JPH11224902A - ネット分類方法、ネット分類装置、および当該方法のプログラムを記録したコンピュータで読取り可能な記録媒体 - Google Patents

ネット分類方法、ネット分類装置、および当該方法のプログラムを記録したコンピュータで読取り可能な記録媒体

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JPH11224902A
JPH11224902A JP10025662A JP2566298A JPH11224902A JP H11224902 A JPH11224902 A JP H11224902A JP 10025662 A JP10025662 A JP 10025662A JP 2566298 A JP2566298 A JP 2566298A JP H11224902 A JPH11224902 A JP H11224902A
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terminals
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回路特性のよい回路のパターン設計を効率よ
く行なうことができるネット分類装置を提供する。 【解決手段】 ネット分類装置は、ネット22および要
求仕様24に基づき、ネット22のグループ化(分類)
を行なう(S2)。S2でグループ化されたネットを、
部品ライブラリ26に従い、ネットの構成要素に基づ
き、さらに分類する(S4)。S4でグループ化された
ネットを構成する配線の仮想配線長を、部品配置27お
よび部品の端子配置29に基づき算出し、算出結果に基
づきネットを分類する(S6)。部品配置27および部
品の端子位置29よりネットの端子位置を算出し、ネッ
トの端子位置に基づき、S6でグループ化されたネット
をグループ化し、グループ化されたネット30として磁
気ディスク13に書込む(S8)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ネット分類方法、
ネット分類装置、および当該方法のプログラムを記録し
たコンピュータで読取り可能な記録媒体に関し、特に、
回路特性のよい回路のパターン設計を効率よく行なうこ
とができるネット分類方法、ネット分類装置、および当
該方法のプログラムを記録したコンピュータで読取り可
能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に半導体集積回路やプリント基板な
どでのパターン設計とは、部品間を接続するネットの配
線経路を決定するものを指す。図18(A)を参照し
て、ネットとは、一連の配線で相互に接続された、また
は相互に接続されるべき端子およびその配線の集合をさ
す。回路中には通常非常に多くのネットが存在する。こ
のため、ネットごとにパターン設計を行なったのでは設
計時間が多くかかり、非常に作業効率が悪くなる。ま
た、回路中では複数のネットが共同して動作を行なう場
合がある。このような場合に、ネットごとにパターン設
計を行なったのでは、複数のネット間での配線経路の調
整が難しく、ネット間で配線長や回路特性がそろわず、
回路の誤動作が生じる場合がある。さらに、シールド対
策などの所定の対策が必要となるネットは、グループ化
して取り扱った方が、対策がし易くなる。そこで、複数
のネットを1つのグループとしてまとめて取り扱うため
に、ネットを分類してグループ化する手法が必要とな
る。
【0003】従来のグループ化手法として、特開平4−
115368号公報に開示の束線検出装置がある。この
装置では、ピンペア(pin pair)を単位として、ピンペ
アがX軸となす角度によってネットのグループ化を行な
っている。図18(B)を参照して、ピンペアとは、ネ
ットを2端子対に分解した際の、それぞれの端子対およ
びその間の配線をさす。
【0004】他の従来のグループ化手法として、特開平
6−290233号公報に開示のレイアウト検証装置が
ある。この装置では、素子を単一の要素(電流密度)に
基づき、グループ化している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の束線検
出装置は、以下に示す課題を有する。 (1)パターン設計においては、仕様が異なる2つのネ
ットに対してはそれぞれ別個の対策(信号反射を抑える
ための終端抵抗挿入など)が必要となる。しかし、すべ
てのネットについて対策を施していたのでは、非常に効
率が悪い。このため、仕様の同じネットをグループ化
し、グループごとに仕様に応じた対策を施すと良い。と
ころが上述の束線検出装置では端子位置に基づき、ピン
ペア単位でのグループ化を行なっている。このため、仕
様の同じネットを同一のグループにグループ化すること
ができず、グループごとにネットの仕様に応じた対策を
施すことができない。このため、効率の良いパターン設
計を行なうことができない。 (2)2つのネットが同じ仕様の場合でも、それぞれの
ネットを構成する端子の種類や数、または配線長が異な
る場合には、仕様の実現方法が異なる。このため、ネッ
トの構成に応じてネットのグループ化を行なうことによ
り、それぞれのグループに応じた対策を行なうことが効
率の良いパターン設計のためには必要である。ところ
が、上述の束線検出装置は、端子位置に基づいたグルー
プ化を行なうため、ネットの構成に応じたグループごと
の設計を行なうことができず、効率の良いパターン設計
を行なうことができない。 (3)構成要素が同じネットであっても、端子位置の分
布が異なればパターン設計時の対策が異なる。このた
め、束線検出装置で行なわれるような端子位置によるグ
ループ化が必要とされる。しかし、束線検出装置では、
仕様がネット単位で与えられるのに対し、グループ化が
ピンペア単位で行なわれるため、仕様を満たすようなパ
ターン設計を行なうことが困難であり、効率の良いパタ
ーン設計を行なうことができない。
【0006】また、プリント基板などのネットのグルー
プ化では、配線長や端子の位置、端子の種類など、複数
の要素を階層的に考慮して、ネットのグループ化を行な
う必要がある。しかし、上述のレイアウト検証装置で
は、電流密度などの単一要素に基づき、素子のグループ
化を行なっている。このため、性質の異なるネットが同
一グループ内に含まれてしまい、グループ内のすべての
ネットに対してまとめて対策を施すことができなくな
る。よって、効率の良いパターン設計を行なうことがで
きない。
【0007】本発明は、上述の課題を解決するためにな
されたもので、その目的は、回路特性のよい回路のパタ
ーン設計を効率よく行なうことができるネット分類方
法、ネット分類装置、および当該方法のプログラムを記
録したコンピュータで読取可能な記録媒体を提供するこ
とである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
係る一連の配線で相互に接続された、または相互に接続
されるべき端子および配線の集合であるネットを分類す
るネット分類方法は、所定データを記憶装置より読出す
第1のステップと、所定データに従い、ネットを分類す
る第2のステップとを含む。
【0009】請求項1に記載の発明によると、ネット単
位で分類を行なう。このため、同一のグループに分類さ
れたネットは、同一または類似の回路特性を持つ。よっ
て、回路特性のよい回路のパターン設計を効率よく行な
うことができる。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明の構成に加えて、上記第1のステップは、ネット
の要求仕様を記憶装置より読出すステップを含み、上記
第2のステップは、要求仕様に基づき、ネットを分類す
るステップを含む。
【0011】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明の作用、効果に加えて、同一のグループに分類さ
れたネットは、同一または類似の仕様を満たす。このた
め、同一グループ内のネット間で信号動作がほぼ等しく
なることが保証され、回路特性のよい回路のパターン設
計を効率よく行なうことができる。
【0012】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の発明の構成に加えて、上記要求仕様は、ネットを流れ
る信号の波形である。
【0013】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の発明の作用、効果に加えて、同一のグループに分類さ
れたネットは、同一または類似の信号波形を有する。こ
のため、信号特性のよい回路のパターン設計を効率よく
行なうことができる。
【0014】請求項4に記載の発明は、請求項2に記載
の発明の構成に加えて、上記要求仕様は、ネットを流れ
る信号の動作周波数である。
【0015】請求項4に記載の発明は、請求項2に記載
の発明の作用、効果に加えて、同一のグループに分類さ
れたネットは、同一または類似の動作周波数を有する。
このため、周波数特性のよい回路のパターン設計を効率
よく行なうことができる。
【0016】請求項5に記載の発明は、請求項2に記載
の発明の構成に加えて、上記要求仕様は、ネットが同期
するクロック信号の種類である。
【0017】請求項5に記載の発明は、請求項2に記載
の発明の作用、効果に加えて、同一のグループに分類さ
れたネットは、同一または類似のクロック信号に同期す
る。このため、信号特性のよい回路のパターン設計を効
率よくを行なうことができる。
【0018】請求項6に記載の発明は、請求項2に記載
の発明の構成に加えて、上記要求仕様は、ネットを流れ
る信号の遅延許容量である。
【0019】請求項6に記載の発明は、請求項2に記載
の発明の作用、効果に加えて、同一のグループに分類さ
れたネットは、同一または類似の信号の遅延許容量を有
する。このため、信号特性のよい回路のパターン設計を
効率よく行なうことができる。
【0020】請求項7に記載の発明は、請求項1に記載
の発明の構成に加えて、上記第1のステップは、ネット
を構成する端子の種類を表す部品ライブラリを記憶装置
より読出すステップを含み、上記第2のステップは、部
品ライブラリに従い、ネットの構成要素を選択するステ
ップと、構成要素に基づき、同一の端子構成を有するネ
ットを同一のグループに分類するステップとを含む。
【0021】請求項7に記載の発明は、請求項1に記載
の発明の作用、効果に加えて、同一のグループに分類さ
れたネットは、同一の端子構成を有する。このため、同
一のグループ内のネット間で信号動作がほぼ等しくなる
ことが保証され、回路特性のよい回路のパターン設計を
効率よく行なうことができる。
【0022】請求項8に記載の発明は、請求項7に記載
の発明の構成に加えて、上記構成要素は、ネットを構成
する端子の種類および数である。
【0023】請求項9に記載の発明は、請求項1に記載
の発明の構成に加えて、上記第1のステップは、ネット
を構成する部品の部品配置および部品を構成する端子の
端子位置を記憶装置より読出すステップを含み、上記第
2のステップは、部品配置および端子位置よりネットを
構成する配線の仮想配線長を算出するステップと、仮想
配線長に基づき、ネットを分類するステップとを含む。
【0024】請求項9に記載の発明は、請求項1に記載
の発明の作用、効果に加えて、同一のグループに分類さ
れたネットは、同一または類似の仮想配線長を有する。
このため、同一グループに属するネット間で信号動作が
ほぼ等しくなることが保証され、回路特性のよい回路の
パターン設計を効率よく行なうことができる。
【0025】請求項10に記載の発明は、請求項1に記
載の発明の構成に加えて、上記第1のステップは、ネッ
トを構成する部品の部品配置および部品を構成する端子
の端子位置を記憶装置より読出すステップを含み、上記
第2のステップは、部品配置および端子位置よりネット
を構成する端子の端子位置を算出するステップと、ネッ
トを構成する端子の端子位置に基づき、ネットを分類す
るステップとを含む。
【0026】請求項10に記載の発明は、請求項1に記
載の発明の作用、効果に加えて、同一のグループに分類
されたネットは、同一または類似の端子配置を有する。
このため、回路のパターン設計を効率よく行なうことが
できる。
【0027】請求項11に記載の発明に係る一連の配線
で相互に接続された、または相互に接続されるべき端子
および配線の集合であるネットを分類するネット分類装
置は、所定データを記憶装置より読出すための第1の手
段と、所定データに従い、ネットを分類するための第2
の手段とを含む。
【0028】請求項11に記載の発明によると、ネット
単位で分類を行なう。このため、同一のグループに分類
されたネットは、同一または類似の回路特性を持つ。よ
って、回路特性のよい回路のパターン設計を効率よく行
なうことができる。
【0029】請求項12に記載の発明に係るコンピュー
タで読取り可能な記録媒体は、所定データを記憶装置よ
り読出す第1のステップと、所定データに従い、一連の
配線で相互に接続された、または相互に接続されるべき
端子および配線の集合であるネットを分類する第2のス
テップとを含む一連の配線で相互に接続された、または
相互に接続されるべき端子および配線の集合であるネッ
トを分類するネット分類方法のプログラムを記録してい
る。
【0030】請求項12に記載の発明によると、ネット
単位で分類を行なう。このため、同一のグループに分類
されたネットは、同一または類似の回路特性を持つ。よ
って、回路特性のよい回路のパターン設計を効率よく行
なうことができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、本発明
における実施の形態の1つであるネット分類装置につい
て説明する。なお、以下の説明では、同一の部品には同
一の参照符号を付す。それらの名称および機能も同一で
あるので、説明の繰返しは適宜省略する。
【0032】図1を参照して、ネット分類装置は、コン
ピュータ1と、コンピュータ1に指示を与えるためのキ
ーボード5およびマウス6と、コンピュータ1により演
算された結果等を表示するためのディスプレイ2と、コ
ンピュータ1が実行するプログラムをそれぞれ読取るた
めの磁気テープ装置3、CD−ROM(Compact Disc-R
ead Only Memory )装置7および通信モデム9とを含
む。
【0033】ネットの分類を行なうプログラムは、コン
ピュータ1で読取可能な記録媒体である磁気テープ4ま
たはCD−ROM8に記録され、磁気テープ装置3およ
びCD−ROM装置7でそれぞれ読取られる。または、
通信回線を介して通信モデム9で読取られる。
【0034】図2を参照して、コンピュータ1は、磁気
テープ装置3、CD−ROM装置7または通信モデム9
を介して読取られたプログラムを実行するためのCPU
(Central Processing Unit )10と、コンピュータ1
の動作に必要なその他のプログラムおよびデータを記憶
するためのROM(Read Only Memory) 11と、プログ
ラム、プログラム実行時のパラメータ、演算結果などを
記憶するためのRAM(Random Access Memory)12
と、プログラムおよびデータなどを記憶するための磁気
ディスク13とを含む。
【0035】図3を参照して、ネット分類装置が行なう
処理に付いて説明する。ネット分類装置は、磁気ディス
ク13に記憶されたネット22および要求仕様24を読
出し、ネット22のグループ化(分類)を行なう(S
2)。磁気ディスク13に記憶された部品ライブラリ2
6を読出し、ネットの構成要素に基づき、S2でグルー
プ化されたネットをさらに分類する(S4)。ここで
は、各ネットを構成する端子の種類とその数に基づきネ
ットをグループ化する。
【0036】S4でグループ化されたネットを構成する
配線の仮想配線長を、磁気ディスク13に記憶された部
品配置27および部品の端子配置29に基づき算出し、
算出結果に基づきネットを分類する(S6)。部品配置
27および部品の端子位置29よりネットの端子位置を
算出し、ネットの端子位置に基づき、S6でグループ化
されたネットをグループ化し、グループ化されたネット
30として磁気ディスク13に書込む(S8)。
【0037】以下、S2〜S8までの処理をそれぞれ詳
細に説明する。S2の処理を詳述する。要求仕様24に
は、以下の4つの要求仕様項目が含まれる。
【0038】(1)ネットを流れる信号の波形 (2)ネットを流れる信号の動作周波数 (3)ネットが同期するクロック信号の種類 (4)ネットを流れる信号の遅延許容値 図4を参照して、ネット分類装置は、4つの要求仕様の
うち、着目する要求仕様項目をユーザの選択、またはプ
ログラムの記述に従い選択する(S12)。選択された
要求仕様項目に基づいてネットの分類を行なう(S1
4)。すべての要求仕様項目についてネットの分類を行
なったか否かの判断を行なう(S16)。すべての要求
仕様項目についてのネットの分類が終了したと判断した
場合には(S16でYES)、処理を終了する。残りの
要求仕様項目についてのネットの分類があると判断した
場合には(S16でNO)、S12に戻る。
【0039】S12で要求仕様として、ネットに流れる
信号波形を選択した場合には、信号の立ち上がり時間お
よび立下り時間の双方が等しい場合に、ネットが同一の
グループに分類される。図5を参照して、上段の信号波
形を第1のネットの信号波形とし、下段の信号波形を第
2のネットの信号波形とする。2つの信号波形の立ち上
がり時間aおよびa' 、ならびに立下り時間bおよび
b' が共に異なるため、第1のネットと第2のネットと
は別のグループに分類される。
【0040】ネット1からネット7までの7つのネット
の各々について、ネットに流れる信号の動作周波数、ネ
ットが同期するクロック信号の種類、およびネットに流
れる信号の遅延許容値のそれぞれの要求仕様が図6に示
すとおり与えられているとする。図7を参照して、図4
のS12の処理で、要求仕様項目としてネットに流れる
信号の動作周波数を選択し、S14の処理でネットを分
類した結果、(ネット1、ネット2)、(ネット3、ネ
ット4、ネット5)、(ネット6、ネット7)の3つの
グループに分類される。図8を参照して、ネットが同期
するクロック信号の種類に基づき、同様にネットの分類
を行なう。この結果、(ネット3、ネット4、ネット
5)のグループが、(ネット3)と(ネット4、ネット
5)との2つのグループにさらに分類される。図9を参
照して、ネットに流れる信号の遅延許容値に基づき、同
様にネットの分類を行なう。この結果、(ネット6、ネ
ット7)のグループが(ネット6)と(ネット7)の2
つのグループにさらに分類される。結果として、(ネッ
ト1、ネット2)、(ネット3)、(ネット4、ネット
5)、(ネット6)、(ネット7)の5つのグループに
分類されたこととなる。なお、ネット6の遅延許容値1
5nsとネット7の遅延許容値18nsとの差が小さく
回路の動作上問題とならないと判断される場合には、同
一のグループとしてもよい。
【0041】図10を参照して、図3のS4の処理を詳
述する。図10に示す処理は、S2の処理で分類された
ネットの各グループに対してそれぞれ実行される。した
がって、以下の説明では、そのうちの1つのグループに
着目し、そのグループに含まれるネットのグループ化を
説明するものとする。ネットを1つ選択し、部品ライブ
ラリ26に従い、ネットの構成要素を選択する(S2
2)。ネットの構成要素とは、ネットに接続されている
端子の構成をさす。ネットの端子の構成とは、ネットに
接続されている端子の種類とその個数との情報である。
端子の種類は、端子が入力端子、出力端子、および入出
力端子のいずれであるか、ならびに、端子が出力端子の
場合にはドライブ能力、端子が入力端子の場合には負荷
の大きさなどにより定まる。端子の種類に関する情報
は、部品ライブラリ26に保持されている。
【0042】選ばれたネットの構成要素に基づき、同一
の構成要素を有するネットが同じグループにグループ化
されるようにネットを分類する(S24)。すべてのネ
ットについて、その構成要素に基づきネットの分類を行
なったか否かを判断する(S26)。すべてのネットに
対する分類が終了したと判断した場合には(S26でY
ES)、S4の処理を終了する。分類されていないネッ
トが存在する場合には(S26でNO)、S22の処理
に戻り、分類されていないネットに対して、上述の方法
を用いて同様のネットの分類を行なう。
【0043】図11を参照して、ネット1〜4をS4の
処理に従い分類する。ネット1およびネット2の各々
は、端子Aおよび2つの端子Cを含み、それぞれの端子
は相互に接続されているものとする。ネット3は、端子
Bおよび2つの端子Cを含み、それぞれの端子は相互に
接続されているものとする。ネット4は、端子Aおよび
端子Cを含み、それぞれの端子は相互に接続されている
ものとする。これら4つのネットを分類した結果を図1
2に示す。同一の構成要素を有するネットが1つのグル
ープに分類される。すなわち、(ネット1、ネット
2)、(ネット3)、(ネット4)の3つのグループに
分類されたことになる。
【0044】ここまでの分類で、同一グループ内のネッ
トは、その信号動作がほぼ等しくなることが保証され
る。このため、回路動作のシミュレーションなどを行な
う際には、同一のグループに含まれるあるネットの回路
動作で、そのグループに含まれる他のネットの回路動作
を代表させることができる。
【0045】図13を参照して、図3のS6の処理を詳
述する。図13に示す処理は、S4の処理で分類された
ネットの各グループに対してそれぞれ実行される。した
がって、以下の説明では、ある1つのグループに着目
し、そのグループに含まれるネットのグループ化を説明
するものとする。新しいグループGiを1つ作成する
(S32)。ユーザが、作成されたグループGiの指定
配線長Liを決定する(S34)。いずれのグループに
も分類されていないネットのうちあるネットNjを選択
する(S36)。ネットNjに含まれる部品の部品配置
27および部品の端子位置29に基づき、ネットNj上
での端子位置を算出し、算出した端子位置に基づきネッ
トNjの仮想配線長を求める(S37)。ネットNjの
仮想配線長と指定配線長Liとの差が所定閾値以下か否
かを判断する(S38)。差が、所定閾値以下であれば
(S38でYES)、ネットNjをグループGiに分類
する(S40)。差が、所定閾値よりも大きければ(S
38でNO)、すべてのネットが選択されたか否かを判
断する(S42)。すべてのネットが選択されていなけ
れば(S42でNO)、S36の処理に戻り、残りのネ
ットに対して、グループGiへの分類処理を行なう。す
べてのネットが選択されていれば(S42でYES)、
いずれのグループにも分類されていないネットが存在す
るか否かを判断する(S44)。すべてのネットの分類
が終了していれば(S44でNO)、S6の処理を終了
する。いずれのグループにも分類されていないネットが
存在する場合には(S44でYES)、S32の処理に
戻り、新たにグループを作成し、上述の処理を繰返す。
【0046】図14を参照して、ネット1〜5をS6の
処理に従い分類する。ネット1〜5の仮想配線長は、そ
れぞれ135.2、128.2、76.3、82.2、
25.9とする。図13のS38の判定処理で用いられ
る閾値を10とする。図13のS32の処理でグループ
1を作成し、S34の処理でグループ1の指定配線長を
130とする。S44までの処理で、グループ1には、
ネット1およびネット2が含まれることになる。グルー
プに分類されていない残りのネット3〜5をグループに
分類するために、新たなグループ2を作成し(S3
2)、グループ2の指定配線長を80とする(S3
4)。S44までの処理で、グループ2には、ネット3
およびネット4が含まれることになる。さらにグループ
化されていない残りのネット5をグループに分類するた
めに、新たなグループ3を作成し(S32)、グループ
3の指定配線長を30とする(S34)。S44までの
処理で、グループ3には、ネット5が含まれることにな
る。この時点でグループ化されていないネットは存在し
ないため、(S44でNO)、S6の処理を終了する。
図15を参照して、最終的に、ネット1〜5は、(ネッ
ト1、ネット2)、(ネット3、ネット4)、(ネット
5)の3つのグループに分類されたことになる。
【0047】図16を参照して、図3のS8の処理を詳
述する。図16に示す処理は、S6の処理でグループ化
されたネット30の各グループに対してそれぞれ実行さ
れる。したがって、以下の説明では、ある1つのグルー
プに着目し、そのグループに含まれるネットのグループ
化を説明するものとする。あるグループGに含まれるネ
ットの各々に対して、各々のネットに含まれるすべての
部品の端子位置を部品配置27および部品の端子配置2
9より求める(S52)。グループGより、ネットを1
つ選択し、ネットNiとする(S54)。グループGよ
り、ネットを1つ選択し、Njとする(S56)。ネッ
トNiに含まれる部品の端子のそれぞれについて、ネッ
トNjに含まれる部品の端子のうち、最も距離が近いも
のを対応させる(S58)。ネットNiに含まれる部品
の端子と、ネットNjに含まれる部品の端子とが、1対
1に対応しているか否かを判断する(S60)。1対1
に対応していれば、対応づけられた端子同士の種類が同
じか否かを判断する(S62)。すべての端子の種類が
同じであれば(S62でYES)、対応する端子間の距
離を算出する(S64)。すべての端子間距離が所定の
閾値以下か否かを判断する(S66)。すべての端子間
距離が所定の閾値以下であれば(S66でYES)、ネ
ットNiとネットNjとは、近傍に存在するため同じグ
ループに分類する(S68)。ネットNiに含まれる部
品の端子とネットNjに含まれる部品の端子とが1対1
に対応していないと判断された場合(S60でNO)、
1対1に対応づけられた端子同士の種類が1つでも異な
ると判断された場合(S62でNO)、または端子間距
離が所定の閾値よりも大きい端子の組が存在すると判断
された場合には(S66でNO)、ネットNiに対応づ
けられたネットNjとしてすべてのネットが選択された
か否かを判断する(S70)。すべてのネットが選択さ
れていなければ(S70でNO)、S56の処理に戻
り、再度ネットを選択した後、S58以下の処理を繰返
す。すべてのネットが選択されていれば、ネットNiと
してすべてのネットが選択されたか否かを判断する(S
72)。すべてのネットが選択されていなければ(S7
2でNO)、S54の処理に戻り、再度ネットを選択し
た後、S56以下の処理を繰返す。すべてのネットが選
択されていれば(S72でYES)、ネットのグループ
が終了したとして、グループ化されたネット30として
磁気ディスク13に書き込んだ後(S73)、S8の処
理を終了する。
【0048】図17を参照して、ネットA〜DをS8の
処理に従い分類する。ネットA〜Dは、それぞれ端子A
1〜A3、端子B1〜B3、端子C1〜C3および端子
D1〜D3を含むものとする。また、同一の番号の添字
を付された端子は同一の種類の端子を表す。たとえば、
端子A1、B1、C1、およびD1は同じ種類の端子で
ある。端子A1〜A3は、それぞれ端子B1〜B3の近
傍に位置し、端子B1〜B3は、それぞれ端子C1〜C
3の近傍に位置し、端子C2〜C3は、それぞれ端子D
2〜D3の近傍に位置するものとする。ここでの「近傍
に位置する」とは、端子間の距離がS66の処理で用い
られる所定の閾値以下であることを指す。ネットNiと
してネットAを選択し(図16のS54)、ネットNj
としてネットBを選択する(S56)。端子A1〜A3
は、それぞれ端子B1〜B3に対応づけられ(S60で
YES)、その種類は同じである(S62でYES)。
また、端子間距離もすべて所定の閾値以下である(S6
6でYES)。このため、ネットAとネットBとは、同
一のグループに分類される(S68)。S54の処理で
NjとしてネットCを選択した場合には、端子間距離が
所定の閾値より大きいものが含まれるため(S66でN
O)、ネットAとネットCとは同一のグループには分類
されない。ネットAとネットDに対しても同様に同一の
グループには分類されない。ネットNiとしてネットB
を選択した場合には(S54)、ネットBとネットAと
が同一のグループに分類され、ネットBとネットCとが
同一のグループに分類される。このため、ネットAとネ
ットCとは、ネットBを媒介して同一のグループに分類
される。ネットNiとしてネットCを選択した場合には
(S54)、ネットCとネットBとが同一のグループに
分類される。端子D1の近傍に位置する端子が存在しな
いため、ネットDは、別のネットとして分類される。結
果として、ネットA〜Dは、(ネットA、ネットB、ネ
ットC)、(ネットD)の2つのグループに分類され
る。
【0049】このように、S8の処理では、類似する端
子分布を持つネットが同じグループに分類される。この
ため、後のパターン設計の効率が向上する。
【0050】上述のネット分類装置によりグループ化さ
れたネットに基づき、プリント基板の配線を行なうこと
ができる。同一のグループにグループ化されたネットの
端子位置分布はほぼ等しい。このため、同一のグループ
に含まれるネットの配線をまとめて行なうことにより、
ネットの実配線長や電気的特性を等しくすることができ
る。よって、同一グループ内のネットには、特性の等し
い信号が流れることになり回路の動作を安定させること
ができる。
【0051】また、対象とするネットがクロック回路等
の場合には、グループ毎にまとめてシールドを施すこと
ができる。このため、シールドの面積を最小限にするこ
とができ、プリント基板の配線密度を向上させることが
できる。
【0052】同一グループ内のネットは互いに電気的な
特性が等しくなり、信号の動作タイミングなども等しく
なる。このため、すべてのネットに対して動作検証を行
なわなくても、あるグループに存する特定のネットにつ
いて動作検証を行なえば、そのグループ内の他のネット
は同様の動作をすると考えられるため、他のネットに対
する動作検証が必要なくなる。このため、レイアウト設
計に要する時間を短縮することができる。
【0053】回路を安定に動作させるため、回路上に終
端抵抗などの対策部品を付加することがある。この部品
の抵抗値などはシミュレーション等により決定すること
ができるが、同一グループ内に含まれるネットは、電気
的特性がほぼ等しい。このため、複数のネットに対して
同じ種類の対策部品を用いることができ、ネット毎に対
策部品を選定する手間が省け、レイアウト設計に要する
時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るネット分類装置の概
観図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るネット分類装置のブ
ロック図である。
【図3】ネット分類装置の動作を示すフローチャートで
ある。
【図4】要求仕様に基づき、ネットを分類する処理を示
すフローチャートである。
【図5】ネットの信号波形を説明する図である。
【図6】要求仕様に基づいたネットの分類を説明する図
である。
【図7】要求仕様に基づいたネットの分類を説明する図
である。
【図8】要求仕様に基づいたネットの分類を説明する図
である。
【図9】要求仕様に基づいたネットの分類を説明する図
である。
【図10】構成要素に基づき、ネットを分類する処理を
示すフローチャートである。
【図11】構成要素に基づいたネットの分類を説明する
図である。
【図12】構成要素に基づいたネットの分類を説明する
図である。
【図13】仮想配線長に基づき、ネットを分類する処理
を示すフローチャートである。
【図14】仮想配線長に基づいたネットの分類を説明す
る図である。
【図15】仮想配線長に基づいたネットの分類を説明す
る図である。
【図16】ネットを構成する端子の端子位置に基づき、
ネットを分類する処理を示すフローチャートである。
【図17】ネットを構成する端子の端子位置に基づいた
ネットの分類を説明する図である。
【図18】ネットおよびピンペアを説明する図である。
【符号の説明】 1 コンピュータ 3 磁気テープ装置 4 磁気テープ 7 CD−ROM装置 8 CD−ROM 9 通信モデム 10 CPU 22 ネット 24 要求仕様 26 部品ライブラリ 27 部品配置 29 部品の端子位置 30 グループ化されたネット

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一連の配線で相互に接続された、または
    相互に接続されるべき端子および前記配線の集合である
    ネットを分類するネット分類方法であって、 所定データを記憶装置より読出す第1のステップと、 前記所定データに従い、前記ネットを分類する第2のス
    テップとを含む、ネット分類方法。
  2. 【請求項2】 前記第1のステップは、前記ネットの要
    求仕様を前記記憶装置より読出すステップを含み、 前記第2のステップは、前記要求仕様に基づき、前記ネ
    ットを分類するステップを含む、請求項1に記載のネッ
    ト分類方法。
  3. 【請求項3】 前記要求仕様は、前記ネットを流れる信
    号の波形である、請求項2に記載のネット分類方法。
  4. 【請求項4】 前記要求仕様は、前記ネットを流れる信
    号の動作周波数である、請求項2に記載のネット分類方
    法。
  5. 【請求項5】 前記要求仕様は、前記ネットが同期する
    クロック信号の種類である、請求項2に記載のネット分
    類方法。
  6. 【請求項6】 前記要求仕様は、前記ネットを流れる信
    号の遅延許容量である、請求項2に記載のネット分類方
    法。
  7. 【請求項7】 前記第1のステップは、前記ネットを構
    成する前記端子の種類を表す部品ライブラリを前記記憶
    装置より読出すステップを含み、 前記第2のステップは、 前記部品ライブラリに従い、前記ネットの構成要素を選
    択するステップと、 前記構成要素に基づき、同一の端子構成を有する前記ネ
    ットを同一のグループに分類するステップとを含む、請
    求項1に記載のネット分類方法。
  8. 【請求項8】 前記構成要素は、前記ネットを構成する
    前記端子の種類および数である、請求項7に記載のネッ
    ト分類方法。
  9. 【請求項9】 前記第1のステップは、前記ネットを構
    成する部品の部品配置および前記部品を構成する端子の
    端子位置を前記記憶装置より読出すステップを含み、 前記第2のステップは、 前記部品配置および前記端子位置より前記ネットを構成
    する前記配線の仮想配線長を算出するステップと、 前記仮想配線長に基づき、前記ネットを分類するステッ
    プとを含む、請求項1に記載のネット分類方法。
  10. 【請求項10】 前記第1のステップは、前記ネットを
    構成する部品の部品配置および前記部品を構成する端子
    の端子位置を前記記憶装置より読出すステップを含み、 前記第2のステップは、 前記部品配置および前記端子位置より前記ネットを構成
    する前記端子の端子位置を算出するステップと、 前記ネットを構成する前記端子の前記端子位置に基づ
    き、前記ネットを分類するステップとを含む、請求項1
    に記載のネット分類方法。
  11. 【請求項11】 一連の配線で相互に接続された、また
    は相互に接続されるべき端子および前記配線の集合であ
    るネットを分類するネット分類装置であって、 所定データを記憶装置より読出すための第1の手段と、 前記所定データに従い、前記ネットを分類するための第
    2の手段とを含む、ネット分類装置。
  12. 【請求項12】 一連の配線で相互に接続された、また
    は相互に接続されるべき端子および前記配線の集合であ
    るネットを分類するネット分類方法を記録したコンピュ
    ータで読取り可能な記録媒体であって、 前記ネット分類方法は、 所定データを記憶装置より読出す第1のステップと、 前記所定データに従い、前記ネットを分類する第2のス
    テップとを含む、コンピュータで読取り可能な記録媒
    体。
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