JPH11218287A - 既設ガス配管の端末から新設ガス配管を延伸する方法及びその際に使用されるパージ専用ゴム玉 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【技術課題】 既設ガス配管に対する新設ガス配管の延
伸工事終了時に行われるエアーパージに際して、作業に
カンやコツを必要としないようにする。 【解決手段】 既設ガス配管１の末端部にゴム玉挿入孔
２を穿孔してこのゴム玉挿入孔２から本玉３ａと逆玉３
ｂを挿入し、膨らませることにより既設ガス配管１内を
遮断したのち、既設ガス配管１の末端のカップ止め４を
切除してこの切除した部分に新設ガス配管５を接続す
る。次に、前記ゴム玉挿入孔２から逆玉３ｂを取り外
し、代わりに貫通孔１２付のパージ専用ゴム玉１０を挿
入して膨らませた後、本玉３ａを取り外すことにより、
パージ専用ゴム玉１０の貫通孔１２を経由してパージ用
のガスを新設ガス配管５内に流してエアーパージを行
い、このエアーパージ終了後にパージ専用ゴム玉１０を
取り外し、ゴム玉挿入孔２を閉塞する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、既設ガス配管の端
末から新設ガス配管を延伸する方法及びその際に使用さ
れるパージ専用ゴム玉に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】既設ガス配管の端末から新設ガス配管を
延伸した場合、工事の最終段階において、新設ガス配管
内に残留している空気を大気中にパージすることが必要
になる。このエアーパージは、上流（既設ガス配管）側
から新設ガス配管内にガスを通し、このガスで新設ガス
配管内の空気を管外に押し出すことにより行われるもの
で、この従来のエアーパージ方法を図４（イ）〜（ニ）
に基づいて詳述する。

【０００３】１．先ず、末端がカップ止め４により閉塞
されている既設ガス配管１の末端部にゴム玉挿入孔２を
穿孔し、ここからゴム玉３（本玉３ａ及び逆玉３ｂ）を
入れて膨らませることによりガスを遮断する（イ）。 ２．次に、カップ止め４部分を切除した後（ロ）、既設
ガス配管１に新設ガス配管５を接続する（ハ）。 ３．次に、ゴム玉３内から空気を抜いて逆玉３ｂ、本玉
３ａの順序で取り外し、ゴム玉挿入孔２をプラグ止めし
てから新設ガス配管５側にガスを流入させて、新設ガス
配管５の末端から内部の空気をパージする（ニ）。 なお、上記３の作業において、本玉３ａを取り外す際、
本玉３ａ内から急激にエアーを抜いて萎ませると、既設
ガス配管１内のガス圧が急激に低下し、既設ガス配管１
側に接続されているガスメータやガス器具に悪影響が出
るので、本玉３ａを注意しながら少しずつ萎ませること
が必要である。

【０００４】この問題を軽減するために、特に配管容量
が大きい場合には、図５に示すように、ゴム玉３をはさ
んで調節弁７付のバイパス６を組み、パージ用のガスの
流量を調整するという方法が採られる場合もある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】このため、上記従来技
術においては、次のような欠点がある。 １．本玉３ａの取り外しに際し、少しづつ空気を抜いて
萎ませる必要があるため、これにはカンとコツが必要に
なり、熟練者でないとパージ作業を行うことができな
い。 ２．本玉３ａの取り外しがうまく行かず、万一、既設ガ
ス配管１側において圧力の低下があると、マイコンメー
タの作動トラブルや、ガス機器の不点火トラブルを引き
起こす危険性がある。 ３．パージボリュームの大きい（配管容積の大きい）現
場等では、図５に示すように、バイパス６を組む必要が
あり、この場合は余分な作業を行うことになる。

【０００６】本発明の第１の目的は、エアーパージ時
に、既設ガス配管側の圧力低下を最小限に抑えて既設ガ
ス配管側のガス機器に対する悪影響を除去することであ
る。更に、第２の目的は、エアーパージ時に、作業上の
カンやコツ等の熟練を必要としないようにすることであ
る。更に、第３の目的は、配管容量が大きい場合でも、
パイパスを組む必要がないようにすることである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明では、次のような既設ガス配管の末端から新設
ガス配管を延伸する方法と、その際に使用されるパージ
専用ゴム玉を提案するものである。 １．既設ガス配管の末端部にゴム玉挿入孔を穿孔してこ
のゴム玉挿入孔から本玉と逆玉を挿入し、膨らませるこ
とにより既設ガス配管内を遮断したのち、既設ガス配管
の末端の閉塞部を切除してこの切除した部分に新設ガス
配管を接続する、前記ゴム玉挿入孔から逆玉を取り外
し、代わりに貫通孔付のパージ専用ゴム玉を挿入して膨
らませた後、本玉を取り外すことにより、パージ専用ゴ
ム玉の貫通孔を経由してパージ用のガスを新設ガス配管
内に流してエアーパージを行い、このエアーパージ終了
後にパージ専用ゴム玉を取り外し、ゴム玉挿入孔を閉塞
する、ことを特徴とする既設ガス配管の端末から新設ガ
ス配管を延伸する方法。

【０００８】２．内部に貫通孔を設けて成る既設ガス配
管の端末から新設ガス配管を延伸する際に使用されるパ
ージ専用ゴム玉。

【０００９】パージ専用ゴム玉の材質は、本玉及び逆玉
と同一である。このパージ専用ゴム玉内に設ける貫通孔
は、大き過ぎると急激にガスが流れて既設ガス配管内の
ガス圧の低下を招くので、あまり大き過ぎないことが必
要である。但し、小さ過ぎるとパージに時間がかかるの
で、配管容量及び既設ガス配管側のガスの供給環境等に
より、この大きさには最適のものが選択される。

【００１０】

【実施例１】本実施例は、請求項２に対応しており、パ
ージ専用ゴム玉に関するもので、図１及び図２にこの構
造が示されている。図１及び図２において、１０はパー
ジ専用ゴム玉、１１はエアー注入ホース、１２はゴム玉
１０内を貫通するように設けられた貫通孔であって、こ
の貫通孔１２の直径により通過流量が決定される。

【００１１】

【実施例２】本実施例は、請求項１に対応しており、既
設ガス配管の末端から新設ガス配管を延伸する方法に関
するものである。以下に、この延伸方法を図３（イ）〜
（ホ）に基づいて詳述する。

【００１２】１．カップ止め４で末端を閉塞した既設ガ
ス配管１の末端部にゴム玉挿入孔２を穿孔し、ゴム玉３
（本玉３ａ及び逆玉３ｂ）を入れて膨らませることによ
りガスを遮断する（イ）。 ２．次に、カップ止め４部分を切除した後（ロ）、既設
ガス配管１に新設ガス配管５を接合する（ハ）。 ３．次に、本玉３ａ、逆玉３ｂの他に、新たに、図１、
図２に示した実施例１の構造を有するパージ専用ゴム玉
１０を用意する。

【００１３】４．次に、新設ガス配管５の結び完了後、
先ず、逆玉３ｂのみを管内から取り外し、これに代えて
パージ専用ゴム玉１０を本玉３ａの下流側に挿入して膨
らませてセットし直す（ニ）。 ５．次に、本玉３ａを取り外すことにより、パージ専用
ゴム玉１０の貫通孔１２を通して、既設ガス配管１側か
ら新設ガス配管５内に一定量のガスを流入させてエアー
パージを行う（ホ）。 ６．次に、エアーパージ終了後、パージ専用ゴム玉１０
を取り外し、ゴム玉挿入孔２をプラグ止めする。

【００１４】

【発明の効果】本発明は以上の如き方法で既設ガス配管
の端末から新設ガス配管を延伸することにより、次の効
果を奏する。 １．パージ専用ゴム玉の貫通孔の直径により流れるガス
量が規制されるので、本玉を取り外すときのカンやコツ
に頼る、不安定な熟練作業が不要になる。 ２．パージ専用ゴム玉を用いてパージを行うことによ
り、圧力低下による、マイコンメータの作動トラブル
や、ガス機器の不点火トラブルに結び付く危険性を除去
することができる。 ３．パージボリューム（配管容量）が大きい場合等にバ
イパスを組む必要がなく、余分な作業がなくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】パージ専用ゴム玉の断面図。

【図２】パージ専用ゴム玉を貫通孔側から見た状態の説
明図。

【図３】既設ガス配管の末端における新設ガス配管の延
伸方法の説明図。

【図４】従来のガス配管の延伸方法の説明図。

【図５】バイパスを取り付けて行うガス配管の延伸方法
の説明図。

【符号の説明】

１ 既設ガス配管 ２ ゴム玉挿入孔 ３ ゴム玉 ３ａ 本玉 ３ｂ 逆玉 ４ カップ止め ５ 新設ガス配管 ６ バイパス ７ 調節弁 １０ パージ専用ゴム玉 １１ エアー注入ホース １２ 貫通孔

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 既設ガス配管の末端部にゴム玉挿入孔を
   穿孔してこのゴム玉挿入孔から本玉と逆玉を挿入し、膨
   らませることにより既設ガス配管内を遮断したのち、既
   設ガス配管の末端の閉塞部を切除してこの切除した部分
   に新設ガス配管を接続する、 前記ゴム玉挿入孔から逆玉を取り外し、代わりに貫通孔
   付のパージ専用ゴム玉を挿入して膨らませた後、本玉を
   取り外すことにより、パージ専用ゴム玉の貫通孔を経由
   してパージ用のガスを新設ガス配管内に流してエアーパ
   ージを行い、このエアーパージ終了後にパージ専用ゴム
   玉を取り外し、ゴム玉挿入孔を閉塞する、 ことを特徴とする既設ガス配管の端末から新設ガス配管
   を延伸する方法。
2. 【請求項２】 内部に貫通孔を設けて成る既設ガス配管
   の端末から新設ガス配管を延伸する際に使用されるパー
   ジ専用ゴム玉。