JPH11222691A - 漏液型ガス拡散電極及びその製造方法 - Google Patents

漏液型ガス拡散電極及びその製造方法

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JPH11222691A
JPH11222691A JP10024723A JP2472398A JPH11222691A JP H11222691 A JPH11222691 A JP H11222691A JP 10024723 A JP10024723 A JP 10024723A JP 2472398 A JP2472398 A JP 2472398A JP H11222691 A JPH11222691 A JP H11222691A
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gas supply
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diffusion electrode
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液の排出が円滑に行われると共に、ガスの供
給も阻害されることもなく、高い電極性能を維持し、集
電能力を向上して電解槽電圧を極限まで低くすることが
できる、長寿命の漏液型ガス拡散電極を提供する。 【解決手段】 反応層2とガス供給層3からなる漏液型
ガス拡散電極1において、少なくとも反応層と接触しガ
ス供給層を貫通する線状体4を有し、この線状体とガス
供給層との間に水又は電解液を透過させることのできる
間隙5を有することを特徴とするガス拡散電極。前記線
状体が金属発泡体であり、前記ガス供給層がフッ素樹脂
多孔体であることがよい。線状体の端部6は導電性フレ
ーム7に接続して給電することが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電解液を反応層側
からガス供給層側へ漏液可能なガス拡散電極及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のガス拡散電極は、反応層とガス供
給層から成り、ガス供給層は疎水性細孔のみから出来て
いるのでガス室側に電解液は漏れることがない。この電
極を食塩電解の陰極に用いると、電解槽構造は3室とな
る。すなわち、陽極室、陰極液室、酸素ガス室である。
この複雑な構造に起因する問題点を解決すべく、構造の
簡単な2室型の電解槽にするために、例えば特開平7−
126880号公報に記載されたような、ガス拡散電極
のガス供給層に液をも透過させる液透過型ガス拡散電極
が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の液透
過型ガス拡散電極は、ガス供給層に液が透過できるよう
な口径0.1〜1mmの親水性貫通孔を設けたものであ
る。しかしながら、この孔は親水性であるが、その外側
が疎水性のため、液の排出が妨げられ、ガス供給層の表
面全面に排出された液滴が付着することにより、ガス供
給が妨げられるという欠点があった。そこで、特開平8
−302492号公報では、電解液を貫通孔に全量透過
させず、反応層表面に溝を形成して、電解液をその溝に
流下させるように改善している。
【0004】液透過型ガス拡散電極は、このような欠点
があるため、それをイオン交換膜型食塩電解槽に酸素陰
極として設置した場合、30A/dm2 、80℃で2.
3Vという高い槽電圧となっている。本発明は、このよ
うな従来の課題に鑑みてなされたものであり、液の排出
が円滑に行われると共に、ガスの供給も阻害されること
がなく、高い電極性能を維持し、集電能力を向上して電
解槽電圧を極限まで低くすることができる、長寿命の漏
液型ガス拡散電極を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決すべく鋭意研究した結果、反応層に接触するガス供
給層について、その中を電解液が透過できるとともに、
それがガスの透過を阻害しない構造をもつガス拡散電極
を検討した結果、親水性の線状体をガス室側からガス供
給層を貫通させ、反応層と少なくとも接触させるように
するとよいことがわかり、この線状体とガス供給層との
間に間隙に設けると、この隙間と親水性の線状体との間
を通って、反応層中にガスと共存する電解液が動き易く
なることを見出し、これを基礎として本発明を完成する
に到った。間隙は孔でもよいが、ここでは統一して「隙
間」ということにする。
【0006】すなわち、本発明は、次の手段により前記
の課題を解決した。 (1)反応層とガス供給層からなる漏液型ガス拡散電極
において、少なくとも反応層と接触しガス供給層を貫通
する線状体を多数有し、これらの線状体とガス供給層と
の間に水又は電解液を透過させることのできる間隙を有
することを特徴とするガス拡散電極。 (2)前記線状体が金属発泡体であることを特徴とする
前記(1)記載の漏液型ガス拡散電極。 (3)前記ガス供給層がフッ素樹脂多孔体であることを
特徴とする前記(1)記載の漏液型ガス拡散電極。 (4)前記(1)の漏液型ガス拡散電極において、線状
体にガス供給層を充填後に無加圧下で熱処理することに
よりガス供給層と線状体の界面に間隙を形成することを
特徴とする漏液型ガス拡散電極の製造方法。
【0007】本発明は、ガス拡散電極について、好まし
くは親水性である多数の線状体をガス室側からガス供給
層を貫通させ、反応層と少なくも接触させる構造を有し
ている。そして、この線状体とガス供給層との間に隙間
を設け、この隙間と親水性の線状体の間を通って、反応
層中にガスと共存する電解液が漏液できる構造とした。
ガス供給層における漏液できるようした間隙は、無加圧
化で熱処理することで、フッ素樹脂と金属の膨張率との
違い、及びフッ素樹脂のシンター(焼結)による収縮を
利用した間隙形成法により形成するのが良い。
【0008】
【発明の実施の形態】漏液型ガス拡散電極の機能と構造
の概要を、イオン交換法で食塩を電解する場合にこの漏
液型ガス拡散電極を酸素陰極として使用するを例として
説明する。通常イオン交換膜法電解は、陽イオン交換膜
であるイオン交換膜により陽極室と陰極室とに区画され
た電解槽で行われ、この電解槽の陽極を有する陽極室に
は塩化ナトリウム水溶液が、陰極を有する陰極部にはか
性ソ−ダ水溶液が入っているが、陰極としてガス拡散電
極を用いる形式のものでは、陰極部は、イオン交換膜と
ガス拡散電極の間のか性ソ−ダ水溶液が入っている陰極
液室と反応層、ガス供給層からなるガス拡散電極および
酸素ガス室からなっている。
【0009】すなわち、本発明の漏液型ガス拡散電極1
は、図1に示すように、反応層2を表面側に有し、反応
層2のガス室8側に親水性の金属製線状体4が多数接続
されていて、ガス室8に向かって延びており、また反応
層2に密着してガス供給層3がある。このガス供給層3
は前記線状体4との間に隙間5が開くように設けられて
おり、前記線状体4の他の端部6は、ガス室8内に設け
た導電性フレーム7に接続しており、この導電性フレー
ム7及び線状体4により給電される。給電体としては、
給電専用の導電性フレーム7を用いずに、例えば導電性
の金属製電極室枠で兼用することもできる。前記反応層
2は、親水性であり液が通り易いが、そのガス室側に親
水性の金属製線状体4が多数接続されていることによ
り、液が前記線状体4の親水性表面を伝わってくる。そ
の際、ガス供給層3は、疎水性の高いPTFEの多孔体
からなるが、線状体4との隙間5が開いていると、液が
線状体4の親水性表面を伝わることができて、液9がガ
ス室8側に漏れてくる。前記の隙間5がないと、PTF
Eの疎水性により液が線状体4の親水性表面を伝わるこ
とができなくなる。
【0010】線状体4の親水性表面を伝わってきた液9
は、導電性フレーム7に達し、そこで上から導電性フレ
ーム7を伝わって流下してくる液10(か性ソーダ水溶
液)と合流して下に流れる。これにより、ガス室8の下
部でか性ソーダ水溶液を得ることができる。このガス拡
散電極では、線状体4を多数有するものを製作する必要
があるが、これは反応層2を製作する際に金網に線状体
4を多数植設したものを入れて、製作することなどによ
り、製造するようにしてもよい。この線状体4は、銀線
のような耐食性の高い金属線を用いてもよいが、多数の
細い金属線を多数密植することは技術的に困難であるの
で、導電性網状体に毛羽状に線が出た網や三次元網、さ
らに銀メッキ発泡体を使用することが、実用的である。
なお、図1に示す例では、イオン交換膜11との間をゼ
ロギャップとした電極の概念図を示している。
【0011】さらに、この線状体4について詳しく説明
すると、具体的には、毛羽状に線が出た網、三次元網、
発泡体(三次元網と同様な構造のもの)が好ましく使用
され、その材質としては耐食性の高い金属が望ましい。
銀網、三次元網状の銀メッキ発泡ニッケルが好適であ
る。これらの表面の一部に親水性、液移動性を増すため
にNiCo2 4 等の耐食性の多孔質コ−テイング等の
表面処理をすることもできる。線状体を具体的に例示す
ると、例えば、線状である発泡ウレタンの骨格のみを残
し、それにニッケル微粉を付着し、焼成してウレタン部
分を分解除去し、ニッケルを焼結することにより形成し
たものであって、線の太さ0.15mm、孔径が0.5
〜0.6μmで、気孔率が95%と高い、三次元構造を
有しているものである。この発泡ニッケル線状体には、
耐食性を向上させるために5〜10μmの厚さの銀メッ
キを施したものである。このような「線状である発泡ウ
レタン」としては、ポリウレタン発泡体を例えば爆発処
理して前記発泡体の壁部を吹き飛ばすことにより、前記
発泡体の骨格のみとしたものであって、三次元網状体と
なっているものであり、その「線状」は直線状ではない
が、線状体となっており、これを基材とすることによ
り、反応層からの導電体として作用する線状体を形成す
ることができる。このため、前記の銀メッキ発泡ニッケ
ルを含めて「線状体」という。
【0012】また、反応層は、1ミクロン以下の銀微粒
子とポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ディスパ
−ジョンの混合物をアルコ−ルで自己組織化し泥しょう
としたものを線状体の片面に層状に塗り込み、ガス供給
層はPTFEディスパ−ジョンをアルコ−ルで自己組織
化した泥しょうを他方から層状に塗り込むことにより形
成できる。このように、反応層原料とガス供給層原料を
それぞれ線状体に層状に充填し、乾燥し、界面活性剤を
抽出除去するだけでガス拡散電極を得ることができる。
常温で40kg/cm2 の圧力でプレスして反応層とガ
ス供給層の密度を高め、250℃程度で加熱を行うこと
が好ましい。常温プレスの圧力は10から50kg/c
2 以上が望ましく、これ以上の圧力でプレスすると反
応層、ガス供給層とも空孔率が低下して電極性能が低下
する。熱処理温度は200℃から310℃が好ましく、
フッ素樹脂の融点(327℃)以上で加熱を行うと、特
にガス供給層にフッ素樹脂の焼結が進行しすぎて、空孔
率が低下し、その結果電極性能が低下する。
【0013】以上の操作で線状体とPTFE多孔体の間
に間隙ができる。その間隙は、フッ素樹脂スラリーの濃
度、熱処理温度などで変わるので、電解液が十分漏れる
が、漏れ過ぎない範囲になるように設定する。間隙は、
一般には1〜100μmの範囲であることが好ましい。
電解時にはこの間隙から電解液が十分漏れ出すが、PT
FE多孔体の表面は電解液に覆われることなくガスの供
給は十分為されるので、反応層表面に溝を付けずにイオ
ン交換膜と密着させることが出来る。その結果槽電圧を
極限の1.9Vまで低くすることが出来る。本発明の電
極で使用する線状体の径は0.03〜1mm、線状体を
設けるピッチは0.1〜2mm、隙間は0.1〜2mm
が好適である。また、反応層の厚さは0.01〜1m
m、ガス供給層の厚さは0.01〜1mmが好適であ
る。
【0014】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし本発明は、これらの実施例のみに限定される
ものではない。なお、全実施例を通じて、部は全て重量
部を意味する。
【0015】実施例1 銀微粒子(三井金属鉱業製、Ag−3010、平均粒径
0.11ミクロン)5部(重量、以下同様)に、界面活
性剤トライトン1部、水9部を加え、超音波分散機で分
散させる。これにPTFEディスパージョンD−1(ダ
イキン工業社製)1部を加え、攪拌混合した後に、エタ
ノール2部を加え、攪拌することにより自己組織化させ
る。この沈殿物を孔径が1μmの濾紙で濾過し、スラリ
ーを銀メッキ発泡ニッケル(12×28cm角)上に
0.5mm厚さに塗り込み、10kg/cm2 の圧力で
プレスして内部に押し込むことにより、反応層を形成す
る。さらに、裏からD−1にエタノールを加えて糊状に
したものを押し込み、ガス供給層とする。なお、前記銀
メッキ発泡ニッケルは、発泡ウレタンを爆発処理してそ
の骨格のみを残した、三次元網状体である超多孔質発泡
ウレタンにニッケル微粉を付着し、ニッケルを焼結した
もので、線の太さ0.15mm、孔径が0.5〜0.6
μmで、気孔率が95%と高い、三次元構造を有してい
るものである。この発泡ニッケル線状体には、耐食性を
向上させるために5〜10μmの厚さの銀メッキを施し
たものである。
【0016】これを80℃で3時間乾燥、界面活性剤を
エタノ−ルを用いた抽出器で除去した後、100℃で2
時間乾燥後、ガス供給層側にシリコン樹脂シ−トを重
ね、常温、40kg/cm2 の条件で、60秒間プレス
し、次いで無加圧で250℃、10分間熱処理し、引き
続き冷却して電極を得た。このときの銀微粒子の使用量
は630g/m2 であった。この電極とイオン交換膜の
間をゼロギャプとした食塩電解槽を組立て、連続運転し
た。その結果、電流密度30A/dm2 、温度90℃、
陰極液濃度32%NaOH、理論値の2倍量の酸素供給
で、1.95Vの電解槽電圧が得られた。50日間電圧
変動無く運転でき継続中である。イオン交換膜を透過し
た電解液はガス拡散電極を全量漏液するが、電極性能に
与える影響はほとんどないことが分った。
【0017】実施例2 銀微粒子(三井金属鉱業製、Ag−3010、平均粒径
0.11ミクロン)5部に界面活性剤トライトン1部、
水9部を加え超音波分散機で分散させた。これにPTF
Eディスパ−ジョンD−1(ダイキン工業製)1部を加
え、攪拌混合した後にエタノ−ルを10部加え、攪拌し
て自己組織化させた。この沈殿物を細孔径0.8ミクロ
ンの濾紙で濾過しスラリーとした。このものを銀メッキ
発泡ニッケル(50ppI、厚さ1.5mm、12×2
8センチ角)上に0.4mm厚に塗り込み、10kg/
cm2 の圧力でプレスして内部に押し込むことにより反
応層を形成した。前記銀メッキ発泡ニッケルとしては、
実施例1で使用したものと同じものを用いた。
【0018】これを80℃で3時間乾燥し、界面活性剤
をエタノ−ルを用いた抽出器で除去した後、100℃で
2時間乾燥後、さらに裏からガス供給層を形成するため
にポリフロンファインパウダ−(ダイキン工業製)を均
一に撤布し発泡体中に入れた。その上からシリコン樹脂
シ−トを重ね、常温、40kg/cm2 、60秒間プレ
スして反応層とガス供給層を接合させた。無加圧で25
0℃、10分間熱処理し、次いで冷却して電極を得た。
このときの銀微粒子の使用量は420g/m2 であっ
た。この電極とイオン交換膜の間をゼロギャプとした食
塩電解槽を組立て、連続運転した。その結果、30A/
dm2 、90℃、32%NaOH、理論値の2倍量の酸
素供給で、1.97Vの電解槽電圧が得られた。30日
間電圧変動無く運転でき継続中である。イオン交換膜を
透過した電解液はガス拡散電極を全量漏液させても、さ
せなくても電解槽電圧に与える影響はほとんどなかっ
た。
【0019】実施例3 銀微粒子(三井金属鉱業製、Ag−3010、平均粒径
0.11ミクロン)5部に界面活性剤トライトン1部、
水9部を加え超音波分散機で分散させた。これにPTF
Eディスパ−ジョンD−1(ダイキン工業製)1部を加
え、攪拌混合した後にエタノ−ルを10部加え、攪拌し
て自己組織化させた。この沈殿物を細孔径1ミクロンの
濾紙で濾過しスラリーとした。このスラリーをNiCo
2 4 被覆発泡ニッケル(50ppI、厚さ1.5m
m、12×28cm角、前記のNiCo2 4 被覆は、
それぞれの硝酸塩ブタノール溶液を塗布乾燥後、400
℃で熱分解して形成したもの)の上に0.4mm厚さに
塗り込み、10kg/cm2 の圧力でプレスして、内部
に押し込むことにより、反応層を形成した。前記銀メッ
キ発泡ニッケルとしては、実施例1で使用したものと同
じものを用いた。
【0020】これを、80℃で3時間乾燥し、界面活性
剤をエタノールを用いた抽出器で除去した後、100℃
で2時間乾燥した後、さらに裏からガス供給層を形成す
るために、ポリフロンファインパウダ−(ダイキン工業
製)を均一に撤布し発泡体中に入れた。その上からシリ
コン樹脂シ−トを重ね常温、40kg/cm2 、60秒
間プレスし反応層とガス供給層を接合させた。このとき
の銀微粒子の使用量は460g/m2 であった。この電
極とイオン交換膜の間をゼロギャプとした食塩電解槽を
組立て、連続運転した。その結果、電流密度30A/d
2 、温度90℃、陰極液濃度32%NaOH、理論値
の2倍量の酸素供給の条件で、2.03Vの電解槽電圧
が得られた。14日間電圧変動無く運転できた。他に比
べ槽電圧が高いのは接触、集電抵抗が高いことが原因で
あった。電解で生じたか性ソ−ダは、ガス拡散電極を全
量漏液する抵抗が最も小さかった。
【0021】実施例4 銀微粒子(三井金属鉱業製、Ag−3050、平均粒径
0.5ミクロン)5部に界面活性剤トライトン1部、水
9部を加え超音波分散機で分散させた。これにPTFE
ディスパ−ジョンD−1(ダイキン工業製)1部を加
え、攪拌混合した後にエタノ−ルを10部加え、攪拌し
て自己組織化させた。この沈殿物を細孔径1ミクロンの
濾紙で濾過し、スラリーを銀メッキ発泡ニッケル(12
×28センチ角)上に0.5mm厚に塗り込み、10k
g/cm2 の圧力でプレスして内部に押し込んで反応層
を形成した。前記銀メッキ発泡ニッケルとしては、実施
例1で使用したものと同じものを用いた。
【0022】さらに、裏からD−1にエタノ−ルを加え
糊状にしたものを押し込み、ガス供給層とした。これを
80℃で3時間乾燥し、界面活性剤をエタノ−ルを用い
た抽出器で除去した後、100℃で2時間乾燥後、ガス
供給層側に2mm厚のシリコン樹脂シ−トを重ね常温、
40kg/cm2 、60秒間プレスし、続いて無加圧で
300℃、10分間熱処理し、次いで冷却して電極を得
た。このときの銀微粒子の使用量は480g/m2 であ
った。この電極とイオン交換膜の間をゼロギャプとした
食塩電解槽を組立て連続運転した。その結果電流密度3
0A/dm2 、温度90℃、陰極液濃度32%NaO
H、理論値の2部量の酸素供給で、1.98Vの電解槽
電圧が得られた。14日間電圧変動無く運転できた。イ
オン交換膜を透過した電解液はガス拡散電極を全量漏液
し、電流効率は95%であった。
【0023】実施例5 銀微粒子(三井金属鉱業製、Ag−3030、平均粒径
0.3ミクロン)5部に、PTFEディスパ−ジョンD
−1(ダイキン工業製)2部を加え、攪拌混合した後に
エタノ−ルを1部加え、攪拌して自己組織化させ、銀−
PTFEペーストを得た。この銀−PTFEペーストを
銀メッキ発泡ニッケル(12×28センチ角)上に0.
5mm厚に塗り込み、10kg/cm2 の圧力でプレス
して銀メッキ発泡ニッケル内部に押し込むことで反応層
を形成した。前記銀メッキ発泡ニッケルとしては、実施
例1で使用したものと同じものを用いた。
【0024】さらに、裏からD−1にエタノ−ルを加え
糊状にしたものを押し込み、ガス供給層とする。これを
80℃で3時間乾燥し、界面活性剤をエタノ−ルを用い
た抽出器で除去した後、100℃で2時間乾燥後、ガス
供給層側に2mm厚のシリコン樹脂シ−トを重ね常温、
40kg/cm2 、60秒間プレスし、無加圧で250
℃、10分間熱処理し、次いで冷却する事で電極を得
た。このときの銀微粒子の使用量は480g/m2 であ
った。この電極とイオン交換膜の間をゼロギャプとした
食塩電解槽を組立て連続運転した。その結果電流密度3
0A/dm2 、温度90℃、陰極液濃度32%NaO
H、理論値の2部量の酸素供給で、2.03Vの電解槽
電圧が得られた。40日間電圧変動無く運転できた。
【0025】
【発明の効果】本発明の漏液型ガス拡散電極は、反応層
に接して線状体が設けられているから、この表面を伝わ
って電解液が漏れ出し、接触しているガス室(ガス供給
層)の親水性網に受け渡され、それを伝って流下する。
前記線状体が親水性のあるものは、液が線状体に伝わり
易く、ガス供給層の表面を液で塞ぐことが少ないので、
ガスの供給が円滑に行われる。ガス供給層は、フッ素樹
脂の多孔体であるから、漏液によってガスの供給が阻害
されることが無い。この結果、電極性能は低下せず、イ
オン交換膜型食塩電解槽に酸素陰極として用いると、電
流密度30A/dm2 、温度90℃、陰極液濃度32%
NaOHの条件で、電解槽電圧を1.95V以下とする
ことができる。同時に、ガス供給層はフッ素樹脂だけで
構成されているため腐食等の問題もなく、電極は長寿命
となる。線状体が金属の場合には給電体となり、ガス室
の金属多孔体から直接給電できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の漏液型ガス拡散電極の一例を示す断面
説明図である。
【符号の説明】
1 ガス拡散電極 2 反応層 3 ガス供給層 4 線状体 5 隙間 6 端部 7 導電性フレーム 8 ガス室 9 液 10 液 11 イオン交換膜
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年2月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決すべく鋭意研究した結果、反応層に接触するガス供
給層について、その中を電解液が透過できるとともに、
せれがガスの透過を阻害しない構造をもつガス拡散電極
を検討した結果、親水性の線状体をガス室側からガス供
給層を貫通させ、反応層と接触させるようにするとよい
ことがわかり、この線状体とガス供給層との間に間隙を
設けると、この間隙と親水性の線状体との間を通って、
反応層中にガスと共存する電解液が動き易くなることを
見出し、これを基礎として本発明を完成するに到った。
間隙は孔でもよいが、ここでは統一して「間隙」という
ことにする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】すなわち、本発明は、次の構成からなるも
のである。 (1)反応層とガス供給層からなる漏液型ガス拡散電極
において、反応層と接触しガス供給層を貫通する線状体
を多数有し、これらの線状体とガス供給層との間に水又
は電解液を透過させることのできる間隙を有することを
特徴とする漏液型ガス拡散電極。 (2)前記の線状体が金属発泡体あることを特徴とする
前記(1)記載の漏液型ガス拡散電極。 (3)前記のガス供給層がフッ素樹脂多孔体であること
を特徴とする前記(1)記載の漏液型ガス拡散電極。 (4)前記(1)の漏液型ガス拡散電極において、線状
体にガス供給層を充填後に無加圧下で熱処理することに
よりガス供給層と線状体の界面に間隙を形成することを
特徴とする漏液型ガス拡散電極の製造方法。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】本発明は、ガス拡散電極について、好まし
くは親水性である多数の線状体をガス室側からガス供給
層を貫通させ、反応層と接触させる構造を有している。
そして、この線状体とガス供給層との間に隙間を設け、
この隙間と親水性の線状体の間を通って、反応層中にガ
スと共存する電解液が漏液できる構造とした。ガス供給
層における漏液できるようした間隙は、無加圧化で熱
処理することで、フッ素樹脂と金属の膨張率との違い、
及びフッ素樹脂のシンター(焼結)による収縮を利用し
た間隙形成法により形成するのが良い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古屋 長一 山梨県甲府市中村町2−14

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応層とガス供給層からなる漏液型ガス
    拡散電極において、少なくとも反応層と接触しガス供給
    層を貫通する線状体を多数有し、これらの線状体とガス
    供給層との間に水又は電解液を透過させることのできる
    間隙を有することを特徴とする漏液型ガス拡散電極。
  2. 【請求項2】 前記線状体が金属発泡体であることを特
    徴とする請求項1記載の漏液型ガス拡散電極。
  3. 【請求項3】 前記ガス供給層がフッ素樹脂多孔体であ
    ることを特徴とする請求項1記載の漏液型ガス拡散電
    極。
  4. 【請求項4】 請求項1の漏液型ガス拡散電極におい
    て、線状体にガス供給層を充填後に無加圧下で熱処理す
    ることによりガス供給層と線状体の界面に間隙を形成す
    ることを特徴とする漏液型ガス拡散電極の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008127660A (ja) * 2006-11-22 2008-06-05 Univ Of Yamanashi 電気伝導性の優れたガス拡散電極
JP2013144853A (ja) * 2006-04-12 2013-07-25 Industrie De Nora Spa 電気化学浸透セル

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