JPH11214919A - スロットアンテナ - Google Patents

スロットアンテナ

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Publication number
JPH11214919A
JPH11214919A JP1090298A JP1090298A JPH11214919A JP H11214919 A JPH11214919 A JP H11214919A JP 1090298 A JP1090298 A JP 1090298A JP 1090298 A JP1090298 A JP 1090298A JP H11214919 A JPH11214919 A JP H11214919A
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JP
Japan
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slot
slots
antenna
radiation
slot antenna
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Application number
JP1090298A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsutomu Yoneyama
米山  務
Toshihiko Azuma
寿彦 我妻
Takanao Daicho
敬直 大長
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koito Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Koito Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スロットアンテナの放射利得を改善し、かつ
ブロードサイド放射の指向性を得ることを可能とする。 【解決手段】 スロットアンテナ110を構成する平行
板導波管101の一方の金属面111にスロット113
が形成され、かつこのスロット113に対向する導波管
の他方の金属面112に凹溝114が設けられており、
前記スロット113と凹溝114は、前記導波管101
内を導波される電波がそれぞれにおいて等しい反射量と
なるように、幅、深さ、位置が設定される。スロット1
13で反射される電波と凹溝114で反射される電波は
逆位相となり、スロット113での反射波は相殺され、
全体としての反射量が低減され、スロット113からの
放射量が増大してスロットアンテナ110の放射利得が
向上される。また、所要の放射利得を確保しながらもス
ロット間隔が任意に設定でき、ブロードサイド放射の指
向性が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は平行板導波管を用い
たスロットアンテナに関し、特に放射利得を向上したス
ロットアンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】一般にスロットアンテナは伝搬する電力
によって発生する金属導体板表面に流れる電流を遮断す
るように当該導体板表面にスロットを形成することで、
スロットから電波を外部に放射させるものであり、構造
が簡易であるという利点を有する。また、この場合、使
用する波長に対して十分に長いスロットを長尺スロット
と呼び、周波数特性を持たないことが特徴とされる。こ
のようなスロットアンテナとして、平行板導波管の一側
面にスロットを配列形成し、導波管内を伝送される進行
波をスロットから放射させるスロットアンテナが提案さ
れている。図14はその基本的な構成を示す図であり、
偏平な矩形筒状に形成された平行板導波管1を構成し、
その一端開口から電波(TE波)を導入する。前記平行
板導波管1の対向する金属面2,3の間隔は前記電波の
1/2波長以下とされ、かつ一方の金属面2には、前記
電波の導波方向と直交する方向の長さがλに対して十分
に長い複数の開口溝、すなわちスロット4を前記電波の
進行方向に沿って等間隔で配設している。また、前記平
行板導波管1の他端部には電波吸収体5が配置される。
【0003】このようなスロットアンテナでは、平行板
導波管1内に導入された電波は、各スロット4において
電波の一部が外部に放射され、他の一部は反射されなが
ら平行板導波管1内を導波され、他端部において電波吸
収体5によって吸収され終端される。そして、複数のス
ロット4からそれぞれ放射された電波は合成されて前記
平行板導波管1の電波放射面となる前記一方の金属面2
の外面から放射されることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種のス
ロットアンテナでは、配列されている複数のスロット4
の配列間隔、すなわちスロット間隔を電波の1波長の長
さに設定すると、電波の放射方向は、スロット4の長さ
方向に対し垂直な面内においてアンテナ放射面(E面)
に対して垂直な方向に指向性を有する特性となる。しか
しながら、このスロット間隔では、平行板導波管1内に
おいて各スロット4において反射される波が重なり合
い、各スロット4から放射される電力よりも反射して導
波管1内を戻される電力の方が大きくなり、アンテナの
放射効率が悪く、放射利得が低いという問題がある。
【0005】そこで、スロット間隔を電波の3/4波長
の長さに設定したスロットアンテナが提案されており、
このように設定されたスロット間隔では各スロットにお
ける前記したような反射波の重なりが抑制されるため、
反射量を低減し、放射利得を向上することが可能とされ
ている。しかしながら、この3/4波長のスロット間隔
では、電波の放射方向がアンテナ放射面の垂直な方向に
対して傾くことになるため、放射方向とアンテナ放射面
の方向とが一致せず、所望の放射指向性を得るためには
アンテナ放射面をその指向性に対して傾斜した状態で取
り付ける必要が生じ、アンテナを設置する際の取り付け
性が悪くなる。またスロット間隔を3/4波長とした場
合でも、前記した反射量の低減には限界があるため、満
足するような放射利得を得ることが困難であり、所望の
放射利得を得ようとする場合にはアンテナを大型化せざ
るを得ず、後述するような自動車への搭載用のアンテナ
として適用する場合に支障がない程度の小型化を実現す
ることは困難な状態にある。
【0006】本発明の目的は、放射利得を改善したスロ
ットアンテナを提供することにある。また、本発明の他
の目的は、ブロードサイド放射の指向性でかつ放射利得
が向上されたスロットアンテナを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、平行板導波管
の一方の面に形成されたスロットと、前記スロットに対
向して導波管の他方の面に設けられた凹溝とを備えてお
り、前記スロットと凹溝はそれぞれにおける前記電波の
反射量が等しくなるように構成したことを特徴とする。
ここで、前記スロット及び凹溝はそれぞれ複数個設けら
れ、かつ各スロットと凹溝はスロット幅方向に所定の間
隔でかつ同期して配列された構成とすることが可能であ
る。また、前記複数のスロットは、スロット間隔が前記
電波の1波長に設定されることが好ましい。さらに、前
記スロットの中心位置と前記凹溝の中心位置がスロット
幅方向にずれた構成としてもよい。
【0008】図1は本発明のスロットアンテナの基本構
成である。平行板導波管10の互いに平行状態に対向さ
れる一対の金属面11,12のうち、一方の金属面11
にスロット13が開口され、これに対向する他方の金属
面12に凹溝14が形成されている。なお、ここでは前
記一方の金属面11の外面には誘電体のスラブ15が一
体に形成されているものとする。このようなスロットア
ンテナでは、平行板導波管10内を電波が導波される
と、前記スロット13から電波が放射される。このと
き、前記電波は前記スロット13と凹溝14のそれぞれ
において反射され、この反射が前記した電波の放射量に
影響を与えることが推測される。そこで、まず、スロッ
ト13における反射量と反射波の位相を測定すべく、図
2(a)のように、スロット13のみが形成された平行
板導波管10Aを用意し、スロット幅をパラメータとし
て測定を行った。同図(b),(c)はその測定結果で
ある。同図(b)は横軸がスロット幅、縦軸が反射量、
また、同図(c)は横軸がスロット幅、縦軸が反射波の
波長に対する偏位量である。また、同様に、凹溝14に
おける反射量と反射波の位相を測定すべく、図3(a)
のように、凹溝14のみが形成された平行板導波管10
Bを用意し、凹溝14の幅を一定とし、凹溝14の深さ
をパラメータとして測定を行った。同図(b),(c)
はその測定結果である。同図(b)は横軸が凹溝の深
さ、縦軸が反射量、また、同図(c)は横軸が凹溝の深
さ、縦軸が反射波の波長に対する偏位量である。
【0009】この測定結果から、スロット13により生
じる反射波の位相の偏位量と、凹溝14により生じる反
射波の位相の偏位量との間には、約1/4波長の差が生
じていることが判明した。この1/4波長の差は、平行
板導波管内における反射波の定在波を考慮したときには
逆相の関係となるため、スロット13と凹溝14の各反
射波の反射量を等しくすれば、スロット13による反射
波と凹溝14による反射波が相殺し合い、反射電力を零
ないし零に近くまで低減し、スロット13からの放射量
を増大することが可能となる。例えば、この測定結果の
場合には、スロット13の幅を1.5mmとしたときに
は、これと反射量が等しい凹溝14の深さは0.75m
mとなる。図4はこのようにして得られた単一スロット
によるスロットアンテナの入力反射特性を示す図であ
る。凹溝14を設けることにより、放射利得が改善され
ていることが確認できた。
【0010】したがって、平行板導波管の内部に、スロ
ットに対向して凹溝を形成したスロットアンテナを構成
することで、スロットから放射される電波の放射利得を
改善することが可能となる。また、この技術思想に基づ
けば、前記したような単一のスロットと凹溝で構成され
るスロットアンテナはもとより、複数のスロットを等間
隔で配列したスロットアレイアンテナを構成する場合に
も、複数のスロットに対応して同数の凹溝を前記スロッ
ト間隔と等しい間隔で、かつ同期した状態で配列形成す
ることにより、放射利得の高いスロットアレイアンテナ
が得られることになる。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。図5は本発明のスロットアンテナを
自動車のミリ波レーダ用のアンテナに適用した形態を示
している。近年の交通施策における構成安全性の向上、
輸送効率の向上、快適性の向上等を目的とした知能化交
通システム(ITS)を構築するための一つとして、自
動車にレーダ装置を搭載し、車々間あるいは路車間通
信、無人料金徴収ゲートへの適用を実現する。図示のよ
うに、自動車に本発明のスロットアンテナを搭載したミ
リ波レーダ装置100を自動車CARの前部及び後部に
それぞれ配置し、このミリ波レーダ装置100により先
行車FCAR、あるいは後続車RCARにそれぞれ搭載
されているミリ波レーダ装置100との間でミリ波を送
受することにより、相互通信を可能とする。または、無
人料金徴収ゲートにおいて通信により料金の徴収を実行
する。
【0012】図6は前記ミリ波レーダ装置100の全体
構成を示す斜視図であり、ここでは20GHzのミリ波
を発生するためのミリ波回路120と、平行板導波管構
造のスロットアンテナ110と、前記ミリ波回路120
とスロットアンテナ110とを接続する給電部130と
で構成される。図7は図6のAA線に沿う断面図であ
る。前記ミリ波レーダ装置100は、第1平行板導波管
101と、この第1平行板導波管101に一体的に重ね
られた構成の第2平行板導波管102とを備えており、
前記第1及び第2の平行板導波管101,102の内部
の導波路は、その一端部に配設された折り返し結合部1
03において相互に連通されている。なお、これら第1
及び第2の平行板導波管101,102及び折り返し結
合部103を実際に製造する場合には、製造しようとす
るミリ波レーダセンサの高さ寸法の2倍強の矩形導波管
を形成し、この矩形導波管の高さ方向の中央部に隔壁を
内挿し、この隔壁によって前記矩形導波管を高さ方向に
分離して前記第1及び第2の平板状導波管101,10
2を形成し、かつ隔壁の先端部で両導波管を連通させて
折り返し結合部103を形成する技法が採用できる。そ
して、前記第1平行板導波管101で前記スロットアン
テナ110を構成し、前記第2平行板導波管102で前
記給電部120を構成し、この第2平行板導波管102
に隣接して前記ミリ波回路130を搭載する。
【0013】前記スロットアンテナ110は、前記第1
平行板導波管101を構成している対向配置された一対
の金属面111,112のうち、電波放射面となる外側
の金属面111に、使用するミリ波の波長よりも十分に
長い長さの複数のスロット、この実施形態では15本の
スロット113を、前記ミリ波の1波長のスロット間隔
で配列形成している。なお、図は簡略化のためにスロッ
ト本数は少なく描いてある。また、この実施形態では前
記金属面111の表面には誘電体スラブ115を密着
し、前記スロット113を形成したことによる金属面1
11の機械的な強度の低下を防止すると共に、スロット
の放射効率を向上させている。また、前記第1平行板導
波管101の一端部には前記したように第2平行板導波
管102に連通される折り返し結合部103が形成され
ているが、他端部には電波吸収体104が配設され、第
1平行板導波管101内を導波される電波を吸収して終
端させるように構成されている。一方、前記スロット1
13が形成された前記金属面111に対向される内側の
金属面112、すなわち前記した製造技法を採用する場
合には前記隔壁を構成する金属面112は比較的に厚い
金属板で形成されており、その内面には前記スロット1
13に対向する位置にそれぞれスロット113と同じ長
さの断面形状が矩形の凹溝114が形成されている。
【0014】一方、前記ミリ波回路120は、その詳細
な説明は省略するが、ミリ波を発生する回路が内蔵され
ているとともに、方向性結合器やサーキュレータ等の送
受分波器が内蔵されており、発生したミリ波を同軸線路
121を通して前記スロットアンテナ110に向けて出
力し、またこれと逆に前記スロットアンテナ110で受
信したミリ波を前記同軸線路121を通して受信し、図
外の受信回路に送出するように構成される。前記ミリ波
回路120は前記第2平行板導波管102の一側面に一
体的に取着されており、ミリ波回路120から引き出さ
れている前記同軸線路121の先端部は、前記第2平行
板導波管102に構成されている前記給電部130に接
続されている。
【0015】図8は前記給電部130を説明するための
図であり、図6のBB線に沿う断面図である。前記第2
平行板導波管102の内部には、前記折り返し結合部1
03に対向され、かつこの折り返し結合部103の延長
方向に対して傾斜された状態に漏れ波NRDガイド(No
n Radiative Dielectric Wave guide)131を構成する
誘電体ストリップ132が延設されており、かつその背
後には反射板133が沿うように延設されている。前記
誘電体ストリップ132は前記第2平行板導波管102
を構成している対向された金属面134,135(図7
参照)に挟まれて前記漏れ波NRDガイド131を構成
しており、その一端には前記ミリ波回路120から延長
され、かつ前記金属面135に設けられた穴136を挿
通して第2平行板導波管102の内部にまで導入されて
いる前記同軸線路121の中心導体122が接続されて
おり、またその他端は無反射終端されている。このよう
に構成された漏れ波NRDガイド131は、ミリ波回路
120で発生されたミリ波が同軸線路121を通して入
力されると、誘電体ストリップ132はミリ波によって
励振され、前記金属板134,135間にミリ波を漏出
する。そして、この漏出されたミリ波の一部は前記第2
平行板導波管102内を前記折り返し結合部103に向
けて導波され、あるいは他の一部は前記反射板133に
よって反射された上で前記折り返し結合部103に向け
て導波され、しかる上で折り返し結合部103を通して
前記第1平行板導波管101、すなわちスロットアンテ
ナ110内に給電されるような構成とされている。
【0016】そして、この構成のスロットアンテナにお
いて、図1〜図3で説明した場合と同様に、スロット1
13のみを設けた場合の第1平行板導波管101内にお
ける反射量と、凹溝114のみを設けた場合の第1平行
板導波管101内における反射量とが等しくなるよう
に、凹溝114の幅やスロットを設定する。ここでは、
前記第1平行板導波管101の高さを5.5mmとし、
前記した15本のスロット113の幅を1.5mmとす
ると、図9に示すように、凹溝114の幅を1mmとし
たときに、深さを1mmに設定することで、スロット1
13と凹溝114との反射量が等しいものとされた。な
お、ここでは前記スロット113と凹溝114の幅方向
の中心が一致される位置に形成されている。
【0017】このように構成されたミリ波レーダ装置1
00では、ミリ波回路120で発生されたミリ波が前記
給電部130の折り返し結合部103からスロットアン
テナ110内に給電されると、給電されたミリ波は第1
平行板導波管101内を導波され、前記したように各ス
ロット113から放射され、かつその一部は反射され
る。このとき、各スロット113には、対向する金属面
112に凹溝114が形成されており、この凹溝114
によって反射される前記ミリ波の反射波がスロット11
3での反射波と逆位相でかつ等量であるため、第1平行
板導波管101の内部においては、スロット113によ
るミリ波の反射量が低減され、その結果として各スロッ
ト113からのミリ波の放射量が増大され、スロットア
ンテナ110の全体としての放射利得が高められる。ま
た、この実施形態では前記各スロット113のスロット
間隔は、前記ミリ波の1波長の長さに設定されているた
め、ブロードサイドの放射指向性、すなわちスロットア
ンテナ110の放射面に垂直な方向となる。
【0018】図10は前記スロットアンテナ110にお
ける入力反射特性を示す図であり、比較のために凹溝が
存在しないスロットアンテナの同特性を併せて示してい
る。同図から、凹溝113を形成することにより、使用
する20GHzにおける入力反射係数が低減され、スロ
ットアンテナの利得が改善されていることがわかる。ま
た、図11(a),(b)は、前記スロットアンテナ1
10におけるE面とH面での放射指向性を示しており、
同図に示されるように、E面の放射特性がスロットアン
テナ110の放射面に対して90度方向のブロードサイ
ド放射であることがわかる。また、E面での半値角は
4.1度、アンテナ効率が28.2%である。
【0019】したがって、この構成のミリ波レーダ装置
100では、スロットアンテナ110での放射利得が向
上されたことによってスロットアンテナ110ないしミ
リ波レーダ装置100の小型化が実現でき、図5に示し
たような自動車CARへの搭載が容易になる。また、放
射指向性がスロットアンテナ110のブロードサイドで
あるため、スロットアンテナの放射面を電波の放射方向
に向けて搭載すればよく、その取付性も改善されること
になる。また、実際の利用時には、図9に示した放射指
向性によって、目的とする自動車や対象物との間でのミ
リ波による通信を高い効率で行うことが可能となり、ミ
リ波レーダ装置の低電力化を実現し、かつさらなる小型
化を実現する上で有利なものとなる。
【0020】ここで、図7に示した前記スロットアンテ
ナ110を構成している第1平行板導波管101の他端
部に設けた電波吸収体104を除去し、当該他端部を短
絡する等して反射端として構成してもよい。これによ
り、第1平行板導波管101内を一端部から他端部に向
けて導波され、スロット113から放射されずに他端部
にまで到達されたミリ波は、この反射端で反射され、第
1平行板導波管101を逆方向に導波され、その際にス
ロット113から放射される。このように、スロットア
ンテナ110を構成する第1平行板導波管101の他端
部が反射端として構成されたスロットアンテナの放射指
向性を図12(a),(b)に示す。この指向性ではサ
イドローブが若干増大するものの、E面での指向ピーク
がブロードサイドの90度となり、半値角は3.8度、
アンテナ効率は45.7%に向上した。
【0021】また、図13は本発明を60GHzのミリ
波に適用した実施形態のスロットアンテナの断面図であ
る。なお、図1と等価な部分には同一符号を付してあ
る。この実施形態では、スロット13Aのスロット幅を
0.8mmとし、凹溝14Aの幅を0.3mm、深さを
0.3mmとしている。そして、前記スロット13Aの
幅方向の中心に対して凹溝14Aの幅方向中心を0.2
mmオフセットする。このように、ミリ波の波長が短く
なった場合には、スロット13Aに対する凹溝14Aの
幅方向の位置を調整することにより、より放射特性を向
上することが可能となる。
【0022】ここで、本発明のスロットアンテナは前記
実施形態のようにミリ波レーダ装置として構成しなくと
も、個別のアンテナとして構成することができることは
言うまでもない。また単一のスロットで構成されるスロ
ットアンテナにおいても、対向する導波管の内面に凹溝
を形成することで、放射利得を向上した効率の高いアン
テナを得ることができる。また、前記実施形態のよう
に、複数のスロットを配列したスロットアレイ構成のス
ロットアンテナとして構成する場合には、アンテナの放
射指向性がブロードサイドに限られることがない場合に
は、スロット間隔を3/4波長、あるいはその他の長さ
に設定することも可能であり、この場合においても放射
利得を向上したスロットアンテナが構成できることは言
うまでもない。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、スロット
アンテナを構成するスロットに対向する面に凹溝を備え
ており、スロットと凹溝はそれぞれにおける電波の反射
量が等しくなるように構成しているので、スロットと凹
溝のそれぞれ逆位相の反射波が相殺され、スロットアン
テナ全体としての導波管内の反射量が低減され、スロッ
トからの電波の放射量が増大され、放射利得の高いスロ
ットアンテナを得ることができる。このため、スロット
間隔を例えば電波の1波長の長さに設定した場合でも高
い放射利得が確保でき、高効率でかつ放射指向性がブロ
ードサイドのスロットアンテナを得ることができる。こ
れにより、スロットアンテナ及びこれを含むレーダ装置
の小型化が実現でき、自動車への搭載を可能とし、かつ
その搭載を容易なものにでき、さらにレーダ装置の低電
力化が実現可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスロットアンテナの基本構成の断面図
である。
【図2】スロットでの反射特性を説明するための図であ
る。
【図3】凹溝での反射特性を説明するための図である。
【図4】図1のスロットアンテナにおける入力反射特性
を示す図である。
【図5】本発明のスロットアンテナを備えるミリ波レー
ダ装置を自動車に搭載した状態を示す概略図である。
【図6】図5のミリ波レーダ装置の全体構成を示す斜視
図である。
【図7】図6のAA線に沿う拡大断面図である。
【図8】図6のBB線に沿う拡大断面図である。
【図9】図6のミリ波レーダ装置のスロットアンテナに
おけるスロットと凹溝の反射量の関係を示す図である。
【図10】図6のミリ波レーダ装置のスロットアンテナ
における入力反射特性を示す図である。
【図11】図6のミリ波レーダ装置のスロットアンテナ
における放射指向性を示す図である。
【図12】スロットアンテナの変形例の放射指向性を示
す図である。
【図13】スロットアンテナの他の実施形態の断面図で
ある。
【図14】従来のスロットアンテナの構成を示す断面図
である。
【符号の説明】
10 平行板導波管 11,12 金属面 13 スロット 14 凹溝 15 誘電体スラブ 100 ミリ波レーダ装置 101 第1平行板導波管 102 第2平行板導波管 103 折り返し結合部 110 スロットアンテナ 113 スロット 114 凹溝 120 ミリ波回路 121 同軸線路 130 給電部 131 NRDガイド 132 誘電体ストリップ 133 反射板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 我妻 寿彦 宮城県仙台市泉区鶴が丘4丁目16−20 (72)発明者 大長 敬直 静岡県清水市北脇500番地 株式会社小糸 製作所静岡工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平行状態で対向される一対の面を有し、
    内部に電波が導波される平行板導波管と、前記導波管の
    一方の面に形成されたスロットと、前記スロットに対向
    して前記導波管の他方の面に設けられた凹溝とを備え、
    前記スロットと凹溝はそれぞれにおける前記電波の反射
    量が等しくなるように構成したことを特徴とするスロッ
    トアンテナ。
  2. 【請求項2】 前記スロット及び凹溝はそれぞれ複数個
    設けられ、かつ各スロットと凹溝はスロット幅方向に所
    定の間隔でかつ同期して配列されている請求項1に記載
    のスロットアンテナ。
  3. 【請求項3】 前記複数のスロットは、スロット間隔が
    前記電波の1波長に設定されてなる請求項1または2に
    記載のスロットアンテナ。
  4. 【請求項4】 前記スロットの中心位置と前記凹溝の中
    心位置がスロット幅方向にずれて配置される請求項1な
    いし3のいずれかに記載のスロットアンテナ。
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