー
トなどのアジピン酸エステル、ポリカプロラクトンやポ
リカーボネートなどの脂肪族ポリエステル等をソフトセ
グメントとするポリウレタンが挙げられる。鎖延長剤と
しては1,4−ブタンジオールやエチレングリコールな
どの短鎖ジオールあるいはエチレンジアミンなどのジア
ミンが使用される。ポリウレタンは、プレポリマー法、
ワンショット法、その他の方法により合成することがで
きる。
【0014】ポリウレタンは適当な溶剤を用いて調製し
た溶液として、N−アシル化処理した酸含有樹脂製基材
の表面に適用される。ポリウレタン溶液の調製に用いる
溶剤は、ポリウレタンを溶解し得るものであれば格別限
定されるものではなく、その具体例としてはテトラヒド
ロフランなどのエーテル、ジメチルホルムアミドなどが
挙げられる。溶液中のポリウレタン濃度は通常1〜30
重量%、好ましくは5〜20重量%の範囲から選ばれ
る。ポリウレタン溶液の適用には、医療用具基材をポリ
ウレタン溶液中に浸漬する方法、ポリウレタン溶液をス
プレイ、塗布などによりコーティングする方法などが採
られる。ポリウレタンの適用量は概して0.5〜100
g/m2 、好ましくは5〜40g/m2 、特に好ましく
は10〜30g/m2 である。
【0015】(脱アシル化)ポリウレタン被覆層を形成
した基材は、その後、脱アセチル化反応によりN−アシ
ル化アミド基は元のアミド基に再生されアミド基間の水
素結合が復活する。脱アシル化のための方法は特に限定
されないが、室温空気中に1時間〜1週間放置すること
により空気中の水分によってアシル基を加水分解する方
法が挙げられる。この場合空気中の湿度が50%以上で
あることが好ましい。 (ポリウレタン被覆層の架橋)所望により、ポリウレタ
ンは架橋ポリウレタンとすることができる。架橋ポリウ
レタンとすることにより永久ひずみが小さく、伸びの大
きいポリウレタン被覆層となる。ポリウレタンの架橋に
は、アロファネート架橋やビュレット架橋など種々の架
橋があるが、いずれも採用できる。ポリウレタンの架橋
は、被覆層の形成前および形成後のいずれの段階で行っ
てもよいが、樹脂基材表面に塗工して被覆層を形成した
後が好ましい。
【0016】ポリウレタンを架橋するには、例えば、分
子鎖末端や分子鎖中に活性なイソシアネート基が残存す
る不完全ポリウレタンを用いる方法がある。不完全ポリ
ウレタンは、ポリウレタンのハードセグメントを形成す
るジイソシアネートをポリオール化合物に対して化学量
論的に過剰に仕込んで重合することにより得ることがで
きる。この不完全ポリウレタンを用いて所定の被覆層を
形成した後、加熱すると残存イソシアネート基によるア
ロファネート架橋が生じる。架橋のための加熱処理は、
通常、80〜150℃で数10分から数時間加熱するこ
とにより行う。
【0017】また、ポリウレタンに、硬化剤や有機過酸
化物などを加えたものを使用し、被覆層形成後、加熱し
て架橋させる方法がある。湿気硬化型ポリウレタンの場
合には、被覆層形成後、空気中に放置することで架橋さ
せることができる。他の架橋方法としては、単分子ポリ
イソシアネートを用いて架橋する方法が挙げられる。ポ
リウレタンを所定の被覆層に形成した後、ポリイソシア
ネートを含む溶媒中に浸漬処理し、しかる後、加熱して
架橋する。例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソ
シアネートを溶解したテトラヒドロフラン溶液に、所定
の被覆層を形成した基材を数秒から数10秒間浸漬し、
引き上げた後、80〜150℃で、数10分から数時間
加熱すると、アロファネート架橋及び/またはビューレ
ット架橋が生じ、架橋ポリウレタン被覆層を得ることが
できる。
【0018】
【実施例】以下、実施例について本発明のポリウレタン
被覆方法を具体的に説明する。実施例1〜6 (試験用シート)表面にポリウレタン被覆層を形成すべ
き樹脂基材として下記3種類の試験用シートを用いた。
【0019】(1)ポリウレタンシート(ポリエーテル
ポリオールと4,4−ジフェニルメタンジイソシアネー
トとの重付加反応により合成し、ショアD硬度60のシ
ートを調製した。) 10mm×60mm×0.2mm厚 (2)ポリアミドシート(11−アミノウンデカン酸の
重縮合により合成) 10mm×60mm×0.1mm厚 (3)ポリウレアシート(ポリエーテルポリアミンと
4,4−ジフェニルメタンジイソシアネートとの重付加
反応により合成) 10mm×60mm×0.2mm厚
【0020】(N−アシル化)各試験用シートは、次の
アセチル化剤にてN−アセチル化を行った。 (イ)5重量%塩化アセチル/メチルエチルケトン溶液 (ロ)5重量%塩化アセチル/テトラヒドロフラン溶液 (ハ)5重量%トリフルオロ無水酢酸/メチルエチルケ
トン溶液 (ニ)5重量%トリフルオロ無水酢酸/テトラヒドロフ
ラン溶液
【0021】ポリウレタンシート(1)は上記(イ)お
よび(ハ)を別々に用いてN−アセチル化し、ポリアミ
ドシート(2)は上記(ロ)および(ニ)を別々に用い
てN−アセチル化し、また、ポリウレアシート(3)は
上記(イ)および(ハ)を別々に用いて、それぞれ下記
方法によりアセチル化した。すなわち、各試験用シート
は、それぞれシートの把持部分10mmを残し、ドラフ
ト(室温25℃)にて100mlビーカー中のアセチル
化剤50mlに1分間浸漬し、次いで、シートを引き上
げて、2分間風乾した後直ちに、ポリウレタン表面被覆
処理に用いた。
【0022】(ポリウレタン被覆層の形成)ポリウレタ
ンのペレットを溶解したテトラヒドロフラン溶液(濃度
10重量%)を用いて、ポリウレタン表面被覆処理を行
った。すなわち、シートの把持部分20mmを粘着テー
プでマスクし、ドラフト(室温25℃)にてシャーレの
中のポリウレタン溶液に片面を浸してゆっくり引き上げ
ることによって1度目のコートを行い、3分間風乾後、
2度目のコートを行ない約0.2mmのコート厚みを得
た。室温で1週間放置後に剥離試験した。なお、被覆層
の形成に使用したポリウレタンの硬度はショアA硬度9
0であり、基材として使用したポリウレタン樹脂と比較
して軟かいものであった。
【0023】(N−アセチル化およびN−アセチル化の
確認)N−アセチル化後ポリウレタン被覆処理前のポリ
ウレタン基材およびポリアミド基材の表面IR測定によ
りN−アセチルアミド基の特性吸収を調べたところ、ポ
リウレタンでは1783cm-1および1767cm-1
ポリアミドでは1719cm-1に特性吸収が認められた
ことから基材表面の酸アミド基のN−アセチル化が確認
された。さらに、ポリウレタン被覆処理後室温で1週間
放置した後のポリウレタン基材およびポリアミド基材の
表面IR測定によりN−アセチルアミド基の特性吸収を
調べたところ上記の特性吸収は消失しており、脱アセチ
ル化したことが確認された。
【0024】(剥離試験)剥離強さは、JIS K68
54(接着剤の剥離接着強さ試験方法)に準拠してT型
剥離試験を行うことによって評価した。すなわち、シー
トの粘着テープマスク部を把持して速度100mm/分
にて剥離し、平均剥離荷重を読み取った。結果は表1に
示す。
【0025】比較例1〜11 各実施例で用いたものと同じ基材をN−アセチル化する
ことなく各実施例と同様にポリウレタン被覆処理を行っ
た(比較例1〜3)。また、各基材をN−アセチル化す
ることなくポリウレタン接着剤[コニシ(株)製KU1
0]またはエポキシ接着剤[コニシ(株)製Eセット
L]を塗布し、その上にポリウレタンシート基材(1)
と同じポリウレタンシートを重ね合わせ100g分銅で
圧着した。1日後取り出し、室温で1週間放置後に剥離
試験した(比較例4〜9)。
【0026】また、各基材をN−アセチル化することな
く、その上にポリウレタンシート基材(1)と同じポリ
ウレタンシートを重ね合わせ、120℃、0.1kg/
cm2 圧にて10秒間融着処理した。室温で1週間放置
後に剥離試験した(比較例10〜12)。各剥離試験の
結果は表1に示す。
【0027】
【発明の効果】本発明に従って酸アミド基含有樹脂製基
材の少くとも表面の酸アミド基をN−アシル化すること
によってポリマー鎖が切断されることなくアミド基間の
水素結合が、解除されるため、その後、ポリウレタン溶
液を塗工すると、基材と強固に接着したポリウレタン被
覆層が形成される。その後、N−アシル化アミド基のア
シル基は空気中の水分により加水分解されるので元のア
ミド基が再生されてアミド基間の水素結合が復活するた
め、酸アミド基含有樹脂製基材の良好な物性が維持され
る。
【0028】従って、本発明方法により表面にポリウレ
タン被覆層を形成する方法は、例えば、カテーテル、イ
ントロデューサ、シース、シリンジその他の体内に挿入
する医療用具を初めとし、輸液回路などの体内への液体
注入回路、人工心臓などの循環回路または体液排出回路
などに用いられるシリンジなどの医療用具にも適用でき
る。
【0029】発明の好ましい実施態様 本発明の酸アミド基含有樹脂製医療用具表面のポリウレ
タン被覆方法、すなわち、酸アミド基含有樹脂製基材の
少なくとも表面の酸アミド基をN−アシル化し、次いで
該基材表面にポリウレタン層を形成する方法の好ましい
実施態様をまとめると以下のとおりである。
【0030】1.酸アミド基含有樹脂製基材がポリウレ
タン、ポリアミドまたはポリウレアからなる。 2.酢酸無水物およびハロゲン化酢酸無水物ならびに酢
酸ハロゲン化物の中から選ばれたアシル化剤の溶液を適
用することによって酸アミド基含有樹脂製基材の表面の
酸アミド基をN−アシル化する。
【0031】3.前項のアシル化剤の溶液の濃度が1〜
30重量%、より好ましくは1〜10重量%である。 4.ポリウレタン被覆層の形成は、ポリウレタンの1〜
30重量%、より好ましくは5〜20重量%濃度の溶液
を適用することにより行う。 5.ポリウレタン被覆層の形成に用いるポリウレタンの
適用量は0.5〜100g/m2 、より好ましくは5〜
40g/m2 、特に好ましくは10〜30g/m2 、で
ある。
【表1】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸アミド基含有樹脂製基材の少なくとも
    表面の酸アミド基をN−アシル化し、次いで、該基材表
    面にポリウレタン被覆層を形成することを特徴とする酸
    アミド基含有樹脂製医療用具表面のポリウレタン被覆方
    法。
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