JPH11217450A - 強化繊維織物のプリプレグおよびその製造方法 - Google Patents

強化繊維織物のプリプレグおよびその製造方法

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JPH11217450A
JPH11217450A JP10140606A JP14060698A JPH11217450A JP H11217450 A JPH11217450 A JP H11217450A JP 10140606 A JP10140606 A JP 10140606A JP 14060698 A JP14060698 A JP 14060698A JP H11217450 A JPH11217450 A JP H11217450A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繊維分散が均一で、カバーファクターの大き
なプリプレグを得る。 【解決手段】 実質的に撚りのない強化繊維糸条からな
り、たて糸とよこ糸の交錯点数が1平方メートル当たり
2,000〜70,000個の範囲にあり、カバーファ
クターが70%以上の織物に樹脂を含浸したのち、カレ
ンダーロールで糸拡げを行うことを特徴とする強化繊維
織物のプリプレグの製造方法、およびその方法により得
られるプリプレグ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維強化プラスチ
ック(以下FRPと呼称)を形成するに用いる強化繊維
織物のプリプレグおよびプリプレグの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】強化繊維を樹脂で補強してなるFRP、
なかでも炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は比強
度および比弾性率に優れることから、軽量化によって燃
費が大幅に向上する航空機の構造材や内装材として使わ
れている。しかし、炭素繊維が高価なこともあって、軽
量化効果が大きいとされる航空機であっても適用部位が
制限されている。
【0003】とくに、航空機のフラップ、フェアリング
やエルロンなどの2次構造材や、化粧室、天井パネル、
ウンドウパネルや天井の荷物入れなどの内装材は、ハニ
カムを芯材とし、スキン材にCFRPを使用したハニカ
ムサンドイッチ構造体が多用されている。
【0004】これらのハニカムサンドイッチ構造体の製
造方法は、主として、ハニカムに炭素繊維織物からなる
プリプレグを重ね合わせ加熱・加圧することによって、
プリプレグの熱硬化性樹脂の硬化とハニカムとCFRP
の接着を同時に行う、いわゆるハニカム・コキュアー法
で成形される。ハニカム・コキュアー法による成形は、
樹脂の硬化とCFRPの接着を同時に行うから、成形が
大幅に簡素化される。しかし、成形の際、ハニカムのコ
アーに接する箇所のプリプレグは加圧されるが、コアに
接しない部分は加圧されないこともあって、プリプレグ
の中に部分的に炭素繊維が存在しない大きな目明き部が
存在すると、加圧されない部分のCFRPスキンに樹脂
欠落による穴が開く。その対策として、たて糸とよこ糸
によって形成される空隙の小さな織物によるプリプレグ
が用いられるが、このような織物はフイラメント数が
3,000フイラメントの細い炭素繊維糸条からなり、
たて糸とよこ糸によって形成される空隙の小さな織物
で、炭素繊維目付が小さな、薄い織物である。しかし、
炭素繊維糸条が細いから、炭素繊維の生産効率が悪くま
た織物の生産速度も遅く高価な材料となる。
【0005】これに対し、糸条が太いほど強化繊維糸条
は安価であるが、太い糸条から強化繊維重量の小さな、
薄い織物を製造すると、たて糸とよこ糸によって形成さ
れる空隙が大きな織物となってしまう。一方、太い強化
繊維糸条を使用して薄くて、繊維分散が均一でカバーフ
ァクターの大きな扁平糸織物およびその製造方法を、た
とえば特開平7−300739号公報で提案した。この
織物は、扁平なたて糸やよこ糸からなり、かつ薄い織物
であるから織糸の屈曲(クリンプ)が小さく、そのFR
Pの機械的性質は極めて優れている。しかしながら、こ
の方法は糸の扁平性を保つための糸道、解舒撚りが入ら
ないようにするためのよこ糸供給システムや扁平状の糸
を把持するためなどの特別な装置が必要となり、厄介で
ある。また、糸の扁平性を保ちながら製織するから不安
定で、途中で扁平性が潰れ細くなり、たて糸とよこ糸に
よって形成される空隙が部分的に大きくなり欠点となる
ことがある。
【0006】FRPの成形は種々の方法で行われている
が、高性能のFRPを得る方法として、成形用基材は、
硬化剤を入れたBステージ状態の樹脂を織物などのシー
ト材にあらかじめ所定量含浸させたプリプレグの形で使
われることが多い。このプリプレグの製造方法として、
樹脂をフイルム状に加工し、これをシート材と合わせ、
加熱・加圧してシート状に樹脂を含浸させるいわゆる乾
式加工方法と、硬化剤を入れた固形樹脂やBステージ状
態の樹脂をメタノールやMEK(メチルエチルケトン)
等の低温の沸点を有する溶剤で希釈し、シート材に樹脂
含浸させたのち、溶剤を乾燥させる湿式加工方法があ
る。乾式加工方法は湿式加工方法に比べ溶剤の回収の必
要が無いし、残存溶媒の管理が不要であるなどの利点は
あるが、樹脂の種類によってはフイルム化が出来ない。
また硬化剤の種類によっては樹脂中に細かく均一に分散
することが出来ないケースもあるので、湿式加工方法も
用いられている。
【0007】前述の如く、通常、糸条が太いほど強化繊
維は安価であることから、その様な強化繊維で薄くて、
繊維分散が均一でカバーファクターの大きな扁平糸織物
およびその製造方法を、たとえば特開平7−30073
9号公報で提案した。この織物は、前述したように、扁
平なたて糸やよこ糸からなり、かつ薄い織物であるから
織糸の屈曲(クリンプ)が小さく、FRPにした際の機
械的性質は極めて優れている。しかし、太い糸で織物目
付が小さな織物であるから、たて糸とよこ糸の交錯点数
が少ない織物となる。
【0008】そこで、先に、プリプレグ加工で形態の安
定性対策として低融点ポリマーで目どめ加工した織物を
提案した。実際にこの織物でプリプレグ加工すると、織
物の良好な繊維分散状態が確保された、すなわちカバー
ファクターの大きなプリプレグが得られることが分かっ
た。しかしながら、とくには、織物の状態でたて糸およ
びよこ糸が充分に拡がった扁平状態のものが、プリプレ
グ加工の工程でその織糸の扁平状態が潰れ、織糸が細く
なりメッシュ状になってしまう事態も発生した。プリプ
レグ加工の工程中の状態を観察すると、織糸の扁平状態
の潰れが発生するケースでは、樹脂を溶剤で希釈した樹
脂バスを織物が通過した直後には織糸の扁平状態が保た
れているが、乾燥ゾーンに入って暫くすると、徐々に扁
平状態が潰れ始めた。一方、織物プリプレグで織糸の扁
平状態が保たれているケースでは乾燥ゾーンに入っても
扁平状態が潰れることはなかった。つまり、目どめ剤は
単に工程での織物の取扱い性の改善のみならず、湿式プ
リプレグ加工時における扁平糸織物の織糸の扁平状態を
保つ役割を果たしていることがわかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の技術における上述した問題点を解決し、繊維分散が均
一で、たて糸とよこ糸によって形成される空隙が小さく
て安定し、カバーファクターの大きな織物プリプレグを
提供することある。また、本発明の他の目的は、織物の
製造が簡単で、大きな空隙が存在する織物であっても、
繊維分散が均一で、たて糸とよこ糸によって形成される
空隙の小さくて安定し、カバーファクターの大きなプリ
プレグを安価に製造可能な織物プリプレグの製造方法を
提供することある。
【0010】また、本発明の目的は、従来の技術におけ
る上述した問題点を解決するとともに上記のような知見
に基づき、繊維分散が均一であり、織糸が扁平状態でカ
バーファクターの大きなプリプレグを製造できる、湿式
プリプレグの製造方法、およびその方法により製造され
た、繊維分散が均一であり、織糸が扁平状態でカバーフ
ァクターの大きなプリプレグを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するに、
本発明の強化繊維織物のプリプレグの製造方法は、実質
的に撚りのない強化繊維糸条からなり、たて糸とよこ糸
の交錯点数が1平方メートル当たり2,000〜70,
000個の範囲にあり、カバーファクターが70%以上
の織物に樹脂を含浸したのち、カレンダーロールで糸拡
げを行うことを特徴とする方法からなる。
【0012】本発明に係る強化繊維織物のプリプレグ
は、このような方法によって得られる、たて糸とよこ糸
の交錯点数が1平方メートル当たり2,000〜70,
000個の範囲にあり、カバーファクターが97%以上
であることを特徴とするものからなる。
【0013】また、本発明に係る強化繊維織物の湿式プ
リプレグの製造方法は、糸幅が3〜20mmの範囲にあ
り、糸幅/糸厚み比が20以上の無撚の扁平な強化繊維
糸からなり、たて糸とよこ糸の交錯点数が1平方メート
ル当たり、2,500〜25,000個でカバーファク
ターが90%以上の強化繊維織物を用い、(1)ポリマ
ーからなる目どめ剤を強化繊維織物に線状に配置して、
よこ糸および/またはたて糸の糸幅全体にわたって接着
し、(2)該強化繊維織物を、熱硬化性樹脂を、少なく
とも80%以上が前記ポリマーに対し不溶性である溶剤
Aで希釈した溶液に浸漬し、(3)その後、熱風で溶剤
を乾燥させる、ことを特徴とする方法からなる。
【0014】さらに、本発明に係る強化繊維織物のプリ
プレグは、このような方法によって得られる、糸幅が3
〜20mmの範囲にあり、糸幅/糸厚み比が20以上の
無撚の扁平な強化繊維糸からなり、たて糸とよこ糸の交
錯点数が1平方メートル当たり2,500〜25,00
0個でカバーファクターが90%以上であることを特徴
とするものからなる。
【0015】さらに、本発明に係る強化繊維織物の湿式
プリプレグの他の製造方法としては、糸幅が3〜20m
mの範囲にあり、糸幅/糸厚み比が20以上の無撚の扁
平な強化繊維糸からなり、たて糸とよこ糸の交錯点数が
1平方メートル当たり、2,500〜25,000個で
カバーファクターが90%以上の織物を用い、(1)ポ
リマーの目どめ剤からなる不織布を強化繊維織物の片面
ないし両面に配置し、強化繊維織物のたて糸およびよこ
糸を糸幅全体にわたって接着し、(2)該強化繊維織物
を、熱硬化性樹脂を、少なくとも80%以上が前記熱融
着性繊維に対し不溶性である溶剤Aで希釈した溶液に浸
漬し、(3)その後、熱風で溶剤を乾燥させる、ことを
特徴とする方法からなる。
【0016】本発明のプリプレグの製造に用いる強化繊
維織物はたて糸とよこ糸の交錯点数が、織物の強化繊維
糸条の糸拡げに影響するので重要であり、1平方メート
ル当たり2,000〜70,000個の範囲にあること
が好ましい。これは、通常の強化繊維織物、たとえば炭
素繊維糸条が3,000フイラメントの炭素繊維目付が
200g/m2 の平織物の交錯点数が250,000個
であるのに比べて極めて少ない。たて糸とよこ糸の交錯
点数が少ないと、たて糸とよこ糸の拘束状態が緩やかに
なるので、たとえ、カバーファクターが70%程度のた
て糸とよこ糸によって形成される空隙が大きなメッシュ
状の織物でも、織物に樹脂含浸していると、すなわち樹
脂中に強化繊維が存在する状態であると、カレンダーロ
ールによって樹脂中に強化繊維が移動し、糸の幅を拡げ
ることが出来るのである。なお、交錯点数が1平方メー
トル当たり2,000個未満であると、たて糸とよこ糸
の交錯による拘束が甘くなるので、プリプレグ工程のロ
ールに織物が通過する際、ガイドロールとの接触によっ
ても簡単に織物の糸がずれ、目ずれしたりするので好ま
しくない。また、70,000個を越えると、たて糸と
よこ糸の交錯による拘束が強くなるので糸拡げが完全に
行なえなくなり、プリプレグに樹脂のみが充填されて強
化繊維が存在しない目明き部が残るので好ましくない。
また、カバーファクターが70%以下の織物となると、
カレンダーロールで糸拡げ操作を行っても、たて糸とよ
こ糸によって形成される空隙が大きすぎて、隣接する糸
条間を埋めるまで糸拡げが行えない、つまりカバーファ
クターの大きなプリプレグを得ることが困難となるので
ある。
【0017】なお、本発明でいう1平方メートル当たり
のたて糸とよこ糸の交錯点数とは、たて糸とよこ糸が交
錯している点数をいう。たとえば、たて糸とよこ糸が1
本交互に交錯する平組織の場合は[1平方メートル当た
りのたて糸本数×1平方メートル当たりのよこ糸本数]
個となり、たて糸とよこ糸が2本交互に交錯する2/2
の平組織の場合は[1平方メートル当たりのたて糸本数
/2×1平方メートル当たりのよこ糸本数/2]個とな
る。
【0018】ここで、カバーファクターCfとは、織物
の織糸間に形成される空隙部または空隙部に樹脂のみが
充填され強化繊維が存在しない目明き部分に関係する要
素で、織物または織物プリプレグ上に面積S1 の領域を
設定したとき、面積S1 の内において織糸によって形成
される空隙部の面積、または樹脂のみが充填され強化繊
維が存在しない目明き部分の面積をS2 とすると、次の
式で定義される値をいう。なお、プリプレグで目明き部
の面積を測定しにくい場合は、プリプレグの下方から光
を当てると、強化繊維の部分と強化繊維が存在せず樹脂
のみが充填された部分を明確に区分することができる。
カバーファクターCf=[(S1 −S2 )/S1 ]×1
00
【0019】また、本発明に係る強化繊維織物の湿式プ
リプレグの製造においては、まず、本発明を完成するに
際し、扁平状態が潰れる現象を考察した。すなわち、扁
平状態が潰れる現象を考察するに、糸幅が3〜20m
m、糸幅/糸厚み比が20以上の扁平な強化繊維糸から
なり、たて糸とよこ糸の交錯点数が平方メートル当たり
2,500〜25,000個の織物は、通常の織物に比
べ交錯点数が1/10〜1/20と極めて少なくなって
いるので、たて糸とよこ糸の織糸の交錯による織糸の拘
束が緩やかであり、また糸束は無撚糸束内で繊維同士に
よる交絡もないから、 1)湿式プリプレグ加工の際、このような織物を、樹脂
を溶剤で希釈した溶液に浸し、溶剤を乾燥させると、織
物に付着した溶液の樹脂粘度が徐々に大きくなり、溶液
の表面張力が扁平状の織糸の幅の内側に働き、すなわ
ち、たて糸およびよこ糸の幅を狭める方向に働き、織糸
の扁平状態が潰れてしまう。
【0020】2)また、湿式プリプレグ加工における溶
剤の乾燥は、乾燥効率を向上させるため熱風で行うが、
熱風が僅かながら存在する織物の目明き部を通過し、目
明き部を通過する空気によってたて糸およびよこ糸の糸
幅を狭める方向に力が働き、織糸の扁平状態が潰れてし
まう。
【0021】3)さらに、たて型乾燥炉では、上部の樹
脂含浸させた織物には、織物の供給張力以外に織物の自
重と溶液の重量が加わり、織物のたて糸方向に張力が働
いている。この張力によって、クリンプしていたたて糸
が真っ直ぐになり、よこ糸のクリンプが大きくなる。こ
の織物構造の変化、すなわちクリンプ・インタージェン
ジの際、よこ糸がたて糸の幅を狭める方向に作用する。
【0022】また、目どめ剤を強化繊維織物に線状に配
置して、よこ糸および/またはたて糸が糸幅全体にわた
って接着していると、扁平な織糸の幅全体にわたって繊
維の位置を固定していることになる。湿式プリプレグ加
工工程において、ある程度溶剤が乾燥すると、樹脂の粘
度も大きくなるので、高粘度樹脂によって繊維同士を接
着する力も大きくなり、たとえ上述したような糸幅を狭
める力が働いても、織糸の扁平状態が潰れてしまうよう
なことはないが、少なくとも、溶剤の量が多くて樹脂粘
度が小さい間は繊維同士の接着力が弱く、目どめ剤によ
る織糸の幅方向の拘束が必要であることがわかった。
【0023】このような条件を満たすには、目どめ剤と
してポリマーの使用量にもよるが、熱硬化性樹脂を少な
くとも80%以上がポリマーに不溶性の溶剤Aで希釈す
るとよく、好ましくは溶剤Aの全てを目どめ剤のポリマ
ーに不溶性のものにするとよいことがわかった。80%
以上の溶剤がポリマーに不溶性であると、つまり20%
未満がポリマーに可溶性の溶剤Bであっても、ポリマー
の溶解速度が遅くなり、織物が樹脂バスを通過し、乾燥
ゾーンに入って少なくとも3〜5分間程度、つまり、あ
る程度溶剤が乾燥し、樹脂の粘度も大きくなるまでは、
目どめ剤による織糸の幅方向の拘束が残っていて、織糸
の扁平状態が潰れるようなことはなかった。溶剤のう
ち、ポリマーに不溶性の溶剤が80%未満になるに従
い、徐々に織糸の扁平状態が潰れ始め、プリプレグで目
明きの箇所が増え始め、繊維分散が不均一となり、カバ
ーファクターが徐々に小さなプリプレグとなった。
【0024】また、樹脂に対する希釈剤としての溶剤の
量は、織物への付着樹脂量の設定によって決められ、プ
リプレグの樹脂量が30〜60重量%になるように溶液
粘度を設定すればよい。
【0025】なお、本発明においては溶剤の100%を
目どめ剤のポリマーに不溶性の溶剤Aとする必要は必ず
しもなく、樹脂、硬化剤、難燃剤やその他の第3成分の
混合にあたっては、目どめ剤のポリマーに可溶性の溶剤
Bを若干量使用することができる。
【0026】本発明において、目どめ剤が、融点が10
0〜140℃程度の共重合ナイロンであることが望まし
く、とくにFRPにしたとき共重合ナイロン、ナイロン
6と12の共重合ナイロン、ナイロン6、ナイロン66
および610の共重合ナイロン、ナイロン6、ナイロン
12、66および610の共重合ナイロンは、樹脂の接
着性がよいので好ましく、また融点が低いので目どめし
た織物の製造も容易である。なお、共重合ナイロンの融
点および溶剤による溶解性は前記各種ナイロンポリマー
の組み合わせや混合割合により、共重合の際のナイロン
ポリマーの結晶性の乱れの程度によって決まり、共重合
ナイロンの種類によってはメタノールなどのアルコール
に可溶なもの、あるいは不溶なものとなる。したがっ
て、アルコールに可溶性の共重合ナイロンの溶剤Aとし
ては、MEK、アセトンやトルエンなどの非アルコール
系のものとなる。
【0027】ここで、本発明における可溶性とは、20
℃の溶剤を入れたビーカに目どめ剤となるポリマー糸を
入れ、10分放置後に糸の形態が消滅し塊状となった
り、または溶解して糸の痕跡が無くなってしまう状態を
可溶性とし、糸の形態を保っている状態を不溶性とす
る。
【0028】また、本発明では、樹脂の希釈剤としての
メタノールは、価格が安い、沸点が低くプリプレグ加工
の際の乾燥が容易であることから、希釈剤としてメタノ
ールなどのアルコール系の溶剤を使用し、目どめ剤とし
て共重合ポリエステルからなる低融点ポリエステルまた
は不溶性の共重合ナイロンを使用することが出来る。な
お、共重合ポリエステルは、アジピン酸、セバチン酸な
どの脂肪族ジカルボン酸類、フタル酸、イソフタル酸、
ナフタリンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸類お
よび/またはヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロ
イソフタル酸などの脂環族ジカルボン酸類と、ジエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、パラキシレング
リコールなどの脂肪族や脂環族ジオール類とを所定量含
有し、所望に応じてパラヒドロキシ安息香酸などのオキ
シ酸類を添加した共重合エステルであり、たとえばテレ
フタル酸とエチレングリコールに、イソフタル酸および
1,6−ヘキサンジオールなどを添加共重合させたポリ
エステルなどがある。
【0029】本発明における目どめ剤は上記の共重合ナ
イロンや低融点ポリエステルが好ましいが、上記以外に
もポリエチレンやポリプロピレンなどの低融点ポリマー
を使用することができる。
【0030】目どめ剤は、本質的にはFRPのマトリッ
クス樹脂を形成するものではなく、使用する樹脂の種類
によっては、全く異質なものとなってしまうので、使用
量は極力少ない方がよく、0.5〜15g/m2 の範囲
が好ましい。0.5g/m2未満であると扁平な織糸の
幅方向の拘束が弱くなり、湿式プリプレグ加工の際、織
糸の細幅化を防ぐことが出来ない。また、15g/m2
を超えるとFRPの機械的特性を低下させることがあ
る。0.5〜15g/m2 の範囲であれば、織糸の細幅
化を防ぐことが出来るし、FRPの機械的特性もさほど
低下させることはない。
【0031】また、本発明においては目どめ剤が織糸の
細幅化を防ぐことから、線状に配置する1本あたりのポ
リマーの量が重要となる。目どめ剤としてのポリマー量
は、強化繊維糸条に対して0.2重量%〜2重量%の範
囲程度が好ましい。
【0032】なお、本発明に使用する目どめ剤の線状の
配置は、上述したように目どめ剤が糸形態をなしている
と、わずかな目どめ剤の使用で効果的に目どめできる
が、繊維が面方向にランダムに配列した不織布のような
形態であってもよい。
【0033】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の望ましい実施の
形態を、図面を参照しながら説明する。本発明の一実施
態様に係るプリプレグの製造方法を図1に示す。図1に
おいて、下部に設置した樹脂バス2に、溶剤で希釈した
溶液3を入れ、この樹脂バス2にロール状に巻かれた織
物1を1.5m/分〜5m/分程度の速度で引き出しな
がら浸漬し、織物の繊維間に樹脂を含浸させ、これを、
十分な長さの乾燥ゾーンを有し、頂部に回転ロール4を
付けた縦型乾燥炉5に通す。
【0034】次に、樹脂バス通過後回転ロールまで直線
的に溶液の付着した織物を立ち上がらせ、織物の上り側
の壁面6の吹出し口7、8から熱風を織物面に直角方向
に吹き付けて、ある程度溶剤を乾燥させた後、次に回転
ロール4に通して織物の進行方向を反転させ、下り側の
壁面9の吹出し口10、11からも熱風を織物面に直角
方向に吹き付けて残りの溶剤を乾燥させる。なお、壁面
における熱風吹出し口が上り側の壁面6および下り側の
壁面9で各々2〜4分割し、各々の吹出し口からの熱風
温度が異なるようにして、溶媒の乾燥状態を制御出来る
ようにしておくとが好ましい。また、織物の上昇部と下
降部の乾燥温度が変更できるように縦型乾燥炉5の中央
部に、織物面と並行するようにセパレータ12を取り付
けておくと、各乾燥ゾーンの温度を正確に設定すること
が出来る。
【0035】上記は通常、湿式法と呼ばれるプリプレグ
の製造方式であり、通常の方法となんら変わることはな
い。本発明においては、乾燥ゾーンを出た後の、樹脂が
含浸し、まだ冷えないプリプレグを加圧し織糸を拡げる
ために一対のローラからなるカレンダーローラ13を設
置すると好ましい。プリプレグが温かいと、樹脂が柔ら
かいので糸拡げが容易となるのである。糸拡げ時のプリ
プレグの温度は、50〜150℃が好ましく、50℃未
満であると樹脂が固くなり糸拡げが困難となる。また、
150℃を越えると樹脂の硬化が促進されるので、室温
まで温度が下がった時のプリプレグのタック(粘着性)
の管理が困難となる。なお、プリプレグの温度が高くて
樹脂粘度が高いと、カレンダーローラに樹脂が付着する
ことがある。このような場合はローラにシリコーン樹脂
やフッ素樹脂をコーテングして樹脂の付着を防ぐことが
出来、また、カレンダーローラにプリプレグが入る前に
プリプレグの上面と下面から、たとえばシリコーン樹脂
を含浸した離形紙14を供給し、プリプレグが直接ロー
ラに接触しないようにして、ローラへの樹脂の付着を防
ぐことが出来る。また、プリプレグの温度が低くて糸拡
げが困難な場合は50〜150℃に加熱したカレンダー
ローラで糸拡げすることもできる。また、樹脂含浸した
プリプレグを一旦巻き取り、室温まで冷えたプリプレグ
を、50〜150℃に予熱して温めながらカレンダーロ
ーラで糸拡げすることもできる。
【0036】カレンダーロールによる繊維の損傷を防ぐ
意味合いから、乾燥後のプリプレグの樹脂に1〜6%程
度の溶媒が残存するようにし、プリプレグに付着した樹
脂を柔らかくしておくとよい。カレンダーローラによる
プリプレグの加圧は、樹脂が柔らかいので線圧が1kg
/cm〜50kg/cm程度が好ましい。線圧が1kg
/cm未満であると、溶媒が残り樹脂が柔らかく糸幅を
拡げ易いとはいえ、糸拡げが不完全となり、たて糸とよ
こ糸の交錯によって形成される空隙を強化繊維で埋める
ことが出来ず、この部分が目明き状態となりカバーファ
クターが大きくならないし、カバーファクターが大きく
なっても、部分的に目明き部が残り、均一なプリプレグ
とはならない。また、線圧が50kg/cmを越えると
織物のたて糸とよこ糸の交錯点数が少ないため織物プリ
プレグのよこ糸が蛇行することがある。
【0037】ここで言う線圧とは、ローラに作用する総
荷重(kg)をカレンダーロールを通過する織物の幅
(cm)で割った値で示したものである。
【0038】なお、カレンダーローラによる加圧は、1
本のローラと平板の間に樹脂含浸した織物プリプレグや
織物と樹脂フイルムを挟んでもよいし、2本のローラの
間に挟んでもよい。ローラまたは平板の材質は金属同士
または金属とゴムとの組み合わせであってもよい。ロー
ラの直径は通常20〜300mm程度である。
【0039】本発明に使用する強化繊維織物のカバーフ
ァクターが70%以上であれば、本発明のプリプレグの
製造法によって糸拡げを行いカバーファクターの高いプ
リプレグに加工することができるが、カバーファクター
が必ずしも90〜100%の高い織物である必要はな
く、カバーファクターが70以上90%未満であっても
よい。たて糸とよこ糸の交錯点数が小さくて、かつカバ
ーファクターが90%以上の薄い織物を製造するにはた
て糸およびよこ糸の扁平度を保つための特別な装置が必
要となるが、カバーファクターが70以上90%未満の
織物であれば通常の製織操作で織物を製造することがで
きるから安価に織物を製造することができる。
【0040】なお、本発明の織物を構成するたて糸およ
びよこ糸の強化繊維糸条は実質的に撚りがない状態、つ
まり、糸をたて取り解舒する際の4回/m程度の解舒撚
りが入っていてもよい。本発明のプリプレグの製造方法
によればカレンダーローラで糸拡げを行うから十分にカ
バーファクターの大きなプリプレグとすることができ
る。なお、好ましくは本発明の織物を構成するたて糸お
よびよこ糸の強化繊維糸条の撚り数が零で、マルチフイ
ラメントが実質的に並行配列していた方が、糸拡げを均
一に行うことができるので好ましい。強化繊維糸条に撚
りがあると、撚りにより糸条がくびれて糸が細くなって
いる箇所を拡げることが必要となり、カレンダーローラ
の圧力を大きくするなどの、プリプレグの品質上からよ
り厳しい条件が必要となるが、糸条の撚りが零であるこ
とにより緩やかな条件で糸拡げを行うことができるので
好ましい。
【0041】また、本発明に用いる強化繊維としては、
ガラス繊維、ポリアラミド繊維、炭素繊維などの高強度
・高弾性率の強化繊維であり、なかでも、JIS R
7601法による引張弾性率が200GPa以上、引張
強度が4,500MPa以上の炭素繊維は高強度・高弾
性率であるのみならず、耐衝撃性にも優れ、また、樹脂
がフェノール樹脂であると、炭素繊維は燃焼しないので
不燃性にも優れる。
【0042】なお、強化繊維が炭素繊維である場合、織
物のたて糸とよこ糸の交錯点数を少なくして、カレンダ
ーローラによって糸を拡げを容易にし、薄い織物のプリ
プレグを製造するという観点からは、炭素繊維糸条のフ
イラメント数が6,000〜24,000本である。従
来、航空機用途に使われている3,000フイラメント
の炭素繊維糸条に比べ、糸条の太さが2〜8倍となるか
ら炭素繊維の製造にあたっての生産性が向上し、安価と
なる。なお、炭素繊維糸条のフイラメント数が24,0
00本を越えると、薄い織物ではたて糸とよこ糸の交錯
点数が少なくなるので、プリプレグ工程で織物が目ずれ
し、プリプレグの品位が低下するので好ましくない。
【0043】また、本発明ではプリプレグ工程で織物が
目ずれするような場合には、たて糸とよこ糸の交点を目
どめ剤で接着することができる。低コストで、かつ少量
の目どめ剤で目どめを行うという観点で、共重合ナイロ
ン、共重合ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレ
ンなどの低融点のポリマーであることが好ましい。なか
でも共重合ナイロンは炭素繊維との接着性がよいので、
わずかな量で目どめすることができ、またFRPを構成
するマトリックス樹脂との接着性もよいので好ましく用
いられる。これらの低融点ポリマー糸をたて糸または/
およびよこ糸の強化繊維糸条と同時に織物に挿入し、織
機上でポリマーの融点以上に加熱し、ポリマーを溶融す
ることによって目どめした強化繊維織物を得られ、強化
繊維織物の目どめ処理を安価に行うことができる。
【0044】また、プリプレグ工程で織物が目ずれする
ような場合の他の目どめ方法として、低融点ポリマーの
目どめ剤からなる不織布、またはフイルムを強化繊維織
物の少なくとも片面に配置し、目どめ剤の融点以上に加
熱してポリマー溶融し、加圧することによって強化繊維
織物のたて糸およびよこ糸を糸幅全体にわたって接着し
ていることで、扁平な織糸の幅全体にわたって繊維の位
置を固定することもできる。
【0045】この場合も低コストで、かつ少量の繊維目
付、またはフイルム目付で目どめを行うという観点で、
ポリ塩化ビニリデン、共重合ナイロン、共重合ポリエス
テル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの低融点熱融
着性繊維であることが好ましい。なかでも共重合ナイロ
ンは炭素繊維との接着性がよいので、わずかな繊維目付
で目どめすることができ、またFRPを構成するマトリ
ックス樹脂との接着性もよいので好ましく用いられる。
【0046】目どめ剤は、前述の如く、本質的にはFR
Pのマトリックス樹脂を形成するものではなく、使用す
る樹脂の種類によっては、全く異質なものとなってしま
うので、使用量は極力少ない方がよく、0.5〜15g/
2 の範囲が好ましい。この範囲であれば、十分な目ど
めが可能でありまたFRPの機械的特性もさほど低下さ
せることはない。
【0047】本発明に用いる樹脂は、エポキシ樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂やフェノー
ル樹脂などの熱硬化性樹脂が用いられる。
【0048】また、本発明では、本発明の製造法から得
られる、たて糸とよこ糸の交錯点数が1平方メートル当
たり2,000〜70,000個で、カバーファクター
が97%以上である強化繊維織物のプリプレグを特徴と
する。従来の強化繊維織物に比べて交錯点数が少ないか
ら深絞り成形性に優れる。また、交錯点数が少ないから
カレンダーロールで糸が拡がるから、カバーファクター
の大きなプリプレグとなり、このようなプリプレグはハ
ニカムに数枚積層してハニカムコキュアー法で成形して
も、加圧されない箇所のCFRPスキンに樹脂欠落によ
る穴が開き難くなる。また、カバーファクターが97%
以上であるから、強化繊維織物の目明き面積も小さくな
り、強化繊維が炭素繊維であるから耐火性に優れる。こ
のようなプリプレグは、とくに火災の際の炎が遮断され
る。
【0049】たて糸とよこ糸が6,000フィラメント
以上の炭素繊維糸からなり、たて糸およびよこ糸の織り
密度がほぼ同じで、織物の炭素繊維重量が140〜24
0g/m2 の織物のプリプレグであると、機械的特性が
長さ方向と幅方向が同じであり、また炭素繊維が(0゜
/90゜)の方向と、プリプレグをバイアス方向に裁断
し、炭素繊維が(+45゜/−45゜)の方向に配列す
るように交差積層することによって、機械的特性を簡単
に疑似等方性とすることが可能である。なお、たて糸お
よびよこ糸の織り密度の比が20%以内であれば、たて
糸およびよこ糸の織り密度がほぼ同じであるとおおよそ
見なしてよい。また、炭素繊維織物は30〜60重量%
の通常の樹脂付着量で薄くて軽いプリプレグとなり、軽
いサンドイッチ構造体が得られるから、とくに航空機に
内装材として好ましく用いられる。また、従来の、炭素
繊維糸条が3,000フィラメント程度の同じ平組織で
炭素繊維重量が同じ織物に比べてたて糸とよこ糸の交錯
点数が1/4以下と少くなるので深絞り成形性に優れ、
また炭素繊維糸条が太くなり安価となる。
【0050】たて糸とよこ糸が12,000フィラメン
ト以上の炭素繊維糸からなり、たて糸およびよこ糸の織
り密度がほぼ同じで、織物の炭素繊維重量が140〜2
40g/m2 であると、交錯点数が従来の炭素繊維織物
に比べて1/16以下となり、6,000フィラメント
の糸条よりもより炭素繊維糸条が太くなるので、さらに
安価で、通常の樹脂付着量で薄くて軽いプリプレグが得
られるので好ましい。なお、ここにおいてもたて糸およ
びよこ糸の織り密度の比が20%以内であれば、たて糸
およびよこ糸の織り密度がほぼ同じであるとおおよそ見
なしてよい。
【0051】また、たて糸とよこ糸によって形成される
織物プリプレグの目明き部の平均面積が1個当り1.5
mm2 以下であるとプリプレグの中に部分的に炭素繊維
が存在しない目明き部が存在しても小さいので、ハニカ
ム・コキュアー成形しても、加圧されない部分のCFR
Pスキンに樹脂欠落による穴が開くようなことはなく、
表面が平滑なCFRPを表皮材とするハニカムサンドイ
ッチパネルが得られる。
【0052】なお、本発明における目明き部の平均面積
とは、たて糸とよこ糸の交錯によって形成される織物の
空隙部の該当部にプリプレグにしても樹脂は充填されて
いるが炭素繊維が存在しない目明き部100個の平均値
をいう。
【0053】また、本発明のプリプレグの製造法によっ
て、たとえば、強化繊維糸条の太さ、織物のたて糸およ
びよこ糸密度、織物の繊維重量、湿式プリプレグのカレ
ンダーローラ前の溶媒量、ローラの線圧やローラ掛けの
際のプリプレグの温度を最適化することによって、強化
繊維が開繊・拡幅し、たて糸とよこ糸によって形成され
る目明き部がなく、閉塞されているプリプレグが得られ
る。このようなプリプレグは火災の際の炎を完全に遮断
することができ、また、ハニカムコキュアー法で成形し
たサンドイッチ構造体で、FRPスキンに樹脂欠落によ
る穴を完全に防ぐことができるので、品質の均一なサン
ドイッチ構造体となり、品質管理が厳しい航空機部品な
どに好適である。
【0054】なお、本発明の閉塞状態とは、プリプレグ
に加工する前の織物のたて糸とよこ糸によって形成され
る空隙数が、2/3以上完全に塞がった状態をいい、条
件のバラツキによって、完全に塞がらない箇所はあって
も、空隙面積が小さいので、実質的には閉塞状態と同じ
効果が得られる。
【0055】本発明に用いる織物の組織はとくに限定す
るものではないが、平組織であると形態が安定し、プリ
プレグ加工工程での目ずれを防ぐことができるので好ま
しい。
【0056】図2は、本発明に係る強化繊維織物の湿式
プリプレグの製造方法で使用する目どめ扁平糸織物21
の一実施態様を示しており、たて糸22およびよこ糸2
3の織糸は、糸幅が3〜20mm、糸幅/糸厚み比が2
0以上の無撚の扁平な強化繊維糸からなり、たて糸22
とよこ糸23の交錯点の数が1平方メートル当たり2,
500〜25,000個で、カバーファクターが90%
以上となっている。
【0057】ここで、糸の厚みはJIS−R3414,
第5.4項に準じ、マイクロメータを用いて、そのスピ
ンドルを静かに回転させて、測定面が試料面に平行に軽
く接触し、ラチェットが3回音をたてたときに目盛りを
読み、N=10の平均値の糸を厚みとする。
【0058】図2において、扁平なたて糸22およびよ
こ糸23の2方向に、糸幅のほぼ中央部に目どめ剤24
および目どめ剤25が線状に接着し、たて糸とよこ糸を
その交錯部で接着し、扁平なたて糸およびよこ糸の幅全
体を目どめ剤で接着し、拘束している。
【0059】ここで、目どめの方向は必ずしもたて糸と
よこ糸の2方向である必要はない。織糸の太さ、織密度
や織物組織による織糸の拘束度合いにもよるが、少なく
ともよこ糸に目どめ剤が付着していると、たて糸幅全体
が目どめ剤で拘束されていることになるから、織物のた
て糸方向に張力が働くことによる織物構造の変化、すな
わちクリンプ・インタージェンジによるたて糸幅の細幅
化を防ぐことが出来る。
【0060】また、目どめ剤は糸幅の中央部に位置する
ことは必ずしも必要ではない。よこ糸糸幅の中心に対し
て左右にずれ、たとえば強化織糸のたて糸とたて糸との
間やよこ糸とよこ糸の間に位置していてもよい。また、
たて糸とよこ糸をその交錯部で接着していると、交錯点
が接着し織物の形態は安定するが、その必要は必ずしも
なく、たて糸とたて糸との間やよこ糸とよこ糸の間に位
置し、たて糸とよこ糸を目どめ剤で接着させなくともよ
い。目どめ剤は扁平なたて糸やよこ糸の幅全体に線状に
配置していると、表面張力、熱風の通過やクリンプ・イ
ンタージェンジによる糸幅の細幅化を防ぐことが出来る
のである。
【0061】また、本発明において、目どめ剤はポリマ
ー単独ではなく、低熱収縮性の補助糸にポリマーが被覆
されている形態であってもよい。
【0062】このような形態のものは、低熱収縮性の補
助糸にポリマーからなる繊維糸をカバーリング手段によ
って巻回し、たとえば、強化繊維糸のたて糸やよこ糸と
引き揃えて使用して織物を作製した後、ポリマー繊維の
融点以上に加熱・溶融することによって、補助糸にポリ
マーが被覆された目どめ織物を製造できる。
【0063】また、目どめ剤となる低融点のポリマーが
鞘でより融点の高いポリマーが芯となっている、たとえ
ば鞘が160℃〜200℃程度の融点を有する低融点ポ
リエステルポリマーで芯が260℃程度の融点を有する
高融点ポリエステルポリマーや、鞘が90℃〜150℃
程度の融点を有するポリエチレンの低融点ポリマーで芯
が160℃〜175℃程度の融点を有するポリプロピレ
ンの高融点ポリマーなどの芯鞘型のマルチフィラメント
糸やモノフィラメント糸を強化繊維糸のたて糸やよこ糸
と引き揃えて使用した織物を作製した後、低融点ポリマ
ーの融点以上でかつ高融点ポリマーの融点以下に加熱・
溶融することによって、補助糸にポリマーが被覆された
目どめ織物を製造できる。
【0064】低熱収縮性の補助糸としては、100℃に
おける乾熱収縮率が1.0%以下のもので、好ましくは
0.1%以下のものである。このような補助糸としては
ガラス繊維糸やポリアラミド繊維糸などが好ましく、補
助糸の繊度は50デニールから800デニール以下と細
い糸が好ましい。
【0065】なお、芯鞘型のポリマー糸の乾熱収縮率は
一般に大きいので、低融点ポリマーを加熱して溶融させ
る際、芯のポリマー糸が溶融せず繊維状に残って収縮す
るので、織物幅が狭くなり、織糸が蛇行するという問題
が発生する。したがって、あらかじめ熱処理などで低収
縮化し、乾熱収縮率を1.0%以下にしたものを使うと
よい。
【0066】このように、目どめ剤としてのポリマーが
低熱収縮性の補助糸に被覆されている形態であると、補
助糸の周囲に目どめ剤が確実に存在することになるか
ら、扁平なたて糸やよこ糸の幅全体に線状に確実に配置
・接着することになり、湿式プリプレグ加工の際の糸幅
の細幅化を、目どめ剤がポリマー単独の場合よりも完全
に防ぐことができる。
【0067】また、目どめの方法として、低融点ポリマ
ーの目どめ剤からなる不織布、またはフイルムを強化繊
維織物の少なくとも片面に配置し、目どめ剤の融点以上
に加熱してポリマー溶融し、加圧することによって強化
繊維織物のたて糸およびよこ糸を糸幅全体にわたって接
着していることで、扁平な織糸の幅全体にわたって繊維
の位置を固定することもできる。フイルムにおいては、
たとえば低融点ポリマーからなるポリ塩化ビニリデン、
共重合ナイロン、共重合ポリエステル、ポリエチレン、
ポリプロピレンなどのフイルムであり、厚みが0.02
mm以下の薄いフイルムが好ましい。フイルムの形態と
しては、全面均一な通常のフイルムの他、孔空きフイル
ムであってもよい。このような不織布は、たとえば低融
点のポリマーを溶融してオリフィスから紡出し、オリフ
ィスの両側から噴射される高速加熱流体で牽引細化して
捕集面でウエブ形成される、いわゆるメルトブロー方式
やフイラメント群を紡糸し、紡出フイラメントを開繊分
散させてウエブ形成される、いわゆるスパンボンド方式
であってよく、とくに限定するものではない。
【0068】このようにすることにより、目どめ剤を用
いた場合と同じように、湿式プリプレグ加工工程におい
て、溶剤の量が多くて樹脂粘度が小さい間は繊維同士の
接着力が弱い場合においても、低融点ポリマーの目どめ
剤からなる不織布、またはフイルムを強化繊維織物の少
なくとも片面に配置することで織糸の幅方向の拘束でき
るのである。
【0069】このような本発明に係る強化繊維織物の湿
式プリプレグの製造方法に用いる熱硬化性樹脂には、エ
ポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル
樹脂やフェノール樹脂などが用いられる。なかでも、本
発明の製造方法は、フェノール樹脂による湿式プリプレ
グの製造法として好ましい。
【0070】本発明の湿式プリプレグ加工工程の一実施
態様を図3に示した。基本構成は、前述の図1に示した
のと同等の構成である。図3において、下部に設置し樹
脂バス26に、溶剤で希釈した溶液27を入れ、この樹
脂バス26にロール状に巻かれた織物21を1.5m/
分〜5m/分程度の速度で引き出しながら浸漬し、織物
の繊維間に樹脂を含浸させ、これを、十分な長さの乾燥
ゾーンを有し、頂部に回転ロール28を付けた縦型乾燥
炉29に通す。なお、織物の種類、乾燥速度、乾燥温
度、樹脂の種類、溶剤の種類や樹脂付着量によっても異
なるが、縦型乾燥炉29の高さとしては8m〜15m、
樹脂含浸織物の上昇部と下降部で乾燥されるから、乾燥
ゾーンの長さとしては、乾燥炉の高さの2倍、つまり1
6m〜30m程度が適当である。
【0071】次に、樹脂バス26通過後回転ロール28
まで直線的に溶液の付着した織物21を立ち上がらせ、
織物の上り側の壁面30の吹出し口31、32から温度
A、Bの熱風を織物面に直角方向に吹き付けて、ある程
度溶剤を乾燥させた後、次に回転ロール28に通して織
物21の進行方向を反転させ、下り側の壁面33の吹出
し口34、35からも温度C、Dの熱風を織物面に直角
方向に吹き付けて残りの溶剤を乾燥させる。なお、壁面
における熱風吹出し口が上り側の壁面30および下り側
の壁面33で各々2〜4分割し、各々の吹出し口からの
熱風温度が異なるようにして、溶剤の乾燥状態を制御出
来るようにしておくと好ましい。また、織物の上昇部と
下降部の乾燥温度が変更できるように縦型乾燥炉29の
中央部に、織物面と並行するようにセパレータ36を取
り付けておくと、各乾燥ゾーンの温度を正確に設定する
ことが出来る。
【0072】溶剤を乾燥した織物を離形紙37を挟みな
がら巻き取ることによって湿式加工法によるプリプレグ
が得られるのである。
【0073】なお、溶剤を乾燥するにあたり、少なくと
も乾燥工程における乾燥ゾーンの前半の熱風温度が溶剤
の、2種類以上の溶剤を混合する場合は沸点が最も低い
溶剤の沸点以下であることが好ましい。ただし、沸点が
最も低い溶剤の混合溶剤に占める割合が10%未満であ
るなど、その悪影響が殆ど顕在化しない場合は無視して
もかまわない。最も低い溶剤の沸点を超えると溶剤が乾
燥する際、織物に付着した、樹脂を希釈した溶液が発泡
し、この泡生成の力が、扁平糸織物のたて糸とよこ糸の
交錯による織糸の拘束が緩やかであり、また糸束は無撚
糸束内で繊維同士による交絡もないから、織糸の繊維配
列を乱し、織糸の扁平状態を潰し、織物規格にもよる
が、織糸が細幅化することがあるので、工程における、
乾燥始めから乾燥ゾーンの少なくとも1/4までの間の
熱風温度が溶剤の沸点以下であることが好ましい。ある
程度溶剤の乾燥が進むと、樹脂の粘着性による繊維の拘
束が向上するので、乾燥温度を上げることが出来る。
【0074】また、本発明の湿式プリプレグの製造法と
して、溶剤を乾燥させた後、織物プリプレグを離形フイ
ルムまたは離形紙に挟むなどして、樹脂がロールに付着
しないようにしながら80℃〜150℃に加熱したカレ
ンダロールで線圧が1.0kg/cm〜50kg/cm
の状態で加圧しながら、供給速度1m/分〜5m/分程
度で通すと、織糸が扁平状である、交錯点数が少ない、
また織糸が無撚であることもあって、たて糸およびよこ
糸の織糸の幅が拡がり、カバーファクターが100%の
プリプレグも得られる。
【0075】このような本発明に用いる強化繊維として
も、ガラス繊維、ポリアラミド繊維、炭素繊維などの高
強度・高弾性率の強化繊維であり、なかでも、引張弾性
率が200GPa以上、引張強度が4,500MPa以
上の炭素繊維は高強度・高弾性率であるのみならず、耐
衝撃性にも優れ、また、樹脂がフェノール樹脂である
と、炭素繊維は燃焼しないので耐火性にも優れる。ま
た、使用する炭素繊維糸のフィラメント数は6,000
〜30,000本程度で、織物の炭素繊維目付は140
g/m2 〜400g/m2 程度が好ましい。
【0076】図4は、本発明に係る強化繊維織物の湿式
プリプレグの製造方法で使用する扁平糸織物21の他の
一実施態様を示している。図4において、扁平なたて糸
22およびよこ糸23からなる強化繊維織物の片面に低
融点ポリマーの目どめ剤からなる不織布38が接着さ
れ、不織布38を構成する低融点ポリマー繊維39が強
化繊維織物の扁平なたて糸22およびよこ糸23の幅全
体を該低融点ポリマー繊維39で接着し、拘束してい
る。
【0077】また、本発明では、本発明の製造法から得
られる、糸幅が3〜20mm、糸幅/糸厚み比が20以
上の無撚の扁平な強化繊維糸からなり、たて糸とよこ糸
の交錯点数が1平方メートル当たり2,500〜25,
000個でカバーファクターが90%以上の強化繊維織
物のプリプレグを特徴とする。
【0078】糸幅が3〜20mm、糸幅/糸厚み比が2
0以上の扁平な強化繊維からなり、たて糸とよこ糸の交
錯点数が1平方メートル当たり2,500〜25,00
0個と少ない交錯点数の織物プリプレグであるから、ド
レープ性に優れる。また無撚の扁平な強化繊維糸からな
る織物であるから、撚りによるくびれが無くて、全体的
に目明き状態が均一な織物プリプレグとなる。また、カ
バーファクターが90%以上であるから、強化繊維が均
一に分散した織物プリプレグとなり、強化繊維が存在し
ない目明き部が小さいから、成形の際、目明き部にボイ
ドが集中するようなことはなく、複合材料に成形した際
の機械的特性が均一となる。
【0079】また、本発明では、本発明の製造法から得
られる、たて糸およびよこ糸がフィラメント数が12,
000本以上の炭素繊維束からなり、炭素繊維の重量が
1平方メートルあたり140〜240gで、たて糸およ
びよこ糸の織り密度がほぼ同じ強化繊維織物のプリプレ
グであることを特徴とする。太い炭素繊維糸条で繊維の
使用量の少ない、薄いプリプレグとなるので安価なプリ
プレグとなり、また、30〜60重量%の通常の樹脂付
着量で薄いプリプレグとなるから、軽い成形品が得られ
る。
【0080】とくに、本発明の樹脂がフェノール樹脂で
あると、得られるFRPは難燃性に優れるので好まし
い。そして本発明のプリプレグは、また、たて糸とよこ
糸の交錯点数が平方メートル当たり2,500〜25,
000個であるから、炭素繊維が存在しない目明き部個
数が少なくなり、カバーファクターが90%以上である
から目明き面積も小さくなり、強化繊維が炭素繊維であ
るから耐火性に優れる。このようなプリプレグは、とく
に火災の際の炎が遮断されるので、とくに、航空機の、
サイドウォール、ギャレイ、化粧室やフロアパネルを構
成するサンドイッチ構造のFRP強化材として好ましく
用いられる。また、電車やバスなどの内装材としても好
ましく用いられる。
【0081】
【実施例】・織物A フイラメント数が6,000本の無撚りの扁平状の炭素
繊維束からなるたて糸に解舒撚りが入らないようにボビ
ンからよこ取り解舒し、また、たて糸道においても撚り
が入らないように扁平状態を規制し、よこ糸は、たて糸
と同じ炭素繊維束を使用し、通常のたて取り解舒して、
たて糸およびよこ糸密度が2.5本/cm、平組織で交
錯点数が62,500個の、炭素繊維の重量が1平方メ
ートルあたり200gの織物Aを作製した。この織物を
構成するたて糸およびよこ糸の撚り数を測定したら、た
て糸は零、よこ糸には解舒撚りが入り、撚り数は10本
の平均値で2.6回/mあった。撚りが入っている箇所
は扁平状であった炭素繊維束がくびれて細くなってお
り、またよこ糸は、たて糸の扁平状とは異なり、全体的
に細くなり、織物のカバーファクターは89%であり、
織物の目明き部も大きかった。
【0082】・織物B フイラメント数が12,000本の炭素繊維束を使用
し、織物Aと同じ方法で、たて糸およびよこ糸密度が
1.20本/cm、平組織で交錯点数が14,400個
の炭素繊維の重量が1平方メートルあたり193gの織
物Bを作製した。なお、この織物では、織物を作製する
際、よこ方向に目どめ剤としてアルコールに不溶性の、
70デニールの低融点共重合ナイロン糸が炭素繊維束の
ほぼ中央部に配置し、織機上で加熱溶融し、たて糸とよ
こ糸を接着させ、目どめ加工を行った。作製した織物の
たて糸およびよこ糸の撚り数を測定したら、たて糸は
零、よこ糸には解舒撚りが入り、撚り数は10本の平均
値で3.2回/mあった。織物Aと同様、撚りが入って
いる箇所は扁平状であった炭素繊維束がくびれて細くな
っており、またよこ糸は、たて糸の扁平状とは異なり、
全体的に細くなり、織物のカバーファクターは80%で
あり、織物の目明き部も大きかった。
【0083】実施例1〜2 フェノール樹脂と溶媒としてメタノールを使用し、プリ
プレグの加工速度が1.5m/分でプリプレグの樹脂重
量割合WR がほぼ40%となるようにフェノール樹脂を
メタノールで希釈した溶液を準備した。
【0084】下部に設置し樹脂バスに、溶剤で希釈した
溶液、この樹脂バスにロール状に巻かれた織物Aを1.
5m/分の速度で引き出しながら浸漬して、織物の繊維
間に樹脂を含浸させ、これを高さが10mの頂部に回転
ロールを付けた縦型乾燥炉に通した。樹脂バス通過後回
転ロールまで直線的に溶液の付着した織物を立ち上がら
せ、織物の上り側の壁面から熱風を織物面に直角方向に
吹き付けて、ある程度溶剤を乾燥させた後、次に回転ロ
ールに通して織物の進行を反転させ、下り側の壁面から
熱風を織物面に直角方向に吹き付けて残りの溶剤を乾燥
させ、この樹脂が含浸したプリプレグの温度が80℃の
状態で、100℃に加熱したカレンダーロールに線圧が
9.8kg/cmで糸拡げを行い、離形紙を挟みながら
プリプレグAを巻き取った。同様に、織物Bを使用しプ
リプレグBを作製した。加工後のプリプレグのカバーフ
ァクターを測定しその結果を表1に示した。
【0085】比較例1〜2 織物A、Bを使用し、実施例の場合とは異なりカレンダ
ーロールによる糸拡げ操作を行わず、その他は実施例と
同様な条件にして、乾燥炉で溶剤を乾燥しプリプレグを
作製し、離形紙を挟みながらプリプレグA、Bを各々巻
き取った。加工後のプリプレグのカバーファクターを測
定しその結果を表1に示した。
【0086】扁平状の炭素繊維糸条を使用して織物を作
製したが、織物の製造過程でよこ糸に解舒よりが入った
こともあって、空隙部の大きくて、カバーファクターは
織物Aが89%、織物Bが80%と小さな織物であっ
た。
【0087】これを従来の方法で湿式プリプレグ加工し
たところカバーファクターは織物Aが83%、織物Bが
82%のプリプレグとなり、いずれも元の織物よりもカ
バーファクターが小さくなり、またプリプレグ目明き部
の1個当り平均面積も各々2.72mm2 、12.50
mm2 と大きなものであった(比較例1、2)。
【0088】一方、本発明の製造方法によってカレンダ
ーロールによる糸拡げ操作を行ったプリプレグのカバー
ファクターは織物Aが99%、織物Bが98%のプリプ
レグとなり、いずれも元の織物よりもカバーファクター
が大幅に大きくなり、織物の糸拡げが十分行えていると
いえる。またプリプレグ目明き部の1個当り平均面積も
各々0.16mm2 、1.39mm2 と小さくなり、炭
素繊維が均一に分散し品位に優れたプリプレグとなった
(実施例1、2)。
【0089】
【表1】
【0090】実施例3〜11、比較例3〜5 糸幅が6.5mm、糸幅/糸厚み比が65の無撚の扁平
な、フィラメント数が12,000本の炭素繊維束から
なる、たて糸およびよこ糸密度が1.25本/cm、平
組織で交錯点数が1平方メートル当たり15,600個
で炭素繊維の重量が1平方メートル当たり200gの織
物C、および前記強化繊維と同じ炭素繊維束によるたて
糸およびよこ糸密度が1.00本/cm、平組織で交錯
点数が平方メートル当たり10,000個で炭素繊維の
重量が1平方メートル当たり160gの織物Dに、目ど
め位置として、たて糸または/およびよこ糸の糸幅中央
部に、目どめ剤としてアルコールに可溶性の低融点共重
合ナイロン、低融点ポリエステル、ポリエチレンを用
い、補助糸としてのガラス繊維糸ECE225、1/0
に目どめ剤を被覆した、織物幅が100cmの各目どめ
織物を作製し、この織物を各々30mの長さをロール状
に巻いた。
【0091】また、織物C、Dに使用したと同じ炭素繊
維束からなる、たて糸およびよこ糸密度が1.20本/
cm、平組織で交錯点数が1平方メートル当たり14,
400個で炭素繊維の重量が193g/m2 の織物にア
ルコールに不溶性の低融点ポリエステル繊維からなる繊
維目付5g/m2 の不織布を織物の片面に重ね合わせ、
160℃に加熱したヒータ間を通過させ、不織布と織物
を一体化させた織物E、およびたて糸およびよこ糸密度
が1.00本/cm、平組織で交錯点数が1平方メート
ル当たり10,000個で炭素繊維の重量が160g/
2 の織物に低融点ポリエステル繊維からなる繊維目付
5g/m2 の不織布を織物の片面に重ね合わせ織物Fを
作製し、この織物を織物C、Dと同じく各々30mの長
さをロール状に巻いた。
【0092】湿式プリプレグ加工の樹脂としてはフェノ
ール樹脂を使用し、これを溶剤Aとしてメタノールで希
釈した溶液、MEKで希釈した溶液、およびMEKとメ
タノールを重量比で90:10の割合で混合した溶剤で
希釈した溶液を作製した。なお、溶剤による樹脂の希釈
は、プリプレグの加工速度が2.5m/分の条件下でプ
リプレグの樹脂重量含有率がほぼ40%となるように調
整した。なお、実験に使用した織物の種類、目どめ剤の
種類と溶剤の組み合せを表2、表3に示した。
【0093】下部に設置した樹脂バスに、溶剤で希釈し
た溶液を入れ、この樹脂バスにロール状に巻かれた織物
を2.5m/分の速度で引き出しながら浸漬して、織物
の繊維間に樹脂を含浸させ、これを高さが10mの頂部
に回転ロールを付けた縦型乾燥炉に通した。樹脂バス通
過後回転ロールまで直線的に溶液の付着した織物を立ち
上がらせ、織物の上り側の壁面から温度A、Bの熱風を
織物面に直角方向に吹き付けて、ある程度溶剤を乾燥さ
せた後、次に回転ロールに通して織物の進行方向を反転
させ、下り側の壁面から温度C、Dの熱風を織物面に直
角方向に吹き付けて残りの溶剤を乾燥させ、離形紙を挟
みながらプリプレグを巻き取った。なお、織物の上昇部
と加工部の乾燥温度が変更できるように縦型乾燥炉の中
央部に、織物面と並行するようにセパレータを取り付け
た。熱風温度は表2、表3に示した。
【0094】また、このプリプレグを100℃に加熱し
たカレンダーロールに線圧が20kg/cmで、供給速
度が1m/分で通した。
【0095】上記湿式プリプレグ加工後およびカレンダ
ー加工後のプリプレグのカバーファクターを測定しその
結果を表2、表3、表4に示した。
【0096】
【表2】
【0097】
【表3】
【0098】
【表4】
【0099】上記の実験による実施例3〜9および比較
例3〜5から下記のことがいえる。 A.低融点ナイロンに溶解性のメタノールを溶剤にする
と、織糸の扁平度が潰れ、糸幅が細くなることによって
カバーファクターの小さなプリプレグとなるが(比較例
3、4)、低融点ナイロンに対して非溶解性の溶剤であ
るMEKを使用することによって、織物プリプレグのカ
バーファクターはプリプレグ加工前の織物に比べ若干小
さくなることがあるものの、90%以上の高いカバーフ
ァクターを有するプリプレグが得られた(実施例3、
4、6、9)。
【0100】B.目どめ剤のポリマーに対して可溶性の
溶剤であるメタノールを不溶性の溶剤であるMEKに1
0%程度混合しても、目どめ剤の効果があり、90%以
上の高いカバーファクターを有するプリプレグが得られ
た(実施例5)。
【0101】C.目どめ剤のポリマーが低融点ポリエス
テルやポリエチレンの場合も、不溶性の溶剤であるメタ
ノールを使用することによって、A項と同様な効果があ
った(実施例7、8、10、11)。
【0102】D.工程における、乾燥始めの熱風温度
A、Bを溶剤の沸点以上にすると織糸の扁平度が潰れ、
カバーファクターが80%の小さいプリプレグとなるが
(比較例5)、乾燥ゾーンの1/2を熱風温度が溶剤の
沸点以下の温度にすることによって、95%以上の高い
ーカターファクターを有するプリプレグが得られた(実
施例3)。
【0103】E.プリプレグをカレンダー加工すること
によって、織糸が拡がり、カバーファクターが94%〜
97%のプリプレグが100%に向上し、完全に炭素繊
維が分散したプリプレグが得られた(実施例3〜9)。
【0104】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の強化繊維
織物のプリプレグおよびその製造方法によれば、実質的
に撚りのない強化繊維糸条からなり、たて糸とよこ糸の
交錯点数が小さな織物に樹脂を含浸したのち、または樹
脂を含浸しながら加圧ロールで糸拡げを行うから、糸が
十分拡がり、カバーファクターの大きなプリプレグが得
られる。
【0105】また、本発明のプリプレグによれば、太い
強化繊維糸条で薄いプリプレグとなるから安価で、軽い
成形品が得られる。また織糸間の空隙によって形成され
るプリプレグの目明き部がなくて、繊維が均一に分散し
ているから、ハニカムコキュアー成形法でハニカムサン
ドイッチ構造体を成形しても欠陥が入るようなことはな
く、とくに航空機の内装材として優れた効果を奏する。
【0106】また、本発明の強化繊維織物の湿式プリプ
レグの製造方法およびその方法により製造されたプリプ
レグによれば、扁平状の織糸からなる織糸同士の拘束度
合いが弱い織物であっても、湿式プリプレグ加工で織糸
が潰されるようなことはなく、織糸間の隙間がなくて、
繊維が均一に分散した織物プリプレグが得られる。
【0107】また、この織物プリプレグは、太い強化繊
維糸で薄いプリプレグとなるから安価で、軽い成形品が
得られる。また織糸間の隙間がなくて、繊維が均一に分
散しているから、成形された複合材料の機械的特性が均
一で、とくに内装材として優れた効果を奏する。
【図面の簡単説明】
【図1】本発明の一実施態様に係るプリプレグの製造方
法を示す、プリプレグ製造工程の概略縦断面図である。
【図2】本発明の一実施態様に係るプリプレグ作製用の
強化繊維織物の部分平面図である。
【図3】本発明の別の実施態様に係るプリプレグの製造
方法を示す、プリプレグ製造工程の概略縦断面図であ
る。
【図4】本発明の他の一実施態様に係るプリプレグ作製
用の強化繊維織物の平面図である。
【符号の説明】
1 強化繊維織物 2 樹脂バス 3 溶液 4 回転ロール 5 縦型乾燥炉 6、9 壁面 7、8、10、11 熱風吹出し口 12 セパレータ 13 カレンダーローラ 14 離形紙 21 強化繊維織物 22 たて糸 23 よこ糸 24、25 目どめ剤 26 樹脂バス 27 溶液 28 回転ロール 29 縦型乾燥炉 30、33 壁面 31、32、34、35 熱風吹出し口 36 セパレータ 37 離形紙 38 不織布 39 低融点ポリマー繊維

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に撚りのない強化繊維糸条からな
    り、たて糸とよこ糸の交錯点数が1平方メートル当たり
    2,000〜70,000個の範囲にあり、カバーファ
    クターが70%以上の織物に樹脂を含浸したのち、カレ
    ンダーロールで糸拡げを行うことを特徴とする、強化繊
    維織物のプリプレグの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記強化繊維糸条が無撚である、請求項
    1の強化繊維織物のプリプレグの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記強化繊維糸条が炭素繊維のマルチフ
    ィラメントである、請求項1または2の強化繊維織物の
    プリプレグの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記強化繊維糸条のフィラメント数が
    6,000〜24,000本の範囲にある、請求項3の
    強化繊維織物のプリプレグの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記強化繊維織物のたて糸とよこ糸が目
    どめ剤で接着している、請求項1ないし4のいずれかに
    記載の強化繊維織物のプリプレグの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記目どめ剤が共重合ナイロンであり、
    目どめ剤の使用量が0.5〜15g/m2 の範囲にある、
    請求項5の強化繊維織物のプリプレグの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載の方
    法によって得られる、たて糸とよこ糸の交錯点数が1平
    方メートル当たり2,000〜70,000個の範囲に
    あり、カバーファクターが97%以上であることを特徴
    とする強化繊維織物のプリプレグ。
  8. 【請求項8】 たて糸とよこ糸が6,000フィラメン
    ト以上の炭素繊維糸からなり、たて糸およびよこ糸の織
    り密度がほぼ同じで、織物の炭素繊維重量が140〜2
    40g/m2 の範囲にある、請求項7の強化繊維織物の
    プリプレグ。
  9. 【請求項9】 たて糸とよこ糸が12,000フィラメ
    ント以上の炭素繊維糸からなり、たて糸およびよこ糸の
    織り密度がほぼ同じで、織物の炭素繊維重量が140〜
    240g/m2 の範囲にある、請求項7の強化繊維織物
    のプリプレグ。
  10. 【請求項10】 強化繊維が開繊・拡幅し、たて糸とよ
    こ糸によって形成される目明き部の平均面積が1個当り
    1.5mm2 以下である、請求項7ないし9のいずれか
    に記載の強化繊維織物のプリプレグ。
  11. 【請求項11】 強化繊維が開繊・拡幅し、たて糸とよ
    こ糸によって形成される目明き部が閉塞されている、請
    求項7ないし9のいずれかに記載の強化繊維織物のプリ
    プレグ。
  12. 【請求項12】 糸幅が3〜20mmの範囲にあり、糸
    幅/糸厚み比が20以上の無撚の扁平な強化繊維糸から
    なり、たて糸とよこ糸の交錯点数が1平方メートル当た
    り、2,500〜25,000個でカバーファクターが
    90%以上の強化繊維織物を用い、(1)ポリマーから
    なる目どめ剤を強化繊維織物に線状に配置して、よこ糸
    および/またはたて糸の糸幅全体にわたって接着し、
    (2)該強化繊維織物を、熱硬化性樹脂を、少なくとも
    80%以上が前記ポリマーに対し不溶性である溶剤Aで
    希釈した溶液に浸漬し、(3)その後、熱風で溶剤を乾
    燥させる、ことを特徴とする強化繊維織物の湿式プリプ
    レグの製造方法。
  13. 【請求項13】 糸幅が3〜20mmの範囲にあり、糸
    幅/糸厚み比が20以上の無撚の扁平な強化繊維糸から
    なり、たて糸とよこ糸の交錯点数が1平方メートル当た
    り、2,500〜25,000個でカバーファクターが
    90%以上の強化繊維織物を用い、(1)ポリマーの目
    どめ剤からなる不織布を強化繊維織物の少なくとも片面
    に配置し、強化繊維織物のたて糸およびよこ糸を糸幅全
    体にわたって接着し、(2)該強化繊維織物を、熱硬化
    性樹脂を、少なくとも80%以上が前記熱融着性繊維に
    対し不溶性である溶剤Aで希釈した溶液に浸漬し、
    (3)その後、熱風で溶剤を乾燥させる、ことを特徴と
    する強化繊維織物の湿式プリプレグの製造方法。
  14. 【請求項14】 糸幅が3〜20mmの範囲にあり、糸
    幅/糸厚み比が20以上の無撚の扁平な強化繊維糸から
    なり、たて糸とよこ糸の交錯点数が1平方メートル当た
    り、2,500〜25,000個でカバーファクターが
    90%以上の強化繊維織物を用い、(1)ポリマーの目
    どめ剤からなるフィルムを強化繊維織物の少なくとも片
    面に配置し、強化繊維織物のたて糸およびよこ糸を糸幅
    全体にわたって接着し、(2)該強化繊維織物を、熱硬
    化性樹脂を、少なくとも80%以上が前記熱融着性繊維
    に対し不溶性である溶剤Aで希釈した溶液に浸漬し、
    (3)その後、熱風で溶剤を乾燥させる、ことを特徴と
    する強化繊維織物の湿式プリプレグの製造方法。
  15. 【請求項15】 溶剤を乾燥するにあたり、乾燥工程に
    おける、乾燥始めから乾燥ゾーンの少なくとも1/4ま
    での間の熱風温度が溶剤の沸点以下である、請求項12
    ないし14のいずれかに記載の強化繊維織物の湿式プリ
    プレグの製造方法。
  16. 【請求項16】 溶剤を乾燥させたのち、プリプレグを
    カレンダーロールかけする、請求項12ないし15のい
    ずれかに記載の強化繊維織物の湿式プリプレグの製造方
    法。
  17. 【請求項17】 前記目どめ剤がアルコールに可溶性の
    共重合ナイロンからなり、前記溶剤Aが非アルコール系
    の溶剤からなる、請求項12ないし16のいずれかに記
    載の強化繊維織物の湿式プリプレグの製造方法。
  18. 【請求項18】 前記目どめ剤がアルコールに不溶性の
    共重合ナイロンからなり、前記溶剤Aがアルコール系の
    溶剤からなる、請求項12ないし16のいずれかに記載
    の強化繊維織物の湿式プリプレグの製造方法。
  19. 【請求項19】 前記目どめ剤が低融点ポリエステルか
    らなり、前記溶剤Aがアルコール系の溶剤からなる、請
    求項12ないし16のいずれかに記載の強化繊維織物の
    湿式プリプレグの製造方法。
  20. 【請求項20】 前記目どめ剤が少なくともよこ糸に付
    着している、請求項12、15ないし19のいずれかに
    記載の強化繊維織物の湿式プリプレグの製造方法。
  21. 【請求項21】 低熱収縮性の補助糸に前記ポリマーか
    らなる目どめ剤が被覆されている、請求項12、15な
    いし20のいずれかに記載の強化繊維織物の湿式プリプ
    レグの製造方法。
  22. 【請求項22】 前記樹脂が熱硬化性のフェノール樹脂
    である、請求項12ないし21のいずれかに記載の強化
    繊維織物の湿式プリプレグの製造方法。
  23. 【請求項23】 前記強化繊維糸が炭素繊維糸である、
    請求項12ないし22のいずれかに記載の強化繊維織物
    の湿式プリプレグの製造方法。
  24. 【請求項24】 前記目どめ剤の使用量が0.5〜15
    g/m2 の範囲にある、請求項12ないし23のいずれ
    かに記載の強化繊維織物の湿式プリプレグの製造方法。
  25. 【請求項25】 請求項12ないし24のいずれかに記
    載の方法によって得られる、糸幅が3〜20mmの範囲
    にあり、糸幅/糸厚み比が20以上の無撚の扁平な強化
    繊維糸からなり、たて糸とよこ糸の交錯点数が1平方メ
    ートル当たり2,500〜25,000個でカバーファ
    クターが90%以上であることを特徴とする強化繊維織
    物のプリプレグ。
  26. 【請求項26】 たて糸およびよこ糸がフィラメント数
    が12,000本以上の炭素繊維束からなり、炭素繊維
    の重量が140〜240g/m2 の範囲にあり、たて糸
    およびよこ糸の織り密度がほぼ同じである、請求項25
    の強化繊維織物のプリプレグ。
  27. 【請求項27】 前記樹脂がフェノール樹脂である、請
    求項25または26の強化繊維織物のプリプレグ。
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