JPH1121609A - マンガン鉄合金溶湯の脱珪方法 - Google Patents

マンガン鉄合金溶湯の脱珪方法

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JPH1121609A
JPH1121609A JP18143697A JP18143697A JPH1121609A JP H1121609 A JPH1121609 A JP H1121609A JP 18143697 A JP18143697 A JP 18143697A JP 18143697 A JP18143697 A JP 18143697A JP H1121609 A JPH1121609 A JP H1121609A
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JP
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manganese iron
molten
desiliconizing
furnace
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JP18143697A
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Kanji Takeda
幹治 武田
Takeshi Suzuki
健史 鈴木
Masanobu Masukawa
匡伸 増川
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JFE Steel Corp
Mizushima Ferroalloy Co Ltd
Original Assignee
Mizushima Ferroalloy Co Ltd
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶鉱炉および還元炉を用いてMn鉱石からマン
ガン鉄合金溶湯を製造するに際し、溶鉱炉から出湯した
溶湯を[Mn]歩留りを低下させることなく脱珪処理してマ
ンガン鉄合金溶湯の[Si]を低下する。 【解決手段】 溶鉱炉1から出湯したマンガン鉄合金溶
湯9が出湯樋2の落ち口から流れ落ちる際に、マンガン
酸化物および/またはアルカリ土類金属の炭酸塩を含む
酸化剤とアルカリ金属化合物およびハロゲン化合物のい
ずれも含まない、もしくは両方の合計量が25wt%未満で
あるフラックスとからなる脱珪剤を添加し、攪拌接触す
ることにより、[Si]濃度を低下させたマンガン鉄合金溶
湯として後工程の脱炭炉へ供給する一方、脱珪処理によ
り発生した脱珪スラグを溶鉱炉のMn原料として再利用す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マンガン鉄合金溶
湯を脱珪処理する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製鉄に利用するマンガン鉄合金は、従来
から2種類のプロセスにより製造されている。第一の方
法はシリコマンガン法と呼ばれ、まず最初に電気炉内
で、シリコン含有量が高いシリコマンガン溶湯を還元、
溶解し、得られたシリコマンガン溶湯をマンガン鉱石と
反応させてSiを除去することにより、所定炭素濃度のマ
ンガン鉄合金を製造する方法である。この場合、シリコ
マンガン溶湯の飽和炭素濃度はシリコン濃度が高いほど
低くなるため、低炭素濃度のマンガン鉄合金を製造する
には最初のSi濃度を高くする必要があり、電気炉の電力
原単位が上昇し、経済的な実施が困難となる。
【0003】第二の方法は、マンガン鉱石を溶鉱炉ある
いは電気炉内で還元、溶融して得た炭素飽和の粗マンガ
ン鉄溶湯から所定炭素濃度のマンガン鉄合金とするた
め、脱炭炉で酸素を用いて高温で吹錬し、所定炭素濃度
のマンガン鉄合金を製造する方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記第一の方法である
シリコマンガン法においては、製鉄のニーズにしたがっ
て製品マンガン鉄合金のSi濃度を下げようとすれば、Mn
歩留りが低下するという問題が生じる。すなわち、シリ
コマンガン溶湯とマンガン鉱石との反応は[Si]+2(MnO)=
(SiO2)+2[Mn]の平衝反応により支配される。したがっ
て、製品マンガン鉄合金中のSiを低下しようとすれば、
スラグ中のMnO の上昇が避けられず、スラグ中へのMnロ
ス、製品Mn歩留りの低下につながる。
【0005】スラグ中のMnロスを低下する方法として、
特公平3-77267 号公報では脱珪処理と、その際のフラッ
クスを提案している。すなわち、アルカリ金属の炭酸塩
又は鉄若しくはマンガンの酸化物の1種以上の酸化剤と
アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の酸化物又はハ
ロゲン化物の1種以上からなる融剤とから構成するフラ
ックスを、鉄−マンガン合金溶湯と攪拌接触させること
により、Si:0.01wt %以下とする低珪素マンガン鉄合金
の精製法である。
【0006】この方法では、酸化剤とアルカリ金属、ハ
ロゲン化合物の融剤を併用することにより、生成するス
ラグの融点を下げ、マンガンロスを少なくして高い脱珪
率を得ることが報告されている。ただ、スラグ中にMnO
としてロスするMnに関する報告はないが、溶湯中のSiが
高い場合には添加フラックスが増加し、マンガンロスが
増加すると考えられる。同時に、生成したスラグにはマ
ンガン酸化物、アルカリ金属酸化物、ハロゲン化物が含
まれているので、再利用するのに用途が限られ、産業廃
棄物としてもその処理が問題となる。
【0007】前記第二の方法でも、溶鉱炉あるいは電気
炉で生産される溶湯中のSiを下げようとすると、前述の
Si-MnOの平衝関係からスラグ中のMnO が増加し、Mn歩留
りの低下につながる。また、後工程の脱炭炉では、高温
で脱炭吹錬が行われるために脱炭炉の耐火物原単位が溶
湯中の[Si]に強く依存し、溶湯中の[Si]を低下させるこ
とが経済的に重要となる。
【0008】本発明は、Mn鉱石からマンガン鉄合金を製
造するに際し、Mn歩留りを低下させることなく、後工程
の脱炭炉における耐火物原単位が問題にならないレベル
まで製品マンガン鉄合金中の[Si]を低下することが可能
なマンガン鉄合金溶湯の脱珪方法を提供するものであ
り、併せて、脱珪処理で生じた脱珪スラグを有効活用で
きるマンガン鉄合金溶湯の脱珪方法を提供するものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明は、マンガン鉄合金溶湯を脱珪処理する方法で
あって、マンガン鉄合金溶湯に、マンガン酸化物および
/またはアルカリ土類金属の炭酸塩を含む酸化剤とアル
カリ金属化合物およびハロゲン化合物のいずれも含まな
い、もしくは両方の合計量が25wt%未満であるフラック
スとからなる脱珪剤を添加し、攪拌することにより、マ
ンガン鉄合金溶湯の[Si]濃度を次工程の脱炭炉耐火物を
損耗しないレベルまで低下させることを特徴とするマン
ガン鉄合金溶湯の脱珪方法であり、前記脱珪処理後のマ
ンガン鉄合金溶湯の[Si]濃度は、0.15wt%以下とするの
が望ましい。また、前記脱珪剤を、出湯中のマンガン鉄
合金溶湯に連続的に添加するのが好ましく、前記脱珪処
理で発生した脱珪スラグは、前記マンガン鉄合金溶湯を
出湯する溶鉱炉にリサイクル装入するのが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明の詳細について説明
する。溶鉱炉から製造されるマンガン鉄溶湯中のSiとス
ラグ中のMnO とには、 [Si]+2(MnO)=(SiO2)+2[Mn] ・・・・・・ (1) に示す平衝関係があり、Siの低下と共にMnO が増加し、
Mn歩留りが低下する。
【0011】Mn鉱石を脱珪剤とした場合の炉外での脱珪
処理を検討するため、スラグ組成の広範囲にわたって、
下記 (2)式で示される見かけの平衝定数(Ka )を測定
した。 Ka =(ΣMn )√[Si]/[Mn] ・・・・・・ (2) そして、MnO の反応効率、処理後のSi濃度、スラグ中の
(MnO) 濃度と(SiO2)濃度との関係を計算した結果を図2
に示した。前記(1) 式の反応により脱珪反応が進むとス
ラグ(脱珪材)中のMnO が低下し、SiO2が上昇する。一
方、MnO 、SiO2、[Si]、[Mn]には(2) 式の見かけの平衝
が成り立つ。
【0012】図2中には各[Si]濃度に応じて、平衝する
MnO 、SiO2濃度の関係を示した。反応率(%)を20、3
0、40、50と上昇させるとスラグ(脱珪剤)中のMnO が
低下し、SiO2は上昇する。それぞれのスラグ組成に平衝
する[Si]を求めると、例えば、反応率40%では0.09%、
反応率50%では0.31%となる。スラグの組成を大幅に変
えてもこの関係は基本的には変わらない。
【0013】以上のことより、本発明が好適とする[Si]
0.15wt %程度のマンガン鉄合金を得るには、反応率が
43%程度となり、脱珪剤の利用効率が低く、生成した脱
珪スラグ中にはまだ大量のMnO が含まれていることが分
かる。したがって、炉外で脱珪処理を行うと脱珪スラグ
中にMnO が多く含まれるので経済的ではなく、また大量
の脱珪スラグが産業廃棄物として発生することになり、
環境上も大きな問題となる。
【0014】以上の検討に基づき本発明は完成されたも
ので、マンガン鉄合金溶湯の脱珪に際して、好ましくは
脱珪材の反応率を中程度の40%とすることにより[Si]を
0.15wt%レベルまで低下させると共に、生成した脱珪ス
ラグを溶鉱炉のMn原料としてリサイクル利用するもので
ある。本発明における脱珪剤添加の概略的工程図を図1
に示す。
【0015】MnO 鉱石を還元、溶融する溶鉱炉1から出
湯されたマンガン鉄合金溶湯9は、出湯樋2により取鍋
3に導かれる。取鍋3に受け入れたマンガン鉄合金溶湯
9は、後工程である脱炭炉7に運ばれるが、本発明では
取鍋3と脱炭炉7との間で、マンガン鉄合金溶湯9の脱
珪、除滓処理を行う。マンガン酸化物および/またはア
ルカリ土類金属の炭酸塩を含む酸化剤とアルカリ金属化
合物およびハロゲン化合物のいずれも含まない、もしく
は両方の合計量が25wt%未満であるフラックスとからな
る脱珪剤は、典型的には出湯樋2の落ち口に供給され
る。
【0016】すなわち、出銑樋2から取鍋3内に流れ落
ちるマンガン鉄合金溶湯9に、ホッパ4からフィーダ5
により切り出された酸化剤とフラックスとからなる脱珪
剤が添加され、マンガン鉄合金溶湯9が流れ落ちる際の
落下エネルギーにより混合攪拌される。取鍋3内に受湯
中にマンガン鉄合金溶湯9が脱珪処理され、前記(1)式
の脱珪反応が進行し、出湯時における溶湯に通常含有さ
れる[Si]濃度 0.3〜0.5wt %から脱珪処理後には 0.15
%のレベルまで低下する。[Si]濃度が 0.15 %を超える
マンガン鉄合金溶湯9を後工程の脱炭炉7に供給すれ
ば、マンガン鉄合金溶湯中の[Si]分が脱炭炉内でSiO2
なり、耐火物中MgO を溶解する酸性スラグを形成する結
果、脱炭炉耐火物の損耗が著しくなり、耐火物コストの
面で好ましくない。
【0017】脱珪されたマンガン鉄合金溶湯9は、除滓
場に運ばれ、取鍋3内の脱珪スラグ8は除滓装置6を用
いて除滓した後、脱炭炉7に装入され、ここでマンガン
鉄合金溶湯9に酸素を用いて高温で吹錬する脱炭処理に
より低炭素濃度のマンガン鉄合金を製造する。取鍋3内
から除滓された脱珪スラグ8は、冷却後に粉砕、整粒し
た後に、溶鉱炉1にリターンされ、Mn原料として再使用
される。
【0018】脱珪スラグ8を溶鉱炉1の原料として用い
るために、脱珪剤のMnO 反応効率が低くても、溶鉱炉1
と脱珪処理プロセスとの全体を含むMn歩留りが低下する
ことはない。また、脱珪スラグ8をMn源として利用でき
るばかりでなく、産業廃棄物として処理する必要がなく
なるというメリットがある。しかしながら、脱珪スラグ
を溶鉱炉へリサイクルするのに必要なスラグ組成を検討
したところ、脱珪剤を工夫する必要があることが明らか
になった。すなわち、脱珪剤としてアルカリ金属化合物
およびハロゲン化合物ができるだけ少ないフラックスを
用いる必要があることである。Na、K等のアルカリ金属
化合物は、溶鉱炉の下部でNa、Kの金属蒸気となり、上
部で凝縮することにより炉内を循環する。アルカリ金属
蒸気濃度が高くなると溶鉱炉内の炉壁部に付着物が生成
し、溶鉱炉の操業が円滑にいかなくなる。一方、ハロゲ
ン化物も蒸気圧が高いため、同時に炉内を循環し悪影響
を及ぼす。したがって、脱珪剤中にアルカリ金属化合
物、ハロゲン化物の合計が25wt%未満になるように脱珪
剤の組成を選ぶ必要がある。
【0019】マンガン鉄合金溶湯を脱珪するための酸化
剤としては、マンガン鉱石、マンガン鉱石の焼結鉱、脱
炭炉から発生するダスト等の粉状のマンガン酸化物、あ
るいは炭酸塩の分解によりCO2 が発生し、CO2 とSiとの
反応により脱珪が期待できる粉石灰、ドロマイト粉等の
アルカリ土類金属の炭酸塩の単体粉あるいは混合粉が望
ましい。粉状原料を用いることにより脱珪反応を促進で
きると共に、本来は焼結する等、塊状化して溶鉱炉へ装
入していた粉状Mn原料を直接使用し、溶鉱炉へリサイク
ルできるというメリットを期待できる。
【0020】脱珪剤の供給方法としては、取鍋内に気流
輸送によりインジェクションあるいは取鍋の上部に添加
後に鍋底に設けたポーラスプラグからのエアーブローに
よって攪拌混合する方法が可能である。ただし、この方
法は受湯完了後に行う必要があり、反応速度の遅いMnO
による脱珪では処理時間が長くなり、その間の温度降下
が無視できない。最も望ましい脱珪剤の供給形態として
は出湯樋への連続的な添加あるいは出湯樋から取鍋への
落下流に添加、溶湯の落下エネルギーにより混合、攪拌
することが望ましい。
【0021】本発明のように低融点のフラックスを含ま
ない脱珪剤でも十分に脱珪できることを確認するため、
溶解量50kg、50KVA の高周波溶解炉で脱珪実験を行っ
た。高炭素マンガン鉄合金、約50kgを黒鉛坩堝内で溶解
し、溶鉱炉からの出湯Siをを想定した[Si]に成分調整、
温度を1400℃に維持しながら、酸化剤とフラックスとの
混合粉(脱珪剤)を10分間隔で装入した。
【0022】実験中は、黒鉛製のガス吹き込み装置でAr
ガスを吹き込み、坩堝内の溶湯を攪拌し、温度測定並び
にメタル、スラグの採取を行った。使用した脱珪剤の組
成を表1に示す。粉状のMn鉱石の焼結鉱(−3mm)と焼石
灰とを混合して、Mn鉱石の原単位で33.7kg/tを4回に分
けて投入した。脱珪剤中に含まれるNa、K 等のアルカリ
金属化合物、ハロゲン化合物は極くわずかの3%以下で
ある。
【0023】
【表1】
【0024】図3に溶湯中のSi、Mnの経時変化を示し
た。脱珪剤を投入する毎に、溶湯の[Si]が低下し、約20
分で目標の[Si] 0.15wt %を達成できる。溶湯中のMn変
化は小さく、Mn鉱石中のFeの還元およびMnO の還元によ
り、ほぼ一定のMn濃度が得られていることがわかる。生
成した脱珪スラグ中には、Mn:約38wt%、SiO2:20wt
%、CaO :24wt%が含まれており、高蒸気圧のアルカリ
金属、ハロゲン化物は殆ど含まれていないので、溶鉱炉
の耐火物への影響を考慮する必要なく、冷却、粉砕する
だけで溶鉱炉の原料として使用することができる。
【0025】
【実施例】本発明を日産300tのマンガン鉄合金溶湯を生
産している溶鉱炉および脱炭炉を有する工場に適用し
た。出銑回数は一日6回、4時間毎に行われ、1回当た
り50ton の溶湯が2個の取鍋に受湯される。出湯時間は
約1時間であり、各取鍋に受湯する時間はそれぞれ30分
である。溶鉱炉からの出湯開始と同時に、ホッパ内から
フィーダを用いて脱珪剤(酸化剤、フラックス)を連続
的に、平均的には47kg/t(2400kg/hr) の速度で受湯期間
中に投入した。溶湯の落下エネルギーにより攪拌、混合
され脱珪反応が促進される。使用した脱珪剤の組成は表
2に示すように、脱珪剤コストを下げるためにフラック
スとして、また酸化剤として有効な石灰石粉を用いてい
る。
【0026】
【表2】
【0027】図4に、溶鉱炉から出湯時の溶湯[Si]と脱
珪後、脱炭炉に供給される溶湯中の溶湯[Si]との関係を
示した。図4に示すように、脱珪処理を行うことによ
り、出湯時の[Si]が変動してもほぼ一定濃度とした[Si]
0.15wt%の溶湯を供給できる。また、この期間中に発生
した脱珪スラグは、全量が溶鉱炉にリサイクル可能であ
った。
【0028】図5は、本発明法を適用する前後における
溶鉱炉から出湯したマンガン鉄溶湯の[Si]の変化、脱炭
炉へ供給されるマンガン鉄溶湯の[Si]の変化および溶鉱
炉での溶湯[Mn]歩留りの変化を示すものである。本発明
法の適用前には、脱炭炉での耐火物原単位を削減するた
め、溶鉱炉での歩留りを犠牲にして出湯[Si]を低下し、
約0.23%に管理していた。本発明法の脱珪法適用によ
り、脱炭炉に供給するSiを0.15%レベルに管理できるた
め、溶鉱炉の出湯[Si]を約0.1 %上昇させた。その結
果、溶鉱炉のスラグ中MnO の低下、スラグに混入するMn
メタルの減少により、Mn歩留りは約3%増加している。
【0029】一方、脱炭炉では、装入される溶湯の[Si]
が、0.15%に安定して供給された結果として、耐火物原
単位が約30%低下した。このように本発明を適用するこ
とにより、溶鉱炉系全体のMn歩留りの向上を達成すると
同時に、後工程である脱炭炉の耐火物損耗を防止でき、
その経済的な効果には著しいものがある。
【0030】
【発明の効果】以上に説明したように本発明によれば、
溶鉱炉から出湯するマンガン鉄合金溶湯に、マンガン酸
化物および/またはアルカリ土類金属の炭酸塩を含む酸
化剤とアルカリ金属化合物およびハロゲン化合物のいず
れも含まない、もしくは両方の合計量が25wt%未満であ
るフラックスとからなる脱珪剤を添加し、攪拌接触して
脱珪処理することにより、Siを低下させてマンガン鉄合
金溶湯とする一方、この脱珪処理で発生した脱珪スラグ
を、前記マンガン鉄合金溶湯を出湯する溶鉱炉にリサイ
クル装入する。
【0031】その結果、溶鉱炉から出湯した溶湯を脱珪
処理するときに発生するスラグ中のMnO が従来よりも低
下するので、溶湯へのMn歩留りを向上でき、また、後工
程の脱炭炉に脱珪スラグを除滓した溶湯が供給できるた
め、脱炭炉の耐火物損耗を軽減できる。さらに、脱珪処
理で発生した脱珪スラグを溶鉱炉に装入するため、脱珪
スラグ中のMnO をMn源としてリサイクル利用できる等、
その経済効果は多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶鉱炉から出湯したマンガン鉄合金溶
湯を脱珪処理するプロセスを示す工程図である。
【図2】MnO を脱珪剤とした場合のMnO の反応効率、脱
珪処理後の[Si]をスラグ中(SiO 2)と(MnO) との関係で示
すグラフである。
【図3】マンガン鉄合金溶湯の[Mn]、[Si]の経時変化を
脱珪剤の投入タイミングとの関係で示すグラフである。
【図4】溶鉱炉から出湯した溶湯[Si]と脱珪後の溶湯[S
i]との関係を示すグラフである。
【図5】本発明適用前後の溶鉱炉出湯の溶湯[Si]、脱炭
炉に装入する溶湯[Si]および溶鉱炉の溶湯歩留りの推移
を比較して示すグラフである。
【符号の説明】
1 溶鉱炉 2 出湯樋 3 取鍋 4 ホッパ 5 フィーダ 6 除滓装置 7 脱炭炉 8 脱珪スラグ 9 マンガン鉄合金溶湯 10 脱珪剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 健史 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 増川 匡伸 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目1番地 水 島合金鉄株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マンガン鉄合金溶湯を脱珪処理する方法
    であって、マンガン鉄合金溶湯に、マンガン酸化物およ
    び/またはアルカリ土類金属の炭酸塩を含む酸化剤とア
    ルカリ金属化合物およびハロゲン化合物のいずれも含ま
    ない、もしくは両方の合計量が25wt%未満であるフラッ
    クスとからなる脱珪剤を添加し、攪拌することにより、
    マンガン鉄合金溶湯の[Si]濃度を次工程の脱炭炉耐火物
    を損耗しないレベルまで低下させることを特徴とするマ
    ンガン鉄合金溶湯の脱珪方法。
  2. 【請求項2】 前記脱珪処理後のマンガン鉄合金溶湯の
    [Si]濃度が、0.15wt%以下であることを特徴とする請求
    項1記載のマンガン鉄合金溶湯の脱珪方法。
  3. 【請求項3】 前記脱珪剤を、出湯中のマンガン鉄合金
    溶湯に連続的に添加することを特徴とする請求項1また
    は2記載のマンガン鉄合金溶湯の脱珪方法。
  4. 【請求項4】 前記脱珪処理で発生した脱珪スラグを、
    前記マンガン鉄合金溶湯を出湯する溶鉱炉にリサイクル
    装入することを特徴とする請求項1、2又は3のいずれ
    かに記載のマンガン鉄合金溶湯の脱珪方法。
JP18143697A 1997-07-07 1997-07-07 マンガン鉄合金溶湯の脱珪方法 Pending JPH1121609A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103643057A (zh) * 2013-11-27 2014-03-19 攀钢集团研究院有限公司 中碳锰铁的冶炼方法
CN103643056A (zh) * 2013-11-27 2014-03-19 攀钢集团研究院有限公司 低碳锰铁的冶炼方法
CN114908263A (zh) * 2022-06-11 2022-08-16 赤峰鑫旭铸造有限公司 一种硅锰合金制备方法

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