JPH11217646A - アルミニウム合金 - Google Patents

アルミニウム合金

Info

Publication number
JPH11217646A
JPH11217646A JP5412198A JP5412198A JPH11217646A JP H11217646 A JPH11217646 A JP H11217646A JP 5412198 A JP5412198 A JP 5412198A JP 5412198 A JP5412198 A JP 5412198A JP H11217646 A JPH11217646 A JP H11217646A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
aluminum alloy
aluminum
alloy
treatment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5412198A
Other languages
English (en)
Inventor
Harumichi Nakanishi
治通 中西
Yutaka Shimizu
豊 清水
Yuichi Takemoto
裕一 武本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daihatsu Motor Co Ltd
Original Assignee
Daihatsu Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daihatsu Motor Co Ltd filed Critical Daihatsu Motor Co Ltd
Priority to JP5412198A priority Critical patent/JPH11217646A/ja
Publication of JPH11217646A publication Critical patent/JPH11217646A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミニウム合金において、比較的高い温度
範囲において過時効を十分に抑制する。 【解決手段】 アルミニウム合金において、不可避不純
物を含むアルミニウムを主成分とし、少なくとも3〜6
重量%のNiと、1〜5重量%のCuと、4.5〜10
重量%のSiとをさらに含ませた。好ましくは、Niの
重量割合を4〜5重量%とする。また、0.1〜1重量
%のFe、0.001〜0.5重量%のMn、0.01
〜1.2重量%Mg、0.1〜0.2重量%のTi、お
よび0.01〜0.3重量%のSbのうちの少なくとも
1つをさらに添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、輸送機械の各種
部品の他、様々な用途に幅広く用いられているアルミニ
ウム合金に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、自動車エンジンのシリンダ、
シリンダヘッド、あるいはピストンなどは、エンジンの
起動・停止などによって生じる温度差によって熱応力や
熱ひずみを生じるが、これが繰り返された場合には熱疲
労という現象が起こり、亀裂を生じて破損に至ることが
ある。とくに、シリンダヘッドは、変形が拘束されてい
るため大きな熱応力や熱ひずみが生じやすく、吸気弁や
排気弁が設けられているためこれらの弁間において亀裂
が生じる場合がある。
【0003】また、燃費向上などの観点から、エンジン
はもとより車体全体の軽量化が図られているが、この要
請に応じるべく自動車の各種の部品にはアルミニウム合
金が汎用されている。エンジンの各部材の材料としてア
ルミニウム合金を用いる場合には、上記した熱疲労に対
応すべく、アルミニウム合金の伸びを高くしたり、ある
いは高温強度を高くするなどの方策が講じられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、いずれ
の方策を講じたとしても、50〜230℃程度の範囲に
おいて実使用期間内(10000hr)で過時効(たと
えば硬さなどの性質が最高になる温度と時間よりも高い
温度または長い時間で起こる時効)が抑制されたアルミ
ニウム合金は存在するが、250℃を越える範囲におい
て実使用期間内で過時効が十分に抑制されたアルミニウ
ム合金の開発には至っていないのが現状である。このた
め、エンジンの各部材にアルミニウム合金を使用する場
合には、過時効が抑制された50〜230℃程度の温度
範囲においてエンジン設計がなされており、この制約が
エンジンの性能向上、たとえば馬力アップなどの妨げと
なっている。
【0005】本発明は、上記した事情のもとで考え出さ
れたものであって、アルミニウム合金において、比較的
高い温度範囲において過時効を十分に抑制することをそ
の課題としている。
【0006】
【発明の開示】すなわち、本発明の第1の側面によれ
ば、不可避不純物を含むアルミニウムを主成分とし、少
なくも3〜6重量%のNiと、1〜5重量%のCuと、
4.5〜10重量%のSiとをさらに含むことを特徴と
する、アルミニウム合金が提供される。
【0007】通常のアルミニウム合金においては、Ni
を他の元素、たとえばFeと同時に添加し、また、これ
に加えてSiを添加することによって硬さが大きくなる
ことが知られている。このため、通常のアルミニウム合
金では、1重量%程度のNiが添加されることがあり、
多くともその添加量は2重量%とされている。
【0008】ところで、ニッケル合金が耐熱性に優れる
ことから、アルミニウム合金へのNi添加が耐熱性に寄
与しているかについても様々な研究がなされている。こ
の点について、「アルミニウムの組織と性質」(軽金属
学会.1991.P205)には、4重量%Cu−1.
5重量%Mg−(0〜4重量%)Ni系のアルミニウム
合金においては、「人工時効後の硬さは高Ni合金ほど
低下し、焼鈍後の硬さはNi添加合金において無添加合
金よりも高くなることはなかったこと、また、Ni添加
により析出相の過時効による粗大化が抑制されることが
見出せなかったことから、Ni添加が合金の耐熱性に寄
与しないと結論している」、との研究発表が引用されて
おり、このことにも表れているように、アルミニウム合
金にNiを添加しても耐熱性を改善することができない
というのが通説となっているようである。
【0009】しかしながら、本発明者らが鋭意検討した
結果、アルミニウム合金に比較的多量のNiを添加した
場合には、耐熱性(熱疲労特性)が改善されることを見
出し、本発明をするに至った。
【0010】すなわち、本発明者らは、アルミニウム合
金としてJIS規格に規定されているAC2Bを参考に
してNi量の異なる種々の合金を作成し、各合金につい
て熱疲労試験を行うことによってNi量がアルミニウム
合金の耐熱性(熱疲労特性)に与える影響について考察
した。その結果、Ni量が少ない範囲(2重量%以下)
では、従来からいわれていたように耐熱性の改善は図れ
なかった。ところが、Ni量が3重量%を越えたあたり
から熱疲労特性が向上しはじめ、Ni量が4〜5重量%
あたりでピークに達し、Ni量が6重量%あたりまで熱
疲労特性が向上することが分かった。
【0011】また、Ni量が少ないアルミニウム合金お
よびNi量が比較的多いアルミニウム合金のそれぞれに
ついて熱処理を行った後に、透過型電子顕微鏡(TE
M:Transmission Electoron
Microscopy)により組織観察を行った結果、
Ni量が比較的多いアルミニウム合金では、G.P.ゾ
ーン(合金の時効硬化の初期において、固溶体の溶質原
子が集まって形成された集合体)が確認され、また時効
析出物の粗大化が認められず、時効析出物の粗大化抑制
が確認された。このことは、Ni量が比較的多いアルミ
ニウム合金では、高温強度が高いことを示唆していると
思われる。
【0012】このような事実から明らかなように、Ni
添加によってアルミニウム合金の耐熱性の改善を図るこ
とができないのではなく、Ni量が少ない範囲(2重量
%以下)ではその効果が顕著には表れず、一定量以上の
Ni添加によって耐熱性の改善を図ることができるので
ある。ただし、過剰量(7重量%以上)のNiを添加し
た場合には、ニッケル粒らしきものが大きく成長し、耐
熱性の向上が図れない。
【0013】以上のことから、本発明では、Ni添加に
よってアルミニウム合金の耐熱性の改善を図るととも
に、その添加量を3〜6重量%のNiとしている。
【0014】また、本発明に係るアルミニウム合金にお
いてCuを含ませるのは、常温および高温における強度
の向上を図るとともに、被削性の改善を図るためであ
る。この場合、Cuの添加量があまりに小さいと、上記
した効果が十分に得られず、あまりに大きいと溶湯補給
性が悪化し、気泡を生じやすいため、Cuの重量割合は
1〜5重量%とされる。
【0015】さらに、アルミニウム合金においてSiを
含ませるのは、耐磨耗性を向上させるとともに、Cuを
含有するアルミニウム合金の熱間割れを低減するためで
ある。この場合、Siの添加量があまりに小さいと十分
にその効果が得られず、あまりに大きいと針状共晶Si
や塊状の初晶Siが成長して靭性や被削性が低下する
め、Siの重量割合は4.5〜10重量%とされる。
【0016】好ましくは、上記アルミニウム合金におけ
るNiの重量割合は、4〜5重量%とされる。後述する
ように、この範囲において、より顕著に熱疲労特性改善
が図られることが本発明者らによって確認されている。
【0017】上記アルミニウム合金においては、0.1
〜1重量%のFeをさらに含んでいてもよい。この場
合、Feの添加量があまりに小さいと、ダイカスト成形
するときに金型との焼き付きが生じやすくなり、あまり
に大きいと針状化合物が晶析して靭性が低下する傾向が
あるため、Feの重量割合を0.1〜1重量%とするの
が好ましい。
【0018】さらに、Feを添加することによる靭性と
耐食性の劣化を抑制すべく、0.001〜0.5重量%
のMnを含ませてもよい。この場合、Mnの添加量があ
まりに小さいとFeによる靭性と耐食性の劣化を抑制す
る効果が十分に得られず、あまりに大きいと化合物が粗
大となってハードスポットの原因となるため、Mnの重
量割合を0.001〜0.5重量%とするのが好まし
い。
【0019】また、靭性と耐食性を向上させるべく、
0.01〜1.2重量%のMgをさらに含ませてもよ
い。この場合、Mgの添加量があまりに小さいとその効
果が十分に発揮できず、あまりに大きいとアルミニウム
合金溶湯の酸化が促進され、鋳物の内部にその酸化層が
混入して鋳物の品質が悪化するとともに、溶湯の流動性
や補給性が悪化して鋳造性が悪化するため、Mgの重量
割合を0.01〜1.2重量%とするのが好ましい。
【0020】さらに、上記アルミニウム合金において
は、0.01〜0.2重量%のTiおよび/または0.
01〜0.3重量%のSbをさらに含んでいてもよい。
Tiを含ませるのは、鋳物の結晶粒を微細化することに
よって鋳造割れ性を改善することができるからである。
この場合、Tiの添加量があまりに小さいと鋳造割れ性
を十分に改善することができず、あまりに大きいと粗大
化合物が生成され、溶湯の流動性が低下して鋳造性が悪
化するため、Tiの重量割合を0.01〜0.2重量%
とするのが好ましい。一方、Sbを含ませるのは、靭性
や被削性を低下させる針状共晶Siや塊状の初晶Siを
微細な短冊状の形態にして靭性や被削性低下を抑制する
ためである。この場合、Sbの添加量があまりに小さい
とその効果が十分に発揮されないため、Sbの重量割合
を0.01〜0.3重量%とするのが好ましい。
【0021】なお、本発明に係るアルミニウム合金にお
いては、上記した各成分以外はアルミニウムであり、こ
のアルミニウムには不可避不純物が含まれていてもよ
い。
【0022】本願発明の第2の側面によれば、3〜6重
量%のNiと、1〜5重量%のCuと、4.5〜10重
量%のSiと、0.1〜1重量%のFeと、0.001
〜0.5重量%のMnと、0.01〜1.2重量%のM
gと、0.01〜0.2重量%のTiと、0.01〜
0.3重量%のSbとを含み、残部が不可避不純物を含
むアルミニウムであることを特徴とする、アルミニウム
合金が提供される。
【0023】なお、上記アルミニウム合金において上記
各成分を含ませる意義およびその重量割合の意義は、第
1の側面において記載した通りである。
【0024】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例を比較例と
ともに説明する。
【0025】
【実施例1〜5および比較例1〜4】本発明者らは、ア
ルミニウム合金としてJIS規格に規定されているAC
2Bを参考にし、アルミニウム以外の成分ではNiのみ
がその添加量が異なる種々のアルミニウム合金を作成
し、各アルミニウム合金についてT6処理と称される熱
処理を行った後に熱疲労試験を行うことによってNi量
がアルミニウム合金の熱疲労特性に与える影響について
考察した。その結果を図1に示す。なお、各実施例およ
び各比較例においては、同一組成の3つのテストピース
について、それぞれ熱疲労試験を行った。
【0026】(アルミニウム合金の組成)アルミニウム
合金の組成は、表1に示した通りである。すなわち、各
アルミニウム合金は、5.8重量%のSi、0.13重
量%のFe、2.7重量%のCu、0.002重量%の
Mn、0.33重量%のMg、0.08重量%のTi、
および0.18重量%のSbを含むとともに、Niの添
加量が1〜10重量%の範囲において設定されており、
残部が不可避不純物を含むアルミニウムである。実施例
1〜5においては、ニッケルの重量割合がそれぞれ3重
量%、4重量%、5重量%、5.2重量%、および6重
量%であり、比較例1〜4においては、ニッケルの重量
割合がそれぞれ1重量%、2重量%、7重量%、および
10重量%である。
【0027】(テストピース)テストピースは、長手方
向の全長が46mmとされており、長手方向の両端部が
長矩形断面(6mm×10mm)とされているととも
に、中央部が円形断面(直径が4mm)とされている
(図2参照)。
【0028】(T6処理)T6処理は、上記アルミニウ
ム合金を電気炉に搬入して520℃で3時間加熱した後
に、80℃で水冷することによって溶体化処理を行い、
さらに190℃で3時間加熱した後に常温まで自然冷却
させることによってアルミニウム合金を時効硬化させる
ことによって行った。
【0029】(熱疲労試験)まず、熱疲労試験に用いら
れた歪み発生装置の構成について、図2を参照して簡単
に説明する。図2に示すように、歪み発生装置1Xは、
テストピースTPを拘束・保持する拘束ホルダーH(線
膨張係数が3×10−6/K)と、上記テストピースT
Pおよび上記拘束ホルダHを加熱・冷却するエアヒータ
AHと、テストピースTPの温度を観測するサーモカッ
プルTCとを備えて構成されている。また、上記テスト
ピースTPには、これと同じ線膨張係数(線膨張係数が
25×10−6/K)を有する歪みゲージG1が接着さ
れているとともに、上記拘束ホルダHには、これと同じ
線膨張係数(線膨張係数が3×10−6/K)を有する
歪みゲージG2が接着されており、これらの歪みゲージ
G1,G2によって上記テストピースTPおよび上記拘
束ホルダHの熱歪みが測定されるようになされている。
なお、上記テストピースTPおよび上記拘束ホルダHの
熱歪みデータ、あるいは上記テストピースTPの温度デ
ータは、パーソナルコンピュータに取り込まれ、上記テ
ストピースTPの温度が所定の温度となるように上記エ
アヒータAHの出力が制御される。
【0030】次に、上記歪み発生装置Xを用いた熱疲労
試験について説明する。まず、上記拘束ホルダHによっ
てテストピースTPの長手方向の両端部を幅方向に拘束
した。この状態で、エアヒータAHによって平均加熱速
度1.67K/secで250℃にまで加熱した後に、
平均冷却速度1.11K/secで50℃にまで冷却す
ることによってテストピースTPに熱歪みを発生させ
た。このきの総加熱時間を120秒、総冷却時間を18
0秒として計300秒を1サイクルとした。このとき、
テストピースTPの中央部に発生した熱歪みを次式によ
って熱応力に換算し、各サイクルにおける最大引っ張り
応力と最大圧縮応力を計算した。応力を縦軸、サイクル
数を横軸として各サイクル毎に最大引っ張り応力と最大
圧縮応力をプロットし、最大引っ張り応力が低下し始め
た点を熱疲労寿命として定義した。
【0031】
【数1】
【0032】
【実施例6】本実施例においては、実施例4と同組成の
アルミニウム合金、すなわち5.8重量%のSi、0.
13重量%のFe、2.7重量%のCu、0.002重
量%のMn、0.33重量%のMg、5.2重量%のN
i、0.08重量%のTi、および0.18重量%のS
bを含み、残部が不可避不純物を含むアルミニウムであ
るアルミニウム合金(以下、「C合金」という)を用
い、このアルミニウム合金を熱処理(T6処理および過
時効処理)した後に、TEMによって組織観察を行っ
た。T6処理したものの結果を図3に、T6処理した後
に過時効処理したものの結果を図4にそれぞれ示す。
【0033】(熱処理)T6処理の方法については、上
述した通りである。一方、過時効処理は、T6処理を施
したアルミニウム合金を電気炉に搬入して250℃で1
60時間加熱した後に、常温まで自然冷却させることに
よって行った。
【0034】
【比較例5】本比較例においては、表1に示した組成の
アルミニウム合金、すなわち5.9重量%のSi、0.
13重量%のFe、3.1重量%のCu、0.004重
量%のMn、0.02重量%のMg、0.02重量%の
Ni、0.10重量%のTi、および0.01重量%の
Sbを含むとともに、残部が不可避不純物を含むアルミ
ニウムであるアルミニウム合金(JIS規格によって規
定されたAC2B)を用い、これを実施例6において記
載された方法で熱処理した後に、TEMによって組織観
察を行った。T6処理したものの結果を図5に、T6処
理した後に過時効処理したものの結果を図6にそれぞれ
示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】図1から明らかなように、3〜6重量%
のNiを添加した場合には、熱疲労寿命の改善がみら
れ、とくに4〜5重量%の範囲においてはそれが顕著で
ある。すなわち、本発明に係るアルミニウム合金は、適
当量のNiが添加されることによって従来のアルミニウ
ム合金に比べて熱疲労特性が改善されていることがわか
る。
【0037】図3および図4から明らかなように、C合
金では、T6処理後および過時効処理後のいずれにおい
てもG.P.ゾーンが観察されている。一方、図5およ
び図6から明らかなように、AC2Bでは、T6処理後
においてはG.P.ゾーンが観察されているが、過時効
処理後においてはG.P.ゾーンから中間相析出物
(θ′)が形成されており、析出物が粗大化している。
【0038】図4から明らかなように、過時効処理後の
C合金では、時効析出物の粗大化が認められないため、
C合金は高温強度が高いものと考えられる。
【0039】以上のように、本発明に係るアルミニウム
合金は、3〜6重量%程度のNiを添加することによっ
て、時効析出物の粗大化が抑制されて過時効が抑制され
ていること分かる。したがって、本発明に係るアルミニ
ウム合金は、繰り返し熱応力や熱ひずみが生じさせられ
る部材、たとえば自動車エンジンのシリンダ、シリンダ
ヘッド、あるいはピストンなどに良好に使用することが
できる。もちろん、上記アルミニウム合金は、その他の
用途に幅広く利用できるのはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】Ni量の異なる種々のアルミニウム合金、すな
わち実施例1〜5、および比較例1〜4に係るアルミニ
ウム合金について熱疲労試験を行った結果を表すグラフ
であり、縦軸が熱疲労寿命を表し、横軸がアルミニウム
合金におけるNiの含有量を表している。
【図2】テストピースに熱歪みを発生させる装置の構成
を説明するための概念図である。
【図3】T6処理した実施例6に係るアルミニウム合金
(C合金)をTEMによって拡大した状態を表す組織観
察写真であり、(a)は60000倍に、(b)は15
0000倍にそれぞれ拡大したものである。
【図4】T6処理した後に過時効処理した実施例6に係
るアルミニウム合金(C合金)をTEMによって150
000倍に拡大した状態を表す組織観察写真である。
【図5】T6処理した比較例5に係るアルミニウム合金
(C合金)をTEMによって150000倍に拡大した
状態を表す組織観察写真である。
【図6】T6処理した後に過時効処理した比較例5に係
るアルミニウム合金(AC2B)をTEMによって拡大
した状態を表す組織観察写真であり、(a)は6000
0倍に、(b)は150000倍にそれぞれ拡大したも
のである。
【符号の説明】
X 熱歪み発生装置 TP テストピース H 拘束ホルダ AH エアヒータ G1 歪みゲージ(テストピースの) G2 歪みゲージ(拘束ホルダの) TC サーモカップル

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不可避不純物を含むアルミニウムを主成
    分とし、少なくとも3〜6重量%のNiと、1〜5重量
    %のCuと、4.5〜10重量%のSiとをさらに含む
    ことを特徴とする、アルミニウム合金。
  2. 【請求項2】 Niの重量割合が4〜5重量%である、
    請求項1に記載のアルミニウム合金。
  3. 【請求項3】 0.1〜1重量%のFeをさらに含む、
    請求項1または2に記載のアルミニウム合金。
  4. 【請求項4】 0.001〜0.5重量%のMnをさら
    に含む、請求項1ないし3のいずれか1つに記載のアル
    ミニウム合金。
  5. 【請求項5】 0.01〜1.2重量%のMgをさらに
    含む、請求項1ないし4のいずれか1つに記載のアルミ
    ニウム合金。
  6. 【請求項6】 0.01〜0.2重量%のTiおよび/
    または0.01〜0.3重量%のSbをさらに含む、請
    求項1ないし5のいずれか1つに記載のアルミニウム合
    金。
  7. 【請求項7】 3〜6重量%のNiと、1〜5重量%の
    Cuと、4.5〜10重量%のSiと、0.1〜1重量
    %のFeと、0.001〜0.5重量%のMnと、0.
    01〜1.2重量%のMgと、0.01〜0.2重量%
    のTiと、0.01〜0.3重量%のSbとを含み、残
    部が不可避不純物を含むアルミニウムであることを特徴
    とする、アルミニウム合金。
JP5412198A 1998-01-28 1998-01-28 アルミニウム合金 Pending JPH11217646A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5412198A JPH11217646A (ja) 1998-01-28 1998-01-28 アルミニウム合金

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5412198A JPH11217646A (ja) 1998-01-28 1998-01-28 アルミニウム合金

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11217646A true JPH11217646A (ja) 1999-08-10

Family

ID=12961780

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5412198A Pending JPH11217646A (ja) 1998-01-28 1998-01-28 アルミニウム合金

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11217646A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5344527B2 (ja) 鋳物用アルミニウム合金、アルミニウム合金鋳物およびその製造方法
WO2012026354A1 (ja) Co基合金
EP1524324B1 (en) Aluminum alloys for casting, aluminum alloy castings and manufacturing method thereof
JP6348466B2 (ja) アルミニウム合金押出材及びその製造方法
JP2007522348A (ja) アルミニウム合金系の材料、その製造方法並びにその使用
JP4825886B2 (ja) フェライト系球状黒鉛鋳鉄
JP5284935B2 (ja) 高温強度及び高温疲労特性に優れた耐熱アルミニウム合金押出材
US5996471A (en) Aluminum alloy for internal-combustion piston, and aluminum alloy piston
JP2010018854A (ja) 耐熱性に優れた軽量・高強度アルミニウム合金およびその製造方法
EP3505648B1 (en) High-strength aluminum alloy, internal combustion engine piston comprising said alloy, and method for producing internal combustion engine piston
KR102062031B1 (ko) 대형 선박용 엔진 배기 밸브 및 그 제조 방법
JPS5834129A (ja) 耐熱金属材料の製造方法
JP4093221B2 (ja) 鋳物用アルミニウム合金、アルミニウム合金鋳物およびその製造方法
JP2019108579A (ja) アルミニウム合金材およびアルミニウム合金製品の製造方法
JP4768919B2 (ja) 高強度低熱膨張鋳物鋼及び高強度低熱膨張鋳物鋼からなるガスタービンの翼環用及びシールリング保持環用リング形状部品
JP4351609B2 (ja) アルミニウム合金、耐熱高強度アルミニウム合金部品及びその製造方法
CN115198144A (zh) 耐热合金部件、其所使用的材料、以及它们的制造方法
JPH0734204A (ja) フェライト系耐熱鋳鋼およびその製造方法
JPH11217646A (ja) アルミニウム合金
JP3303661B2 (ja) 耐熱高強度アルミニウム合金
JP2004225121A (ja) ダイカスト鋳造ピストン用合金
JP2000204449A (ja) 冷間加工性と高温加熱安定性に優れたFe基耐熱合金
JP7126915B2 (ja) アルミニウム合金押出材及びその製造方法
JPS6013050A (ja) 耐熱合金
JP2004225134A (ja) ディーゼルエンジンシリンダーヘッド用アルミニウム合金材料及びその製造方法並びにディーゼルエンジン