JPH11211451A - 軌道変位計測システム - Google Patents

軌道変位計測システム

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JPH11211451A
JPH11211451A JP1124898A JP1124898A JPH11211451A JP H11211451 A JPH11211451 A JP H11211451A JP 1124898 A JP1124898 A JP 1124898A JP 1124898 A JP1124898 A JP 1124898A JP H11211451 A JPH11211451 A JP H11211451A
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JP
Japan
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sensor
proximity sensor
temperature
steel pipe
uplift
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JP1124898A
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English (en)
Inventor
Kenji Miyaguchi
憲司 宮口
Yoshinobu Kimura
好延 木村
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YUUPASU KK
East Japan Railway Co
Original Assignee
YUUPASU KK
East Japan Railway Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価で性能の良い軌道変位計測システムを提
供する。 【解決手段】 隆起状態に、隆起センサ14は温度ドリ
フトd1を含む(D+d1)の信号を出力する。このと
きに、沈下センサ17は温度ドリフトd2のみを出力す
る。隆起センサ14と沈下センサ17とは互いに同一メ
ーカ、型番であって且つ同傾向の温度ドリフト特性を有
するためd2はほぼd1に近似し且つプラスマイナス符
号は同じである。そこで、隆起センサ14の出力(D+
d1)から沈下センサ17の出力d2を引いて、処理後
の出力電流(D+d1−d2)を得る。この出力電流
(D+d1−d2)を前記表示器21へ送る。 【効果】 遊んでいる方のセンサを利用して計測側のセ
ンサの温度ドリフトを相殺する。この結果、高価で精密
な較正器を使用する必要が無く、較正作業も不要である
から、設備コスト及び運転コストを下げることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は軌道変位計測システ
ムの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明者らの一人が先に考案した、登録
実用新案第3038783号公報「軌道変位計測・警報
発生装置」は、同公報の図2に示す通り、不動点に立て
た左右2本の支柱11,11と、これらの支柱11,1
1間に水平に渡した棒材12と、この棒材12の途中に
取付けたセンサ14,15と、枕木3などの測定対象物
からセンサ14,15まで延ばした検出片17とからな
る。同公報の図1において、検出片17の一部であると
ころのハッチングした部材がセンサ14に近づけば測定
対象物が隆起し、又はハッチングした部材がセンサ15
に近づけば測定対象物が沈下したと判断することができ
る。ただし、上記公報の装置はやや複雑なので、次の簡
略図で構成及び作用を再度説明する。なお、符号は振り
直す。
【0003】図10は上記考案の原理図であり、不動点
101,101に立てた支柱102,102から鋼管1
03,104を延ばし、これらの鋼管103,104に
中間鋼管105を掛け渡し、この中間鋼管105の一端
を鋼管103にピン106,106で固定し、他端を鋼
管104に移動可能に差込み、この様な中間鋼管105
の中央にブラケット107を固着し、このブラケット1
07に隆起センサ108及び沈下センサ109を取付
け、これらのセンサ108,109の中間に、レール側
から延ばした検出片111を置き、この検出片111と
隆起センサ108との距離Dt及び検出片111と沈下
センサ109との距離Dbを、アンプユニット112を
介して計測する。
【0004】隆起センサ108及び沈下センサ109
は、当該作業の開始時点でのレベルを「0」に設定し
(この作業を「初期設定」という。)て、以降の作業期
間中の隆起又は沈下を監視するものである。具体的に
は、隆起センサ108は隆起に応じて隆起量(mm)を
アンプユニット112を介して読取るものであり、沈下
の際には出力は0のままとなる。沈下センサ109は沈
下に応じて沈下量(mm)をアンプ112を介して読取
るものであり、隆起の際には出力は0のままとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図11(a)〜(c)
は隆起センサ、沈下センサ及び鋼管温度の出力グラフで
あり、横軸はある年の8月の6:00〜18:00を目
盛った時間軸である。(a)は隆起センサ出力をmmに
換算したものを示し、隆起センサの出力が正しいとすれ
ば時間とともに約3mmほど隆起が進行し、夕方にかけ
て隆起が収まることになる。(b)は沈下センサ出力を
mmに換算したものを示し、沈下センサの出力が正しい
とすれば時間とともに約3mmほど沈下が進行し、夕方
にかけて沈下が収まることになる。同じレールを検査対
象としながら、両センサの指示が全く異なるという不可
思議な現象が発生した。このままでは、センサの信頼性
が低下し、レールの隆起/沈下を正確に監視することは
できないので、その対策を講じる必要がある。
【0006】(c)は鋼管104(や中間鋼管105)
の表面温度を記録したものであり、夏場であり、直射日
光に晒される鋼管104は大気温よりも顕著に上昇し、
朝は25℃であったものが昼には60℃近くまで上昇し
た。そして、日射が雲で遮られた12:00前後に一時
的に鋼管温度が40℃まで下がると、それに連れて隆起
センサ108及び沈下センサ109の出力が下がってい
ることが分かった。
【0007】本発明者らは、隆起センサ108及び沈下
センサ109が温度の影響を受けていることを突き止
め、次の対策を検討した。なお、温度に依存して出力に
誤差が出ることを温度ドリフトと呼ぶ。 対策a:隆起センサ108の温度ドリフトを実測し、そ
のデータを較正器にインプットし、この較正器に温度情
報を送りつつ較正器を介して隆起センサ108の出力を
取り出すようにする。沈下センサ109も同様である。
しかし、較正器は高価であり、一般にプログラム操作で
較正作業を行うため取扱が難かしく、しかも較正器自体
にも温度ドリフトがでる可能性がある。
【0008】また、鋼管103,104及び中間鋼管1
05の総長さは十数mに達する。温度膨張量は長さ及び
温度に比例する。鋼管104に中間鋼管105を差込む
ことでスライド可能としたが、金属同士の接触であるた
めスライドがある程度拘束されることがある。スライド
が拘束されると鋼管104や中間鋼管105が緩く弓な
りに撓む。この撓みによりセンサ108,109のレベ
ルが僅かであるが変化することがある。この様な温度変
化に基づく鋼管の撓みによる影響を鋼管系ドリフトと呼
ぶことにする。この鋼管系ドリフトにも対策を打つ必要
がある。対策b:例えば、鋼管104に中間鋼管105
を差込んだ箇所に摩擦抵抗の小さな樹脂スリーブを嵌め
る。しかし、構造が複雑となり、設備コストが上がるた
め採用しにくい。
【0009】そこで、本発明の目的は上記対策a,bよ
り簡便で、信頼性の高いセンサ出力を得ることのできる
技術を確立することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1は、軌道側から延ばした検出片と、初期設定
時の検出片のレベルをゼロとし、検出片を上から覗くこ
とで検出片までの距離を計測して、検出片が上昇したと
きに温度ドリフトを含む信号を出力し、非上昇時には温
度ドリフトのみの信号を出力する隆起監視リニア近接セ
ンサと、初期設定時の検出片のレベルをゼロとし、検出
片を下から見上げることで検出片までの距離を計測し
て、検出片が下降したときに前記隆起監視リニア近接セ
ンサと同傾向の温度ドリフトを含む信号を出力し、非下
降時には前記隆起監視リニア近接センサと同傾向の温度
ドリフトのみの信号を発する沈下監視リニア近接センサ
と、前記隆起監視リニア近接センサの出力から沈下監視
リニア近接センサの出力を差し引く減算器と、この減算
器の信号に基づいて軌道変位を表示する軌道変位表示器
と、から軌道変位計測システムを構成するものである。
【0011】隆起監視専用の隆起センサと沈下監視専用
の沈下センサとをペアで使用し、いわゆる遊んでいる方
のセンサを利用して計測側のセンサの温度ドリフトを相
殺することを特徴とする。この結果、高価で精密な較正
器を使用する必要が無く、較正作業も不要であるから、
設備コスト及び運転コストを下げることができる。
【0012】請求項2は、隆起監視リニア近接センサと
沈下監視リニア近接センサとを、平面視で互いに重なら
ぬように配置したことを特徴とする。この種のセンサの
感度調整は、センサの検知領域に検出物が無い状態で実
施する必要がある。両センサが平面視で重なっている
と、検知領域に他方のセンサが存在するため、相互干渉
を防ぐために一方のセンサをいちいち外す必要がある。
この点、両センサを平面視で重ならぬようにしておけ
ば、そのままで感度調整が可能となる。
【0013】請求項3は、十分に離れた2点の不動点に
支柱を立て、これらの支柱に水平に鋼管を掛け渡し、こ
のに前記隆起・沈下監視リニア近接センサを取付け、十
分に長い鋼管が温度変化に伴なって撓むときに生じる影
響を鋼管系ドリフトと呼ぶときに、減算器から出力され
る電流信号を、温度に応じて抵抗値が変化する温度依存
型抵抗器に流し、この抵抗器の電位差を電圧信号として
取出し、この電圧信号に基づいて軌道変位を表示させる
ことで、鋼管系ドリフトを抵抗値の変化で相殺させるよ
うにしたことを特徴とする。
【0014】温度変化に応じて鋼管系ドリフトが発生す
るときに、温度変化に応じて電圧信号を変化させれば、
鋼管系ドリフトを抵抗値の変化で相殺させることができ
る。この結果、鋼管の熱膨張対策をそれほど厳密に講じ
る必要がないため、設備コストを下げることができる。
更に、高価で精密な較正器を使用する必要が無く、安価
な温度依存型抵抗器を付加するだけで済むから、設備コ
ストの増加を抑えることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基
づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見る
ものとする。図1は本発明に係る軌道変位計測システム
の原理図であり、軌道変位計測システム1は、軌道10
又はその付属部から延ばした検出片11と、アンプ13
を含み、初期設定時の検出片のレベルをゼロとし、検出
片を上から覗くことで検出片までの距離を計測して、検
出片11が上昇したときに温度ドリフトを含む信号を出
力し、非上昇時には温度ドリフトのみの信号を出力する
隆起監視リニア近接センサ14(以下「隆起センサ1
4」と略記する。)と、アンプ16を含み、初期設定時
の検出片のレベルをゼロとし、検出片を下から見上げる
ことで検出片までの距離を計測して、検出片が下降した
ときに前記隆起センサ14と同傾向の温度ドリフトを含
む信号を出力し、非下降時には前記隆起センサ14と同
傾向の温度ドリフトのみの信号を発する沈下監視リニア
近接センサ17(以下「沈下センサ17」と略記す
る。)と、前記隆起センサ14の出力から沈下センサ1
7の出力を差し引く減算器19と、この減算器19の信
号に基づいて軌道変位を表示する軌道変位表示器21
(以下「表示部21」と略記する。)と、からなる。
【0016】軌道変位計測システム1の構成要素を更に
詳しく説明する。隆起センサ14は、オムロン株式会社
製E2CA−X10Aリニア近接センサが好適であり、
このセンサ14は専用のアンプ13とペアで使用する。
E2CA−X10Aリニア近接センサは、2〜10mm
の範囲の距離を検出する近距離型簡易距離計であり、高
周波発振形センサである。
【0017】高周波発振形センサは、動作距離内に検出
物が無いときには、一定の高周波発振を続け、動作距離
内に検出物が入ると、検出物内部に渦電流が発生し、こ
の反起磁力のため発振回路のエネルギー損失が増加す
る。この変化をリニアライザを通じて取り出すものであ
る。なお、上記変化をオンオフ信号として利用するのが
近接スイッチであり、リニア信号として利用するのが近
接センサであり、スイッチとセンサは異なる。
【0018】図2は本発明で使用した隆起監視リニア近
接センサの出力図であり、横軸は距離、縦軸は出力電流
(mA)を示す。上記E2CA−X10Aリニア近接セ
ンサに専用のアンプを組合わせたときに、アンプは、検
査距離が2mmであれば4mAを出力し、検査距離が1
0mmであれば20mAを出力し、この間は距離に出力
を一次関数比例させる。
【0019】図3(a)〜(e)は本発明に係る軌道変
位計測システムの基本原理図である。(a)において、
隆起センサ14から検出片11までを「距離」とすれ
ば、残りの0(ゼロ)点から検出片11までが「隆起」
となることを示す。(b)は横軸が距離で左縦軸が出力
電流である特性図であるが、距離10mm(20mA)
のときに隆起を0mmとすれば、以下、距離が6mm
(12mA)であれば残りの隆起は4mmとなり、「隆
起」は右縦軸に示す通りとなる。そして、アンプ13か
らの4〜20mA出力信号に応じて、(e)の表示器で
0〜+8mmの隆起を表示させる。
【0020】(c)において、沈下センサ17から検出
片11までを「距離」とすれば、残る0点から検出片1
1までが「沈下」となることを示す。(d)は横軸が距
離で左縦軸が出力電流である特性図であるが、距離10
mm(20mA)のときに隆起を0mmとすれば、以
下、距離が6mmであれば残りの隆起は4mmとなり、
「隆起」は右縦軸に示す通りとなる。そして、アンプ1
6からの4〜20mA出力信号に応じて、(e)の表示
器で−8〜0mmの沈下を表示させる。
【0021】ところで、上記型番のセンサ及びアンプ
は、周囲温度の影響がリニア出力電流値の±10%FS
(フルスケール)を見込まなければならない。すなわ
ち、かなり大きな温度ドリフトがあるセンサ及びアンプ
である。沈下センサ17及びアンプ16も、同じメー
カ、型番、型式ものである。
【0022】そこで、本発明者らは温度ドリフトを簡便
に除去することのできるシステムを開発したものであ
り、その原理を次に述べる。図4は本発明に係る温度ド
リフトの相殺図であり、今、隆起状態にあるとすると、
隆起センサ14は温度ドリフトd1を含む(D+d1)
の信号を出力する。このときに、沈下センサ17は温度
ドリフトd2のみを出力する。隆起センサ14と沈下セ
ンサ17とは互いに同一メーカ、型番であって且つ同傾
向の温度ドリフト特性を有するためd2はほぼd1に近
似し且つプラスマイナス符号は同じである。
【0023】そこで、隆起センサ14の出力(D+d
1)から沈下センサ17の出力d2を引いて、処理後の
出力電流(D+d1−d2)を得る。この出力電流(D
+d1−d2)を前記表示器21へ送る。これが発明の
特徴である。
【0024】図5(a),(b)は本発明に係る(d1
−d2)の実測例を示すグラフである。(a)は縦軸が
(d1−d2)mm、横軸が時間であり、(b)は鋼管
温度(℃)を示す。(a)に示す通り、12:00〜1
5:00に掛けて(d1−d2)は増加したがそれでも
概ね1.0mmに納っている。従って、図3(e)の表
示は、初期設定におけるゼロ点調整後に温度変化に伴な
って1.0mm程度は狂うが、この値は従来のものに比
較して小さく、十分に使用に耐えるものである。
【0025】すなわち、本発明は、隆起監視専用の隆起
センサ14と沈下監視専用の沈下センサ17とをペアで
使用し、いわゆる遊んでいる方のセンサを利用して計測
側のセンサの温度ドリフトを相殺することを特徴とす
る。この結果、高価で精密な較正器を使用する必要が無
く、較正作業も不要であるから、設備コスト及び運転コ
ストを下げることができる。
【0026】図6は図1の別実施例図であり、図1と同
じ要素は符号を流用する。すなわち、アンプ16の出力
を、プラス/マイナスを逆にする符号反転器23で処理
し、その後、加算器25でアンプ13の出力に加算する
ものである。符号反転器23加算器25を組合わせる
か、1個の減算器19で済ませるかは、任意である。
【0027】図7(a),(b)は本発明の好ましい隆
起センサ及び沈下センサの配置例を示す図である。
(a)は平面図であり、鋼管31にブラケット32を取
付け、このブラケット32の上フランジ33に隆起セン
サ14、下フランジ34に沈下センサ15を取付けたも
のであるが、隆起センサ14と沈下センサ17は平面視
で重ならぬようにオフセットさせたことを特徴とする。
(b)は正面図であり、隆起センサ14及び沈下センサ
17は想像線で示した検出片11をモニターするが、初
期の感度調整の際には検出片11を除くだけで調整可能
となる。すなわち、隆起センサ14の下方には何もない
ので、検知領域に検出物が無い状態となり、感度調整が
実施できる。沈下センサ17の上方には何もないので、
検知領域に検出物が無い状態となり、感度調整が実施で
きる。ブラケット32にセンサ14,17を取付けたま
まで調整ができるので初期調整が容易となる。
【0028】図8は本発明に係る鋼管系ドリフト相殺の
原理図であり、図1で説明した減算器19の出力系に温
度依存型抵抗器40を付加したことを特徴とする。詳し
くは、温度依存型抵抗器40は、非誘導型銅線抵抗41
と通常の可変抵抗42とをシリーズに結合したものであ
る。非誘導型銅線抵抗41は銅線で構成したものであ
り、銅は0.4%/℃の割合で抵抗値が変化する。
【0029】そこで、例えば隆起状態であって、減算器
19の出力が12mA、10℃での抵抗器40の抵抗値
が50Ωであれば、抵抗器40の端子電位差は、600
mV(←12mA×50Ω)となり、この電圧に応じて
表示器21は4mm隆起を示すとする。図9は隆起と出
力電流と出力電圧の関係を示すグラフであり、電流に抵
抗値50Ωを掛けて得た電圧mVを左縦軸に示したもの
である。
【0030】次に、鋼管温度が60℃になり、50℃
(←60℃−10℃)の温度上昇のため鋼管が1mm程
下方に撓んだとする。これで隆起センサ14は検出片1
1に1mm近づいたことになる。この結果、見かけの隆
起量は5mm(←4mm+1mm)となり図9から減算
器19の出力が10mAとなる。60℃(50℃上昇)
での抵抗器40の抵抗値は60Ω(←50Ω+50Ω×
50℃×0.4%/100)になり、抵抗器40の端子
電位差は、600mV(←10mA×60Ω)となり、
結果的に表示器21は4mm隆起を示す。
【0031】説明がやや分かりにくいが、上記補正(鋼
管系ドリフト相殺)を施さなければ、本来4mm隆起で
あったものが鋼管系ドリフトによって5mmを表示する
ことになる。これを補正により4mmを表示させること
が可能となった。なお、上記計算例は単なるモデルであ
り、実際の鋼管の撓みの量、方向は一様ではない。そこ
で、本発明の軌道変位計測システムを使用するに際し、
1日〜数日かけて初期調整を実施し、その際に図8の可
変抵抗42で抵抗器40を調整すれば、より現実的な鋼
管系ドリフト相殺が実施できる。
【0032】本発明では、図1に示した構成で温度ドリ
フト対策を講じたことで良好な成果が得られるが、図8
の構成で温度ドリフトと鋼管系ドリフトの双方の対策を
講じたことにより、より好ましい成果を得ることに成功
した。
【0033】尚、本発明で使用するリニア近接センサ
は、高周波発振形センサが好適であるが、差動コイルを
移動させる形式の近接センサ、又は静電容量形近接セン
サも適用可能である。ただし、隆起センサと沈下センサ
とをペアで使うため、これら2個のセンサは同じ傾向の
温度ドリフト特性を有するものである必要がある。実用
上では、同一メーカの同一型番の2個を採用し、且つ受
入れ時にドリフトの傾向を調べることが望ましい。この
配慮をすれば、厳密な較正や検査を行うこと無く、手軽
にリニア近接センサを選択し、採用することができる。
【0034】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1は、隆起監視専用の隆起センサと沈下監
視専用の沈下センサとをペアで使用し、いわゆる遊んで
いる方のセンサを利用して計測側のセンサの温度ドリフ
トを相殺することを特徴とする。この結果、高価で精密
な較正器を使用する必要が無く、較正作業も不要である
から、設備コスト及び運転コストを下げることができ
る。
【0035】請求項2は、隆起監視リニア近接センサと
沈下監視リニア近接センサとを、平面視で互いに重なら
ぬように配置したことを特徴とする。この種のセンサの
感度調整は、センサの検知領域に検出物が無い状態で実
施する必要がある。両センサが平面視で重なっている
と、検知領域に他方のセンサが存在するため、相互干渉
を防ぐために一方のセンサをいちいち外す必要がある。
この点、両センサを平面視で重ならぬようにしておけ
ば、そのままで感度調整が可能となる。
【0036】請求項3によれば、温度変化に応じて鋼管
系ドリフトが発生するときに、温度変化に応じて電圧信
号を変化させれば、鋼管系ドリフトを抵抗値の変化で相
殺させることができる。この結果、鋼管の熱膨張対策を
それほど厳密に講じる必要がないため、設備コストを下
げることができる。更に、高価で精密な較正器を使用す
る必要が無く、安価な温度依存型抵抗器を付加するだけ
で済むから、設備コストの増加を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る軌道変位計測システムの原理図
【図2】本発明で使用した隆起監視リニア近接センサの
出力図
【図3】本発明に係る軌道変位計測システムの基本原理
【図4】本発明に係る温度ドリフトの相殺図
【図5】本発明に係る(d1−d2)の実測例を示すグ
ラフ
【図6】図1の別実施例図
【図7】本発明の好ましい隆起センサ及び沈下センサの
配置例を示す図
【図8】本発明に係る鋼管系ドリフト相殺の原理図
【図9】隆起と出力電流と出力電圧の関係を示すグラフ
【図10】従来の考案の原理図
【図11】従来の隆起センサ、沈下センサ及び鋼管温度
の出力グラフ
【符号の説明】
1…軌道変位計測システム、10…軌道、11…検出
片、13,16…アンプ、14…隆起監視リニア近接セ
ンサ(隆起センサ)、17…沈下監視リニア近接センサ
(沈下センサ)、19…減算器、21…軌道変位表示器
(表示部)、25…加算器、31,103,104,1
05…鋼管、40…温度依存型抵抗器、41…非誘導型
銅線抵抗、42…通常の可変抵抗、d1,d2…温度ド
リフト、101…不動点、102…支柱。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軌道側から延ばした検出片と、 初期設定時の検出片のレベルをゼロとし、検出片を上か
    ら覗くことで検出片までの距離を計測して、検出片が上
    昇したときに温度ドリフトを含む信号を出力し、非上昇
    時には温度ドリフトのみの信号を出力する隆起監視リニ
    ア近接センサと、 初期設定時の検出片のレベルをゼロとし、検出片を下か
    ら見上げることで検出片までの距離を計測して、検出片
    が下降したときに前記隆起監視リニア近接センサと同傾
    向の温度ドリフトを含む信号を出力し、非下降時には前
    記隆起監視リニア近接センサと同傾向の温度ドリフトの
    みの信号を発する沈下監視リニア近接センサと、 前記隆起監視リニア近接センサの出力から沈下監視リニ
    ア近接センサの出力を差し引く減算器と、 この減算器の信号に基づいて軌道変位を表示する軌道変
    位表示器と、からなることを特徴とした軌道変位計測シ
    ステム。
  2. 【請求項2】 前記隆起監視リニア近接センサと沈下監
    視リニア近接センサとは、平面視で互いに重ならぬよう
    に配置したことを特徴とする請求項1記載の軌道変位計
    測システム。
  3. 【請求項3】 十分に離れた2点の不動点に支柱を立
    て、これらの支柱に水平に鋼管を掛け渡し、この鋼管に
    前記隆起・沈下監視リニア近接センサを取付け、十分に
    長い前記鋼管が温度変化に伴なって撓むときに生じる影
    響を鋼管系ドリフトと呼ぶときに、前記減算器から出力
    される電流信号を、温度に応じて抵抗値が変化する温度
    依存型抵抗器に流し、この抵抗器の電位差を電圧信号と
    して取出し、この電圧信号に基づいて軌道変位を表示さ
    せることで、鋼管系ドリフトを抵抗値の変化で相殺させ
    るようにしたことを特徴とする請求項1記載の軌道変位
    計測システム。
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