JPH11215965A - 香辛料及び/又は加工香辛料とトレハロースとを含む組成物 - Google Patents

香辛料及び/又は加工香辛料とトレハロースとを含む組成物

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JPH11215965A
JPH11215965A JP10018475A JP1847598A JPH11215965A JP H11215965 A JPH11215965 A JP H11215965A JP 10018475 A JP10018475 A JP 10018475A JP 1847598 A JP1847598 A JP 1847598A JP H11215965 A JPH11215965 A JP H11215965A
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spices
flavor
spice
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trehalose
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JP10018475A
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Manami Oishi
真奈美 大石
Hideyuki Sumiyoshi
秀幸 住吉
Shunsaku Nakano
俊作 中野
Nobuyuki Nakamura
信之 中村
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Japan Maize Products Co Ltd
Nihon Shokuhin Kako Co Ltd
Original Assignee
Japan Maize Products Co Ltd
Nihon Shokuhin Kako Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】香辛料及び/又は加工香辛料中の香気及び/又
は風味成分の、散逸や変性による低減の防止手段の提
供。 【解決手段】スパイス類やハーブ類のような香辛料及び
/又は加工香辛料とトレハロースとを含む組成物。この
組成物は香辛料及び/又は加工香辛料とトレハロースと
を十分に混合することにより得られ、製造及び加工工程
中、並びに製品化後の、香気及び/又は風味成分の散逸
及び変性が防止されたものである。香辛料及び/又は加
工香辛料にトレハロースを共存させることにより、香辛
料及び/又は加工香辛料の香気及び/又は風味成分の散
逸や変性による低減を防止する方法。香辛料をトレハロ
ースの共存下破砕する加工香辛料の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、香辛料及び/又は
加工香辛料とトレハロースとを含む組成物、香辛料及び
/又は加工香辛料にトレハロースを共存させることを特
徴とする加工香辛料の製造方法、並びに香辛料及び/又
は加工香辛料の香気及び/又は風味の散逸や変性による
経時的な低減を防止する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】スパイスやハーブを原料とする香辛料及
び加工香辛料独特の香気及び風味の成分には、揮発性が
高く、化学的に不安定である物質が多く含まれている。
そのため、粉砕、抽出、乾燥等の加工工程における加熱
等の物理的な影響により、香辛料及び加工香辛料の香気
や風味は損なわれ安い。また、加工された後も、その輸
送や保管の過程、食品利用時の調理加工の過程で熱、湿
度等の影響を受け、更に風味のバランスが損なわれる場
合がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの問題を解決す
る方法として、香気及び/又は風味成分をシクロデキス
トリン、マルトデキストリン、デキストリン、又は澱粉
等との包接複合体とすることにより香気及び/又は風味
成分の散逸又は変性を防止する方法が知られている。と
ころが、包接複合体による香気保持又は安定化効果を得
るには、シクロデキストリン等の分子内空洞に香気及び
風味成分分子が取り込まれる必要がある。しかし、分子
の大きさによっては、空洞内に取り込まれない成分があ
る。更に、空洞内に取り込まれても種類によっては十分
な効果が得られない成分もある。例えば、植物由来の香
気及び風味成分はシクロデキストリン等の包接能力のあ
る食品素材では保持、安定化することが難しい。これ
は、これらの物質の多くは配糖体として存在していたた
めであり、この場合十分な効果が得られなかった。そこ
で、上記の方法のように限定的な効果ではなく、どの成
分についても制限なくその効果を得ることができる方法
の開発が期待されていた。
【0004】そこで本発明の目的は、香辛料や加工香辛
料の香気や風味の散逸や変性による低減を防止できる新
たな手段を提供することにある。特に、本発明者が検討
したところでは、香辛料や香辛料を破砕するなどして得
られる加工香辛料の香気や風味成分には、熱や光による
揮発や変質が起こりやすい成分も多く含まれていた。そ
こで、本発明のさらなる目的は、香辛料や加工香辛料の
香気や風味の熱や光による散逸や変性による低減を防止
できる新たな手段を提供することにある。
【0005】上記目的を達成するために、本発明者ら
は、香辛料や加工香辛料の香気や風味成分を安定化し、
熱や光による揮発や変質から保護する方法につてい種々
検討した。その結果、トレハロースが香辛料や加工香辛
料の香気や風味成分を安定化し、熱や光による揮発や変
質から保護できることを見出して本発明を完成した。
尚、果実や花にトレハロースを混練混合すると、香気保
持の効果があることは知られている。しかし、果実や花
の香気成分に比べて熱や光による揮発や変質が生じ易す
く、包接複合体によって散逸及び変性の防止ができなか
った香辛料や加工香辛料の香気や風味成分の散逸や変性
による低減をトレハロースによって防止できたことは予
想外のことであった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、香辛料及び/
又は加工香辛料とトレハロースとを含む組成物に関す
る。さらに本発明は、香辛料及び/又は加工香辛料にト
レハロースを共存させることを特徴とする香辛料及び/
又は加工香辛料の香気及び/又は風味の低減防止方法に
関する。加えて本発明は、香辛料をトレハロースの共存
下、破砕することを特徴とする加工香辛料の製造方法に
関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の組成物 本発明において香辛料とは、例えば、スパイス類又はハ
ーブ類を言う。香辛料としては、例えば、シナモン、ク
ローブ、カルダモン、クミン、黒胡椒、白胡椒、唐辛
子、生唐辛子、月桂樹、カイエンペッパー、ターメリッ
ク、キャラウェイ、サフラン、ナツメグ、メース、フェ
ヌグリーク、山椒、バジル、パセリ、イタリアンパセ
リ、セージ、タイム、ローズマリー、マリーゴールド、
ポツトマリーゴールド、ニンニク、ショウガ、レモン、
レモングラス、レモンバーベナ、レモンバーム、ベイ、
ペパーミント、ミント、わさび、マスタード、カッシ
ア、セロリー、ポピー、セサミ、アニス、スターアニ
ス、タデ、アジョワン、オレガノ、ジュニパー、ディ
ル、マンダリン、花椒、陳皮、ケシ、青ノリ、昆布パウ
ダー、ユズ、オニオン、カモミール、クレソン、ケーパ
ー、コリアンダー、コリアンダーシード、タラゴン、ダ
ンディリオン、チコリー、チャイブ、ナスターチウム、
バジリコ、マジョラム、ロケット、ローゼル、チャービ
ル、ミツバ、ミョウガ、レタス、プルピエ、ソレル、ボ
リジ、サラダバーネット、フェンネル、イタリアンフェ
ンネル、ビオラ、パンジー、カーネーション、カラシ
ナ、エシャロット、スダチ、ダイコン、カラシダイコ
ン、ウド、カイワレ、カボチャ、ラディッシュ、ネギ、
イワタケ、カンゾウ、イカリハマボウフラ、アサツキ、
キュウリ、トマト、シソ、キク、フキノトウ、椎茸、松
茸等のキノコ類、竹、タケノコ、クマザサ等のササ類、
サクラ、ヨモギ、カシワ、松の実等を挙げることができ
る。
【0008】また、加工香辛料とは、上記香辛料を例え
ば、粉末化、液状化、又は懸濁化したものを言う。この
ような加工香辛料は、香辛料に粉砕、摩り下ろし、抽
出、乾燥、及び/又は混合等の加工を施すことにより得
ることができる。加工香辛料としては、例えば、粉末シ
ナモン及び粉末胡椒等の粉末香辛料、摩り下ろしたショ
ウガ及び摩り下ろしたわさび等の摩り下ろし香辛料の
他、カレー粉、ガラムマサラ、マサラ、チリパウダー、
パプリカ、オールスパイス、ピクリングスパイス、七味
唐辛子、花椒塩、ユズコショウ、タバスコソース、ラー
油、フィーヌゼルブ、ブーケガルニ等を挙げることがで
きる。
【0009】トレハロースとは、グルコース2分子が
α、α−1,1結合した非還元性の二糖類であり、市販
品として入手可能である。尚、トレハロースは、糖純度
90〜100%の結晶として供給されているものがある
以外に、他の物質(例えば、糖類)との混合物としても
供給されているので、トレハロースを含む混合物をトレ
ハロース源として用いることもできる。
【0010】トレハロースの香辛料及び/又は加工香辛
料に対する分量は、香辛料及び/又は加工香辛料の香気
及び/又は風味成分1重量部に対して、純分トレハロー
ス100重量部以下、好ましくは10〜50重量部とす
ることが適当である。また、香辛料及び/又は加工香辛
料に含まれる香気及び/又は風味成分の量が明確でない
場合は、香辛料及び/又は加工香辛料10重量部に対し
て、純分トレハロース2重量部以下、好ましくは0.5
〜1重量部とすることが適当である。これらの範囲は、
用いられる香辛料の種類によって変化する香気及び/又
は風味成分の量を考慮し適宜変化させることがとでき
る。また、同一の香辛料であっても産地や収穫時期、品
種等により香気及び/又は風味成分の量は変化する。そ
のため、同一の香辛料であっても適宜、香気及び/又は
風味成分の量を考慮しトレハロースの量を調節すること
ができる。
【0011】香辛料及び/又は加工香辛料とトレハロー
スを含む組成物には、トレハロース以外の糖質及び食品
素材を添加することもできる。トレハロース以外の糖質
とは、グルコース、マルトース、ショ糖、乳糖、澱粉の
加水分解により得られるマルトオリゴ糖、イソマルトオ
リゴ糖、グルコース、及びマルトース、澱粉の加水分解
により得られるマルトオリゴ糖及びイソマルトオリゴ糖
を水素添加し得られる糖アルコール、異性化やカップリ
ングにより得られるフラクトース又はフラクトオリゴ
糖、キシロース、ゲンチオビオース、パノース、若しく
はこれらのオリゴ糖等、シクロデキストリン合成酵素を
反応して得られるα−シクロデキストリン、β−シクロ
デキストリン、γ−シクロデキストリン等のシクロデキ
ストリン類や環状オリゴ糖、澱粉をα−アミラーゼや加
熱や酸添加等の操作で得られるマルトデキストリン及び
デキストリン、セルロース、ヘミセルロース、マンノー
ス、マンノオリゴ糖、ラムノース、グルクロン酸、アガ
ロース、カラギーナン、ペクチン等の植物や微生物から
抽出される多糖類やガム質及びその分解物等、食品ある
いは食品添加物として用いることができる糖質等が挙げ
られる。
【0012】食品素材としては、例えば、エタノール等
のアルコール類、グリセロール、プロピレングリコール
などのグリコール類、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、フマ
ル酸等の有機酸類等、糖質を発酵して得られる食品若し
くは食品添加物、糖質に酵素等を作用させることにより
得られる食品若しくは食品添加物、アスコルビン酸やソ
ルビン酸等のビタミン類や酸化防止剤等、又は食品若し
くは食品添加物として用いることができる物質等を挙げ
ることができる。
【0013】また、香気成分を包接する物質を添加する
こともできる。香気成分を包接する物質としては、シク
ロデキストリン等の環状オリゴ糖、オリゴ糖、マルトデ
キストリン、デキストリン、澱粉、又はセルロース等を
挙げることができる。包接複合体による香気保持又は安
定化効果得る方法では、その大きさにより分子内空洞に
包接できない香気成分や配糖体、若しくは化学平衡の原
理により遊離している香気成分には効果が期待できなか
った。トレハロースはそれらの包接複合体の効果を得ら
れなかったの香気成分にも作用する。従って、包接複合
体の効果を得られなかった成分においても香気及び風味
の散逸及び変性防止効果を得ることができる。香気成分
を包接する物質を添加する場合は、トレハロースの分量
を適宜調節することができる。
【0014】組成物の製造方法 本発明の上記組成物は、香辛料及び/又は加工香辛料と
トレハロースを混合し、得られた混合物を十分に混ぜ合
わせることにより得ることができる。香辛料及び/又は
加工香辛料を十分に混ぜ合わせるには浸漬、混合、混
練、ミキシング、又はホモジナイズ等を利用することが
できる。また、香辛料より加工香辛料を製造する場合、
香辛料とトレハロースを予め混合しておくことにより、
加工する工程中に熱等の物理的影響により失われる香気
や風味成分の散逸及び変性を防止することができ、更に
有効である。
【0015】また、必要に応じて、トレハロースを均一
に香気及び/又は風味成分に作用させるための媒体とな
る水を添加し混ぜ合わせることもできる。香辛料及び/
又は加工香辛料10重量部に対して水2〜20重量部を
加えることにより、より効率よくトレハロースを香気及
び/又は風味成分に作用させることができる。用いる香
辛料及び/又は加工香辛料中に媒体として十分な水分
が、含まれていることもある。従って、香辛料及び/又
は加工香辛料の種類を考慮し、適宜必要な分量の水を加
えることができる。また、水の量は、浸漬、混合、混
練、ミキシング、又はホモジナイズ等に使用する機器の
能力、又は乾燥、粉末化、若しくは造粒に使用する機器
の能力に応じて、適宜調節することができる。
【0016】水は、単独又は他の物質との混合物として
添加することもできる。混合物とは、水とエタノール若
しくはグリセリン等の有機溶媒の混合物、水とオリゴ
糖、デキストリン、若しくはカラキーナン等の食品(造
粒時の粒子表面に皮膜性を与える)の混合物、酸化防止
剤若しくはビタミン類等の食品添加物を溶解した水溶
液、又はコーン油、ベニバナ油、パーム油、アボカド
油、若しくはラード等の食品用油脂を加え、必要ならば
シュガーエステル等の乳化剤を添加し乳化した混合物等
を言う。
【0017】低減防止方法 本発明では、トレハロースを用いて香辛料及び/又は加
工香辛料の香気や風味の低減を防止する方法を提供す
る。トレハロースを香辛料又は加工香辛料の香気や風味
の成分に直接作用させることにより、香気や風味の成分
を安定化することで、香気や風味成分の散逸や変性によ
る経時的な低減を防止することができる。トレハロース
と香辛料及び/又は加工香辛料を十分に混合することに
より、トレハロースを香気や風味成分に直接作用させる
ことができる。より具体的には、上記製造方法に記載さ
れた方法及び条件を用いることができる。安定化された
香気及び/又は風味の成分は、熱や光による揮発や変質
が起こりにくくなる。すなわち揮発等により失われやす
い香辛料及び/又は加工香辛料の香気及び/又は風味の
散逸や変性が防止され、低減を防止できる。
【0018】
【実施例】実施例1試験試料 ショウガをすり下ろしたもの60gにトレハロース結晶
12g及びデキストリン12gを加え、30分間混練し
たものを凍結乾燥した。比較試料 ショウガをすり下ろしたもの60gにマルトース結晶1
2g及びデキストリン12gを加え、30分間混練した
ものを凍結乾燥した。試験方法 凍結乾燥直後、予め80℃の環境に20時間放置した試
験試料及び比較試料をそれぞれ0.5g、密栓できる耐
圧ビンに分取し、2mlの水を加え、密栓した後、80
℃にて加熱した。加熱処理1時間後に、耐圧ビン内の気
相に揮発した香気成分を固相マイクロ抽出法にて抽出
し、ガスクロマトグラフィー法にて測定した。結果を表
1、2及び図1に示す。
【0019】 ガスクロマトグラフィー法条件 カラム :OV−17 2mmφ×2m、ガラスカラム キャリアーガス:純ヘリウム、50ml/分 検出器 :FID 温度 :カラム 150℃ 注入口 280℃ FID 300℃固相マイクロ抽出条件 SPMEアセンブリ(7μm,ポリジメチルシロキサン担
体;SUPELCO社)を使用した。アセンブリ先端を耐圧ビ
ン内に差し込み、5分間放置し、揮発した香気成分をア
センブリに吸着させた後、直ちにガスクロマトグラフィ
ー注入口に差し込み、2分間放置して、吸着した香気成
分をガスクロマトグラフィー中に放出させた。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】結果から明らかなように、トレハロースを
添加した試験試料中の香気成分は、凍結乾燥品の加熱処
理前後において、ガスクロマトグラム上での保持時間が
短い柑橘様の芳香をもつ高揮発性香気成分の損失が、比
較試料より少なかった。また、加熱処理前後における香
気成分全体の損失も、比較試料と比べて小さかった。ま
た官能検査にて、両試料の香気を判定したところ、トレ
ハロースを添加した試験試料の方が、香気の鮮烈さにお
いて優れていた。
【0023】実施例2試験試料 トレハロース30%及びマルトースと一連のデンプン糖
を含む糖液(MT−30;日本食品化工(株)社製)5
0gにデキストリン50g、及び水100gを加えた
後、Allylisothiocyanate(特級試薬;関東化学(株)
社製、別名;アリル芥子油)を0.4g加え、ホモミキ
サー(T.K.HOMO MIXER MARK II;特殊機化工業(株)社
製)にて激しく攪拌・乳化(8000rpm/30分)した。
この乳化溶液に、予め重量を測定した濾紙を漬け込んだ
後、直ちに引き上げ、ドラフト通風中につり下げ、3日
間放置し、乾燥させた。
【0024】比較試料 マルトース55%を含む糖液(MC−55;日本食品化
工(株)社製)50gにデキストリン50g、及び水1
00gを加えた後、Allylisothiocyanate(特級試薬;
関東化学(株)社製)を0.4g加え、ホモミキサー
(T.K.HOMO MIXERMARK II;特殊機化工業(株)社製)
にて激しく攪拌・乳化(8000rpm/30分)した。この
乳化溶液に、予め重量を測定した濾紙を漬け込んだ後、
直ちに引き上げ、ドラフト通風中につり下げ、3日間放
置し、乾燥させた。
【0025】評価方法 試験試料及び比較試料として用いた乳液1mlを、(1:
1)メタノール水溶液9mlで希釈し、ガスクロマトグラ
フィー法にて、Allylisothiocyanate含量(mg/ml)を定
量し、減圧乾燥法(105℃)で求めた乳液中の固形分含
量(g)を用いて、固形分当たりのAllylisothiocyanat
e含量(mg/g)を算出し、この値をAllylisothiocyanate
初期含量として用いた。
【0026】放置乾燥させた濾紙は、その乾燥後の重量
を測定し、予め測定していた濾紙重量を減算した値を計
算し、濾紙上の残存する乳液固形分量(g)とした。そ
の後、濾紙を細かく切断し、全量をビーカーに分取した
後、(1:1)メタノール水溶液10mlを加え抽出した。
この液を、20mlフラスコにメンブランフィルター濾別
し、さらに(1:1)メタノール水溶液を加えて、全量
を20mlに定容した。ガスクロマトグラフィー法にて、
この抽出溶液中のAllylisothiocyanate含量(mg/ml)を
定量し、先に求めた濾紙上の残存する乳液固形分量
(g)を用いて、固形分当たりのAllylisothiocyanate
含量(mg/g)を算出し、この値を乾燥後のAllylisothio
cyanate乾燥残量として用いた。結果を表3に示す。
【0027】
【表3】
【0028】試験試料においては約半分のAllylisothio
cyanateが残存しているのに対し、比較試料では、その
残存量は1/4以下にまで低下した。
【0029】実施例3 西洋わさび粉300重量部に食塩20重量部、クエン酸
1重量部、及び天然アリル芥子油2重量部を加え、予め
均一に攪拌した後、水150重量部、トレハロース30
%を含む糖液(MT−30;日本食品化工(株)社製)
を200重量部加え、更に混合攪拌した。均一になった
混合物を40℃の乾燥機中にて6時間通風乾燥した後、
フードミルで微細に粉砕し、粉末香辛料を得た。
【0030】実施例4 すり下ろしたニンニク、ショウガをそれぞれ20重量部
に、シナモン2重量部、クローブ5重量部、カルダモン
7重量部、クミン10重量部、コリアンダー8重量部、
黒胡椒8重量部、カイエンペッパー10重量部、及びタ
ーメリック8重量部を予めフードミルにて混合粉砕した
ものを加え、均一に混合した。更に、トレハロース30
%を含む糖液(MT−30;日本食品化工(株)社製)
を100重量部を加え、更に均一になるまで攪拌混合し
た。均一になった混合物を40℃の乾燥機中にて6時間
通風乾燥した後、フードミルで微細に粉砕し、粉末カレ
ー香辛料を得た。
【0031】実施例5 クミン50重量部、黒胡椒25重量部、クローブ3重量
部、カルダモン5重量部、シナモン3重量部、及びロー
レル2重量部をフードミルにて微粉砕した後、更に、ト
レハロース30%を含む糖液(MT−30;日本食品化
工(株)社製)を80重量部加え、更に均一になるまで
攪拌混合した。均一になった混合物を40℃の乾燥機中
にて6時間通風乾燥した後、フードミルで微細に粉砕
し、グランマサラ香辛料を得た。
【0032】実施例6 赤とうがらし20重量部の種子を取り除いた後、予め水
に浸け戻して置いたものに、キャラウェイシード8重量
部、コリアンダーシード5重量部、レモングラスの茎5
重量部、ショウガ10重量部、タマネギ20重量部、ニ
ンニク8重量部、及びナンプラー5重量部を加え、すり
鉢にて均一になるまですり下ろした。更に、結晶トレハ
ロース20重量部及び水10重量部を加え、更に混合均
一化し、アジア風カレーペーストを得た。
【0033】実施例7 パセリ100重量部を細かく刻み、水80重量部にトレ
ハロース30%を含む糖液(MT−30;日本食品化工
(株)社製)20重量部を溶解した溶液に2時間浸漬し
た。その後、篩にてパセリをすくい分け、よく水切りし
た後、凍結乾燥し、乾燥パセリを得た。
【0034】
【発明の効果】香辛料や加工香辛料の香気や風味には、
揮発性が高く化学的に不安定である物質が多く含まれて
いる。本発明は、香辛料や加工香辛料にトレハロースを
混合することによりそれらの物質を安定化し、より保存
性の高い加工香辛料を提供することができる。香辛料に
トレハロースを混合し、得られた混合物に加工を施して
得られる加工香辛料は、製品製造工程における香気や風
味の散逸や変性が少ない。そのためより香気や風味が香
辛料原料中の香気組成に近い、バランスのとれた加工香
辛料を生産することができる。本発明のトレハロースを
混合した加工香辛料には、混合していない加工香辛料に
比べて、通常、約4〜50倍の香気及び風味成分が含ま
れている。本発明による製造方法は、香辛料の種類に限
定されることなく、その香気及び風味成分の散逸や変性
の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1において得られた試験試料及び比較
試料についてのガスクロマトグラム。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 香辛料及び/又は加工香辛料とトレハロ
    ースとを含む組成物。
  2. 【請求項2】 香辛料が、スパイス類またはハーブ類で
    ある請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 加工香辛料が香辛料を粉末化、液体化、
    または懸濁化したものである請求項1または2に記載の
    組成物。
  4. 【請求項4】 香辛料及び/又は加工香辛料にトレハロ
    ースを共存させることを特徴とする香辛料及び/又は加
    工香辛料の香気及び/又は風味の低減防止方法。
  5. 【請求項5】 香辛料をトレハロースの共存下、破砕す
    ることを特徴とする加工香辛料の製造方法。
JP10018475A 1998-01-30 1998-01-30 香辛料及び/又は加工香辛料とトレハロースとを含む組成物 Pending JPH11215965A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008110955A (ja) * 2005-11-01 2008-05-15 Kodama Shokuhin Kk 大根乾燥製品・脂質代謝改善剤、およびこれらの製造方法
JP2017201941A (ja) * 2016-05-12 2017-11-16 キユーピー株式会社 コリアンダーソース
JP2020000087A (ja) * 2018-06-27 2020-01-09 ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社 粉末果実の製造方法及び風香味低下防止方法
KR20210048737A (ko) * 2019-10-24 2021-05-04 (주)빅앤트피아이에스 돈육가공용 염지제의 제조방법 및 이로 제조된 돈육가공용 염지제

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