JPH1122423A - アルミニウム合金製タペット及びその製造方法 - Google Patents
アルミニウム合金製タペット及びその製造方法Info
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- JPH1122423A JPH1122423A JP17380897A JP17380897A JPH1122423A JP H1122423 A JPH1122423 A JP H1122423A JP 17380897 A JP17380897 A JP 17380897A JP 17380897 A JP17380897 A JP 17380897A JP H1122423 A JPH1122423 A JP H1122423A
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- JP
- Japan
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- tappet
- aluminum alloy
- receiving plate
- top wall
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- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 金属製のシムを用いることなく、タペット本
体のカムとの摺接面の耐摩耗性を向上させる。 【解決手段】 アルミニウム合金により形成された有頂
円筒形のタペット本体４の頂壁４ａの外面に、軽合金を
マトリックスとし、その中に強化繊維又はウイスカを含
有させて形成されたカム受板５を固着する。
体のカムとの摺接面の耐摩耗性を向上させる。 【解決手段】 アルミニウム合金により形成された有頂
円筒形のタペット本体４の頂壁４ａの外面に、軽合金を
マトリックスとし、その中に強化繊維又はウイスカを含
有させて形成されたカム受板５を固着する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の動弁機
構に用いられるアルミニウム合金製のタペット及びその
製造方法に関する。
構に用いられるアルミニウム合金製のタペット及びその
製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】内燃機関における直動型の動弁機構に用
いられるタペットの中には、動弁系の慣性質量を低減さ
せて、エンジン性能を向上させる目的から、アルミニウ
ム合金により形成したものがある。
いられるタペットの中には、動弁系の慣性質量を低減さ
せて、エンジン性能を向上させる目的から、アルミニウ
ム合金により形成したものがある。
【０００３】このようなアルミニウム合金製のタペット
では、通常、図５に示すように、タペット本体(１)の頂
壁の上面に形成した凹孔(1a)内に、硬質金属製のシム
(２)を着脱可能に嵌合して、カム(３)との摺接面の耐摩
耗性を向上させている。
では、通常、図５に示すように、タペット本体(１)の頂
壁の上面に形成した凹孔(1a)内に、硬質金属製のシム
(２)を着脱可能に嵌合して、カム(３)との摺接面の耐摩
耗性を向上させている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のアルミ
ニウム合金製のタペットでは、カム(３)との摺接面に金
属性のシムを用いているため、タペットの軽量化には自
ずと限度がある。
ニウム合金製のタペットでは、カム(３)との摺接面に金
属性のシムを用いているため、タペットの軽量化には自
ずと限度がある。
【０００５】また、タペットの頂壁の外面におけるカム
(３)が接触する部分の有効表面積が小さくなるため、エ
ンジンバルブのリフト量を大きくしようとすると、タペ
ット本体(１)の外径を大として、径の大きなシム(２)を
装着する必要があり、エンジン設計上の自由度が制限さ
れる。
(３)が接触する部分の有効表面積が小さくなるため、エ
ンジンバルブのリフト量を大きくしようとすると、タペ
ット本体(１)の外径を大として、径の大きなシム(２)を
装着する必要があり、エンジン設計上の自由度が制限さ
れる。
【０００６】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
ので、金属製のシムを用いることなく、タペット本体の
カムとの接触面の耐摩耗性を向上させるとともに、カム
が接触する頂壁の有効表面積を大きくしうるようにし
た、アルミニウム合金製タペット及びその製造方法を提
供することを目的としている。
ので、金属製のシムを用いることなく、タペット本体の
カムとの接触面の耐摩耗性を向上させるとともに、カム
が接触する頂壁の有効表面積を大きくしうるようにし
た、アルミニウム合金製タペット及びその製造方法を提
供することを目的としている。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明のタペットによる
と、上記課題は、次のようにして解決される。 (１) アルミニウム合金により形成された有頂円筒形の
タペット本体の頂壁の外面に、軽合金をマトリックスと
し、その中に強化繊維又はウイスカを含有させて形成さ
れたカム受板を固着する。
と、上記課題は、次のようにして解決される。 (１) アルミニウム合金により形成された有頂円筒形の
タペット本体の頂壁の外面に、軽合金をマトリックスと
し、その中に強化繊維又はウイスカを含有させて形成さ
れたカム受板を固着する。
【０００８】(２) 上記(１)項において、強化繊維又は
ウイスカが、炭素又はセラミックス又はそれらの混合物
よりなり、かつそれらの含有量を３〜２５容量％とす
る。
ウイスカが、炭素又はセラミックス又はそれらの混合物
よりなり、かつそれらの含有量を３〜２５容量％とす
る。
【０００９】また、本発明の製造方法は、プレス装置に
おけるダイと、その中に挿入されるパンチとの間に、製
造しようとするタペットと補形をなす成形室を形成し、
この成形室内に、軽合金のマトリックス中に強化繊維又
はウイスカを含有させて形成されたカム受板と、アルミ
ニウム合金よりなる素材とを重ねて挿入したのち、素材
を塑性変形させて有頂円筒形のタペット本体を成形する
とともに、その頂壁の外面に前記カム受板を固着するこ
とを特徴としている。
おけるダイと、その中に挿入されるパンチとの間に、製
造しようとするタペットと補形をなす成形室を形成し、
この成形室内に、軽合金のマトリックス中に強化繊維又
はウイスカを含有させて形成されたカム受板と、アルミ
ニウム合金よりなる素材とを重ねて挿入したのち、素材
を塑性変形させて有頂円筒形のタペット本体を成形する
とともに、その頂壁の外面に前記カム受板を固着するこ
とを特徴としている。
【００１０】
【発明の実施の形態】図１は、本発明のタペットを示す
もので、上面が頂壁(4a)により閉塞された円筒形をなす
タペット本体(４)は、アルミニウム合金(例えばＡI−Ｓ
i系)により形成され、その頂壁(4a)の外面には、アルミ
ニウム合金、又はマグネシウム合金等の軽合金をマトリ
ックスとし、その中に、炭素繊維やセラミックス系(例
えばＳiＣ、Ｓi3Ｎ4、ＡI2Ｏ3、ＺrＯ3、ＢＮ等)の繊維
又はウイスカを、３〜２５容量％含有して形成された繊
維強化複合金属材料(ＭＭＣ)よりなる薄厚(例えば1.0〜
2.0mm)のカム受板(５)が、圧接又は溶接(ろう付け)等に
より一体的に固着されている。
もので、上面が頂壁(4a)により閉塞された円筒形をなす
タペット本体(４)は、アルミニウム合金(例えばＡI−Ｓ
i系)により形成され、その頂壁(4a)の外面には、アルミ
ニウム合金、又はマグネシウム合金等の軽合金をマトリ
ックスとし、その中に、炭素繊維やセラミックス系(例
えばＳiＣ、Ｓi3Ｎ4、ＡI2Ｏ3、ＺrＯ3、ＢＮ等)の繊維
又はウイスカを、３〜２５容量％含有して形成された繊
維強化複合金属材料(ＭＭＣ)よりなる薄厚(例えば1.0〜
2.0mm)のカム受板(５)が、圧接又は溶接(ろう付け)等に
より一体的に固着されている。
【００１１】上記炭素繊維等の含有量を３〜25容量％と
するのは、３％未満では、タペットすなわちカム受板
(５)に要求される機械的強度や耐摩耗性が十分ではな
く、また２５％を超えると、軽量化のメリットが失なわ
れるだけでなく、硬質かつ脆くなり過ぎて、製造及び加
工性が悪化し、かつ不経済となるからである。なお、繊
維又はウイスカの長さは、10〜100μmの範囲とするのが
好ましい。
するのは、３％未満では、タペットすなわちカム受板
(５)に要求される機械的強度や耐摩耗性が十分ではな
く、また２５％を超えると、軽量化のメリットが失なわ
れるだけでなく、硬質かつ脆くなり過ぎて、製造及び加
工性が悪化し、かつ不経済となるからである。なお、繊
維又はウイスカの長さは、10〜100μmの範囲とするのが
好ましい。
【００１２】このように、アルミニウム合金等のマトリ
ックス中に、炭素やセラミックス系の繊維又はウイスカ
を含有させたカム受板(５)は、軽量であるにも拘らず、
強度及び耐摩耗性が向上するため、これを固着したタペ
ットの重量増加は僅かであり、またカムが摺接する上面
の摩耗を最小限に抑えることができる。
ックス中に、炭素やセラミックス系の繊維又はウイスカ
を含有させたカム受板(５)は、軽量であるにも拘らず、
強度及び耐摩耗性が向上するため、これを固着したタペ
ットの重量増加は僅かであり、またカムが摺接する上面
の摩耗を最小限に抑えることができる。
【００１３】次に、上記タペットの製造要領について説
明する。まず、図２に示すように、ダイ(６)における有
底の型孔(6a)の底面上に、上述したような繊維強化複合
金属材料よりなるカム受板(５)を挿入し、その上面にア
ルミニウム合金よりなる厚肉円板状の素材(７)を載置す
る。なお、上記型孔(6a)の内径は、製造しようとするタ
ペットの外径と等しくしてある。
明する。まず、図２に示すように、ダイ(６)における有
底の型孔(6a)の底面上に、上述したような繊維強化複合
金属材料よりなるカム受板(５)を挿入し、その上面にア
ルミニウム合金よりなる厚肉円板状の素材(７)を載置す
る。なお、上記型孔(6a)の内径は、製造しようとするタ
ペットの外径と等しくしてある。
【００１４】ついで、下端部が下方に向かって漸次テー
パ状に縮径する小径部(8a)となったパンチ(上型)(８)
を、予め定めた位置まで下降させ、素材(７)を冷間(又
は温間)により鍛造する。すると素材(７)は、図３に示
すように、ダイ(６)における型孔(6a)の底面とパンチ
(８)の下端面及び上向きの凹部(8b)、ダイ(６)における
型孔(6a)の内周面と上記小径部(8a)の外周面との間に形
成される、製造しようとするタペットと補形をなす成形
室(９)内において塑性変形させられる。
パ状に縮径する小径部(8a)となったパンチ(上型)(８)
を、予め定めた位置まで下降させ、素材(７)を冷間(又
は温間)により鍛造する。すると素材(７)は、図３に示
すように、ダイ(６)における型孔(6a)の底面とパンチ
(８)の下端面及び上向きの凹部(8b)、ダイ(６)における
型孔(6a)の内周面と上記小径部(8a)の外周面との間に形
成される、製造しようとするタペットと補形をなす成形
室(９)内において塑性変形させられる。
【００１５】なお、パンチ(８)の下端の凹部(8b)は、タ
ペット本体(４)における頂壁(4a)の下面中央の下向膨出
部(4b)を形成するためのもので、この膨出部(4b)と補形
をなしている。
ペット本体(４)における頂壁(4a)の下面中央の下向膨出
部(4b)を形成するためのもので、この膨出部(4b)と補形
をなしている。
【００１６】上記素材(７)の押圧時において、素材(７)
の下面がカム受板(５)と強く圧接することにより、それ
ら同士は、同系材質であるため互いに固着され、成形後
のタペット本体(4')(上下は倒立している)とカム受板
(５)とは一体的に結合される。
の下面がカム受板(５)と強く圧接することにより、それ
ら同士は、同系材質であるため互いに固着され、成形後
のタペット本体(4')(上下は倒立している)とカム受板
(５)とは一体的に結合される。
【００１７】これにより、図１に示すのと同様のタペッ
トが得られる。なお、タペットの成形後において、仕上
加工やＪＩＳに定められているＴ６処理、あるいは外周
面への耐摩耗表面処理を施すこともある。
トが得られる。なお、タペットの成形後において、仕上
加工やＪＩＳに定められているＴ６処理、あるいは外周
面への耐摩耗表面処理を施すこともある。
【００１８】このような製造方法の外、タペット本体
(４)とカム受板(５)とを、それぞれ別の工程により個別
に形成し、それら同士を、圧接や溶接等により結合する
方法もある。
(４)とカム受板(５)とを、それぞれ別の工程により個別
に形成し、それら同士を、圧接や溶接等により結合する
方法もある。
【００１９】本発明のタペットの変形例として、図４に
示すようなものがある。すなわち、カム受板(５)の外周
縁に下向きの環状片(5a)を連設し、この環状片(5a)を、
タペット本体(４)の頂壁(4a)の上端の小径部(4c)に嵌合
させて、互いに固着する。このようにすると、カムによ
る大きな横向きの力が作用しても、カム受板(５)が剥離
したり、ずれたりする恐れはない。また、図示は省略す
るが、頂壁(4a)の上面とカム受板(５)の下面との接触面
に、互いに嵌合し合う凹凸部を設けて、それら同士を固
着してもよい。
示すようなものがある。すなわち、カム受板(５)の外周
縁に下向きの環状片(5a)を連設し、この環状片(5a)を、
タペット本体(４)の頂壁(4a)の上端の小径部(4c)に嵌合
させて、互いに固着する。このようにすると、カムによ
る大きな横向きの力が作用しても、カム受板(５)が剥離
したり、ずれたりする恐れはない。また、図示は省略す
るが、頂壁(4a)の上面とカム受板(５)の下面との接触面
に、互いに嵌合し合う凹凸部を設けて、それら同士を固
着してもよい。
【００２０】
【発明の効果】本発明のタペットは、従来のような金属
製のシムを用いることなく、カムとの摺接面の耐摩耗性
を向上させうるので、タペット全体の軽量化が図れる。
製のシムを用いることなく、カムとの摺接面の耐摩耗性
を向上させうるので、タペット全体の軽量化が図れる。
【００２１】また、カムが摺接する頂壁の有効表面積が
増大するので、タペットの小型化が図れ、エンジン設計
時の自由度が増す。
増大するので、タペットの小型化が図れ、エンジン設計
時の自由度が増す。
【００２２】請求項３記載の方法によると、カム受板
を、アルミニウム合金よりなる素材よりタペット本体を
プレス成形するのと同時に容易に固着しうるので、製造
コストが低減される。
を、アルミニウム合金よりなる素材よりタペット本体を
プレス成形するのと同時に容易に固着しうるので、製造
コストが低減される。
【図１】本発明のタペットの中央縦断正面図である。
【図２】本発明の方法におけるタペットの成形前の状態
を示す縦断面図である。
を示す縦断面図である。
【図３】同じく、成形後の状態を示す縦断面図である。
【図４】本発明のタペットの他の実施例を示す中央縦断
正面図である。
正面図である。
【図５】従来のタペットを示す中央縦断正面図である。
(４)(4')タペット本体 (4a)頂壁 (4b)膨出部 (4c)小径部 (５)カム受板 (5a)環状片 (６)ダイ (6a)型孔 (７)素材 (８)パンチ (8a)小径部 (8b)凹部 (９)成形室
Claims (3)
- 【請求項１】 アルミニウム合金により形成された有頂
円筒形のタペット本体の頂壁の外面に、軽合金をマトリ
ックスとし、その中に強化繊維又はウイスカを含有させ
て形成されたカム受板を固着したことを特徴とするアル
ミニウム合金製タペット。 - 【請求項２】 強化繊維又はウイスカが、炭素又はセラ
ミックス又はそれらの混合物よりなり、かつそれらの含
有量を３〜２５容量％とした請求項１記載のアルミニウ
ム合金製タペット。 - 【請求項３】 プレス装置におけるダイと、その中に挿
入されるパンチとの間に、製造しようとするタペットと
補形をなす成形室を形成し、この成形室内に、軽合金の
マトリックス中に強化繊維又はウイスカを含有させて形
成されたカム受板と、アルミニウム合金よりなる素材と
を重ねて挿入したのち、素材を塑性変形させて有頂円筒
形のタペット本体を成形するとともに、その頂壁の外面
に前記カム受板を固着することを特徴とするアルミニウ
ム合金製タペットの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17380897A JPH1122423A (ja) | 1997-06-30 | 1997-06-30 | アルミニウム合金製タペット及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17380897A JPH1122423A (ja) | 1997-06-30 | 1997-06-30 | アルミニウム合金製タペット及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1122423A true JPH1122423A (ja) | 1999-01-26 |
Family
ID=15967552
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP17380897A Pending JPH1122423A (ja) | 1997-06-30 | 1997-06-30 | アルミニウム合金製タペット及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1122423A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008036699A (ja) * | 2006-08-09 | 2008-02-21 | Univ Of Fukui | 金属薄肉構造体並びに金属薄板の鍛造成形加工方法及び装置 |
| JP2009293604A (ja) * | 2008-06-09 | 2009-12-17 | Ntn Corp | ポンプ用タペット |
-
1997
- 1997-06-30 JP JP17380897A patent/JPH1122423A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008036699A (ja) * | 2006-08-09 | 2008-02-21 | Univ Of Fukui | 金属薄肉構造体並びに金属薄板の鍛造成形加工方法及び装置 |
| JP2009293604A (ja) * | 2008-06-09 | 2009-12-17 | Ntn Corp | ポンプ用タペット |
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