JPH11217797A - 微塗工紙 - Google Patents

微塗工紙

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JPH11217797A
JPH11217797A JP1875398A JP1875398A JPH11217797A JP H11217797 A JPH11217797 A JP H11217797A JP 1875398 A JP1875398 A JP 1875398A JP 1875398 A JP1875398 A JP 1875398A JP H11217797 A JPH11217797 A JP H11217797A
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JP
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adhesive
titanium dioxide
coated paper
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JP1875398A
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English (en)
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Terunobu Fukui
照信 福井
Yorihiro Masumoto
頼宏 桝本
Yoshinori Katou
由憲 加藤
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】軽量坪量で、印刷後の不透明度が高く、かつオ
フセット印刷適性に優れる新聞用紙等に適した微塗工紙
を提供する。 【解決手段】原紙上に顔料と接着剤とを主成分とする塗
被層を設けてなる微塗工紙であり、特に該顔料としてシ
リカ表面処理二酸化チタンを全顔料に対して50〜10
0重量%、かつ接着剤としてケイ素元素を含有する水溶
性高分子を含有し、さらに接着剤量が全顔料に対して固
形分対比で10〜300重量%含有せしめられてなる微
塗工紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は微塗工紙に関し、特
に軽量でありながら印刷後の不透明度が高く、かつオフ
セット印刷適性に優れるオフセット印刷用新聞用紙等に
適した微塗工紙に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、新聞用紙の印刷は、凸版輪転印刷
方式からオフセット輪転印刷方式への転換が急速に進ん
でいる。オフセット印刷は刷版に湿し水とインキを供給
し、次いでブランケットと呼ばれるゴム版にインキを転
移させた後、紙に転移させて印刷を行う方式である。ま
た、凸版印刷と比べてタックの強いインキを使用するた
め、用紙としては表面強度と耐水性の強いことが要求さ
れる。因みに、表面強度が弱いか、あるいは耐水性が低
いと、紙剥け等により用紙から遊離した繊維や用紙に含
まれる顔料が印刷機のブランケット上に堆積したり、イ
ンキに混入することにより、印刷面にカスレを発生させ
てトラブルとなる。
【0003】また、新聞の増頁等との関連より新聞用紙
の軽量化指向があり、軽量化に付随して印刷後の不透明
度の高い用紙が要望されている。このような軽量紙の不
透明度を高めるために、原紙の製造に際してホワイトカ
ーボン、二酸化チタン、焼成カオリン、構造化カオリ
ン、炭酸カルシウム、尿素ホルムアルデヒド樹脂等の顔
料が内添填料として使用されている。しかしながら、上
述のような無機や有機の顔料を内添することにより紙力
が低下し、製紙工程や印刷工程での断紙問題、あるいは
オフセット印刷時の湿し水やインキのタックによって微
細繊維や内添顔料が紙層内部から遊離してブランケット
に堆積する、所謂ブランケットパイリング等の紙粉トラ
ブルを起こし易い。上記の如き断紙や紙粉トラブルに対
処するため、用紙の表面に澱粉、ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリルアミド等の水溶性高分子を塗布して紙
層を強化することが行われている。このような水溶性高
分子の表面塗布は、紙表面の繊維と内添顔料を接着させ
て表面強度や耐水性を向上させることができる。しか
し、その塗布量が多くなると、オフセット印刷時の湿し
水で表面塗布剤が一部溶解して紙表面にネッパリといわ
れる粘着性を帯びる。その結果、印刷時に紙面がブラン
ケットに貼り付き、断紙を誘発するという難点がある。
【0004】さらには、特開平1−174697号公
報、および特開平5−33294号公報には、不透明度
やインキセット性を改善するために吸油度の高い顔料を
含有した塗被層を設ける方法が提案されている。このよ
うな吸油度の高い顔料を塗被層の顔料として一定量以上
使用した場合、前述の如き水溶性高分子を接着剤として
用いても、十分な接着強度を付与することができない。
また、塗被紙の接着剤として広く用いられている合成樹
脂エマルジョン接着剤は、本発明が目的とするような塗
被量が少ない場合には、十分な接着強度を付与できな
い。そのために用紙の表面強度や耐水性の低下を招い
て、紙粉トラブルがより悪化するという問題があり、未
だに不透明度とオフセット印刷適性を両立させる方法が
確立できていないのが現状である。
【0005】一方、二酸化チタンを塗被層の顔料として
使用して塗被紙の不透明度を改善することも従来より広
く行われている。二酸化チタンの中でもルチル型結晶の
ものは、不透明度改善効果が特に優れており、例えば特
開平3−59194号公報には原紙構成に使用した高歩
留りパルプの欠点である退色性改善を目的に、塗被層の
顔料として特定粒度分布のルチル型二酸化チタンを使用
する方法が開示されている。しかしながら、軽量、微塗
工の塗被紙(例えば、製品米坪50g/m2 以下、塗被
量が乾燥重量で6g/m2 以下)においては、塗被層に
用いる顔料だけでなく、接着剤の量も塗被紙の不透明度
に大きな影響を与えるため、顔料の選定のみならず、併
用する接着剤の選定も重要となる。即ち、できるだけ少
ない接着剤使用量で良好な接着強度が得られるならば、
塗被紙の米坪が同じ場合には、より高い不透明度が得ら
れる。他方、接着剤量が少ないと接着強度が不足した
り、あるいは塗被層の耐水性が不足し、オフセット印刷
時に紙粉トラブルが発生し易いという問題がある。その
ために軽量、微塗工の塗被紙の塗被層用顔料として二酸
化チタンを使用する場合には、できるだけ少ない接着剤
量で良好な接着強度と耐水性が得られる処方が強く望ま
れる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の如き
軽量、低塗被量の微塗工紙で新聞印刷に供される用紙が
抱えた難点を解決し、オフセット印刷用として好適な微
塗工紙を得ることを目的とするものであり、特に原紙上
に、特定の二酸化チタンと特定の接着剤を含有せしめた
塗被層を設けることにより、紙粉トラブルを起こすこと
なく、かつ不透明性やオフセット印刷適性に優れるオフ
セット印刷用微塗工紙を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、原紙上に、顔
料と接着剤とを主成分とする塗被層を設けてなる微塗工
紙において、該顔料としてシリカ表面処理二酸化チタン
を全顔料に対して50〜100重量%、かつ接着剤とし
てケイ素元素を含有する水溶性高分子を含有し、さらに
接着剤量が全顔料に対して固形分対比で10〜300重
量%含有せしめられていることを特徴とする微塗工紙で
ある。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明におけるケイ素元素を含有
する水溶性高分子とは、例えば特開昭58−59920
3号公報に示されるような、ケイ素元素を含有するビニ
ル化合物と酢酸ビニルを共重合させた後ケン化すること
により、酢酸ビニル単位がビニルアルコールに、ケイ素
元素含有単位がシラノール基に、それぞれ転換されて得
られるケイ素元素含有ポリビニルアルコールや、特許第
2558089号公報に示されているような、有機シロ
キサン基を含む澱粉、あるいは特開平9−169817
号公報に示されているような、有機シロキサン基を含む
(メタ)アクリルアミド系の重合体が例示される。
【0009】上記ケイ素元素を含有するポリビニルアル
コール、澱粉および(メタ)アクリルアミド系重合体
は、オフセット印刷用新聞用紙に共されるような、本発
明が所望とする微塗工紙に対して、不透明度とオフセッ
ト印刷適性を良好にバランスさせることができるので、
好ましい水溶性高分子である。なお、上記ケイ素元素含
有ポリビニルアルコールとしては、平均重合度が500
〜4000のものが好ましい。因みに、500未満の場
合には、塗被層の接着強度が弱く、紙粉トラブルを改善
することができなくなる虞れがあり、一方4000を越
えると、塗被液の粘度が高くなり過ぎて塗被量のコント
ロールができなくなる虞れがある。また、ケン化度につ
いては90モル%以上のものが所謂ネッパリ性が低く、
断紙トラブルや紙粉トラブルを発生させにくい点で好ま
しい。
【0010】本発明者等は、顔料としてシリカ表面処理
二酸化チタンを50〜100重量%含む塗被層の接着剤
として、上記ケイ素元素を含有する水溶性高分子を使用
すると良好な接着強度と耐水性を得ることができ、前述
の紙粉トラブルやネッパリ性に起因する断紙トラブルが
発生し難く、かつ高い不透明度が得られることを見出し
たのである。そして、ケイ素元素を含有する水溶性高分
子を含めた全接着剤量が全顔料に対して固形分対比で1
0〜300重量%含有せしめられていることが重要であ
る。因みに、10重量%未満では十分な接着強度と耐水
性を得ることができず、他方300重量%を越えると、
不透明度が低下するので好ましくない。なお、接着強度
と不透明度のバランスを考慮すると、全接着剤量として
は全顔料に対して50〜200重量%で調節するのが望
ましい。さらに、上記ケイ素元素を含有する水溶性高分
子としては、全接着剤に対し固形分対比で50〜100
重量%の比率で使用すると、一層良好な塗被層の接着強
度と耐水性を得ることができるので、より好ましい実施
態様である。
【0011】また、本発明においては接着剤としてケイ
素元素を含有する水溶性高分子以外に、塗被紙製造分野
で一般に使用されている接着剤を本発明の効果が阻害さ
れない範囲で適宜併用することができる。例えば酸化澱
粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉、カチオン化澱粉
等のケイ素元素を含有しない通常の変性澱粉類、カルボ
キシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシ
アルキルセルロースなどの水溶性セルロース化合物、ス
チレン−ブタジエン共重合体ラテックス、スチレン−メ
タクリル酸エステル共重合体ラテックス等の共重合体ラ
テックス類、あるいはケイ素元素を含有しない通常のポ
リビニルアルコールやポリアクリルアミド類等を例示で
きる。
【0012】次に、本発明の必須要件の1つであるシリ
カ表面処理二酸化チタンについて述べる。先ず、二酸化
チタンとしては、その結晶型よりアナターゼ型、ルチル
型、ブルカイト型の3種類が知られている。実用的に
は、アナターゼ型とルチル型が不透明性(隠蔽性)や白
さを必要とされる用途の顔料として使用されている。通
常、アナターゼ型は硫酸法で、ルチル型は硫酸法や塩素
法で製造され、硫酸法ではキルンから、また塩素法では
酸化炉から取り出した二酸化チタン素材は粉状ないしは
塊状であり、分散性や粒子径分布の点で顔料としてその
まま使用するには問題が多い。そのために粉砕による微
粒子化と使用目的別に表面処理を行うことが多い。例え
ば、表面処理にはアルミニウム(Al)、ケイ素(S
i)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、錫(S
n)、チタニウム(Ti)等の金属酸化物による表面被
覆が行われており、通常これら金属酸化物で表面処理さ
れた二酸化チタンは、いずれもアルミナ(Al2 3
による表面処理と併用されて行われている。本発明者ら
は、塗被層の顔料としての各種表面処理二酸化チタンと
各種接着剤の組み合わせを検討した結果、ケイ素の酸化
物であるシリカ(SiO2)で表面処理した二酸化チタ
ン(以後、シリカ表面処理二酸化チタンと称す)とケイ
素元素を含有する水溶性高分子を組合わせると、少ない
接着剤量で良好な塗被層の接着強度と耐水性が得られる
ことを見出したのである。
【0013】即ち、本発明において塗被層中に顔料とし
て使用するシリカ表面処理二酸化チタンは塗被層の全顔
料に対し、固形分対比で50〜100重量%、好ましく
は70〜100重量%含有されていることが望ましい。
因みに、50重量%未満の場合、本発明が所望とする接
着強度と耐水性、さらには不透明度が得られなくなる可
能性があり、好ましくない。一方、シリカ表面処理二酸
化チタンの中でも、シリカの表面処理量がシリカ表面処
理二酸化チタンの全固形分に対しSiO2 含有率として
1〜15重量%のものが高い不透明度と良好な接着強度
および耐水性が得られるので好ましい。
【0014】上記の如く、シリカ表面処理二酸化チタン
とケイ素元素を含有する水溶性高分子を組合わせて使用
することで、少ない接着剤量でも良好な塗被層の表面強
度が得られ、かつネッパリ性や断紙トラブル等が起こり
難くなる理由については定かではないが、以下のように
推定される。
【0015】即ち、シリカで表面処理された二酸化チタ
ンはシリカが外層に存在しており、その表面性はシリカ
の影響を大きく受けている。その結果、ケイ素元素を含
有する水溶性高分子をシリカ表面処理二酸化チタンの接
着剤として使用すると、接着剤と顔料がSi −O−Si
の形で強固に結合し、良好な塗被層の接着強度が得ら
れ、また、接着剤自身もケイ素元素の反応、付着により
耐水性が改善されてオフセット印刷時の湿し水によって
も溶けだすことが少なくなる。その結果、紙粉トラブル
やネッパリ性に起因する断紙トラブルが軽減されるもの
と考えられる。
【0016】本発明においては、塗被層の顔料として上
記シリカ表面処理二酸化チタン以外に本発明の効果を阻
害しない範囲で、例えばカオリン、焼成カオリン、構造
化カオリン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化
亜鉛、サチンホワイト、マイカ、プラスチックピグメン
ト、尿素樹脂等の塗被紙製造分野で公知、公用の顔料や
シリカ表面処理していないアルミナ単独処理になる二酸
化チタンや表面処理されていない二酸化チタンを適宜併
用できる。
【0017】なお、上記の如き特定顔料と特定の接着剤
を含有してなる塗被層用塗被液(以後、塗料と称す)に
は、その他に染料、表面サイズ剤、消泡剤、耐水化剤、
防腐剤等の各種助剤が必要に応じて添加、混合攪拌して
調製される。また、塗料の固形分濃度は、塗工装置や目
標とする塗布量に応じて適宜調整することができるが、
通常は3〜60重量%の範囲で調節される。
【0018】塗被層の量としては乾燥重量で片面あたり
0.1〜3g/m2 の範囲で調整されることが望まし
い。因みに、0.1g/m2 未満では、十分な不透明度
が得られない虞れがあり、他方3g/m2 を越えるよう
なものでは、最終製品の重量に制限がある場合には、そ
の分原紙の目方が少なくなり、結果的に紙力低下を招き
印刷工程等で断紙を発生させる虞れがある。
【0019】本発明で用いる原紙の主成分であるパルプ
としては、化学パルプ(漂白あるいは未漂白のNKPや
LKP等)、高歩留りパルプ(GP、CGP、RGP、
PGW、TMP等)、古紙パルプ(DIP等)等を単独
または任意の比率で混合して使用される。また、抄紙前
の紙料には合成シリカやホワイトカーボン等のシリカ系
無機顔料、二酸化チタン、焼成カオリン、構造化カオリ
ン、炭酸カルシウム、尿素ホルムアルデヒド樹脂等の製
紙用填料を適宜必要に応じて添加することができる。さ
らに、紙料中には、上記填料と共に硫酸バンド、紙力増
強剤、歩留り向上剤、強化ロジンサイズ剤、エマルジョ
ンサイズ剤等のサイズ剤、耐水化剤、紫外線防止剤等の
一般に公知公用の抄紙用薬品が添加され、通常の抄紙機
にて抄紙される。本発明の場合、原紙の坪量としては特
に限定されるものではないが、30〜50g/m2 の相
対的に低坪量の場合に所望の効果が顕著に発揮される。
【0020】原紙上に塗被層を形成する方法については
特に限定されず、サイズプレス、ブレードメタリングサ
イズプレス、ロッドメタリングサイズプレス、ゲートロ
ールコーター、ブレードコーター、バーコーター、ロッ
ドブレードコーター、エアーナイフコーター等の一般に
公知公用の塗布装置を適宜用いることができる。 ま
た、塗被層の乾燥についても、通常の熱風、赤外線、熱
シリンダー等の公知公用の乾燥方式が適宜使用される。
塗被層の乾燥後、必要に応じてマシンキャレンダー、ソ
フトニップキャレンダー、スーパーキャレンダー等で加
圧処理することができる。
【0021】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。勿論、本発明はそれらの実施例に限定されるもの
ではない。また、例中の部および%は特に断らない限
り、それぞれ重量部および重量%を示す。
【0022】実施例1 〔原紙の調製〕針葉樹クラフトパルプ(NKP)14
部、サーモメカニカルパルプ(TMP)40部、グラウ
ンドパルプ(GP)7部、新聞脱墨古紙パルプ(DI
P)39部の比率からなるパルプスラリーを、フリーネ
ス(C.S.F.)110mlまでレファイナーで叩解してパル
プスラリーを調製した。次いで、得られたパルプスラリ
ーに含水非晶質ケイ酸(商品名:トクシールGU−N/
トクヤマ社)を1%、ロジンエマルジョンサイズ(商品
名:SPN−773/荒川化学工業社)を0.3%、硫
酸バンドを1%添加(いずれも対パルプ固形分対比)
し、ツインワイヤーを装備したパイロット抄紙機で抄紙
して米坪41g/m2 の原紙を得た。
【0023】〔塗料および塗被紙の調製〕顔料として、
シリカ表面処理(ルチル型)二酸化チタン(商品名:J
R−800/テイカ社…表面処理SiO2 量:4.1
%,Al2 3 量:2.7%)を使用し、該二酸化チタ
ン100部に対して、接着剤として90℃の熱水で溶解
したケイ素元素を含有するポリビニルアルコール(商品
名:R−1130/クラレ社…ケン化度98〜99モル
%,重合度3000)を80部(各々、固形分)となる
ように該ポリビニルアルコールと消泡剤0.1部(有効
成分)を添加し、さらに水を加えて固形分濃度8%の塗
料を得た。次いで、上記41g/m2 の原紙の両面にゲ
ートロールコーターを使用して、乾燥重量で片面当たり
0.5g/m2 となるように塗被、乾燥した後、ソフト
キャレンダーで1ニップ通紙仕上げを行い、水分7%の
微塗工紙を得た。
【0024】実施例2 実施例1の塗料調製において、ケイ素元素を含有するポ
リビニルアルコールとして、R−1130の代わりにR
−2105(ケン化度98〜99モル%,重合度500
/クラレ社)を使用した以外は、実施例1と同様にして
微塗工紙を得た。
【0025】実施例3 実施例1の塗料調製において、シリカ表面処理ルチル型
二酸化チタン100重量部に対して、接着剤としてケイ
素元素を含有するポリビニルアルコール(R−1130
/前記)50部とケイ素元素を含有しないポリビニルア
ルコール(商品名:PVA−117/クラレ社…ケン化
度98〜99モル%,重合度1700)30部(各々、
固形分)を添加したこと以外は、実施例1と同様にして
微塗工紙を得た。
【0026】実施例4 実施例3において、ケイ素元素を含有するポリビニルア
ルコール(R−1130/前記)30部とケイ素元素を
含有しないポリビニルアルコール(PVA−117/前
記)50部(各々、固形分換算)としたこと以外は、実
施例3と同様にして微塗工紙を得た。
【0027】実施例5 実施例1の塗料調製において、シリカ表面処理ルチル型
二酸化チタンJR−800に代えて、シリカ表面処理ル
チル型二酸化チタンJRNC(表面処理SiO 2 :0.
8%, Al2 3 :2.1%、ZnO:0.9%/テイ
カ社)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして微
塗工紙を得た。
【0028】実施例6 実施例3の塗料調製において、顔料として使用したシリ
カ表面処理二酸化チタン100部に代えて、シリカ表面
処理二酸化チタン(JR−800/前記)90部と合成
非晶質シリカ(商品名:ミズカシルP−510/水澤化
学工業社)10部(各々、固形分換算)を混合して使用
したこと以外は、実施例3と同様にして微塗工紙を得
た。
【0029】実施例7 実施例1の塗料調製において、ケイ素元素を含有するポ
リビニルアルコールの代わりに、ケイ素元素を含有する
澱粉(商品名:CO−BOND2500/ナショナルス
ターチ社)を使用し、塗料の固形分濃度を4%、さらに
塗料のpHを8に調整した以外は、実施例1と同様にし
て微塗工紙を得た。
【0030】比較例1 実施例1の塗料調製において、接着剤に使用したケイ素
元素を含有するポリビニルアルコールの代わりに、酸化
澱粉(商品名:エースA/王子コーンスターチ社)を使
用した以外は、実施例1と同様にして微塗工紙を得た。
【0031】比較例2 実施例1の塗料調製において、接着剤に使用したケイ素
元素を含有するポリビニルアルコールの代わりに、ケイ
素元素を含有しないポリビニルアルコール(PVA−1
17/前記)を使用したこと以外は、実施例1と同様に
して微塗工紙を得た。
【0032】比較例3 実施例1の塗料調製において、接着剤に使用したケイ素
元素を含有するポリビニルアルコールの代わりに、ポリ
アクリルアミド重合体(商品名:サンタックスNP−1
0/三井東圧化学社)を用いたこと以外は、実施例1と
同様にして微塗工紙を得た。
【0033】比較例4 実施例1の塗料調製において、シリカ表面処理ルチル型
二酸化チタンJR−800に代えて、シリカ表面処理の
ないルチル型二酸化チタン(商品名:JR−600A/
テイカ社…表面処理Al2 3 2.5%)を使用したこ
と以外は、実施例1と同様にして微塗工紙を得た。
【0034】比較例5 実施例1の塗料調製において、顔料を使用せず、ケイ素
元素を含有するポリビニルアルコールだけからなる塗料
を調製して使用した以外は、実施例1と同様にして微塗
工紙を得た。
【0035】かくして得られた実施例、比較例で得られ
たオフセット印刷用新聞用紙について、下記に示す項目
についての評価を行い、得られた結果を表1に示した。
【0036】(二酸化チタンの表面処理量)蛍光X線測
定装置で各二酸化チタンを表面処理の種類、量を求め
た。
【0037】(ブランケット紙粉パイリング)オフセッ
ト印刷機(小森SYSTEM C−20)により、オフ
セット輪転印刷用インキ(商品名:TERAS N墨/
大日本インキ化学工業社)を使用して、5000部の印
刷を行った後、ブランケット非画線部への紙粉堆積の度
合いを目視判定した。 ◎ :紙粉の発生が認められない。 ○ :紙粉の発生がやや認められるが、画線部に紙粉堆
積によるにカスレは認められない。 × :ブランケット上に紙粉が多く堆積しており、画線
部に紙粉堆積によるにカスレが認められる。
【0038】(ネッパリ性:ブランケット粘着性)新聞
印刷用紙サンプル2枚を適当な大きさに切り、水に10
秒間浸漬した後、2枚を素早く密着させ、キャレンダー
に線圧50kg/cmの条件で通紙し、20℃、65%
RHの室内で24時間乾燥した。その後、幅15mmの
試験片を調整し、引っ張り試験機を用いて、2枚の紙の
剥離強度を測定した。数値が大きい程粘着性が強く、印
刷機上で断紙トラブルを起こし易い。
【0039】(印刷不透明度)RI印刷機で、オフセッ
ト輪転印刷用インキ(墨)を用いてインキ量を変えて印
刷し、印刷面反射率が9%のときの、印刷前の裏面反射
率に対する印刷後裏面(印刷面の反対面)の比率を求め
た。なお、反射率は分光白色度測色計(スガ試験機社)
を使用して測定した。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】表1より明らかなように、本発明の実施
例に係る微塗工紙はオフセット印刷に際しブランケット
紙粉パイリングが発生し難く、ネッパリ性も弱く、印刷
作業性に優れ、かつ印刷不透明性に優れるものであっ
た。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原紙上に、顔料と接着剤とを主成分とする
    塗被層を設けてなる微塗工紙において、該顔料としてシ
    リカ表面処理二酸化チタンを全顔料に対して50〜10
    0重量%、かつ接着剤としてケイ素元素を含有する水溶
    性高分子を含有し、さらに接着剤量が全顔料に対して固
    形分対比で10〜300重量%含有せしめられているこ
    とを特徴とする微塗工紙。
  2. 【請求項2】ケイ素元素を含有する水溶性高分子の量が
    全接着剤に対し、固形分対比で50〜100重量%であ
    る請求項1に記載の微塗工紙。
  3. 【請求項3】シリカ表面処理二酸化チタン中のシリカの
    含有率がSiO2 としてシリカ表面処理二酸化チタンの
    総量に対し1〜15重量%である請求項1または請求項
    2に記載の微塗工紙。
  4. 【請求項4】ケイ素元素を含有する水溶性高分子の主体
    が、ポリビニルアルコール、澱粉および(メタ)アクリ
    ルアミド系重合体の少なくとも1つである請求項1〜請
    求項3のいずれか1項に記載の微塗工紙。
  5. 【請求項5】塗被層が乾燥重量で片面あたり0.1〜3
    g/m2 である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記
    載の微塗工紙。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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