JPH11220019A - Soi基板およびその製造方法 - Google Patents

Soi基板およびその製造方法

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JPH11220019A
JPH11220019A JP10020862A JP2086298A JPH11220019A JP H11220019 A JPH11220019 A JP H11220019A JP 10020862 A JP10020862 A JP 10020862A JP 2086298 A JP2086298 A JP 2086298A JP H11220019 A JPH11220019 A JP H11220019A
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JP
Japan
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soi
substrate
pit
oxide film
density
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JP10020862A
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Isao Hamaguchi
功 浜口
Atsushi Ikari
敦 碇
Atsuki Matsumura
篤樹 松村
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 SOI基板上に形成されたLSIの歩留まり
を向上させ、良好な電気特性を実現する、高品質SOI
基板とその製造方法を供する。 【解決手段】 SOI基板の特徴として、SOI層にあ
あるピット状欠陥の密度が5cm-2以下であることを提
言する。そしてSOI構造を形成する前の結晶欠陥密度
が1×105cm-3以下であるシリコン単結晶基板にS
OI構造を形成することによって、ピット状欠陥を所望
の密度以下にすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は絶縁基板上にシリコ
ン層(以下SOI(Silicon-on-insulator)層とする)を
形成させたSOI基板に関する。また酸素イオンのイオ
ン注入とそれに引き続くアニール処理によってSOI構
造を形成するSIMOX(Separation by implanted oxy
gen)基板に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコン酸化物のような絶縁物上に単結
晶シリコン層を形成するSOI基板としては、貼り合わ
せウェハとSIMOXウェハが主として知られている。
貼り合わせウェハは2枚の単結晶シリコンウェハを酸化
膜をはさんで接着させ、2枚のうち片方のウェハを薄膜
化することによって得られるSOI基板である。一方、
SIMOXウェハは、酸素イオンのイオン注入によって
単結晶シリコン基板内部に酸素イオンを導入し、引続き
行われるアニール処理によってこれら酸素イオンとシリ
コン原子を化学反応させて、埋め込み酸化膜を形成させ
ることによって得られるSOI基板である。
【0003】これらSOI基板のSOI層に形成された
MOSFET(Metal-oxide-semiconductor field effec
t transistor)は、高い放射線耐性とラッチアップ耐性
を持ち高信頼性を示すことに加えて、デバイスの微細化
にともなうショートチャネル効果を抑制しかつ低消費電
力動作が可能となる。このためSOI基板は次世代MO
S−LSI用の高機能半導体基板として期待されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】MOS−LSIの基本
構成要素であるMOSFETは、ゲート電極下の酸化膜
の絶縁耐圧が保たれないとトランジスタ動作することが
できなくなる。そしてLSI全体としても正常な機能が
保てなくなる。ゆえにMOS−LSIに利用される半導
体基板の品質としては、その半導体基板上に形成された
MOSFETのゲート酸化膜の耐圧が、ウェハ全面にわ
たって十分な歩留まりで確保できることが求められる。
通常のチョクラルスキー法によって作られたミラーウェ
ハにおいては、例えばCOP(Crystal Originated Part
icle)などの、結晶育成時に結晶内に導入されるas−
grown欠陥が、ゲート酸化膜の耐圧劣化の要因とな
ることが指摘されている。このためミラーウェハではこ
れらのas−grown欠陥の密度を低減させて、ゲー
ト酸化膜の絶縁不良発生を抑えることが求められてい
る。
【0005】SOI基板については、これまで埋め込み
酸化膜の形成条件、張り合わせ強度、付着異物、導入金
属汚染について注目しその改善に努めてきた。しかしな
がらSOI基板上のMOSFETのゲート酸化膜耐圧を
劣化させる要因について調査が十分になされてこなかっ
たため、酸化膜耐圧不良を低減させるための品質改良の
対策が不十分であった。
【0006】またMOS−LSI用に利用されるSOI
基板には、LSI製造工程で用いられるリソグラフィー
工程での焦点ずれを生じさせ、またエッチング工程で不
均一エッチングによるエッチングトラブルを発生させ、
または膜堆積での不良の原因となるような欠陥がないこ
とも求められる。
【0007】本発明ではこれらの不具合の存在を低減
し、高性能LSI用の高品質SOI基板を供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】SOI構造形成以前に結
晶中に存在していたas−grown欠陥が、SOI構
造形成工程の間に変容してピット状に観察されるものと
なり、その結果デバイス特性に悪影響を与えることを、
我々は新たに見いだした。そしてこの悪影響を防止する
方法を発明した。すなわち本発明は上記課題を解決する
ためのSOI基板とその製造方法に関するものであり、
以下に述べる手段による。
【0009】本発明に係るSOI基板は、シリコン単結
晶基板上に埋め込み酸化膜が形成され、前記埋め込み酸
化膜上にデバイス形成用のSOI層が形成されたSOI
基板において、前記SOI層の表面より観察されるピッ
ト状欠陥の密度が5cm-2以下であることを特徴とし、
そのピット状欠陥の大きさが0.7〜100μm2であ
ることを特徴としている。
【0010】そして、前述されたSOI基板が、SIM
OX基板であることを特徴としている。
【0011】またこのようなSOI基板の製造方法は、
SOI構造を形成するのに関わる領域の欠陥密度が1×
105cm-3以下であるシリコン単結晶基板を用いるこ
とを特徴とし、そしてこれらの欠陥が転位、ボイド、酸
素析出物、及び/またはCOPであることを特徴とする
SOI基板の製造方法である。
【0012】また上述のSOI基板の形成方法が、シリ
コン単結晶基板表面に酸素イオンをイオン注入し、その
後行われるアニール処理を行うことを主工程とするSI
MOX基板の製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】かかる発明によるSOI基板およ
びSIMOX基板にMOS−LSIを形成すれば、以下
に述べる作用によって、高性能デバイスを高歩留まりで
製造することが可能となる。
【0014】すなわち、SOI層の表面から観察される
ピット状欠陥の密度が少ないSOI基板に、MOSデバ
イスを作成すればゲート酸化膜の不良発生率を下げるこ
とができできる。この作用としては、MOSデバイスの
ゲート酸化膜の全体あるいは一部がピット状欠陥と重な
ると、欠陥部での電界集中、酸化膜の不均一成長、酸化
膜中の欠陥の増大などが原因となって絶縁耐圧特性が劣
化する、そこでこのピット状欠陥の密度が低いSOI基
板を使用することによってこれらゲート酸化膜の耐圧劣
化を抑制できるようになる。同様に、MOS−LSI製
造で利用されるリソグラフィー工程において、局所的な
膜厚凹凸の存在による焦点ずれが起こる可能性が低くな
る。またピット状欠陥部での埋め込み酸化膜の欠損によ
って、SOI層に作られたデバイスが基板と短絡するこ
とが起因である電気的な動作不良の発生が抑制される。
また表面のピット状欠陥箇所でSOI層が欠損している
ことによって、そこに作られるはずであったLSIの構
成要素である素子が正常に形成されない、ということに
よる不良発生を抑制できる。
【0015】ピット状欠陥の面密度とデバイス特性への
影響の作用を調べる方法について以下に述べる。すなわ
ちピット状欠陥の密度が異なる各SOI基板に、MOS
ダイオードを作成し、そのゲート電極の電圧−電流特性
を調べる。
【0016】例えば用意したSOI基板としてSIMO
Xウェハを用いるとしたとき、これらのSIMOXウェ
ハを表面で観察されるピット状欠陥密度の違いによって
3グループに分けた。すなわち、ウェハグループAは表
面で観察されるピット状欠陥の密度が10〜20個cm
-2のものであり、ウェハグループBはピット状欠陥の密
度が1〜5個cm-2であり、ウェハグループCはピット
状欠陥の密度が1個cm-2以下であった。SIMOXウ
ェハのSOI層中の上記ピット状欠陥は光学顕微鏡によ
って測定したが、例えばAFM(Atomic Force Microsco
pe)などの表面凹凸測定装置および光散乱式表面異物計
などによっても観察される。また化学エッチングやCu
の電析などによって顕在化させて測定してもよい。
【0017】光学顕微鏡で観察した上述のピット状欠陥
は、一辺約1〜10μmの四角状、または直径1〜10
μmの円形状の形状であった。観察されたピット状欠陥
の形状は、用いたシリコン単結晶の面方位や熱処理条件
に依存する。
【0018】これらのSIMOXウェハにゲート酸化膜
厚250nmで1mm2のゲート電極面積を持つMOS
ダイオードを面内に290個作成した。まずこれらMO
Sダイオードのゲート酸化膜のTZDB(Time Zero Die
lectronic Breakdown)特性を調べた。TZDB測定は、
ゲートに加える電圧を徐々に増加してゲート酸化膜のリ
ーク電流値が10-6A/cmになるときの電界が8MV
/cm以上であるMOSダイオードを絶縁耐圧良品とし
た。
【0019】ウェハグループAに属するSIMOXウェ
ハ上に形成されたMOSダイオードの絶縁耐圧良品率は
80%程度である。これに対してウェハグループBおよ
びウェハグループCに属するSIMOXウェハ上のMO
Sダイオードの良品率はいずれも95%以上であった。
【0020】SIMOXウェハにMOS−LSIを形成
する際に、個々のデバイスの絶縁耐性が十分に確保され
絶縁不良によるLSIの製造不良の発生を防ぐために
は、MOSダイオードでの上述の絶縁耐圧良品率が90
%以上必要であることがわかっている。したがってウェ
ハグループBおよびCに属するSIMOXウェハ上にM
OS−LSIを形成すれば高い歩留まりで製品を製造す
ることができる。すなわち、表面から観察されるピット
状欠陥の密度が5cm-2以下であるSIMOXウェハに
MOS−LSIを形成すれば、高歩留まりで信頼性の高
い製品を作ることができる。またこのことは貼り合わせ
法を含めた他の方法によるSOI基板においても同様な
作用により、表面から観察されるピット密度が5cm-2
以下であるSOI基板にMOS−LSIを作成すれば、
高歩留まりで高信頼性の製品を作ることができる。
【0021】ウェハグループBとウェハグループCのS
IMOXウェハ上に形成されたMOSダイオードは、T
ZDB評価の良品率がいずれも95%という良好な結果
を示しており、ウェハグループ間の差異が見られなかっ
た。そこでこれらのMOSダイオードのTDDB(Time
Dependent Dielectronic Breakdown)特性の評価を行っ
て比較した。TDDB特性としては、MOSダイオード
のゲート酸化膜のリーク電流値が一定になるようにゲー
ト電極に電圧を印加し続けて、最終的にゲート酸化膜が
破壊にいたるまでに流した電荷量の大小で評価した。測
定の結果、ウェハグループCに属するSIMOXウェハ
上に形成されたMOSダイオードのTDDB特性は、ウ
ェハグループBの場合よりも良好であることが示され
た。
【0022】TDDB特性がよりよいウェハでMOS−
LSI形成した場合、そのデバイスのゲート酸化膜の信
頼性はより高くなることがわかっている。特に高集積L
SIの微細MOSFET用極薄酸化膜の絶縁特性がよく
なることが示されている。したがってウェハグループC
のSIMOXウェハ上にMOS−LSIを形成すればよ
り高い歩留まりでかつ高信頼性の製品を製造することが
できる。特により高集積LSIに対応した極薄ゲート酸
化膜を持つデバイスの信頼製を向上させることができ
る。
【0023】すなわち、表面から観察されるピット状欠
陥の密度が5cm-2以下であるSIMOXウェハにMO
S−LSIを形成すれば、高歩留まりで信頼性の高い製
品を作ることができる。さらに、表面より観察されるピ
ット状欠陥密度が1cm-2以下であるSIMOXウェハ
ではより高歩留まりで信頼性の高いMOS−LSI製品
ができる、特により高集積LSIに対応した極薄ゲート
酸化膜を持つデバイスのゲート酸化膜の信頼製を向上さ
せることができる。またこのことは貼り合わせ法を含め
た他のSOI基板においても同様である。すなわち、表
面から観察されるピット状欠陥密度が5cm-2以下であ
るSOI基板にMOS−LSIを作成すれば、高歩留ま
りで高信頼性の製品を作ることができる。さらに、表面
より観察されるピット状欠陥密度が1cm-2以下である
SOI基板ではより高歩留まりで信頼性の高いMOS−
LSI製品ができる。そして特に、高集積LSIに対応
した極薄ゲート酸化膜を持つデバイスのゲート酸化膜の
信頼製を向上させることができる。
【0024】以上ゲート酸化膜の信頼性向上について述
べたこと同様に、表面より観察されるピット密度が5c
-2以下のSIMOXウェハを含むSOI基板を用いれ
ば、MOS−LSI製造で利用されるリソグラフィー工
程において、局所的な膜厚凹凸の存在による焦点ずれが
起こる可能性が低くなる。そしてこのことはピット密度
が1cm-2以下であるSOI基板を利用すればより焦点
ずれ発生の可能性がなくなり、特により高集積LSI製
造の際に用いられる高精度リソグラフィーでの焦点ずれ
発生を抑制できる。さらに表面ピット部での埋め込み酸
化膜の欠損によって、SOI層に作られたデバイスが基
板と短絡することが起因である電気的な動作不良の発生
の抑制、および表面ピット部でSOI層が欠損している
ことによって、そこに作られるはずであったLSIの構
成要素である素子が正常に形成されないことによる不良
発生の抑制においても同様な効果が期待できる。
【0025】上述したピット状欠陥はその大きさが0.
7〜100μm2であるものについて注目する必要があ
る。ピット状欠陥のうち、上述したようにSOI基板上
のLSI特性に影響を与えるようなものを観察するとそ
の大きさは0.7〜100μm2であった。その大きさ
が0.7μm2未満になるピット状欠陥は、SOI構造
形成工程において変形し場合によっては消滅して、上述
されたようにSOI基板上のLSI特性に与える影響が
小さくなると考えられる。逆にその大きさが100μm
2超のピット状欠陥は、その発生要因が、大きさが0.
7〜100μm2のピット状欠陥と異なり、SOI基板
上のLSI特性に与える影響もまた違っている。
【0026】本発明では、上述したようなピット状欠陥
密度の低いSOI基板を得る方法として、SOI構造を
形成する直前の前記シリコン単結晶の、SOI構造を形
成するのに関わる領域の欠陥密度が1×105cm-3
下と低いものを選ぶことを提言している。SOI構造を
形成する前のシリコン結晶中に存在する結晶欠陥のある
ものは、その後SOI構造を形成した際のピット状欠陥
の原因となるためである。たとえばよく利用されるSO
I基板では、SOI構造を形成するのに関わる領域は表
面から0.5ミクロン程度の深さまでの部分になる。こ
の領域内の欠陥密度が1×105cm-3以下であれば、
この領域に含まれる欠陥面密度は5個cm-2以下にな
る。さらに、SOI構造を形成する直前の前記シリコン
単結晶の、SOI構造を形成するのに関わる領域の欠陥
密度が2×104cm-3以下であれば、SOI構造形成
後に表面から観察されるピット状欠陥の密度が1個cm
-2以下となる。
【0027】すなわち、SOI構造形成直前のシリコン
単結晶中の該領域中の欠陥密度が1×105cm-3以下
であれば、SOI構造形成後にその基板上に形成された
MOS−LSIを、例えば高歩留まりで高信頼性を持っ
て製造することいった電気特性の向上をはかれる。さら
にSOI構造を形成する直前の前記シリコン単結晶の、
SOI構造を形成するのに関わる領域の欠陥密度が2×
104cm-3以下であれば、SOI構造形成後にその基
板上に形成されたMOS−LSIの特性をより向上させ
ることができる。特により高集積LSIに対応した極薄
ゲート酸化膜を持つデバイスのゲート酸化膜の信頼製を
向上させることができる。
【0028】このことはSOI基板として特にSIMO
X基板とした場合について、上述した作用によって効用
が期待できる。すなわちSIMOX構造を形成する直前
の前記シリコン単結晶のSIMOX構造を形成するのに
関わる領域の欠陥密度が1×105cm-3以下とするこ
とによって、SIMOX形成後にその上に形成されたM
OS−LSIの特性を向上させることができる。さらに
同様に、SIMOX構造を形成する直前の前記シリコン
単結晶の該領域の欠陥密度が2×104cm-3以下であ
る材料にSIMOX構造を形成すれば、その上に形成さ
れたMOS−LSIはきわめて良好な特性を示すことが
できる。そしてより高集積LSIに対応した極薄ゲート
酸化膜を持つデバイスのゲート酸化膜の信頼製を向上さ
せることができる。
【0029】上述したSOI構造を形成する直前のシリ
コン単結晶の欠陥のうち、転位、ボイド、酸素析出物、
及び/またはCOPであるものについて注目すること必
要である。
【0030】SOI構造形成前のシリコン基板中の転位
は、転位自身のひずみや転位にゲッタリングされる不純
物の存在によって、SOI形成工程中の例えば異常酸化
によりピットを形成してしまう。ボイドはシリコン基板
中のシリコン原子の欠損による空洞である。これがSO
I構造を形成する前のシリコン結晶中に存在していた場
合、SOI構造を形成する工程においてSOI層中に取
り込まれ場合によっては成長し、該ピット状欠陥として
SOI層の表面領域に出現する。またSOI構造を形成
する前のシリコン結晶中に酸素析出物が存在していれ
ば、SOI構造形成工程において成長および変形して、
表面酸化や研磨工程後の例えばふっ酸洗浄などによって
該表面ピットとなり、そこに形成されたデバイス特性を
劣化させる。またCOPは例えば光散乱式表面異物計に
よって測定される微少ピットの一種であるが、これがS
OI構造を形成する前のウェハ中でSOI構造を形成す
るのに関わる領域に存在していた場合、SOI構造を形
成する工程において変形し、該表面ピット状欠陥とな
る。これらCOP起因の表面ピットは例えば表面凹凸と
して、そこに形成されたデバイスの特性を劣化させるこ
とになる。
【0031】これらの作用はいずれの方法によるSOI
基板においても発生しうるが、特にSIMOXウェハ工
程では高ドーズの酸素イオン注入と高温熱処理を行うた
め、各要因の表面ピットへの変形が顕著なため、特に注
目する必要がある。
【0032】上記SOI構造を形成するための開始材と
してのシリコン単結晶基板は上記の品質を満足すれば良
く、その製造方法については特に限定されるものではな
いが、例えば具体的には、単結晶シリコン基板の表面に
0.1μm以上のシリコンのエピ層を有するウェハを用
いてもよい。また例えば、単結晶シリコン基板を不純物
含有量が5ppm以下の希ガス雰囲気中で1000℃以
上1300℃以下で1時間以上アニールしたものを用い
てもよい。また例えば、単結晶シリコンとしてチョクラ
ルスキー法にて成長するものでありその際の引き上げ速
度が0.8mm/min以下であるウェハを用いてもよ
い。また例えば、チョクラルスキー法にてシリコン単結
晶を製造する過程において、1200〜1000℃の結
晶温度域内に冷却速度が1.0℃/min以下となる領
域ができるような条件で、結晶引き上げ成長させたウェ
ハを利用してもよい。
【0033】
【実施例】以下に本発明の具体例を説明する。図1は実
施例に係るSIMOX基板の製造方法を示している。
【0034】酸素イオンを注入する以前の単結晶シリコ
ンウェハ中の欠陥密度が1〜2×106cm-3であるウ
ェハグループA、欠陥密度が0.2〜1×105cm-3
であるウェハグループB、および欠陥密度が2〜10×
103cm-3であるウェハグループCに属する各シリコ
ン単結晶ウェハ対して、注入エネルギー180keVに
てドーズ量4×1017cm-2の酸素イオンを注入し、引
き続き1350℃で7時間アニールしてSIMOX基板
とした。酸素イオンを注入する以前の単結晶シリコンウ
ェハ中の欠陥密度は、SIMOX構造を形成したそれぞ
れのCZウェハと同バッチで製造したテストウェハをS
eccoエッチング液に浸漬して表面に出現するFPD
(Flow Pattern Defect)の密度から特定した。
【0035】完成したSIMOXウェハの表面を光学顕
微鏡によって調べたところ、ウェハグループAに属した
ウェハにSIMOX構造を形成したときにはSOI層表
面に10〜20個cm-2程度の密度の表面ピットが観察
された。一方ウェハグループBに属するウェハにSIM
OX構造を形成したときにはSOI層表面に観察された
表面ピットの密度は2〜5個cm-2であり、ウェハグル
ープCに属するウェハでは表面ピット密度は0〜1個c
-2であった。
【0036】これらのSIMOXウェハにMOSダイオ
ードを形成して、TZDBとTDDB特性の評価を実施
した。TZDB特性評価に利用したMOSダイオード
は、ゲート酸化膜厚250nm、ゲート電極面積1mm
2で6インチウェハ面内に290個作成した。測定は、
ゲートに加える電圧を徐々に増加して、ゲート酸化膜の
リーク電流値が10-6A/cmになるときの電界が8M
V/cm以上であるMOSダイオードを絶縁耐圧良品と
し、その絶縁良品率を比較した。ウェハグループAに属
するSIMOXウェハ上に形成されたMOSダイオード
の良品率は80%程度である。これに対してウェハグル
ープBおよびウェハグループCに属するSIMOXウェ
ハ上のMOSダイオードの良品率はいずれも95%以上
であった。
【0037】ついでTDDB特性について調べた。利用
したMOSデバイスは、ゲート酸化膜厚6.5nm、ゲ
ート電極面積10mm2であった。測定は、ゲートリー
ク電流が5mA/cm2の一定値となるようにゲート電
圧を加え続け、ゲート酸化膜が破壊に至るまでにゲート
酸化膜に流れた総電荷値の差異によって評価した。ウェ
ハグループAに属するSIMOXウェハ上のMOSダイ
オードは、総電荷量1c/cm2で破壊するMOSダイ
オードの比率が60〜80%以上であった。これに対し
てウェハグループBでは破壊するMOSダイオードの比
率は8〜15%であり、ウェハグループCでは1〜3%
であった。
【0038】このことより、SOI構造を形成する直前
の単結晶シリコン基板中の、SOI構造を形成したとき
にSOI構造を形成するのに関わる領域の欠陥密度が少
なければ、SOI構造を形成した後のSOI基板の表面
より観察されるピット状欠陥の密度がより低くなり、そ
のSOI基板上にMOS−LSIを形成すればその電気
特性のより向上を得ることができることがわかった。
【0039】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明はSOI
層中のピット状欠陥が少ないSOI基板を利用すること
によって高性能LSIを高信頼性を持って製造すること
が可能となる半導体基板を供することができる。またS
OI層中のピット状欠陥が少ないSIMOXウェハでも
同様に高性能LSIを高信頼性を持って製造することが
可能となる。SOI層中のピット状欠陥が少ないSOI
基板は、SOI構造を形成する前のシリコン結晶中の欠
陥密度が一定密度以下であるものを使うことによって得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例の工程を示す断面図。
【符号の説明】
1 単結晶シリコン基板 2 高濃度酸素イオン注入層 3 酸素イオンビーム 4 SOI層 5 埋め込み酸化膜

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン単結晶基板上に埋め込み酸化膜
    が形成され、前記埋め込み酸化膜上にデバイス形成用の
    SOI層が形成されたSOI基板において、前記SOI
    層の表面より観察されるピット状欠陥の密度が5cm-2
    以下であることを特徴とするSOI基板。
  2. 【請求項2】ピット状欠陥の大きさが0.7〜100μ
    2であることを特徴とする請求項1記載のSOI基
    板。
  3. 【請求項3】前記SOI基板が、SIMOX基板である
    請求項1または2記載のSOI基板。
  4. 【請求項4】SOI構造を形成するのに関わる領域の欠
    陥密度が1×105cm-3以下であるシリコン単結晶基
    板を用いてSOI構造を形成することを特徴とするSO
    I基板の製造方法。
  5. 【請求項5】前記欠陥が転位、ボイド、酸素析出物、及
    び/またはCOPであることを特徴とする請求項4記載
    のSOI基板の製造方法。
  6. 【請求項6】SOI構造の形成方法が、シリコン単結晶
    基板に酸素イオンをイオン注入し、その後アニール処理
    を行うことを主工程とするSIMOX基板の製造方法で
    ある請求項4または5記載のSOI基板の製造方法。
JP10020862A 1998-02-02 1998-02-02 Soi基板およびその製造方法 Pending JPH11220019A (ja)

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