JPH11212191A - 写真焼付装置および電子画像入力装置 - Google Patents

写真焼付装置および電子画像入力装置

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JPH11212191A
JPH11212191A JP1464498A JP1464498A JPH11212191A JP H11212191 A JPH11212191 A JP H11212191A JP 1464498 A JP1464498 A JP 1464498A JP 1464498 A JP1464498 A JP 1464498A JP H11212191 A JPH11212191 A JP H11212191A
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JP
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light
printing
light source
led group
led
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Application number
JP1464498A
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English (en)
Inventor
Hidetoshi Nishikawa
英利 西川
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Noritsu Koki Co Ltd
Original Assignee
Noritsu Koki Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 写真焼付装置および電子画像入力装置におい
て、ネガフィルムに付いた傷が感光材料または撮像素子
に写り込むのを防止すると共に、光源の光量ロスの低減
化および光源の発光量制御の簡易化を実現する。 【解決手段】 ネガフィルム7の原画像を印画紙8に焼
き付ける光を発する集光光用LED群22の周囲領域
に、拡散光用LED群25を配置する。上記周囲領域
は、拡散光用LED群25の出射光が、印画紙8に届か
ない領域である。ネガフィルム7に傷が有るとき、拡散
光用LED群25の出射光は、傷により屈折され印画紙
8に届く。この結果、傷の写り込みが防止される。集光
光用LED群22の各LEDは、指向方向が光軸Mと交
わるように配列されている。これにより、光量ロスの低
減化および光源の発光量制御の簡易化を実現することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば写真処理装
置や写真プリンタ等に備えられる写真焼付装置および電
子画像入力装置に関し、特に、原画像を記録したネガフ
ィルムを介して感光材料に光を照射することによって、
感光材料に上記原画像を焼き付ける写真焼付装置と、上
記ネガフィルムを介して撮像素子に光を照射することに
よって、上記原画像のモニタないし記録媒体への記録等
を行う電子画像入力装置とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、原画像を記録したネガフィル
ムを感光材料の前面に配置し、上記ネガフィルムを介し
て感光材料に光を照射することにより、感光材料に原画
像を焼き付ける写真焼付装置が種々提案されている。
【0003】このような写真焼付装置では、感光材料を
照射する光の光源として、主にハロゲンランプが使用さ
れている。そして、赤、緑、青の各色に対応した、互い
に分光特性の異なる3種類の調光フィルタを光路中に挿
入することにより、ハロゲンランプの光を焼き付けに適
した光に調整するようになっている。
【0004】しかし、光源としてハロゲンランプを使用
した写真焼付装置では、以下のような不都合が生じる。
【0005】ハロゲンランプは、写真焼き付けに不要
な多くの熱を発するため、例えば冷却ファンのような強
制冷却手段が必要となる。冷却ファンを配設した場合、
周辺のホコリが光学系に巻き込まれるので、良好な焼き
付けを阻害する。
【0006】ハロゲンランプの分光特性を安定化させ
るための直流安定電源や、調光フィルタ並びに赤外光や
紫外光を除去するためのカットフィルタが別途必要とな
るため、装置が大型化する。
【0007】ハロゲンランプは、点灯直後の特性が変
動するため、焼き付けを行わない場合でもハロゲンラン
プを常に点灯させておく必要がある。このため、ハロゲ
ンランプの消費電力が増大する。また、感光材料とハロ
ゲンランプとの間にシャッタ機構を配置して、焼き付け
を行わない場合に光を遮断する必要があり、構成部品が
増加する。
【0008】光軸とその周辺とにおける光量差が大き
いので、ハロゲンランプからの光を拡散させて焼き付け
に必要な面光源を作る拡散装置を構成した場合、光量ロ
スが大きくなる。
【0009】ハロゲンランプを常に点灯させておくと
すれば、焼き付けの枚数が多い場合に、ハロゲンランプ
の熱がネガフィルムに悪影響を及ぼす。
【0010】これに対して、例えば特開平8−2208
1号公報に開示された写真プリンタでは、光源として、
分光特性の互いに異なる複数の発光ダイオード(以下、
単にLEDと略記する)を用いており、これによって、
ハロゲンランプに起因する上述の不都合を回避してい
る。以下、上記公報に開示された写真プリンタの露光投
影部の構成について概略的に説明する。
【0011】図20に示すように、上記写真プリンタ
は、露光投影部として、LED光源51、拡散板52、
および焼付レンズ53を備えている。また、拡散板52
と焼付レンズ53との間には、焼き付けを行おうとする
ネガフィルム54の1コマ分が、焼付レンズ53の光軸
Aと交わる位置に配される。さらに、焼付レンズ53に
対してネガフィルム54と反対側には、感光材料である
カラーペーパー55が配されるようになっている。
【0012】上記LED光源51には、赤、緑、青各色
の光をそれぞれ出射する複数のLED51aが、例えば
縦横等間隔のマトリクス状に配置されている。このと
き、各LED51aは、同図に示すように、指向方向が
光軸Aと平行となるように設けられている。また、各L
ED51aは、図示しない光源駆動部により個別にON
/OFF制御されており、さらに各LED51a毎に発
光時間および/または発光輝度が制御されている。
【0013】上記拡散板52は、例えば微細な凹凸を形
成したガラス板(いわゆるスリガラス)であり、LED
光源51からの出射光を拡散させる目的で、LED光源
51の光出射側に配置されている。
【0014】このような構成において、LED光源51
の各LED51aを点灯させると、各LED51aから
出射された光は、拡散板52にて拡散された後、プリン
ト位置にセットされたネガフィルム54、焼付レンズ5
3を順に透過し、カラーペーパー55に到達する。これ
により、ネガフィルム54に記録された1コマ分の原画
像が、カラーペーパー55に結像され、プリントされ
る。
【0015】このように、光源として、ハロゲンランプ
に代えてLED群を用いたことにより、上述したハロゲ
ンランプに固有の問題は次のように解決される。
【0016】(a) LEDはハロゲンランプに比べて発熱
量が少ないので、冷却ファンや熱線吸収フィルタが不要
になる。このため、露光投影部の構成を簡素化すること
ができる。また、冷却ファンが必要無いので、周辺のホ
コリを光学系に巻き込むような問題が生じない。さら
に、焼き付けの枚数が多い場合でも、光源の熱によって
ネガフィルムが損傷するのを回避することができる。
【0017】(b) LEDの消費電力が小さいため、直流
電源にIC(integrated circuit)コントロール基板レ
ベルの単純な回路構成を採用できる。また、赤、緑、青
各色のLEDの発光輝度、発光時間を制御することで、
容易に調光管理を行うことができるので、調光フィルタ
やカットフィルタが不要になる。この結果、装置の小型
・軽量化を図ることができる。
【0018】(c) 光軸とその周辺とにおける光量差がハ
ロゲンランプほど大きくはないため、光源としてハロゲ
ンランプを用いたときよりも拡散板の拡散率が小さくて
済み、光量ロスを低減することができる。
【0019】(d) LEDはON/OFF制御により瞬時
に分光特性が安定化するので、必要時以外は点灯させな
くても済む。したがって、ハロゲンランプを用いた場合
よりも光源の消費電力を大幅に低減することができる。
また、焼き付けを行わない場合には、LEDをOFFに
するだけでよいので、光源と感光材料との間にシャッタ
機構を設ける必要がない。その結果、装置構成を一層簡
素化することができる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ハロゲンラ
ンプまたはLEDを光源に用いた上記従来の写真焼付装
置または写真プリンタでは、ネガフィルムの傷が感光材
料に写り込むのを防止しながら、良好な写真焼き付けを
行う上で、それぞれ問題点を有している。
【0021】まず、ハロゲンランプを光源に用いた写真
焼付装置の場合、通常、光源とネガフィルムとの間に集
光レンズが配されているが、このような集光式の光源を
用いると、ネガフィルムの傷が感光材料に写り込みやす
く、焼付画像の品質が低下する。その理由は次のとおり
である。
【0022】例えば、図21は、ノッチ状の傷56が入
ったネガフィルム57を光束が透過するようすを表して
いる。同図に示すように、光源の出射光は、図示しない
集光レンズによってほぼ平行な光L1〜L6となってネ
ガフィルム57の表面にほぼ垂直に入射する。したがっ
て、ネガフィルム57の傷の無い表面に入射した光L
1、L2、L5、L6は、そのままネガフィルム57を
透過し、図示しない感光材料に到達する。
【0023】しかし、傷56に入射した光L3、L4
は、傷56によって屈折され、感光材料に到達する光路
から外れてしまう。この結果、光L3、L4の欠落によ
って、感光材料には傷56に対応した光量不足が起こる
ので、傷56は白い線となって感光材料に写ることとな
る。このような変則的な屈折等による光量不足の現象
は、ネガフィルム57の表面に付着したゴミや異物でも
同様に起こり得る。
【0024】一方、LEDを光源に用いた写真焼付装置
の場合、図20を参照して説明したように、指向方向が
光軸と平行となるように各LED51aが設けられてい
るので、拡散板52が設けられていないとすれば、図2
2に示すように、カラーペーパー55を照射する光の強
度分布は、各LED51aの配置に対応してスポット状
に点在する。図22に示す同心多重円の1組は、1つの
LED51aによる光の強度分布を示しており、中心付
近では強度が強く、中心から遠ざかるにつれて強度が弱
まることを示している。
【0025】このような強度分布のムラは、焼付状態に
おいても水玉模様が散在したような色ムラとなって現れ
るため、この問題を解消するために、LED51aとし
て指向性(または視野角ともいう)の広いものを用いる
と共に、拡散板52を設けて拡散光を発する面光源を作
るようにしている。これによって、ネガフィルム54に
は様々な入射角を持つ拡散光が入射し、ネガフィルム5
4を透過した光は、焼付レンズ53によって集束され、
カラーペーパー55に導かれるため、傷に入射した光の
みが感光材料に届く光路から外れ、傷が白く焼き付けら
れるという前述の現象は目立たなくなる。
【0026】しかしながら、上記色ムラの発生を完全に
抑えるためには、拡散板52の拡散率を非常に高く設定
しなければならない。すなわち、拡散板52にスリガラ
スを用いるとすれば、肉眼では透視が全くできない程度
の粗度を持つスリガラスを用いなければ、スポット状の
強度分布のムラを消すことができない。この結果、傷の
写り込みの問題は解消されるとはいうものの、拡散板5
2に起因する光量ロスが大きくなるので、例えばカラー
ペーパー55の露光時間が長くなる等の二次的な問題の
発生を避けることができない。
【0027】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、ネガフィルムに付いた傷
が感光材料または撮像素子に写り込むのを防止すること
ができ、しかも光源の光量ロスを抑えた良好な焼き付け
若しくは撮像を行うことができる写真焼付装置および電
子画像入力装置を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る写
真焼付装置は、上記の課題を解決するために、複数種類
の分光特性を個別に備えた発光手段(例えば、LED)
によって、原画像を記録したフィルムに光を照射する光
源を備え、上記光の照射によって感光材料に上記原画像
を焼き付ける写真焼付装置において、上記光源から感光
材料に到る光路を乱す異常部位(例えば、傷等の凹凸)
がフィルム面に存在することによって、感光材料に該異
常部位の像が形成される光量不足を、該異常部位による
光路の乱れを利用して補償する光補償手段(例えば、拡
散光用LED群)を備えていることを特徴としている。
【0029】上記の構成によれば、フィルム面に傷やゴ
ミのような凹凸が付いている場合、光源からフィルム面
に入射した光は、上記凹凸による屈折等を受けるため、
通常の光路を辿って感光材料に到達することができなく
なる。すなわち、上記傷やゴミ等は、光源から感光材料
に到る光路を乱す異常部位として作用する。この結果、
感光材料においては、異常部位の像が光量不足によって
発色せず、白く抜けた像として写り込んでしまう。
【0030】そこで、例えば、上記発光手段が発する光
とは異なるランダムな方向からフィルム面に入射する光
を生成するような光補償手段を設けるならば、異常部位
による光路の乱れを逆用する形で、異常部位に起因した
光量不足を補償することができる。すなわち、異常部位
による屈折等により白く抜ける像の部位に、異常部位に
よる屈折等を積極的に利用して光を送り込むことによっ
て、異常部位の像を発色させることができる。これによ
り、異常部位の白抜けを消し去る効果を得ることができ
る。
【0031】このような光補償手段としては、自ら発光
する他の発光手段でもよいが、上記光源として備えられ
た発光手段の光を反射ないし拡散させ、ランダムな方向
からフィルム面に入射する光を作り出す手段であっても
よい。
【0032】請求項2の発明に係る写真焼付装置は、上
記の課題を解決するために、請求項1に記載の発光手段
は、光の指向方向が、上記光源と感光材料とを結ぶ光軸
と、複数の方向から交わるように設定されていることを
特徴としている。
【0033】上記の構成によれば、光の指向方向が、光
軸と交わるように設定されていることにより、発光手段
の一部と感光材料の光軸から偏位した特定領域とが対応
付けられる。すなわち、発光手段の一部から出射された
光は、感光材料の光軸から偏位した特定領域を照射す
る。さらに、光の指向方向が、光軸と複数の方向から交
わるように設定されているので、上記のような発光手段
の一部と感光材料の特定領域との対応関係は、複数生成
される。
【0034】このように、照射された光の強度分布が偏
心した特定領域は複数形成される結果、該特定領域に取
り囲まれた中心領域、すなわち光軸の周囲領域には、強
度分布の均一な領域が生まれる。強度分布が均一な領域
では、焼き付けの濃度ムラや色ムラが発生しないので、
このような領域を焼き付けに用いるとよい。また、この
ような領域は、光の指向方向が光軸と複数の方向から交
わるように、発光手段を設定しさえすれば、発光手段の
前面に光を拡散させる拡散板等を配置しなくても、基本
的に生成される。
【0035】したがって、発光手段が発する光を有効利
用することができ、光量ロスを低減することができるの
で、光の指向方向が光軸と平行に設定され、拡散率の高
い拡散板を必須としていた従来の写真焼付装置と比べ
て、露光時間を短くしつつ、フィルムの異常部位の写り
込みも防止できるという、二重の効果を得ることができ
る。
【0036】請求項3の発明に係る写真焼付装置は、上
記の課題を解決するために、請求項1または2に記載の
構成において、上記フィルムを境にして感光材料と反対
側の空間の中で、該空間側から出射された光が感光材料
に到達することがない領域に、複数種類の分光特性を個
別に備えた他の発光手段を上記光補償手段として配置し
たことを特徴としている。
【0037】上記の構成によれば、光が感光材料に到達
することがない領域に他の発光手段を配置した場合、フ
ィルムに異常部位が無ければ、他の発光手段が発した光
は、フィルムによって僅かに拡散されるに過ぎないた
め、感光材料に少量しか届かない。これに対し、フィル
ムに異常部位が有れば、他の発光手段が発した光の内、
感光材料に到達する光の量は、該異常部位における屈折
等によって増大する。したがって、焼き付けの際に、光
源の発光手段と上記他の発光手段とを共に発光させるこ
とにより、光源の発光手段は、フィルムに記録された原
画像の焼き付けに供される一方、他の発光手段は、特に
フィルムに異常部位が存在するときに、異常部位の写り
込み防止に供される。
【0038】この結果、光源の発光手段とは別に、他の
発光手段を設けても、原画像の焼き付けのために調整し
た光源の発光手段の制御内容を変更する必要が無い。
【0039】請求項4の発明に係る写真焼付装置は、上
記の課題を解決するために、少なくとも請求項3に記載
の他の発光手段は、発光量が任意に変更可能であること
を特徴としている。
【0040】上記の構成によれば、他の発光手段が発し
た光は、フィルムに入射後、フィルムの粒子によって僅
かに拡散されるため、フィルムに異常部位が無くても少
量の光が感光材料に到達する。したがって、上記のよう
に設けた他の発光手段を発光させることによって、光源
の発光手段のみで焼き付けを行った場合と比較して、感
光材料に焼き付けられた画像の鮮明度、即ちいわゆるプ
リントの硬さを変化させることができる。
【0041】しかも、他の発光手段の発光量は任意に変
更可能となっているので、感光材料に到達する光の量を
適宜変えることができるので、上記プリントの硬さを多
様に変更することができる。
【0042】請求項5の発明に係る写真焼付装置は、上
記の課題を解決するために、請求項1ないし4のいずれ
かに記載した構成に加えて、上記光源の発光手段が、上
記光補償手段から独立して、上記光軸上を進退するよう
に設けられていることを特徴としている。
【0043】上記の構成によれば、上記光源の発光手段
を光軸上で進退させることにより、焼き付けサイズの変
更に無段階に対応することができる。例えば、焼き付け
サイズが小さい程、光源の発光手段をフィルムに近づ
け、焼き付けサイズが大きい程、光源の発光手段をフィ
ルムから遠ざけて配置すればよい。
【0044】さらに、光源の発光手段を光補償手段から
独立して設けたので、各手段にとって最適な光学設計を
施すことができ、設計の自由度を広げることができる。
【0045】請求項6の発明に係る写真焼付装置は、上
記の課題を解決するために、請求項1ないし5のいずれ
かに記載した構成に加えて、上記光源と上記フィルムと
の間に、上記光源が発した光を集光する集光手段が設け
られていることを特徴としている。
【0046】上記の構成によれば、光源の発光手段から
出射される光の利用効率を上げることができ、光量ロス
を低減することができる。この結果、露光時間を短縮す
ることができる。
【0047】また、特に請求項2に記載の構成に加えて
上記集光手段を設けた場合、強度分布の均一な領域にお
ける光強度を増大させることができるので、露光時間を
変えないとすれば、発光手段の規模を小さくすることが
できる。これにより、複数種類の分光特性を個別に備え
た発光手段の輝度や発光時間を、分光特性毎に制御する
規模を縮小することができ、濃度ムラや色ムラの調整が
より簡単になる。
【0048】また、請求項4ないし5に記載された他の
発光手段から出射される光の利用効率を上げることもで
きる。
【0049】請求項7の発明に係る写真焼付装置は、上
記の課題を解決するために、請求項6に記載の集光手段
は、集光レンズであることを特徴としている。
【0050】上記の構成によれば、集光手段を例えば凹
面鏡で構成した場合に比べ、光学系のレイアウトが簡単
で済む。したがって、光学系を容易に設計することがで
きると共に、光学系の構成を簡素化して装置を小型化す
ることができる。
【0051】請求項8の発明に係る写真焼付装置は、上
記の課題を解決するために、請求項1ないし7のいずれ
かに記載の光源の発光手段および光補償手段は、複数の
発光ダイオードを備えていることを特徴としている。
【0052】上記の構成によれば、発光ダイオードは、
輝度や発光時間を制御しやすいため、発光量を変えて濃
度ムラや色ムラを調整することが容易になる。また、発
光ダイオードの視野角を適宜選択することが可能である
と共に、基板に対する発光ダイオードの取り付け角度を
変えて、光軸に対する指向方向の傾き角を簡単に変える
ことができる。これによって、特に請求項2について説
明した強度分布が均一な領域の広がりを簡単に変えるこ
とができる。
【0053】また、ハロゲンランプに比べて、発熱量や
消費電力が小さく、分光特性が安定しているので、冷却
ファン、熱線吸収フィルタ、調光フィルタ、カットフィ
ルタ等の部品が不要となる。また、消費電力が小さく、
分光特性が安定しているので、直流安定電源は不要であ
り、かつ集積回路を用いた単純な直流電源を使用するこ
とができる。これにより、写真焼付装置の小型化・軽量
化を実現できる。また、分光特性が安定しているので、
必要なときに随時ON/OFF制御することが可能とな
る。これにより、感光材料の前にシャッタ機構を設ける
必要が無くなると共に、消費電力を一層小さくすること
ができる。
【0054】請求項9の発明に係る電子画像入力装置
は、上記の課題を解決するために、請求項1ないし8の
いずれかに記載の写真焼付装置に、上記光源の発光手段
と上記感光材料との間の光路中に挿抜され、上記フィル
ムを透過する上記発光手段からの光を撮像する撮像手段
(例えば、CCDのような撮像素子)を備えてなること
を特徴としている。
【0055】上記の構成によれば、感光材料への焼き付
けを行う前に、撮像手段を光軸上に挿入することによ
り、撮像手段の出力に基づいて、濃度ムラのチェックや
発光手段の発光量の調整を直接的に行うことができる。
また、操作者が補正量を手動で入力する際にも、モニタ
に表示された画像を見ながら、同時に調整を行うことが
できる。これにより、調整に要する時間を短縮すること
ができる。
【0056】また、フィルムのコマ画像をモニタ表示す
ることができるので、写真プリントとして感光材料に焼
き付けなくても、モニタ画像を多人数で一度に見ること
ができる。これにより、鑑賞や会議のためのプレゼンテ
ーションに利用することができる。
【0057】さらに、撮像手段の出力に基づいて取得し
た画像データを、各種記録媒体に記録して、写真アルバ
ムの代わりに保存することも可能となる。さらに、発光
手段の発光量を制御して、視覚効果を様々に変化させた
画像データを、上記記録媒体に記録することもできる。
【0058】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕本発明の実施の
一形態について図2ないし図9に基づいて説明すれば、
以下の通りである。
【0059】図2(a)に示すように、本実施形態に係
る写真プリンタ1は、本発明の写真焼付装置に相当する
焼付部2、現像部3、乾燥部4および本発明の光源に相
当する光源部5を一体的に備え、ネガフィルムの画像を
感光材料にプリントするための一連の処理を行うもので
ある。焼付部2は、後で詳述するように、ネガフィルム
を介して感光材料の露光を行う系である。現像部3は、
焼付部2で焼き付けを終えた感光材料を各種処理液槽に
順番に浸漬し、現像処理を行う系である。乾燥部4は、
現像処理済みの感光材料を乾燥させ、コマ毎に切り離し
て完成した写真プリントを排出する系である。
【0060】上記焼付部2は、図2(b)に示すよう
に、上記光源部5、焼付レンズ6、ネガフィルム7の送
り機構、感光材料としての印画紙8の搬送機構とで構成
されている。光源部5は、写真プリンタ1の一側部に配
設され、原画像を記録したネガフィルム7に光を照射す
るものである。なお、光源部5の詳細な構成については
後述する。
【0061】上記焼付レンズ6は、ネガフィルム7を透
過した光を印画紙8に結像させるものである。本実施形
態では、焼付レンズ6は、印画紙8のサイズに応じて複
数設けられており、光源部5と印画紙8との間の光路中
であって、印画紙8から所定の距離となる位置に、適宜
挿抜されるようになっている。なお、印画紙8のサイズ
に応じて単一の焼付レンズ6を光軸方向に移動させるズ
ームレンズとしてもよい。
【0062】印画紙8の搬送機構は、印画紙8をロール
状に収納するペーパーマガジン9a・9bと、複数の搬
送ローラ10a〜10eとを備えている。ペーパーマガ
ジン9a・9bは、写真プリンタ1で取り扱う印画紙8
のサイズの種類に合わせて焼付部2の上部に配設され、
互いに異なるサイズの印画紙8を収納している。ペーパ
ーマガジン9aまたは9bに収納された印画紙8は、搬
送ローラ10a・10b・10c・10dの回転によっ
て結像位置に搬送され、露光後、現像部3に送出され
る。なお、プリント対象となる印画紙8のサイズは、操
作者によって適宜選択してもよいし、ネガフィルム7に
撮影時に記録されたサイズ情報や、写真プリンタ1に外
部から入力されるサイズ情報に基づいて、自動的な切り
換えを行ってもよい。
【0063】次に、上述した光源部5の構成について詳
細に説明する。本発明の光源部5は、図3に示すよう
に、小サイズの焼き付け時に発光する小サイズ用のLE
D群11aと、引き伸ばしサイズの焼き付け時に発光す
る引き伸ばしサイズ用のLED群11bと、各LED群
11a・11bを一体的に保持する基板12と、各LE
D群11a・11bの前面を覆うように各LED群11
a・11bの頭部近傍に配され、各LED群11a・1
1bの出射光を拡散させる拡散板13(拡散手段)とを
備えている。
【0064】また、各LED群11a・11bは、それ
ぞれの中央部近傍に密集して配され、主としてネガフィ
ルム7の原画像を印画紙8へ焼き付ける光(集光光)を
出射する集光光用LED群11a1 ・11b1 (発光手
段)と、これらの周囲に正方形枠状に配列され、主とし
てネガフィルム7に付いた傷等の凹凸部を印画紙8へ発
色させて焼き付ける光(拡散光)を出射する拡散光用L
ED群11a2 ・11b2 (光補償手段または他の発光
手段)とで構成されている。
【0065】なお、一般的に、集光光のみによる焼き付
けを行うと、ネガフィルムの傷やゴミのような異常部位
が印画紙に写り込み、集光光に拡散光を加えると、ネガ
フィルムの傷やゴミが写りにくくなるということは、写
真業界においてよく知られている。
【0066】各LED群11a・11bの配列につい
て、LED群11bを例にとり、より詳細に説明する。
図3におけるLED群11bを拡散板13側から見たと
きの平面図を図4に示す。同図に示すように、LED群
11bは、赤、緑、青色の光をそれぞれ出射する複数の
LEDから構成されている。つまり、これらのLED
は、各色に対応して分光特性が互いに異なっている。
【0067】LED群11bの中央部近傍には、上記集
光光用LED群11b1 として、各色毎に同数個のLE
Dが、合計12個密集して配されている。より具体的に
は、中央部の周囲に4個の赤LED11R1 〜R4 が互
いに接した状態で配され、さらに赤LED11R1 〜R
4 の周囲に接した状態で、4個の緑LED11G1 〜G
4 が点対象(換言すれば、焼付レンズ6の光軸Mについ
て対象的)に配されると共に、4個の青LED11B1
〜B4 が点対象に配されている。これにより、例えば赤
LED11R1 、緑LED11G1 、青LED11B1
の3個が1組をなしている。残りのLEDについても、
各色毎に3個で1組をなし、合計4組のLEDによって
集光光用LED群11b1 が構成されている。
【0068】この3個1組をなすLEDは、後で詳述す
るように、その指向方向が光軸Mと交叉するように基板
12に傾けて取り付けられることによって、印画紙8の
特定の領域に対応付けられ、その対応する領域を主とし
て照射するようになっている。具体的には、図3に示す
ように、印画紙8を光軸Mを中心として、4つの象限I
〜IVに分割し、焼付レンズ6側に向かって左下の象限か
ら反時計回りに象限I〜IVを定めるものとする。この場
合、上記象限Iには、図4において、赤LED11R1
・緑LED11G1 ・青LED11B1 が対応付けられ
ている。同様に、象限IIには、赤LED11R2 ・緑L
ED11G2 ・青LED11B2 、象限III には、赤L
ED11R3 ・緑LED11G3 ・青LED11B3
象限IVには、赤LED11R4 ・緑LED11G4 ・青
LED11B4 が、それぞれ対応付けられている。
【0069】一方、拡散光用LED群11b2 は、正方
形枠状に配列された複数個の赤LED11Rの間に、赤
LED11Rを2〜3個置いて、1個の緑LED11G
と1個の青LED11Bとを交互に挟むように、点対象
に配置している。赤LED11R、緑LED11G、青
LED11Bの個数比率は、印画紙8に対する各色の感
光性を考慮して、およそ5〜6:2:1となるように設
定されている。すなわち、光量が最も不足しがちな赤色
光を補充する個数比率を採用している。
【0070】この点は、集光光用LED群11a1 ・1
1b1 についても同様に考慮されている。すなわち、印
画紙8に赤色光を最も集めやすい位置として、集光光用
LED群11a1 または11b1 の周辺部より中央部に
赤LEDを配置するようにしている。その上、輝度を一
定としたときの発光時間の比は、赤、緑、青の各色につ
いて、5〜6:2:1となるように設定されている。な
お、上記の比は、発光時間を一定としたときの輝度比で
あってもよい。
【0071】このように、集光光用LED群11a1
11b1 および拡散光用LED群11a2 ・11b2
配置するLEDの数は、本実施の形態に限定されるわけ
ではなく、赤、緑、青の各色について、LEDの輝度と
発光時間との積が、上述した5〜6:2:1をほぼ満足
するように、配置スペースとの兼ね合いで定めることが
できる。
【0072】続いて、集光光用LED群11a1 ・11
1 と拡散光用LED群11a2 ・11b2 との光軸M
に対する相対的な位置関係について説明する。図5は、
ネガフィルム7、絞り6a、焼付レンズ6および印画紙
8で構成された露光系において、ネガフィルム7が無い
場合に、光源の光が印画紙8に直接届く領域と届かない
領域とを示している。もちろん、光源は、ネガフィルム
7を境にして、焼付レンズ6と反対側の領域に配置され
るのであり、ネガフィルム7を焼付レンズ6側に越えて
しまうことはない。
【0073】図5の斜線領域は、光源を配置したとして
も、ネガフィルム7が無い場合に、印画紙8のどの点に
も光が直接届かない領域を示している一方、図5の斜線
領域に挟まれた光軸M周囲の斜線が入っていない領域
は、光源を配置すれば、印画紙8の何処かの点に必ず光
が直接届く領域を示している。斜線領域と斜線が入って
いない領域との境界線上を進行する光は、ネガフィルム
7の端部を通り、印画紙8の端部に達することになる。
【0074】ここで、本発明の重要な特徴として、上記
集光光用LED群11a1 ・11b1 は、上記斜線が入
っていない領域において光軸Mを中心に配置され、上記
拡散光用LED群11a2 ・11b2 は、上記斜線領域
に配置されるように、集光光用LED群11a1 ・11
1 と拡散光用LED群11a2 ・11b2 との位置関
係が設定されている。したがって、例えば、小サイズの
焼き付け時には、集光光用LED群11a1 と拡散光用
LED群11a2 とは同時に点灯されるが、ネガフィル
ム7が正常な場合に、拡散光用LED群11a2 の出射
光は、印画紙8にほとんど届くことがない。
【0075】ただし、拡散光用LED群11a2 の出射
光は、ネガフィルム7に入射すると、ネガフィルム7の
粒子によって僅かに拡散されるため、少量の光が印画紙
8に到達している。したがって、集光光用LED群11
1 の発光量は、この僅かに届く拡散光用LED群11
2 の光の量を考慮して設定するのがよい。
【0076】次に、各LED群11a・11bを構成す
るそれぞれのLEDは、既に触れたとおり、焼付レンズ
6の光軸Mに向かって指向するように、光軸Mに対して
所定の角度だけ傾けて基板12に取り付けられている。
この点を図6および図7を用いて説明する。
【0077】図6は、説明の便宜上、引き伸ばしサイズ
用のLED群11bにおいて、印画紙8の象限IVに対応
付けられた集光光用LED群11b1 の一部とその近傍
の拡散光用LED群11b2 の一部とだけを抜粋した斜
視図を示している。同図に示すように、引き伸ばしサイ
ズ用のLED群11bにおいて、集光光用LED群11
1 の1つ1つのLEDが、光軸Mに対して角度αの傾
きを有している。すなわち、同図中の水平投影面Xを見
れば分かるように、集光光用LED群11b1の1つ1
つのLEDが、光軸Mに対して水平方向に角度α1 だけ
傾いていると共に、垂直投影面Yを見れば分かるよう
に、光軸Mに対して垂直方向にも角度α2だけ傾いてい
る。なお、角度α1 =角度α2 であっても構わない。
【0078】また、拡散光用LED群11b2 について
も、引き伸ばしサイズ用のLED群11bでは、個々の
LEDが、光軸Mに対して角度αの傾きを有している。
これは、拡散光用LED群11b2 が出射する拡散光で
ネガフィルム7を効率的に照射するためであるが、基板
12へのLEDの取り付けを簡単化することを優先させ
るのであれば、拡散光用LED群11b2 は傾けずに基
板12に垂直に、つまり光軸Mに平行に取り付けてもよ
い。
【0079】上記角度αは、使用するレンズの焦点距
離、口径、プリントサイズ、焼き付け倍率等の諸条件を
考慮し、0〜30度の範囲で適宜選択される。
【0080】さらに、図7(b)に示すように、集光光
用LED群11b1 の出射光は、ネガフィルム7および
焼付レンズ6を透過した後、画角θ2 の広がりをもって
印画紙8に結像する。これに対し、小サイズ用のLED
群11aの場合、集光光用LED群11a1 の出射光
は、ネガフィルム7および焼付レンズ6を透過した後、
画角θ2 より小さい画角θ1 の広がりをもって印画紙8
に結像する。
【0081】したがって、小サイズ用のLED群11a
の場合には、画角θ1 が画角θ2 より小さくなることに
基づいて、集光光用LED群11a1 の個々のLEDの
光軸Mに対する傾きは、上記角度αより小さく設定され
ている。なお、拡散光用LED群11a2 については、
個々のLEDの光軸Mに対する傾きは、拡散光用LED
群11b2 と相違させる必要は無く、製造のし易さを優
先させて、角度αに設定されている。
【0082】このように、焼き付けサイズに応じて、集
光光用LED群11a1 と集光光用LED群11b1
で、LEDの光軸Mに対する傾きを変える理由をさらに
説明する。図7(a)(b)に示すように、焼付レンズ
6と印画紙8との距離については、小サイズの焼き付け
を行う場合の距離L1より、大サイズの焼き付けを行う
場合の距離L2の方が長く設定される。一方、焼き付け
のサイズによらず、光軸M上におけるネガフィルム7と
印画紙8との距離は変わらず、ネガフィルム7のサイズ
も一定であるから、結像を大きくするには、必然的に画
角θ2 を画角θ1 より大きく設定しなければならない。
【0083】すると、小サイズの焼き付けに比べ、大サ
イズの焼き付けを行う場合の方が、印画紙8の隅々まで
光を一様に照射するためには、LEDをより深く傾ける
ことによって、画角を広げる必要が有る。これとは逆
に、図7(b)に示すように画角θ2 を広げた状態で、
図7(a)に示す小さなサイズの印画紙8に置き換えた
とすれば、焼付レンズ6を透過した結像光の大半は、印
画紙8の焼き付け領域外を照射することになるため、光
の有効利用ができず、露光時間のロスが生まれる。した
がって、小サイズの焼き付けを行う場合には、LEDの
傾きを小さくすることによって、狭い画角θ1 を選択し
なければならない。
【0084】本実施の形態では、図7(a)(b)に示
すように、小サイズ用のLED群11aと引き伸ばしサ
イズ用のLED群11bとをフレーム14に並列状態で
一体的に保持させている。そして、フレーム14をスラ
イドさせる構成とすることによって、小サイズ用のLE
D群11aと引き伸ばしサイズ用のLED群11bと
を、焼き付けサイズに応じて光軸Mの位置に選択的に配
置するようにしている。
【0085】上記の構成において、写真プリンタ1によ
る焼き付け、現像を行う前に、まず、テストプリントが
行われる。このテストプリントでは、例えば写真プリン
タ1の立ち上げ時に、ネガフィルム7を光路中に挿入せ
ずに印画紙8の露光を行うか、またはグレー1色のテス
トプリント専用のネガフィルムを光路中に挿入し、光源
部5からの光によりグレー色を印画紙8の一面に焼き付
ける処理(以下、グレープリントと呼ぶ)を行うように
なっている。このとき、焼き付けを行おうとするサイズ
に応じて、フレーム14を操作して、各LED群11a
・11bの一方を適宜光軸Mの位置に配置し、集光光用
LED群11a1 または集光光用LED群11b1 を発
光させる。
【0086】この後、当該印画紙8を現像して得られる
テストプリントの濃度分布を前述した象限毎に濃度計等
によって検出し、その結果に基づいて濃度ムラを無くす
ように、集光光用LED群11a1 ・11b1 の各LE
Dの輝度および発光時間が自動的に、あるいは補正量の
手動入力によって調整される。
【0087】その後、ネガフィルム7を光路中に挿入
し、焼き付けを行うコマの位置決めを行うと共に、焼き
付けのサイズに応じて、ペーパーマガジン9aまたはペ
ーパーマガジン9bが選択され、印画紙8が露光位置に
搬送される。これと同時に、焼き付けのサイズに応じ
て、小サイズ用のLED群11aまたは引き伸ばしサイ
ズ用のLED群11bが、フレーム14のスライドによ
って光軸Mを中心とする適正位置に動かされる。さら
に、焼き付けのサイズに応じて、図7(a)(b)に示
すように、焼付レンズ6が光軸Mに沿って移動ないし交
換され、焼付レンズ6と印画紙8との適正距離(L1ま
たはL2)が設定される。
【0088】このように、露光系各部の設定が完了する
と、通常の焼付処理が行われる。すなわち、小サイズの
焼き付けを行う場合には、集光光用LED群11a1
拡散光用LED群11a2 とが点灯される。また、大サ
イズの焼き付けを行う場合には、集光光用LED群11
1 と拡散光用LED群11b2 とが点灯される。集光
光用LED群11a1 (またはb1 )の出射光は、ネガ
フィルム7を透過し、焼付レンズ6によって印画紙8に
結像される。これにより、ネガフィルム7に記録された
原画像が、印画紙8に焼き付けられる。一方、拡散光用
LED群11a2 (またはb2 )の出射光は、前述した
ように、ネガフィルム7が傷付きの無い正常なものであ
れば、印画紙8に到達することは無い。その理由は、後
で説明する。
【0089】焼付処理の終了した印画紙8は、その後、
現像部3に搬送され、焼き付けられた画像が現像され
る。そして、現像後の印画紙8は乾燥部4にて乾燥さ
れ、所定のサイズに切り離されて写真プリンタ1から排
出される。
【0090】ここで、拡散光用LED群11a2 (また
はb2 )の点灯理由を説明する。まず、図8(a)は、
ノッチ状の傷7a(異常部位)が付いたネガフィルム7
の縦断面に、拡散光用LED群11a2 (またはb2
から出射された光束が、斜め上から入射し透過するよう
すを模式的に表している。傷7a以外に入射した光は、
印画紙8にほとんど到達しないが、傷7aの上側傾斜面
に入射した光の中には、ネガフィルム7で屈折しネガフ
ィルム7の出射側の面から垂直に出射され、印画紙8に
到達する光L11が含まれている。
【0091】同様に、図8(b)に示すように、ネガフ
ィルム7の縦断面に、拡散光用LED群11a2 (また
はb2 )から出射された光束が、斜め下から入射し透過
する場合、傷7aの下側傾斜面に入射した光の中には、
ネガフィルム7で屈折しネガフィルム7の出射側の面か
ら垂直に出射され、印画紙8に到達する光L12が含ま
れている。
【0092】こうして、印画紙8に到達する光L11・
L12は、印画紙8における傷7aが結像される部位を
露光するので、印画紙8に傷7aが白く焼き付けられる
ことがない。結局、図8(c)に示すように、集光光用
LED群11a1 (またはb1 )から出射され、ネガフ
ィルム7で異常屈折することなく印画紙8に結像される
光と、拡散光用LED群11a2 (またはb2 )から出
射され、ネガフィルム7の傷7a等の凹凸によって異常
屈折された結果、印画紙8に到達する光L11・L12
とを合わせて印画紙8を露光するので、傷7a等の凹凸
は、印画紙8に写らずに済む。
【0093】言い換えれば、傷が白く焼き付けられる原
理を図21に基づいて説明したように、ネガフィルム7
に付いた傷7a等の凹凸によって結像の光路が乱され、
印画紙8に傷の像が白く形成されるといった光量不足
を、傷7a等の凹凸によって結像の光路が乱されること
を逆用して補償するように、拡散光用LED群11a2
(またはb2 )を設けたということができる。
【0094】このときに、集光光用LED群11a
1 (またはb1 )と拡散光用LED群11a2 (または
2 )との位置関係として、既に説明したように、集光
光用LED群11a1 (またはb1 )を光軸Mの位置に
配置する一方で、ネガフィルム7が無ければ、印画紙8
に直接光が届かない領域に拡散光用LED群11a
2 (またはb2 )を配置することが重要である。これに
よって、拡散光用LED群11a2 (またはb2 )を、
集光光用LED群11a1 (またはb1 )の濃度ムラ補
正に影響を与えることなく、ネガフィルム7の傷消しの
みに役立てることができる。
【0095】なお、集光光用LED群11a1 (または
1 )から出射された光の中にも、傷7a等の凹凸を介
して印画紙8に到達する光が一部含まれていることもあ
り得る。そこで、傷7a等の凹凸の像が印画紙8に写ら
ないように、集光光用LED群11a1 (またはb1
および拡散光用LED群11a2 (またはb2 )の各L
EDの輝度や発光時間等で決まる発光量を個別に最適制
御するのが好ましい。
【0096】次に、本発明に係る写真プリンタ1は、L
EDを光源に用いた従来の写真プリンタに比べて、集光
光用LED群11a1 (またはb1 )を構成するLED
の個数が少なくて済む結果、濃度ムラや色ムラの調整が
容易という効果と、傷消しの効果とを併せ持つことがで
きる点について説明する。
【0097】図9は、集光光用LED群11a1 (また
はb1 )を発光させてグレープリントを行った場合に、
印画紙8における濃度分布を印画紙8の乳剤面側から見
て模式的に表したものである。C1 〜C4 で示される4
つの小円は、前述した赤・緑・青3個1組のLEDの発
光による各照射中心に形成される濃度の最も高い所であ
る。そこで、上記C1 〜C4 を極値領域と呼ぶ。極値領
域C1 〜C4 から遠ざかる程、照度が下がるため、濃度
は徐々に低くなっていく。すなわち、極値領域C1 〜C
4 の各中心に対して半径が大きい円程、濃度が低いこと
を示している。
【0098】また、象限Iの極値領域C1 を中心とする
同心多重円は、例えば図4に示す赤LED11R1 ・緑
LED11G1 ・青LED11B1 の発光による濃度分
布を示している。同様に、象限IIの極値領域C2 を中心
とする同心多重円は、赤LED11R2 ・緑LED11
2 ・青LED11B2 、象限III の極値領域C3 を中
心とする同心多重円は、赤LED11R3 ・緑LED1
1G3 ・青LED11B3 、象限IVの極値領域C4 を中
心とする同心多重円は、赤LED11R4 ・緑LED1
1G4 ・青LED11B4 の各発光による濃度分布を示
している。
【0099】ここで、図9に示すように、印画紙8の各
象限I〜IVは、原点Oで直交するx軸およびy軸によっ
て分割されたものとする。すると、原点Oに近い領域
程、濃度分布が均一となっていることがわかる。したが
って、実際の焼き付けには、原点Oに近い周囲の濃度分
布が均一な領域で焼き付けが行われるように、すなわ
ち、極値領域C1 〜C4 の近傍が焼き付けに利用されな
いように、LEDの傾き角、並びに焼付レンズ6と印画
紙8との距離が設定されている。このように濃度分布が
均一な領域を得ることができるのは、赤・緑・青3個1
組のLEDの発光による照射領域が、図9を見てわかる
ように、各象限I〜IVの1つに比較的制限されているこ
とによっている。これは、いうまでもなく、各象限I〜
IVに対応する赤・緑・青3個1組のLEDの指向方向が
光軸Mと交わるように、LEDが傾けられているためで
ある。
【0100】このように、本発明の写真プリンタ1で
は、集光光用LED群11a1 (またはb1 )をたった
12個のLEDで構成しても、印画紙8の焼き付け領域
の濃度分布を均一にすることができる。したがって、制
御すべきLEDの個数が少なくて済むため、各LEDの
輝度や発光時間の制御によって、濃度ムラや色ムラを補
正することが極めて容易になる。
【0101】しかも、従来の光源に用いているLEDよ
り狭い指向性を持つ(例えば、視野角が45度以下とな
る)LEDを使用しても、赤・緑・青3個1組のLED
の発光による照射領域を、各象限I〜IVの1つに比較的
制限することによって、均一な濃度分布の領域を得ると
いう本発明の作用を充分に得ることができる。この結
果、拡散板13の拡散率を低くすることも同様に可能と
なるので、集光光用LED群11a1 (またはb1 )の
光量ロスを抑制することができる。これにより、集光光
用LED群11a1 (またはb1 )を構成するLEDの
個数が少なくても、露光時間が長くなるという問題は起
こらない。
【0102】なお、拡散板13として、肉眼でほぼ透視
できるくらいの粗度を有するスリガラスを用いることが
できるが、適切な視野角(例えば180度前後)を有す
るLEDを使用すれば、拡散板13を省略することがで
きる。
【0103】また、赤・緑・青3個1組のLEDが、印
画紙8の各象限I〜IVに対応付けられているので、各組
における各色LEDの発光量を変えることによって、各
象限I〜IV毎にY(イエロー)・M(マゼンタ)・C
(シアン)濃度を自由に変更することもできる。
【0104】以上のように、本発明の光源部5の構成に
よれば、LEDを光軸に平行に配列した従来の光源のよ
うに、傷消しの作用を高め、かつ焼き付け状態に濃度ム
ラや色ムラが出ないようにするために、多数のLEDの
前面に拡散率の高い拡散板を設ける必要が無い。また、
LEDを光軸に平行に配列した場合、光学系の設計によ
って発生する収差等の影響により、印画紙8の辺縁部
が、中央部よりも相対的に光量不足となるため、印画紙
8の辺縁部を照射するLEDの発光量を大きくする必要
が有るといった制御の煩雑さの問題も、本発明の光源部
5の構成では生じることがない。
【0105】〔実施の形態2〕本発明の他の実施の形態
について図10、図11、図23に基づいて説明すれ
ば、以下のとおりである。なお、実施の形態1で用いた
部材と同一の機能を有する部材には同一の部材番号を付
記し、その説明を省略する。
【0106】実施の形態2では、光源部5の構成が実施
の形態1と異なっている。すなわち、図10(a)およ
び図23に示すように、小サイズの焼き付けを行う集光
光用LED群16a1 (発光手段)と大サイズの焼き付
けを行う集光光用LED群16a2 (発光手段)とが、
焼付レンズ6の光軸Mから遠ざかる方向に互い違いに、
かつ点対象に配置されている。集光光用LED群16a
1 の光軸Mに対する傾き角は、集光光用LED群16a
2 の傾き角より小さく設定されている。この点は、実施
の形態1における小サイズ用の集光光用LED群11a
1 および大サイズ用の集光光用LED群11b1 の傾き
角の関係と同じである。
【0107】また、集光光用LED群16a1 および集
光光用LED群16a2 の配設領域の周囲に、拡散光用
LED群17(光補償手段、他の発光手段)が配列して
いる。拡散光用LED群17の役割は、実施の形態1に
おける拡散光用LED群11a2 (またはb2 )と全く
同じである。
【0108】図23に示すように、集光光用LED群1
6a1 (図中、太実線にて区別して示す)および集光光
用LED群16a2 は、共に2列ずつ環状に配列されて
いる。また、集光光用LED群16a1 および集光光用
LED群16a2 のそれぞれを構成する赤LED、緑L
ED、青LEDの個数比率は、光軸Mからの半径に応じ
て設定されている。すなわち、最も内周側の集光光用L
ED群16a1 、その外側に配列された集光光用LED
群16a2 、その外側に配列された集光光用LED群1
6a1 、その外側に配列された最外周の集光光用LED
群16a2 の順に、赤LED、緑LED、青LEDの個
数比率は、それぞれ例えば、1:1:1、3:1:1、
4:2:1、6:2:1に設定されている。
【0109】ただし、上記の個数比率は一例であって、
既に説明したように、赤、緑、青の各色について、LE
Dの輝度と発光時間との積が、上述した5〜6:2:1
を満足するように、配置スペースとの兼ね合いで定める
ことができる。
【0110】上記の構成によれば、実施の形態1のよう
に、焼き付けサイズに応じて光軸Mに対し、集光光用L
ED群11a1 (またはb1 )を移動させる必要が無
く、集光光用LED群16a1 および集光光用LED群
16a2 のON/OFF制御を行うだけでよい。
【0111】すなわち、大サイズの焼き付けを行う場合
には、図10(a)(b)に示すように、傾き角の大き
い集光光用LED群16a2 を点灯させ、集光光用LE
D群16a1 を消灯する。このとき、焼付レンズ6は、
画角が広くなるように、印画紙8との距離L2の位置に
配される。また、小サイズの焼き付けを行う場合には、
図11(a)(b)に示すように、傾き角の小さい集光
光用LED群16a1を点灯させ、集光光用LED群1
6a2 を消灯する。このとき、焼付レンズ6は、画角が
狭くなるように、印画紙8との距離L1(<L2)の位
置に配される。なお、拡散光用LED群17は、サイズ
によらず点灯される。
【0112】このように、本実施の形態では、集光光用
LED群16a1 ・16a2 を光軸M周りの1か所に集
積し、それによって拡散光用LED群17の配置スペー
スも小さくしたので、光源部5の小型化を図ることがで
きる。また、集光光用LED群16a1 ・16a2 を光
軸Mに対して移動させる必要が無いので、移動機構が不
要となり、光源部5の部品点数削減と一層の小型化とを
図ることができる。
【0113】〔実施の形態3〕本発明のさらに他の実施
の形態について、図1、図12ないし図16に基づいて
説明すれば、以下のとおりである。なお、実施の形態1
で用いた部材と同一の機能を有する部材には同一の部材
番号を付記し、その説明を省略する。
【0114】図12(b)に示すように、本実施の形態
に係る写真プリンタ1′は、焼付部2、現像部3、乾燥
部4および本発明の光源として光源部5′を備えてい
る。なお、写真プリンタ1′は、焼付部2の構成以外は
実施の形態1で示した写真プリンタ1と同じであるの
で、本実施の形態では、主に焼付部2の構成および全体
の動作について説明する。
【0115】なお、同図(b)に示すように、写真プリ
ンタ1′は、ペーパーマガジン9aを1基のみ備えた構
成であるが、実施の形態1で示したように、ペーパーマ
ガジンを複数基配置して、サイズの異なる印画紙8を別
々に収納するようにしてもよい。また、図12(a)
は、図12(b)における写真プリンタ1′を側面Eか
ら見たときの、印画紙8の搬送経路を示している。
【0116】本実施の形態における焼付部2には、図1
3に示すように、光源部5′と印画紙8との間の光路中
に、ミラートンネル18、集光レンズ19(集光手
段)、ANM(auto nega mask)20、焼付レンズ6、
および反射ミラー21が、光出射方向にこの順で配置さ
れている。
【0117】上記光源部5′は、前述した傷消しのため
の拡散光を出射する拡散光用光源5aと、焼き付けのた
めの集光光を出射する集光光用光源5bとを別体に備え
ている。なお、拡散光用光源5aは固定されているのに
対し、集光光用光源5bは、焼き付けサイズに応じて焼
付レンズ6の光軸Mに沿い進退できるように構成されて
いる。
【0118】上記ミラートンネル18は、内面が鏡にな
った四角錐台形の筒であり、拡散光用光源5aが発した
拡散光を効率良くネガフィルムに導く機能を有してい
る。また、ミラートンネル18の上底部は、ANM20
の近隣に位置し、該上底部とANM20との間に集光レ
ンズ19を固設して、ミラートンネル18から出射され
る光をANM20によって搬送される図示しないネガフ
ィルムに集光するようになっている。これにより、上記
光の利用効率が上がり、光量ロスが非常に小さくなる。
集光レンズ19を用いた場合、光源部5′は、焼付レン
ズ6と集光レンズ19との位置関係および焦点距離を考
慮し、集光式の光源設計に基づいて位置決めされる。
【0119】なお、集光レンズ19以外に、例えば凹面
鏡を用いることによって光源部5からの光を集光させて
もよい。しかし、この場合には、凹面鏡の配置に伴う光
学系のレイアウトが非常に複雑となる。したがって、集
光手段として集光レンズ19を用いることにより、光学
系の構成を簡素化することができる。
【0120】ANM20は、ネガフィルム7の自動搬送
機能と露光領域の限定機能とを有している。さらに、露
光領域の可変機能を持たせることもできる。ネガフィル
ム7の目的とするコマ画像は、ANM20の自動搬送機
能によりANM20の開口部に搬送され、ANM20に
よって検出され停止される。そして、全てのコマ画像の
搬送、露光を終えたネガフィルム7は、ANM20から
排出される。
【0121】反射ミラー21は、焼付レンズ6を透過し
た光の進路を直角に折り曲げて印画紙8に導くために備
えられている。これにより、図12に示すように、写真
プリンタ1′の長手方向に対し、光源部5′を横付けす
るレイアウトを採用することができる。このようなレイ
アウトは、本実施の形態のように、集光光用光源5bを
光軸Mに沿って進退可能とし、焼付部2の光軸M方向の
長さを長く確保する必要が有る場合に適している。
【0122】次に、光源部5′の構成をさらに詳細に説
明する。まず、集光光用光源5bは、図14(a)に示
すように、前記の集光光用LED群11b1 と同一構成
から成る集光光用LED群22を備えていると共に、図
13に示すように、集光光用LED群22の前面を覆う
拡散板23を備えている。集光光用LED群22を保持
する基板24と、集光光用LED群22および拡散板2
3とは、一体となって光軸Mに沿い進退する。なお、実
施の形態1で説明したように、集光光用LED群22に
用いるLEDの指向性を適切に選択すれば、拡散板23
を不要とすることができる。
【0123】また、図14(c)に示すように、集光光
用LED群22は、集光光用LED群11b1 と全く同
様に、赤LED22R1 〜22R4 を中央に配し、その
周囲に緑LED22G1 〜22G4 および青LED22
1 〜22B4 を点対象に配している。さらに、図14
(b)に示すように、赤・緑・青3個1組のLEDが、
その指向方向を光軸Mと交叉させるように、光軸Mに対
して角度αの傾きを有している。
【0124】ただし、本実施の形態の焼付部2は、実施
の形態1の焼付部2に集光レンズ19と反射ミラー21
とが付加されていることによって、赤・緑・青3個1組
のLEDと印画紙8の4つの象限I〜IVとの対応関係
が、実施の形態1の焼付部2とは異なっている。
【0125】すなわち、図13に示す印画紙8を光の進
行方向に見て、光軸Mを中心として右上の象限から反時
計回りに象限I〜IVを定めた場合に、象限Iに赤LED
22R1 ・緑LED22G1 ・青LED22B1 が対応
付けられている。同様に、象限IIには、赤LED22R
2 ・緑LED22G2 ・青LED22B2 、象限IIIに
は、赤LED22R3 ・緑LED22G3 ・青LED2
2B3 、象限IVには、赤LED22R4 ・緑LED22
4 ・青LED22B4 が、それぞれ対応付けられてい
る。
【0126】続いて、拡散光用光源5aは、図15
(b)に示すように、前記の拡散光用LED群11b2
より多数のLEDを備えた拡散光用LED群25を備え
ていると共に、図13に示すように、拡散光用LED群
25の前面を覆う拡散板26を備えている。ただし、拡
散板26の中央には、集光光用LED群22の出射光を
そのまま通過させる矩形状の開口が形成されている。ま
た、図15(a)に示すように、拡散光用LED群25
を保持する基板27の中央にも、同様の目的で矩形状の
開口が形成されている。
【0127】一方、拡散光用LED群25の各LED
は、前記拡散光用LED群11b2 とは違って、指向方
向が光軸Mに平行をなすように、基板27に取り付けら
れている。これは、ミラートンネル18と集光レンズ1
9とによって、拡散光用LED群25が出射する拡散光
を効率良くネガフィルムに入射させるようになっている
ためである。この方が、各LEDを所定の角度傾けて基
板に取り付けるよりも、製造工程および製造管理が簡単
になる利点が有る。
【0128】次に、拡散光用LED群25を構成する赤
・緑・青各色LEDの配列について説明する。図15
(a)に示すように、拡散光用LED群25のLED数
は、集光光用LED群22のLED数の10倍程度であ
り、例えば120個になっている。そして、基板27に
おける矩形の開口の4辺に対し、1辺あたり30個ずつ
のLEDが4段積みに配列されている。すなわち、1段
目、2段目に各10個のLEDが配列され、3段目に8
個、4段目に2個のLEDが配列されている。このよう
に多数のLEDを多段に配列することによって、ネガフ
ィルムの傷等の凹凸が印画紙に焼き付けられるのを防ぐ
ばかりではなく、焼き付けを終えたプリントの硬さ、言
い換えれば、プリントされた画像がシャープかソフトか
という度合いを意味する鮮明度を調整することが容易に
なる。
【0129】なお、赤・緑・青各色LEDの個数比率
は、光量が不足する赤LEDを多め、感光性の高い青L
EDを少なめ、緑LEDをそれらの中間に設定すればよ
い。ただし、発光量については、前述したように、輝度
と発光時間との積が、赤色:緑色:青色=5〜6:2:
1となるように制御される。また、赤・緑・青各色LE
Dの位置関係については、光軸Mの近くに赤LEDを多
めに配し、青LEDを相対的に光軸Mから最も遠ざける
ようにすればよい。したがって、青LEDは、基板27
における矩形の開口の1辺に対し、4段目に配されてい
る。
【0130】構成の説明の最後に、集光光用LED群2
2と拡散光用LED群25との光軸Mに対する相対的な
位置関係について説明する。
【0131】図1は、図5と同様、ネガフィルム7、絞
り6a、焼付レンズ6および印画紙8に、集光レンズ1
9を追加した露光系において、光源の光が印画紙8に直
接届く領域と届かない領域とを示している。もちろん、
光源は、集光レンズ19を境にして、焼付レンズ6と反
対側の領域に配置されるのであり、集光レンズ19を焼
付レンズ6側に越えてしまうことはない。
【0132】図1の斜線領域は、光源を配置したとして
も、印画紙8のどの点にも光が直接届かない領域を示し
ている一方、図1の斜線領域に挟まれた光軸M周囲の斜
線が入っていない領域は、光源を配置すれば、印画紙8
の何処かの点に必ず光が直接届く領域を示している。
【0133】より具体的に説明すると、二点鎖線K1
2 は、集光レンズ19を介してネガフィルム7の下端
に入射する光が、焼付レンズ6を介して印画紙8の上端
に到達できる限界の光路を示している。したがって、集
光レンズ19より光路の上流において二点鎖線K1 ・K
2 に挟まれた領域は、ネガフィルム7の下端に入射して
印画紙8の上端に到達する光を発する光源を配置するこ
とができる範囲を示している。
【0134】また、二点鎖線K4 ・K5 は、集光レンズ
19を介してネガフィルム7の上端に入射する光が、焼
付レンズ6を介して印画紙8の下端に到達できる限界の
光路を示している。したがって、集光レンズ19より光
路の上流において二点鎖線K4 ・K5 に挟まれた領域
は、ネガフィルム7の上端に入射して印画紙8の下端に
到達する光を発する光源を配置することができる範囲を
示している。
【0135】このことから、二点鎖線K1 ・K4 が光軸
Mと交わる点Pより光路の上流側であって、かつ二点鎖
線K1 ・K4 で挟まれた領域に集光光用LED群22を
配置すると、集光光用LED群22が出射した光は、全
て無駄なく印画紙8に到達することがわかる。そこで、
集光光用LED群22に備わるLEDの数によって、二
点鎖線K1 ・K4 で挟まれた領域の最前方進出位置Qが
定まる。
【0136】この最前方進出位置Qは、集光光用LED
群22を印画紙8にできるだけ近づけ、装置として光軸
方向の最小化を図った場合の限界位置となる。仮に、集
光光用LED群22を最前方進出位置Qから印画紙8と
離間する方向にずらせば、LEDの数はさらに増やすこ
とができる。この場合、集光光用LED群22の光量が
増加することから、光軸方向の長さは増加するものの、
露光時間の短縮化を図ることができる。
【0137】なお、二点鎖線K1 ・K2 で挟まれた領域
の中心を示す二点鎖線K3 と、二点鎖線K4 ・K5 で挟
まれた領域の中心を示す二点鎖線K6 とは、共に光軸M
と点Rで交叉する。この点Rの位置は、二点鎖線K1
2 ・K4 ・K5 の全ての内側となるように、集光光用
LED群22のLED数を最大限増やすことのできる限
界位置となる。
【0138】そこで、集光光用LED群22と拡散光用
LED群25との位置関係は、上記斜線が入っていない
領域で、集光光用LED群22に備わるLEDの数によ
って定まる上記最前方進出位置Qに、光軸Mを中心とし
て集光光用LED群22を配置し、斜線領域に、拡散光
用LED群25を配置するように設定されている。すな
わち、上記斜線領域は、拡散光用LED群25が点灯し
ても、ネガフィルム7が正常な場合には、拡散光用LE
D群25の出射光が、印画紙8に届かない領域となって
いる。なお、拡散光用LED群25を集光レンズ19に
できるだけ近づける方が、傷消しの効果は大きくなる。
また、拡散光用LED群25をできるだけ広い範囲に設
け、発光が面光源のようにできるだけ均一であり、発光
量を多くする方が傷消しの効果は大きくなる。
【0139】なお、上記の最前方進出位置Qおよび点R
の位置は、焼き付けサイズに応じて変わる。これは、焼
き付けサイズが変わると焼付レンズ6も変わるためであ
る。
【0140】上記の構成において、まず、小サイズの印
画紙8′に焼き付けを行う場合、ネガフィルム7の露光
すべきコマ画像の露光範囲をANM20の作動により適
正に制限する。続いて、集光光用光源5bおよび焼付レ
ンズ6のそれぞれを、光軸M上における小サイズ焼き付
け用の位置に位置決めする。すなわち、図16(a)に
示すように、焼付レンズ6を、大サイズの焼き付けを行
う場合より印画紙8′に近づけ、集光光用光源5bを集
光レンズ19に近い前述の最前方進出位置に位置決めす
る。
【0141】なお、拡散光用光源5a、ミラートンネル
18、集光レンズ19、ネガフィルム7および印画紙
8′の光軸M上の位置は、常に固定されている。
【0142】また、集光光用光源5bおよび拡散光用光
源5aの発光量は、実施の形態1と同様の手法にて、テ
ストプリントによる象限毎の濃度ムラ、色ムラの検出に
基づいて、適正量に調整される。本実施の形態では、ネ
ガフィルム7に傷等の凹凸が付いていなくても、拡散光
用光源5aが出射する拡散光の一部は、ミラートンネル
18の鏡面反射によって、印画紙8′に到達するので、
露光時間は、実施の形態1に比べて短くて済む。
【0143】また、拡散光用光源5aの輝度および発光
時間を制御することによって、焼き付けられたプリント
の硬さを適宜変えることができる。すなわち、拡散光用
光源5aの発光量を少なくすると硬いプリントとなり、
逆に多くすると柔らかいプリントとなる。なお、拡散光
用光源5aを集光光用光源5bと同時に発光させてもよ
いし、発光開始に時間差を設けることもできる。
【0144】ネガフィルム7に傷等の凹凸が付いている
場合には、図8に基づいて傷消しの作用を既に説明した
とおり、主として拡散光用光源5aの発した光が、ミラ
ートンネル18および集光レンズ19を介して光軸Mと
交叉する入射角を持って、ネガフィルム7に入射する。
この入射した光の中には、傷等の凹凸によって屈折さ
れ、傷等の凹凸に対応した印画紙8′の特定領域に到達
する光が含まれている。したがって、集光光用光源5b
の発した光が、ネガフィルム7の傷等の凹凸によって屈
折され、印画紙8′に到達しないために起こる光量不足
が補償されるので、傷等の凹凸が印画紙8′に白く焼き
付けられることは無い。
【0145】一方、大サイズの印画紙8に焼き付けを行
う場合、ネガフィルム7の露光すべきコマ画像の露光範
囲をANM20の作動により必要に応じて変更する。つ
まり、焼き付けのサイズに応じてコマ画像の縦横の比率
が変わる場合には、ANM20によって露光範囲を変更
することができる。
【0146】続いて、集光光用光源5bおよび集光レン
ズ19のそれぞれを、光軸M上における大サイズ焼き付
け用の位置に位置決めする。すなわち、図16(b)に
示すように、焼付レンズ6を、小サイズの焼き付けを行
う場合より印画紙8から遠ざけると共に、集光光用光源
5bを集光レンズ19から遠い光軸M上の位置に位置決
めする。
【0147】なお、実施の形態1および2では、印画紙
8と光源部5との距離が一定に固定されていたので、光
軸Mに対するLEDの取り付け角度を焼き付けサイズに
応じて変更し、画角の大きさを変える必要が有った。し
かし、本実施の形態では、集光光用光源5bを光軸M上
で移動可能とし、しかも集光レンズ19を配置して、集
光光用光源5bの出射光を効率良くネガフィルム7に到
達させる構成としたので、焼き付けサイズに応じてLE
Dの取り付け角度を変更する必要が無い。したがって、
実施の形態1および2に比べて、集光光用光源5bをコ
ンパクトにまとめることができる。
【0148】また、本実施の形態においても、集光光用
光源5bを構成するLEDが、赤・緑・青3色を1組と
して光軸Mに対し角度αの傾きを有しているので、各組
のLEDが印画紙8の各象限I〜IVを均一に照射するこ
とができ、濃度ムラや色ムラの発生を回避することがで
きる。
【0149】〔実施の形態4〕本発明のさらに他の実施
の形態について図17に基づいて説明すれば、以下の通
りである。なお、実施の形態1ないし3で用いた部材と
同一の機能を有する部材には同一の部材番号を付記し、
その説明を省略する。
【0150】本実施の形態では、図17(a)(b)に
示すように、実施の形態3で説明した焼付部2におい
て、印画紙8とは別に、ネガフィルム7を透過した光を
撮像するCCD(charge coupled device)カメラ32
(撮像手段)を配置して、電子画像入力装置を構成する
場合について説明する。なお、実施の形態1または2で
説明した焼付部2にCCDカメラ32を配置して電子画
像入力装置を構成してもよい。
【0151】CCDカメラ32は、絞り6aと組み合わ
された焼付レンズ6と共に保持部33内に内蔵、並置さ
れており、保持部33を光軸Mに対し垂直にスライドさ
せることによって、光源部5と印画紙8とを結ぶ光路中
に挿抜されるようになっている。この保持部33は、光
源部5からの光が、焼付レンズ6を透過して印画紙8に
到達できるように、焼付レンズ6の光入射側に開口部3
3aを、焼付レンズ6の光出射側に開口部33bをそれ
ぞれ有している。また、保持部33は、光源部5からの
光がネガフィルム7を透過してCCDカメラ32に導か
れるように、CCDカメラ32の光入射側に開口部33
cを有している。
【0152】上記CCDカメラ32は、光軸Mに沿って
移動可能なズーム式の対物レンズ34とCCD35とか
らなっている。対物レンズ34は、入射光をCCD35
に結像させる。CCD35は、複数の受光素子を有して
おり、対物レンズ34を介して入射した光の光量を受光
素子ごとに検出する。上記各受光素子は、上記光量に応
じた電気信号を画像表示制御部等へ出力し、これに基づ
いてモニタ表示が行われる。
【0153】なお、CCDカメラ32は、必ずしも保持
部33内に内蔵した形態で光軸Mに挿抜する必要はな
く、CCDカメラ32専用の他の光源部および集光レン
ズを設け、他の光源部を光源部5とは別に制御する構成
であってもよい。
【0154】上記の構成において、図17(b)に示す
ように、保持部33の移動によってCCDカメラ32が
光軸M上に挿入される。このとき、保持部33が印画紙
8へ向かう光を遮断するシャッタとなるので、印画紙8
を光軸M上に配置しておいても構わない。
【0155】濃度ムラや色ムラの補正を行う場合には、
グレー1色のネガフィルム7を光軸M上に配置した上
で、図18に示すフローに従って、以下のような手順で
補正の処理が実行される。まず、光源部5が点灯される
と(ステップ11、以下S11のように略記する)、光
源部5からの光が、集光レンズ19、ネガフィルム7、
対物レンズ34を介してCCD35に入射する。ここ
で、CCD35は、受光素子毎に入射した光の光量を検
出し、受光量に応じた検出信号を制御部へ出力する(S
12)。これにより、制御部は、CCD35の受光面に
おける濃度分布を認識する。
【0156】次に、制御部は、上記濃度分布をもとに、
濃度ムラおよび色ムラが許容範囲内であるか否かを判断
する(S13)。S13にて、上記各ムラが許容範囲内
であれば、ムラの補正を行わず、処理自体が完了する
(S14)。
【0157】一方、S13にて、各ムラが許容範囲内で
なければ、濃度ムラおよび/または色ムラが補正される
ように、例えば制御部が光源部5の各LEDの発光量を
制御する(S15)。また、操作者が、CCDカメラ3
2の撮像した画像をモニタ上で確認しながら、補正デー
タを手動入力してもよい。
【0158】このように、S15にて、ムラの補正を行
った場合には、各ムラが許容範囲内となるまで、S11
〜S13およびS15の処理が繰り返され、補正の処理
が完了する(S14)。
【0159】次に、光源部5が一旦OFFにされた後、
図17(a)に示すように、保持部33の移動によって
焼付レンズ6が光軸M上に挿入される。続いて、光源部
5をONにし、印画紙8への焼き付けを行う。
【0160】以上のように、CCDカメラ32を備えた
構成により、本発明の適用範囲を次のように拡張するこ
とができる。
【0161】第1に、印画紙8への焼き付けを行う前
に、CCDカメラ32を光軸M上に挿入することによ
り、実施の形態1で説明したグレープリントによる濃度
ムラのチェックおよび各LEDの発光量の調整を、CC
D35の出力に基づいて直接的に行うことができる。ま
た、操作者が補正量を手動で入力する際にも、モニタに
表示された画像を見ながら、同時に調整を行うことがで
きる。これにより、調整に要する時間を短縮することが
できる。この結果、本発明により、集光光用LED群1
1b1 (または22)を構成するLEDの数が減ったこ
とにより、濃度ムラや色ムラの調整が容易になった効果
を、一段と高めることができる。
【0162】第2に、ネガフィルム7やポジフィルムの
コマ画像をモニタ表示することができるので、写真プリ
ントとして印画紙8に焼き付けなくても、モニタ画像を
多人数で一度に見ることができる。これにより、鑑賞や
会議のためのプレゼンテーションに利用することができ
る。
【0163】第3に、濃度ムラや色ムラが無いようにL
EDの発光量が適正に制御された状態で、CCDカメラ
32を通して得た画像データを、MO(光磁気記録媒
体)、DVD(デジタルビデオディスク)等の記録媒体
に記録して、写真アルバムの代わりに保存することも可
能となる。さらに、LEDの発光量を制御して、視覚効
果を様々に変化させた画像データを、上記記録媒体に記
録することもできる。
【0164】なお、光源部5に拡散光用光源5aが配さ
れていることにより、ネガフィルム7に付いた傷等の凹
凸が、CCD35に結像する画像に含まれない効果や、
CCD35に結像する画像の鮮明度を変更することがで
きる効果を、実施の形態3と同様に得ることができるの
はいうまでもない。
【0165】〔実施の形態5〕本発明のさらに他の実施
の形態について図19に基づいて説明すれば、以下のと
おりである。なお、実施の形態3で用いた部材と同一の
機能を有する部材には同一の部材番号を付記し、その説
明を省略する。
【0166】本実施の形態における焼付部の構成を図1
9に示す。この焼き付け部は、図13に示す焼付部の変
形例であり、図13に示す焼付部と比べて、集光光用光
源5bおよび焼付レンズ6が光軸M上で固定されている
点、並びに集光レンズ19の代わりに複数の集光レンズ
19a〜19dが選択可能に設けられている点で異なっ
ている。
【0167】上記集光レンズ19a〜19dの焦点距離
は、互いに異なっており、対応する焼き付けのサイズが
大きい程、短く設定されている。また、各レンズ14a
〜19dの中心が、ANM20とミラートンネル18と
の間において光軸M上に選択的に配されるように、集光
レンズ19a〜19dは、ターレット式の円盤36に装
着されている。
【0168】これにより、円盤36を回転させることに
より、焼き付けのサイズに応じた焦点距離を持つ集光レ
ンズ19a〜19dの1つが選択される。通常、市場で
流通している焼き付けのサイズは、種類が限定されてい
るので、円盤36に必要な種類の集光レンズを取り付け
さえすれば、実用上、何ら問題は無い。むしろ、集光光
用光源5bを光軸Mに沿って直動させる駆動機構に比べ
て、円盤36の駆動機構は簡単で済むという利点が有
る。
【0169】
【発明の効果】請求項1の発明に係る写真焼付装置は、
以上のように、光源から感光材料に到る光路を乱す異常
部位がフィルム面に存在することによって、感光材料に
該異常部位の像が形成される光量不足を、該異常部位に
よる光路の乱れを利用して補償する光補償手段を備えた
構成である。
【0170】それゆえ、光補償手段は、フィルム面の異
常部位による屈折等により感光材料上で白く抜ける像の
部位に、異常部位による屈折等を積極的に利用して光を
送り込むので、異常部位の白抜けを消し去ることができ
るという効果を奏する。
【0171】請求項2の発明に係る写真焼付装置は、以
上のように、請求項1に記載の構成において、光の指向
方向が、上記光源と感光材料とを結ぶ光軸と、複数の方
向から交わるように、上記発光手段が設定された構成で
ある。
【0172】それゆえ、発光手段の一部と対応付けら
れ、感光材料の光軸から偏位した特定領域によって取り
囲まれた中心領域には、強度分布の均一な領域が生まれ
る。このような焼き付けに適した領域は、光の指向方向
を上記のように設定しさえすれば、発光手段の前面に光
を拡散させる拡散板等を配置しなくても、基本的に生成
される。したがって、発光手段が発する光を有効利用す
ることができ、光量ロスを低減することができるので、
露光時間を短くしつつ、フィルムの異常部位の写り込み
も防止できるという、二重の効果を併せて奏する。
【0173】請求項3の発明に係る写真焼付装置は、以
上のように、請求項1または2に記載の構成において、
上記フィルムを境にして感光材料と反対側の空間の中
で、該空間側から出射された光が感光材料に到達するこ
とがない領域に、複数種類の分光特性を個別に備えた他
の発光手段を上記光補償手段として配置した構成であ
る。
【0174】それゆえ、光源の発光手段は、フィルムに
記録された原画像の焼き付けに供される一方、他の発光
手段は、特にフィルムに異常部位が存在するときに、異
常部位の写り込み防止に供される。また、他の発光手段
を設けても、原画像の焼き付けのために調整した光源の
発光手段の制御内容を変更する必要が無いという効果
を、請求項1または2に記載の構成による効果に加えて
奏する。
【0175】請求項4の発明に係る写真焼付装置は、以
上のように、少なくとも請求項3に記載の他の発光手段
は、発光量が任意に変更可能な構成である。
【0176】それゆえ、フィルムに異常部位が無い場合
でも、他の発光手段が発した光の内、フィルムを通って
感光材料に到達する光の量を適宜変更することができる
ので、光源の発光手段のみで焼き付けを行った場合と比
較して、感光材料に焼き付けられたプリントの硬さを多
様に変化させることができるという効果を奏する。
【0177】請求項5の発明に係る写真焼付装置は、以
上のように、請求項1ないし4のいずれかに記載した構
成に加えて、上記光源の発光手段が、上記光補償手段か
ら独立して、上記光軸上を進退するように設けられた構
成である。
【0178】それゆえ、上記光源の発光手段を光軸上で
進退させることにより、焼き付けサイズの変更に無段階
に対応することができる上に、光源の発光手段を光補償
手段から独立して設けたので、各手段にとって最適な光
学設計を施すことができ、設計の自由度を広げることが
できるという効果を、請求項1ないし4のいずれかに記
載した構成による効果に加えて奏する。
【0179】請求項6の発明に係る写真焼付装置は、以
上のように、請求項1ないし5のいずれかに記載した構
成に加えて、上記光源と上記フィルムとの間に、上記光
源が発した光を集光する集光手段が設けられた構成であ
る。
【0180】それゆえ、光源の発光手段から出射される
光の利用効率を上げることができ、光量ロスを低減する
ことができる。この結果、露光時間を短縮することがで
きる。また、特に請求項2に記載の構成に加えて上記集
光手段を設けた場合、強度分布の均一な領域における光
強度を増大させることができるので、露光時間を変えな
いとすれば、発光手段の規模を小さくすることができ
る。これにより、光源の発光手段の輝度や発光時間を、
分光特性毎に制御する規模を縮小することができ、濃度
ムラや色ムラの調整がより簡単になるという効果を、請
求項1ないし4のいずれかに記載した構成による効果に
加えて奏する。
【0181】請求項7の発明に係る写真焼付装置は、以
上のように、請求項6に記載の集光手段を集光レンズで
構成している。
【0182】それゆえ、光学系の設計が容易になると共
に、光学系の構成を簡素化して小型化した写真焼付装置
を提供することができるという効果を、請求項6に記載
の構成による効果に加えて奏する。
【0183】請求項8の発明に係る写真焼付装置は、以
上のように、請求項1ないし7のいずれかに記載の光源
の発光手段および光補償手段が、複数の発光ダイオード
を備えた構成である。
【0184】それゆえ、発光ダイオードは、輝度や発光
時間を制御しやすいため、発光量を変えて濃度ムラや色
ムラを調整することが容易になる。また、発光ダイオー
ドの視野角を適宜選択することが可能であると共に、基
板に対する発光ダイオードの取り付け角度を変えて、光
軸に対する指向方向の傾き角を簡単に変えることができ
る。これによって、特に請求項2について説明した強度
分布が均一な領域の広がりを簡単に変えることができ
る。また、ハロゲンランプに比べて、発熱量や消費電力
が小さく、分光特性が安定していることにより、ハロゲ
ンランプの様々な問題点を解決することができるという
効果を、請求項1ないし7のいずれかに記載の構成によ
る効果に加えて奏する。
【0185】請求項9の発明に係る電子画像入力装置
は、以上のように、請求項1ないし8のいずれかに記載
の写真焼付装置に、上記光源の発光手段と上記感光材料
との間の光路中に挿抜され、上記フィルムを透過する上
記発光手段からの光を撮像する撮像手段を備えた構成で
ある。
【0186】それゆえ、撮像手段の出力に基づいて、濃
度ムラのチェックや発光手段の発光量の調整を直接的に
行うことや、操作者が補正量を手動で入力する際に、モ
ニタに表示された画像を見ながら、同時に調整を行うこ
とが可能となる。これにより、調整に要する時間を短縮
することができる。また、モニタ画像を用いた鑑賞や会
議、あるいは撮像手段の出力に基づいて取得した画像デ
ータのメモリ保存等、本発明の適用範囲を種々の方面に
拡張することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る写真プリンタの主
要部を概略的に示すと共に、光補償手段としての拡散光
用LED群の配置可能領域を示す説明図である。
【図2】(a)は、上記写真プリンタの外観を示す斜視
図、(b)は、上記写真プリンタにおける焼付部の内部
構造を概略的に示す説明図である。
【図3】光源部の一構成例を光軸との関係で分解して示
す斜視図である。
【図4】上記光源部におけるLEDの配列を平面的に示
す説明図である。
【図5】ネガフィルムを透過した光が、印画紙に到達す
る領域と、到達しない領域とを示す説明図である。
【図6】上記光源部におけるLEDの光軸に対する傾き
を、3次元的に投影して示す斜視図である。
【図7】(a)(b)は、光源部の他の構成例を光軸お
よび焼き付けサイズとの関係で示す説明図である。
【図8】(a)〜(c)は、ネガフィルムの傷により、
光束が変化する様子を模式的に示す説明図である。
【図9】上記光源部が発光した際の、印画紙における光
強度分布を模式的に示す説明図である。
【図10】(a)(b)は、光源部のさらに他の構成例
を光軸および焼き付けサイズとの関係で示す説明図であ
る。
【図11】(a)(b)は、図10の光源部を他の焼き
付けサイズとの関係で示す説明図である。
【図12】(a)は、本発明の他の実施の形態に係る写
真プリンタにおいて、印画紙の搬送経路を投影面にて示
す説明図、(b)は、上記写真プリンタの外観を示す斜
視図である。
【図13】図12の写真プリンタにおける焼付部の主要
部を示す斜視図である。
【図14】(a)は、集光光用LED群を示す斜視図、
(b)は、集光光用LED群の光軸に対する取り付け角
を3次元的に投影して示す斜視図、(c)は、集光光用
LED群におけるLEDの配列を平面的に示す説明図で
ある。
【図15】(a)は、集光光用LED群および拡散光用
LED群におけるLEDの配列を平面的に示す説明図、
(b)は、集光光用LED群および拡散光用LED群の
位置関係を示す斜視図である。
【図16】(a)(b)は、上記焼付部の主要部を光軸
および焼き付けサイズとの関係で示す説明図である。
【図17】(a)(b)は、電子画像入力装置を並置し
た焼付部の主要部を、印画紙への焼き付けの場合および
電子画像入力装置での撮像の場合に分けて示す説明図で
ある。
【図18】上記電子画像入力装置において、ムラの補正
処理の流れを示すフローチャートである。
【図19】図12の写真プリンタにおける焼付部の他の
構成例を示す斜視図である。
【図20】従来の写真プリンタにおける焼付部の主要部
を示す説明図である。
【図21】ネガフィルムに付いた傷が入射光の光路を乱
す様子を模式的に示す説明図である。
【図22】上記従来の写真プリンタにおいて、カラーペ
ーパーに照射された各LED光の強度分布を示す説明図
である。
【図23】本発明に係る図10の光源部におけるLED
の配列を平面的に示す説明図である。
【符号の説明】
2 焼付部(写真焼付装置) 5 光源部(光源) 5′ 光源部(光源) 5a 拡散光用光源(光補償手段、他の発光手段) 5b 集光光用光源(発光手段) 7 ネガフィルム(フィルム) 7a 傷(異常部位) 8 印画紙(感光材料) 11a1 集光光用LED群(発光手段) 11b1 集光光用LED群(発光手段) 11a2 拡散光用LED群(光補償手段、他の発光手
段) 11b2 拡散光用LED群(光補償手段、他の発光手
段) 11R 赤LED(発光ダイオード) 11G 緑LED(発光ダイオード) 11B 青LED(発光ダイオード) 11R1 、11R2 、11R3 、11R4 赤LED
(発光ダイオード) 11G1 、11G2 、11G3 、11G4 緑LED
(発光ダイオード) 11B1 、11B2 、11B3 、11B4 青LED
(発光ダイオード) 13 拡散板(拡散手段) 16a1 、16a2 集光光用LED群(発光手段) 17 拡散光用LED群(光補償手段、他の発光手
段) 19 集光レンズ(集光手段) 19a、19b、19c、19d 集光レンズ(集光
手段) 22 集光光用LED群(発光手段) 22R1 、22R2 、22R3 、22R4 赤LED
(発光ダイオード) 22G1 、22G2 、22G3 、22G4 緑LED
(発光ダイオード) 22B1 、22B2 、22B3 、22B4 青LED
(発光ダイオード) 23 拡散板(拡散手段) 25 拡散光用LED群(光補償手段、他の発光手
段) 26 拡散板(拡散手段) 32 CCDカメラ(撮像手段) M 光軸

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数種類の分光特性を個別に備えた発光手
    段によって、原画像を記録したフィルムに光を照射する
    光源を備え、上記光の照射によって感光材料に上記原画
    像を焼き付ける写真焼付装置において、 上記光源から感光材料に到る光路を乱す異常部位がフィ
    ルム面に存在することによって、感光材料に該異常部位
    の像が形成される光量不足を、該異常部位による光路の
    乱れを利用して補償する光補償手段を備えていることを
    特徴とする写真焼付装置。
  2. 【請求項2】上記発光手段は、光の指向方向が、上記光
    源と感光材料とを結ぶ光軸と、複数の方向から交わるよ
    うに設定されていることを特徴とする請求項1に記載の
    写真焼付装置。
  3. 【請求項3】上記フィルムを境にして感光材料と反対側
    の空間の中で、該空間側から出射された光が感光材料に
    到達することがない領域に、複数種類の分光特性を個別
    に備えた他の発光手段を上記光補償手段として配置した
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の写真焼付装
    置。
  4. 【請求項4】少なくとも上記他の発光手段は、発光量が
    任意に変更可能であることを特徴とする請求項3に記載
    の写真焼付装置。
  5. 【請求項5】上記光源の発光手段は、上記光補償手段か
    ら独立して、上記光軸上を進退するように設けられてい
    ることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載
    の写真焼付装置。
  6. 【請求項6】上記光源と上記フィルムとの間に、上記光
    源が発した光を集光する集光手段が設けられていること
    を特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の写真
    焼付装置。
  7. 【請求項7】上記集光手段は、集光レンズであることを
    特徴とする請求項6に記載の写真焼付装置。
  8. 【請求項8】上記光源の発光手段および光補償手段は、
    複数の発光ダイオードを備えていることを特徴とする請
    求項1ないし7のいずれかに記載の写真焼付装置。
  9. 【請求項9】請求項1ないし8のいずれかに記載の写真
    焼付装置に、上記光源の発光手段と上記感光材料との間
    の光路中に挿抜され、上記フィルムを透過する上記発光
    手段からの光を撮像する撮像手段を備えてなることを特
    徴とする電子画像入力装置。
JP1464498A 1998-01-27 1998-01-27 写真焼付装置および電子画像入力装置 Pending JPH11212191A (ja)

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