JPH11218139A - 小型ボールベアリング及びその製造方法 - Google Patents

小型ボールベアリング及びその製造方法

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JPH11218139A
JPH11218139A JP3547498A JP3547498A JPH11218139A JP H11218139 A JPH11218139 A JP H11218139A JP 3547498 A JP3547498 A JP 3547498A JP 3547498 A JP3547498 A JP 3547498A JP H11218139 A JPH11218139 A JP H11218139A
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JP
Japan
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peripheral surface
inner ring
forming member
outer ring
ball
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JP3547498A
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English (en)
Inventor
Kimio Shiga
公夫 志賀
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SHIGA KOGYO KK
Original Assignee
SHIGA KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内輪又は外輪、若しくはその両方の板厚をよ
り一層薄く形成すると共にボール保持溝を旋盤機械など
での削り出しによることなく形成した小型ボールベアリ
ング及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 外輪3と内輪2との間に複数のベアリン
グ球4を配置してなる小型ボールベアリング1であっ
て、内輪2又は外輪3若しくはその両方のボール保持側
周面に、小型ボールベアリング1の中心軸線に沿う方向
に間隔をあけ且つ周方向に強圧展造で形成された2つの
隆起部7によってベアリング球4を保持するボール保持
溝5、6が形成されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は小型ボールベアリン
グ及びその製造方法に関し、更に詳細には例えば電子複
写機、ファクシミリ装置などの回転軸を支持する軸受け
部として機能する外径の非常に小さな小型ボールベアリ
ング及びこれを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、回転軸等の保持手段として、ボー
ルベアリングの存在は周知であり、種々の回転機構部に
多用されている。従来のボールベアリングは、比較的に
高速で回転する回転体を支持する場合に使用され、従っ
て高精度で、例えば切削内外輪型のボールベアリングと
して製造されている。
【0003】勿論、比較的に低速且つ高精度を必要とし
ない分野では、低価格で製造するために外輪をヘラ又は
ローラで成形することもある。しかし、いずれにしても
切削により内輪又は外輪、若しくは内外輪を形成する場
合には、旋盤機械で内輪形成部材又は外輪形成部材をリ
ング状に形成した上、内輪ではその外周面に、また外輪
ではその内周面にそれぞれボール保持溝を削り出し、そ
の後強度を出すために焼き入れをしていた。
【0004】そして、強度を増すために内外輪を焼き入
れすると、変形を生じるので焼き入れ後は正確な寸法精
度を得るように研磨されていた。ところで、近年、この
種の小型ボールベアリングは、それが使用される例えば
電子複写機などの装置が小型化されるのに従って、更に
一層小型化が要求されてきており、最早、小型というよ
り極小と言った方がよい程に小さくなってきている。
【0005】すなわち、現在の小型ボールベアリングで
は、図12に示されるように内外輪の板厚T1が、約
0.6mm、ボール保持溝の最底部での内外輪板厚BT
が、約0.4mm、ベアリング球即ちボールの直径D
が、約1.2mm、そして内輪の内径と外輪の外径の差
の半分、即ちボールを間に挟んだ内輪と外輪の径方向厚
みSが約2mm、というような程度にまで小さくなって
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
のボールベアリングの更なる小型化の要求は大きく、し
かもベアリングの内径を変えず且つベアリングによる回
転軸の保持強度を維持したままでの小型化が要求されて
いる。これに答えるためには、内外輪間の間隔を狭める
しかない。しかし、内外輪間の間隔を狭めるということ
はボールの直径Dを小さくしなければならないが、する
と回転軸の保持強度を維持できなくなる。
【0007】とすれば、内外輪の板厚を薄くする以外に
はない。内輪又は外輪、若しくはその両方の板厚を薄く
すれば外輪の外径を更に小さくでき、一層の小型化を達
成することができる。しかし、内輪又は外輪用のリング
状形成部材を旋盤機械による切削加工によって現在以上
に薄い板厚とすることやこのリング状部材に更にボール
保持溝を削り出すことは非常に難しく、また仮にそれが
できたとしてもボール保持溝が浅すぎてボールの安定保
持が難しく、軸受けとしての機能自体に支障がでること
になる、という問題があった。
【0008】更に、このような薄い板厚の内輪又は外
輪、若しくはその両方が、切削加工によってできたとし
ても、このような薄い板厚の製品は、その後の焼き入れ
による歪みが大きく、しかもこの変形を研磨によって修
正しようとしても、製品が小さすぎて研磨自体が難しい
という問題もあった。
【0009】この発明の目的は、前述したような従来の
問題点を解決するためになされたもので、内輪又は外
輪、若しくはその両方の板厚をより一層薄く形成すると
共にボール保持溝を旋盤機械などでの削り出しによるこ
となく形成した小型ボールベアリング及びその製造方法
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、外輪と内輪
との間に複数のベアリング球を配置してなる小型ボール
ベアリングであって、前記内輪又は前記外輪若しくはそ
の両方のボール保持側周面に、前記小型ボールベアリン
グの中心軸線に沿う方向に間隔をあけ且つ周方向に形成
された2つの隆起部によって前記ベアリング球を保持す
るボール保持溝が形成されていることを特徴とする。
【0011】また、この発明は、前記内輪又は前記外輪
若しくはその両方のボール保持側周面を、転圧ローラで
強圧転圧して、前記ボール保持側周面に圧縮展造加工を
し、前記小型ボールベアリングの中心軸線に沿う方向に
間隔をあけ且つ周方向に形成された2つの隆起部によっ
て前記ベアリング球を保持するボール保持溝が形成され
ていることを特徴とする。
【0012】また、この発明は、前記内輪又は前記外輪
若しくはその両方のボール保持側周面を、転圧ローラで
強圧転圧して、前記ボール保持側周面に圧縮展造加工を
し、前記小型ボールベアリングの中心軸線に沿う方向に
間隔をあけ且つ周方向に形成された2つの隆起部によっ
て前記ベアリング球を保持するボール保持溝を形成し、
該保持溝が前記圧縮展造加工によって鏡面加工がなされ
ていることを特徴とする。
【0013】この発明の小型ボールベアリングの製造方
法は、周面が平滑な薄いリング状の内輪形成部材又は外
輪形成部材若しくはその両方を準備し、次いでその内輪
形成部材の外周面又は外輪形成部材の内周面を転圧して
盛り立て、中心軸線に沿う方向に間隔をあけ且つ周方向
に2筋の隆起部を形成すること、その後前記隆起部間に
形成された溝部に複数のベアリング球を配置して外輪及
び内輪を組み付けることを特徴とする。
【0014】この発明の小型ボールベアリングの製造方
法は、周面が平滑な薄いリング状の内輪形成部材又は外
輪形成部材若しくはその両方を準備し、次いでその内輪
形成部材の外周面又は外輪形成部材の内周面における中
央部を転圧して、中心軸線に沿う方向に間隔をあけ且つ
周方向に2筋の隆起部を形成するように盛り立てるこ
と、その後前記隆起部間に形成された溝部に複数のベア
リング球を配置して外輪及び内輪を組み付けることを特
徴とする。
【0015】この発明の小型ボールベアリングの製造方
法は、周面が平滑な薄いリング状の内輪形成部材又は外
輪形成部材若しくはその両方を準備し、次いでその内輪
形成部材の外周面又は外輪形成部材の内周面における軸
線方向両側端部を転圧して中央側へ盛り立て、中心軸線
に沿う方向に間隔をあけ且つ周方向に2筋の隆起部を形
成すること、その後前記隆起部間に形成された溝部に複
数のベアリング球を配置して外輪及び内輪を組み付ける
ことを特徴とする。
【0016】この発明の小型ボールベアリングの製造方
法は、周面が平滑な薄いリング状の内輪形成部材又は外
輪形成部材若しくはその両方を準備し、次いでその内輪
形成部材の外周面又は外輪形成部材の内周面における軸
線方向両側端部及び中央部を転圧して、中心軸線に沿う
方向に間隔をあけ且つ周方向に2筋の隆起部を形成する
ように盛り立てること、その後前記隆起部間に形成され
た溝部に複数のベアリング球を配置して外輪及び内輪を
組み付けることを特徴とする。
【0017】この発明の小型ベアリングによると、例え
ば0.35mm以下の板厚の外輪又は内輪形成用のリン
グ状部材では、旋盤機械による切削加工によってボール
保持溝を削り出すことは不可能であったが、内輪の外周
面又は外輪の内周面、若しくはその両方のボール保持側
周面に、ベアリングの中心軸線に沿う方向に間隔をあけ
且つ周方向に形成された2つの隆起部を転圧により設け
てベアリング球を保持する溝部とすることで板厚が薄く
且つ切削加工によらずに小径の内輪又は外輪を形成する
ことができる。
【0018】このような展圧ローラを用いた転圧による
隆起部の形成によって、ボール保持溝を形成すると、鏡
面加工ができ、しかも圧縮展造加工がなされるため、焼
き入れなどの加工が不要となり、従ってその後の研磨も
必要がなく、強度の高い小型ボールベアリングを形成で
きる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明の小型ボールベア
リング及びその製造方法を、図に示される実施形態につ
いて更に詳細に説明する。図1〜図3には、この発明の
一実施形態に係る小型ボールベアリング1が示されてい
る。この小型ボールベアリング1は、所定板厚のリング
状部材10から形成された内輪2、同様に所定板厚のリ
ング状部材9から形成された外輪3、及びその間に回転
自在に配置された複数のベアリング球、即ちボール4と
から構成されている。
【0020】内輪2の外周面及び外輪3の内周面には、
ボール4を保持する溝5、6がそれぞれ形成されてい
る。特に、内輪2の外周面及び外輪3の内周面に形成さ
れているボール保持溝5、6は、ベアリングの中心軸線
に沿う方向に間隔をあけ且つ周方向に形成された2つの
盛上がり部、即ち隆起部7によってボール4を受けるこ
とができるように両側を断面弧状に囲った結果として形
成されている。
【0021】このようなボール保持溝5、6を区画形成
するために両サイドに盛り上げた隆起部7の形成方法に
ついて説明すると、例えば、図4に示されるように周面
が平坦な薄いリング状の内輪形成部材10を回転可能な
支持棒11の外側に嵌め込み、この内輪形成部材10の
外周面に回転する転圧ローラ12を下方向に押しつけな
がら、内輪形成部材10の外周面の中央部を各端縁部側
に向かってしごくように左右に繰り返し動かす。
【0022】このような転圧を内輪形成部材10の外周
面に施すことによって、図4に示されるようにその中央
側の肉部分が両端縁側に寄り、その結果、軸方向に間隔
をあけた2つの山が形成される。この2つの山が隆起部
7である。
【0023】このように主に転圧ローラ12を使用し
て、周面が平坦なリング状の内輪形成部材10の外周面
を薄く転圧しながら、軸方向に間隔をあけた2つの隆起
部7を形成してボール保持溝5としているため、切削加
工によらずに内輪2の肉厚を薄くできると同時に、研磨
を行うことなく保持溝5の鏡面加工ができ、圧縮展造
(材料分子の圧縮)加工が行われてボール保持溝5の面
が硬くなる。このため、従来のように切削加工後の焼き
入れ作業及び研磨作業は不要となる。
【0024】次に、前記ボール保持溝5を区画形成する
ために両サイドに盛り上げた隆起部7の他の形成方法に
ついて説明すると、例えば、図6に示されるように周面
が、平坦な薄いリング状の内輪形成部材10を、回転可
能な支持棒11の外側に嵌め込み、この内輪形成部材1
0の外周面に回転する転圧ローラ12を下方向に押しつ
けながら、内輪形成部材10の外周面を各端縁部側から
中央に向かってしごくように左右に繰り返し動かす。
【0025】このような転圧を内輪形成部材10の外周
面に施すことによって、図7に示されるようにその両端
縁側の肉部分が中央側に寄り、その結果、軸方向に間隔
をあけた2つの山が形成される。この2つの山が隆起部
7である。2つの山即ち隆起部7の間も、転圧ローラ1
2を押しつけて肉部分を両側に押しやり、隆起部7をよ
り高く盛り上げることが望ましい。
【0026】このように主に転圧ローラ12を使用し
て、周面が平坦なリング状の内輪形成部材10の外周面
を薄く転圧しながら、軸方向に間隔をあけた2つの隆起
部7を形成してボール保持溝5としているため、切削加
工によらずに内輪2の肉厚を薄くできると同時に、研磨
を行うことなく保持溝5の鏡面加工ができ、圧縮展造
(材料分子の圧縮)加工が行われてボール保持溝5の面
が硬くなる。このため、従来のように切削加工後の焼き
入れ作業及び研磨作業は不要となる。
【0027】すなわち、このような転圧ローラ12によ
る圧縮展造加工で内輪2を形成すると、従来のように焼
き入れをしないでもボール保持溝5の面、即ちボール接
触面を硬くすることでき、そのため焼き入れ後の研磨の
必要もなくなる。しかも、このような圧縮展造加工は、
内輪2の外周面を鏡面に仕上げるため非常に滑りもよく
なってボール4の転がりがよく、ボール4のガタツキが
無く内輪2と外輪3とのスムースな相対的回転を得るこ
とができる。
【0028】このような小型ボールベアリングの製造方
法によると、図1及び図3に示されるように、ボール保
持溝5又は6の最低部における内輪2又は外輪3の板厚
BTを強度保持限界である約0.15mm(従来は約
0.4mm)としながら、内輪2又は外輪3の圧縮展造
加工前の板圧T1が、約0.35mm以下(従来は約
0.6mm)、外輪3の外径と内輪2の内径との差の2
分の1即ち内輪2と外輪3の径方向厚みSが、1.5m
m以下(従来は約2.0mm)の小型ボールベアリング
1を製造することができる。また、圧縮展造加工後の内
輪2又は外輪3の板圧T2は、隆起部7部分が加えられ
るため、約0.45mmとなる。
【0029】なお、このような小型ボールベアリングの
一例における寸法として、内輪2又は外輪3における隆
起部7の高さ(内輪又は外輪の内周面又は外周面からの
高さ寸法T2)は、図1及び図3に示されるように0.
45mmとなり、またこの隆起部7により区画形成され
たボール保持溝5又は6の深さは、0.2mmあってボ
ール軌道面、即ちボール保持溝5又は6におけるボール
抱き率を十分に確保でき、アキシアル方向又はスラスト
方向の力が内輪2又は外輪3に働いてもボール4が、ボ
ール保持溝5又は6から外れるようなことはない。
【0030】前述したこの発明の一実施形態に係る小型
ボールベアリング1では、内輪2又は外輪3は、例えば
鋼板などから形成されており、内輪2のみについて前述
した方法により転圧ローラ12で形成する例について説
明したが、図1及び図2に示されるように内輪2のみな
らず外輪3も転圧ローラ12による圧縮展造加工によ
り、内輪2の外周面に隆起部7を形成したのと同様に、
外輪3の内周面にも隆起部7を盛り上げることで、その
板厚を薄くし且つボール保持溝6を区画形成して製造す
ることができる。
【0031】また、図3に示されるように転圧ローラ1
2による圧縮展造加工により、内輪2の外周面のみに隆
起部7を盛り上げることで、その板厚を薄くし且つボー
ル保持溝5を区画形成して製造することができる。な
お、図示はしないが外輪3のみに前記の隆起部7を形成
することができることは勿論である。なお、図3におけ
る符号8は従来の外輪のボール保持溝である。
【0032】次に図8及び図9は、ボール保持溝5又は
6を区画形成するために、両サイドに盛り上げた隆起部
7の他の形成方法を示すものであり、図8は内輪に形成
する場合を示し、図9は外輪に形成する場合を示す。
【0033】先ず、図8の内輪に形成する場合について
説明すると、例えば、図8(イ)に示されるように外周
面が、平坦な薄いリング状の内輪形成部材10を回転可
能な支持棒13の外側に嵌め込み、図8(ロ)に示され
るように、この内輪形成部材10の外周面に、回転する
転圧ローラ14を強く押しつけながら、回転させて強圧
転圧する。この場合、一方を駆動側として他方をフリー
側とすることによって円滑な圧縮展造加工を行うことが
できる。
【0034】前記の転圧ローラ14の表面には、ボール
保持溝5を区画形成するためのいわば金型となるべき形
状、即ちその中央部に弧状の凸部15が形成されてお
り、この凸部15の両側には谷部16が形成されてい
る。この凸部15と谷部16とにより、ボール保持溝5
の圧縮展造加工がなされる。
【0035】このような転圧を内輪形成部材10の外周
面に施すことによって、図8(ロ)に示されるようにそ
の中央側の肉部分が両端縁側に寄り、同時に両端縁側の
肉部分が中央側に寄り、その結果、軸方向に間隔をあけ
た2つの山が形成される。この2つの山が隆起部7であ
る。
【0036】このように主に転圧ローラ14を使用し
て、周面が平坦なリング状の内輪形成部材10の外周面
を薄く転圧しながら、軸方向に間隔をあけた2つの隆起
部7を形成してボール保持溝5としているため、切削加
工によらずに内輪2の肉厚を薄くできると同時に、研磨
を行うことなく保持溝5の鏡面加工ができ、圧縮展造
(材料分子の圧縮)加工が行われてボール保持溝5の面
が硬くなる。このため、従来のように切削加工後の焼き
入れ作業及び研磨作業は不要となる。
【0037】すなわち、このような転圧ローラ14によ
る圧縮展造加工で内輪2を形成すると、従来のように焼
き入れをしないでもボール保持溝5の面、即ちボール接
触面を硬くすることでき、そのため焼き入れ後の研磨の
必要もなくなる。しかも、このような圧縮展造加工は、
内輪2の外周面を鏡面に仕上げるため非常に滑りもよく
なってボール4の転がりがよく、ボール4のガタツキが
無く内輪2と外輪3とのスムースな相対的回転を得るこ
とができる。
【0038】次に、図9の外輪に形成する場合について
説明すると、例えば、図9(イ)に示されるように内周
面が、平坦な薄いリング状の外輪形成部材9を、回転可
能な転圧ローラ17の外側に嵌め込み、図9(ロ)に示
されるように、この外輪形成部材9の外周面に回転する
押えローラ18を強く押しつけながら、転圧ローラ17
を回転させて強圧転圧する。この場合、一方を駆動側と
して他方をフリー側とすることによって円滑な圧縮展造
加工を行うことができる。
【0039】前記の転圧ローラ17の表面には、ボール
保持溝6を区画形成するためのいわば金型となるべき形
状、即ちその中央部に弧状の凸部15が形成されてお
り、この凸部15の両側には谷部16が形成されてい
る。この凸部15と谷部16とにより、ボール保持溝6
の圧縮展造加工がなされる。
【0040】このような転圧を外輪形成部材9の内周面
に施すことによって、図9(ロ)に示されるように、そ
の中央側の肉部分が両端縁側に寄り、同時に両端縁側の
肉部分が中央側に寄り、その結果、軸方向に間隔をあけ
た2つの山が形成される。この2つの山が隆起部7であ
る。
【0041】このように主に転圧ローラ17を使用し
て、周面が平坦なリング状の外輪形成部材9の内周面を
薄く転圧しながら、軸方向に間隔をあけた2つの隆起部
7を形成してボール保持溝6としているため、切削加工
によらずに外輪3の肉厚を薄くできると同時に、研磨を
行うことなく保持溝6の鏡面加工ができ、圧縮展造(材
料分子の圧縮)加工が行われてボール保持溝6の面が硬
くなる。このため、従来のように切削加工後の焼き入れ
作業及び研磨作業は不要となる。
【0042】すなわち、このような転圧ローラ17によ
る圧縮展造加工で外輪3を形成すると、従来のように焼
き入れをしないでもボール保持溝6の面、即ちボール接
触面を硬くすることでき、そのため焼き入れ後の研磨の
必要もなくなる。しかも、このような圧縮展造加工は、
外輪3の内周面を鏡面に仕上げるため非常に滑りもよく
なってボール4の転がりがよく、ボール4のガタツキが
無く内輪2と外輪3とのスムースな相対的回転を得るこ
とができる。
【0043】次に隆起部7の形状については、展圧ロー
ラの形状を適宜変えることによって、所望の形状とする
ことができ、例えば、図10に示されるように、その頂
部を曲線状としてもよく、図11に示されるように鋭角
状としてもよい。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の小型ボー
ルベアリング及びその製造方法によれば、リング状の内
輪形成部材又は外輪形成部材若しくはその両方を転圧ロ
ーラによってボール保持側の面を強圧展造によって薄く
しながら軸方向に間隔をあけた2筋の隆起部を形成して
その間をボール保持溝とするようにしたことから、焼き
入れなどの加工が不要となり、従ってその後の研磨も必
要がなく、更に強度が高く、より小型のボールベアリン
グを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る小型ボールベアリ
ングを示す断面図である。
【図2】この発明の他の一実施形態に係る小型ボールベ
アリングを示す断面図である。
【図3】この発明の他の一実施形態に係る小型ボールベ
アリングを示す断面図である。
【図4】図1〜図3に示される小型ボールベアリングの
内輪を形成する一製造工程を示す断面図である。
【図5】図1〜図3に示される小型ボールベアリングの
内輪を製造する工程であって、図4の製造工程に引き続
く状態を示す断面図である。
【図6】図1〜図3に示される小型ボールベアリングの
内輪を形成する、他の一製造工程を示す断面図である。
【図7】図1〜図3に示される小型ボールベアリングの
内輪を製造する工程であって、図6の製造工程に引き続
く状態を示す断面図である。
【図8】本発明の小型ボールベアリングの内輪を形成す
る、他の一製造工程を示す断面図である。
【図9】本発明の小型ボールベアリングの外輪を形成す
る一、他の製造工程を示す断面図である。
【図10】この発明の他の一実施形態に係る小型ボール
ベアリングを示す断面図である。
【図11】この発明の他の一実施形態に係る小型ボール
ベアリングを示す断面図である。
【図12】従来の小型ボールベアリングの構成とその要
部寸法を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 小型ボールベアリング 2 内輪 3 外輪 4 ベアリング球 5 内輪のボール保持溝 6 外輪のボール保持溝 7 隆起部 8 従来のボール保持溝 9 リング状の外輪形成部材 10 リング状の内輪形成部材 11 回転可能な支持軸 12 転圧ローラ 13 支持棒 14 転圧ローラ 15 凸部 16 谷部 17 転圧ローラ 18 押えローラ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外輪と内輪との間に複数のベアリング球
    を配置してなる小型ボールベアリングであって、前記内
    輪又は前記外輪若しくはその両方のボール保持側周面
    に、前記小型ボールベアリングの中心軸線に沿う方向に
    間隔をあけ且つ周方向に形成された2つの隆起部によっ
    て前記ベアリング球を保持するボール保持溝が形成され
    ていることを特徴とする小型ボールベアリング。
  2. 【請求項2】 前記内輪又は前記外輪若しくはその両方
    のボール保持側周面を、転圧ローラで強圧転圧して、前
    記ボール保持側周面に圧縮展造加工をし、前記小型ボー
    ルベアリングの中心軸線に沿う方向に間隔をあけ且つ周
    方向に形成された2つの隆起部によって前記ベアリング
    球を保持するボール保持溝が形成されていることを特徴
    とする請求項1に記載の小型ボールベアリング。
  3. 【請求項3】 前記内輪又は前記外輪若しくはその両方
    のボール保持側周面を、転圧ローラで強圧転圧して、前
    記ボール保持側周面に圧縮展造加工をし、前記小型ボー
    ルベアリングの中心軸線に沿う方向に間隔をあけ且つ周
    方向に形成された2つの隆起部によって前記ベアリング
    球を保持するボール保持溝を形成し、該保持溝が前記圧
    縮展造加工によって鏡面加工がなされていることを特徴
    とする請求項1又は2に記載の小型ボールベアリング。
  4. 【請求項4】 周面が平滑な薄いリング状の内輪形成部
    材又は外輪形成部材若しくはその両方を準備し、次いで
    その内輪形成部材の外周面又は外輪形成部材の内周面を
    転圧して盛り立て、中心軸線に沿う方向に間隔をあけ且
    つ周方向に2筋の隆起部を形成すること、その後前記隆
    起部間に形成された溝部に複数のベアリング球を配置し
    て外輪及び内輪を組み付けることから構成される小型ボ
    ールベアリングの製造方法。
  5. 【請求項5】 周面が平滑な薄いリング状の内輪形成部
    材又は外輪形成部材若しくはその両方を準備し、次いで
    その内輪形成部材の外周面又は外輪形成部材の内周面に
    おける中央部を転圧して、中心軸線に沿う方向に間隔を
    あけ且つ周方向に2筋の隆起部を形成するように盛り立
    てること、その後前記隆起部間に形成された溝部に複数
    のベアリング球を配置して外輪及び内輪を組み付けるこ
    とから構成される小型ボールベアリングの製造方法。
  6. 【請求項6】 周面が平滑な薄いリング状の内輪形成部
    材又は外輪形成部材若しくはその両方を準備し、次いで
    その内輪形成部材の外周面又は外輪形成部材の内周面に
    おける軸線方向両側端部を転圧して中央側へ盛り立て、
    中心軸線に沿う方向に間隔をあけ且つ周方向に2筋の隆
    起部を形成すること、その後前記隆起部間に形成された
    溝部に複数のベアリング球を配置して外輪及び内輪を組
    み付けることから構成される小型ボールベアリングの製
    造方法。
  7. 【請求項7】 周面が平滑な薄いリング状の内輪形成部
    材又は外輪形成部材若しくはその両方を準備し、次いで
    その内輪形成部材の外周面又は外輪形成部材の内周面に
    おける軸線方向両側端部及び中央部を転圧して、中心軸
    線に沿う方向に間隔をあけ且つ周方向に2筋の隆起部を
    形成するように盛り立てること、その後前記隆起部間に
    形成された溝部に複数のベアリング球を配置して外輪及
    び内輪を組み付けることから構成される小型ボールベア
    リングの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110816155A (zh) * 2018-08-09 2020-02-21 纳博特斯克有限公司 鼓形筒和具备该鼓形筒的轮子

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