JPH11218508A - 気相分解式分析試料処理用昇降炉及びそれに用いる炉体 - Google Patents

気相分解式分析試料処理用昇降炉及びそれに用いる炉体

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JPH11218508A
JPH11218508A JP3425498A JP3425498A JPH11218508A JP H11218508 A JPH11218508 A JP H11218508A JP 3425498 A JP3425498 A JP 3425498A JP 3425498 A JP3425498 A JP 3425498A JP H11218508 A JPH11218508 A JP H11218508A
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崇 鈴木
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文夫 徳岳
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炉内の均熱域が広く、多数の分析試料の同時
処理が可能で、かつ比較的安価に製作でき、特に多数の
試料を所定時間内に処理することを必要とする製造工程
分析に好適な気相分解式分析試料処理用昇降炉を提供す
ること、及びその様な処理用昇降炉に好適に用いられる
炉体を提供する。 【解決手段】 加熱用ヒータを備えた分析試料容器載置
台と、載置台を支持するベースプレートと、ベースプレ
ートを上下方向に昇降可能に支持する昇降部材と、下端
部が円形開放面で、天井部が凹曲面形状の凹状空間がそ
の内部側に形成された炉体とを有し、炉体とベースプレ
ートとが当接することにより両者の間に内部閉空間域が
形成される気相分解式分析試料処理用昇降炉において、
炉体が、凹状空間内面側から順に、透明石英ガラス層、
不透明石英ガラス層の2層積層構造体から成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気相分解式分析試
料処理用昇降炉及びそれに用いる炉体に関し、より詳細
には、半導体製造産業等、主として精密工業分野におい
て使用される高純度材料の分析用試料を加熱分解処理す
るための気相分解式分析試料処理用昇降炉、特に多数個
の試料を所定時間内に処理することを必要とする製造工
程分析に好適に使用できる気相分解式分析試料処理用昇
降炉及びそれに用いる炉体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、分析用試料を、高温ガス雰囲気中
で熱分解処理、即ち燃焼分解等の酸化灰分化処理、その
他の加熱分解処理するために用いられる高純度ガス処理
炉としては、一般に、例えば図5に示されているよう
に、加熱手段16が配設された炉保持体17内に横型円
筒状石英管からなる炉体15が挿入され、該炉体15の
内部に分析試料Sを載置して処理する形式の、いわゆる
気相分解式分析試料処理用炉10が使用されている。な
お、図中13はガス導入口であり、14は13はガス排
出口である。また11は試料Sを収容した容器12を載
置する載置台である。
【0003】このような横型の石英管炉形式の処理炉
は、石英管に熱源である加熱コイル等の加熱手段から直
接輻射熱を当てるために、石英の熱伝導率が低いことも
あって、長手方向の均熱が取りにくく、長い均熱ゾーン
を確保することができないという欠点を有していた。そ
のため処理炉内に同時に載置して処理できる試料数は少
数に限定されていた。
【0004】同一条件で多数の試料を同時に処理する必
要性がある場合、また多数の分析試料を所定時間内に処
理しなければならない製造工程試験等の場合において
は、この種の処理炉を多数取り揃えて処理しなければな
らず、費用的にも、労力的にも多大な負担を要するとい
う欠点を有していた。しかも、多数の処理炉を同一条件
に加熱し、その処理条件を同一に維持することは非常に
困難であるところから特に製造工程分析等の場合におい
て大きなネックポイントとなっていた。
【0005】また広い盤面上に多数の分析試料を載置し
て同時に試料を処理できる処理炉を作製するには、この
炉が分析試料の加熱分解処理用に用いられるものである
ところから、これら多数の各試料を均等に加熱しなけれ
ばならないことは勿論、雰囲気ガス、例えば燃焼分解処
理の場合、空気、酸素ガス等の燃焼用ガスを各試料に万
遍なく供給できるように該ガスを均等に流通させること
が必要である。しかしながら、分析試料は汚染を極度に
嫌うため、高温下で、このような要件を充分に満たす炉
の形状、構造の設計、使用材質の選択が非常に難しく、
実用に供することのできるこのような気相分解式分析試
料処理用昇降炉を現実的な価格で製造提供することは未
だ実現していない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、上記課題が解決され、多数の分析試料の同時処理が
可能で、かつ比較的安価に製作できる気相分解式分析試
料処理用昇降炉を提供すること、及びそのような処理用
昇降炉に好適に用いられる特定構造の炉体を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、加熱用
ヒータを備えた分析試料容器載置台と、該載置台を支持
するベースプレートと、前記ベースプレートを上下方向
に昇降可能に支持する昇降部材と、下端部が円形開放面
で、天井部が凹曲面形状の凹状空間がその内部側に形成
された炉体とを有し、前記ベースプレートの昇降最上昇
位置において、前記炉体と前記ベースプレートとが当接
することにより両者の間に内部閉空間域が形成され、か
つ該内部閉空間域の雰囲気ガスを流通させる手段が設け
られている気相分解式分析試料処理用昇降炉において、
前記炉体が、凹状空間内面側から順に、透明石英ガラス
層、不透明石英ガラス層の2層積層構造体から成ること
を特徴とする気相分解式分析試料処理用昇降炉が提供さ
れる。
【0008】また本発明によれば、上記気相分解式分析
試料処理用昇降炉に好適に用いられる炉体として、内層
側から順に、透明石英ガラス層、不透明石英ガラス層の
2層積層構造を有し、封鎖された凹曲面形状の天井部と
円形開放下端面を有する中空成形体から成ることを特徴
とする炉体が提供される。
【0009】さらに、本発明の気相分解式分析試料処理
用昇降炉の上記炉体は、前記透明層が炉体の該2層積層
構造体全体の厚みに対し10〜30%、不透明層が70
〜90%の厚みを有することが好ましい。さらにまた、
前記炉体の凹状空間形状が半球形、半楕円球形、パラボ
ラ形、あるいはベル形に形成されていることが好まし
く、特に該形状がベル形でその上部(天井部)は半径4
30乃至630mmの曲面をなし、胴部と天井部とが接
続する隅部は半径100乃至140mmの曲面をなして
いることが好ましい。また、前記気泡含有不透明性ガラ
ス層の気泡の累積率95%以上が100μmの気泡径を
有するものであり、かつ全気泡の含有密度が5万乃至1
2万個/cm3 であることが望ましい。気泡構造を前述
のようになしているため、気泡膨張を抑制でき、ひいて
は炉体の膨張を抑制できる。また多数の微細気泡が輻射
熱を効果的に散乱させるため、炉内部をより均熱になす
ことができる。
【0010】本発明は上述のように、従来の横型石英管
炉の形状、構造から、内面側が特定凹曲面形状の石英ガ
ラス製炉体を有する昇降炉へ、その形状、構造を変更す
ると共に、該炉体の内側表面層を透明石英層、その外側
層を不透明石英層とした2層積層構造とすることによ
り、炉内からの放熱を遮断すると共に、炉内の均熱性を
担保した点が顕著な特徴である。即ち、処理炉を円盤状
の分析試料載置面を有する縦型昇降炉形式としたことに
より従来の横型石英管炉に比べて格段に広い分析試料載
置スペースを取ることができ、多数の試料を同時に処理
することができる。
【0011】また、試料の処理時に、試料載置盤周縁あ
るいはそれを支持するべースプレートに当接して試料載
置盤面と枠体内面との間に内空間部を形成する該枠体の
内面が、例えば半球形、半楕円球形、パラボラ形、ある
いはベル形等の凹曲面形状に形成されていること、及び
該内空間部の底面部以外は薄い透明石英ガラス層を介し
て気泡含有不透明性石英ガラス層で覆われていることの
両方により、放射される熱線が該層界面で均質に散乱分
散して反射され試料載置面を均等に加熱する。
【0012】更に、内壁面の天井部が上記のような凹曲
面形状で、かつ表面が滑らかな透明石英ガラスから成る
ため、この内空間底部中央から頂部に向けて、例えば燃
焼用酸素等のガスを供給することにより、一旦内壁面に
当たって反転したガス流が試料載置面に均等に流下しガ
スが載置試料上に常に均等に供給される。このため、従
来の処理炉において見られる、局部過熱や、ガス偏流等
による分析試料処理のバラつきを完全に回避することが
できる。
【0013】枠体内部が、図1乃至図2に示したような
ベル形に形成され、胴部と曲面状天井部との境界隅部の
なす曲率(R)が100乃至140mm、頂点乃至その
近傍の曲率が430乃至630mmのものは、上記した
機能に極めて優れているため特に好適である。
【0014】本発明において、前記枠体を構成する透明
石英ガラス層は、表面が滑らかで、ガス流のスムーズな
流動を助ける作用をするだけでなく、その外側に積層さ
れた気泡含有不透明性石英ガラス層が熱歪みや気泡内部
のガスの局部的膨張により破砕した場合に、破砕した微
細粒子や粉体が落下したり、該気泡内ガスが流出したり
して分析試料を汚染するのを防止する作用も奏する。ま
た、前記不透明性石英ガラス層は層界面での熱線の均質
乱反射作用をするだけでなく、その優れた断熱性能によ
り放熱を遮蔽し、内空間部を高温均熱に保持する作用効
果をも奏する。また、該透明層が前記2重構造体全体の
厚みの10〜30%、不透明層が全体の厚みの70〜9
0%の厚みを有するように構成したものは、特に炉内放
熱遮断性、均熱性に優れ、しかも高純度石英ガラスの使
用量を少なくでき、装置全体を安価なものとできる。
【0015】また、炉体の2重構造体の周囲に、更に断
熱体を設けたものは炉の保温性が一層改善され、より好
適である。更にまた、試料載置台の内部だけでなく、炉
体に配した断熱体の内部にコイルヒータ等の加熱手段を
配設したものは炉内の温度調節がより容易で、しかも炉
内の高温均熱化を一層良好に達成することができる。ま
た、ガス供給部からノズルの先端までの途中にフィルタ
が設けられているものは、供給されるガスに含まれる不
純物を除去することができ更に好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる気相分解式
分析試料処理用昇降炉の実施形態について図面を参照し
て詳しく説明する。但し、本発明は下記実施形態により
制限されるものでない。なお、図1は、本発明の一実施
形態を示す気相分解式分析試料処理用昇降炉の断面図で
あり、図2は炉体の断面図である。
【0017】図1において、1は分析試料Sの不純物を
高精度で分析するための気相分解式昇降炉を示してい
る。分析試料Sは、複数の試料載置容器2内に載置さ
れ、この試料載置容器2はこの図の場合、円盤型の試料
載置台3に載置されている。この試料載置台3は、これ
も円盤型のベースプレート4によって支持され、このベ
ースプレート4は昇降部材5により昇降可能となってい
る。また、前記ベースプレート4の上方には、中空ベル
状の炉体6が設けられており、試料処理時においては、
前記昇降部材5を最上位置に上昇させることにより、炉
体6の下端部と前記ベースプレート4との間に内部閉空
間域7が形成される。
【0018】さらに、この図の処理炉では、ベースプレ
ート4と昇降部材5との内部を通り、一端が内部閉空間
域7中で開口され、他端が図示していないガス供給部に
接続されて内部閉空間域7内へガスを供給するためのノ
ズル8が設けられている。なお、このノズル8は、ガス
供給部から昇降炉7内の開口までの間にフィルタ8aが
取り付けられたものであっても良い。このようにフィル
タ8aが取り付けられている場合には、昇降炉7内に供
給されるガスに含まれる不純物を除去することができ、
分析精度の一層の向上を図ることができる。また、この
図の処理炉の場合には、前記炉体6の周囲には無アルカ
リ乃至低アルカリ含有ファイバー等からなる断熱体9が
配備されている。さらに、この断熱体9の内部、及び前
記容器載置台3の内部には内部閉空間域7内を加熱する
ためのコイルヒータ3a、9aが配置され、前記ヒータ
3a、9aにより、内部閉空間域7内からの放熱を防止
すると共に、内部閉空間域7内の均熱化を図ることがで
きる。
【0019】次に、本発明にかかる気相分解式昇降炉に
用いられる炉体について図2に基づき説明する。この炉
体6は石英ガラス製であり、炉の内側層が透明層6a、
外側層が不透明層6bの2重構造になっている。そし
て、透明層6aは2重構造体である炉体6全体の厚みの
10〜30%、不透明層6bは全体の厚みの70〜90
%の厚みであることが好ましい。このような構成を採用
することにより、不透明層6bが昇降炉7内からの放熱
を防止し、昇降炉7内の均熱性を向上させることができ
る。また、高純度石英ガラス性の高価な透明層を極力薄
くしているため、装置を安価なものとすることができ
る。
【0020】炉体6の内部形状は、必ずしも図1乃至図
2に示されているベル形に限定されるものではなく、例
えば半球形、半楕円球形、パラボラ形等の凹状曲面形状
であれば本発明の目的を達成できるが、図1,2等に示
したベル形状に形成したものが上記した機能上より好ま
しく、特に、その上部61が曲率半径(R)430乃至
630mm、最も好ましくは500〜560mmの曲面
部を有し、隅部62が曲率半径100乃至140mmの
曲面を有しているのが望ましい。このような構成を採用
することにより、均熱放射とノズル6から内部閉空間域
7内へ供給されるガスを域内の各箇所に均等に分散する
ことができる。
【0021】このような2重構造体の石英ガラス製の炉
体6を製作するには、例えば、先ず外層として、粒度1
00乃至300メッシュ程度の水晶粉末等の高純度石英
粉末を型容器に所定厚さの層状に充填し、次いでその上
に内層として粒度30〜150メッシュ程度以下の微粒
水晶粉末等の高純度石英粉末層を充填して成形し、成形
体の内面側から回転下にアーク溶融する等の手段を用い
て加熱溶融成形することによって得ることができる。こ
のようにして得られる炉体6の好適構成は、図2に示す
ように内側層に透明層6aを有し、外側層に微細気泡を
多く含む不透明層6bを有し、また、炉体6の上部61
が半径530mmの曲面をなし、隅部62が半径120
mmの曲面をなすものである。
【0022】この外層側の不透明層6bは、不透明性を
付与する程度に内部に気泡を包含した気泡含有不透明性
ガラス層で、前記気泡含有不透明性ガラス層の気泡の累
積率95%以上が100μmの気泡径を有するものであ
り、かつ全気泡の含有密度が5万乃至12万個/cm3
であるものが好ましい。
【0023】次に、本発明にかかる気相分解式分析試料
処理用昇降炉を用いた高純度カーボン分析試料の燃焼灰
化処理について以下に説明する。まず、試料Sを試料載
置台3上の試料載置容器2に載置し、この試料載置台3
を支持する円盤型のベースプレート4ごと昇降部材5に
より上昇させ、ベースプレート4とその上方に設けられ
る炉体6とにより密閉された内部閉空間域7を形成す
る。
【0024】そして、試料載置台3の内部と、炉の周囲
に配置した断熱体9の内部に設けたコイルヒータ3a、
9aにより内部閉空間域7内を800℃近傍に加熱する
と共に、図示していないガス供給部からノズル8を介し
て燃焼用酸素ガスを導入する。この際、試料載置台3の
内部、及び炉体6の周囲に設けられる断熱体8の内部に
配置されたコイルヒータ3a、9aの加熱調整により、
炉体6の内部閉空間域温度を調節する。通常カーボン試
料量が20g程度であれば、約24時間程度で充分に灰
分化が達成される。各試料の灰分化が充分達成された時
点で処理を終了し、放冷して後、昇降部材5を降下して
試料載置台3上の試料容器2を取り出し容器内に残存す
る残査灰分を分析することにより試料S中の不純物を定
量分析する。
【0025】
【実施例】次に、本発明の実施例を以下に説明する。 (実施例)本発明の実施例として、本発明にかかる気相
分解式昇降炉1の処理操作時(温度1500℃)におけ
る内部閉空間域7内の各箇所の温度を測定し、この結果
を図3に示す。
【0026】(比較例)本発明の比較例として、従来例
で説明した気相分解式横型石英管炉10の処理操作時
(温度1500℃)における横型石英管15内の各箇所
の温度を測定し、この結果を図4に示す。
【0027】以上の結果から、本発明にかかる気相分解
式分析試料処理用昇降炉1を用いた場合には、容器載置
台3の内部及び炉体6の周囲に設けられる断熱体9の内
部に配置されるコイルヒータ3a、9aにより、また、
炉体6の透明層6a、不透明層6bの2重構造により、
昇降炉7内からの放熱を防止し、昇降炉7内の均熱性を
保っている。一方、気相分解式横型炉を用いた場合に
は、横長形状であるため、両端付近での放熱が激しく、
横型炉15内の両端と中央とでは温度差が生じ、均熱性
が劣っている。また、気相分解式分析試料処理用横型炉
は、分析試料を並列に配置するため、炉全体が横長形状
になり、気相分解式分析試料処理用昇降炉と比較すると
装置が大型化した。
【0028】なお、本発明にかかる気相分解式分析試料
処理用昇降炉は、例えば、半導体ウエハ用シリコンイン
ゴット引き上げ坩堝のカーボン製支持容器等、炭素乃至
炭素質部材の灰分化処理やその他の分析試料の分解処理
のみならず、石炭の工業分析、即ち石炭の灰分分析にも
用いることができる。
【0029】
【発明の効果】本発明は上述のように、横型炉を石英ガ
ラス製の炉体を有する昇降炉へ変更すると共に、炉体の
内側層を透明層、外側層を不透明層とした2層構造とす
ることにより、炉内からの放熱を防止すると共に、炉内
の均熱性を保ち、分析精度の向上を図ることができる。
また、透明層が2重構造体の厚みの10〜30%、不透
明層が70〜90%の厚みを有するように構成したもの
は、高純度石英ガラスの使用量を少なくでき、装置全体
を安価なものとできる。
【0030】さらに、容器載置台の内部及び炉体の周囲
に設けられる断熱体の内部に設けるコイルヒータによっ
て内を加熱するタイプのものは、炉内の温度調節をより
容易に達成することができる。また、炉体の上部が半径
430〜630mmの曲面をなし、炉体の隅部が半径1
00〜140mmの曲面をなしているものは、ノズルか
ら昇降炉内の各箇所により均等にガスを分散すことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明にかかる気相分解式分析試料処
理用昇降炉の断面図である。
【図2】図2は、本発明にかかる気相分解式分析試料処
理用昇降炉に用いられる炉体の断面図である。
【図3】図3は、本発明にかかる気相分解式分析試料処
理用昇降炉を用いて分析を行った際の昇降炉内の温度分
布線図である。
【図4】図4は、従来の気相分解式分析試料処理用横型
炉を用いて、分析を行った際の横型炉内の温度分布線図
である。
【図5】従来の気相分解式分析試料処理用横型炉の断面
図である。
【符号の説明】
1 気相分解式昇降炉 2 試料載置容器 3 試料載置台 3a コイルヒータ 4 ベースプレート 5 昇降部材 6 炉体 6a 透明層 6b 不透明層 61 上部 62 隅部 7 内部閉空間域 8 ノズル 8a フィルタ 9 断熱体 9a コイルヒータ S 分析試料

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱用ヒータを備えた分析試料容器載置
    台と、該載置台を支持するベースプレートと、前記ベー
    スプレートを上下方向に昇降可能に支持する昇降部材
    と、下端部が円形開放面で、天井部が凹曲面形状の凹状
    空間がその内部側に形成された炉体とを有し、前記ベー
    スプレートの昇降最上昇位置において、前記炉体と前記
    ベースプレートとが当接することにより両者の間に内部
    閉空間域が形成され、かつ該内部閉空間域の雰囲気ガス
    を流通させる手段が設けられている気相分解式分析試料
    処理用昇降炉において、 前記炉体が、凹状空間内面側から順に、透明石英ガラス
    層、不透明石英ガラス層の2層積層構造体から成ること
    を特徴とする気相分解式分析試料処理用昇降炉。
  2. 【請求項2】 前記炉体の2層積層構造体の外側に更に
    断熱材が配設されていることを特徴とする請求項1に記
    載された気相分解式分析試料処理用昇降炉。
  3. 【請求項3】 前記炉体の断熱材中に加熱用ヒーターが
    付設されていることを特徴とする請求項2に記載された
    気相分解式分析試料処理用昇降炉。
  4. 【請求項4】 前記炉体の凹状空間形状が半球形、半楕
    円球形、パラボラ形あるいはベル形に形成されているこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    された気相分解式分析試料処理用昇降炉。
  5. 【請求項5】 前記炉体に形成された凹状空間形状がベ
    ル形であり、かつ該ベル形状の頂点を通る断面形状にお
    いて、胴部と曲面状天井部との境界隅部のなす曲率
    (R)が100乃至140mm、頂点乃至その近傍の曲
    率(R)が430乃至630mmであることを特徴とす
    る請求項4に記載された気相分解式分析試料処理用昇降
    炉。
  6. 【請求項6】 前記炉体における2層積層構造体の透明
    石英ガラス層と不透明石英ガラス層との厚み比が1:9
    乃至3:7であることを特徴とする請求項1乃至請求項
    5のいずれかに記載された気相分解式分析試料処理用昇
    降炉。
  7. 【請求項7】 前記気泡含有不透明性ガラス層の気泡の
    累積率95%以上が100μmの気泡径を有するもので
    あり、かつ全気泡の含有密度が5万乃至12万個/cm
    3 であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいず
    れかに記載されたの気相分解式分析試料処理用昇降炉。
  8. 【請求項8】 内層側から順に、透明石英ガラス層、不
    透明石英ガラス層の2層積層構造を有し、封鎖された凹
    曲面形状の天井部と円形開放下端面を有する中空成形体
    から成ることを特徴とする気相分解式分析試料処理用昇
    降炉の炉体。
  9. 【請求項9】 中空成形体の内部空間形状が半球形、半
    楕円球形、パラボラ形、あるいはベル形であることを特
    徴とする請求項8に記載された気相分解式分析試料処理
    用昇降炉の炉体。
  10. 【請求項10】 前記内部空間形状がベル形であり、か
    つ該ベル形状の頂点を通る断面形状において、胴部と曲
    面状天井部との境界隅部のなす曲率(R)が100乃至
    140mm、頂点乃至その近傍の曲率が430乃至63
    0mmであることを特徴とする請求項9に記載された気
    相分解式分析試料処理用昇降炉の炉体。
  11. 【請求項11】 前記2層積層構造体の透明石英ガラス
    層と不透明石英ガラス層との厚み比が1:9乃至3:7
    であることを特徴とする請求項8乃至請求項10のいず
    れかに記載された気相分解式分析試料処理用昇降炉の炉
    体。
  12. 【請求項12】 前記気泡含有不透明性ガラス層の気泡
    の累積率95%以上が100μmの気泡径を有するもの
    であり、かつ全気泡の含有密度が5万乃至12万個/c
    3 であることを特徴とする請求項8乃至請求項11の
    いずれかに記載されたの気相分解式分析試料処理用昇降
    炉の炉体。
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