JPH11216753A - 光ディスク基板の製造方法 - Google Patents

光ディスク基板の製造方法

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JPH11216753A
JPH11216753A JP10297463A JP29746398A JPH11216753A JP H11216753 A JPH11216753 A JP H11216753A JP 10297463 A JP10297463 A JP 10297463A JP 29746398 A JP29746398 A JP 29746398A JP H11216753 A JPH11216753 A JP H11216753A
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resin
optical disk
mold
injection
cavity
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JP10297463A
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English (en)
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Takao Hosokawa
孝夫 細川
Kouichi Warino
孝一 割野
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/26Moulds
    • B29C45/263Moulds with mould wall parts provided with fine grooves or impressions, e.g. for record discs

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  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低複屈折の光ディスク基板を高い転写性で、
量産性良く製造する方法を提供すること。 【解決手段】 射出成形または射出圧縮成形により直径
が80〜120mmであり、厚さが0.5〜0.7mm
である光ディスク基板を製造するにあたり、樹脂が充填
される金型3のキャビティ7の体積(cm3)を、射出
成形機のノズルの先端から樹脂の射出が開始されてから
樹脂6が金型3のキャビティ7末端に達するまでの時間
(秒)で除すことにより求められる充填速度が65cm
3/秒以上(好ましくは80cm3/秒以上)である条件
で樹脂を射出充填することにより、冷却固化層5の発生
を抑える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光ディスク基板の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光ディスクとして、コンパクトデ
ィスク(CD)、レーザーディスク(LD)などの再生
専用型、光磁気ディスク(MOディスク)などの書き換
え型、記録可能なCD(CD−R)などの追記型が開発
されてきた。これまでに開発されてきた光ディスクの概
略斜視図を図3に示す。図3に示すように、一般に、光
ディスクには所定の大きさのトラックピッチPと所定の
深さDとを有する案内溝(またはピット)1,2を有す
る基板が用いられている。光ディスクに記録された情報
の読み出しあるいは書き換えを行う際には、ピットに対
して、あるいは案内溝上の記録情報に対して、レンズに
よって集光された約800nmの波長を有するレーザー
光が照射される。従来、開発されてきた光ディスクの基
板1枚当たりの情報量は約640MBである。
【0003】近年、マルチメディア産業が発展してい
る。これにより、映像情報などの大容量の情報を記録す
ることが可能であり、しかもコンパクトであるという特
徴を持つ高密度光ディスクが求められるようになった。
しかし、従来のCDやMOディスクでは記憶容量が不足
し、市場の要求に応えることができない。
【0004】そこで、CDと同じ直径120mmのサイ
ズを有しながら、CDの7倍以上(4.7GB)の記録
密度を有する高密度再生専用型光ディスク(DVD)の
開発が進んでいる(例えば、「工業材料」第44巻第1
0号第103〜105頁(1996年)参照)。DVD
は厚さが0.6mmという、これまでの光ディスクより
も薄い基板を2枚貼り合わせたものである。DVDに記
録された情報の読み取りに使用されるレーザー光の波長
は650nmまたは635nmである。したがって、従
来、CDの読み取りに用いられていたレーザー光の波長
(約800nm)よりも短い波長のレーザー光で情報が
読み取られる。読み取りに使用されるレーザー光の波長
と、レンズで集光されたレーザー光のスポット径とは比
例する関係にある。波長の短いレーザー光を用いればス
ポット径が小さくなり、より高密度の情報を記録再生す
ることが可能となる。 DVDのトラックピッチPは
0.74μmであって、従来のCDのトラックピッチ
(1.6μm)の約1/2である。これによって、DV
Dでは記録密度が大幅に高くなっている。
【0005】また、トラックピッチPが1.48μm、
溝幅Wが0.74μmの案内溝が基板上に形成され、該
案内溝の内側(凹状部)と隣り合う2つの案内溝の間
(凸状部)との両方に上記DVDと同じ長さの波長のレ
ーザー光が照射されることによって、相変化方式により
記録・書き換えが行われる情報が記録された高密度書き
換え型光ディスク(DVD−RAM)が開発されている
(麻倉著「DVD」第126〜134頁オーム社199
6年発行)。このDVD−RAMは、CDと同じ外径
(120mm)でありながら、CDの約4倍の記録密度
(片面で2.6GB)を有している。DVD−RAM用
の基板も厚さが0.6mmであり、0.6mmの基板が
2枚貼り合わされてDVD−RAMが構成されている。
さらに、より短い波長(約400nm)の青色レーザー
光によってディスク上の情報を記録・再生する、直径1
20mm、板厚0.6mmの基板を用いた超高記録密度
光ディスクの検討も行われている。
【0006】一方、厚さが1.2mmという従来のCD
等と同じ厚さの光ディスクを高密度化する試みもなされ
ている。例えば、厚さが1.2mmの基板に、トラック
ピッチの幅が0.3〜0.6μm、深さが170〜25
0nmの溝、あるいは幅が0.4〜0.7μm、深さが
280〜400nmのピットが形成された追記型光ディ
スク(CD−R)が提案されている(特開平9−723
2号公報参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】近年開発が進んでいる
DVDなどの高密度光ディスクの基板を製造する方法と
して、プラスチックなどの透明基材上に紫外線硬化型モ
ノマー層を形成し、該紫外線硬化型モノマー層にピット
(あるいは案内溝)の微細構造が反転されたパターンを
有するスタンパーを密着させ、上記の基材を介して紫外
線硬化型モノマー層に紫外線を照射し、モノマーを重合
・硬化させることにより基材上にピット(あるいは案内
溝)を形成する2P法(Photopolymeriz
ation法)が検討されている(特開平9−1065
85号公報等を参照)。2P法により光ディスク基板を
製造する方法によれば、低粘度の紫外線硬化型モノマー
を、スタンパーに形成されたピット(あるいは案内溝)
の微細構造の最末端にまで到達させることができる。紫
外線硬化型モノマーがピット(あるいは案内溝)の微細
構造の最末端まで行き渡った状態で、紫外線硬化型モノ
マーを硬化させるので、ピット(あるいは案内溝)の微
細な形状を高い精度で転写させることが可能である。し
かしながら、2P法により光ディスク基板を製造する方
法には、射出成形法により基板を製造する製造法に比べ
て量産性に劣り、製造コストが高いという課題が存在す
る。
【0008】図4に、射出成形法によって光ディスク基
板を成形するときに、成形機のノズル先端から射出され
た合成樹脂がキャビティ(光ディスク形状の空間)に充
填される様子を模式的に示す。光ディスク基板を射出成
形法により製造する場合、ピット(あるいは案内溝)の
微細構造を反転したパターンが形成されたスタンパー4
が金型3に配置されてキャビティ7が構成される。光デ
ィスク基板の製造時には、金型3が所定の温度に調整さ
れて型締めされ、キャビティ7内に成形機のノズル先端
から射出された合成樹脂6が充填される。キャビティ7
の末端(基板の外縁に相当する。)まで合成樹脂6が到
達した後、合成樹脂6が加圧されることによって合成樹
脂6がスタンパーのピット等の微細構造に入り込む。そ
して、そのままで所定時間保持され、基板中心の樹脂を
含むキャビティ内の樹脂全体が冷却固化させて、スタン
パーの該微細構造が転写される。次いで、型締めされて
いた金型3が開かれ、光ディスク基板が金型3から取り
出される。射出成形法で光ディスク基板を製造する際、
キャビティに充填された樹脂が金型の壁面(キャビティ
を形成する面)と接触すると、その直後からキャビティ
壁面によって樹脂の熱が奪われる。樹脂温度の低下にし
たがって樹脂の粘度は上昇する。キャビティ壁面によっ
て樹脂の熱が奪われることによって冷却固化層5が発生
し、冷却固化層5の発生が進行しながら、樹脂がキャビ
ティ7に充填される。冷却固化層の発生による転写性の
低下などの問題は、射出圧縮成形法により高密度の光デ
ィスク基板を製造するときにも同様に生じる。
【0009】射出成形法は、量産性に優れ、低コストで
あるという利点を有する成形方法である。しかし、冷却
固化層が発生すると、転写性が低下し、複屈折が高くな
るという問題が生じ、製造される基板の品質低下を招
く。従来よりもピット(あるいは案内溝)が微細である
高密度の光ディスク基板を射出成形法で製造しようとす
ると、冷却固化層の発生による問題はより顕著に現れ
る。
【0010】すなわち、スタンパー表面に設けられたピ
ット(あるいは案内溝)が高密度化するに伴って、樹脂
がピットなどの微細構造の凹部に浸入しにくくなり、転
写不良が発生しやすくなる。例えば、案内溝の内側(凹
状部)と案内溝の間(凸状部)との両方に相変化方式の
記録を行うDVD−RAM用の基板を従来の条件で成形
しようとしても、案内溝の間に樹脂が入りにくいために
凸状部が形成されない。このような基板を用いて光ディ
スクを製造しても、記録・再生ができなくなって不良品
となる。
【0011】この課題を、従来より高めに温度設定され
た金型を用いて成形中に型締力を切り換える射出圧縮成
形法によって解決しようとする薄型光ディスク基板の製
造方法が開発されている(特開平7−176085号公
報参照)。この方法によれば、充填時の樹脂の粘度上昇
を防ぎ、複屈折を低減するという効果が得られる。しか
し、この方法では、用い得る基板材料が特定の成形樹脂
に限られる。また、金型温度が高いために、冷却固化後
に離型した基板が変形しやすい。さらに、冷却時間を従
来よりも長くとる必要があるので、成形サイクルも長く
なるという別の課題が生じていた。
【0012】ところで、「光メモリシンポジウム'86
論文集」第173頁以下には、ポリカーボネート樹脂
を用いて、充填速度が79cm3/秒の条件によって直
径が130mmで厚さが1.2mmである光ディスク基
板(CD基板)を射出成形すること、ポリメチルメタ
クリレート樹脂を用いて、充填速度が61cm3/秒の
条件によって上記の直径および厚さを有する光ディスク
基板(CD基板)を射出成形することが記載されてい
る。また、「高分子論文集」第49巻第8号第703頁
以下では、CD基板の成形にあたり、充填速度を高くす
ることが転写性の向上に有効であることが言及されてい
る。しかし、DVD基板のような、従来の光ディスク基
板よりも小型で薄く、しかも高密度化された光ディスク
基板の成形時における、転写性と充填速度との関係につ
いて示唆された文献はない。さらに、上記2つの文献に
記載された技術は基板の厚さが1.2mmであるCD基
板の製造についてのものであり、このような厚い基板で
充填速度を60cm3/秒程度にしても、充填には2秒
程度の時間を要してしまい、充填途中で樹脂が冷却され
て粘度が上昇し、転写性が低下してしまう。
【0013】本発明は、上記の課題に鑑みてなされたも
ので、低複屈折の光ディスク基板を高い転写性で、量産
性良く製造する方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明では、射出成形または射出圧縮成形により直
径が80〜120mmであり、厚さが0.5〜0.7m
mである光ディスク基板を製造するにあたり、樹脂が充
填される金型のキャビティの体積(cm3)を、射出成
形機のノズルの先端から樹脂の射出が開始されてから樹
脂が金型のキャビティ末端に達するまでの時間(秒)で
除すことにより求められる充填速度が65cm3/秒以
上である条件で樹脂が射出充填される。上記の充填速度
は80cm3/秒以上であることが好ましい。上記の充
填速度を充填時間に換算すると充填速度が65cm3
秒以上では充填時間が概ね0.1秒以下であり、80c
3/秒以上では0.08秒以下である。
【0015】射出成形機のノズルの先端から射出が開始
されてから金型のキャビティ末端に達するまでの樹脂の
溶融粘度は、1〜30Pa・sの範囲にあることが好ま
しい。また、上記の充填速度は、射出成形機のノズルの
先端から樹脂の射出が開始されてから樹脂が金型のキャ
ビティ末端に達するまでの間、キャビティに充填される
樹脂の金型近傍の温度が、樹脂がゴム状平坦領域から転
移領域に転換する温度で定義される流動停止温度より高
い温度にあるように設定されることが好ましい。ここ
で、金型近傍とは、樹脂が金型と接する面から10μm
以内の部分を意味する。
【0016】光ディスク基板成形用の材料としてPMM
Aを用いた時の、弾性率の温度依存性を測定した結果を
図1に示す。樹脂温度の低下に伴って、樹脂はゴム状平
坦領域から、転移領域を経てガラス状態に移る。このゴ
ム状平坦領域から転移領域への転換点を流動停止温度と
呼ぶこととすると、図1に示した結果を得たPMMAの
流動停止温度は128℃となる。樹脂温度が流動停止温
度以下になると樹脂が流動しない。したがって、射出成
形法等によって光ディスクの基板を成形しようとすると
きに、樹脂温度が流動停止温度以下になると、ピット
(あるいは案内溝)のような微細な形状の転写ができな
くなる。また、充填完了直後の光ディスク基板の厚さ方
向で樹脂の粘度が異なり、金型面に近い領域ほど樹脂が
高粘度になる。加圧することによってスタンパーの形状
が樹脂に転写されるときには、高いせん断力を受けなが
ら樹脂が冷却固化されるために残留応力が大きくなる。
これによって、冷却固化後の基板の複屈折が大きくな
る。
【0017】図2は、図1の結果を得たと同じPMMA
について、射出成形または射出圧縮成形のために樹脂の
射出が開始された時点からの経過時間(秒)と、樹脂の
金型側表面付近(金型と接する面から10μm中心より
の部分)の温度(℃)との関係を、コンピュータによる
冷却解析シミュレーションを行って求めた結果を示して
いる。なお、ここで行ったシミュレーションはMARC
を用いた非定常熱伝導解析によるものであり、射出され
る樹脂の温度を280℃、金型(熱伝導率が1060×
10-5cal/mm/sec/℃である炭素鋼からなる
ものであるとする。)の温度を85℃とした。図2によ
れば、表面微細形状の転写に影響する金型表面から10
μm以内の樹脂温度は、金型の表面に樹脂が接触してか
ら約0.1秒も経過すると流動停止温度(128℃)以
下になってしまうことがわかる。
【0018】上記のシミュレーションと同様の条件で射
出成形法または射出圧縮成形法によって光ディスクの基
板を成形しようとするときに、樹脂の充填速度が遅くキ
ャビティ末端までの充填が約0.1秒以上もかかると、
充填された樹脂の粘度の上昇が著しく大きくなる。この
ため、スタンパー上の微細構造の先端(凹状部の先端、
すなわち樹脂製の基板においては凸状部に相当する。)
まで樹脂が到達しないうちに流動が停止してしまう領域
が光ディスク基板の転写面の一部に現れる。これによっ
て、樹脂を加圧することによって、スタンパーの表面に
設けられた微細構造を樹脂に転写しようとしても転写不
良が生じる。また、光ディスク基板の複屈折が大きくな
る。
【0019】本発明の光ディスクの製造方法では、樹脂
の射出充填中、すなわち、射出成形機のノズルの先端か
ら樹脂の射出が開始されてから樹脂が金型のキャビティ
末端に達するまでの間、金型のキャビティに充填される
樹脂の金型近傍の温度が、樹脂がゴム状平坦領域から転
移領域に転換する温度で定義される流動停止温度よりも
高い温度になるように樹脂の充填速度を高い速度に設定
することが好ましい。本発明の光ディスクの製造方法に
よって、直径が80〜120mmであり、厚さが0.5
〜0.7mmである光ディスク基板を製造する際の充填
速度は65cm3/秒以上(好ましくは80cm3/秒以
上)という高い速度である。これによって、キャビティ
内に充填された樹脂が流動停止温度以上の温度を維持し
たまま、キャビティの末端まで到達することが可能にな
り、樹脂が加圧されてスタンパーの表面に設けられたピ
ット(あるいは案内溝)の微細構造の内部に樹脂が入り
込む時に、低い粘度を維持させることができる。
【0020】本発明において射出成形機のノズルの先端
から射出が開始されてから金型のキャビティ末端に達す
るまでの間における樹脂の溶融粘度は1〜30Pa・s
の範囲にあることが好ましいが、該樹脂がPMMAであ
れば3〜6Pa・sの範囲にあることがより好ましく、
該樹脂がPCであれば5〜15Pa・sの範囲にあるこ
とがより好ましい。ここで、本明細書における溶融粘度
は、一般的に用いられている細孔流動試験法の定速方式
キャピラリ・レオメータにより各樹脂の成形温度におけ
るせん断速度と粘度との関係を測定し、このせん断速度
と粘度との関係を基にして、金型の流路形状と溶融樹脂
の流速とから求められるせん断速度から、射出成形機の
ノズルの先端から射出が開始されてから金型のキャビテ
ィ末端に達するまでの間における樹脂の溶融粘度を算出
した値である。また、熱可塑性樹脂の射出成形に関し、
コンピューターによる金型設計用の樹脂流動解析シミュ
レーションシステムに米国ジェネラルエレクトリック
(GE)社が扱っているシステム(モールドフロー)が
あり、該樹脂流動解析シミュレーションシステムを用い
て射出成形機のノズルの先端から射出が開始されてから
金型のキャビティ末端に達するまでの間における樹脂の
溶融粘度を解析することも可能である。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明により製造された基板に、
用途に応じた反射膜、記録膜等を積層して単板式の光デ
ィスクを製造することができる。また、反射膜、記録膜
等が積層された基板を2枚貼り合わせて貼り合わせ式の
光ディスクを製造することもできる。
【0022】本発明では、記録・再生用レーザー光の波
長に対して透明であり、射出成形または射出圧縮成形が
可能な樹脂を用いることができる。具体的には、ポリメ
チルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリカーボ
ネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系
樹脂、ポリエステル系樹脂等を挙げることができる。
【0023】以下、実施例により本発明を具体的に説明
する。本実施例では、射出成形機として、ファナック
(株)製ロボショットα−50Bを用いた。該射出成形
機の金型に円盤状スタンパーを装着し、直径120m
m、厚さ0.6mmの光ディスク基板を射出圧縮成形法
により成形した。上記スタンパーには、トラックピッチ
が1.0μmであり、溝幅が0.5μmであり、深さが
150nmである案内溝を反転したパターンが、半径2
3mmから58mmの範囲に形成されている。成形材料
として、アクリル樹脂(クラレ(株)製パラペットH−
1000SD)を用いた。
【0024】成形した基板の表面にスパッタリング法に
よって白金を厚さが約10nmになるように成膜し、走
査型トンネル顕微鏡(STM)により案内溝の断面形状
を測定した。測定した位置は、内周側(半径24mm付
近)と外周側(半径57mm付近)との2箇所である。
断面形状の測定結果より溝深さを求めた。求められた溝
深さの値を、同一位置におけるスタンパーの溝深さの値
で除した数値の百分率を求めた(以下、この値を「転写
率」という。)。また、溝尻光学(株)製エリプソメー
ターDVA−36Lを用いて、成形された基板における
半径方向の複屈折分布を測定した。なお、本実施例にお
ける一次型締力から二次型締力への切替のタイミング
は、保圧終了後にスプール部のゲートカットをした直後
とした。
【0025】実施例1〜6、比較例1〜3における成形
条件を表1に示す。また、実施例1〜6、比較例1〜3
で得られた基板の性能評価結果を表2に示す。 なお、
実施例で用いた金型であれば、充填速度65cm3/秒
では0.1秒で樹脂の充填が完了し、80cm3/秒で
は0.08秒で樹脂の充填が完了する。表1において、
型締圧力の欄は、充填・保圧工程、冷却初期工程、冷却
中期工程、冷却後期工程における型締圧力を順番に示し
ている。ここで、シリンダ温度(表1)が285℃以上
で金型温度が80℃以上である実施例1〜5では射出成
形機のノズルの先端から射出が開始されてから金型のキ
ャビティ末端に達するまでの樹脂の溶融粘度が3Pa・
s以上であるが、シリンダ温度が280℃で金型温度が
80℃である実施例6では樹脂の溶融粘度は5Pa・s
以上である。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】表2から明らかなように、本発明の実施例
で得られた薄型光ディスク基板は比較例の薄型光ディス
ク基板に比べ転写性が向上しており、内周から外周まで
90%以上の転写率となっている。そして、PMMAの
溶融粘度が3〜5Pa・s(実施例1〜5)であれば、
内周から外周まで95%以上という極めて高い転写率が
得られている。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、量産性に優れた射出成
形法または射出圧縮成形法において、従来のCDなどよ
りもピット(あるいは案内溝)が高密度化されたスタン
パーを用いても転写性の低下を招くことなく、光ディス
クの基板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】PMMAの粘弾性の温度依存性を示す図であ
る。
【図2】PMMA成形品の表面付近の温度と時間との関
係をシミュレーションした結果を示す図である。
【図3】光ディスク基板の表面に形成されるピットまた
は案内溝の断面構造を示す図である。
【図4】成形機のノズル先端からキャビティに射出され
た合成樹脂が充填される様子を模式的に示した図であ
る。
【符号の説明】
1 案内溝 2 案内溝間 3 金型 4 スタンパー 5 冷却固化層 6 溶融樹脂 7 キャビティ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 射出成形または射出圧縮成形により直径
    が80〜120mmであり、厚さが0.5〜0.7mm
    である光ディスク基板を製造するにあたり、樹脂が充填
    される金型のキャビティの体積(cm3)を、射出成形
    機のノズルの先端から樹脂の射出が開始されてから樹脂
    が金型のキャビティ末端に達するまでの時間(秒)で除
    すことにより求められる充填速度が65cm3/秒以上
    である条件で樹脂が射出充填されることを特徴とする光
    ディスク基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 充填速度が80cm3/秒以上である条
    件で樹脂が射出充填される請求項1記載の光ディスク基
    板の製造方法。
  3. 【請求項3】 射出成形機のノズルの先端から射出が開
    始されてから金型のキャビティ末端に達するまでの樹脂
    の溶融粘度が1〜30Pa・sの範囲にある請求項1ま
    たは2記載の光ディスク基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 射出成形機のノズルの先端から樹脂の射
    出が開始されてから樹脂が金型のキャビティ末端に達す
    るまでの間、キャビティに充填される樹脂の金型近傍の
    温度が、樹脂がゴム状平坦領域から転移領域に転換する
    温度で定義される流動停止温度より高い温度にある請求
    項1ないし3のいずれか1項に記載の光ディスク基板の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 射出成形または射出圧縮成形により直径
    が80〜120mmであり、厚さが0.5〜0.7mm
    である光ディスク基板を製造するにあたり、樹脂の充填
    時間が0.1秒以下である条件で樹脂が射出充填される
    ことを特徴とする光ディスク基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 充填時間が0.08秒以下である条件で
    樹脂が射出充填される請求項5記載の光ディスク基板の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 射出成形機のノズルの先端から射出が開
    始されてから金型のキャビティ末端に達するまでの樹脂
    の溶融粘度が1〜30Pa・sの範囲にある請求項5ま
    たは6記載の光ディスク基板の製造方法。
  8. 【請求項8】 射出成形機のノズルの先端から樹脂の射
    出が開始されてから樹脂が金型のキャビティ末端に達す
    るまでの間、キャビティに充填される樹脂の金型近傍の
    温度が、樹脂がゴム状平坦領域から転移領域に転換する
    温度で定義される流動停止温度より高い温度にある請求
    項5ないし7のいずれか1項に記載の光ディスク基板の
    製造方法。
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