JPH11216831A - 複合材料およびその製造方法 - Google Patents

複合材料およびその製造方法

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JPH11216831A
JPH11216831A JP10020713A JP2071398A JPH11216831A JP H11216831 A JPH11216831 A JP H11216831A JP 10020713 A JP10020713 A JP 10020713A JP 2071398 A JP2071398 A JP 2071398A JP H11216831 A JPH11216831 A JP H11216831A
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JP
Japan
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paper
thermoplastic resin
composite material
resin film
layers
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JP10020713A
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English (en)
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Yoshinori Suga
義訓 菅
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紙が本来持つ強度を有効に生かし、かつ十分
に紙を有効利用した、高強度かつ低公害の新規な複合材
料の提供。 【解決手段】 熱可塑性樹脂フィルムと裁断紙片を交互
に5層以上積層し、複合材料とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木材、合板、繊維
板、熱可塑性樹脂等の構造材料を代替し得る新規な複合
材料およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】木材、合板等の伐採木材を原料とする構
造材料は安価で、剛性に優れ、生分解性を有し、焼却し
ても公害を引き起こさない材料としてコンクリート型
枠、床材、机に代表される建築材料、内層材料、家具用
材料等に幅広く用いられてきた。しかしながら、熱帯雨
林減少に見られる近年の世界規模に及ぶ森林資源の破壊
は、これまで行われてきた無制限な木材利用に極めて大
きな制約を課しつつあり、木材に代わる新規な構造材料
の出現が待ち望まれている。
【0003】上記課題に対して熱可塑性樹脂を構造材料
として用いることが従来より行われているが、一般に熱
可塑性樹脂は高価であり、生分解性に劣り、焼却処理の
際にはダイオキシン等の有害物質を発生する場合があ
り、さらには燃焼に伴う発熱量が大きいため焼却炉を損
傷してしまう等の問題があった。また、森林資源の破壊
に関わる別な問題として、木材を原料として生産される
紙の消費量の増加が問題となっている。即ち、近年のオ
フィスオートメーション化進展に伴い、発生する紙ゴミ
量が年々増加の一途をたどっており、これらの有効利用
を目指して古紙から再生紙を製造する動きが活発化して
いる。しかしながら、古紙を再生するには複雑な工程を
必要とするため、再生紙は普通紙に比べて却ってコスト
高となる傾向にあり、十分に再利用がなされていないと
いう問題があった。
【0004】そこで、古紙と熱可塑性樹脂の複合化によ
って、紙の原料である木材に似た物性を発現させ、資源
を有効利用した複合材料を提供することが考えられる。
実際、J.P.Schneider et al.,
J.Vinyl & Additiv Tech.,
1,103(1995)に記載されているように紙をフ
ィラーとして活用する試みが行われている。ところが、
これまでに行われている方法では熱可塑性樹脂に紙を加
え混練機等で混練しているため、溶融樹脂中で紙の切断
が起こり、紙が本来持つ強度が有効に生かせていない問
題があった。また同時に、紙の添加によって溶融粘度が
著しく増大するため、均一な複合材料とするには紙の重
量分率に制限が生じ、十分に紙を有効利用した複合材料
を提供することが困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、紙が
本来持つ強度を有効に生かし、かつ十分に紙を有効利用
した、高強度かつ低公害の新規な複合材料の提供であ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、交互に5層以
上積層した熱可塑性樹脂フィルムと裁断紙片からなる層
からなることを特徴とする複合材料および熱可塑性樹脂
フィルムと裁断紙片からなる層とを交互に5層以上積層
した後に熱プレスすることを特徴とする複合材料の製造
方法、に存する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳細に説明す
る。本発明に用いられる熱可塑性樹脂フィルムを構成す
る熱可塑性樹脂は、フィルムに成形可能な熱可塑性樹脂
であればよく、特に限定されないが、例えば、ポリエチ
レン(高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレ
ン、低密度ポリエチレン)、ポリプロピレン(アイソタ
クチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロ
ピレン)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン6
6、ナイロン12)、ポリスチレン、ポリカーボネー
ト、ポリビニルアルコール、AS樹脂、ABS樹脂、ポ
リメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルブチラ
ール、ポリアクリロニトリル、ポリエーテルエーテルケ
トン、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリブテン−
1、シリコーン樹脂、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロ
エチレン、ポリフッ化ビニリデン)、ポリフェニレンオ
キシド、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミド樹脂
(ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド)、ポリアリ
レート、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、セルロ
ースアセテート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ン、ポリパラキシレン、ポリメチレンオキサイド、ポリ
エチレンオキサイド、ポリビニルカルバゾール等が挙げ
られる。これらは1種または2種以上使用することがで
きる。上記熱可塑性樹脂には通常使用可能な配合剤、例
えば、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、熱安定
剤、難燃剤、導電性付与剤、充填剤、抗菌剤、防黴剤、
湿潤剤、帯電防止剤、可塑剤、顔料等を適宜配合するこ
とができる。特に顔料の添加は、外観向上の点で好まし
い。
【0008】熱可塑性樹脂フィルムの製造には、各種の
成形法が適用可能であり、具体的にはインフレーション
法、Tダイ法、溶液流延法、カレンダー法等を適用する
ことができる。また成形後の熱可塑性樹脂フィルムを適
宜2次加工することも可能であり、具体的には1軸延伸
加工、2軸延伸加工、コロナ放電処理、クロム酸処理、
火炎処理、熱風処理、オゾン照射処理、紫外線照射処
理、サンドブラスト処理、溶剤処理、真空蒸着処理、ス
パッタリング処理等を使用することができる。曲げ強度
を向上させるためには熱可塑性樹脂フィルムの延伸処理
が効果的であり、特にポリオレフィン2軸延伸フィルム
は強度が高く異方性が少ないことから好適である。また
紙と熱可塑性樹脂フィルムの接着強度を高め、力学的物
性を強化する目的にはコロナ放電処理が好適であり、表
面水酸基の生成によって紙への接着性を高めることがで
きる。
【0009】上記方法によって得られる熱可塑性樹脂フ
ィルムの厚みは、得られる複合材料の性状、すなわち裁
断紙片の分散性、曲げ強度、紙と熱可塑性樹脂の接着強
度等によって適宜選択できるが、好ましくは5〜100
0μm、より好ましくは10〜500μm、さらに好ま
しくは20〜200μmの範囲である。
【0010】本発明における裁断紙片とは、紙の裁断片
からなる紙片のことであり、秘密文書等の廃棄に用いら
れるシュレッダー装置より発生するシュレッダー屑は、
本発明に用いられる裁断紙片として最も好適である。裁
断紙片の大きさは、表面積45cm2以下が好ましく、
より好ましくは10cm2以下、更に好ましくは5cm 2
以下である。シート状の紙ではなく裁断紙片を利用する
ことによって、本発明において用いられる紙の選択自由
度は著しく広がるものであり、異なる厚みや種類の紙が
混在していたとしても紙片となっていれば混合して使用
することが可能となる。また、シート状の紙と熱可塑性
樹脂フィルムからなる積層体では紙にしわがよらないよ
うにする手間が生じ、複雑な製造プロセスが必要になる
のに対して、紙片形状の紙ならば熱可塑性フイルム上に
散布するだけで簡単に製造することが可能となる。更
に、熱可塑性樹脂フィルムと紙片からなる層とを交互に
積層した後に熱プレスするため、紙片の間に形成された
空間に溶融流動化した熱可塑性樹脂が効率よく含浸し、
熱可塑性樹脂と紙の一体化が有効に行われる利点があ
る。
【0011】紙の種類は特に限定されないが、曲げ強度
を向上させるには引っ張り破断強度に優れた上質紙を使
用するのが好ましく、資源の有効利用の面からは使用済
み新聞紙、雑誌、プリンタ用紙等の古紙が好ましい。前
記した熱可塑性樹脂と同様に、本発明で用いる紙におい
ても難燃剤や防虫剤の含浸、塗料の塗布、表面処理等に
よって各種の機能を付与することが可能である。熱可塑
性樹脂フィルム表面に裁断紙片を積層させる際には、そ
の分量を適切に保つことが重要であり、具体的には1層
当たり10〜150mg/cm2が好ましく、より好ま
しくは20〜100mg/cm2、更に好ましくは30
〜70mg/cm2の表面密度とする。
【0012】本発明の複合材料は、熱可塑性樹脂フィル
ムと裁断紙片が交互に積層された構造であるため、不均
一性を少なくするためには各層の厚みをできる限り薄く
保ち、積層数をより多くすることが有効である。従っ
て、単一層の厚みとしては、1000μm以下、より好
ましくは500μm以下、更に好ましくは100μm以
下とするのが好適である。積層化する層の数としては特
に制限はないが、前述のように複合材料の均一性は積層
数を増すほど顕著となるので、5層以上、より好ましく
は10層以上、更に好ましくは20層以上の積層化を行
うのが好適である。また、力学的強度を向上させ、燃焼
熱を低く抑えた材料とするためには、紙の重量分率を増
加させることが望ましく、好ましくは40重量%以上、
より好ましくは50重量%以上、更に好ましくは60重
量%以上とする。
【0013】本発明においては、熱プレスによって一体
化し複合材料を製造するため、熱プレス条件、即ち温
度、圧力等によって、最終的に得られる複合材料の性状
を制御することが可能である。本発明の熱プレスの温度
は、本発明に用いた熱可塑性樹脂のヒートシール温度か
ら熱分解温度までの範囲、好ましくは該熱可塑性樹脂の
融点から熱分解温度までの範囲から選択されるが、熱可
塑性樹脂の含浸が進行しやすい条件を選択するのが好ま
しい。また、力学的強度が高い複合材料を得るためには
紙の炭素化が進行しやすい温度(200℃以上)を選択
するのが好ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリスチレンでは200〜250℃の温度が
好ましい。加熱の手段は特に限定されず、電熱線ヒータ
ー、スチーム、高周波加熱等が利用できる。また、圧力
は高いほど熱可塑性樹脂と裁断紙片の接着強度が増大す
るので好ましいが、あまりにも高い圧力では裁断紙片が
切断されるので、5〜200kgf/cm2、より好ま
しくは10〜150kgf/cm2、更に好ましくは2
0〜150kgf/cm2の範囲から選択する。加圧の
手段は特に限定されず、平板プレス、熱ロール等を用い
ることができるが、生産性の点からは熱ロールによる連
続生産が好ましい。
【0014】上記方法によって得られた複合材料は、裁
断紙片の引っ張り強度が有効に生かされた力学的強度の
高い材料であり、燃焼に伴う発熱量も既存の熱可塑性樹
脂に比べて小さくできるため焼却処理も容易である。更
に、鋸による切断、釘打ち、ヤスリ掛け等が木材と同様
に可能であり、削り屑は大部分が生分解性を有する紙で
あるため廃棄物問題を引き起こすこともない。加えて、
成分中に占める紙の重量分率を極めて高く保つことが可
能であるから、古紙を裁断紙片の原料とすれば資源の有
効利用性に優れた新規な構造材料として使用することが
できる。更に、熱可塑性樹脂をバインダーとする複合材
料であるため、合板、パーティクルボード等に含まれて
いるホルムアルデヒドの飛散が一切なく、近年問題とな
っているシックハウス症候群を引き起こす危険性もな
い。用途としては表示板、コンクリート型枠、床材、壁
材、机等に使用されるベニア板、薄物合板、厚物合板等
の代替材料として好適であり、熱可塑性樹脂が均一に含
浸されていて高い耐水性を示すことから、屋内ばかりで
なく、屋外での使用も可能である。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例により、更に
詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限
り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実
施例、比較例、参考例における評価方法は以下の通りで
ある。 <密度>ASTM D792に準拠して測定した。 <3点曲げ強度>ASTM D790に準拠して測定し
た。 <アイゾット衝撃強度>ASTM D256に準拠して
測定した。 <ロックウェル硬度>JIS K7202に準拠して測
定した。
【0016】<実施例1>縦150mm、横150m
m、厚み20μmのポリプロピレンフィルム(二村化学
工業株式会社製、太閤ポリプロピレンフィルムFOR)
を机上に広げ、同フィルム表面に縦約45mm、横約3
mm、厚み70μmの裁断紙片(富士ゼロックス株式会
社製再生紙をシュレッダーで裁断したもの)を表面密度
が42mg/cm2となるように一様に散布した。これ
を繰り返して57層積層し、更にポリプロピレンフィル
ムを重ね、両表面をポリプロピレンフィルムとして19
0℃、150kgf/cm2の条件で3分間熱プレスし
た後、圧力を保ったまま冷却し、板状の複合材料を得
た。得られた複合材料は、樹脂分が27重量%であり、
断面を光学顕微鏡で観察したところ、各層が互いに平行
に積み重なった層間距離が均一な積層体であることが確
認された。この複合材料への釘打ち性、鋸による切削性
等は市販のベニア板と変わらず、切り屑は大部分が紙で
あった。また60℃の温水中において200時間浸漬試
験を行った後も剥がれ等は認められず、耐水性は良好で
あった。得られた複合材料の力学的物性を表1に示す。
【0017】<実施例2>実施例1において、熱プレス
の温度を220℃とした以外は、実施例1と同様に行っ
た。得られた材料の力学的物性を表1に示す。釘打ち
性、耐水性等は、実施例1と同様良好であった。
【0018】<比較例1>実施例1と同じポリプロピレ
ンフィルム50重量%、裁断紙片50重量%に少量の抗
酸化剤を加え、東洋精機株式会社製ラボプラストミル3
0C150を用いて220℃、30rpmの条件で20
分間混練した。得られた混練物を実施例1と同様の条件
で熱プレスして複合材料を得たが、裁断紙片の切断、凝
集、表面からのはみ出し、空隙等の不均一化が起こり、
複合材料と呼べるものではなかった。<比較例2>比較
例1において、ポリプロピレンフィルムの量を60重量
%、裁断紙片の量を40重量%に変えた以外は比較例1
と同様に行った。裁断紙片の量が低いため、曲げ強度、
曲げ弾性率が低く、また鋸による切削性が実施例に比べ
劣っていた。 <参考例1>参考のため市販のラワン材からなるベニア
板の力学的物性を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】本発明の複合材料は、裁断紙片の重量分
率を高くすることができるので、資源の有効利用性に優
れている。また、力学的物性が木材に近く、釘打ち、鋸
による切削が可能なので、木材の代替材料として使用す
ることができる。更に、燃焼による発熱量が小さいので
焼却処理が容易である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交互に5層以上積層した熱可塑性樹脂フ
    ィルムと裁断紙片からなる層からなることを特徴とする
    複合材料。
  2. 【請求項2】 裁断紙片からなる層の分量が1層当たり
    10〜150mg/cm2である請求項1に記載の複合
    材料。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂フィルムがポリエチレン、
    ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ
    エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
    ト、ポリ酢酸ビニル、AS樹脂、ABS樹脂、ポリメチ
    ルメタクリレート、ポリフェニレンオキサイド、ポリカ
    ーボネート、ポリアミドからなる群より選ばれた1種以
    上の樹脂よりなるフィルムであるで請求項1または2に
    記載の複合材料。
  4. 【請求項4】 裁断紙片の重量分率が60%以上である
    請求項1〜3いずれか1項に記載の複合材料。
  5. 【請求項5】 裁断紙片が古紙である請求項1〜4いず
    れか1項に記載の複合材料。
  6. 【請求項6】 熱可塑性樹脂フィルムと裁断紙片からな
    る層とを交互に5層以上積層した後に熱プレスすること
    を特徴とする複合材料の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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