JPH11214216A - 希土類永久磁石の製造方法及び希土類永久磁石 - Google Patents

希土類永久磁石の製造方法及び希土類永久磁石

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JPH11214216A
JPH11214216A JP10014694A JP1469498A JPH11214216A JP H11214216 A JPH11214216 A JP H11214216A JP 10014694 A JP10014694 A JP 10014694A JP 1469498 A JP1469498 A JP 1469498A JP H11214216 A JPH11214216 A JP H11214216A
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cavity
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earth permanent
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 希土類永久磁石の湿式成形に用いるスラリー
は、供給安定性のために予め70%以上に濃縮しておく
ことが望ましい。しかし、開口部の縦又は横寸法に比し
て深さが深い形状のキャビティにおいては、このような
高濃度なスラリーは、空気の巻込まれやキャビティ内へ
の空気の残存により、隅々まで十分充填し難いという問
題がある。 【解決手段】 スラリーを70〜85重量%に調整し、
スラリーの供給手段に連通したスラリー供給管の先端を
キャビティ底部近傍に挿入し、スラリーをキャビティの
底部から上方に向けて吐出しながら適宜引き抜いて充填
し、加圧方向と垂直に印加磁界を加えて加圧成形して成
形体を得る希土類永久磁石の製造方法及び希土類永久磁
石である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、R−Fe−B系(Rは
Yを含む希土類元素のうち1種または2種以上)希土類
永久磁石用微粉と溶媒の混合物であるスラリーを成形機
の金型に供給して加圧成形し、得られた成形体を焼結す
る希土類永久磁石の製造方法及び希土類永久磁石に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】希土類永久磁石は高磁気特性を得られる
磁石として知られており、原料金属を溶解し、鋳型に注
湯して得られたインゴットを粉砕、成形、焼結して製造
するが、原料粉末である希土類永久磁石用粉末は、微粉
砕後化学的に非常に活性になるため、いかに酸化を防止
するかが製造技術上大きなポイントである。この点で、
乾粉状態で成形する従来の乾式成形法によって製造した
焼結体の酸素量の水準は、低いものでも0.4%台であ
るのに対し、新たに開発された湿式成形法、即ち原料粉
末と鉱物油、合成油あるいは植物油を溶媒とした混合物
(以下、スラリーと称す)を作成し、スラリー濃度を調
整後、金型のキャビティに供給し、混合物中の溶媒を濾
過しながら加圧成形を行う方法、によって製造した焼結
体は、酸素量を0.25%以下にすることが可能であ
り、適切な原料組成を選定することで、保持力iHcを
維持しつつ、高い残留磁束密度Brと最大エネルギー積
(BH)maxを得ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】湿式成形に用いるスラ
リーは、濃度が低い方が流動性は良好で狭部を有するキ
ャビティに充填できるが、濃度が70%未満では溶媒で
ある油が多すぎて上澄みが生じ易く、原料粉末の供給量
が不安定となり実用的ではない。このため、予め70%
以上に濃縮しておくことが望ましいが、このような高濃
度なスラリーは、乾式成形法に用いる乾粉以上に充填性
が悪く、キャビティの大きさや形状によっては隅々まで
十分充填し難いという問題がある。
【0004】前述したように希土類永久磁石は高磁気特
性を得られるが、より特性の高いものが求められるだけ
でなく、薄肉でかつ微粉が薄肉面に直交する方向に磁気
配向しているような製品の要求が多くなっている。一般
に、スラリーを成形機で磁場成形する方法には、磁界の
印加方法と垂直に加圧成形する方法(横磁場成形と称
す)と、平行に加圧成形する方法(縦磁場成形と称す)
の2種類があり、後述するように横磁場成形の方が縦磁
場成形に比べて高磁気特性を得やすい。このため前記の
ような薄肉形状品を成形する場合、上下方向から加圧す
る成形機では、磁界方向は水平となるため、キャビティ
は薄肉面が垂直になるように形成される。即ち開口部の
縦又は横寸法に比して深さが深い形状となる。このよう
な形状のキャビティでは、必要なスラリー量とキャビテ
ィ一体積がほぼ等しくなるようなキャビティ深さとし、
キャビティ深さをあまり深くしないようにすることが多
い。しかし、それでも高濃度のスラリーを隅々まで充填
することは難しく、磁気特性を犠牲にして縦磁場成形す
るか、ブロック状のものを横磁場成形し、後で切出す等
により製造している。しかし、後者のプロセスでは曲率
を有するもの、例えばアーク状やリング状のものは、加
工が難しい等形状の制約がある他、製造プロセスの増
加、材料歩留まりの低下等の問題がある。
【0005】特開平9−94814号に、希土類永久磁
石の湿式成形用原料供給装置が開示されている。これは
図4に示すように、スラリーの定量供給手段50と、定
量供給手段50と配管で連結され、キャビティ53を有
するダイス51上面を駆動手段54で摺動自在な供給ヘ
ッド55を有し、供給ヘッド55には供給ノズル56を
設けた装置である。供給ヘッド55を供給ノズル56が
キャビティ53の開口部中央位置にくるように移動して
定量供給手段50を作動し、供給ノズル56を通してス
ラリーをキャビティ53上方より供給し、供給が終了し
たら供給ヘッド55をダイス51上から退避するもので
ある。しかし前記装置を用い、前述したような形状のキ
ャビティにほぼ満杯になるように高濃度のスラリーを充
填しようとする場合、10%程度の重量バラツキが発生
してしまう。これはスラリーへの空気の巻込まれ及びキ
ャビティ内への空気の残存によるもので、特にスラリー
の供給速度を早くするとより問題となる。この現象を図
5を用いて説明する。 1)注入初期(図5(a)) 供給ノズル56により、キャビティ53の上方から注入
されたスラリー100は、キャビティ53の底つまり下
パンチ52の上面に到達し、スラリーの柱を生じる。 2)注入中期(図5(b)) このスラリー柱が、スラリーの自重による落下と広がり
を生じる前に、供給ノズル56から次のスラリー100
が連続的に供給されるため、キャビティ上方の供給ヘッ
ド55下面でスラリーが広がりながら注入される。 3)注入終期(図5(c)) ダイス51、下パンチ52及び供給ヘッド55で囲まれ
たキャビティは気密性が高く、内部の空気が逃げ難いた
め、スラリー中に空気を巻込むとともに、供給完了後も
隅部に空気が残ってしまう。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、 R−Fe−
B系(RはYを含む希土類元素のうち1種または2種以
上)希土類永久磁石用微粉と鉱物油、合成油あるいは植
物油を溶媒とした混合物(以下スラリーと称す)を、キ
ャビティの隅々まで供給して湿式成形を行う希土類永久
磁石の製造方法、及びこれを用いて製造した希土類永久
磁石であり、特に薄肉で高特性な希土類永久磁石を得る
ための横磁場成形を可能とすることを目的としている。
なお、ここで言うスラリーとは、酸化防止用に開発され
た前述した湿式成形法に用いる不活性雰囲気下(窒素雰
囲気など)で溶媒中に微粉砕直後の原料粉末を投入して
作成したものだけでなく、大気中で製造した例えば乾式
成形用の乾粉に溶媒を加えたようなものも含む。本発明
の希土類永久磁石の製造方法は、 スラリーを濃縮し
て、成形機のキャビティに供給し、加圧成形し、この成
形体に含まれる溶媒を除去後焼結する希土類永久磁石の
製造方法において、スラリーの供給手段に連通したスラ
リー供給管をキャビティに挿入し、スラリーを吐出しな
がら適宜引き抜いてスラリーを成形機のキャビティに充
填することを特徴としている。スラリー供給管の引き抜
きタイミングは、スラリーの吐出開始と同時に徐々に引
き上げてもよいし、最初は停止状態で吐出し、その後そ
のまま吐出しながら又は吐出せずに引き上げるようにし
てもよい。なお、キャビティ上方は開放したままでもよ
いが、通気性を保ちながら遮蔽しておくほうがよい。こ
の遮蔽手段により、上方に盛上がったスラリーは速やか
に横方向に均されるとともに、供給量が多少多目であっ
てもまわりにあふれることがない。
【0007】また、詳しくはスラリーを70〜85重量
%に調整し、スラリーの供給手段に連通したスラリー供
給管の先端をキャビティ底部近傍に挿入し、スラリーを
キャビティの底部から上方に向けて吐出しながら適宜引
き抜いて充填し、加圧方向と垂直に印加磁界を加えて加
圧成形して成形体を得る希土類永久磁石の製造方法であ
る。スラリー濃度の限定理由は次の通りである。前述し
たように、スラリーの濃度は70%未満では溶媒である
油が多すぎて上澄みが生じ易くなり、原料粉末の供給量
が不安定となる。また85%を越えると、供給配管内で
詰まりが生じやすくなるとともに、キャビティへの充填
性が悪くなるという供給性面の問題がある。
【0008】また、磁気特性面からも70〜85%の範
囲が望ましい。前述したように、スラリーを成形機のキ
ャビティ内で磁場成形する方法には、横磁場成形と、縦
磁場成形の2種類があり、必要な製品形状と磁気特性か
ら成形方法を選定する。一般に成形機は垂直方向から加
圧するため、横磁場成形における成形体は、直方体など
の単純形状のものがほとんどであるが、縦磁場成形に比
べて高磁気特性が得られやすい。しかし、スラリー濃度
が85%を越えると、印加磁界に対するスラリー中の微
粉の配向性が低下し、磁気特性の内特に残留磁束密度B
rが低下する。縦磁場成形では、成形体形状は扇形など
複雑形状も可能であるが、横磁場成形ほどの磁気特性を
得にくい。これは、磁界の印加方向と成形の加圧方向が
平行なため、いったん配向した微粉の配向性が加圧成形
時に乱されるためであり、横磁場成形に比べて残留磁束
密度Brは低いものとなるが、スラリー濃度が高いほど
加圧成形から受ける配向の乱され方は少ないという傾向
にある。このため、縦磁場成形ではスラリー濃度が高い
ほど得られる残留磁束密度Brが高くなり、特にスラリ
ー濃度が70%以上でこの傾向が顕著になる。しかし、
スラリー濃度が85%を越えると、横磁場成形と同じ理
由で配向性が低下し、残留磁束密度Brは低下する。図
6に、湿式成形法で成形した重量百分率でNd27.5
%、Pr1.0%、Dy1.5%、B1.0%、Nb
0.5%、Al0.05%、Co2.0%、O0.15
%、0.05%、C0.075%、残Feの組成を有す
る焼結体の、成形方法とその時のスラリー濃度による得
られた残留磁束密度Brの関係を示す。以上スラリー濃
度について説明した。
【0009】金型に形成されるキャビティは、最終製品
にできるだけ近い形状のものが望ましい。しかし、一辺
が薄肉の直方体或いは曲率体、さらには扇形等の複雑形
状品、あるいは薄肉のリング品に対して、薄肉面に直交
するように磁場を配向する横磁場成形を行なう場合、キ
ャビティへの原料供給の良否で大きさと形状が決定され
る。本発明者らは、従来の工場生産レベルの供給方法に
おいて、キャビティの寸法とその時の成形体重量、密
度、体内の特性バラツキ等の関係について研究し、生産
レベルで良好に製造できるための製品には、キャビティ
の開口部の短辺相当寸法Tと深さ寸法Hに相関があるこ
とを見出した。図7に境界付近にある成形体のものにつ
いての状況を示す。スラリーをキャビティの上方から供
給する前述した湿式成形用原料供給装置におけるような
方法を用いた場合、境界はラインAで示すことができ
る。一方、乾式成形法においては、キャビティ上を給粉
ボックスを移動させて行なう摺り切り揺動式で供給する
場合、境界はラインBで示すことができる。ラインA及
びBは、各々概略下式で表すことができる。 A:H=7T−8 (ただしT≧2.5) B:H=12T−17 (ただしT≧2.5) これは、スラリー濃度が70%を超えるようなものは前
述したような問題点があり、狭い隙間のもの程顕著なた
めである。乾粉の場合は、スラリーほど流動性は悪くな
いが、造粒した粉体でないため磁性凝集し易く、やはり
上記と同様な問題があるからである。なお短辺相当寸法
Tとは、図8(a)、(c)に示すように矩形類似形状
(アーク状を含む)のものでは短辺そのものであるが、
図8(b)に示すリング状のものでは厚さ、図8(d)
に示すような太鼓状のものでは短手方向の対辺寸法、そ
の他の形状では、三角状のものでは対辺に下ろした垂線
のうち短いもの、円状のものでは半径である。本発明に
おいては、スラリー供給管をキャビティに挿入して下部
より徐々にスラリーを充填していくので、開口部の短辺
相当寸法はスラリー供給管外径より大きければよく、基
本的には深さ方向の制約はない。スラリー供給管は非磁
性の剛性のあるパイプを用いるが、その内径はスラリー
吐出圧を高くすれば1mm程度でもよいが、スラリーの
詰まりを考慮すると2mm以上あることが好ましく、こ
れより短辺相当寸法が3mm以上のものに適用するのが
望ましい。
【0010】本発明の希土類磁石は、R−Fe−B系
(RはYを含む希土類元素のうち1種または2種以上)
希土類永久磁石用微粉と鉱物油、合成油あるいは植物油
を溶媒とした混合物(スラリーと称す)を、スラリーの
供給手段に連通したスラリー供給管を成形機のキャビテ
ィに挿入してスラリーを吐出しながら引き抜いて成形機
のキャビティに供給し、加圧成形し、この成形体に含ま
れる溶媒を除去後焼結したものである。また本発明の希
土類永久磁石は、R−Fe−B系(RはYを含む希土類
元素のうち1種または2種以上)希土類永久磁石用微粉
と鉱物油、合成油あるいは植物油を溶媒とした混合物
(スラリーと称す)を成形機のキャビティに供給し、加
圧成形し、この成形体に含まれる溶媒を除去後焼結した
希土類永久磁石であって、開口部短辺相当寸法Tが2m
m以上で、深さHがH=12T−17以上の寸法範囲に
ある成形機のキャビティにスラリー供給管を挿入し、キ
ャビティの底部から上方に向けて充填したスラリーを、
加圧方向と垂直に印加磁界を加えて加圧成形したことを
特徴としている。なお、前記の薄物長尺の希土類永久磁
石は、原材料のキャビティへの供給という問題を解決し
たことの他に、溶媒により金型のかじりを防止できるこ
とにより工業的に実現できるものであり、乾式成形法で
は実現できないものである。特に最終形状がアーク状を
したものやリング状をしたものは、横磁場成形で最終形
状に近いものを得ることができるため、高特性のものが
実現でき、産業上極めて有用である。また本発明の希土
類永久磁石は、前記の製造方法で製造し、成形体の個々
の重量ばらつきが適切な製造条件下では3%以下と極め
て小さく、焼結体の組成が重量百分率でR(RはY含む
希土類元素のうち1種または2種以上)が27.0〜3
1.0%、Bが0.5〜2.0%、Nが0.02〜0.
15%、Oが0.25%以下、Cが0.15%以下、残
部がFeであることを特徴としている。前記希土類永久
磁石は、その組成のFeの一部をNb 0.1〜2.0
%、Al 0.02〜2.0%、Co 0.3〜5.0
%、Ga 0.01〜0.5%、Cu0.01〜1.0
%のうち1種または2種以上で置換することができる。
【0011】組成の限定理由は次のとおりである。湿式
成形法においては希土類元素の酸化防止が充分になされ
るため、希土類元素の量は、重量百分率で27.0〜3
1.0%とされる。希土類元素の量が31.0%を越え
ると、焼結体内部のRrich相の量が多くなり、かつ
形態が粗大化して耐蝕性が悪くなる。一方、希土類元素
の量が27.0%未満であると、焼結体緻密化に必要な
液相量が不足して焼結体密度が低下し、同時に磁気特性
のうち残留磁束密度Brと保持力iHcが共に低下す
る。従って、希土類元素の量は27.0〜31.0%と
される。Oの量は、重量百分率で0.05〜0.25%
とされる。Oの量が0.25%を越える場合には、希土
類元素の一部が酸化物を形成し、磁気的に有効な希土類
元素が減少して保持力iHcが低下する。前述したよう
に、R−Fe−B系希土類永久磁石のこれまでの製造方
法としては、一般に乾式法が採用されてきた。そのた
め、希土類元素の酸化防止が充分とはならず、酸素量の
水準は、低いものでも0.4%台であった。そのため、
一定水準の保持力iHcを維持するためには、希土類量
を少なくとも31%を越える値とする必要があり、その
ため得られる残留磁束密度Brと最大エネルギー積(B
H)maxは低い値となった。湿式成形法によって、R
−Fe−B系希土類永久磁石焼結体の酸素量を、0.2
5%以下にすることが可能となり、これによって、保持
力iHcを維持しつつ、本発明の27〜31%の範囲に
希土類量を低減することができるために、高い残留磁束
密度Brと最大エネルギー積(BH)maxを得ること
ができる。一方溶解によって作製するインゴットのO量
の水準は最大0.04%であるため、最終焼結体のO量
をこの値以下とすることは困難であり、これよりO量は
0.05〜0.25%とすることが好ましい。
【0012】C量は、重量百分率で0.01〜0.15
%とされる。Cの量が0.15%より多い場合には、希
土類元素の一部が炭化物を形成し、磁気的に有効な希土
類元素が減少して、保持力iHcが低下する。C量は、
0.12%以下とすることがより好ましく、0.10%
以下とすることがさらに好ましい。一方、溶解によって
作製するインゴットのC量の水準は最大0.008%で
あり、最終焼結体のC量をこの値以下とすることは困難
であり、焼結体のC量は0.01〜0.15%とするこ
とが好ましい。本発明者らの研究成果によると、R−F
e−B系希土類永久磁石の耐蝕性の改善に対しては、希
土類元素の量を31.0%以下とすることは必要条件で
あるが十分条件ではない。これにはさらに、焼結体中の
N量を厳密に制御する必要がある。上記の組成範囲の希
土類元素、O量、C量を有するR−Fe−B系希土類永
久磁石において、焼結体中のN量を所定範囲とすること
によって、優れた耐蝕性と高い磁気特性を両立させるこ
とができる。焼結体中のN量は重量百分率で0.02〜
0.15%とする必要がある。Nの含有による耐蝕性の
改善効果のメカニズムについては必ずしも明確ではない
が、焼結体中のNは主にRrich相に存在し、希土類
元素の一部と結合して窒化物を形成していることから、
この窒化物の形成がRrich相の陽極酸化を抑制して
いるものと考えられる。Nの量が0.02%より少ない
場合には、窒化物の形成量が少ないためか、焼結体の耐
蝕性の改善効果はみられない。Nの量が0.02%以上
では、Nの量の増加に従って焼結体の耐蝕性も向上する
が、Nの量が0.15%を越えると保持力iHcが急激
に低下する。これは、窒化物の形成による磁気的に有効
な希土類元素の減少によるためと考えられる。以上の理
由から、N量は、0.02〜0.15%とされる。さら
には、N量は0.03〜0.13%とすることが好まし
い。
【0013】本発明のR−Fe−B系希土類永久磁石に
おいては、Feの一部をNb,Al,Co,Ga,Cu
のうち1種類または2種類以上で置換することができ、
以下に各元素の置換量(ここでは置換後の希土類永久磁
石の全組成に対する重量百分率)の限定理由を説明す
る。Nbの置換量は、0.1〜2.0%とされる。Nb
の添加によって、焼結過程でNbのほう化物が生成し、
これが結晶粒の異常粒成長を抑制する。Nbの置換量が
0.1%より少ない場合には、結晶粒の異常粒成長の抑
制効果が不十分となる。一方、Nbの置換量が2.0%
を越えると、Nbのほう化物の生成量が多くなるため、
残留磁束密度Brが低下する。Alの置換量は、0.0
2〜2.0%とされる。Alの添加は保持力iHcを高
める効果がある。Alの置換量が0.02%より少ない
場合には、保持力の向上効果が少ない。置換量が2.0
%を越えると、残留磁束密度Brが急激に低下する。C
oの置換量は、0.3〜5.0%とされる。Coの添加
はキューリ点の向上すなわち飽和磁化の温度係数の改善
をもたらす。Coの置換量が0.3%より少ない場合に
は、温度係数の改善効果は小さい。Coの置換量が5.
0%を越えると残留磁束密度Br,保持力iHcが共に
急激に低下する。Gaの置換量は、0.01〜0.5%
とされる。Gaの微量添加は保持力iHcの向上をもた
らすが、置換量が0.01%より少ない場合には、添加
効果は小さい。一方、Gaの置換量が0.5%を越える
と、残留磁束密度Brの低下が顕著になるとともに、保
持力も低下する。Cuの置換量は、0.01〜1.0%
とされる。Cuの微量添加は、保持力iHcの向上をも
たらすが、添加量が1.0%を越えるとその添加効果は
飽和する。添加量が0.01%より少ない場合には、保
持力iHcの向上効果は小さい。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について詳述
する。図2に希土類永久磁石の製造工程を示す。Nd−
Fe−B系希土類永久磁石原料合金を微粉砕し、得られ
た微粉を鉱物油の溶媒中に回収し、スラリーを作成す
る。このスラリーを加圧成形に適したスラリー濃度に調
整し、成形機のキャビティに隅々まで十分充填し、溶媒
を濾過しながら加圧成形する。得られた成形体に含まれ
る溶媒を除去後焼結し、希土類永久磁石の焼結体を得
る。
【0015】以下上記工程の中、スラリーのキャビティ
への充填に関して説明する。図1は、湿式成形機へのス
ラリー供給を説明するための図である。下パンチ2が貫
装し、キャビティ3を形成するダイス1の上面と、その
上面と同一レベルとなるようにダイス1に設置したプレ
ート7の上面を、シリンダー等の移動手段4で摺動する
供給ヘッド5を設ける。供給ヘッド5は供給ヘッド本体
9と摺動板8からなり、摺動板8は、供給ヘッド5がダ
イス1上に移動時、キャビティ3の開口部を覆うような
寸法である。この時キャビティ3の隅部と外部空間が連
通するような流路或いは隙間14を摺動板8に設けてい
る。供給ヘッド本体9と摺動板8を貫通して昇降自在
(昇降装置図示せず)なスラリー供給管6を設ける。ス
ラリー供給管6は、供給ヘッド5がダイス1上に移動時
キャビティ3をほぼ均等に分けるような位置であること
が望ましい。スラリー供給管6のキャビティ3側の他端
には配管11が接続されている。配管11の一端には制
御装置12で制御されるスラリー供給手段10、例えば
定容積シリンダー又は容積式ポンプが接続されている。
スラリー供給手段10はスラリー100を収納した原料
タンク13と連結しており、作動量、即ち定容積シリン
ダーではピストンの移動量や速度、容積式ポンプでは原
動機の回転数又は回転時間等、に応じたスラリー100
を吐出することができる。制御装置12は、スラリー供
給手段10が所望の仕様でスラリー100を供給できる
ように前記作動量を設定することができる。これによ
り、スラリー供給手段10は、はぼ所望量のスラリーを
所望の速度で送り出すことができる。送り出されたスラ
リー100は、配管11を通りスラリー供給管6から、
キャビティ3に供給される。
【0016】以下、動作について説明する。ダイス1を
上昇して、下パンチ2上部に所定容量のキャビティ3を
形成する。次に、移動手段4を作動し、供給ヘッド5を
キャビティ3上に摺動する。次いで、スラリー供給管6
を下降させ、先端を下パンチ2上面近傍の所定位置に保
持する。次にスラリー供給手段10を作動させ、タンク
13内のスラリー100を、配管13及びスラリー供給
管6を通じてキャビティ3に供給開始する。以降のスラ
リー充填状況を、図3により説明する。 1)注入初期(図3(a)) スラリー供給管6先端から排出されたスラリー100
は、下パンチ2の上面に当たることにより、水平方向に
流れが変えられる。 2)注入中期(図3(b)) スラリー100は、下パンチ2の上面に沿って水平方向
に流れ、ダイス1と下パンチ2で構成されるキャビティ
3の下隅のエアを押出しつつ、スラリーを充填する。 3)注入終期(図3(c)) スラリー100はキャビティー3の底からわき上がるよ
うに充填され、キャビティ3内のエアは摺動板8に設け
た流路14から外気に排気され、キャビティ3はエアが
残留することなくスラリー100で満たされていく。ス
ラリー供給管6の先端と下パンチ2の上面の隙間は、ス
ラリーの濃度等性状と供給速度に合わせて適宜設定す
る。即ち、隙間が広すぎる場合は、図5で説明したと同
様な現象がスラリー供給管6先端と下パンチ2間で生
じ、スラリーは空気を巻き込んでしまい、また隙間が狭
すぎる場合は、図3に示す横方向へのスラリー流れの速
度が加速されて周辺の空気を巻き込んでしまい、供給量
のバラツキを生じる結果的になるからである。
【0017】スラリー供給手段10が所定量を供給終了
する前に、スラリー供給管6を、先端が摺動板8内に収
納されるように上昇させる。この上昇動作は上述した注
入中期から徐々に行なってもよいし、注入終期に行なっ
てもよく、スラリー供給管6が占有していた容積分供給
が間に合うタイミングであればよく、スラリー供給管の
大きさ、挿入深さ又はスラリー供給速度に合わせて適宜
設定する。所定量供給完了後、移動手段4を作動させ、
供給ヘッド5をダイス1上から退避させる。なお、スラ
リーの供給量はキャビティ体積に一致していなくてもよ
く、少し多目になってもよい。この場合、摺動板8でキ
ャビティ3の上部が覆われているため、余分なスラリー
は供給ヘッド5内に保持され、供給ヘッド5の退避時一
緒に持去られるため周囲にあふれることはない。この
後、脱液口と瀘過フィルターを備えた上パンチ(図示せ
ず)が下降し、磁場中で加圧成形する。尚、本説明では
1個のキャビティの場合について述べたが、金型に2個
以上のキャビティがある場合は、供給ヘッドを順次キャ
ビティ上に移動し、上述したと同様にしてスラリーを供
給して行けばよい。
【0018】
【実施例1】次に実施例1について説明する。微粉砕工
程ではジェットミル粉砕法を用い、 Nd−Fe−B系
希土類永久磁石原料合金を数100μmに解砕した酸素
量が1300ppm程度の粗粉を、不活性高圧ガス雰囲
気中で粒子どうしを衝突させて微粉を得た。不活性ガス
は窒素ガスを用い、粉砕ガス雰囲気中の酸素濃度は1p
pm未満とし、得られた微粉の平均粒度は約5μmであ
り、その組成は重量百分率でNd28.01%、Pr
0.57%、Dy1.50%、B1.06、Co2.0
6%、Nb0.67%、Al0.10%、Ga0.08
%、Cu0.10%、残部Feであった。微粉の回収工
程では、粉砕機の微粉排出口に鉱物油の溶媒を入れた回
収容器を直結し、微粉が大気に触れないように溶媒中に
回収した。鉱物油は、出光興産(株)製、商品名LA3
5を用いた。本鉱物油の性状は、分溜点約272℃、動
粘度2.4cst、引火点107℃である。微粉回収の
結果、微粉と溶媒の重量比は40重量%となった。スラ
リー化の工程では、回収容器内の微粉と溶媒は、パドル
型撹拌翼を設けた撹拌機により、充分に混合してスラリ
ー化した。スラリー濃度調整工程では、重量濃度75w
t%を目標濃度とし、濃度ばらつきを±1.0wt%以
内に調整した。
【0019】成形工程では、スラリーをネジ式容積型ポ
ンプを用いて、図8(a)に示すような矩形状部品を成
形すべく、成形機の矩形状キャビティ(縦7mm、横4
5mm、深さ80mm)に供給した。まず、スラリー供
給管がキャビティ開口部のはぼ中央部に位置するように
供給ヘッドを位置決めした。スラリー供給管として外径
5mm、内径4mmの塩化ビニールパイプを用いた。次
にスラリー供給管をシリンダーで下降させ、下パンチ上
面から4mmの位置で停止させ、ネジ式容量ポンプを作動
して、供給量6.3cm3/secでスラリーをキャビティ
内に吐出した。スラリー供給管はスラリー供給開始後
3.5秒経過後、スラリーを供給しながら0.5秒で上
昇させ、上昇完了時にはキャビティにスラリーが充満す
るようにした。その後、水平方向に13kOeの配向磁
場を印加した状態で、上パンチを下降させ、スラリー中
の溶媒を布製濾布を介して濾過しながら、1トン/cm
2の圧力で垂直方向に加圧成形し成形体を得た。成形体
中には約10重量%の溶媒が残存した。成形体は脱溶媒
焼結処理まで、不活性ガス(N2ガス)を導入した容器
内に6時間保管した。脱溶媒工程では、成形体中に含ま
れる溶媒を、焼結前に真空中加熱により除去した。真空
度3×10ー2Torr、成形体加熱温度200℃、加熱
時間1時間で溶媒が完全に除去できることを確認した。
焼結工程では、成形体の溶媒除去後そのまま真空状態を
保ち真空中で昇温し、真空度4×10ー4Torr、焼結
温度1080℃、焼結時間2時間で焼結を行い焼結体を
得た。焼結体の寸法は約5×37×66mm、焼結体の
密度は、7.62g/cm3であった。この焼結体に、
900℃×1時間と500℃×2時間の熱処理を各1回
施した。
【0020】本実施例で得られた焼結体重量の分布を図
9に示す。重量ばらつきは、96±1.4g(±1.4
6%)であった。焼結体重量ばらつきは成形体重量バラ
ツキと対応するので、成形体重量ばらつきは目標の3%
以内を満たしていると判断できる。磁気特性は、成形ロ
ットを問わず、残留磁束密度Br13.6〜13.7k
G、保磁力iHc15.0〜15.3kOe、最大エネ
ルギー積(BH)max45.0〜45.2MGOeが
安定して得られた。なお、焼結体の組成は重量百分率で
Nd28.01%、Pr0.57%、Dy1.50%、
B1.06、Co2.06%、Nb0.67%、Al
0.10%、Ga0.08%、Cu0.10%、O0.
17%、N0.045%、C0.07%、残部Feであ
った。
【0021】
【実施例2】次に、実施例2について説明する。実施例
1で微粉砕し作製したと同様のスラリーを、図8(b)
に示すようなリング品を成形すべく成形機のリング状キ
ャビティ(外径50mm、厚さ4mm、深さ60mm)
に供給した。供給ヘッドには46mmの間隔を隔てて2
本のスラリー供給管を配置した。スラリー供給管は外径
3.4mm、内径2.8mmのステンレスパイプを用い
た。スラリー供給管には1台のネジ式容積型ポンプから
配管を分岐して接続したが、個々にネジ式容積型ポンプ
を設け接続してもよい。供給ヘッドを、2本のスラリー
供給管の中心がキャビティのリング中心にくるように位
置決めした後、2本のスラリー供給管を同時にシリンダ
ーで下降させ、下パンチ上面から3mmの位置で停止させ
た。ネジ式容量ポンプを作動して、2本のスラリー供給
管から各々供給量3.5cm3/secでキャビティに吐出
した。スラリー供給管はスラリー供給開始後2.5秒経
過後、スラリーを供給しながら2.5秒で上昇させ、上
昇完了時にはキャビティにスラリーが充満するようにし
た。磁界強度10kOeでラジアル配向し、成形圧0.
8t/cm2で、印加磁界と垂直方向に加圧成形し、成
形体を得た。この成形体を、5×10-2Torrの真空
中で、200℃×2時間加熱して脱油処理し、次いで5
×10-4Torrの真空中で、1070℃×5時間の条
件で焼結し焼結体を得た。焼結体の概略寸法は外径37
mm、厚さ3mm、長さ50mmとなり、密度は7.6
2g/cm3であった。この焼結体に、900℃×1時
間と500℃×2時間の熱処理を各1回施した。磁気特
性を測定したところ、Br13.0kG、iHc16.
0kOe、最大エネルギー積(BH)max40.1M
GOeという値が得られた。
【0022】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は次の効果を
有する。 1)スラリーをキャビティの隅々まで充填して成形する
することができるので、空気の巻込みが少なく形状の安
定した重量バラツキの少ない希土類永久磁石を製造する
ことができる。 2)開口部が狭く深さの大きいキャビティにスラリーを
隅々まで充填することができるので、従来乾粉でも成形
できなかった薄肉縦長品でも、湿式で成形することがで
きる。 3)薄肉縦長品を横磁場成形で成形できるので、縦磁場
成形したものより高特性品を得ることができる。 4)従来できなかった最終形状がアーク状やリング状等
曲面を有する薄肉縦長品を横磁場成形で成形できる。 5)薄肉縦長品を横磁場成形で成形できるので、最終製
品の形状に近い形状の成形体を得ることができ、ブロッ
ク品を横磁場成形してから加工するよりも、形状の自由
度が高くかつ製造コストが低く抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を成すスラリー供給装置の概念図。
【図2】希土類永久磁石の製造工程図を示す。
【図3】本発明を成すスラリー供給状況を示す図。
【図4】従来のスラリー供給装置の一例を示す図。
【図5】上記装置におけるスラリー供給状況を示す図。
【図6】磁場成形種類と残留磁束密度の濃度依存性を示
す図。
【図7】良好に製造できる希土類永久磁石の短辺相当寸
法と深さ寸法の関係を示す図。
【図8】成形品の形状例を示す図。
【図9】焼結体の重量バラツキを示す図。
【符号の説明】 1 ダイス 2 下パンチ 3 キャビティ 4 移動手段 5 供給ヘッド 6 スラリー供給管 8 摺動板 10 スラリー供給手段 12 制御装置 13 タンク 14 流路 55 従来の原料供給装置の供給ヘッド 56 従来の原料供給装置の供給ノズル 100 スラリー

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 R−Fe−B系(RはYを含む希土類元
    素のうち1種または2種以上)希土類永久磁石用微粉と
    鉱物油、合成油あるいは植物油を溶媒とした混合物(ス
    ラリーと称す)を成形機のキャビティに供給し、加圧成
    形し、この成形体に含まれる溶媒を除去後焼結する希土
    類永久磁石の製造方法において、 スラリーの供給手段に連通したスラリー供給管を成形機
    のキャビティに挿入し、スラリーを吐出しながら引き抜
    いてスラリーをキャビティに充填することを特徴とする
    希土類永久磁石の製造方法。
  2. 【請求項2】 70〜85重量%のスラリーを用い、
    スラリーの供給手段に連通したスラリー供給管の先端を
    キャビティ底部近傍に挿入し、スラリーをキャビティの
    底部から上方に向けて吐出しながら引き抜いて充填し、
    加圧方向と垂直に印加磁界を加えて加圧成形する請求項
    1に記載の希土類永久磁石の製造方法。
  3. 【請求項3】 キャビティは開口部短辺相当寸法Tが2
    mm以上で、深さHがH=12T−17以上の範囲にあ
    る請求項2に記載の希土類永久磁石の製造方法。
  4. 【請求項4】 R−Fe−B系(RはYを含む希土類元
    素のうち1種または2種以上)希土類永久磁石用微粉と
    鉱物油、合成油あるいは植物油を溶媒とした混合物(ス
    ラリーと称す)を、スラリーの供給手段に連通したスラ
    リー供給管を成形機のキャビティに挿入してスラリーを
    吐出しながら引き抜いて成形機のキャビティに供給し、
    加圧成形し、この成形体に含まれる溶媒を除去後焼結し
    たことを特徴とする希土類永久磁石。
  5. 【請求項5】 R−Fe−B系(RはYを含む希土類元
    素のうち1種または2種以上)希土類永久磁石用微粉と
    鉱物油、合成油あるいは植物油を溶媒とした混合物(ス
    ラリーと称す)を成形機のキャビティに供給し、加圧成
    形し、この成形体に含まれる溶媒を除去後焼結した希土
    類永久磁石であって、 開口部短辺相当寸法Tが2mm以上で、深さHがH=1
    2T−17以上の寸法範囲にある成形機のキャビティに
    スラリー供給管を挿入し、キャビティの底部から上方に
    向けて充填したスラリーを、加圧方向と垂直に印加磁界
    を加えて加圧成形したことを特徴とする希土類永久磁
    石。
  6. 【請求項6】 成形体形状がアーク状である請求項4又
    は5に記載の希土類永久磁石。
  7. 【請求項7】 成形体形状がリング状であり、そのキャ
    ビティの厚さと深さが、前記のTとHに相当する請求項
    4又は5に記載の希土類永久磁石。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至3のいずれかに記載の製造
    方法で製造し、焼結体の組成が重量百分率でR(RはY
    含む希土類元素のうち1種または2種以上)が27.0
    〜31.0%、Bが0.5〜2.0%、Nが0.02〜
    0.15%、Oが0.25%以下、Cが0.15%以
    下、残部がFeであることを特徴とする希土類永久磁
    石。
  9. 【請求項9】 Feの一部を、Nb 0.1〜2.0
    %、Al 0.02〜2.0%、Co 0.3〜5.0
    %、Ga 0.01〜0.5%、Cu 0.01〜1.
    0%のうち1種または2種以上で置換することを特徴と
    する請求項8に記載の希土類永久磁石。
  10. 【請求項10】 成形体の個々の重量ばらつきが3%以
    下である請求項4乃至9のいずれかに記載の希土類永久
    磁石。
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