JPH11215319A - フィルムスキャナ、傷認識方法、傷認識プログラムを記録した記録媒体、および、画像修復方法 - Google Patents

フィルムスキャナ、傷認識方法、傷認識プログラムを記録した記録媒体、および、画像修復方法

Info

Publication number
JPH11215319A
JPH11215319A JP10014655A JP1465598A JPH11215319A JP H11215319 A JPH11215319 A JP H11215319A JP 10014655 A JP10014655 A JP 10014655A JP 1465598 A JP1465598 A JP 1465598A JP H11215319 A JPH11215319 A JP H11215319A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
film
light source
flaw
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10014655A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidetoshi Nishikawa
英利 西川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Noritsu Koki Co Ltd
Original Assignee
Noritsu Koki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Noritsu Koki Co Ltd filed Critical Noritsu Koki Co Ltd
Priority to JP10014655A priority Critical patent/JPH11215319A/ja
Priority to US09/236,484 priority patent/US6396565B1/en
Priority to CN99107652.4A priority patent/CN1217229C/zh
Publication of JPH11215319A publication Critical patent/JPH11215319A/ja
Priority to US10/054,904 priority patent/US6727974B2/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルムスキャナ1において、ネガフィルム
9に形成された傷部を認識すると共に、傷部に対応する
例えば白抜けのような傷画像を修復する。 【解決手段】 ネガフィルム9を透過してCCD5bに
到達する光を発する第1光源部4aの周囲領域に、第2
光源部4bを配置する。上記周囲領域は、第2光源部4
bの出射光が、ネガフィルム9を透過してCCD5bに
届かない領域である。ネガフィルム9に傷部が有ると
き、第2光源部4bの出射光は、当該傷部にて屈折され
CCD5bに届く。したがって、CCD5bは、上記傷
部を介して得られる光を測光することにより、ネガフィ
ルム9に傷部が存在することを認識することができる。
その結果、傷部に対応する傷画像のみ、その濃度を調整
することが可能となり、傷画像を修復することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばデジタルプ
リントシステムに用いられ、原画像を記録したフィルム
を介して得られる光を測光(スキャニング)することに
より、上記原画像を認識するフィルムスキャナ、上記フ
ィルムに形成された傷部の存在を認識する傷認識方法、
傷認識プログラムを記録した記録媒体、および、測光に
よって得られる画像の傷領域を修復する画像修復方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、原画像を記録したネガフィル
ムを測光部の前面に配置し、ネガフィルムに照射される
光を測光部にて測光することにより、上記原画像を認識
するフィルムスキャナが種々提案されている。上記フィ
ルムスキャナは、例えばパソコン等のコンピュータを介
してデジタルプリンタに接続され、上記フィルムスキャ
ナに取り込まれた画像がデジタルプリンタから出力され
るようになっている。
【0003】このようなフィルムスキャナでは、測光部
に光を照射する光源として主にハロゲンランプが使用さ
れている。そして、赤、緑、青の各色に対応した、互い
に分光特性の異なる3種類のカットフィルタを光路中に
挿入することにより、測光に必要な赤、緑、青の各色の
光が得られるようになっている。
【0004】しかし、光源としてハロゲンランプを使用
したフィルムスキャナでは、以下のような不都合が生じ
る。
【0005】ハロゲンランプは、測光に不要な多くの
熱を発するため、例えば冷却ファンのような強制冷却手
段が必要となる。冷却ファンを配設した場合、周辺のホ
コリが光学系に巻き込まれるので、良好な測光を行うこ
とができない。
【0006】ハロゲンランプの分光特性を安定化させ
るための直流安定電源が別途必要となるため、装置が大
型化する。
【0007】ハロゲンランプを点灯させてからある程
度の時間が経過しないと、測光に必要な所望の光量は得
られないため、測光を行わない場合でもハロゲンランプ
を常に点灯させておく必要がある。このため、ハロゲン
ランプの消費電力が増大する。また、測光を行わない場
合にハロゲンランプの光が測光部に到達するのを防ぐた
め、測光部とハロゲンランプとの間にシャッタ機構を配
置する必要があり、構成部品が増加する。
【0008】光軸とその周辺とにおける光量差が大き
いので、ハロゲンランプからの光を拡散させて測光に必
要な面光源を作る拡散装置を構成した場合、光量ロスが
大きくなる。
【0009】ハロゲンランプを常に点灯させると、ハ
ロゲンランプの熱によってネガフィルムが損傷する。
【0010】これに対して、例えば特開平8−2208
1号公報に開示されたフィルムスキャナでは、光源とし
て、分光特性の互いに異なる複数の発光ダイオード(以
下、単にLEDと略記する)を用いており、これによっ
て、ハロゲンランプに起因する上述の不都合を回避して
いる。以下、上記フィルムスキャナについて説明する。
【0011】図14に示すように、上記フィルムスキャ
ナは、LED光源51、拡散板52、および、レンズ5
3を備えている。
【0012】LED光源51は、赤、緑、青色の光をそ
れぞれ出射する複数のLED51aがマトリクス状に配
置されてなっている。このとき、各LED51aは、同
図に示すように、指向方向が光軸Lと平行となるように
設けられている。また、各LED51aは、図示しない
光源駆動部により個別にON/OFF制御されており、
各LED51aごとに発光時間および/または発光輝度
が制御されている。
【0013】拡散板52は、LED光源51の光出射側
に配置されており、LED光源51からの出射光を拡散
させる。レンズ53は、入射光像を、測光部であるイメ
ージエリアセンサ55に結像させる。
【0014】このような構成において、LED光源51
の各LED51aを点灯させると、各LED51aから
出射された光は、拡散板52にて拡散された後、ネガフ
ィルム54、レンズ53を順に透過し、イメージエリア
センサ55に到達する。これにより、ネガフィルム54
に記録された原画像が、イメージエリアセンサ55の受
光面に結像される。そして、上記フィルムスキャナが、
例えばパソコン等のコンピュータを介してデジタルプリ
ンタと接続されているとすれば、上記デジタルプリンタ
から、上記原画像を記録したシートが排出される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで、LED光源
51からイメージエリアセンサ55に到る光路を乱すよ
うな傷部がネガフィルム54に存在する場合には、上記
傷部に対応する傷画像(例えば白抜け)がそのままスキ
ャニング画像に現れてしまう。これは、上記傷部に入射
した光が、当該傷部にて屈折されてイメージエリアセン
サ55に到達する光路から外れてしまい、上記傷画像が
光量不足となるためである。なお、このような変則的な
屈折等による光量不足の現象は、ネガフィルム54の表
面にゴミや異物が付着した場合でも同様に起こり得る。
【0016】しかし、LED光源51を用いた上記従来
のフィルムスキャナでは、ネガフィルム54に存在する
傷部を認識することはできない。すなわち、ネガフィル
ム54に傷部が存在する場合には、イメージエリアセン
サ55によって得られるスキャニング画像に上述のよう
な白抜けが現れるが、人間の目ではこの白抜けが傷画像
であると認識できても、コンピュータは、この白抜けが
傷画像なのか、あるいは、元々、ネガフィルム54に記
録されている原画像に対応した正式な画像なのかを見分
けることができない。
【0017】その結果、上記フィルムスキャナでは、ネ
ガフィルム54に上記のような傷部が存在する場合に、
上記傷部に対応する傷画像のみを修復することができ
ず、傷画像の存在しない良好なプリントを得ることがで
きないという問題が生ずる。
【0018】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、原画像を記録したフィル
ムに、測光部への光路を乱すような傷部が存在する場合
でも、上記傷部と非傷部とを見分けることができると共
に、上記傷部に対応する画像を修復し得るフィルムスキ
ャナ、傷認識方法、傷認識プログラムを記録した記録媒
体、および、画像修復方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るフ
ィルムスキャナは、上記の課題を解決するために、原画
像を記録したフィルムに光を照射する第1の光源と、上
記フィルムを透過する光を測光することによって上記原
画像を認識する測光手段とを備えたフィルムスキャナに
おいて、上記第1の光源から上記測光手段に到る光路を
乱す異常部位(例えば、傷等の凹凸)がフィルム面に存
在することによって、上記測光手段に該異常部位の像が
形成される光量不足を、該異常部位による光路の乱れを
利用して補償する光補償手段を備えていることを特徴と
している。
【0020】上記の構成によれば、フィルム面に傷やゴ
ミのような凹凸が付いている場合、第1の光源からフィ
ルム面に入射した光は、上記凹凸による屈折等を受ける
ため、通常の光路を辿って測光手段に到達することがで
きなくなる。すなわち、上記傷やゴミ等は、第1の光源
から測光手段に到る光路を乱す異常部位として作用す
る。この結果、測光手段においては、異常部位の像は光
量不足によって発色せず、例えば白く抜けた像として結
像されてしまう。
【0021】そこで、例えば、第1の光源が発する光と
は異なる光であり、ランダムな方向からフィルム面に入
射する光を生成するような光補償手段を設けるならば、
異常部位による光路の乱れを逆用する形で、異常部位に
起因した光量不足を補償することができる。すなわち、
異常部位による屈折等により白く抜ける像の部位に、異
常部位による屈折等を積極的に利用して光を送り込むこ
とによって、異常部位の像を発色させることができる。
これにより、異常部位の白抜けを消し去る効果を得るこ
とができる。
【0022】このような光補償手段としては、自ら発光
する他の光源でもよいが、上記第1の光源の光を反射な
いし拡散させ、ランダムな方向からフィルム面に入射す
る光を作り出す手段であってもよい。
【0023】請求項2の発明に係るフィルムスキャナ
は、上記の課題を解決するために、請求項1の構成にお
いて、上記光補償手段は、上記フィルムに対して上記測
光手段とは反対側の領域であって、上記光補償手段から
の出射光が上記フィルムを透過して上記測光手段に到達
することのない領域に設けられていることを特徴として
いる。
【0024】上記の構成によれば、フィルムに光が入射
しても、その光が当該フィルムを透過して測光手段に到
達することがない領域に光補償手段を配置した場合、フ
ィルムに異常部位が無ければ、光補償手段が発した光は
測光手段に届かないが、フィルムに異常部位が有れば、
光補償手段が発した光の一部は、該異常部位における屈
折等によって、測光手段に到達する。したがって、測光
の際に、第1の光源と光補償手段とを共に発光させるこ
とにより、第1の光源は、フィルムに記録された原画像
の測光に供される一方、光補償手段は、フィルムに異常
部位が存在するときにのみ、異常部位の写り込み防止に
供される。
【0025】この結果、第1の光源とは別に光補償手段
を設けても、原画像の測光のために調整した第1の光源
の制御内容を変更する必要が無い。
【0026】請求項3の発明に係るフィルムスキャナ
は、上記の課題を解決するために、請求項1または2の
構成において、上記光補償手段は、分光特性の互いに異
なる複数の発光手段(例えばLED)からなる第2の光
源で構成され、少なくとも上記第2の光源は、発光量が
任意に変更可能であることを特徴としている。
【0027】上記の構成によれば、例えばフィルム面に
形成された異常部位の程度(例えば傷の深さ等)に応じ
て、第2の光源の各発光手段の発光量を調整することが
可能となる。したがって、例えば上記異常部位の程度が
比較的軽い場合(傷が浅い場合等)には、上記発光量を
通常よりも少なめにすることによって、第2の光源にお
ける消費電力の低減を図りながら傷画像を修復すること
ができる。一方、例えば上記異常部位の程度が重い場合
(傷が深い場合等)には、上記発光量を多めにすること
によって、傷画像の修復を確実に行うことができる。
【0028】また、第2の光源の発光量の調整と併せて
第1の光源の発光量を変化させることにより、測光手段
によって得られるスキャニング画像の鮮明度、即ちいわ
ゆるプリントの硬さを変化させることができる。
【0029】請求項4の発明に係るフィルムスキャナ
は、上記の課題を解決するために、請求項1、2または
3の構成において、上記第1の光源は、分光特性の互い
に異なる複数の発光手段からなり、当該各発光手段は、
光の指向方向が、上記第1の光源と上記測光手段とを結
ぶ光軸と、複数の方向から交わるように設定されている
ことを特徴としている。
【0030】上記の構成によれば、光の指向方向が、光
軸と交わるように設定されていることにより、第1の光
源の発光手段の一部と測光手段の光軸から偏位した特定
領域とが対応付けられる。すなわち、発光手段の一部か
ら出射された光は、測光手段の光軸から偏位した特定領
域を照射する。さらに、光の指向方向が、光軸と複数の
方向から交わるように設定されているので、上記のよう
な発光手段の一部と測光手段の特定領域との対応関係
は、複数生成される。
【0031】このように、照射された光の強度分布が偏
心した特定領域が複数形成される結果、該特定領域に取
り囲まれた中心領域、すなわち光軸の周囲領域には、強
度分布の均一な領域が生まれる。強度分布が均一な領域
では、濃度むらや色むらが発生しないので、このような
領域を測光に用いるとよい。また、このような領域は、
光の指向方向が光軸と複数の方向から交わるように、発
光手段を設定しさえすれば、発光手段の前面に光を拡散
させる拡散板等を配置しなくても、基本的に生成され
る。
【0032】したがって、発光手段が発する光を有効利
用することができ、光量ロスを低減することができるの
で、光の指向方向が光軸と平行に設定され、拡散率の高
い拡散板を必須としていた従来のフィルムスキャナと比
べて、発光時間を短くしつつ、フィルムの異常部位の写
り込みも防止できるという、二重の効果を得ることがで
きる。
【0033】請求項5の発明に係るフィルムスキャナ
は、上記の課題を解決するために、請求項4の構成にお
いて、上記第1の光源における発光手段の指向方向が可
変であることを特徴としている。
【0034】上記の構成によれば、上記第1の光源にお
ける発光手段の指向方向を変えることにより、上記発光
手段と対応付けられる特定領域における強度分布が変わ
る。このように、ある特定領域の強度分布を調整する
と、複数の特定領域の集合からなる測光手段全体の強度
分布が当然変わる。したがって、測光手段の受光面全体
において均一な強度分布を得るための調整を、特定領域
に対応する発光手段のみ、その指向方向を変えることに
よって行うことができ、従来のように、複数の発光手段
の個々に対して発光量を調整する場合に比べ、その調整
を容易に行うことができる。
【0035】請求項6の発明に係るフィルムスキャナ
は、上記の課題を解決するために、請求項1ないし5の
いずれかの構成において、上記第1の光源および上記光
補償手段を構成する発光手段は発光ダイオードであるこ
とを特徴としている。
【0036】上記の構成によれば、発光ダイオードは、
輝度や発光時間を制御しやすいため、発光量を変えて濃
度むらや色むらを調整することが容易になる。また、発
光ダイオードの視野角を適宜選択することが可能である
と共に、基板に対する発光ダイオードの取り付け角度を
変えて、光軸に対する指向方向の傾き角を簡単に変える
ことができる。これによって、特に請求項5について説
明した強度分布が均一な領域の広がりを簡単に変えるこ
とができる。
【0037】また、ハロゲンランプに比べて、発熱量や
消費電力が小さく、分光特性が安定しているので、冷却
ファン、熱線吸収フィルタ、調光フィルタ、カットフィ
ルタ等の部品が不要となる。また、消費電力が小さく、
分光特性が安定しているので、直流安定電源は不要であ
り、かつ集積回路を用いた単純な直流電源を使用するこ
とができる。これにより、フィルムスキャナの小型化・
軽量化を実現できる。また、分光特性が安定しているの
で、必要なときに随時ON/OFF制御することが可能
となる。これにより、測光手段の前にシャッタ機構を設
ける必要が無くなると共に、消費電力を一層小さくする
ことができる。
【0038】請求項7の発明に係る傷認識方法は、上記
の課題を解決するために、原画像を記録したフィルムに
光を照射し、上記フィルムに形成された傷部を介して得
られる上記光を測光することによって、上記傷部の存在
を認識することを特徴としている。
【0039】上記の構成によれば、フィルムに照射され
る光のうち、傷部を介して得られる光を測光することに
より、上記フィルムに傷部が存在することを認識するこ
とができる。つまり、傷部に対応する傷画像は、通常、
白抜けの像となって現れるが、このような傷画像が本当
の傷画像なのか、あるいは、元々、フィルムに記録され
ている原画像に対応した正式な画像の一部なのかを、上
記光を測光することによって容易に見分けることができ
るようになる。
【0040】したがって、このようにして傷部の存在を
認識できれば、その後、得られた傷画像において、例え
ば発光量を調整することによって、その部分だけ画像濃
度を上げる処理を行うことが可能となる。その結果、傷
画像の修復を確実に行うことができる。
【0041】請求項8の発明に係る傷認識プログラムを
記録した記録媒体は、上記の課題を解決するために、原
画像を記録したフィルムに光を照射し、上記フィルムに
形成された傷部を介して得られる上記光を測光すること
によって、上記傷部の存在をコンピュータに認識させる
プログラムを記録してなることを特徴としている。
【0042】上記の構成によれば、原画像を記録したフ
ィルムに光を照射すると共に、フィルムに照射される光
のうち、傷部を介して得られる光を測光するプログラム
が記録媒体に組み込まれていることにより、上記フィル
ムに傷部が存在していることをコンピュータが自動的に
認識するようになる。したがって、測光した光を例えば
モニタ等によって操作者が確認する場合に比べ、傷認識
を迅速に行うことができると共に、傷認識における操作
者の手間を軽減することができる。
【0043】請求項9の発明に係る画像修復方法は、上
記の課題を解決するために、原画像を記録したフィルム
に光を照射し、上記フィルムに形成された傷部を介して
得られる上記光を測光する第1の工程と、その後、上記
光とは異なる他の光を上記フィルムに照射し、上記フィ
ルムにおける上記傷部以外の部位を透過する上記他の光
を測光する第2の工程と、上記第1の工程によって得ら
れる画像の濃度を、上記第2の工程によって得られる画
像の濃度に略一致させる第3の工程とを行うことを特徴
としている。
【0044】上記の構成によれば、まず、フィルムに形
成された傷部を介して得られる光を測光することによ
り、上記フィルムに傷部が存在していることが分かると
共に、上記傷部に記録された画像(以下、第1の画像と
称する)が得られる。ただし、第1の画像の濃度は、上
記傷部の程度(例えば深さ)と対応しており、傷部が深
く形成されればされる程、薄い。
【0045】続いて、上記フィルムにおける上記傷部以
外の部位を透過する光を測光することにより、傷部以外
の部位に記録された画像(以下、第2の画像と称する)
が得られ、最終的には、第2の画像の濃度と略一致する
ように、第1の画像の濃度が調整される。
【0046】したがって、フィルムに傷部が形成されて
いても、傷部の認識によって、傷部に対応する傷画像
(例えば白抜け)のみが修復される。その結果、傷画像
のない良好なプリントを得ることができる。
【0047】請求項10の発明に係る画像修復方法は、
上記の課題を解決するために、請求項9の構成におい
て、上記第3の工程は、上記第1の工程にて測光される
光の測光量に応じて上記光の発光量を変化させることに
より行われることを特徴としている。
【0048】上記の構成によれば、例えば上記第1の工
程にて測光される光の測光量が少ない場合には、上記光
の発光量を増加させることにより上記測光量が増加する
と共に、第1の画像の濃度が上がる。したがって、第1
の画像の濃度の調整を、上記第1の画像に対応する光の
発光量の調整で容易に行うことができる。
【0049】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕本発明の実施の
一形態について図1ないし図10に基づいて説明すれ
ば、以下の通りである。
【0050】図2に示すように、本実施形態に係るフィ
ルムスキャナ1は、原画像を記録したネガフィルム9に
光を照射して上記光を測光するものであり、パソコン2
(コンピュータ)を介してデジタルプリンタ3に接続さ
れている。これによって、全体としてデジタルプリント
システムが構築される。
【0051】パソコン2は、本体2aと、モニタ2b
と、キーボード2cとを有している。本体2aには、フ
ィルムスキャナ1の後述する測光部5(図3(a)参
照)から出力される信号が入力される。モニタ2bに
は、上記の信号に基づいて、測光部5の測光によって得
られた画像の濃度分布が表示される。なお、上記の画像
は、ネガフィルム9に記録された原画像に対応するもの
である。キーボード2cは、後述する光源部4(図3
(a)参照)の発光量、輝度、発光時間等を調整するた
めの指示を操作者が入力するためのものである。
【0052】したがって、フィルムスキャナ1にて得ら
れた画像データは、キーボード2cによって入力される
指示に基づいて加工編集された後、デジタルプリンタ3
から画像としてプリントアウトされる。
【0053】フィルムスキャナ1は、図3(a)に示す
ように、光源部4と測光部5とを備えている。光源部4
は、ネガフィルム9に光を照射するものであり、その詳
細については後述する。
【0054】測光部5は、ネガフィルム9を透過した光
源部4からの光を測光するものであり、対物レンズ5a
と撮像素子であるCCD(charge coupled device )5
b(測光手段)とからなっている。対物レンズ5aは、
光軸L方向に移動可能であり、上記光をCCD5bに結
像させる。この対物レンズ5aには絞り5c(図1参
照)が設けられており、CCD5bに入射する光量が適
宜調整される。CCD5bは、複数の受光素子を備えて
おり、各受光素子ごとに受光量に応じた電気信号をパソ
コン2に出力する。
【0055】光源部4と測光部5との間の光路中には、
ミラートンネル6、集光レンズ7、および、ANM(au
to nega mask)8が、光源部4からの光出射方向にこの
順で設けられている。
【0056】ミラートンネル6は、内面が鏡になった四
角錐台形の筒であり、光源部4が発した光を効率良くネ
ガフィルム9に導く機能を有している。また、ミラート
ンネル6の上底部は、ANM8の近隣に位置し、該上底
部とANM8との間に集光レンズ7を固設して、ミラー
トンネル6から出射される光を、ANM8に接して搬送
されるネガフィルム9に集光するようになっている。こ
れにより、上記光の利用効率が上がり、光量ロスが非常
に小さくなる。集光レンズ7を用いた場合、光源部4
は、対物レンズ5aと集光レンズ7との位置関係および
焦点距離を考慮し、集光式の光源設計に基づいて位置決
めされる。
【0057】なお、集光レンズ7以外に、例えば凹面鏡
を用いることによって光源部4からの光を集光させても
よい。しかし、この場合には、凹面鏡の配置に伴う光学
系のレイアウトが非常に複雑となる。したがって、集光
手段として集光レンズ7を用いることにより、光学系の
構成を簡素化することができる。
【0058】ANM8は、搬送ローラ10a・10bで
挟持されたネガフィルム9を、光路中の所定の位置に自
動搬送するものである。
【0059】このような各構成部材は、図3(b)に示
すフィルムスキャナ1の筐体1a内に収められている。
そして、ネガフィルム9は、筐体1aに設けられたフィ
ルム挿入口1bから挿入されるようになっている。
【0060】次に、光源部4の詳細について、図1、お
よび、図4ないし図7に基づいて説明する。
【0061】図4(b)は、フィルムスキャナ1内部の
分解斜視図を示している。なお、同図では、説明の便宜
上、ミラートンネル6の図示を省略している。また、図
4(a)は、同図(b)におけるCCD5bの光受光面
を4分割して拡大したものである。
【0062】図4(b)に示すように、光源部4は、第
1光源部4a(第1の光源)と、第1光源部4aとは別
基板で形成される第2光源部4b(光補償手段,第2の
光源)とからなっている。
【0063】第1光源部4aは、CCD5bの受光範囲
の大小に応じて、光軸Lと平行な方向に移動可能である
と共に、主としてネガフィルム9の上記凹凸部(傷部)
以外の部位を介して測光部5に入射する光(集光光)を
出射する。一方、第2光源部4bは、第1光源部4aの
周りに枠状に形成され、主としてネガフィルム9に形成
された凹凸部を介して測光部5に入射する光(拡散光)
を出射する。以下に、第1光源部4a、第2光源部4b
の各々の構成について説明する。
【0064】第1光源部4aは、図5(a)および
(b)に示すように、複数のLED(発光手段)からな
るLED群11と、LED群11を固定するLED基板
12と、拡散板13(図4(b)参照)とからなってい
る。
【0065】LED群11は、赤、緑、青色の光をそれ
ぞれ出射する複数のLED11R・11G・11Bから
構成されている。つまり、LED11R・11G・11
Bは、分光特性が互いに異なっている。そして、LED
11R・11G・11Bは、ネガフィルム9をスキャニ
ングするときにはONされる一方、スキャニングしない
ときにはOFFされるように、図示しない制御部によっ
て制御されている。なお、LED群11の詳細について
は後述する。
【0066】LED基板12のLED固定側表面には反
射膜が張り付けてあり、LED群11から出射される光
の光量ロスを低減できるようになっている。
【0067】つまり、LED群11からの出射光の大半
は、その頭部から出射されると共に、その殆どが測光部
5方向に出射される。しかし、微量ではあるが、LED
11R・11G・11Bの頭部からLED基板12側へ
出射される光も存在する。そこで、LED基板12表面
に反射膜を設けることにより、LED基板12側へ出射
された光が測光部5方向に反射されるので、測光部5方
向への光量が増大する。したがって、LED群11から
の出射光を有効利用することができ、その結果、出射光
の光量ロスを低減することができる。
【0068】拡散板13は、例えば肉眼でほぼ透視でき
るくらいの粗度を有するスリガラスであり、LED群1
1の各頭部近傍に配置されている。本実施形態では、視
野角が45°以下となるLED11R・11G・11B
を用いており、LED11R・11G・11Bからの光
が、拡散板13によって適切に拡散されるようになって
いる。なお、適切な視野角(例えば180°前後)を有
するLED11R・11G・11Bを用いれば、拡散板
13を設ける必要はない。
【0069】なお、図示はしていないが、LED群11
と拡散板13との間の光路中に、各LED11R・11
G・11Bに対応した開口部を有する絞りを設けるよう
にしてもよい。所定内径の開口部を有する絞りを上記光
路中に適宜配置することにより、各LED11R・11
G・11Bの視野角を適宜調整することができ、測光部
5にて得られる画像の濃度分布をより均一にすることが
できる。
【0070】なお、所定の絞りを上記光路中に選択的に
挿入する代わりに、開口部の内径が可変である絞りを各
LED11R・11G・11Bごとに設け、上記開口部
を調整することによって各LED11R・11G・11
Bの視野角を調整するようにしてもよい。
【0071】次に、LED群11の詳細について説明す
る。
【0072】ここで、図6(a)は、図4(b)におい
て、拡散板13を取り除いた第1光源部4aの斜視図を
示している。また、図6(b)は、上記第1光源部4a
の平面図である。同図において、LED基板12を第1
〜第4象限の4つに分割したときに、第1象限に属する
LEDをLED11R1 ・11G1 ・11B1 、第2象
限に属するLEDをLED11R2 ・11G2 ・11B
2 、第3象限に属するLEDをLED11R3 ・11G
3 ・11B3 、第4象限に属するLEDをLED11R
4 ・11G4 ・11B4 とする。
【0073】図6(b)に示すように、LED群11の
中央部近傍には、各色ごとに同数個のLEDが、合計1
2個密集して配されている。より具体的には、LED群
11を構成する4個のLED11R1 〜R4 が、LED
基板12の中心近傍に互いに接した状態で配され、さら
にLED11R1 〜R4 に接した状態で、4個のLED
11G1 〜G4 が点対称(換言すれば、対物レンズ5a
の光軸Lについて対称的)に配されると共に、4個のL
ED11B1 〜B4 が点対称に配されている。これによ
り、LED11R1 ・11G1 ・11B1 の3個が1組
をなし、残りのLEDについても、各色ごとに3個で1
組をなしている。したがって、合計4組のLEDによっ
てLED群11が構成されている。
【0074】各LED11R・11G・11Bにおい
て、輝度を一定としたときの発光時間の比は、例えばL
ED11B:LED11G:LED11R=1:2:5
〜6となるように設定されている。このような比で各L
ED11R・11G・11Bを発光させることにより、
光量の最も不足しがちな赤色光を補充することができ、
全体として良好な測光を行うことができる。
【0075】なお、上記の比は、発光時間を一定とした
ときの輝度比であってもよい。したがって、LED群1
1のLEDの数は、本実施形態の12個に限定されるわ
けではなく、青、緑、赤の各色について、LEDの輝度
と発光時間との積が、上述した1:2:5〜6を満足す
るように、配置スペースとの兼ね合いで定められればよ
い。
【0076】また、各LED11R・11G・11B
は、光軸Lに向かって指向するように、光軸Lに対して
角度θだけ傾けて設けられている。これを図7を用いて
説明する。
【0077】図7は、例えば第3象限のLED11R3
・11G3 ・11B3 だけを抜粋した斜視図を示してい
る。同図中の投影面Xを見れば分かるように、LED1
1G3 ・11B3 は、各々、光軸Lに対して面内方向に
角度θ1 だけ傾いている。同様に、上記投影面Xに対し
て垂直な投影面Yを見れば分かるように、LED11R
3 ・11G3 は、各々、光軸Lに対して面内方向に角度
θ2 だけ傾いている。なお、角度θ1 =角度θ2 であっ
てもよい。
【0078】また、図示はしないが、他の第1、第2、
第4象限のLED11R・11G・11Bに関しても上
記と同様である。また、上記の角度θ、θ1 、θ2 は、
光学系に用いるレンズの種類(焦点距離、口径等)、C
CD5bの受光範囲、プリントサイズ等の種々の条件を
考慮して、0〜30°程度の範囲内で設定される。
【0079】このように、各LEDを光軸Lに対して傾
けて配置することにより、3個1組のLED11R・1
1G・11Bごとに、CCD5bにおける光照射領域が
決まることになる。本実施形態では、CCD5bにおけ
る光照射領域は、第1〜第4象限のLED11R・11
G・11Bと対向した位置関係となっている。
【0080】具体的には、第1象限のLED11R1
11G1 ・11B1 からの光は、集光レンズ7、ネガフ
ィルム9、対物レンズ5aを介して、図4(a)に示
す、CCD5bにおける領域Iに照射される。なお、同
図において、領域Iは、CCD5bにおいて、対物レン
ズ5aとは反対側から見て右上の領域である。同様に、
第2象限のLED11R2 ・11G2 ・11B2 からの
光は、CCD5bにおける領域IIに、第3象限のLED
11R3 ・11G3 ・11B3 からの光は、CCD5b
における領域III に、第4象限のLED11R4 ・11
4 ・11B4 からの光は、CCD5bにおける領域IV
にそれぞれ照射される。なお、領域II〜IVは、CCD5
bにおいて、対物レンズ5aとは反対側から見て領域I
から反時計回りにそれぞれ形成される領域である。
【0081】これにより、光学系において収差等が発生
しても、第1光源部4aからの出射光がCCD5bの周
辺領域にまで確実に照射されるので、CCD5bの周辺
領域における光量不足を補償するために、例えば拡散板
13の拡散率を上げて、LED11R・11G・11B
からの光を必要以上に拡散させる必要がなくなる。その
結果、光の拡散によって生じる光量ロスを補償するため
に、LED11R・11G・11Bの発光時間を長くし
たり、発光輝度を上げたりする制御を行う必要もない。
【0082】また、LED11R・11G・11Bを、
光軸Lに対して所定角度θだけ傾けて配置することによ
り、CCD5bの受光面には、各LED11R・11G
・11Bと1対1で対応した光スポットが現れない。そ
の結果、光源むらをある程度抑えることができるので、
上記と同様、LED11R・11G・11Bからの光を
必要以上に拡散させる必要がない。なお、上記の光源む
らとは、CCD5bの受光面における濃度むら、色むら
のことである。それゆえ、LED11R・11G・11
Bを、光軸Lに対して所定角度θだけ傾けて配置するこ
とにより、光源むらの調整を容易に行うことができる。
【0083】なお、各LED11R・11G・11Bの
傾き角は、製造時において、例えば各LED11R・1
1G・11BのLED基板12への固定段階で適宜調整
できる。また、上記傾き角は、例えば針金からなる各L
ED11R・11G・11Bの脚部をLED基板12に
固定した後、上記脚部を所定量曲げることによっても調
整できる。
【0084】なお、各LED11R・11G・11Bの
傾き角を任意に調整できる傾き角可変機構を備えるよう
にしてもよい。この例については後述の実施の形態2で
説明する。
【0085】このような構成を有する第1光源部4a
は、CCD5bの受光範囲を小さくする程、ネガフィル
ム9に近づいて配置される一方、受光範囲を大きくする
程、ネガフィルム9から遠ざけて配置される。これは、
CCD5bの受光範囲に応じて、ネガフィルム9への入
射光の入射角を変化させる必要があるためである。つま
り、第1光源部4aをネガフィルム9に近づけてネガフ
ィルム9への入射光の入射角を小さくすると、CCD5
bの受光範囲が小さくなる。一方、第1光源部4aをネ
ガフィルム9から遠ざけてネガフィルム9への入射光の
入射角を大きくすると、CCD5bの受光範囲が大きく
なる。なお、CCD5bの受光範囲は、その後デジタル
プリンタ3から出力されるプリントのサイズにも対応す
る。
【0086】このように、第1光源部4aを光軸L上で
進退させることにより、CCD5bの受光範囲の変更に
無段階に対応することができると共に、プリントサイズ
にも無段階に対応することができる。さらに、この場
合、第1光源部4aと第2光源部4bとは独立して設け
られているので、最適な光学設計を施すことができ、設
計の自由度を広げることができる。
【0087】一方、第2光源部4bは、図5(a)およ
び(b)に示すように、複数のLED(発光手段)から
なるLED群14と、LED群14を固定するLED基
板15と、拡散板16(図4(b)参照)とからなって
いる。
【0088】LED群14は、赤、緑、青色の光をそれ
ぞれ出射する複数のLED14R・14G・14Bから
構成されている。つまり、LED14R・14G・14
Bは、分光特性が互いに異なっている。そして、LED
14R・14G・14Bは、ネガフィルム9をスキャニ
ングするときにはONされる一方、スキャニングしない
ときにはOFFされるように、図示しない制御部によっ
て制御されている。なお、LED群14の詳細な構成に
ついては後述する。
【0089】LED基板15の中央部には、第1光源部
4aからの光をそのまま通過させる矩形状の開口が形成
されている。したがって、LED基板15は、光軸Lを
中心にして環状に形成されており、それゆえ、LED基
板15上に固定されるLED14R・14G・14Bも
環状に配置される。また、LED基板15のLED固定
側表面には、LED基板12に設けられているものと同
様の反射膜が張り付けてあり、LED群14から出射さ
れる光の光量ロスを低減できるようになっている。
【0090】拡散板16は、例えば肉眼でほぼ透視でき
るくらいの粗度を有するスリガラスであり、LED群1
4の各頭部近傍に配置されている。また、拡散板16の
中央部には、第1光源部4aからの光をそのまま通過さ
せる矩形状の開口が形成されている。
【0091】本実施形態では、視野角が45°以下とな
るLED14R・14G・14Bを用いており、LED
14R・14G・14Bからの光が、拡散板16によっ
て適切に拡散されるようになっている。なお、適切な視
野角(例えば180°前後)を有するLED14R・1
4G・14Bを用いれば、拡散板16を設ける必要はな
い。
【0092】なお、図示はしていないが、LED群14
と拡散板16との間の光路中に、上述したような絞りを
設け、各LED14R・14G・14Bの視野角を適宜
調整しても構わない。
【0093】なお、所定の絞りを上記光路中に選択的に
挿入する代わりに、開口部の内径が可変である絞りを各
LED14R・14G・14Bごとに設け、上記開口部
を調整することによって各LED14R・14G・14
Bの視野角を調整するようにしてもよい。
【0094】次に、LED群14の詳細な構成について
説明する。
【0095】LED14R・14G・14Bは、指向方
向が光軸Lと平行をなすように、LED基板15に取り
付けられている。これは、ミラートンネル6と集光レン
ズ7とによって、LED群14が出射する拡散光を効率
良くネガフィルム9に入射させるようになっているため
である。この方が、各LEDを所定の角度傾けて基板に
取り付けるよりも、製造工程および製造管理が簡単にな
る利点が有る。勿論、各LEDを所定の角度傾けて基板
に取り付けても、本発明に何ら支障を来すことはない。
【0096】LED14R・14G・14Bの配列は以
下の通りである。図5(a)に示すように、LED群1
4のLED数は、第1光源部4aのLED群11のLE
D数の10倍程度であり、例えば120個になってい
る。そして、LED基板15における矩形の開口の4辺
に対し、1辺あたり30個ずつのLEDが4段積みに配
列されている。
【0097】すなわち、1段目、2段目に各10個のL
EDが配列され、3段目に8個、4段目に2個のLED
が配列されている。このように多数のLEDを多段に配
列することによって、ネガフィルム9の傷等に対応する
画像が測光部5で得られるのを防ぐばかりではなく、測
光後に得られるプリントの硬さ、言い換えれば、プリン
トされた画像がシャープかソフトかという度合いを意味
する鮮明度を調整することが容易になる。
【0098】なお、LED14R・14G・14Bの個
数比率は、光量が不足するLED14Rを多め、感光性
の高いLED14Bを少なめ、LED14Gをそれらの
中間に設定すればよい。ただし、発光量については、発
光輝度と発光時間との積が、赤色:緑色:青色=5〜
6:2:1となるように制御される。このような比で各
LEDを発光させることにより、光量の最も不足しがち
な赤色光を補充することができ、全体として良好な測光
を行うことができる。
【0099】また、LED14R・14G・14Bの位
置関係については、光軸Lの近くにLED14Rを多め
に配し、LED14Bを相対的に光軸Lから最も遠ざけ
るようにすればよい。したがって、LED14Bは、L
ED基板15における矩形の開口の1辺に対し、4段目
に配されている。
【0100】このように、本発明では、第1光源部4
a、第2光源部4bを構成する発光手段としてLEDを
用いているので、以下のような作用、効果を奏する。
【0101】発光手段としてハロゲンランプを用いた
場合には必要であった冷却ファン、熱線吸収フィルタ、
調光フィルタ、カットフィルタ等が必要でない。したが
って、光源部4の構成を簡素化することができる。ま
た、冷却ファンがないので、周辺のホコリを光学系に巻
き込むようなことがなく、良好な測光を行うことができ
る。
【0102】分光特性が安定しているため、直流電源
もIC(integrated circuit)コントロール基板に電圧
を印加する単純なものでよい。したがって、特殊な直流
電源を用いなくても済むので、装置の大型化を回避する
ことができる。また、分光特性が安定しているため、各
LEDのON/OFF制御で調光管理を容易に行うこと
ができる。
【0103】各LEDをON/OFF制御しているの
で、必要時以外はLEDを点灯させなくても済む。した
がって、ハロゲンランプを用いた場合よりも消費電力を
大幅に低減することができる。また、測光を行わない場
合には、LEDがOFFされるので、CCD5bと光源
部4との間にシャッタ機構を設ける必要がない。その結
果、部品点数を削減してフィルムスキャナ1の構成を簡
素化することができる。
【0104】光軸とその周辺とにおける光量差がハロ
ゲンランプほど大きくはない。したがって、光源として
ハロゲンランプを用いたときよりも光量ロスを低減する
ことができる。
【0105】各LEDをON/OFF制御しているの
で、LEDが必要以上に点灯し続けることがない。それ
ゆえ、測光回数が多い場合でも、各LEDの熱によって
ネガフィルム9が損傷するのを回避することができる。
【0106】各LEDは、分光特性が互いに異なって
いるので、CCD5bの前にR、G、Bの色フィルタを
配置する必要がなくなる。これにより、光源部4の構成
を簡素化することができる。
【0107】次に、第1光源部4aと第2光源部4bと
の光軸Lに対する相対的な位置関係について説明する。
【0108】図1は、集光レンズ7、ネガフィルム9、
対物レンズ5aおよびCCD5bで構成された露光系に
おいて、光源からの光がCCD5bに直接届く領域と届
かない領域とを示している。勿論、第1光源部4aおよ
び第2光源部4bは、集光レンズ7を境にして、対物レ
ンズ5aとは反対側の領域に配置されるのであり、集光
レンズ7を対物レンズ5a側に越えてしまうことはな
い。
【0109】図1の斜線領域は、光源を配置したとして
も、CCD5bのどの点にも光が直接届かない領域を示
している一方、図1の斜線領域に挟まれた光軸L周囲の
斜線が入っていない領域は、光源を配置すれば、CCD
5bの何処かの点に必ず光が直接届く領域を示してい
る。斜線領域と斜線が入っていない領域との境界線上を
進行する光は、ネガフィルム9の端部を通り、CCD5
bの端部に達することになる。
【0110】ここで、本発明の重要な特徴として、第1
光源部4aが、上記斜線が入っていない領域において光
軸Lを中心に配置され、第2光源部4bが、上記斜線領
域に配置されるように、第1光源部4aと第2光源部4
bとの位置関係が設定されている。したがって、ネガフ
ィルム9が正常であると仮定すると、例えば第1光源部
4aと第2光源部4bとを同時に点灯したときに、第2
光源部4bの出射光は、勿論、CCD5bには届かな
い。
【0111】したがって、このような位置関係にある第
1光源部4aと第2光源部4bとを利用することによ
り、ネガフィルム9に例えば浅い傷が形成されている場
合には、ネガフィルム9に傷があるにもかかわらず、プ
リントされる画像において傷画像のない良好な画像を得
ることができる。以下、この原理について説明する。
【0112】図8(a)は、ノッチ状の傷9aが付いた
ネガフィルム9の縦断面に、第1光源部4aから出射さ
れた集光光が垂直に入射し透過する様子を模式的に表し
ている。同図に示すように、傷9aに入射した光a3・
a4は、傷9aにて屈折するため、ネガフィルム9の光
出射側に配置されるCCD5bに到達することはない。
しかし、傷9a以外の部位に入射した光a1・a2・a
5・a6は、ネガフィルム9をそのまま透過しCCD5
bに到達する。
【0113】一方、図8(b)は、ネガフィルム9の縦
断面に、第2光源部4bから出射された拡散光が斜め上
から入射し透過する様子を模式的に示している。同図に
示すように、傷9a以外に入射した光は、ネガフィルム
9をそのまま透過するためCCD5bには到達しない。
しかし、傷9aの上側傾斜面に入射した光の中には、傷
9aにて屈折し、ネガフィルム9の出射側の面から垂直
に出射され、CCD5bに到達する光a11が含まれて
いる。
【0114】同様に、図8(c)に示すように、ネガフ
ィルム9の縦断面に、第2光源部4bから出射された拡
散光が斜め下から入射し透過する場合、傷9aの下側傾
斜面に入射した光の中には、傷9aにて屈折し、ネガフ
ィルム9の出射側の面から垂直に出射され、CCD5b
に到達する光a12が含まれている。
【0115】つまり、CCD5bに到達する光a11・
a12は、CCD5bにおける傷9aが結像される部位
を露光するので、CCD5bにて測光される画像におい
て、傷9aに対応する部分が欠落することがない。
【0116】したがって、図8(d)に示すように、第
2光源部4bから出射され、ネガフィルム9で異常屈折
することなくCCD5bに結像される光a1・a2・a
5・a6と、第1光源部4aから出射され、ネガフィル
ム9の傷9a等の凹凸によって異常屈折されてCCD5
bに到達する光a11・a12とを合わせてCCD5b
を露光することにより、傷9aに対応する像(例えば白
抜け)がCCD5bの受光面に形成されるのを防ぐこと
ができる。
【0117】言い換えれば、ネガフィルム9に付いた傷
9a等の凹凸によって結像の光路が乱され、CCD5b
に傷の像が形成されるといった光量不足を、傷9a等の
凹凸によって結像の光路が乱されることを逆用して補償
するように、第2光源部4bを設けたということができ
る。
【0118】このときに、第1光源部4aと第2光源部
4bとの位置関係として、既に説明したように、第1光
源部4aを光軸Lの位置に配置する一方で、CCD5b
に直接光が届かない領域に第2光源部4bを配置するこ
とが重要である。これによって、ネガフィルム9に傷9
a等の凹凸が無い場合に、第2光源部4bを、第1光源
部4aの光源むら補正に影響を与えることなく、ネガフ
ィルム9の傷消しのみに役立てることができる。
【0119】なお、第1光源部4aから出射された光の
中にも、傷9a等の凹凸を介してCCD5bに到達する
光が一部含まれていることもあり得る。そこで、傷9a
等の凹凸の像がCCD5bに写らないように、第1光源
部4aおよび第2光源部4bの各LEDの輝度や発光時
間等で決まる発光量を個別に最適制御するのが好まし
い。
【0120】次に、ネガフィルム9に形成された傷が比
較的浅い場合、または傷が無い場合における、デジタル
プリントシステム全体の動作について説明する。
【0121】光源部4(第1光源部4aおよび第2光源
部4b)が点灯されると、光源部4から出射された光
は、ミラートンネル6の内部を通り、集光レンズ7に入
射する。そして、集光レンズ7に入射した光は、集光レ
ンズ7にて集光され、ANM8によって搬送されたネガ
フィルム9に到達する。ここで、第2光源部4bは、上
述したような配置で設けられているので、ネガフィルム
9が傷等のない正常なものである場合には、第2光源部
4bからの光が、ネガフィルム9を透過して測光部5に
到達することはない。一方、ネガフィルム9に比較的浅
い傷9aが形成されている場合には、傷9a以外の部位
を透過する第1光源部4aからの光が測光部5に到達す
ると共に、傷9aにて屈折する第2光源部4bからの光
が測光部5に到達する。
【0122】これにより、測光部5では、ネガフィルム
9に記録された原画像が、傷9aの影響を受けずに対物
レンズ5aによってCCD5bの受光面に結像される。
つまり、傷9aの箇所に形成された画像のみ測光部5に
届かないというようなことがない。その後、CCD5b
の各受光素子が、受光量に応じた電気信号をパソコン2
の本体2aに出力すると、モニタ2bには、上記信号に
基づいて、CCD5bの受光面に結像された画像の濃度
分布が表示される。操作者は、キーボード2cを操作す
ることにより、光源部4の発光量、輝度、発光時間等を
調整し、光源むらを調整する。その後、フィルムスキャ
ナ1とパソコン2を介して接続されたデジタルプリンタ
3から、フィルムスキャナ1にて読み取った画像がプリ
ントアウトされる。
【0123】このように、第1光源部4aおよび第2光
源部4bとを両方点灯させ、集光光と拡散光とを適切な
割合で照射するだけで、仮に比較的浅い傷9aがネガフ
ィルム9に形成されていても、傷9aに対応する像がス
キャニング画像に出ない。したがって、CCD5bにお
いて傷画像のない画像を得ることができる。
【0124】次に、ネガフィルム9に例えば深い傷部が
形成されている場合における対応について以下に説明す
る。
【0125】ネガフィルム9の傷9aが深い場合、集光
光と拡散光とを適切な割合で照射しても、上記傷9aに
対応する像が白抜けとなってスキャニング画像に現れて
しまう。したがって、この場合、上記の白抜けを修復す
る必要がある。
【0126】しかし、パソコン2は、スキャニング画像
における白抜けが、傷9aに対応する傷画像なのか、あ
るいは、元々、ネガフィルム9に記録されている原画像
に対応した正式なスキャニング画像の一部であるのかが
判断できない。
【0127】そこで、ネガフィルム9の傷9aが深い場
合には、スキャニング画像における傷消しをデジタル処
理で以下のように行うようになっている。
【0128】まず、第2光源部4bのみ点灯させ、図8
(b)および(c)に示す傷9aを介して得られる光を
CCD5bに測光させる(第1の処理)。これにより、
CCD5bの受光面には、傷9aに対応する傷画像のみ
が結像される。そして、CCD5bは、各受光素子ごと
に受光量に応じた信号をパソコン2に送信し、傷画像の
みがパソコン2に取り込まれると共に、上記傷画像の位
置がパソコン2にて認識されることになる。
【0129】次に、第1光源部4aおよび第2光源部4
bを両方点灯させる(第2の処理)。これにより、CC
D5bの受光面には、図8(d)に示す傷9aに対応す
る傷画像(白抜け)と、傷9a以外の部位に対応する傷
無し画像とが結像される。そして、CCD5bによる信
号送信により、これらスキャニング画像がパソコン2に
取り込まれる。
【0130】そして、傷画像の位置が既に認識されてい
るので、上記傷画像の箇所の濃度を上げて傷無し画像の
濃度に合わせる処理をパソコン2にて行う(第3の処
理)。この場合の濃度調整は、例えば測光部5での第2
光源部4bからの光の測光量に応じて第2光源部4bの
発光量を挙げることによって可能である。この処理は、
操作者がモニタ2bを見ながらキーボード2cによって
手動で行ってもよい。また、傷画像の濃度を、傷画像近
傍の箇所の濃度に合わせるソフトを用いてパソコン2自
体に自動で行わせるようにしてもよい。こうして傷画像
の補正された画像データは、デジタルプリンタ3に転送
され、傷画像の無い画像としてプリントアウトされる。
【0131】このようなデジタル処理により、傷9aが
深い傷であっても、傷画像を認識して傷画像のみを修復
することができる。これにより、傷画像のない良好なプ
リントを得ることができる。
【0132】なお、上記第1の処理をパソコン2に実行
させるためのプログラムを図9に示す記録媒体17(例
えばCD−ROM)に記録しておき、この記録媒体17
を用いてパソコン2に傷9aの存在を自動で認識させる
ようにしてもよい。つまり、この場合、パソコン2は、
記録媒体17に記録されたプログラムに基づいて第2光
源部4bを発光させ、ネガフィルム9の傷部を介して得
られる光をCCD5bに測光させる。CCD5bにおけ
る測光結果がパソコン2に送り込まれることにより、パ
ソコン2はネガフィルム9に傷部が存在することを自動
的に認識する。
【0133】なお、自ら発光する第2光源部4bを設け
る代わりに、第1光源部4aの出射光を反射ないし拡散
させ、ランダムな方向からネガフィルム9に入射する光
を作り出す手段を設けるようにしてもよい。
【0134】次に、本発明に係るフィルムスキャナ1
は、LEDを光源に用いた従来の写真プリンタに比べ
て、第1光源部4aを構成するLEDの個数が少なくて
済む結果、光源むらの調整が容易という効果と、傷消し
の効果とを併せ持つことができる点について説明する。
【0135】図10は、第1光源部を発光させて測光を
行った場合に、CCD5bの受光面における濃度分布を
模式的に表したものである。C1 〜C4 で示される4つ
の小円は、前述した赤・緑・青3個1組のLEDの発光
による各照射中心に形成される濃度の最も高い所であ
る。そこで、上記C1 〜C4 を極値領域と呼ぶ。極値領
域C1 〜C4 から遠ざかる程、照度が下がるため、濃度
は徐々に低くなっていく。すなわち、極値領域C1 〜C
4 の各中心に対して半径が大きい円程、濃度が低いこと
を示している。
【0136】また、領域Iの極値領域C1 を中心とする
同心多重円は、例えば図6(b)に示すLED11R1
・11G1 ・11B1 の発光による濃度分布を示してい
る。同様に、領域IIの極値領域C2 を中心とする同心多
重円は、LED11R2 ・11G2 ・11B2 、領域II
I の極値領域C3 を中心とする同心多重円は、LED1
1R3 ・11G3 ・11B3 、領域IVの極値領域C4
中心とする同心多重円は、LED11R4 ・11G4
11B4 の各発光による濃度分布を示している。
【0137】ここで、図10に示すように、CCD5b
の各領域I〜IVは、原点Oで直交するx軸およびy軸に
よって分割されたものとする。すると、原点Oに近い領
域程、濃度分布が均一となっていることがわかる。した
がって、実際の測光には、原点Oに近い周囲の濃度分布
が均一な領域で測光が行われるように、すなわち、極値
領域C1 〜C4 の近傍が測光に利用されないように、L
EDの傾き角、並びに対物レンズ5aとCCD5bとの
距離が設定されている。このように濃度分布が均一な領
域を得ることができるのは、赤・緑・青3個1組のLE
Dの発光による照射領域が、図10を見てわかるよう
に、各領域I〜IVの1つに比較的制限されていることに
よっている。これは、いうまでもなく、各領域I〜IVに
対応する赤・緑・青3個1組のLEDの指向方向が光軸
Lと交わるように、LEDが傾けられているためであ
る。
【0138】このように、本発明のフィルムスキャナ1
では、第1光源部4aのLED群11をたった12個の
LEDで構成しても、CCD5bにおける測光領域の濃
度分布を均一にすることができる。したがって、制御す
べきLEDの個数が少なくて済むため、各LEDの輝度
や発光時間の制御によって、光源むらを補正することが
極めて容易になる。
【0139】しかも、従来の光源に用いているLEDよ
り狭い指向性を持つ(例えば、視野角が45度以下とな
る)LEDを使用しても、赤・緑・青3個1組のLED
の発光による照射領域を、各領域I〜IVの1つに比較的
制限することによって、均一な濃度分布の領域を得ると
いう本発明の作用を充分に得ることができる。この結
果、拡散板13の拡散率を低くすることも同様に可能と
なるので、LED群11の光量ロスを抑制することがで
きる。これにより、LED群11を構成するLEDの個
数が少なくても、露光時間が長くなるという問題は起こ
らない。
【0140】なお、赤・緑・青3個1組のLEDが、C
CD5bの各領域I〜IVに対応付けられているので、各
組における各色LEDの発光量を変えることによって、
各領域I〜IV毎にY(イエロー)・M(マゼンタ)・C
(シアン)濃度を自由に変更することもできる。
【0141】このように、本発明の第1光源部4aの構
成によれば、LEDを光軸に平行に配列した従来とは異
なり、傷消しの作用を高め、かつ測光時に光源むらが出
ないようにするために、多数のLEDの前面に拡散率の
高い拡散板を設ける必要が無い。また、LEDを光軸に
平行に配列した場合、光学系の設計によって発生する収
差等の影響により、CCD5bの辺縁部が、中央部より
も相対的に光量不足となるため、CCD5bの辺縁部を
照射するLEDの発光量を大きくする必要が有るといっ
た制御の煩雑さの問題も、本発明の第1光源部4aの構
成では生じることがない。
【0142】〔実施の形態2〕本発明の実施の他の形態
について図11に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。本実施形態では、実施の形態1で説明した第1光源
部4aが、LED群11の各LEDの傾き角を連続的に
変化できる構成を備えている場合について説明する。し
たがって、実施の形態1で用いた部材と同一の機能を有
する部材には同一の部材番号を付記し、その説明を省略
する。
【0143】図11(a)および(b)に示すように、
LED基板12は、実施の形態1で述べた4つの象限
(第1〜第4象限)に対応して分割基板12a〜12d
に分割されており、各分割基板12a〜12d上には各
象限に対応するLEDが垂直に固定されている。各分割
基板12a〜12dにおいて光軸Lに最も近い角部は面
取りの処理が施され、そこには回転軸21が設けられて
いる。各分割基板12a〜12dにおいて光軸Lから最
も遠い角部付近には、穴22が設けられており、この穴
22はバネ23の一端を支持するためのものである。な
お、バネ23の他端はバネ支持部材24を介して支持さ
れている。
【0144】カム25は、上記の各分割基板12a〜1
2dにおいてLED群11が設けられていない側の面に
接するように設けられている。このカム25は、支軸2
6の回りに回動可能に設けられており、該回動に伴っ
て、バネ23の張力に抗して各分割基板12a〜12d
は回転軸21の回りに回動する。なお、カム25の回動
は、図示しない制御部によって制御されている。このよ
うに、カム25の回動に伴って各分割基板12a〜12
dが回動し、結果として、LED群11の各LEDの傾
き角を所望の角度に調整可能となる。
【0145】なお、各分割基板12a〜12dの回動
は、上記のようにカム25等による回動に限定されるも
のではなく、各分割基板12a〜12dが連続的に回動
可変に構成されていればよい。
【0146】このように、LED群11の各LEDの傾
き角を象限ごとに可変とする機構を構成することによ
り、例えば図10で示した、CCD5bの受光面におけ
る濃度分布を、LED群11の各象限に対応した領域ご
とに調整することが可能となる。これにより、前述した
濃度分布の極値のポイントを自由に変えることができ、
光源むらをより一層容易に調整することができる。
【0147】〔実施の形態3〕本発明の実施の他の形態
について図12および図13に基づいて説明すれば、以
下の通りである。なお、実施の形態1で用いた部材と同
一の機能を有する部材には同一の部材番号を付記し、そ
の説明を省略する。
【0148】本実施形態に係るフィルムスキャナ1′
は、実施の形態1で用いた光源部4の代わりに光源部
4′を備えている一方、集光レンズを配していない構成
となっている。
【0149】光源部4′は、図13(a)に示すよう
に、LED群31・32と、これら両LED群31・3
2を一体的に保持するLED基板33と、両LED群3
1・32の前面を覆うように両LED群31・32の頭
部近傍に配され、両LED群31・32の出射光を拡散
させる拡散板34とを備えている。なお、LED群31
は、請求項1に記載の第1の光源に相当すると共に、L
ED群32は、同じく請求項1に記載の光補償手段およ
び請求項3に記載の第2の光源に相当する。
【0150】LED群31は、LED基板33の中央部
近傍に複数のLEDが密集して配されたものであり、主
としてネガフィルム9を透過してCCD5bに到達する
光(集光光)を出射する。LED群32は、複数のLE
DがLED群31の周囲に正方形枠状に配列され、主と
してネガフィルム9に付いた傷等の凹凸部を介してCC
D5bに到達する光(拡散光)を出射する。
【0151】本実施形態では、LED群31・32が共
に同じLED基板33に形成されているため、LED群
31を単独で光軸L方向に移動させることはできない
が、光源部4′自体を光軸L方向に移動させることによ
って、実施の形態1のように、CCD5bの受光範囲に
応じたプリントを行うことができる。
【0152】次に、LED群31の配列についてより詳
細に説明する。
【0153】図13(a)におけるLED群31を拡散
板34側から見たときの平面図を図13(b)に示す。
同図に示すように、LED群31は、赤、緑、青色の光
をそれぞれ出射する複数のLED31R・31G・31
Bから構成されている。つまり、これらのLEDは、各
色に対応して分光特性が互いに異なっている。
【0154】ここで、説明の便宜上、LED31R・3
1G・31Bを以下のように定義付ける。図13(b)
において、第1象限に属するLEDをLED31R1
31G1 ・31B1 、第2象限に属するLEDをLED
31R2 ・31G2 ・31B2 、第3象限に属するLE
DをLED31R3 ・31G3 ・31B3 、第4象限に
属するLEDをLED31R4 ・31G4 ・31B4
する。
【0155】LED群31におけるLED31R・31
G・31Bの配列は、実施の形態1で用いたLED群1
1の場合と同様である。すなわち、LED群31の中央
部近傍には、各色毎に同数個のLEDが、合計12個密
集して配されている。より具体的には、中央部の周囲に
4個のLED31R1 〜R4 が互いに接した状態で配さ
れ、さらにLED31R1 〜R4 の周囲に接した状態
で、4個のLED31G1 〜G4 が点対称(換言すれ
ば、光軸Lについて対称的)に配されると共に、4個の
LED31B1 〜B4 が点対称に配されている。これに
より、例えばLED31R1 ・31G1 ・31B1 の3
個が1組をなしている。残りのLEDについても、各色
毎に3個で1組をなし、合計4組のLEDによってLE
D群31が構成されている。
【0156】この3個1組をなすLED31R・31G
・31Bは、実施の形態1のLED群11と同様に、そ
の指向方向が光軸Lと交叉するようにLED基板33に
傾けて取り付けられることによって、CCD5bの特定
の領域に対応付けられ、その対応する領域を主として照
射するようになっている。
【0157】具体的には、図13(a)に示すように、
CCD5bを光軸Lを中心として、4つの領域I〜IVに
分割し、対物レンズ5aとは反対側から見て左下の領域
から反時計回りに領域I〜IVを定めるものとする。この
場合、上記領域Iには、図13(b)に示すLED31
1 ・31G1 ・31B1 が対応付けられている。同様
に、領域IIには、LED31R2 ・31G2 ・31
2 、領域III には、LED31R3 ・31G3 ・31
3 、領域IVには、LED31R4 ・31G4 ・31B
4 が、それぞれ対応付けられている。
【0158】一方、LED群32は、緑色を発色するL
ED32Gと青色を発色するLED32Bとが、赤色を
発色するLED32Rを2〜3個置いて交互に配列され
ていると共に、これらLED32R・32G・32Bが
光軸Lに対して点対称に配列され、全体として正方形枠
状に配列されている。LED32R・32G・32Bの
個数比率は、適正な測光を行うために、およそ5〜6:
2:1となるように設定されている。すなわち、光量が
最も不足しがちな赤色光を補充する個数比率を採用して
いる。
【0159】この点は、LED群31についても同様に
考慮されている。すなわち、CCD5bに赤色光を最も
集めやすい位置として、LED群31の周辺部より中央
部にLED31Rを配置するようにしている。その上、
輝度を一定としたときの発光時間の比は、赤、緑、青の
各色について、5〜6:2:1となるように設定されて
いる。なお、上記の比は、発光時間を一定としたときの
輝度比であってもよい。
【0160】また、LED群32を構成するLED32
R・32G・32Bはそれぞれ、実施の形態1のLED
群14の場合と同様に、指向方向が光軸Lと平行となる
ように、LED基板33に設けられている。これは、各
LEDを所定の角度傾けて基板に取り付けるよりも、製
造工程および製造管理が簡単になるためである。しか
し、光の利用効率を上げることを重視するのであれば、
各LEDを所定の角度傾けて基板に取り付けるほうがよ
い。
【0161】なお、LED群31・32に配置するLE
Dの数は、本実施の形態に限定されるわけではなく、
赤、緑、青の各色について、LEDの輝度と発光時間と
の積が、上述した5〜6:2:1を満足するように、配
置スペースとの兼ね合いで定めることができる。
【0162】次に、LED群31・32の光軸Lに対す
る相対的な位置関係について説明する。図12は、ネガ
フィルム9、対物レンズ5a、CCD5bで構成された
露光系において、光源部4′の光がCCD5bに直接届
く領域と届かない領域とを示している。もちろん、光源
部4′は、ネガフィルム9を境にして、対物レンズ5a
と反対側の領域に配置されるものであり、ネガフィルム
9を対物レンズ5a側に越えてしまうことはない。
【0163】図12の斜線領域は、光源を配置したとし
ても、CCD5bのどの点にも光が直接届かない領域を
示している一方、図12の斜線領域に挟まれた光軸L周
囲の斜線が入っていない領域は、光源を配置すれば、C
CD5bの何処かの点に必ず光が直接届く領域を示して
いる。斜線領域と斜線が入っていない領域との境界線上
を進行する光は、ネガフィルム9の端部を通り、CCD
5bの端部に達することになる。
【0164】ここで、本発明の重要な特徴として、LE
D群31は、上記斜線が入っていない領域において光軸
Lを中心に配置され、LED群32は、上記斜線領域に
配置されるように、LED群31・32の位置関係が設
定されている。したがって、例えば、傷画像を修復する
ときには、LED群31・32は両方点灯されるが、ネ
ガフィルム9が正常な場合に、LED群32の出射光
は、CCD5bに届くことがない。
【0165】このように、実施の形態1のように集光レ
ンズを用いなくても、LED群31・32を上記のよう
に配置した光源部4′を構成することにより、実施の形
態1と同様に、LED群31から出射される集光光はネ
ガフィルム9の傷部では屈折してCCD5bには到達し
ないが、傷部以外の部位を透過したものはCCD5bに
到達する。一方、LED群32から出射される拡散光
は、ネガフィルム9の傷部では屈折してCCD5bには
到達するが、傷部以外の部位を透過したものはCCD5
bに到達しない。
【0166】したがって、本実施形態においても、LE
D群31・32からの集光光および拡散光を利用するこ
とには実施の形態1と代わりはなく、実施の形態1と同
様に、傷認識をおこなったり、傷認識結果に基づいて傷
画像のみの画像修復を行うことができる。
【0167】なお、実施の形態1で用いた光源部4を本
実施形態の光源部4′の代わりに適用する構成、あるい
は、逆に、本実施形態の光源部4′を実施の形態1の光
源部4の代わりに適用する構成も、各LED群の配置位
置にさえ留意すれば勿論可能であり、その場合でも本発
明と同様の効果を得ることができる。
【0168】
【発明の効果】請求項1の発明に係るフィルムスキャナ
は、以上のように、原画像を記録したフィルムに光を照
射する第1の光源と、上記フィルムを透過する光を測光
することによって上記原画像を認識する測光手段とを備
えたフィルムスキャナにおいて、上記第1の光源から上
記測光手段に到る光路を乱す異常部位がフィルム面に存
在することによって、上記測光手段に該異常部位の像が
形成される光量不足を、該異常部位による光路の乱れを
利用して補償する光補償手段を備えている構成である。
【0169】それゆえ、異常部位による光路の乱れを逆
用する形で、異常部位に起因した光量不足を補償するこ
とができる。すなわち、異常部位による屈折等により白
く抜ける像の部位に、異常部位による屈折等を積極的に
利用して光を送り込むことによって、異常部位の像を発
色させることができる。これにより、異常部位の白抜け
を消し去る効果を得ることができるという効果を奏す
る。
【0170】請求項2の発明に係るフィルムスキャナ
は、以上のように、請求項1の構成において、上記光補
償手段は、上記フィルムに対して上記測光手段とは反対
側の領域であって、上記光補償手段からの出射光が上記
フィルムを透過して上記測光手段に到達することのない
領域に設けられている構成である。
【0171】それゆえ、測光の際に、第1の光源と光補
償手段とを共に発光させることにより、第1の光源は、
フィルムに記録された原画像の測光に供される一方、光
補償手段は、フィルムに異常部位が存在するときにの
み、異常部位の写り込み防止に供される。この結果、請
求項1の構成による効果に加えて、第1の光源とは別に
光補償手段を設けても、原画像の測光のために調整した
第1の光源の制御内容を変更する必要が無いという効果
を奏する。
【0172】請求項3の発明に係るフィルムスキャナ
は、以上のように、請求項1または2の構成において、
上記光補償手段は、分光特性の互いに異なる複数の発光
手段からなる第2の光源で構成され、少なくとも上記第
2の光源は、発光量が任意に変更可能である構成であ
る。
【0173】それゆえ、請求項1または2の構成による
効果に加えて、例えば上記異常部位の程度が比較的軽い
場合(傷が浅い場合等)には、上記発光量を通常よりも
少なめにすることによって、第2の光源における消費電
力の低減を図りながら傷画像を修復することができる。
一方、例えば上記異常部位の程度が重い場合(傷が深い
場合等)には、上記発光量を多めにすることによって、
傷画像の修復を確実に行うことができるという効果を奏
する。
【0174】また、第2の光源の発光量の調整と併せて
第1の光源の発光量を変化させることにより、測光手段
によって得られるスキャニング画像の鮮明度、即ちいわ
ゆるプリントの硬さを変化させることができるという効
果を併せて奏する。
【0175】請求項4の発明に係るフィルムスキャナ
は、以上のように、請求項1、2または3の構成におい
て、上記第1の光源は、分光特性の互いに異なる複数の
発光手段からなり、当該各発光手段は、光の指向方向
が、上記第1の光源と上記測光手段とを結ぶ光軸と、複
数の方向から交わるように設定されている構成である。
【0176】それゆえ、発光手段の一部と対応付けら
れ、測光手段の光軸から偏位した特定領域によって取り
囲まれた中心領域には、強度分布の均一な領域が生まれ
る。このような測光に適した領域は、光の指向方向を上
記のように設定しさえすれば、発光手段の前面に光を拡
散させる拡散板等を配置しなくても、基本的に生成され
る。したがって、請求項1、2または3の構成による効
果に加えて、発光手段が発する光を有効利用することが
でき、光量ロスを低減することができるので、発光時間
を短くしつつ、フィルムの異常部位の写り込みも防止で
きるという、二重の効果を併せて奏する。
【0177】請求項5の発明に係るフィルムスキャナ
は、以上のように、請求項4の構成において、上記第1
の光源における発光手段の指向方向が可変である構成で
ある。
【0178】それゆえ、請求項4の構成による効果に加
えて、測光手段の受光面全体において均一な強度分布を
得るための調整を、特定領域に対応する発光手段のみ、
その指向方向を変えることによって行うことができ、従
来のように、複数の発光手段の個々に対して発光量を調
整する場合に比べ、その調整を容易に行うことができる
という効果を奏する。
【0179】請求項6の発明に係るフィルムスキャナ
は、以上のように、請求項1ないし5のいずれかの構成
において、上記第1の光源および上記光補償手段を構成
する発光手段は発光ダイオードである構成である。
【0180】それゆえ、発光ダイオードは、輝度や発光
時間を制御しやすいため、発光量を変えて濃度むらや色
むらを調整することが容易になる。また、発光ダイオー
ドの視野角を適宜選択することが可能であると共に、基
板に対する発光ダイオードの取り付け角度を変えて、光
軸に対する指向方向の傾き角を簡単に変えることができ
る。これによって、特に請求項4について説明した強度
分布が均一な領域の広がりを簡単に変えることができ
る。また、ハロゲンランプに比べて、発熱量や消費電力
が小さく、分光特性が安定していることにより、ハロゲ
ンランプの様々な問題点を解決することができるという
効果を、請求項1ないし5のいずれかの構成による効果
に加えて奏する。
【0181】請求項7の発明に係る傷認識方法は、以上
のように、原画像を記録したフィルムに光を照射し、上
記フィルムに形成された傷部を介して得られる上記光を
測光することによって、上記傷部の存在を認識する構成
である。
【0182】それゆえ、傷部の存在を容易に認識できる
ので、その後、得られた傷画像の箇所に対してのみ、例
えば発光量を調整することによって画像濃度を上げる処
理を行い、傷画像の修復を確実に行うことができるとい
う効果を奏する。
【0183】請求項8の発明に係る傷認識プログラムを
記録した記録媒体は、以上のように、原画像を記録した
フィルムに光を照射し、上記フィルムに形成された傷部
を介して得られる上記光を測光することによって、上記
傷部の存在をコンピュータに認識させるプログラムを記
録してなる構成である。
【0184】それゆえ、フィルムに傷部が存在している
ことをコンピュータが自動的に認識するようになるの
で、測光した光を例えばモニタ等によって操作者が確認
する場合に比べ、傷認識を迅速に行うことができると共
に、傷認識における操作者の手間を軽減することができ
るという効果を奏する。
【0185】請求項9の発明に係る画像修復方法は、以
上のように、原画像を記録したフィルムに光を照射し、
上記フィルムに形成された傷部を介して得られる上記光
を測光する第1の工程と、その後、上記光とは異なる他
の光を上記フィルムに照射し、上記フィルムにおける上
記傷部以外の部位を透過する上記他の光を測光する第2
の工程と、上記第1の工程によって得られる画像の濃度
を、上記第2の工程によって得られる画像の濃度に略一
致させる第3の工程とを行う構成である。
【0186】それゆえ、フィルムに傷部が形成されてい
ても、傷部の認識によって、傷部に対応する傷画像(例
えば白抜け)のみ修復を行うことができる。その結果、
傷画像のない良好なプリントを得ることができるという
効果を奏する。
【0187】請求項10の発明に係る画像修復方法は、
以上のように、請求項9の構成において、上記第3の工
程は、上記第1の工程にて測光される光の測光量に応じ
て上記光の発光量を変化させることにより行われる構成
である。
【0188】それゆえ、請求項9の構成による効果に加
えて、第1の画像の濃度の調整を、上記第1の画像に対
応する光の発光量の調整で容易に行うことができるとい
う効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係るフィルムスキャナ
の概略の構成を示す断面図である。
【図2】上記フィルムスキャナを有するデジタルプリン
トシステムの構成を示す斜視図である。
【図3】(a)は、上記フィルムスキャナの内部構造を
示す斜視図であり、(b)は、上記フィルムスキャナの
外観を示す斜視図である。
【図4】(a)は、同図(b)に示すCCDを拡大した
斜視図であり、(b)は、上記フィルムスキャナ内部の
分解斜視図である。
【図5】(a)は、上記フィルムスキャナの光源部の概
略の構成を示す平面図であり、(b)は、上記光源部の
斜視図である。
【図6】(a)は、上記光源部を構成する第1光源部の
概略の構成を示す斜視図であり、(b)は、上記第1光
源部の平面図である。
【図7】上記第1光源部の所定領域に設けられたLED
の光軸に対する傾きを説明するための説明図である。
【図8】(a)は、ネガフィルムの面に対して垂直に入
射する光が傷部にて屈折し、測光部への光路から外れる
様子を示す断面図である。(b)は、ネガフィルムの面
に対して斜め上から入射する光が傷部にて屈折し、測光
部に導かれる様子を示す断面図である。(c)は、ネガ
フィルムの面に対して斜め下から入射する光が傷部にて
屈折し、測光部に導かれる様子を示す断面図である。
(d)は、ネガフィルムの面に対して垂直に入射する光
と斜め方向から入射する光とを両方用い、上記両光が測
光部に導かれる様子を示す断面図である。
【図9】傷認識プログラムを記録した記録媒体(ソフト
ウェア)を用いて、パソコンに傷認識処理を実行させる
際の、パソコンによる各部の動作制御を模式的に示すブ
ロック図である。
【図10】上記光源部が発光した際の、CCDにおける
光強度分布を模式的に示す説明図である。
【図11】(a)は、第1光源部を構成するLEDの傾
き角可変機構の概略の構成を示す側面図であり、(b)
は、上記傾き角可変機構の斜視図である。
【図12】本発明の他の実施の形態に係るフィルムスキ
ャナの概略の構成を示す断面図である。
【図13】(a)は、上記フィルムスキャナ内部の分解
斜視図であり、(b)は、上記フィルムスキャナに備え
られる光源部の各LEDの配置関係を示す平面図であ
る。
【図14】従来のフィルムスキャナの概略の構成を模式
的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 フィルムスキャナ 2 パソコン(コンピュータ) 4 光源部 4a 第1光源部(第1の光源) 4b 第2光源部(光補償手段、第2の光源) 5b CCD(測光手段) 9 ネガフィルム(フィルム) 9a 傷(異常部位) 11R、11R1 〜11R4 LED(発光手段、発
光ダイオード) 11G、11G1 〜11G4 LED(発光手段、発
光ダイオード) 11B、11B1 〜11B4 LED(発光手段、発
光ダイオード) 14R LED(発光手段、発光ダイオード) 14G LED(発光手段、発光ダイオード) 14B LED(発光手段、発光ダイオード) 17 記録媒体 31 LED群(第1の光源) 31R、31R1 〜31R4 LED(発光手段、発
光ダイオード) 31G、31G1 〜31G4 LED(発光手段、発
光ダイオード) 31B、31B1 〜31B4 LED(発光手段、発
光ダイオード) 32 LED群(光補償手段、第2の光源) 32R LED(発光手段、発光ダイオード) 32G LED(発光手段、発光ダイオード) 32B LED(発光手段、発光ダイオード) L 光軸

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原画像を記録したフィルムに光を照射する
    第1の光源と、上記フィルムを透過する光を測光するこ
    とによって上記原画像を認識する測光手段とを備えたフ
    ィルムスキャナにおいて、 上記第1の光源から上記測光手段に到る光路を乱す異常
    部位がフィルム面に存在することによって、上記測光手
    段に該異常部位の像が形成される光量不足を、該異常部
    位による光路の乱れを利用して補償する光補償手段を備
    えていることを特徴とするフィルムスキャナ。
  2. 【請求項2】上記光補償手段は、上記フィルムに対して
    上記測光手段とは反対側の領域であって、上記光補償手
    段からの出射光が上記フィルムを透過して上記測光手段
    に到達することのない領域に設けられていることを特徴
    とする請求項1に記載のフィルムスキャナ。
  3. 【請求項3】上記光補償手段は、分光特性の互いに異な
    る複数の発光手段からなる第2の光源で構成され、少な
    くとも上記第2の光源は、発光量が任意に変更可能であ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載のフィルム
    スキャナ。
  4. 【請求項4】上記第1の光源は、分光特性の互いに異な
    る複数の発光手段からなり、当該各発光手段は、光の指
    向方向が、上記第1の光源と上記測光手段とを結ぶ光軸
    と、複数の方向から交わるように設定されていることを
    特徴とする請求項1、2または3に記載のフィルムスキ
    ャナ。
  5. 【請求項5】上記第1の光源における発光手段の指向方
    向が可変であることを特徴とする請求項4に記載のフィ
    ルムスキャナ。
  6. 【請求項6】上記第1の光源および上記光補償手段を構
    成する発光手段は、発光ダイオードであることを特徴と
    する請求項1ないし5のいずれかに記載のフィルムスキ
    ャナ。
  7. 【請求項7】原画像を記録したフィルムに光を照射し、
    上記フィルムに形成された傷部を介して得られる上記光
    を測光することによって、上記傷部の存在を認識するこ
    とを特徴とする傷認識方法。
  8. 【請求項8】原画像を記録したフィルムに光を照射し、
    上記フィルムに形成された傷部を介して得られる上記光
    を測光することによって、上記傷部の存在をコンピュー
    タに認識させるプログラムを記録してなることを特徴と
    する傷認識プログラムを記録した記録媒体。
  9. 【請求項9】原画像を記録したフィルムに光を照射し、
    上記フィルムに形成された傷部を介して得られる上記光
    を測光する第1の工程と、 その後、上記光とは異なる他の光を上記フィルムに照射
    し、上記フィルムにおける上記傷部以外の部位を透過す
    る上記他の光を測光する第2の工程と、 上記第1の工程によって得られる画像の濃度を、上記第
    2の工程によって得られる画像の濃度に略一致させる第
    3の工程とを行うことを特徴とする画像修復方法。
  10. 【請求項10】上記第3の工程は、上記第1の工程にて
    測光される光の測光量に応じて上記光の発光量を変化さ
    せることにより行われることを特徴とする請求項9に記
    載の画像修復方法。
JP10014655A 1998-01-27 1998-01-27 フィルムスキャナ、傷認識方法、傷認識プログラムを記録した記録媒体、および、画像修復方法 Pending JPH11215319A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10014655A JPH11215319A (ja) 1998-01-27 1998-01-27 フィルムスキャナ、傷認識方法、傷認識プログラムを記録した記録媒体、および、画像修復方法
US09/236,484 US6396565B1 (en) 1998-01-27 1999-01-25 Photograph printing device, electronic image input device, film scanner, scratch recognition method, memory medium recording scratch recognition program, and image restoration method
CN99107652.4A CN1217229C (zh) 1998-01-27 1999-01-27 照片印制装置和电子图像输入装置
US10/054,904 US6727974B2 (en) 1998-01-27 2002-01-25 Photograph printing device, electronic image input device, film scanner, scratch recognition method, memory medium recording scratch recognition program, and image restoration method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10014655A JPH11215319A (ja) 1998-01-27 1998-01-27 フィルムスキャナ、傷認識方法、傷認識プログラムを記録した記録媒体、および、画像修復方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11215319A true JPH11215319A (ja) 1999-08-06

Family

ID=11867239

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10014655A Pending JPH11215319A (ja) 1998-01-27 1998-01-27 フィルムスキャナ、傷認識方法、傷認識プログラムを記録した記録媒体、および、画像修復方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11215319A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004062903A (ja) * 2003-07-28 2004-02-26 Hitachi Ltd 個人認証装置
US7352448B2 (en) 2000-09-20 2008-04-01 Hitachi, Ltd. Personal identification system
US8384885B2 (en) 2000-09-20 2013-02-26 Hitachi, Ltd. Personal identification system

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7352448B2 (en) 2000-09-20 2008-04-01 Hitachi, Ltd. Personal identification system
US7612875B2 (en) 2000-09-20 2009-11-03 Hitachi, Ltd. Personal identification system
US7671977B2 (en) 2000-09-20 2010-03-02 Hitachi, Ltd. Personal identification system
US7864306B2 (en) 2000-09-20 2011-01-04 Hitachi, Ltd. Personal identification system
US8149393B2 (en) 2000-09-20 2012-04-03 Hitachi, Ltd. Personal identification system
US8384885B2 (en) 2000-09-20 2013-02-26 Hitachi, Ltd. Personal identification system
US8767195B2 (en) 2000-09-20 2014-07-01 Hitachi, Ltd. Personal identification system
JP2004062903A (ja) * 2003-07-28 2004-02-26 Hitachi Ltd 個人認証装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6396565B1 (en) Photograph printing device, electronic image input device, film scanner, scratch recognition method, memory medium recording scratch recognition program, and image restoration method
JP5307134B2 (ja) 液晶バックライト及びこれを用いた液晶表示装置
EP0895696B1 (en) Image formation apparatus for viewing indicia on a planar specular substrate
US20050286093A1 (en) Image drawing apparatus and image drawing method
JP4901656B2 (ja) 照明装置および投写型映像表示装置
TWI435186B (zh) Light exposure device for exposure device
JP3472750B2 (ja) 表面検査装置
US6552778B1 (en) Image reading device
WO2011105461A1 (ja) 露光装置用光照射装置、露光装置、露光方法、基板の製造方法、マスク、及び被露光基板
JP6447881B2 (ja) 光源装置及び投影装置
JPH11215319A (ja) フィルムスキャナ、傷認識方法、傷認識プログラムを記録した記録媒体、および、画像修復方法
JPH11108844A (ja) 鏡面材料並びに透過材料の検査用光源装置
JP2005127970A (ja) 広拡散光源光測定装置の光学系および広拡散光源光測定装置ならびにその光測定方法
JPH11282092A (ja) 写真焼付装置
US20030081211A1 (en) Light source device and image reading apparatus
JP3918152B2 (ja) 光源装置及び画像読取装置
US6515775B2 (en) Diffusive optical element, illumination optical system, and image-shooting apparatus
JPH11212191A (ja) 写真焼付装置および電子画像入力装置
JPH11282097A (ja) 写真焼付装置および電子画像入力装置
JP2014027542A (ja) 照明装置、画像読取装置、画像形成装置
JPH11282096A (ja) 写真焼付装置および電子画像入力装置
JP2001223850A (ja) 画像読取装置
JP2023144472A (ja) 光加熱装置、加熱処理方法
JP3800185B2 (ja) 画像検出装置用光源装置
JP2001092026A (ja) 写真焼付装置、写真処理装置および写真焼付方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041207

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050914

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060411

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060808