JPH11222416A - ケラチン繊維類強度改善剤及びケラチン繊維類の強度を改善する方法 - Google Patents

ケラチン繊維類強度改善剤及びケラチン繊維類の強度を改善する方法

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JPH11222416A
JPH11222416A JP33502498A JP33502498A JPH11222416A JP H11222416 A JPH11222416 A JP H11222416A JP 33502498 A JP33502498 A JP 33502498A JP 33502498 A JP33502498 A JP 33502498A JP H11222416 A JPH11222416 A JP H11222416A
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diol
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JP33502498A
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Masaya Ishida
賢哉 石田
Kazutoshi Sakurai
和俊 桜井
Saneji Ogura
実治 小倉
Tetsuo Yamazaki
哲郎 山崎
Kenichiro Shiroyama
健一郎 城山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takasago International Corp
Original Assignee
Takasago International Corp
Takasago Perfumery Industry Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ケラチン繊維類に付着、コーテイングあるい
は含浸せしめることによって、ケラチン繊維類の破断強
度等の物性を増加させることができる新規なケラチン繊
維類強度改善剤を提供する。 【解決手段】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1 は炭素数9〜17の直鎖のアルキル基、R
2 は1個以上の水酸基又は不飽和結合を含んでいても良
い炭素数2〜24のアシル基を示す。)で表される(2S,
3R)-2-アシルアミノアルカン-1,3- ジオールの1種もし
くは2種以上を0.001〜20重量%含有することを
特徴とするケラチン繊維類強度改善剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天然型立体構造を
有する、光学活性な( 2S,3R)−2−アシルアミノ
アルカン−1,3−ジオールを一種又は2種以上含有す
るケラチン繊維類強度改善剤及びこれを用いてケラチン
繊維類に付着、コーティングあるいは含ませる事によっ
てケラチン繊維類強度を改善する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ケラチン類は、毛、角、爪、うろこ、羽
のように、もともとは皮膚の上皮由来の体の一番外側を
被う構造体で、巨視的には繊維状のものと無定型のもの
に別れる。ケラチン繊維類は前者を指し、具体的には、
毛髪、眉毛、まつげ、羊毛、犬の毛、などの動物の毛を
含む。
【0003】ケラチン類の本来の機能は高等動物、特に
両生類以上の動物の体の外界からの侵襲から個体を守る
ことである。ケラチン類のもう一つの機能は個体の外観
を美しく保つことであり、これは強度を維持、改善する
こととも密接に関連している。このため、ケラチン類の
強度を維持、増強し、また損傷したケラチン類の強度を
改善するのは重要なことである。
【0004】ケラチン類は個体の最も外側のあることか
ら、外界の過酷な侵襲にさらされやすく、特にケラチン
繊維類はその影響を受けやすい。具体的に毛髪を例にと
ると、摩擦、雨、垢、埃、紫外線などの自然界の物理的
な原因、及びふけ菌などの微生物的な原因の他に、近年
はパーマネントなどによる熱的、化学的刺激、溶媒や洗
剤を用いた洗髪等による脱脂等の原因によって、ケラチ
ン繊維が損傷を受ける機会が多くなってきた。
【0005】パーマネントなどによる熱的、および化学
的刺激でフィラメント状蛋白質が損傷したり、溶媒や洗
剤を用いた洗髪等で脱脂されると、ケラチン繊維類の機
械的強度が低下するものと考えられる。例えば、パーマ
ネント処理をした毛髪は、処理回数に応じて機械的強度
が低下する傾向にあり、10回目の処理後では、未処理
の毛髪と比較しておよそ半分程度にまで強度が低下する
ことが報告されている。またこのように損傷し、強度が
低下した毛髪は光沢を失い、切れ毛の原因となり、また
割れて枝毛になるなど、外観も悪くなり、美容上も問題
となる。この為、ケラチン繊維類の強度を維持、強化
し、損傷されたケラチン類の強度を改善することは美容
的にも重要な意味を持つ。
【0006】ケラチン類の主構成蛋白質はケラチン蛋白
質(狭義のケラチン)であって、シスチンの含量が多
く、ジスルフィド結合が多数存在し不溶性の安定な蛋白
質である。
【0007】ケラチン繊維類はアルファケラチンのヘリ
ックスコイルのフィラメント状蛋白質が付着剤の存在下
に一定の構造を取って繊維を構成する。この付着剤の役
割が重要である。
【0008】ケラチン繊維類には主構成成分であるケラ
チン蛋白質の他に、多数の構成成分が存在する。これら
の中、アミノ酸などの水溶性成分は保湿成分として、ケ
ラチン繊維類に潤いを与えるのに役立っていると考えら
れている。油性成分としてはセラミドが多く含まれてい
る。
【0009】セラミドは人の皮膚のケラチン細胞を繋ぎ
止めている角質細胞間脂質の主要成分でもあり、皮膚の
バリヤー効果に重要な役割を果たしている事が知られて
いる。
【0010】天然物から抽出したセラミドは光学活性な
( 2S,3R)−2−アシルアミノアルカン−1,3−
ジオール構造を有する。2−アシルアミノアルカン−
1,3−ジオールには4種類の立体異性体(ジアステレ
オマー)が存在する。このうち、天然に存在するのは
(2S,3R)−構造を有するもののみである。従来は
天然に存在するものと同一な( 2S,3R)−構造を有
する2−アシルアミノアルカン−1,3−ジオールを製
造するのは、天然物からセラミドを抽出する以外は困難
であった。
【0011】動物や植物などの天然物から抽出したセラ
ミドは多くのセラミド成分の混合物であり、しかも非常
に高価であった。このため、単一な、しかも天然物と同
一の立体構造を有する、光学活性な( 2S,3R)−2
−アシルアミノアルカン−1,3−ジオールのケラチン
繊維類に及ぼす影響の研究は報告されていなかった。
【0012】天然物の代替品として、2−アシルアミノ
アルカン−1,3 −ジオール類ラセミ体のジアステレオマ
ー混合物、すなわち、( 2S,3R):( 2R,3S)
が1:1であり、( 2S,3S):( 2R,3R)が
1:1である(但し、( 2S,3R)+( 2R,3
S):( 2S,3S)+( 2R,3R)は等しくない場
合が多い。)混合物(以下、「ラセミ体合成セラミド」
と略す。)が合成され、例えば「CERAMIDE I
I」(クエスト社)という商品名で市販に供せられ、化
粧品に許容される化粧品原料と混合して得られる組成物
を人の皮膚の荒れ肌の改善や毛髪の保護効果を与えるこ
とが提案された。
【0013】前述の「ラセミ体合成セラミド」を用いて
得られる組成物が、毛髪の水分損失を防止する効果を示
すことが知られている(特開平4−327563号公
報)。また、「ラセミ体合成セラミド」を含有する組成
物が髪に良好な形状保持力を与える事が知られている
(特開平7−300406号公報)。さらには、このよ
うな「ラセミ体合成セラミド」を含有する組成物が、皮
膚や毛髪のケラチン繊維類に適用し、つづいて任意に水
ですすぐことからなる事を特徴とする、皮膚又は、髪等
のケラチン繊維類をトリートメントする方法が知られて
いる(特開平8−245337号公報)。しかしなが
ら、これらの報告にはケラチン繊維類の強度の増加に関
する記載はない。本発明者らの研究でも、後述の実施例
に示すように、「ラセミ体合成セラミド」にはケラチン
繊維類の強度を改善する効果は見いだせなかった。
【0014】蛋白質繊維の強度を測定する方法として、
ケラチン繊維類を引っ張って切れるのに要する力(破断
強度)を測定する方法がある。パーマネント処理をした
毛髪は、処理回数に応じて破断強度が低下する傾向にあ
り、10回目の処理後では、未処理の毛髪と比較してお
よそ半分程度にまで低下することが報告されてダメージ
を受けた毛髪を保護する方法については多くの化合物が
開発され、保護作用を示す物質としてカチオン化加水分
解タンパクやイソプレングリコールなどが報告されてい
る(皮膚と美容、1997, 29,(3 )5027)。しかし、こ
れらの報告にもケラチン繊維類の強度の改善に関する記
載はない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ケラ
チン繊維類の破断強度等の物性を改善させることが出来
る新規なケラチン繊維類強度改善剤を提供することであ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を進めていたところ、一般式(1)で表される化合物を
含有し、これに油性成分、脂質類、ステロール類、低級
又は多価アルコール類、界面活性剤、その他の成分など
の化粧品に許容される化粧品原料(化粧品基剤)を加え
て調製された組成物が、パーマネント処理、有機溶媒の
処理や、その他の処理によって、傷んだ髪の破断強度を
著しく改善することができることを見出した。すなわ
ち、ケラチン繊維類の破断強度を増加させ、毛髪におい
ては、枝毛あるいは髪の切断を防止する効果がみられ、
キュア効果を有し、ケラチン繊維類強度改善剤としての
製品に使用できる事を見出し、更に多くの検討を重ねた
結果、本発明を完成したものである。
【0017】すなわち、本発明は、以下に示すとおりで
ある。 1) 一般式(1)
【0018】
【化8】
【0019】(式中、R1 は、炭素数9乃至17の直鎖
のアルキル基、R2 は、1個以上の水酸基又は不飽和結
合を含んでいても良い炭素数2乃至24のアシル基を示
す。)で表される( 2S,3R)−2−アシルアミノア
ルカン−1,3−ジオールの1種もしくは2種以上を
0. 001乃至20重量%含有することを特徴とするケ
ラチン繊維類強度改善剤。
【0020】2) 一般式(1)で表される化合物のR
1 が炭素数9乃至17の直鎖のアルキル基で且つ、R2
が、炭素数2乃至24の飽和のアシル基である化合物を
含有することを特徴とするところの前記1)記載のケラ
チン繊維類強度改善剤。
【0021】3) 一般式(1)で表される化合物のR
1 がC1327基、C1531基もしくはC1735基で且
つ、R2 が下記の一般式(2)乃至一般式(7)
【0022】
【化9】
【0023】
【化10】
【0024】
【化11】
【0025】
【化12】
【0026】
【化13】
【0027】
【化14】
【0028】(式中、R3 は水素原子、若しくは炭素数
1乃至21の飽和アルキル基を示す)で表されるアシル
基である前記1)記載のケラチン繊維類強度改善剤。
【0029】4) 一般式(2)乃至一般式(7)のR
3 がC1123基、C1327基、C1531基もしくはC17
35基を表す)である所の化合物を含有することを特徴
とするところの前記3)記載のケラチン繊維類強度改善
剤。
【0030】5) R2 がアセチル基、オレオイル基、
リノレオイル基、若しくはリノレノイル基であるところ
の前記2)記載のケラチン繊維類強度改善剤。 6) 一般式(1)で表される化合物の1種もしくは2
種以上を0. 001乃至20重量%含有し、さらに化粧
品に許容される化粧品原料を加えて成る前記1)乃至
5)記載のケラチン繊維類強度改善剤。
【0031】7) 一般式(1)で表される化合物の1
種もしくは2種以上を0. 005乃至5重量%含有する
ことを特徴とする前記1)乃至5)記載のケラチン繊維
類強度改善剤。
【0032】8) 前記6)及び7)記載の化粧品原料
が、油性成分、脂質類、ステロール類、低級又は多価ア
ルコール類、界面活性剤の群から選ばれた1種乃至2種
以上からなる事を特徴とする前記7)記載のケラチン繊
維類強度改善剤。
【0033】9) 前記1)乃至8)記載のケラチン繊
維類強度改善剤をケラチン繊維に付着、コーティングあ
るいは含ませることによるケラチン繊維類の強度を改善
する方法。
【0034】以下、本発明をさらに詳しく説明する。本
発明に用いられる一般式(1)で表される「(2S,3
R)−」の立体配置を有する光学活性な(2S,3R)
−2−アシルアミノアルカン−1,3−ジオール類を製
造する方法は、特に限定されないが、例えば、特開平6
−80617号公報記載の方法に従って得られる(2
S,3R)−2−アミノアルカン−1,3−ジオール
を、適当な脂肪酸又はその誘導体でアシル化して製造す
る方法を例示できる。
【0035】
【化15】
【0036】ここで用いられる脂肪酸又はその誘導体
は、下記の一般式(8) R2 −OH (8) で表される化合物(8)のR2 が、1個以上の水酸基又
は不飽和結合を含んでいても良い炭素数2〜24のアシ
ル基、及び、下記の一般式(2)乃至(7)
【0037】
【化16】
【0038】
【化17】
【0039】
【化18】
【0040】
【化19】
【0041】
【化20】
【0042】
【化21】
【0043】(式中、R3 は水素原子、若しくはC1乃
至C21の飽和アルキル基を表す)、更に、R2 がアセ
チル基、オレオイル基、若しくはリノレオイル基である
化合物である。
【0044】具体的には、次に示す1)〜4)を例示す
ることができるが、これらに限定されるものではない。 1) 酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘ
キサン酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラ
デカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、イコサン
酸、ドコサン酸、テトラコサン酸、等の飽和脂肪酸
【0045】2) グリコール酸、乳酸、(S)−乳
酸、(R)−乳酸、2−ヒドロキシブタン酸、(S)−
2−ヒドロキシブタン酸、(R)−2−ヒドロキシブタ
ン酸、2−ヒドロキシヘキサン酸、(S)−2−ヒドロ
キシヘキサン酸、(R)−2−ヒドロキシヘキサン酸、
2−ヒドロキシオクタン酸、(S)−2−ヒドロキシオ
クタン酸、(R)−2−ヒドロキシオクタン酸、2−ヒ
ドロキシデカン酸、(S)−2−ヒドロキシデカン酸、
(R)−2−ヒドロキシデカン酸、2−ヒドロキシドデ
カン酸、(S)−2−ヒドロキシドデカン酸、(R)−
2−ヒドロキシドデカン酸、2−ヒドロキシテトラデカ
ン酸(以下、2−ヒドロキシミリスチン酸と表記するこ
とがある。)、(S)−2−ヒドロキシミリスチン酸、
(R)−2−ヒドロキシミリスチン酸、2−ヒドロキシ
ヘキサデカン酸(以下、2−ヒドロキシパルミチン酸と
表記することがある。)、(S)−2−ヒドロキシパル
ミチン酸、(R)−2−ヒドロキシパルミチン酸、2−
ヒドロキシオクタデカン酸(以下、2−ヒドロキシステ
アリン酸と表記することがある。)、(S)−2−ヒド
ロキシステアリン酸、(R)−2−ヒドロキシステアリ
ン酸、2−ヒドロキシイコサン酸(以下、2−ヒドロキ
シアラキジン酸と表記することがある。)、(S)−2
−ヒドロキシアラキジン酸、(R)−2−ヒドロキシア
ラキジン酸、2−ヒドロキシテトラコサン酸、(S)−
2−ヒドロキシテトラコサン酸、(R)−2−ヒドロキ
シテトラコサン酸、等の2−ヒドロキシ酸
【0046】3) 3−ヒドロキシプロピオン酸、3−
ヒドロキシブタン酸、(S)−3−ヒドロキシブタン
酸、(R)−3−ヒドロキシヘブタン酸、3−ヒドロキ
シヘキサン酸、(S)−3−ヒドロキシヘキサン酸、
(R)−3−ヒドロキシヘキサン酸、3−ヒドロキシオ
クタン酸、(S)−3−ヒドロキシオクタン酸、(R)
−3−ヒドロキシオクタン酸、3−ヒドロキシデカン
酸、(S)−3−ヒドロキシデカン酸、(R)−3−ヒ
ドロキシデカン酸、3−ヒドロキシドデカン酸、(S)
−3−ヒドロキシドデカン酸、(R)−3−ヒドロキシ
ドデカン酸、3−ヒドロキシミリスチン酸、(S)−3
−ヒドロキシミリスチン酸、(R)−3−ヒドロキシミ
リスチン酸、3−ヒドロキシパルミチン酸、(S)−3
−ヒドロキシパルミチン酸、(R)−3−ヒドロキシパ
ルミチン酸、3−ヒドロキシステアリン酸、(S)−3
−ヒドロキシステアリン酸、(R)−3−ヒドロキシス
テアリン酸
【0047】4) オレイン酸、リノール酸、リノレイ
ン酸、パルミトレイン酸、等の不飽和脂肪酸
【0048】上記の、一般式(8)で表される脂肪酸及
びその誘導体を用いて、(2S,3R)−2−アミノア
ルカン−1,3−ジオール類、をアシル化する方法は特
に限定されず、通常のアシル化法を採用することが出来
る。即ち、上記の一般式(8)で表される脂肪酸及びそ
の誘導体を、(2S,3R)−2−アミノアルカン−
1,3−ジオール類と、触媒を用いて、又は用いない
で、加熱条件下で脱水反応行って、一般式(1)で示さ
れる化合物を製造することが出来る。ここで用いられる
脱水反応の触媒としては、酸触媒があげられるが、高温
を用いれば特に触媒を加えなくてよい。
【0049】また、一般式(8)で表される脂肪酸及び
その誘導体をアシル化剤に誘導した後に(2S,3R)
−2−アシルアミノアルカン−1,3−ジオール類と反
応させて、一般式(1)で示される化合物を製造するこ
とも出来る。ここで用いられるアシル化剤としては、一
般式(8)で表される脂肪酸及びその誘導体の、酸ハロ
ゲン化物、酸無水物、混酸無水物、エステル、パラニト
ロフェニルエステル、N- ヒドロキシスクシンイミドの
エステルなどが挙げられる。
【0050】更に、一般式(8)で表される脂肪酸及び
その誘導体を、脱水反応剤を用いて反応液中で一時的に
アシル化剤に誘導し、これを単離することなく(2S,
3R)−2−アミノアルカン−1,3−ジオール類と反
応せしめて、一般式(1)で示される化合物を製造する
ことが出来る。ここで用いられる脱水反応剤としては、
例えばカルボジイミド類、カルボニルジイミダゾール、
光延反応試薬(例えば、トリフェニルフォスフィン−2
−メルカプトピリジン等)等を例示できる。上記の、一
般式(8)で表される脂肪酸及びその誘導体を用いて
(2S,3R)−2−アミノアルカン−1,3−ジオー
ル類をアシル化する方法において、水酸基を保護せずに
反応を行うこともできるが、必要に応じて適当な保護基
で保護した後にアシル化反応を行い、反応が終わった後
に保護基を除去して所望のアミド化合物に導くことも出
来る。
【0051】従って、本発明に用いられる(2S,3
R)−の立体配置を有する光学活性な(2S,3R)−
2−アシルアミノアルカン−1,3−ジオール類として
は次のような化合物を挙げる事ができる。すなわち、一
般式(1)で表される化合物の具体例として、特に、R
1 が炭素数15のものについて例をあげると、次のとお
りである。しかし、本発明はこれらのR1 が炭素数15
のものに限定されるわけではない。
【0052】1) (2S,3R)−2−アセチルアミ
ノオクタデカン−1,3−ジオール、(2S,3R)−
2−ブタノイルアミノオクタデカン−1,3−ジオー
ル、(2S,3R)−2−ペンタノイルアミノオクタデ
カン−1,3−ジオール、(2S,3R)−2−ヘキサ
ノイルアミノオクタデカン−1,3−ジオール、(2
S,3R)−2−オクタノイルアミノオクタデカン−
1,3−ジオール、(2S,3R)−2−デカノイルア
ミノオクタデカン−1,3−ジオール、(2S,3R)
−2−ドデカノイルアミノオクタデカン−1,3−ジオ
ール、(2S,3R)−2−テトラデカノイルアミノオ
クタデカン−1,3−ジオール、(2S,3R)−2−
ヘキサデカノイルアミノオクタデカン−1,3−ジオー
ル、(2S,3R)−2−オクタデカノイルアミノオク
タデカン−1,3−ジオール、(2S,3R)−2−イ
コサデカノイルアミノオクタデカン−1,3−ジオー
ル、(2S,3R)−2−ドコサデカノイルアミノオク
タデカン−1,3−ジオール、(2S,3R)−2−テ
トラコサノイルアミノオクタデカン−1,3−ジオール
【0053】2) (2S,3R)−2−グリコリルア
ミノオクタデカン−1,3−ジオール、(2S,3R)
−2−ラクチルアミノオクタデカン−1,3−ジオー
ル、(2S,3R)−2−{(S)−ラクチル}アミノ
オクタデカン−1,3−ジオール、(2S,3R)−2
−{(R)−ラクチル}アミノオクタデカン−1,3−
ジオール、(2S,3R)−2−(2−ヒドロキシブタ
ノイル)アミノオクタデカン−1,3−ジオール、(2
S,3R)−2−{2−(S)−ヒドロキシブタノイ
ル}アミノオクタデカン−1,3−ジオール、(2S,
3R)−2−{2−(R)−ヒドロキシブタノイル}ア
ミノオクタデカン−1,3−ジオール、(2S,3R)
−2−(2−ヒドロキシペンタノイル)アミノオクタデ
カン−1,3−ジオール、(2S,3R)−2−{2−
(S)−ヒドロキシペンタノイル}アミノオクタデカン
−1,3−ジオール、(2S,3R)−2−{2−
(R)−ヒドロキシペンタノイル}アミノオクタデカン
−1,3−ジオール、(2S,3R)−2−(2−ヒド
ロキシヘキサノイル)アミノオクタデカン−1,3−ジ
オール、(2S,3R)−2−{2−(S)−ヒドロキ
シヘキサノイル}アミノオクタデカン−1,3−ジオー
ル、(2S,3R)−2−{2−(R)−ヒドロキシヘ
キサノイル}アミノオクタデカン−1,3−ジオール、
(2S,3R)−2−(2−ヒドロキシオクタノイル)
アミノオクタデカン−1,3−ジオール、(2S,3
R)−2−{2−(S)−ヒドロキシオクタノイル}ア
ミノオクタデカン−1,3−ジオール、(2S,3R)
−2−{2−(R)−ヒドロキシオクタノイル}アミノ
オクタデカン−1,3−ジオール、(2S,3R)−2
−(2−ヒドロキシデカノイル)アミノオクタデカン−
1,3−ジオール、(2S,3R)−2−{2−(S)
−ヒドロキシデカノイル}アミノオクタデカン−1,3
−ジオール、(2S,3R)−2−{2−(R)−ヒド
ロキシデカノイル}アミノオクタデカン−1,3−ジオ
ール、(2S,3R)−2−(2−ヒドロキシドデカノ
イル)アミノオクタデカン−1,3−ジオール、(2
S,3R)−2−{2−(S)−ヒドロキシドデカノイ
ル}アミノオクタデカン−1,3−ジオール、(2S,
3R)−2−{2−(R)−ヒドロキシドデカノイル}
アミノオクタデカン−1,3−ジオール、(2S,3
R)−2−(2−ヒドロキシミリストイル)アミノオク
タデカン−1,3−ジオール、(2S,3R)−2−
{2−(S)−ヒドロキシミリストイル}アミノオクタ
デカン−1,3−ジオール、(2S,3R)−2−{2
−(R)−ヒドロキシミリストイル}アミノオクタデカ
ン−1,3−ジオール、(2S,3R)−2−(2−ヒ
ドロキシパルミトイル)アミノオクタデカン−1,3−
ジオール、(2S,3R)−2−{2−(S)−ヒドロ
キシパルミトイル}アミノオクタデカン−1,3−ジオ
ール、(2S,3R)−2−{2−(R)−ヒドロキシ
パルミトイル}アミノオクタデカン−1,3−ジオー
ル、(2S,3R)−2−(2−ヒドロキシステアロイ
ル)アミノオクタデカン−1,3−ジオール、(2S,
3R)−2−{2−(S)−ヒドロキシステアロイル}
アミノオクタデカン−1,3−ジオール、(2S,3
R)−2−{2−(R)−ヒドロキシステアロイル}ア
ミノオクタデカン−1,3−ジオール、(2S,3R)
−2−(2−ヒドロキシイコサノイル)アミノオクタデ
カン−1,3−ジオール、(2S,3R)−2−{2−
(S)−ヒドロキシイコサノイル}アミノオクタデカン
−1,3−ジオール、(2S,3R)−2−{2−
(R)−ヒドロキシイコサノイル}アミノオクタデカン
−1,3−ジオール、(2S,3R)−2−(2−ヒド
ロキシテトラコサノイル)アミノオクタデカン−1,3
−ジオール、(2S,3R)−2−{2−(S)−ヒド
ロキシテトラコサノイル}アミノオクタデカン−1,3
−ジオール、(2S,3R)−2−{2−(R)−ヒド
ロキシテトラコサノイル}アミノオクタデカン−1,3
−ジオール
【0054】3) (2S,3R)−2−(3−ヒドロ
キシプロパノイル)アミノオクタデカン−1,3−ジオ
ール、(2S,3R)−2−(3−ヒドロキシブタノイ
ル)アミノオクタデカン−1,3−ジオール、(2S,
3R)−2−{3−(S)−ヒドロキシブタノイル}ア
ミノオクタデカン−1,3−ジオール、(2S,3R)
−2−{3−(R)−ヒドロキシブタノイル}アミノオ
クタデカン−1,3−ジオール、(2S,3R)−2−
(3−ヒドロキシペンタノイル)アミノオクタデカン−
1,3−ジオール、(2S,3R)−2−{3−(S)
−ヒドロキシペンタノイル}アミノオクタデカン−1,
3−ジオール、(2S,3R)−2−{3−(R)−ヒ
ドロキシペンタノイル}アミノオクタデカン−1,3−
ジオール、(2S,3R)−2−(3−ヒドロキシヘキ
サノイル)アミノオクタデカン−1,3−ジオール、
(2S,3R)−2−{3−(S)−ヒドロキシヘキサ
ノイル}アミノオクタデカン−1,3−ジオール、(2
S,3R)−2−{3−(R)−ヒドロキシヘキサノイ
ル}アミノオクタデカン−1,3−ジオール、(2S,
3R)−2−(3−ヒドロキシオクタノイル)アミノオ
クタデカン−1,3−ジオール、(2S,3R)−2−
{3−(S)−ヒドロキシオクタノイル}アミノオクタ
デカン−1,3−ジオール、(2S,3R)−2−{3
−(R)−ヒドロキシオクタノイル}アミノオクタデカ
ン−1,3−ジオール、(2S,3R)−2−(3−ヒ
ドロキシデカノイル)アミノオクタデカン−1,3−ジ
オール、(2S,3R)−2−{3−(S)−ヒドロキ
シデカノイル}アミノオクタデカン−1,3−ジオー
ル、(2S,3R)−2−{3−(R)−ヒドロキシデ
カノイル}アミノオクタデカン−1,3−ジオール、
(2S,3R)−2−(3−ヒドロキシドデカノイル)
アミノオクタデカン−1,3−ジオール、(2S,3
R)−2−{3−(S)−ヒドロキシドデカノイル}ア
ミノオクタデカン−1,3−ジオール、(2S,3R)
−2−{3−(R)−ヒドロキシドデカノイル}アミノ
オクタデカン−1,3−ジオール、(2S,3R)−2
−(3−ヒドロキシミリストイル)アミノオクタデカン
−1,3−ジオール、(2S,3R)−2−{3−
(S)−ヒドロキシミリストイル}アミノオクタデカン
−1,3−ジオール、(2S,3R)−2−{3−
(R)−ヒドロキシミリストイル}アミノオクタデカン
−1,3−ジオール、(2S,3R)−2−(3−ヒド
ロキシパルミトイル)アミノオクタデカン−1,3−ジ
オール、(2S,3R)−2−{3−(S)−ヒドロキ
シパルミトイル}アミノオクタデカン−1,3−ジオー
ル、(2S,3R)−2−{3−(R)−ヒドロキシパ
ルミトイル}アミノオクタデカン−1,3−ジオール、
(2S,3R)−2−(3−ヒドロキシステアロイル)
アミノオクタデカン−1,3−ジオール、(2S,3
R)−2−{3−(S)−ヒドロキシステアロイル}ア
ミノオクタデカン−1,3−ジオール、(2S,3R)
−2−{3−(R)−ヒドロキシステアロイル}アミノ
オクタデカン−1,3−ジオール、(2S,3R)−2
−(3−ヒドロキシイコサノイル)アミノオクタデカン
−1,3−ジオール、(2S,3R)−2−{3−
(S)−ヒドロキシイコサノイル}アミノオクタデカン
−1,3−ジオール(2S,3R)−2−{3−(R)
−ヒドロキシイコサノイル}アミノオクタデカン−1,
3−ジオール(2S,3R)−2−(3−ヒドロキシテ
トラコサノイル)アミノオクタデカン−1,3−ジオー
ル、(2S,3R)−2−{3−(S)−ヒドロキシテ
トラコサノイル}アミノオクタデカン−1,3−ジオー
ル、(2S,3R)−2−{3−(R)−ヒドロキシテ
トラコサノイル}アミノオクタデカン−1,3−ジオー
【0055】4) (2S,3R)−2−オレオイルア
ミノオクタデカン−1,3−ジオール、(2S,3R)
−2−リノーロイルアミノオクタデカン−1,3−ジオ
ール、(2S,3R)−2−リノレオイルアミノオクタ
デカン−1,3−ジオール、(2S,3R)−2−パル
ミトレオイルアミノオクタデカン−1,3−ジオール
【0056】一般式(1)で示される化合物を製造する
方法は特に限定されないが、例えば、R2 により次の
1)〜4)を例示することができる。 1) 酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘ
キサン酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラ
デカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、イコサン
酸、ドコサン酸、テトラコサン酸、等の飽和脂肪酸基で
ある化合物は、特開平4−327563号公報に述べら
れた方法の応用で製造することができる。
【0057】2) グリコ−ル酸、乳酸、(S)−乳
酸、(R)−乳酸、2−ヒドロキシブタン酸、(S)−
2−ヒドロキシブタン酸、(R)−2−ヒドロキシブタ
ン酸、2−ヒドロキシヘキサン酸、(S)−2−ヒドロ
キシヘキサン酸、(R)−2−ヒドロキシヘキサン酸、
2−ヒドロキシオクタン酸、(S)−2−ヒドロキシヘ
キセン酸、(R)−2−ヒドロキシヘキセン酸、2−ヒ
ドロキシデカン酸、(S)−2−ヒドロキシデカン酸、
(R)−2−ヒドロキシデカン酸、2−ヒドロキシドデ
カン酸、(S)−2−ヒドロキシドデカン酸、(R)−
2−ヒドロキシドデカン酸、2−ヒドロキシミリスチン
酸、(S)−2−ヒドロキシミリスチン酸、(R)−2
−ヒドロキシミリスチン酸、2−ヒドロキシパルミチン
酸、(S)−2−ヒドロキシパルミチン酸、(R)−2
−ヒドロキシパルミチン酸、2−ヒドロキシステアリン
酸、(S)−2−ヒドロキシステアリン酸、(R)−2
−ヒドロキシステアリン酸、2−ヒドロキシアラキジン
酸、(S)−2−ヒドロキシアラキジン酸、(R)−2
−ヒドロキシアラキジン酸、2−ヒドロキシテトラコサ
ン酸、(S)−2−ヒドロキシテトラコサン酸、(R)
−2−ヒドロキシテトラコサン酸、等の2−ヒドロキシ
酸基である化合物は、特開平10−287350号公報
に述べられた方法の応用で製造することができる。
【0058】3) 3−ヒドロキシプロピオン酸、3−
ヒドロキシブタン酸、(S)−3−ヒドロキシブタン
酸、(R)−3−ヒドロキシブタン酸、3−ヒドロキシ
ヘキサン酸、(S)−3−ヒドロキシヘキサン酸、
(R)−3−ヒドロキシヘキサン酸、3−ヒドロキシオ
クタン酸、(S)−3−ヒドロキシオクタン酸、(R)
−3−ヒドロキシオクタン酸、3−ヒドロキシデカン
酸、(S)−3−ヒドロキシデカン酸、(R)−3−ヒ
ドロキシデカン酸、3−ヒドロキシドデカン酸、(S)
−3−ヒドロキシドデカン酸、(R)−3−ヒドロキシ
ドデカン酸、3−ヒドロキシミリスチン酸、(S)−3
−ヒドロキシミリスチン酸、(R)−3−ヒドロキシミ
リスチン酸、3−ヒドロキシパルミチン酸、(S)−3
−ヒドロキシパルミチン酸、(R)−3−ヒドロキシパ
ルミチン酸、3−ヒドロキシステアリン酸、(S)−3
−ヒドロキシステアリン酸、(R)−3−ヒドロキシス
テアリン酸基、等の基である化合物は、特開平10−2
18851号公報に述べられた方法、およびその応用で
製造することができる。
【0059】4) オレイン酸、リノール酸、リノレイ
ン酸、パルミトレイン酸、等の不飽和脂肪酸基である化
合物は、特開平4−327563号公報に述べられた方
法、およびその応用で製造することができる。
【0060】本発明は一般式(1)で表される化合物の
製造方法は特に限定されず、本発明は上記の製造方法に
限定されるものではない。一般式(1)で表される化合
物は単独で、又は二種以上の混合物として用いることが
出来る。
【0061】本発明の一般式(1)で表される化合物
は、化粧品に許容される公知の化粧品原料の1種又は2
種以上を配合する事によって、ケラチン繊維類強度改善
剤として実用に供することが出来る。
【0062】この添加できる化粧品原料は特に制限され
ず、例えば、油性成分、脂質類、ステロール類、低級又
は多価アルコール類、界面活性剤、その他の成分類が挙
げられる。
【0063】油性成分としては、パラフィン、ワセリ
ン、セレシン、スクワラン、スクワレンなどの炭化水
素;ステアリン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸な
どの高級脂肪酸類;パルミチルアルコール、ステアリル
アルコール、セタノール、ベヘニルアルコールなど高級
アルコール類;等を挙げることが出来る。
【0064】脂質類としては、ユーカリ油、硬化パーム
油、ココヤシ油、ミツロウ、牛脂、豚脂、ラノリン、等
のグリセロ脂質類;セラミド、スフィンゴミエリン、セ
レブロシド、ガングリオシド、等のスフィンゴ脂質類;
ラセミ体合成セラミド、プソイドセラミド等の脂質類似
体を例示できる。
【0065】ステロール類としては、コレステロール、
エルゴステロール;シトステロール、スチグマステロー
ル、スピナステロール等のフィトステロール類;イソス
テアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレ
ステリル、コハク酸モノコレステリル等のコレステロー
ルエステル類を挙げることが出来る。
【0066】低級又は多価アルコール類としては、エタ
ノール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレン
グリコール、1,3−ブチレングリコール等を例示する
ことが出来る。
【0067】界面活性剤としては、ステアリン酸ソー
ダ、イソステアリン酸ソーダ、パルミチン酸ソーダ等の
高級脂肪酸塩、ステアロイル硫酸ナトリウム、ポリオキ
シエチレンラウリル硫酸ソーダ、ポリオキシエチレンミ
リスチル硫酸ソーダ、ポリオキシエチレンステアリル硫
酸ソーダ、ポリオキシエチレンイソステアリル硫酸ソー
ダ、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸
ナトリウムヒドロキシメチルセルロースなどのアニオン
界面活性剤;4級アンモニウム塩等のカチオン界面活性
剤;モノカプリン酸グリセリル、モノカプリル酸グリセ
リル、モノオレイン酸グリセリル、モノ(2 −エチルヘ
キサン酸)グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、
モノパルミチン酸グリセリルなど、モノグリセリドオク
タン酸セチル、モノステアリン酸ポリエチレングリコー
ル、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
メチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、キサン
タンガム、グリセリンモノステアリン酸エステル、グリ
セリンジステアリン酸エステル等の非イオン界面活性
剤、を挙げることが出来る。
【0068】上記のその他の成分類としては、パラベン
等の防腐剤、エチレンジアミン4酢酸ナトリウムなどの
キレート剤、クエン酸等の緩衝剤、食塩、香料、水等を
挙げることが出来る。
【0069】一般式(1)で表される化合物を含む本発
明のケラチン繊維類強度改善剤には、一般式(1)で表
される化合物の1種もしくは2種以上を全組成の0. 0
01%乃至20重量%、好ましくは0. 005乃至5重
量%、より好ましくは0. 01乃至2重量%含有させ
る。
【0070】後述する実施例31乃至実施例38に示す
ように、美容院にてカットされ廃棄される損傷していな
い健康な毛髪や犬の毛を有機溶媒(クロロホルムとエタ
ノールの混合液)によって処理を施して脱脂した後に、
一般式(1)で表される天然型光学活性体、すなわち、
(2S,3R)−2−アシルアミノアルカン−1,3−
ジオールを含有するところケラチン繊維類強度改善剤を
用いてその効果を試験したところ、本発明のケラチン繊
維類強度改善剤を用いて処理した毛髪は、脱脂されて傷
んだままの毛髪と比較して、有意に破断強度を高め、ヤ
ング率を向上させ、ケラチン繊維類の破断強度などの物
性を著しく改善させるというきわめて優れた好ましい結
果を示した。
【0071】更に、本発明の一般式(1)で表される化
合物を含有するところのケラチン繊維類強度改善剤を用
いて処理を施した毛髪は、一般式(1)に相当する立体
異性体類の混合物の「ラセミ体合成セラミドを」を含有
するところのケラチン繊維類強度改善剤を用いて処理し
た毛髪と比較して、有意に破断強度を高め、ヤング率を
向上させ、ケラチン繊維類の破断強度などの物性を著し
く改善させる効果が認められた。
【0072】これらの結果は、本発明のケラチン繊維類
強度改善剤が、ケラチン質の破断強度の増加並びに高い
タフネスを与える効果があることを明確に示すものであ
る。ここで用いた有機溶媒は、脂質成分を抽出しやすい
クロロホルムとエタノールの混合溶液であり、その配合
量は1:1乃至10:1である。また、有機溶媒処理と
は、健康な毛を有機溶媒に浸し15分間超音波処理して
毛髪の脂質成分を取り除く処理のことをいう。
【0073】本発明の一般式(1)で表される化合物に
化粧品原料を配合し、メチルパラベンやエチルパラベン
等の防腐剤を加えることによって、シャンプー、リン
ス、あるいは毛髪保護クリームなどの毛髪用の化粧料を
調製することが出来る。後記実施例中のパラベンとはメ
チルパラベンとエチルパラベンの1:1の混合物であ
る。
【0074】また、一般式(1)で表される化合物を用
いて、後記実施例に示す様な処方で、シャンプー、毛髪
保護クリーム、ローションなどの毛髪用化粧品を調製
し、それを使用して、パーマネント処理、ブリーチ処
理、紫外線照射などによってダメージを受けた毛髪を処
理することにより、ケラチン質の破断強度の改善、すな
わちケラチン繊維類の強度を改善する事が出来る。
【0075】また、同様に、後記実施例中に示す様な方
法で、犬用のシャンプー、毛髪保護クリーム、ローショ
ン等の化粧品を調製し、それを用いることで犬の毛の破
断強度を改善することができる。
【0076】
【発明の効果】一般式(1)で表される天然物と同一の
立体配置を有する光学活性な(2S,3R)-2-アシルアミノア
ルカン-1,3- ジオール類を含有してなるケラチン繊維類
強度改善剤は、毛髪などのケラチン繊維類に塗布(付
着、コーテイングあるいは含浸)させることにより毛髪
の破断強度を著しく増加させる効果が認められた。ま
た、本発明ケラチン繊維類強度改善剤は、上記化合物の
立体異性体混合物である「ラセミ体合成セラミド」を含
有してなるケラチン繊維類強度改善剤と比較して有意に
毛髪の破断強度を著しく改善させる効果が見られ、また
高いヤング率を示した。この事により、本発明ケラチン
繊維類強度改善剤を用いて損傷を受けた毛髪の補修の為
のヘアーケアー製品を開発する事ができる。さらには、
本発明ケラチン繊維類強度改善剤は損傷した髪を健康な
状態に戻すキュア効果を有するものである。
【0077】
【実施例】以下に、試験例や実施例により本発明をさら
に詳細に説明するが、本発明はこれらの試験例や実施例
に限定されるものではない。
【0078】
【実施例1】 ケラチン繊維類強度改善剤の調製 一般式(1)で表されるセラミドとして、 R1=C15H31,
R2=C17H35CO の(2S,3R)-2-アシルアミノアルカン-1,3-
ジオール(化合物1)を用いて、ケラチン繊維類強度改
善剤(本発明の光学活性体含有処理剤)を調製した。
【0079】すなわち、化合物1のセラミドにイソステ
アリン酸、ステアリン酸ソーダ、コレステロール、モノ
ステアリン酸グリセリル、セタノールを加え、100〜
120℃で溶解し、ここへ、70℃前後で、プロピレン
グリコールを加えて撹拌し、均一の状態とし、ポリオキ
シエチレンラウリルエーテル硫酸ソーダを加え、ここへ
70℃前後で撹拌しながら精製水を加えていきケラチン
繊維類強度改善剤を調製した。その処方例を以下に示
す。
【0080】 成分 重量% 光学活性な(2S,3R)-体の化合物1 0.8 イソステアリン酸 0.3 ステアリン酸ソーダ 0.3 コレステロール 0.3 モノステアリン酸グリセリル 0.1 セタノール 0.1 ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ソーダ 10.0 プロピレングリコール 10.0 精製水 残部
【0081】
【比較例1】 プラセボ処理剤の調製 実施例1と同様にして、ただし、実施例1の処方より化
合物1を除いて、処理剤(プラセボ処理剤)を調製し
た。
【0082】
【比較例2】 ラセミ体含有処理剤の調製 実施例1と同様にして、ただし、実施例1の処方中の化
合物1 (R1=C15H31, R2=C17H35CO) の代わりに化合物1
と平面構造が同一である「ラセミ体合成セラミド」を用
いて、処理剤(ラセミ体含有処理剤)を調製した。
【0083】
【実施例2】 ケラチン繊維類強度改善剤の処方例 一般式(1)で表されるセラミドとして、 R1=C13H27,
R2=C15H31CO の(2S,3R)-2-アシルアミノアルカン-1,3-
ジオール(化合物2)を用いて、ケラチン繊維類強度改
善剤を調製した。
【0084】
【実施例3】 ケラチン繊維類強度改善剤の処方例 一般式(1)で表されるセラミドとして、 R1=C17H35,
R2=C17H35CO の(2S,3R)-2-アシルアミノアルカン-1,3-
ジオール(化合物3)と化合物1(R1=C15H31,R2=C17H3
5CO) の1:1の混合物を用いて、実施例1と同じ処方
でケラチン繊維類強度改善剤を調製した。
【0085】
【実施例4】 ケラチン繊維類強度改善剤の処方例 一般式(1)で表されるセラミドとして、 R1=C13H27,
R2=C17H35CO の(2S,3R)-2-アシルアミノアルカン-1,3-
ジオール(化合物4)を用いて、実施例1と同じ処方で
ケラチン繊維類強度改善剤を調製した。
【0086】
【実施例5】 ケラチン繊維類強度改善剤の処方例 一般式(1)で表されるセラミドとして、化合物2(R1=
C13H27, R2=C15H31CO)と化合物4(R1=C13H27, R2=C17H3
5CO)の1:2の混合物を用いて、実施例1と同じ処方で
ケラチン繊維類強度改善剤を調製した。
【0087】
【実施例6】 ケラチン繊維類強度改善剤の処方例 一般式(1)で表されるセラミドとして、化合物2(R1=
C13H27, R2=C15H31CO)と化合物3(R1=C17H35, R2=C17H3
5CO)の3:1の混合物を用いて、実施例1と同じ処方で
ケラチン繊維類強度改善剤を調製した。
【0088】
【実施例7】 ケラチン繊維類強度改善剤の処方例 一般式(1)で表されるセラミドとして、化合物2(R1=
C13H27, R2=C15H31CO)、化合物3(R1=C17H35, R2=C17H3
5CO)及び化合物1(R1=C15H31, R2=C17H35CO)の1:1:
1の混合物を用いて、実施例1と同じ処方でケラチン繊
維類強度改善剤を調製した。
【0089】
【実施例8】 毛髪保護クリームの調製 一般式(1)で表されるセラミドとして、化合物1(R1=
C15H31, R2=C17H35CO)を用い毛髪保護クリームを調製し
た。
【0090】 成分 重量% 化合物1 0.6 流動パラフィン 15.0 ワセリン 15.0 サラシミツロウ 2.0 カルボキシビニルポリマー 0.1 キサンタンガム 0.1 グリセリン 5.0 ポリオキシエチレン硬化ひまし油 3.0 キレート剤 適量 イソステアリン酸 0.3 ステアリン酸ソーダ 0.3 コレステロール 0.3 セタノール 0.1 パラベン 適量 香料 適量 精製水 残部
【0091】
【実施例9】 毛髪保護クリームの調製 一般式(1)で表されるセラミドとして、化合物3(R1=
C17H35, R2=C17H35CO)と化合物1(R1=C15H31, R2=C17H3
5CO)の1:1の混合物を用いて、毛髪保護クリームを調
製した。
【0092】 成分 重量% 化合物1と化合物3の混合物 0.6 流動パラフィン 15.0 ワセリン 15.0 サラシミツロウ 2.0 カルボキシビニルポリマー 0.1 キサンタンガム 0.1 グリセリン 5.0 ポリオキシエチレン硬化ひまし油 3.0 キレート剤 適量 イソステアリン酸 0.3 ステアリン酸ソーダ 0.3 コレステロール 0.3 パラベン 適量 セタノール 0.1 香料 適量 精製水 残部
【0093】
【実施例10】 シャンプーの調製 一般式(1)で表されるセラミドとして、化合物1(R1=
C15H31, R2=C17H35CO)を用いてシャンプーを調製した。
【0094】 成分 重量% 化合物1 1.0 ラウリル硫酸トリエタノールアミン 18.5 ヒドロキシプロピルメチルセルロース1%水溶液 15.0 ラウリル硫酸アンモニウム 8.0 1,3-ジメチロール-5,5- ジメチルヒダントイン 0.15 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.05 クエン酸 少量 食塩 少量 香料 0.85 イソステアリン酸 0.3 ステアリン酸ソーダ 0.3 コレステロール 0.3 モノステアリン酸グリセリル 0.1 セタノール 0.1 精製水 残部
【0095】
【実施例11】 シャンプーの調製 一般式(1)で表されるセラミドとして、化合物3(R1=
C17H35, R2=C17H35CO)と化合物1(R1=C15H31, R2=C17H3
5CO)の1:1の混合物を用いて、シャンプーを調製し
た。
【0096】 成分 重量% 化合物3と化合物1の混合物 1.0 ラウリル硫酸トリエタノールアミン 18.5 ヒドロキシプロピルメチルセルロース1%水溶液 15.0 ラウリル硫酸アンモニウム 8.0 1,3-ジメチロール-5,5- ジメチルヒダントイン 0.15 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.05 クエン酸 少量 食塩 少量 香料 0.85 イソステアリン酸 0.3 ステアリン酸ソーダ 0.3 コレステロール 0.3 モノステアリン酸グリセリル 0.1 セタノール 0.1 精製水 残部
【0097】
【実施例12】 シャンプーの調製 一般式(1)で表されるセラミドとして化合物2(R1=C1
3H27, R2=C15H31CO)、化合物3(R1=C17H35, R2=C17H35C
O)及び化合物1(R1=C15H31, R2=C17H35CO)の1:1:1
の混合物を用いて、シャンプーを調製した。
【0098】 成分 重量% 化合物2、化合物3及び化合物1の混合物 0.9 ラウリル硫酸トリエタノールアミン 18.5 ヒドロキシプロピルメチルセルロース1%水溶液 15.0 ラウリル硫酸アンモニウム 8.0 1,3-ジメチロール-5,5- ジメチルヒダントイン 0.15 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.05 クエン酸 少量 食塩 少量 香料 0.85 イソステアリン酸 0.3 ステアリン酸ソーダ 0.3 コレステロール 0.3 モノステアリン酸グリセリル 0.1 セタノール 0.1 精製水 残部
【0099】
【実施例13】 犬用シャンプーの調製 一般式(1)で表されるセラミドとして、化合物2(R1=
C13H27, R2=C15H31CO)、化合物3(R1=C17H35, R2=C17H3
5CO)及び化合物1(R1=C15H31, R2=C17H35CO)の1:1:
1の混合物を用いて、犬用シャンプーを調製した。
【0100】 成分 重量% 化合物2、化合物3及び化合物1の混合物 0.6 ラウリル硫酸トリエタノールアミン 18.5 ヒドロキシプロピルメチルセルロース1%水溶液 15.0 ラウリル硫酸アンモニウム 8.0 1,3-ジメチロール-5,5- ジメチルヒダントイン 0.15 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.05 クエン酸 少量 食塩 少量 香料 0.85 イソステアリン酸 0.3 ステアリン酸ソーダ 0.3 コレステロール 0.3 モノステアリン酸グリセリル 0.1 セタノール 0.1 精製水 残部
【0101】
【実施例14】 犬用シャンプーの調製 一般式(1)で表されるセラミドとして、化合物2(R1=
C13H27, R2=C15H31CO)を用いて犬用シャンプーを調製し
た。
【0102】 成分 重量% 化合物2 0.6 ラウリル硫酸トリエタノールアミン 18.5 ヒドロキシプロピルメチルセルロース1%水溶液 15.0 ラウリル硫酸アンモニウム 8.0 1,3-ジメチロール-5,5- ジメチルヒダントイン 0.15 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.05 クエン酸 少量 食塩 少量 香料 0.85 イソステアリン酸 0.3 ステアリン酸ソーダ 0.3 コレステロール 0.3 モノステアリン酸グリセリル 0.1 セタノール 0.1 精製水 残部
【0103】
【実施例15】 毛髪処理ローションの調製 一般式(1)で表されるセラミドとして、化合物2(R1=
C13H27, R2=C15H31CO)、化合物3(R1=C17H35, R2=C17H3
5CO)及び化合物1(R1=C15H31, R2=C17H35CO)の1:1:
1の混合物を用い、毛髪処理ローションを調製した。
【0104】 成分 重量% 化合物2、化合物3及び化合物1の混合物 1.0 ヒドロキシエチルセルロース 0.4 エタノール 25.0 モノオレイン酸グリセリル 2.0 パラベン 0.2 香料 0.1 イソステアリン酸 0.3 ステアリン酸ソーダ 0.3 コレステロール 0.3 モノステアリン酸グリセリル 0.1 セタノール 0.1 精製水 残部
【0105】
【実施例16】 犬の毛処理ローションの調製 一般式(1)で表されるセラミドとして、化合物1(R1=
C15H31, R2=C17H35CO)を用いて、毛髪処理ローションを
調製した。
【0106】 成分 重量% 化合物1 0.5 ヒドロキシエチルセルロース 0.4 エタノール 25.0 モノオレイン酸グリセリル 2.0 パラベン 0.2 香料 0.1 イソステアリン酸 0.3 ステアリン酸ソーダ 0.3 コレステロール 0.3 モノステアリン酸グリセリル 0.1 セタノール 0.1 精製水 残部
【0107】
【実施例17】 毛髪処理ローションの調製 一般式(1)で表されるセラミドとして、化合物3(R1=
C17H35, R2=C17H35CO)と化合物1(R1=C15H31, R2=C17H3
5CO)の1:1の混合物を用い、毛髪処理ローションを調
製した。
【0108】 成分 重量% 化合物3と化合物1の混合物 1.0 ヒドロキシエチルセルロース 0.4 エタノール 25.0 モノオレイン酸グリセリル 2.0 パラベン 0.2 香料 0.1 イソステアリン酸 0.3 ステアリン酸ソーダ 0.3 コレステロール 0.3 モノステアリン酸グリセリル 0.1 セタノール 0.1 精製水 残部
【0109】
【実施例18】 犬の毛処理ローションの調製 一般式(1)で表されるセラミドとして、化合物2(R1=
C13H27, R2=C15H31CO)、化合物3(R1=C17H35, R2=C17H3
5CO)及び化合物1(R1=C15H31, R2=C17H35CO)の1:1:
1の混合物を用い、毛髪処理ローションを調製した。
【0110】 成分 重量% 化合物2、化合物3及び化合物1の混合物 0.9 ヒドロキシエチルセルロース 0.4 エタノール 25.0 モノオレイン酸グリセリル 2.0 パラベン 0.2 香料 0.1 イソステアリン酸 0.3 ステアリン酸ソーダ 0.3 コレステロール 0.3 モノステアリン酸グリセリル 0.1 セタノール 0.1 精製水 残部
【0111】
【実施例19】 毛髪処理ローションの調製 一般式(1)で表されるセラミドとして、化合物2(R1=
C13H27, R2=C15H31CO)、化合物3(R1=C17H35, R2=C17H3
5CO)及び化合物1(R1=C15H31, R2=C17H35CO)の1:1:
1の混合物を用い、毛髪処理ローションを調製した。
【0112】 成分 重量% 化合物2、化合物3及び化合物1の混合物 1.0 ヒドロキシエチルセルロース 0.4 エタノール 25.0 モノオレイン酸グリセリル 2.0 パラベン 0.2 香料 0.1 イソステアリン酸 0.3 ステアリン酸ソーダ 0.3 コレステロール 0.3 モノステアリン酸グリセリル 0.1 セタノール 0.1 精製水 残部
【0113】
【実施例20】 犬の毛処理ローションの調製 一般式(1)で表されるセラミドとして、化合物3(R1=
C17H35, R2=C17H35CO)と化合物1(R1=C15H31, R2=C17H3
5CO)の2:1の混合物を用いて、毛髪処理ローションを
調製した。
【0114】 成分 重量% 化合物3と化合物1の混合物 0.9 ヒドロキシエチルセルロース 0.4 エタノール 25.0 モノオレイン酸グリセリル 2.0 パラベン 0.2 香料 0.1 精製水 残部
【0115】
【実施例21】 ケラチン繊維類強度改善剤の調製 一般式(1)で表されるセラミドとして、R1 はC15
31基、R2 は2−ヒドロキシヘキサデカノイル基である
ところの、(2S,3R)−2−(2−ヒドロキシヘキ
サデカノイル)アミノオクタデカン−1,3−ジオール
(化合物6)を用いて、ケラチン繊維類強度改善剤(本
発明の光学活性体含有処理剤)を調製した。
【0116】 成分 重量% 化合物6 0.8 イソステアリン酸 0.3 ステアリン酸ソーダ 0.3 コレステロール 0.3 モノステアリン酸グリセリド 0.1 セタノール 0.1 ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ソーダ 10.0 プロピレングリコール 10.0 精製水 残部
【0117】
【比較例3】 プラセボ処理剤の調製 実施例21と同様にして、ただし、実施例21の処方よ
り化合物6を除いて処理剤(プラセボ処理剤)を調製し
た。
【0118】
【実施例22】 ケラチン繊維類強度改善剤の処方例 実施例21と同様にして、ただし、実施例21の処方よ
り化合物6を除いて、代わりに一般式(1)で表される
セラミドとして、R1 はC15H31基、R2 はオレオイル
基であるところの、(2S,3R)−2−オレオイルア
ミノオクタデカン−1,3−ジオール(化合物7)を用
いて、ケラチン繊維類強度改善剤(本発明の光学活性体
含有処理剤)を調製した。
【0119】
【実施例23】 ケラチン繊維類強度改善剤の処方例 実施例21と同様にして、ただし、実施例21の処方よ
り化合物6を除いて、代わりに、一般式(1)で表され
るセラミドとして、R1 はC15H31基、R2 はオクタデ
カノイル基であるところの、(2S,3R)−2−オク
タデカノイルアミノオクタデカン−1,3−ジオール
(化合物1)とR1 はC15H31基、R2 はアセチル基で
あるところの、(2S,3R)−2−アセトアミノオク
タデカン−1,3−ジオール(化合物8)との2:1の
混合物を用いてケラチン繊維類強度改善剤を調製した。
【0120】
【実施例24】 ケラチン繊維類強度改善剤の処方例 実施例21と同様にして、ただし、実施例21の処方よ
り化合物6を除いて、代わりに一般式(1)で表される
セラミドとして、R1 はC15H31基、R2 は(R)−3
−ヒドロキシヘキサデカノイル基であるところの、(2
S,3R)−2−{(R)−3−ヒドロキシヘキサデカ
ノイル)アミノ}オクタデカン−1,3−ジオール(化
合物9)を用いてケラチン繊維類強度改善剤を調製し
た。
【0121】
【実施例25】 ケラチン繊維類強度改善剤の処方例 実施例21と同様にして、ただし、実施例21の処方よ
り化合物6を除いて、代わりに一般式(1)で表される
セラミドとして、R1 はC15H31基、R2 は(R)−2
−ヒドロキシヘキサデカノイル基であるところの、(2
S,3R)−2−{(R)−2−ヒドロキシヘキサデカ
ノイル)アミノオクタデカン−1 ,3−ジオール(化
合物10)を用いてケラチン繊維類強度改善剤を調製し
た。
【0122】
【実施例26】 毛髪処理剤の調製 一般式(1)で表されるセラミドとして、R1 はC15H
31基、R2 は2−ヒドロキシヘキサデカノイル基である
ところの、(2S,3R)−2−(2−ヒドロキシヘキ
サデカノイル)アミノオクタデカン−1,3−ジオール
(化合物6)を用いて、毛髪処理剤を調製した。
【0123】 成分 重量% 化合物6 0.6 流動パラフィン 15.0 ワセリン 15.0 サラシミツロウ 2.0 カルボキシビニルポリマー 0.1 キサンタンガム 0.1 グリセリン 5.0 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 3.0 キレート剤 適量 イソステアリン酸 0.3 ステアリン酸ソーダ 0.3 コレステロール 0.3 セタノール 0.1 パラベン 適量 香料 適量 精製水 残部
【0124】
【実施例27】 毛髪処理剤の調製 一般式(1)で表されるセラミドとして、R1 はC15H
31基、R2 はオレオイル基であるところの、(2S,3
R)−2−オレオイルアミノオクタデカン−1,3−ジ
オール(化合物7)を用いて、毛髪処理剤を調製した。
【0125】 成分 重量% 化合物7 1.0 ラウリル硫酸トリエタノールアミン 18.5 ヒドロキシプロピルメチルセルロース1%水溶液 15.0 ラウリル硫酸アンモニウム 8.0 1,3-ジメチロール-5,5- ジメチルヒダントイン 0.15 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.05 クエン酸 少量 食塩 少量 香料 0.85 イソステアリン酸 0.3 ステアリン酸ソーダ 0.3 コレステロール 0.3 モノステアリン酸グリセリル 0.1 セタノール 0.1 精製水 残量
【0126】
【実施例28】 毛髪処理剤の調製 一般式(1)で表されるセラミドとして、R 1はC15H
31基、R2 はオクタデカノイル基であるところの、(2
S,3R)−2−オクタデカノイルアミノオクタデカン
−1,3−ジオール(化合物1)と、R1 はC15H31
基、R2 は2−ヒドロキシヘキサデカノイル基であると
ころの、(2S,3R)−2−(2−ヒドロキシヘキサ
デカノイル)アミノオクタデカン−1,3−ジオール
(化合物6)との7:1の混合物を用い毛髪処理剤を調
製した。
【0127】 成分 重量% 化合物1と化合物6の7:1の混合物 3.0 ラウリル硫酸トリエタノールアミン 18.5 ヒドロキシプロピルメチルセルロース1%水溶液 15.0 ラウリル硫酸アンモニウム 8.0 1,3-ジメチロール-5,5- ジメチルヒダントイン 0.15 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.05 クエン酸 少量 食塩 少量 香料 0.85 イソステアリン酸 0.3 ステアリン酸ソーダ 0.3 コレステロール 0.3 モノステアリン酸グリセリル 0.1 セタノール 0.1 精製水 残部
【0128】
【実施例29】 毛髪処理剤の調製 一般式(1)で表されるセラミドとして、R1 はC15H
31基、R2 は(R)−3−ヒドロキシヘキサデカノイル
基であるところの、(2S,3R)−2−{(R)−3
−ヒドロキシヘキサデカノイル)アミノ}オクタデカン
−1,3−ジオール(化合物9)を用い毛髪処理剤を調
製した。
【0129】 成分 重量% 化合物9 0.01 ヒドロキシエチルセルロース 0.4 エタノール 25.0 モノオレイン酸グリセリル 2.0 パラベン 0.2 香料 0.1 イソステアリン酸 0.3 ステアリン酸ソーダ 0.3 コレステロール 0.3 モノステアリン酸グリセリル 0.1 セタノール 0.1 精製水 残部
【0130】
【実施例30】 毛髪処理剤の調製 一般式(1)で表されるセラミドとして、R1 はC15H
31基、R2 は(R)−2−ヒドロキシヘキサデカノイル
基であるところの、(2S,3R)−2−{(R)−2
−ヒドロキシヘキサデカノイル)アミノオクタデカン−
1,3−ジオール(化合物10)を用いて毛髪処理剤を
調製した。
【0131】 成分 重量% 化合物10 0.5 ヒドロキシエチルセルロース 0.4 エタノール 25.0 モノオレイン酸グリセリル 2.0 パラベン 0.2 香料 0.1 イソステアリン酸 0.3 ステアリン酸ソーダ 0.3 コレステロール 0.3 モノステアリン酸グリセリル 0.1 セタノール 0.1 精製水 残部
【0132】
【実施例31】 破断強度試験 次のようにして、試料(サンプル1〜サンプル5)を調
製し、使用機器として、島津オートグラフ AGS-500B
(島津製作所製)を用いて、下記の測定条件で破断強度
試験を行った。
【0133】測定条件;相対湿度 40%、温度25℃ 使用した毛髪;長さ15cm程度、太さ直径0.08mm乃至0.1m
m 前後一本ずつ5.7cm 部をセットした。 牽引速度;5.0cm/min
【0134】試料(サンプル1〜サンプル5)の調製;
本試験には、美容院でカットされたパーマ処理あるいは
ブリーチ処理等をしていない20才の健康な女性の毛髪
を用いた。健康毛(未処理毛、サンプル1)50gをクロ
ロホルム・エタノール混合液(2:1)450ml に浸け、
15分間超音波処理して、脂質成分を除去した。さらに、
このサンプルをクロロホルム・エタノール混合液(2:
1)250ml で洗浄し、アセトン100 mlで洗浄して減圧
乾燥し溶媒処理毛(サンプル2)とした。
【0135】また、上記溶媒処理毛(サンプル2)40g
を5倍重量の各処理剤に浸し15分間超音波処理する。つ
づいて、1000mlの水で5回毛髪を洗浄し、その後減圧
下で60C2時間乾燥し、さらに減圧下で3時間乾燥し、
各処理剤で処理されたサンプル3〜サンプル5の処理毛
を得た。すなわち、サンプル3は、溶媒処理後において
比較例1で調製した処理剤(プラセボ処理剤)で処理し
た毛髪であり、サンプル4は、溶媒処理後、比較例2で
調製した処理剤(ラセミ体含有処理剤)で処理した毛髪
である。サンプル5は、溶媒処理後、実施例1で調製し
た処理剤(ケラチン繊維類強度改善剤)で処理した毛髪
である。
【0136】これらのサンプルは次の通りである。 サンプル1) 健康毛(未処理毛) サンプル2) 溶媒処理毛 サンプル3) 溶媒処理後、プラセボ処理剤で処理した毛髪 サンプル4) 溶媒処理後、ラセミ体含有処理剤で処理した毛髪 サンプル5) 溶媒処理後、光学活性体含有処理剤(本発明のケラチン繊維類 強度改善剤)で処理した毛髪
【0137】結果:破断強度(Kgf)の平均値(n=10)は、
以下の通りであった。 サンプル1) 0.1514 サンプル2) 0.1278 サンプル3) 0.1682 サンプル4) 0.1555 サンプル5) 0.2058
【0138】上記の結果(表)あるいは図1に示すよう
に、本発明のケラチン繊維類強度改善剤は、プラセボ処
理剤、あるいはラセミ体含有処理剤と比較して、有意に
(危険率、p<0.01) 、毛髪の破断強度を高めている事が
明らかである。
【0139】
【実施例32】実施例31で用いた化合物1に代えて、
化合物1(R1=C15H31, R2=C17H35CO)及び化合物2(R1=
C13H27, R2=C15H31CO) の1:1の混合物からなるケラ
チン繊維類強度改善剤を用いた場合、化合物1(R1=C15
H31, R2=C17H35CO) 及び化合物3(R1=C17H35, R2=C17H
35CO) の1:1の混合物からなるケラチン繊維類強度改
善剤を用いた場合、並びに、化合物2(R1=C13H27, R2=
C15H31CO) 及び化合物3(R1=C17H35, R2=C17H35CO) の
1:1の混合物からなるケラチン繊維類強度改善剤を用
いた場合も、それぞれ、実施例31と同様の結果が得ら
れた。
【0140】
【実施例33】ヤング率の測定 本試験には、美容院でカットされたパーマ処理あるいは
ブリーチ処理等をしていない25才の健康な女性の毛髪
を用いた。健康毛(未処理毛)をクロロホルムエタノー
ル混合液で処理して、溶媒処理前と処理後の毛髪強度を
島津オートグラフにて測定した。破断強度の測定を行
い、同時に毛髪の直径よりヤング率の測定を行った。
【0141】試料(サンプル6〜サンプル10)の調製;
実施例1、比較例1、比較例2に記載した処方で各処理
剤を調製し、実施例22と同様の方法でサンプル6〜10
を調製した。
【0142】これらのサンプルは次の通りである。 サンプル6) 健康毛(未処理毛) サンプル7) 溶媒処理毛 サンプル8) 溶媒処理後、プラセボ処理剤で処理した毛髪 サンプル9) 溶媒処理後、ラセミ体含有処理剤で処理した毛髪 サンプル10) 溶媒処理後、光学活性体含有処理剤(本発明のケラチン繊維類 強度改善剤)で処理した毛髪
【0143】結果:ヤング率(Kg f/mm2)の平均値(n=10)
は、以下の通りであった。 サンプル6) 289.395 サンプル7) 248.739 サンプル8) 271.162 サンプル9) 300.163 サンプル10) 338.360
【0144】上記の結果(表)あるいは図2に示すよう
に、本発明ケラチン繊維類強度改善剤は、プラセボケラ
チン繊維類強度改善剤、あるいは化合物1と平面構造が
同一のラセミ体を用いたケラチン繊維類強度改善剤と比
較して、有意に(危険率、p<0.001)、高いヤング率を示
していた。
【0145】
【実施例34】実施例33で用いた化合物1に代えて、
化合物1(R1=C15H31, R2=C17H35CO)及び化合物2(R1=
C13H27, R2=C15H31CO) の1:1の混合物からなるケラ
チン繊維類強度改善剤を用いた場合、化合物1(R1=C15
H31, R2=C17H35CO) 及び化合物3(R1=C17H35, R2=C17H
35CO) の1:1の混合物からなるケラチン繊維類強度改
善剤を用いた場合、並びに、化合物1(R1=C15H31, R2=
C17H35CO) 及び化合物5(R1=C17H35, R2=C19H39CO) の
1:1の混合物からなるケラチン繊維類強度改善剤を用
いた場合も、それぞれ、実施例33と同様の結果が得ら
れた。
【0146】
【実施例35】 タフネスの測定 実施例33の破断強度及び伸度は、以下の通りであった
ので、そのデータより、サンプル6〜サンプル10につい
て、タフネス(破断強度と伸度の積)を算出した。それ
らの平均値(n=10)は次の通りである。
【0147】 破断強度(Kgf) 伸度(mm) タフネス(kgf ・mm) サンプル6) 0.2332 24.68 5.7554 サンプル7) 0.2070 23.66 4.8976 サンプル8) 0.2553 25.65 6.5484 サンプル9) 0.2381 23.81 5.6692 サンプル10) 0.2941 27.08 7.9642
【0148】上記の結果(表)あるいは図3に示すよう
に、本発明のケラチン繊維類強度改善剤で処理したもの
は、プラセ処理剤やラセミ体含有処理剤で処理したもの
と比較して、有意に(危険率、p<0.05) 、タフネスを高
めていることが明らかである。
【0149】
【実施例36】 犬の毛を用いての破断強度試験 次のようにして、試料(サンプル11〜サンプル15)を調
製し、使用機器として、島津オートグラフ AGS-500B
(島津製作所製)を用いて、下記の測定条件で破断強度
試験を行った。
【0150】測定条件;相対湿度 40%、温度25℃ 使用した犬の毛;長さ10〜15cm、太さ直径0.08mm乃
至0.1mm 前後、一本ずつ2cm部をセットした。 牽引速度;5.0cm/min
【0151】試料(サンプル11〜サンプル15)の調製;
本試験には、4才の雄犬(シェットランド種)の首の回
りの健康な毛を用いた。未処理の毛(サンプル11)50g
を実施例31と同様の方法によって処理し、サンプル12
〜15を調製した。
【0152】これらのサンプルは次の通りである。 サンプル11) 未処理犬毛 サンプル12) 溶媒処理犬毛 サンプル13) 溶媒処理後、プラセボ処理剤で処理した犬毛 サンプル14) 溶媒処理後、ラセミ体含有処理剤で処理した犬毛 サンプル15) 溶媒処理後、光学活性体含有処理剤(ケラチン繊維類強度改善 剤)で処理した犬毛
【0153】結果:破断強度(kg f)の平均値(n=10)
は、以下の通りであった。 破断強度(Kgf) 比破断強度(Kgf/mm2) サンプル11) 0.1114 39.33 サンプル12) 0.1032 37.09 サンプル13) 0.1162 39.98 サンプル14) 0.1165 41.52 サンプル15) 0.1196 42.55
【0154】上記の結果(表)あるいは図4に示すよう
に、本発明のケラチン繊維類強度改善剤は、プラセボ処
理剤やラセミ体含有処理剤で処理したものと比較して、
有意に(危険率、p<0.05) 、犬毛の破断強度を高めてい
る事が明らかである。
【0155】また、犬毛の破断強度を測定すると同時に
犬毛の直径よりヤング率の測定を行った。ヤング率(k
g f/mm2)の平均値 (n=10) は、以下の通りであった。 サンプル11) 559.224 サンプル12) 535.528 サンプル13) 555.086 サンプル14) 562.846 サンプル15) 605.240
【0156】上記の結果(表)あるいは図5に示すよう
に、本発明のケラチン繊維類強度改善剤は、プラセボ処
理剤、あるいはラセミ体含有処理剤と比較して、有意に
(危険率、p<0.005)、高いヤング率を示していた。
【0157】このように、人の毛髪だけでなく犬の毛に
おいても化合物1を含有してなる本発明ケラチン繊維類
強度改善剤は有意に破断強度、ヤング率を向上させるこ
とが明らかであった。
【0158】
【実施例37】実施例36で用いた化合物1に代えて、
化合物1(R1=C15H31, R2=C17H35CO)及び化合物2(R1=C
13H27, R2=C15H31CO) の1:1の混合物をセラミドとし
て用いたケラチン繊維類強度改善剤を使用した場合も、
R1=C17H35, R2=C19H39COである(2S,3R)-2-アシルアミノ
アルカン-1,3- ジオール(化合物5)をセラミドとして
用いたケラチン繊維類強度改善剤を使用した場合も、同
様の結果が得られた。
【0159】
【実施例38】 破断強度試験 次のようにして、試料(サンプル16〜サンプル19)を調
製し、使用機器として、島津オートグラフ AGS-500B
(島津製作所製)を用いて下記の測定条件で破断強度試
験、及び伸度の測定を行った。更に、そのデータよりサ
ンプル16〜サンプル19のタフネス(破断強度と伸度の
積)を算出した。
【0160】試験方法 相対湿度; 40%、温度25℃ 使用した毛髪;長さ15cm程度、太さ直径0.08mm乃至0.1m
m 前後一本づつ5.0cm部をセットした。 牽引速度;5.0cm/min
【0161】試料(サンプル16〜サンプル19)の調製 本試験には、美容院にてカットされたパーマ処理あるい
はブリーチ処理等をしていない18才の健康な女性の毛
髪を用いた。健康毛(未処理毛;サンプル16)50gをク
ロロホルム・エタノール混合液(2:1)450ml に浸
け、15分間超音波処理して、脂質 成分を除去した。さ
らに、このサンプルをクロロホルム・エタノール混合液
(2:1)250ml で洗浄し、アセトン100 ml で洗浄し
て減圧乾燥し有機溶媒処理毛(サンプル17)とした。
【0162】また、上記溶媒処理毛(サンプル17)40g
を5倍重量の各処理剤に浸し15分間超音波処理する。続
いて、1000mlの水で5回毛髪を洗浄し、その後減圧下で
60C2時間乾燥し、さらに減圧下で3時間乾燥し各処理
剤で処理されたサンプル18〜サンプル19の毛を得た。す
なわち、サンプル18は、溶媒処理後において比較例3で
調製した処理剤(プラセボ処理剤)で処理した毛髪であ
り、サンプル19は、実施例21で調製した、本発明のケ
ラチン繊維類強度改善剤(化合物6含有処理剤)で処理
した毛髪である。
【0163】これらのサンプルは次の通りである。 サンプル16) 健康毛(未処理毛) サンプル17) 溶媒処理毛 サンプル18) 溶媒処理後、比較例3で調製した、プラセボ処理剤で処理した 毛髪 サンプル19) 溶媒処理後、実施例21で調製した、本発明のケラチン繊維類 強度改善剤(化合物6含有処理剤)で処理した毛髪
【0164】結果:破断強度(Kgf)、伸度(mm)、およ
びタフネス(Kgf/mm)の平均値(n=10)は、以下の通りで
あった。 破断強度(Kgf) 伸度(mm) タフネス(Kg/mm) サンプル16) 0.246 27.16 6.681 サンプル17) 0.191 24.97 4.769 サンプル18) 0.201 23.01 4.625 サンプル19) 0.266 26.02 6.921
【0165】上記の結果(表)あるいは図6に示すよう
に、本発明のケラチン繊維類強度改善剤を含有するサン
プル19は、プラセボ処理剤を含有するサンプル18に比べ
て有意に(危険率、p<0.05) 毛髪の破断強度、伸度及び
タフネスを高めている事が明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 20歳の女性の毛髪サンプルについて、サン
プル1〜サンプル5の破断強度を比較して示したグラフ
である。
【図2】 25歳の女性の毛髪サンプルについて、サン
プル6〜サンプル10のヤング率を比較して示したグラフ
である。
【図3】 25歳の女性の毛髪サンプルについて、サン
プル6〜サンプル10のタフネスを比較して示したグラフ
である。
【図4】 4歳雄犬の毛のサンプルについて、サンプル
11〜サンプル15の比破断強度を比較して示したグラフで
ある。
【図5】 4歳雄犬の毛のサンプルについて、サンプル
11〜サンプル15のヤング率を比較して示したグラフであ
る。
【図6】 18歳の女性の毛髪サンプルについて、サン
プル16〜サンプル19の破断強度を比較して示したグラフ
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 哲郎 神奈川県平塚市西八幡1丁目4番11号 高 砂香料工業株式会社総合研究所内 (72)発明者 城山 健一郎 神奈川県平塚市西八幡1丁目4番11号 高 砂香料工業株式会社総合研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1 は、炭素数9乃至17の直鎖のアルキル
    基、R2 は、1個以上の水酸基又は不飽和結合を含んで
    いても良い炭素数2乃至24のアシル基を示す。)で表
    される( 2S,3R)−2−アシルアミノアルカン−
    1,3−ジオールの1種もしくは2種以上を0. 001
    乃至20重量%含有することを特徴とするケラチン繊維
    類強度改善剤。
  2. 【請求項2】 一般式(1)で表される化合物のR1
    炭素数9乃至17の直鎖のアルキル基で且つ、R2 が、
    炭素数2乃至24の飽和のアシル基である化合物を含有
    することを特徴とするところの請求項1記載のケラチン
    繊維類強度改善剤。
  3. 【請求項3】 一般式(1)で表される化合物のR1
    1327基、C1531基もしくはC1735基で且つ、R
    2 が下記の一般式(2)乃至一般式(7) 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 【化7】 (式中、R3 は水素原子、若しくは炭素数1乃至21の
    飽和アルキル基を示す)で表されるアシル基である請求
    項1記載のケラチン繊維類強度改善剤。
  4. 【請求項4】 一般式(2)乃至一般式(7)のR3
    1123基、C1327基、C1531基もしくはC1735
    基を表す)であるところの化合物を含有することを特徴
    とするところの請求項3記載のケラチン繊維類強度改善
    剤。
  5. 【請求項5】 R2 がアセチル基、オレオイル基、リノ
    レオイル基、若しくはリノレノイル基であるところの請
    求項2記載のケラチン繊維類強度改善剤。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の一般式(1)で表される
    化合物の1種もしくは2種以上を0. 001乃至20重
    量%含有し、さらに化粧品に許容される化粧品原料を加
    えて成る請求項1乃至請求項5記載のケラチン繊維類強
    度改善剤。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の一般式(1)で表される
    化合物の1種もしくは2種以上を0. 005乃至5重量
    %含有することを特徴とする請求項1乃至請求項5記載
    のケラチン繊維類強度改善剤。
  8. 【請求項8】 請求項6及び請求項7記載の化粧品原料
    が、油性成分、脂質類、ステロール類、低級又は多価ア
    ルコール類、界面活性剤の群から選ばれた1種乃至2種
    以上からなる事を特徴とする請求項7記載のケラチン繊
    維類強度改善剤。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8記載のケラチン繊維類強
    度改善剤をケラチン繊維に付着、コーティングあるいは
    含ませることによるケラチン繊維類の強度を改善する方
    法。
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