JPH11220288A - 電磁波・磁気シールド材および電磁波・磁気シールド工法 - Google Patents

電磁波・磁気シールド材および電磁波・磁気シールド工法

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JPH11220288A
JPH11220288A JP31721298A JP31721298A JPH11220288A JP H11220288 A JPH11220288 A JP H11220288A JP 31721298 A JP31721298 A JP 31721298A JP 31721298 A JP31721298 A JP 31721298A JP H11220288 A JPH11220288 A JP H11220288A
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magnetic
electromagnetic wave
thermoplastic resin
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Abstract

(57)【要約】 【課題】広幅で剛性を有する磁気シールド材または電磁
波・磁気シールド材の提供、およびそれを用いる磁気ま
たは電磁波・磁気シールド工法の提供。 【解決手段】アモルファス合金箔の表面を熱可塑性樹脂
で被覆してなる被覆アモルファス合金箔を用い、該被覆
アモルファス合金箔の複数枚を、互いの端部を突き合せ
隣同士の端部が一部重なり合うように接合させてなる磁
気シールド材、この磁気シールド材を主要構成材とする
多層磁気シールド材、電磁波・磁気シールド材、ならび
に磁気シールド材、あるいは多層磁気シールド材を用い
る磁気シールド工法、電磁波・磁気シールド材を用いる
電磁波・磁気シールド工法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気シールド材、
電磁波・磁気シールド材、ならびに磁気シールド工法お
よび電磁波・磁気シールド工法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、電気・電子機器の急激な利用拡大
に伴って、これらの機器の周囲に放射される電磁波およ
び磁気の量が増大し、またこれらの機器はその高性能化
によって外部からの電磁波や磁気に対して鋭敏となり誤
作動するなどの障害が発生している。そこで、シールド
材で電気・電子機器を被包して外部の電磁波および磁気
から遮蔽したり、外部に電磁波または磁気を放射しない
ようにする必要が生じたり、場合によっては、部屋全体
あるいは建築物全体をシールド材で覆う必要が生じてき
ている。
【0003】このようなシールド材として、磁性体であ
り他の材料に比べて群を抜いて高い透磁率を備えたアモ
ルファス合金箔と、これに銅、アルミニウム等の導電性
金属箔を組み合わせた複合材が使用されるようになって
きている。しかし、アモルファス合金箔は現在のところ
幅が170mmのものが最大で近い将来213mmのも
のが供給されることが期待されているが、その程度の細
幅では、建築物の外壁等広い面積にわたってシールド材
を貼付ける際、作業性に劣ることはもとより、間隙を生
じるおそれがあり、電磁波・磁気のシールド効果をあげ
ることは困難である。
【0004】そこで、アモルファス合金箔からなる広幅
のシールド材を製造する方法として、例えば、 アモルファス合金箔の少なくとも片面に銅やアルミニ
ウム箔を接着剤で接合しこれをハンダ付けして広幅にす
る方法(特開昭63−4699号)、 アモルファス合金箔の表面に銅、ニッケル、亜鉛など
の金属メッキを施しこの端部をハンダ付けして広幅にす
る方法(特開昭61−265900)などが提案されて
いる。
【0005】また、一般にシールド材の電磁波、磁気の
シールド効果は、シールド材を構成する金属板の厚みが
厚い程大きいといわれている。アモルファス合金箔は厚
さが20〜30μmと薄いものであり、これをシールド
材として使用するためには、1枚ではシールド効果が十
分でなく、数枚重ねる必要がある。また、1枚では剛性
に劣るため複数枚を重ねることにより、剛性が増しパネ
ル材として使用することが可能になってくる。そこで、 アモルファス合金箔と熱可塑性樹脂を熱で積層したも
の(特公昭61−37113)が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来、アモル
ファス合金箔を使った電磁波・磁気シールド材は、広幅
を可能にしたものはあるが、広幅でかつ数枚を積層して
1枚のパネル材として使用できるものはない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、アモルファス合金箔の表面を熱可塑性樹
脂で被覆してなる被覆アモルファス合金箔を用い、該被
覆アモルファス合金箔の複数枚を、互いの端部を突き合
せ隣同士の端部が一部重なり合うように接合させてなる
磁気シールド材を提供するものである。本発明は、ま
た、この磁気シールド材を複数枚積層してなる多層磁気
シールド材を提供するものである。前記多層磁気シール
ド材が、複数枚の磁気シールド材が、上下に重なりあう
磁気シールド材のそれぞれを構成する複数枚の被覆アモ
ルファス合金箔の接合部が重ならないように積層されて
なるものであると、好ましい。
【0008】また、本発明は、前記の磁気シールド材の
少なくとも片面に導電性金属層を有してなる電磁波・磁
気シールド材を提供するものである。
【0009】また、本発明は、前記の多層磁気シールド
材の少なくとも片面に導電性金属層を有してなる電磁波
・磁気シールド材をも提供するものである。さらに、本
発明は、前記の磁気シールド材を、施工現場で所要枚数
重ね、溶着して積層体を形成することを特徴とする磁気
シールド工法を提供するものである。
【0010】また、前記の磁気シールド材、あるいは多
層磁気シールド材のいずれかを施工現場で所要枚数重
ね、その片面または両面に導電性金属箔を積層し、これ
を溶着することを特徴とする電磁波・磁気シールド工法
を提供するものである。
【0011】以下、本発明について詳細に説明する。
【0012】本発明の磁気シールド材または電磁波・磁
気シールド材に用いられるアモルファス合金箔として
は、磁気および電磁波をシールドすることができるもの
であればよく、特に限定されない。例えば、鉄を主成分
とするアモルファス合金箔、コバルトを主成分とするア
モルファス合金箔等が挙げられる。
【0013】鉄を主成分とするアモルファス合金の具体
例として、Fe・B・Si系のアモルファス合金、Fe
・B・Si・C系のアモルファス合金、Fe・B・Si
・Co系のアモルファス合金、Fe・Ni・Mo・B系
のアモルファス合金などが挙げられる。
【0014】コバルトを主成分とするアモルファス合金
の具体例として、Co・Fe・Ni・B・Si系のアモ
ルファス合金、Co・Fe・Ni・Mo・B・Si系の
アモルファス合金などが挙げられる。また、これらのア
モルファス合金箔は、磁気シールド特性を向上させるた
めに、あらかじめ焼鈍処理を施したものでもよい。
【0015】本発明の磁気シールド材における複数の磁
気シールド層は、これらのアモルファス合金箔の1種単
独のみから構成されていてもよいし、それぞれの磁気シ
ールド層が異種のアモルファス合金箔から構成されてい
てもよい。
【0016】本発明の磁気シールド材または電磁波・磁
気シールド材に用いられる熱可塑性樹脂は、アモルファ
ス合金箔の表面に薄膜を形成し、お互いに熱融着し、金
属と熱接着性があるものであればよく、特に限定されな
い。例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、
ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリメチルペンテン
樹脂、アイオノマー樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体
樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリ
ル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリプロピレン変性樹脂
などが挙げられ、これらの中でも、アモルファス合金箔
表面への薄膜形成性、薄膜剥離強度等が良好である点
で、ポリプロピレン変性樹脂が好ましい。この中でもマ
レイン化変性したポリプロピレン変性樹脂が好ましく、
マレイン化率は通常0.05〜10重量%、好ましくは
0.1〜1重量%のものが使用される。
【0017】また、アモルファス合金箔は高温で徐徐に
結晶化し、その好ましい特性を失う傾向があり、また結
晶化温度よりかなり低い温度でも脆化することがある。
この点で、成膜温度及び融点が250℃以下であるポリ
プロピレン変性樹脂が好ましい。
【0018】この熱可塑性樹脂は、通常、アモルファス
合金箔の表面を被覆する時の作業性と樹脂同士の融着強
度が良好となる点で、1〜10μm程度、さらに3〜5
μm程度が好ましい。
【0019】また、熱可塑性樹脂でアモルファス合金箔
を被覆することにより、特にFe系のアモルファス合金
箔を使用した場合には、腐食防止の役目を果たすことが
できる。
【0020】本発明の磁気シールド材は、前記のアモル
ファス合金箔の表面を上記の熱可塑性樹脂で被覆してな
る被覆アモルファス合金箔を用い、該被覆アモルファス
合金箔の複数枚を、互いの端部を突き合せ隣同士の端部
が一部重なり合うように接合させてなるものである。
【0021】前記被覆アモルファス合金箔の製造は、例
えば、アモルファス合金箔の表面に適当な溶媒に溶解し
た熱可塑性樹脂溶液を塗布して乾燥、あるいは該熱可塑
性樹脂を融着させる方法などのいずれの方法によって行
なってもよい。
【0022】本発明の磁気シールド材の製造は、例え
ば、前記被覆アモルファス合金箔を用い、複数枚の該被
覆アモルファス合金箔を互いの端部を突合わせ隣同士の
端部が一部重なり合うように並べ、熱可塑性樹脂の融点
以上でかつアモルファス合金箔の結晶化温度以下の温度
で加熱して熱可塑性樹脂を溶融せしめて複数枚の被覆ア
モルファス合金箔を接合する工程を含む磁気シールド材
の製造方法によって行なうことができる。
【0023】この方法を図1〜2に示す実施態様に基づ
いて以下に説明する。まず、図1に示すように、アモル
ファス合金箔1の表面を熱可塑性樹脂層2で被覆して被
覆アモルファス合金箔3を製造する。
【0024】アモルファス合金箔1を熱可塑性樹脂2で
被覆する方法として、例えば、前記熱可塑性樹脂を適当
な溶媒に溶解または分散してなる溶液または分散液を、
アモルファス合金箔に常法に従って塗布し、乾燥後、熱
可塑性樹脂の融点以上に加熱し焼付する方法などが挙げ
られる。具体的には、熱可塑性樹脂として、前記のポリ
プロピレン変性樹脂を使用して、これをトルエンエマル
ジョンとして塗布、乾燥後、焼付すればよい。
【0025】焼付温度は、熱可塑性樹脂の融点以上でア
モルファス合金箔の結晶化温度以下の温度であるのが好
ましい。
【0026】熱可塑性樹脂は、アモルファス合金箔の両
面を被覆してもよいし、また片面のみを被覆してもよ
い。
【0027】次に、図2に示すように、複数枚の被覆ア
モルファス合金箔31、32、33および34を所定の
長さに切り揃え、その端部41aと42b、42aと4
3b、43aと44bをそれぞれ重ね合わせて重ね合せ
部512、523および534を形成しながら、所定の
幅になるように必要枚数並べ、その重ね合せ部512、
523および534を加熱して、熱可塑性樹脂を融解さ
せて各被覆アモルファス合金箔を接合させ、広幅の磁気
シールド材6を作製する。このとき、得られる広幅の磁
気シールド材の幅が、所望の幅になるように、必要に応
じて、幅の異る被覆アモルファス合金箔を使用してもよ
い。例えば、長さ方向に切断して所要の幅に調製した被
覆アモルファス合金箔を使用してもよい。
【0028】重ね合せ部の加熱は、該重ね合せ部の一部
の複数個所に亘って加熱して行なってもよいし、また全
面に亘って加熱して行なってもよい。加熱する方法は、
ハンダゴテ、ヒートシーラー等の加熱源を当接して行な
う方法、あるいはホットエアーガン等のように加熱され
た空気を吹き付けて加熱する方法などのいずれの方法に
よってもよい。
【0029】加熱の温度は、熱可塑性樹脂の融点以上で
アモルファス合金箔の結晶化温度以下の温度であるのが
好ましい。加熱する箇所、数は広幅の磁気シールド材の
寸法に応じ手に持った時崩れない程度に適宜選択すれば
よい。
【0030】また、隣同士の被覆アモルファス合金箔の
端部の重なりは、通常、3〜20mm程度、 好ましくは
5〜15mm程度にすると、望ましい。
【0031】この磁気シールド材を、所要の磁気シール
ド性能、剛性が得られるように複数枚積層して多層磁気
シールド材が得られる。
【0032】この多層磁気シールド材の製造は、例え
ば、前記の磁気シールド材を複数枚重ね、熱可塑性樹脂
の融点以上でかつアモルファス合金箔の結晶化温度以下
の温度で加熱して複数枚の磁気シールド材を接着する工
程を含む方法によって行なうことができる。磁気シール
ド材を重ね接着するための加熱温度等は、前記の磁気シ
ールド材の製造の場合と同様である。
【0033】次に、図3〜4に示す実施態様に基づい
て、この多層磁気シールド材の製造方法を説明する。ま
ず、前記のようにして、所定の寸法の磁気シールド材6
を複数枚作製する。このとき、後段の工程において、各
広幅の磁気シールド材を重ねたときに、上下の磁気シー
ルド材における被覆アモルファス合金箔の重ね合せ部が
重ならないように、各広幅の磁気シールド材の作製の際
に、それぞれの重ね合せ部の位置をずらすように調整し
ておけばよい。
【0034】次に、このようにして得られた複数枚の広
幅シート61、62、63および64を重ね接着する。
重ね合せる方法は、各磁気シールド材の重ね合せ部が同
じ方向になるように積み重ねてもよいし、上下の磁気シ
ールド材において互いに直交する方向になるように積み
重ねてもよい。
【0035】広幅の磁気シールド材の積層枚数は、シー
ルドする磁気発生源の強さ、周波数等にもよるが、通
常、2〜30枚程度、さらに好ましくは7〜20枚がよ
い。
【0036】以上のようにして得られた複数枚の広幅の
磁気シールド材の積層品を片面または両面から加熱して
熱可塑性樹脂を融解させて、複数枚の広幅の磁気シール
ド材を接着して、多層磁気シールド材7を得ることがで
きる。加熱の方法および温度は、前記広幅の磁気シール
ド材の作製のときと同様である。このとき、加熱部を取
り除くと同時に金属製の棒などで上から加圧すると各部
の接着性が更に向上するので好ましい。
【0037】さらに、本発明は、上記の磁気シールド材
または多層磁気シールド材の少なくとも片面に導電性金
属層を有する電磁波・磁気シールド材をも提供するもの
である。
【0038】この電磁波・磁気シールド材の導電性金属
層は、導電性を有する金属であれば、いずれの金属から
構成されていてもよく、特に制限されない。例えば、
銅、アルミニウム、ニッケル、亜鉛、鉄などの箔が挙げ
られる。これらのなかでも安価で容易に入手できる点
で、銅箔が好ましい。
【0039】導電性金属層は、磁気シールド材または多
層磁気シールド材の片面にのみ形成されていてもよい
し、両面に形成されていてもよい。
【0040】導電性金属層の厚みは、得られる電磁波・
磁気シールド材が十分な剛性を持つ点で、15〜50μ
mが好ましい。
【0041】この電磁波・磁気シールド材は、前記のよ
うにして得られた磁気シールド材の少なくとも片面の熱
可塑性樹脂層の表面に導電性金属箔を重ね、熱可塑性樹
脂の融点以上でかつアモルファス合金箔の結晶化温度以
下の温度で加熱して接着することにより製造することが
できる。例えば、多層磁気シールド材の両面に導電性金
属層を有する電磁波・磁気シールド材の製造を例に取る
と、図5に示すように、前記の多層磁気シールド材7の
両面に導電性金属箔81および82を重ね、これを接着
して、図6に示す電磁波・磁気シールド材9を得ること
ができる。
【0042】磁気シールド材または多層磁気シールド材
と導電性金属箔の接着は、磁気シールド材または多層磁
気シールド材の片面から接合したい個所に熱可塑性樹脂
の融点以上の温度に加熱した熱源を当て樹脂を融解させ
て接着する。このとき、あらかじめ端部を揃えて置くと
よい。
【0043】加熱融着する方法は、磁気シールド材また
は多層磁気シールド材の製造における重ね合わせ部の接
合の時と同じ方法、即ち、ハンダゴテ、ヒートシーラー
等のような加熱源を押し当てて加熱部の熱可塑性樹脂を
融解する方法、あるいは、ホットエヤーガンのように加
熱された空気を吹き付けて熱可塑性樹脂を融解する方法
のいずれでもよいが、加熱に際しては、最上部から最下
部まで熱が通り、熱可塑性樹脂が融解するようにすれば
よい。このなかでは、先端部を平たくした大型のハンダ
ゴテを当てて接着する方法が好ましい。
【0044】磁気シールド材または多層磁気シールド材
と導電性金属箔の接着は全面を接着する必要はなく、部
分接着がよい。加熱接着する箇所は、最低4角の4箇所
は必要であるが、積層体の大きさ、取扱い性の点から、
適宜決めればよい。また、接着に際して加熱体を取り除
くと同時に金属製の棒などで上から押さえつけると接着
性が更に向上するので好ましい。
【0045】さらに、本発明は、前記の磁気シールド材
を、磁気シールドを施す施工現場に所要枚数を準備し、
これを施工現場に合せて重ね、溶着して積層体を形成す
ることを特徴とする磁気シールド工法を提供するもので
ある。この方法によれば、施工の形態、状況等に応じ
て、好適な磁気シールドを構成することができる。
【0046】また、本発明は、前記の磁気シールド材、
あるいは前記の多層磁気シールド材のいずれかを施工現
場で所要枚数重ね、その片面または両面に導電性金属箔
を積層し、これを溶着することを特徴とする電磁波・磁
気シールド工法を提供するものである。この方法によれ
ば、施工の形態、状況等に応じて、好適な電磁波・磁気
シールドを構成することができる。
【0047】
【実施例】以下、本発明を実施例に従って具体的に説明
する。
【0048】(実施例1)幅170mm、厚み25μm
のFe系アモルファス合金箔(商品名 METGLAS2605S-2
Fe・ B ・ Si系:アライド社製)の全表面に、マレイン
化変性したポリプロピレン変性樹脂(マレイン化率0.
55重量%)のトルエンエマルジョンを5μmの厚さに
コーティングした後、910mmの長さに切断して、素
材シートを複数枚作製した。次いで、この素材シート
を、幅が170mmのものを5枚と幅が60mmに切っ
たものを1枚、それぞれの端部を重ね合わせて幅方向に
並べ、重ね合わせ部の数カ所を、先端部が平たいハンダ
ゴテを押し当てて加熱接合させて910×910mmの
広幅の磁気シールド材を作製した。
【0049】同様な方法で幅が910mmで重ね合わせ
部の位置がそれぞれ異なる10枚の広幅の磁気シールド
材を作製した。10枚の広幅磁気シールド材を重ね合
せ、上下の磁気シールド材の重ね合わせ部が相互に重な
っていない構造の多層磁気シールド材を得た。
【0050】得られた多層磁気シールド材の磁気シール
ド性能を、シールドボックス法によって測定したとこ
ろ、直流の磁気に対し5ガウスが1.2ガウスに10ガ
ウスが3ガウスに減衰、交流の磁気に対し200ミリガ
ウスが30ミリガウスに300ミリガウスが50ミリガ
ウスに減衰、地磁気の0.5ガウスが0.09ガウスに
減衰した。
【0051】(実施例2)実施例1で得られた磁気シー
ルド材の上に910×910mmの寸法に切断した厚さ
35μmの電解銅箔をのせ、先端部を平たくしたハンダ
ゴテを数カ所に押し当てて加熱接合して電磁波・磁気シ
ールド材を得た。得られた電磁波・磁気シールド材の電
磁波シールド性能を、シールドボックス法によって測定
したところ、1MHz〜700MHzの電磁波で100
dBに減衰した。
【0052】(実施例3、参考例1〜3)薄膜剥離性及
び腐食防止性について以下のように試験を行った。鉄系
アモルファス合金箔の全表面にマレイン化変性したポリ
プロピレン変性樹脂(マレイン化率0.55重量%)の
トルエンエマルジョンを塗布し、乾燥後200℃のオー
ブン中で融着し、5μの厚さに被覆して試験サンプルを
作成した。
【0053】薄膜剥離性試験は碁盤目セロハンテープ剥
離法によって行った。また、腐食防止性試験は水道水中
に48時間浸漬し、アモルファス合金箔の発錆性を目視
により判定した。結果を表−1に示す。
【0054】参考例1、2および3として低密度ポリエ
チレン樹脂、アイオノマー樹脂、エチレン酢酸ビニル共
重合体樹脂のそれぞれの水性分散液を鉄系アモルファス
合金箔の全表面に塗布し、乾燥後、150℃のオーブン
中で融着被覆して試験サンプルを作成し、実施例3と同
様の試験を行った。結果を表−1に示す。
【0055】
【0056】薄膜剥離性試験 試験片の上の塗膜を貫通して、試験片の生地面に到達す
るまでの切傷を、 JISG4401に規定する鋭利な刃で試験
片のほぼ中央に、直交する縦横11本ずつの平行線を1
mmの間隔で引いて1cm2 の中に100個のます目が
できるように碁盤目状の切り傷をつける。切り傷をつけ
た試験片に、セロハンテープを貼りつけ、すり棒でタ
テ、ヨコ往復10回こすった後、セロハンテープを剥が
す。剥離性は剥がれた個数/100で判定する。
【0057】
【発明の効果】本発明の磁気シールド材は、高透磁率を
有するアモルファス合金箔からなる磁気シールド層を有
し、かつ広幅で剛性を有するものであり、磁気シールパ
ネル材、磁気シールドルーム、電磁シールドルーム、医
療室、各種計測室、コンピューター室の磁気シールドま
たは電磁波・磁気シールドに用いるシールド材等の広範
囲の用途に好適に用いることができる。
【0058】また、本発明の電磁波・磁気シールド材
は、高透磁率を有する細幅のアモルファス合金箔からな
る磁気シールド層と、高導電率を有する導電性金属箔か
らなる導電性金属層とを有することにより広幅で剛性の
ある積層体の電磁波、磁気シールド材を得ることができ
る。
【0059】したがって、本発明の磁気シールド材およ
び電磁波・磁気シールド材は、広幅でかつ剛性を有する
ため、建築物の外壁等広い範囲にわたってシールド材が
必要な時に1枚のパネルとして取り扱うことが可能にな
り作業性が大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の磁気シールド材の製造方法の一実施
態様を説明する図である。
【図2】 本発明の磁気シールド材の製造方法の一実施
態様を説明する図である。
【図3】 本発明の多層磁気シールド材の製造方法の一
実施態様を説明する図である。
【図4】 本発明の多層磁気シールド材の製造方法の一
実施態様を説明する図である。
【図5】 本発明の電磁波・磁気シールド材の製造方法
の一実施態様を説明する図である。
【図6】 本発明の電磁波・磁気シールド材の製造方法
の一実施態様を説明する図である。
【符号の説明】
1 アモルファス合金箔 2 熱可塑性樹脂 3、31、31、33、34 被覆アモルファス合金箔 41a、41b、42a、42b、43a、43b、4
4b 端部 512、523、534 重ね合せ部 6、61、62、63、64 磁気シールド材 7 多層磁気シールド材 81、82 導電性金属箔 9 電磁波・磁気シールド材
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年12月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 電磁波・磁気シールド材および電磁波
・磁気シールド工法
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁波・磁気シー
ルド材および電磁波・磁気シールド工法に関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、アモルファス合金箔の表面を熱可塑性樹
脂で被覆してなる被覆アモルファス合金箔を用い、該被
覆アモルファス合金箔の複数枚を、互いの端部を突き合
せ隣同士の端部が一部重なり合うように接合させてなる
磁気シールド材の少なくとも片面に、熱可塑性樹脂で被
覆された導電性金属層を有してなる電磁波・磁気シール
ド材を提供するものである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】また、本発明は、アモルファス合金箔の表
面を熱可塑性樹脂で被覆してなる被覆アモルファス合金
箔を用い、該被覆アモルファス合金箔の複数枚を、互い
の端部を突き合せ隣同士の端部が一部重なり合うように
接合させてなる磁気シールド材を複数枚積層してなる多
層磁気シールド材の少なくとも片面に、熱可塑性樹脂で
被覆された導電性金属層を有する電磁波・磁気シールド
を提供するものである。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】前記複数枚の磁気シールド材が、上下に重
なりあう磁気シールド材のそれぞれを構成する複数枚の
被覆アモルファス合金箔の接合部が重ならないように積
層されてなるものであると、好ましい。前記アモルファ
ス合金箔の表面を被覆する熱可塑性樹脂がマレイン化変
性されたポリプロピレン樹脂であると、好ましい。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】また、本発明は、前記電磁波・磁気シール
ド材を施行現場で所要枚数重ね、これを溶着することを
特徴とする電磁波・磁気シールド工法を提供するもので
ある。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アモルファス合金箔の表面を熱可塑性樹脂
    で被覆してなる被覆アモルファス合金箔を用い、該被覆
    アモルファス合金箔の複数枚を、互いの端部を突き合せ
    隣同士の端部が一部重なり合うように接合させてなる磁
    気シールド材。
  2. 【請求項2】請求項1の磁気シールド材を複数枚積層し
    てなる多層磁気シールド材。
  3. 【請求項3】複数枚の磁気シールド材が、上下に重なり
    あう磁気シールド材のそれぞれを構成する複数枚の被覆
    アモルファス合金箔の接合部が重ならないように積層さ
    れてなる請求項2に記載の多層磁気シールド材。
  4. 【請求項4】請求項1の磁気シールド材の少なくとも片
    面に導電性金属層を有してなる電磁波・磁気シールド
    材。
  5. 【請求項5】請求項2または3の多層磁気シールド材の
    少なくとも片面に導電性金属層を有してなる電磁波・磁
    気シールド材。
  6. 【請求項6】請求項4の電磁波・磁気シールド材におい
    て、導電性金属層が熱可塑性樹脂で被覆されている電磁
    波・磁気シールド材。
  7. 【請求項7】請求項5の電磁波・磁気シールド材におい
    て、導電性金属層が熱可塑性樹脂で被覆されている電磁
    波・磁気シールド材。
  8. 【請求項8】請求項1の磁気シールド材の少なくとも片
    面に導電性金属箔又は熱可塑性樹脂で被覆された導電性
    金属箔を接着する工程を含む電磁波・磁気シールド材の
    製造方法。
  9. 【請求項9】請求項2または3の多層磁気シールド材の
    少なくとも片面に導電性金属箔又は熱可塑性樹脂で被覆
    された導電性金属箔を接着する工程を含む電磁波・磁気
    シールド材の製造方法。
  10. 【請求項10】請求項1の磁気シールド材、あるいは請
    求項2または3の多層磁気シールド材のいずれかを施工
    現場で所要枚数重ね、溶着して積層体を形成することを
    特徴とする磁気シールド工法。
  11. 【請求項11】請求項6の電磁波・磁気シールド材、あ
    るいは請求項7の電磁波・磁気シールド材のいずれかを
    施行現場で所要枚数重ね、これを溶着することを特徴と
    する電磁波・磁気シールド工法。
  12. 【請求項12】アモルファス合金箔の表面を被覆する熱
    可塑性樹脂がマレイン化変性されたポリプロピレン樹脂
    である請求項9記載の磁気シールド材。
  13. 【請求項13】請求項1の磁気シールド材、あるいは請
    求項2または3の多層磁気シールド材のいずれかを施工
    現場で所要枚数重ね、その片面または両面に導電性金属
    箔を積層し、これを溶着することを特徴とする電磁波・
    磁気シールド工法。
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