JPH11224648A - セラミック製放電ランプ - Google Patents

セラミック製放電ランプ

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JPH11224648A
JPH11224648A JP2319098A JP2319098A JPH11224648A JP H11224648 A JPH11224648 A JP H11224648A JP 2319098 A JP2319098 A JP 2319098A JP 2319098 A JP2319098 A JP 2319098A JP H11224648 A JPH11224648 A JP H11224648A
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Kazuyuki Mori
和之 森
Akishi Miyanaga
晶司 宮永
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多結晶アルミナ焼結体よりなる透光性の高い
バルブを具え、十分な発光動作と、長い使用寿命が得ら
れるセラミック製放電ランプを提供すること。 【解決手段】 酸化マグネシウムと、酸化カルシウムお
よび二酸化ケイ素の少なくとも一方とを含有してなる透
光性多結晶アルミナ焼結体よりなるバルブ内に、一対の
電極が互いに対向するよう配置されると共に金属ハロゲ
ン化物が封入されてなるセラミック製放電ランプにおい
て、バルブを形成する多結晶アルミナ焼結体は、酸化マ
グネシウムの含有割合が100〜300重量ppmであ
り、酸化カルシウムの酸化マグネシウムに対する重量比
が0.1以下であり、二酸化ケイ素の酸化マグネシウム
に対する重量比が0.5以下であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透光性多結晶アル
ミナ焼結体よりなるバルブを具えてなるセラミック製放
電ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、液晶表示装置のバックライト用光
源や紫外線処理装置の光源として、高圧または低圧の水
銀放電ランプやメタルハライドランプなどの放電ランプ
が使用されている。このような放電ランプでは、透光性
のバルブ内に一対の放電電極が互いに対向するよう配置
されると共に、水銀、希ガスおよび必要に応じて各種の
金属のハロゲン化物よりなる発光物質が封入されて構成
されている。放電ランプのバルブは、通常、石英ガラス
により形成され、球形または楕円球形の発光管部と、そ
の両端に一体に連設された封止管部とを有してなり、先
端に電極を有する電極構造体がこの封止管部において封
着されることによって、当該封止管部に気密封止構造が
形成されると共に、発光管部内に気密に伸びる電流供給
部が構成されている。
【0003】一方、透光性材料としては、例えばアルミ
ナ、イットリア、イットリウム−アルミニウム−ガーネ
ット(いわゆる「YAG」)、ジルコニアなどの透光性
セラミックスが知られており、この透光性セラミックス
は、石英ガラスに比較して、機械的強度が大きく、耐熱
温度が高く、また特定の金属元素に対して優れた耐蝕性
を有するなどの利点を有している。このため、最近にお
いては、このような透光性セラミックス、特に透光性多
結晶アルミナ焼結体によりバルブを形成したセラミック
製放電ランプが注目されている。
【0004】しかしながら、透光性多結晶アルミナ焼結
体よりなるバルブを具えたセラミック製放電ランプにお
いて、バルブ内に金属ハロゲン化物を封入してメタルハ
ライドランプを得る場合には、以下のような問題がある
ことが本発明者らの研究により判明した。すなわち、多
結晶アルミナ焼結体を得るための原料であるアルミナ粉
末には、不純物として酸化カルシウム(CaO)および
二酸化ケイ素(SiO2 )が通常少なくとも10重量p
pm程度以上の割合で含有されている。これらのCaO
およびSiO2 は、アルミナ粉末の焼結工程においてア
ルミナ結晶粒子の成長を促進する作用を有するためにア
ルミナ結晶粒子の異常成長が生じ、その結果、得られる
焼結体の機械的強度が低下したり、また焼結体の内部に
気泡が形成されて透光性が不十分なものとなることもあ
る。そして、アルミナ粉末からCaOやSiO2 などの
不純物を完全に除去することは相当に困難であり、コス
トが高いものとなる。
【0005】このような問題を解決するためには、原料
のアルミナ粉末に酸化マグネシウムを添加することが有
効である。これは、アルミナ粉末の焼結工程において、
酸化マグネシウムが異常成長抑制剤として作用するから
である。詳細に説明すると、酸化マグネシウムはアルミ
ナと共にスピネル相の複合酸化物を形成するが、この複
合酸化物がアルミナ中に含有されるカルシウムを固溶す
るためにAl−Ca−O系の液相が生成されることが防
止され、その結果、アルミナの結晶粒子が異常に成長す
ることが有効に防止されて好適なアルミナの結晶成長が
実現され、結局、粒子径の揃った、透光性の高い多結晶
アルミナ焼結体が得られるからである。そして、これら
の事情は、二酸化ケイ素についても同様である。
【0006】このように、アルミナ粉末に酸化マグネシ
ウムを添加したものを例えば水素ガス雰囲気中で焼結す
ることによって得られる多結晶アルミナ焼結体は、高い
透光性を有すると共にアルカリ金属に対する耐性が大き
く、従って高圧ナトリウムランプなどの発光管材料とし
て有用である。
【0007】然るに、当該多結晶アルミナ焼結体におい
て、酸化マグネシウムとアルミナとにより形成される複
合酸化物は、異相物質としてアルミナの粒界、すなわち
アルミナの結晶粒子とその周囲において隣接する結晶粒
子との間のスピネル相として微小間隙に存在するが、こ
の異相物質は、金属ハロゲン化物に対する化学的安定性
が低く、そのため、当該多結晶アルミナ焼結体よりなる
バルブ内に金属ハロゲン化物を封入してなるセラミック
製放電ランプにおいては、当該異相物質が金属ハロゲン
化物によって腐食されてバルブ内に不純物が放出される
ようになる。従って当該多結晶アルミナ焼結体を放電ラ
ンプのバルブ材料として用いた場合に、当該放電ランプ
は動作温度を高くすることが制限されて十分な発光を達
成することができず、また当該放電ランプは早期にその
性能が低下して使用寿命が短いものとなるという問題が
ある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な事情に基づいてなされたものであって、その目的は、
多結晶アルミナ焼結体よりなる透光性の高いバルブを具
えてなり、しかも十分な発光動作と、長い使用寿命が得
られるセラミック製放電ランプを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のセラミック製放電ランプは、酸化マグネシ
ウムと、酸化カルシウムおよび二酸化ケイ素の少なくと
も一方とを含有してなる透光性多結晶アルミナ焼結体よ
りなるバルブ内に、一対の電極が互いに対向するよう配
置されると共に金属ハロゲン化物が封入されてなるセラ
ミック製放電ランプにおいて、当該バルブを形成する多
結晶アルミナ焼結体は、酸化マグネシウムの含有割合が
100〜300重量ppmであり、かつ、酸化カルシウ
ムの酸化マグネシウムに対する重量比が0.1以下であ
り、二酸化ケイ素の酸化マグネシウムに対する重量比が
0.5以下であることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明のセラミック製放電
ランプについて詳細に説明する。図1は、本発明のセラ
ミック製放電ランプの一例における構成を示す説明用断
面図である。このセラミック製放電ランプにおいて、バ
ルブ10は、放電空間Sを囲繞する大略球形状の発光管
部11と、この発光管部11の両端から外方に伸びるよ
う連設された直管状の封止管部12とを有してなり、透
光性多結晶アルミナ焼結体により形成されている。この
バルブ10は、通常、発光管部11の最大外径が4.0
〜15mm、内容積は25〜1500mm3 とされ、封
止管部12の外径は1.6〜3.2mm、内径は0.5
〜1.0mm、長さは4.0〜12mmとされる。
【0011】バルブ10内には、一対の電極21が互い
に対向するよう配置されている。図示の例の電極21
は、封止管部12内から発光管部11内に管軸に沿って
伸びる電極棒22の先端部に金属コイルが巻き付けられ
て形成されている。電極棒22の基端には、当該電極棒
22と同方向に伸びる棒状の中間リード23を介して、
これと同方向に伸びる棒状の外部リード24が例えば溶
接により一体に連結されて電気的に接続された状態とさ
れている。具体的には、電極21が発光管部11内に位
置すると共に外部リード24の先端が外部に位置され、
また電極棒22の基端側部分および中間リード23が封
止管部12内に位置された状態とされている。ここに、
電極棒22および金属コイルの材質としては例えばタン
グステンなどが用いられ、中間リード23の材質として
は例えばニオブなどが用いられ、また外部リード24の
材質としては例えば白金などが用いられる。
【0012】バルブ10の封止管部12内における発光
管部11に接近する内方位置には、セラミックスよりな
るスリーブ26が、電極棒22が挿通された状態で配置
されている。このスリーブ26を構成する材料として
は、アルミナ多結晶体、シリカガラスなどを用いること
ができるが、バルブ10の材料と同一であることが好ま
しい。このスリーブ26の長さは、封止管部12の長さ
にもよるが、例えば4〜6mmである。
【0013】スリーブ26は、その外径が封止管部12
の内径と適合すると共にその内径が電極棒22の外径と
適合する形状を有することが望ましい。特にスリーブ2
6の外径と封止管部12の内径との差は小さいことが好
ましく、具体的には0.12mm以下であることが望ま
しい。これにより、両者間の間隙が狭隘となってこれに
進入して凝縮する封入物の量を少なく抑えることが可能
となり、その結果、発光管部11内において、発光物質
の蒸気圧を、常に所期の演色性が実現される上で必要な
高さに維持することができる。
【0014】更に、封止管部12におけるスリーブ26
よりも外方に位置する外端側部分には気密封止構造が形
成されている。具体的には、封止用のフリットガラス3
0が封止管部12の外端側部分内に注入されて、スリー
ブ26の外端から突出する電極棒22の基端部および中
間リード23と封止管部12の内壁面との間の間隙に充
填されると共に、封止管部12の外端部上にフリットガ
ラスのビード部31が外方に突出するよう形成され、こ
のビード部31内に、中間リード23と外部リード24
との接続部を含む部分が埋没された状態で固定され、外
部リード24の先端部はこのフリットガラスのビード部
31から外部に突出した状態とされている。ここに、封
止用のフリットガラス30としては、例えばアルミナ−
シリカ−希土類酸化物系のものを好ましく用いることが
できる。
【0015】そして、バルブ10内には発光物質として
適宜の金属ハロゲン化物が封入されるが、この金属ハロ
ゲン化物としては従来公知のものを用いることができ、
特に限定されるものではない。
【0016】上記のセラミック製放電ランプにおいて、
バルブ10の材質は透光性多結晶アルミナ焼結体とされ
るが、この多結晶アルミナ焼結体としては、酸化マグネ
シウム(MgO)の含有割合が100〜300重量pp
mであり、かつ、酸化カルシウム(CaO)の酸化マグ
ネシウムに対する重量比(以下「CaO/MgO」と記
す。)が0.1以下、二酸化ケイ素(SiO2 )の酸化
マグネシウムに対する重量比(以下「SiO2 /Mg
O」と記す。)が0.5以下であるものが用いられてい
る。以上において、アルミナ粉末がCaOおよびSiO
2 の一方を含有しなくてもよく、この場合にはCaO/
MgOまたはSiO2 /MgOの値は0となる。
【0017】具体的には、原料のアルミナ粉末に、10
0〜300重量ppmとなる範囲内で、当該アルミナ粉
末に不純物として含有されるCaOおよびSiO2 の含
有割合に応じて上記の所定割合となる量のMgOと、必
要に応じて適宜のバインダーとを混合したアルミナ粉末
組成物を、発光管部11および封止管部12よりなる所
定形状に成型し、これを水素ガス雰囲気中で例えば16
50〜1900℃程度の温度で焼結して透光性多結晶ア
ルミナ焼結体よりなるバルブ材料を得、このバルブ材料
を用いてセラミック製放電ランプが作製される。なお、
原料のアルミナ粉末としては、平均粒径が例えば0.1
〜2μmのものが好ましく用いられる。
【0018】セラミック製放電ランプのバルブ10を形
成する多結晶アルミナ焼結体において、MgOの含有割
合が100重量ppm未満では、当該焼結体を得るため
の焼結工程において、MgOによる異常成長抑制効果が
不十分となるために不純物のCaOやSiO2 によって
アルミナ結晶粒子の異常成長が生ずる結果、得られる多
結晶アルミナ焼結体は透光性が不十分で放電ランプのバ
ルブとして実用性のないものとなる。一方、MgOの含
有割合が300重量ppmを超える場合には、MgOと
アルミナとの複合酸化物が多量に生成され、これが金属
ハロゲン化物によって腐食されるために多量の不純ガス
が発光管部11内に放出される結果、得られる放電ラン
プは、十分な発光作用が発揮されず、また使用寿命が短
いものとなる。
【0019】また、多結晶アルミナ焼結体におけるCa
O/MgOが0.1以上の場合、あるいはSiO2 /M
gOが0.5以上の場合には、アルミナ粉末の焼結工程
において、アルミナ結晶粒子の異常成長が生ずるため
に、得られる多結晶アルミナ焼結体は結晶組織が不均一
性の高いものとなる結果、例えば全光線透過率が95%
以下と透光性が低いものとなって放電ランプのバルブ材
料として不適当であり、しかも機械的強度が低いものと
なる。
【0020】なお、バルブ10を構成する透光性多結晶
アルミナ焼結体は、その平均結晶粒子径が20〜40μ
mのものであることが好ましい。ここに、平均結晶粒子
径とはインターセプト長の1.5倍を意味する。
【0021】本発明のセラミック製放電ランプのバルブ
10は、その材質が、CaOおよびSiO2 の少なくと
も一方を含有し、かつMgOを含有する多結晶アルミナ
焼結体であるところ、この焼結体におけるMgOの含有
割合が100〜300重量ppmという特定の範囲内で
あり、かつ、MgOに対するCaOの割合が0.1以
下、MgOに対するSiO2 の割合が0.5以下に規定
されているため、後述する実験結果から明らかなよう
に、当該多結晶アルミナ焼結体を得るための焼結工程に
おいて、アルミナ結晶粒子の異常成長が生ずることが好
適に抑制され、当該多結晶アルミナ焼結体を透光性の高
いものとして得ることができる。
【0022】しかも、原料のアルミナ粉末に含有される
CaOおよびSiO2 の割合に応じて決定される範囲内
で少ない量のMgOを添加することにより、確実にアル
ミナ結晶粒子の異常成長を抑制することができるから、
MgOを過剰に添加することを確実に回避することがで
きる。その結果、当該多結晶アルミナ焼結体によるバル
ブによりメタルハライドランプを構成した場合に、当該
MgOとアルミナとの複合酸化物の腐食により放出され
る不純ガスを微少量に抑制することができるので、点灯
時の動作温度を十分に高いものとして封入された金属ハ
ロゲン化物による発光作用を十分に発揮させることがで
き、しかも好適な放電雰囲気が長期にわたって安定に維
持されるため、長い使用寿命が得られる。
【0023】
【実施例】平均粒径0.6μmのアルミナ粉末を原料と
して用い、これに100重量ppmとなる割合の酸化マ
グネシウムと、バインダーとしてのポリビニルアルコー
ルを混合したものを成型し、仮焼結した後、水素ガス雰
囲気中で温度1900℃に加熱することにより、基本的
に図1に示す構成を有する、平均粒径が約30μmの透
光性多結晶アルミナ焼結体よりなるバルブ材料を得た。
なお、原料のアルミナ粉末におけるCaOの含有割合は
10重量ppm以下であり、SiO2 の含有割合は1重
量ppm以下であった。ここに得られたバルブ材料をを
用いて図1の構成を有するセラミック製放電ランプを製
造した。
【0024】ここに得られたセラミック製放電ランプ
は、バルブ10の発光管部11の外径の最大値が8.7
mm、全長が36mm、肉圧がほぼ均一で0.7mm、
内容積が約0.3mm3 であり、電極は、直径0.3m
mのタングステン製電極棒22の先端に直径が0.2m
mのタングステンコイルが6ターン巻き付けられて構成
され、発光管部11内にはアルゴンを13kPaを封入
し、発光物質として沃化ディスプロシウム−沃化タリウ
ム−沃化ナトリウム(Dy3 −TlI−NaI)4mg
と、水銀5.4mgが封入されてなるものである。
【0025】以上のようにして製造された本発明のセラ
ミック製放電ランプを、ランプ入力75W、ランプ電圧
90V、ランプ電流0.95Aの定格条件で連続点灯さ
せたところ、所期の発光動作が得られ、しかも、その点
灯時間が2000時間に達したときにも、光束維持率
(当初の光束を100%としたときの割合)は80%以
上であり、長い使用寿命を有するものであった。
【0026】また、本発明の効果が得られる範囲を確認
するために、上記のものと同一のアルミナ粉末に、表1
に示すように、MgOを添加せずに、あるいはMgOの
添加割合を200重量ppm、300重量ppmおよび
400重量ppmと変更すると共に、CaOをその含有
割合が20重量ppmおよび30重量ppmの異なる量
で添加し、更にSiO2 をその含有割合が50重量pp
m、100重量ppmおよび150重量ppmの異なる
量で添加する態様により、種々の条件で多結晶アルミナ
焼結体を製造し、その焼結工程におけるアルミナ結晶粒
子の異常成長の発生の有無を調べた。ここに「異常成長
の発生がある」とは、当該アルミナ焼結体中の最大径粒
子の当該最大径の値が、当該アルミナ焼結体のアルミナ
結晶の平均粒径の5倍以上である場合をいう。結果を表
1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】表1から、MgOが添加されない場合に
は、原料のアルミナ粉末中に不純物としてCaOやSi
2 が含有されているためにアルミナ結晶粒子の異常成
長が発生すること、並びに100重量ppmまたはそれ
以上のMgOが添加される場合には、CaO/MgOの
割合が0.1以下であるとき、およびSiO2 /MgO
の割合が0.5以下であるときに、アルミナ結晶粒子の
異常成長が発生することがないことが明らかである。
【0029】
【発明の効果】本発明のセラミック製放電ランプは、バ
ルブの材質が、CaOおよびSiO2の少なくとも一方
を含有し、かつMgOを含有する多結晶アルミナ焼結体
であって、MgOの含有割合が特定の範囲内であると共
に、MgOに対するCaOの割合が0.1以下、MgO
に対するSiO2 の割合が0.5以下に規定されている
ため、当該多結晶アルミナ焼結体を得るための焼結工程
において、アルミナ結晶粒子の異常成長が生ずることが
好適に抑制され、当該多結晶アルミナ焼結体を透光性の
高いものとすることができる。しかも、少ない量のMg
Oによって確実にアルミナ結晶粒子の異常成長を抑制す
ることができるから、MgOを過剰に添加することが回
避され、その結果、バルブ内に金属ハロゲン化物が封入
された放電ランプにおいて、点灯時の動作温度を十分に
高いものとして発光作用を十分に発揮させることがで
き、しかも好適な放電雰囲気が長期にわたって安定に維
持されて長い使用寿命が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミック製放電ランプの一例におけ
る構成を示す説明用断面図である。
【符号の説明】
10 バルブ S 放電空間 11 発光管部 12 封止管部 21 電極 22 電極棒 23 中間リード 24 外部リード 26 スリーブ 30 フリットガラス 31 ビード部
フロントページの続き (72)発明者 宮永 晶司 兵庫県姫路市別所町佐土1194番地 ウシオ 電機株式会社内 (72)発明者 塚本 卓也 兵庫県姫路市別所町佐土1194番地 ウシオ 電機株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化マグネシウムと、酸化カルシウムお
    よび二酸化ケイ素の少なくとも一方とを含有してなる透
    光性多結晶アルミナ焼結体よりなるバルブ内に、一対の
    電極が互いに対向するよう配置されると共に金属ハロゲ
    ン化物が封入されてなるセラミック製放電ランプにおい
    て、 当該バルブを形成する多結晶アルミナ焼結体は、酸化マ
    グネシウムの含有割合が100〜300重量ppmであ
    り、かつ、酸化カルシウムの酸化マグネシウムに対する
    重量比が0.1以下であり、二酸化ケイ素の酸化マグネ
    シウムに対する重量比が0.5以下であることを特徴と
    するセラミック製放電ランプ。
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