JPH11210754A - すべり軸受用オーバレイおよびすべり軸受 - Google Patents
すべり軸受用オーバレイおよびすべり軸受Info
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Landscapes
- Sliding-Contact Bearings (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 従来のPb−Sn−Cu3元系オーバレイ合
金層よりもさらに優れた耐摩耗性を有するオーバレイ合
金層を表面に形成したすべり軸受を提供する。 【解決手段】 裏金に設けた軸受合金層に、直接、また
は中間めっき層を介して、重量%で、Cu:3〜10
%、Sn:8〜15%、In:4〜15%、残余が実質
的にPbよりなる第一層のオーバレイ合金層を形成する
と共にこの第一層のオーバレイ合金層の上に実質的にS
nからなる第二層のめっき層を第一層のオーバレイ合金
層厚さに対し2.5〜10%の厚さで形成した軸受用オ
ーバレイを設けたすべり軸受。
金層よりもさらに優れた耐摩耗性を有するオーバレイ合
金層を表面に形成したすべり軸受を提供する。 【解決手段】 裏金に設けた軸受合金層に、直接、また
は中間めっき層を介して、重量%で、Cu:3〜10
%、Sn:8〜15%、In:4〜15%、残余が実質
的にPbよりなる第一層のオーバレイ合金層を形成する
と共にこの第一層のオーバレイ合金層の上に実質的にS
nからなる第二層のめっき層を第一層のオーバレイ合金
層厚さに対し2.5〜10%の厚さで形成した軸受用オ
ーバレイを設けたすべり軸受。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐摩耗性に優れた
すべり軸受用オーバレイおよびすべり軸受に係わり、特
に、高面圧化,高周速化,高温度化,油膜厚さ減少等の
より苛酷な条件下で使用しても十分に良好な軸受性能を
発揮する例えば平軸受などとして用いるのに好適な耐摩
耗性に優れたすべり軸受用オーバレイおよびすべり軸受
に係わるものである。
すべり軸受用オーバレイおよびすべり軸受に係わり、特
に、高面圧化,高周速化,高温度化,油膜厚さ減少等の
より苛酷な条件下で使用しても十分に良好な軸受性能を
発揮する例えば平軸受などとして用いるのに好適な耐摩
耗性に優れたすべり軸受用オーバレイおよびすべり軸受
に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、自動車、車輌その他の駆動・
走行用エンジンには、高荷重用として平軸受などの軸受
が使用されている。
走行用エンジンには、高荷重用として平軸受などの軸受
が使用されている。
【0003】このような高荷重用軸受は、例えば、半割
状若しくは円筒状に形成された鋼板を裏金とし、この鋼
板裏金の上に銅系の合金などから成る軸受合金層を形成
することにより複層化して構成されたものであることが
多い。
状若しくは円筒状に形成された鋼板を裏金とし、この鋼
板裏金の上に銅系の合金などから成る軸受合金層を形成
することにより複層化して構成されたものであることが
多い。
【0004】そして、このような高荷重用軸受は、軸受
合金層が銅系の合金からなるものとしていて、耐荷重性
に優れたものである。
合金層が銅系の合金からなるものとしていて、耐荷重性
に優れたものである。
【0005】しかし、最近は、自動車、車輌などの走行
や駆動に要求される条件はきわめて苛酷になり、その条
件に適合するには、耐荷重性のほかに、軸受として必要
な種々の特性、例えば、耐焼付性、異物の埋収性、なじ
み性等が要求されている。
や駆動に要求される条件はきわめて苛酷になり、その条
件に適合するには、耐荷重性のほかに、軸受として必要
な種々の特性、例えば、耐焼付性、異物の埋収性、なじ
み性等が要求されている。
【0006】これらの要請に適合するように、鋼板裏金
上の軸受合金層を強化するほかに、なじみ性や異物の埋
収性を備えた金属や合金を軸受合金層の上にオーバレイ
合金層としてめっき等により形成することも行われてい
る。
上の軸受合金層を強化するほかに、なじみ性や異物の埋
収性を備えた金属や合金を軸受合金層の上にオーバレイ
合金層としてめっき等により形成することも行われてい
る。
【0007】その構造は、裏金の上に、鉛や所望に応じ
て錫などを含みかつ主成分が銅よりなる銅−鉛合金の軸
受合金層を焼結または鋳造によって形成し、この軸受合
金層の上に、めっきが施されてオーバレイ合金層が形成
されたものとなっている。
て錫などを含みかつ主成分が銅よりなる銅−鉛合金の軸
受合金層を焼結または鋳造によって形成し、この軸受合
金層の上に、めっきが施されてオーバレイ合金層が形成
されたものとなっている。
【0008】そして、通常の場合、オーバレイ合金層と
軸受合金層との間には、中間層として約1〜2μm厚さ
のニッケルめっき層が設けられている。
軸受合金層との間には、中間層として約1〜2μm厚さ
のニッケルめっき層が設けられている。
【0009】通常、オーバレイ合金層は、優れた軸受特
性を与える鉛ならびに錫を含む鉛−錫合金のめっき層と
して構成され、Pb−Sn系、Pb−Sn−Cu系、P
b−Sn−In系等のものが知られ、特に、米国特許第
2,605,149号明細書によって開示された鉛85
〜90%、錫8〜12%、銅2〜3%のPb−Sn−C
u系オーバレイ合金層が最も多く使用されている。
性を与える鉛ならびに錫を含む鉛−錫合金のめっき層と
して構成され、Pb−Sn系、Pb−Sn−Cu系、P
b−Sn−In系等のものが知られ、特に、米国特許第
2,605,149号明細書によって開示された鉛85
〜90%、錫8〜12%、銅2〜3%のPb−Sn−C
u系オーバレイ合金層が最も多く使用されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近のエン
ジンでは、高性能化、高出力化により、これに適用され
る平軸受は、高面圧化、高温度化、油膜厚さの減少な
ど、より苛酷な条件を強いられるようになってきた。
ジンでは、高性能化、高出力化により、これに適用され
る平軸受は、高面圧化、高温度化、油膜厚さの減少な
ど、より苛酷な条件を強いられるようになってきた。
【0011】これに対して従来のオーバレイ合金層で
は、軸受面圧の増加に伴ない、オーバレイ合金層のクラ
ック発生、摩耗消滅からの焼付発生などが心配されるこ
とから、より一層耐摩耗性の優れたオーバレイ合金層を
そなえた平軸受等の軸受の開発が求められているという
課題があった。
は、軸受面圧の増加に伴ない、オーバレイ合金層のクラ
ック発生、摩耗消滅からの焼付発生などが心配されるこ
とから、より一層耐摩耗性の優れたオーバレイ合金層を
そなえた平軸受等の軸受の開発が求められているという
課題があった。
【0012】
【発明の目的】本発明は、上記した従来の課題にかんが
みてなされたものであって、従来のPb−Sn−Cu系
オーバーレイ合金層よりもさらに優れた耐摩耗性を有す
るオーバレイ合金層をそなえた平軸受などの軸受を提供
することを目的としている。
みてなされたものであって、従来のPb−Sn−Cu系
オーバーレイ合金層よりもさらに優れた耐摩耗性を有す
るオーバレイ合金層をそなえた平軸受などの軸受を提供
することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる耐摩耗性
に優れた平軸受等のすべり軸受に使用されるすべり軸受
用オーバレイは、請求項1に記載しているように、重量
%で、Cu:3〜10%、場合によってはCu:5超過
〜10%、Sn:8〜15%、In:4〜15%、残余
が実質的にPbよりなる第一層のオーバレイ合金層で形
成されていると共に、この第一層のオーバレイ合金層の
上に実質的にSnからなる第二層のめっき層が第一層の
オーバレイ合金層厚さに対し2.5〜10%の厚さで形
成されているものとしたことを特徴としている。
に優れた平軸受等のすべり軸受に使用されるすべり軸受
用オーバレイは、請求項1に記載しているように、重量
%で、Cu:3〜10%、場合によってはCu:5超過
〜10%、Sn:8〜15%、In:4〜15%、残余
が実質的にPbよりなる第一層のオーバレイ合金層で形
成されていると共に、この第一層のオーバレイ合金層の
上に実質的にSnからなる第二層のめっき層が第一層の
オーバレイ合金層厚さに対し2.5〜10%の厚さで形
成されているものとしたことを特徴としている。
【0014】また、本発明に係わる耐摩耗性に優れたす
べり軸受は、請求項2に記載しているように、裏金に設
けた軸受合金層に、直接、請求項1に記載のオーバレイ
合金層が形成されているものとしたことを特徴としてい
る。
べり軸受は、請求項2に記載しているように、裏金に設
けた軸受合金層に、直接、請求項1に記載のオーバレイ
合金層が形成されているものとしたことを特徴としてい
る。
【0015】同じく、本発明に係わる耐摩耗性に優れた
すべり軸受は、請求項3に記載しているように、裏金に
設けた軸受合金層に、中間めっき層を介して、請求項1
に記載のオーバレイ合金層が形成されているものとした
ことを特徴としている。
すべり軸受は、請求項3に記載しているように、裏金に
設けた軸受合金層に、中間めっき層を介して、請求項1
に記載のオーバレイ合金層が形成されているものとした
ことを特徴としている。
【0016】そして、本発明に係わる耐摩耗性に優れた
すべり軸受の実施態様においては、請求項4に記載して
いるように、中間めっき層が、Ni,Ni合金,Cu,
Cu合金,Ag,Ag合金のうち少なくともいづれかの
金属で形成されているものとすることができる。
すべり軸受の実施態様においては、請求項4に記載して
いるように、中間めっき層が、Ni,Ni合金,Cu,
Cu合金,Ag,Ag合金のうち少なくともいづれかの
金属で形成されているものとすることができる。
【0017】
【発明の作用】本発明による耐摩耗性に優れた平軸受等
のすべり軸受用オーバレイおよびすべり軸受は、上述し
た構成を有するものであり、軸受面の高面圧化に対応す
るべくオーバレイ合金層の耐摩耗性をさらに向上させる
ようにしたものであって、上記の構成とした理由につい
て各合金元素の作用と共に次に説明する。
のすべり軸受用オーバレイおよびすべり軸受は、上述し
た構成を有するものであり、軸受面の高面圧化に対応す
るべくオーバレイ合金層の耐摩耗性をさらに向上させる
ようにしたものであって、上記の構成とした理由につい
て各合金元素の作用と共に次に説明する。
【0018】本発明のすべり軸受用オーバレイおよびす
べり軸受においてオーバレイ合金層の組成上における最
も大きな特徴は、Cuを多量に含有しているところにあ
る。このCuは、Pb−Snオーバレイ合金層の耐摩耗
性および疲労強度を高めるのに最も効果的な成分であ
る。
べり軸受においてオーバレイ合金層の組成上における最
も大きな特徴は、Cuを多量に含有しているところにあ
る。このCuは、Pb−Snオーバレイ合金層の耐摩耗
性および疲労強度を高めるのに最も効果的な成分であ
る。
【0019】そして、このようにCuを多量に加えるこ
とにより、オーバレイ合金層の耐摩耗性,疲労強度は急
激に増大する。この場合、Cu含有量を3%以上(場合
によっては5%超過)としたことによるCuの効果は、
めっき皮膜を微細化し、著しく耐摩耗性を向上させるほ
か、Sn,Inを捕捉して表層のSn,Inの拡散消失
を抑制する効果も発揮する。
とにより、オーバレイ合金層の耐摩耗性,疲労強度は急
激に増大する。この場合、Cu含有量を3%以上(場合
によっては5%超過)としたことによるCuの効果は、
めっき皮膜を微細化し、著しく耐摩耗性を向上させるほ
か、Sn,Inを捕捉して表層のSn,Inの拡散消失
を抑制する効果も発揮する。
【0020】ただし、上記のごとくCuを多く含有する
と、Pb−Sn−Cuの3元系では、なじみ性および疲
労特性が低下するので、Inを添加した4元系の成分と
することによって、バランスのとれたオーバレイ合金層
の組成としている。そして、Cu含有量が10%を超え
るともろくなり、オーバレイ特性としてのバランスがと
れがたくなるので、10%以下とした。
と、Pb−Sn−Cuの3元系では、なじみ性および疲
労特性が低下するので、Inを添加した4元系の成分と
することによって、バランスのとれたオーバレイ合金層
の組成としている。そして、Cu含有量が10%を超え
るともろくなり、オーバレイ特性としてのバランスがと
れがたくなるので、10%以下とした。
【0021】Snの効果は耐食性に関連しており、Sn
含有量が8%未満では耐食性が急激に低下する。一方、
Sn含有量が15%超過であるとCuSnの金属間化合
物を多く生成して脆くなる。従って、Sn含有量は8〜
15%、好ましくは8〜10%である。
含有量が8%未満では耐食性が急激に低下する。一方、
Sn含有量が15%超過であるとCuSnの金属間化合
物を多く生成して脆くなる。従って、Sn含有量は8〜
15%、好ましくは8〜10%である。
【0022】また、最表面に第二層としてのSnめっき
を施すことは、耐食性に非常に有効であり、実際の使用
では下地にSn,Inが拡散するが、InよりもSnの
拡散速度が速いため、表層のSnがなくなりやすく、表
層からSnを補給すると耐食性,耐摩耗性,耐焼付性の
向上に効果がある。
を施すことは、耐食性に非常に有効であり、実際の使用
では下地にSn,Inが拡散するが、InよりもSnの
拡散速度が速いため、表層のSnがなくなりやすく、表
層からSnを補給すると耐食性,耐摩耗性,耐焼付性の
向上に効果がある。
【0023】しかし、Snめっきの厚さが第一層オーバ
レイめっき厚さに対して10%を超えると初期摩耗が大
となり、また、耐焼付性も低下するので、この第二層S
nめっきの厚さは、第一層オーバレイめっき厚さの2.
5〜10%が好適である。
レイめっき厚さに対して10%を超えると初期摩耗が大
となり、また、耐焼付性も低下するので、この第二層S
nめっきの厚さは、第一層オーバレイめっき厚さの2.
5〜10%が好適である。
【0024】In添加量は4〜15%であり、このIn
添加量が4%未満であると耐食性が著しく低下し、耐焼
付性も劣化する。そして、InとSnの共存が耐食性に
大きく寄与するが、In添加量が15%を超えると柔ら
かくなり、耐摩耗性が低下する。そして、より好ましい
In添加量は9〜11%である。
添加量が4%未満であると耐食性が著しく低下し、耐焼
付性も劣化する。そして、InとSnの共存が耐食性に
大きく寄与するが、In添加量が15%を超えると柔ら
かくなり、耐摩耗性が低下する。そして、より好ましい
In添加量は9〜11%である。
【0025】Inは銅を多く含有するPb−Cu−Sn
合金に添加することにより、耐食性を大幅に向上させる
ほかに、優れたなじみ性を発揮し、耐焼付性等の特性を
高める。
合金に添加することにより、耐食性を大幅に向上させる
ほかに、優れたなじみ性を発揮し、耐焼付性等の特性を
高める。
【0026】このように、Cuを多く含有したPb−C
u−Sn−Inの組合せとすることにより、耐摩耗性を
大幅に向上させることが可能となり、Cuを多く含有さ
せたことによる耐食性,耐焼付性の劣化はInを添加し
たPb−Cu−Sn−In4元系の組合せとすることに
より解消される。
u−Sn−Inの組合せとすることにより、耐摩耗性を
大幅に向上させることが可能となり、Cuを多く含有さ
せたことによる耐食性,耐焼付性の劣化はInを添加し
たPb−Cu−Sn−In4元系の組合せとすることに
より解消される。
【0027】従って、なじみ性,耐焼付性等の諸性質も
良好で且つまた、耐摩耗性の向上したオーバレイ合金層
が形成でき、耐摩耗性に優れそしてまたなじみ性,耐焼
付性に優れた平軸受等のすべり軸受とすることが可能と
なる。
良好で且つまた、耐摩耗性の向上したオーバレイ合金層
が形成でき、耐摩耗性に優れそしてまたなじみ性,耐焼
付性に優れた平軸受等のすべり軸受とすることが可能と
なる。
【0028】本発明に係る耐摩耗性に優れたすべり軸受
用オーバレイは、上述した理由により、重量%で、C
u:3〜10%、場合によってはCu:5超過〜10
%、Sn:8〜15%、In:4〜15%、残余が実質
的にPbよりなる第一層のオーバレイ合金層で形成され
ていると共に、この第一層のオーバレイ合金層の上に実
質的にSnからなる第二層のめっき層が第一層のオーバ
レイ合金層厚さに対し2.5〜10%の厚さで形成され
ているものとしており、これを用いたすべり軸受におい
ては、裏金に設けた軸受合金層に、直接、あるいは中間
めっき層を介して、上記成分組成のオーバレイ合金層を
形成しているものとしている。
用オーバレイは、上述した理由により、重量%で、C
u:3〜10%、場合によってはCu:5超過〜10
%、Sn:8〜15%、In:4〜15%、残余が実質
的にPbよりなる第一層のオーバレイ合金層で形成され
ていると共に、この第一層のオーバレイ合金層の上に実
質的にSnからなる第二層のめっき層が第一層のオーバ
レイ合金層厚さに対し2.5〜10%の厚さで形成され
ているものとしており、これを用いたすべり軸受におい
ては、裏金に設けた軸受合金層に、直接、あるいは中間
めっき層を介して、上記成分組成のオーバレイ合金層を
形成しているものとしている。
【0029】そして、後記する実施例では鋼裏金付鉛青
銅合金(軸受合金層)上に1〜2μm厚さのニッケルめ
っき中間層を形成し、その上に本発明に係わるオーバレ
イ合金層を形成する最もポピュラーな構成としている
が、本発明では、このようなニッケルめっき中間層は必
須ではなく、中間層を形成する場合であっても中間層の
材質をニッケルに限定するものでもない。
銅合金(軸受合金層)上に1〜2μm厚さのニッケルめ
っき中間層を形成し、その上に本発明に係わるオーバレ
イ合金層を形成する最もポピュラーな構成としている
が、本発明では、このようなニッケルめっき中間層は必
須ではなく、中間層を形成する場合であっても中間層の
材質をニッケルに限定するものでもない。
【0030】ニッケルめっき層は、下地合金(軸受合金
層)が鉛を含む銅基合金の場合に、従来のPb−Sn−
Cu系オーバレイ合金層中のSnが軸受使用中に下地合
金中の主にPb相に拡散して、Pb−Sn−Cu系オー
バレイ合金層中のSnが減少することで、耐食性が劣化
するのを防止する役目をはたす中間層である。
層)が鉛を含む銅基合金の場合に、従来のPb−Sn−
Cu系オーバレイ合金層中のSnが軸受使用中に下地合
金中の主にPb相に拡散して、Pb−Sn−Cu系オー
バレイ合金層中のSnが減少することで、耐食性が劣化
するのを防止する役目をはたす中間層である。
【0031】従って、最表面のオーバレイ合金層の耐食
性に不安がないSnめっきを施したIn含有の本発明品
では、下地層とオーバレイ合金層との間に拡散防止用の
めっき中間層を介在させる必要性は大きくなく、めっき
による中間層なし、つまり、下地である軸受合金層上に
直接本発明に係わるオーバレイ合金層を設ける構造であ
っても、性能上支障はない。
性に不安がないSnめっきを施したIn含有の本発明品
では、下地層とオーバレイ合金層との間に拡散防止用の
めっき中間層を介在させる必要性は大きくなく、めっき
による中間層なし、つまり、下地である軸受合金層上に
直接本発明に係わるオーバレイ合金層を設ける構造であ
っても、性能上支障はない。
【0032】そして、中間層がない場合は、Sn,In
が下地合金層に拡散するものの、Inを伴なう4元系で
あるので耐食性はそれ程劣化しない。また、下地のPb
相に耐食性のあるSn,Inが拡散することで、万一、
オーバレイ合金層が部分的になくなり、下地合金層が露
出した場合でも、下地合金層の耐食性は元のままよりも
向上しており、長寿命の耐久性が得られる。
が下地合金層に拡散するものの、Inを伴なう4元系で
あるので耐食性はそれ程劣化しない。また、下地のPb
相に耐食性のあるSn,Inが拡散することで、万一、
オーバレイ合金層が部分的になくなり、下地合金層が露
出した場合でも、下地合金層の耐食性は元のままよりも
向上しており、長寿命の耐久性が得られる。
【0033】めっき中間層を介在させる場合の材質とし
ては、銅基下地合金と鉛基オーバレイ合金層との密着性
を少なくとも阻害せず、オーバレイ合金層中の成分が下
地合金中に拡散移動するのを防止できる機能を持つ必要
がある。これらの機能を果たす材質としては、Ni,N
i合金,Cu,Cu合金,Ag,Ag合金をあげること
ができ、いずれも使用可能であるが、最も有効なのがN
iである。
ては、銅基下地合金と鉛基オーバレイ合金層との密着性
を少なくとも阻害せず、オーバレイ合金層中の成分が下
地合金中に拡散移動するのを防止できる機能を持つ必要
がある。これらの機能を果たす材質としては、Ni,N
i合金,Cu,Cu合金,Ag,Ag合金をあげること
ができ、いずれも使用可能であるが、最も有効なのがN
iである。
【0034】また、下地合金がAl合金である場合、前
述のような下地のPb相への拡散は耐食性を劣化させる
レベルでは起こらないので、めっき中間層の役割は下地
合金と鉛基オーバレイ合金層との密着性向上が主なもの
となる。
述のような下地のPb相への拡散は耐食性を劣化させる
レベルでは起こらないので、めっき中間層の役割は下地
合金と鉛基オーバレイ合金層との密着性向上が主なもの
となる。
【0035】そして、このような構造とすることで、一
般的には、オーバレイ合金層よりもなじみ性や異物埋収
性等の表面性能が劣るアルミニウム合金系軸受の表面性
能を一段と向上させることができる。
般的には、オーバレイ合金層よりもなじみ性や異物埋収
性等の表面性能が劣るアルミニウム合金系軸受の表面性
能を一段と向上させることができる。
【0036】そして、裏金としては、鋼やその他適宜の
ものが使用される。
ものが使用される。
【0037】
【実施例】次に、本発明の実施例について比較例と共に
説明する。
説明する。
【0038】(実施例1〜7,比較例1〜6)スチール
裏金上にCu−17wt%Pb−6wt%Snの成分か
らなるケルメット合金を焼結させ、その上に1〜2μm
の厚さでニッケルめっきを施して中間層を形成し、この
ニッケルめっきよりなる中間層上に表1に示す浴組成の
めっき浴とめっき条件によってPb−Cu−Sn系合金
の電気めっきを施した。
裏金上にCu−17wt%Pb−6wt%Snの成分か
らなるケルメット合金を焼結させ、その上に1〜2μm
の厚さでニッケルめっきを施して中間層を形成し、この
ニッケルめっきよりなる中間層上に表1に示す浴組成の
めっき浴とめっき条件によってPb−Cu−Sn系合金
の電気めっきを施した。
【0039】
【表1】
【0040】次に、Inめっきを電気めっきにより施し
たのち、温度150℃で熱処理した。この段階でのオー
バレイ合金層の厚さは20μmであった。
たのち、温度150℃で熱処理した。この段階でのオー
バレイ合金層の厚さは20μmであった。
【0041】さらに、Snめっきを電気めっきにより施
した。この場合のSnめっきの厚さは、0.5〜2.0
μmである。
した。この場合のSnめっきの厚さは、0.5〜2.0
μmである。
【0042】これらの実施例でのめっき表面は、なめら
かで緻密なものが得られ、また、組織もオーバレイ合金
層中で元素偏析は見られず均一なものであった。
かで緻密なものが得られ、また、組織もオーバレイ合金
層中で元素偏析は見られず均一なものであった。
【0043】表2に、本発明の実施例1〜7および比較
のために本実施例3のSnめっきを施さないものである
比較例1、Snめっきを厚さ比で15%と厚くつけたも
のである比較例2、本実施例のCu含有量を2%に減ら
したものである比較例3、Cu含有量を多くし15%に
した比較例4、In,Sn添加量を減らし各々3%,5
%にした比較例5、In,Sn添加量を増加して両成分
共17%とした比較例6について、オーバレイ合金層の
組成、Snめっき厚さ、Snめっき厚さの比およびオー
バレイ合金層の表面硬さを比較して表わした。
のために本実施例3のSnめっきを施さないものである
比較例1、Snめっきを厚さ比で15%と厚くつけたも
のである比較例2、本実施例のCu含有量を2%に減ら
したものである比較例3、Cu含有量を多くし15%に
した比較例4、In,Sn添加量を減らし各々3%,5
%にした比較例5、In,Sn添加量を増加して両成分
共17%とした比較例6について、オーバレイ合金層の
組成、Snめっき厚さ、Snめっき厚さの比およびオー
バレイ合金層の表面硬さを比較して表わした。
【0044】このとき、硬さ試験は、マイクロビッカー
ス硬度計により試験荷重10gfで行った。
ス硬度計により試験荷重10gfで行った。
【0045】
【表2】
【0046】表2より明らかであるように、Cuを多く
含有させると表面硬さがより増加しているのが認められ
た。
含有させると表面硬さがより増加しているのが認められ
た。
【0047】図1に、Sn,Inを約10%に固定した
ものについてのCu含有量と表面硬さとの関係を示す。
図1より明らかであるように、硬さはCu含有量が増加
するに従って上昇し、表面硬さに対するCu添加の効果
が認められる。
ものについてのCu含有量と表面硬さとの関係を示す。
図1より明らかであるように、硬さはCu含有量が増加
するに従って上昇し、表面硬さに対するCu添加の効果
が認められる。
【0048】次に、同じくSn,Inを約10%に固定
してCu含有量を変化させためっき皮膜について、実際
の使用条件に近い170℃,1000Hrの加熱処理を
行い、めっき皮膜断面組織を比較した。加熱処理後で
は、ニッケルめっき側にCu,Inを含むSn−Ni拡
散層が生成される。
してCu含有量を変化させためっき皮膜について、実際
の使用条件に近い170℃,1000Hrの加熱処理を
行い、めっき皮膜断面組織を比較した。加熱処理後で
は、ニッケルめっき側にCu,Inを含むSn−Ni拡
散層が生成される。
【0049】図2にCu含有量とこの拡散層厚さとの関
係を示す。図2に示したように、この拡散層厚さはCu
含有量により大きく異なり、3%以上でCuの効果が表
われ、5%を超えると急激に薄くなり、CuのSn,I
nに対する拡散防止効果が明らかになった。
係を示す。図2に示したように、この拡散層厚さはCu
含有量により大きく異なり、3%以上でCuの効果が表
われ、5%を超えると急激に薄くなり、CuのSn,I
nに対する拡散防止効果が明らかになった。
【0050】すなわち、Cu添加の増量によりSn,I
nのオーバレイ合金層中の残存量が多くなり、初期摺動
面性能および耐食性の維持が期待できる。
nのオーバレイ合金層中の残存量が多くなり、初期摺動
面性能および耐食性の維持が期待できる。
【0051】次に、表2で示した実施例1〜7、比較例
1〜6のサンプルを実際の使用状態を再現した170
℃,1000Hr加熱処理して、鈴木式摩擦摩耗試験機
による摩耗試験を行った。このときの摩耗試験条件は表
3に示す通りである。
1〜6のサンプルを実際の使用状態を再現した170
℃,1000Hr加熱処理して、鈴木式摩擦摩耗試験機
による摩耗試験を行った。このときの摩耗試験条件は表
3に示す通りである。
【0052】この摩耗試験結果を表4および図3に示
す。
す。
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】表4および図3で明らかなように、Cu含
有量が増加するに従い摩耗量が少なくなっていることが
認められた。
有量が増加するに従い摩耗量が少なくなっていることが
認められた。
【0056】そして、Cu添加量が2%である比較例
3、Sn,In含有量の多い比較例6では、摩耗量が多
くなっていることが認められた。
3、Sn,In含有量の多い比較例6では、摩耗量が多
くなっていることが認められた。
【0057】次に、同じく170℃,1000Hr加熱
処理したサンプルについて鈴木式摩擦摩耗試験機による
焼付試験を行った。このときの焼付試験条件は表5に示
す通りである。
処理したサンプルについて鈴木式摩擦摩耗試験機による
焼付試験を行った。このときの焼付試験条件は表5に示
す通りである。
【0058】この焼付試験結果を同じく表4および図3
に示す。
に示す。
【0059】
【表5】
【0060】表4および図3で明らかなように、比較例
1〜6に対して、本発明実施例1〜7は焼付限界荷重の
大幅な向上が認められた。
1〜6に対して、本発明実施例1〜7は焼付限界荷重の
大幅な向上が認められた。
【0061】次に、同じく170℃,1000Hr加熱
処理したサンプルについて腐食試験を行った。このとき
の腐食試験条件は表6に示す通りである。
処理したサンプルについて腐食試験を行った。このとき
の腐食試験条件は表6に示す通りである。
【0062】この腐食試験結果を表4および図3に示
す。
す。
【0063】
【表6】
【0064】表4および図3で明らかなように、比較例
1,3,4,5において腐食量が多くなっていることが
認められた。
1,3,4,5において腐食量が多くなっていることが
認められた。
【0065】この耐食性に関して、銅はオイル中のいお
う分のターゲットになりうるので、Cu含有量の多い比
較例4では腐食量が多くなっている。
う分のターゲットになりうるので、Cu含有量の多い比
較例4では腐食量が多くなっている。
【0066】また、Cu含有量の少ない比較例3は加熱
処理により表層のSn,Inが拡散消失してしまい、耐
食性が悪くなっている。さらに、比較例5より明らかよ
うに、InあるいはSn添加量を減らすと腐食量は増加
することとなり、SnとInが同時に添加されているも
のとすることで相乗効果を生むことにより耐食性の向上
に大きく寄与することが確かめられた。
処理により表層のSn,Inが拡散消失してしまい、耐
食性が悪くなっている。さらに、比較例5より明らかよ
うに、InあるいはSn添加量を減らすと腐食量は増加
することとなり、SnとInが同時に添加されているも
のとすることで相乗効果を生むことにより耐食性の向上
に大きく寄与することが確かめられた。
【0067】また、本発明実施例3の第二層Snめっき
を施さないものである比較例1も耐食性の劣化が認めら
れた。
を施さないものである比較例1も耐食性の劣化が認めら
れた。
【0068】このように、本発明実施例1〜7では、比
較例1〜6と比較して、170℃,1000Hr加熱処
理後でも耐摩耗性に優れていると共に耐焼付性,耐食性
も優れていた。
較例1〜6と比較して、170℃,1000Hr加熱処
理後でも耐摩耗性に優れていると共に耐焼付性,耐食性
も優れていた。
【0069】そして、Cu添加量を2%とした比較例3
では特に耐摩耗性,耐食性が低下しており、Cu添加量
を15%とした比較例4では耐摩耗性は良好であるもの
の耐焼付性,耐食性が低下したものとなっていた。
では特に耐摩耗性,耐食性が低下しており、Cu添加量
を15%とした比較例4では耐摩耗性は良好であるもの
の耐焼付性,耐食性が低下したものとなっていた。
【0070】さらに、Sn,In添加量を5%,3%と
した比較例5では耐摩耗性に優れているものの、耐焼付
性,耐食性が劣るものとなっていた。
した比較例5では耐摩耗性に優れているものの、耐焼付
性,耐食性が劣るものとなっていた。
【0071】また、Sn,In添加量を多くした比較例
6では、耐食性は良好であるもの耐摩耗性が劣るものと
なっていた。
6では、耐食性は良好であるもの耐摩耗性が劣るものと
なっていた。
【0072】また、第二層Snめっき層の厚さの比が0
%である比較例1では耐食性,耐焼付性が低下してお
り、Snめっき厚さの比が15%である比較例2では耐
食性が良好であるものの耐焼付性が低下したものとなっ
ていた。
%である比較例1では耐食性,耐焼付性が低下してお
り、Snめっき厚さの比が15%である比較例2では耐
食性が良好であるものの耐焼付性が低下したものとなっ
ていた。
【0073】次に、エンジン部品として適用すべく、軸
受に設けられた本発明実施例1〜7および比較例1〜6
のめっき皮膜について、アンダーウッド試験を行った。
受に設けられた本発明実施例1〜7および比較例1〜6
のめっき皮膜について、アンダーウッド試験を行った。
【0074】このときのアンダーウッド試験条件は表7
に示す通りである。
に示す通りである。
【0075】
【表7】
【0076】また、本試験では単に耐疲労性だけでなく
耐焼付性,耐摩耗性も同時に評価できる試験である。
耐焼付性,耐摩耗性も同時に評価できる試験である。
【0077】耐焼付性については、軸受背面温度が18
0℃を超えた時点で焼付と判断した。また、耐摩耗性に
ついては、100Hr終了後オーバレイ合金層が軸受全
幅にわたって20μm以上摩耗しているものをNGとし
た。
0℃を超えた時点で焼付と判断した。また、耐摩耗性に
ついては、100Hr終了後オーバレイ合金層が軸受全
幅にわたって20μm以上摩耗しているものをNGとし
た。
【0078】このアンダーウッド試験結果を同じく表4
に示す。従って、表4で示した結果は総合評価としての
結果である。
に示す。従って、表4で示した結果は総合評価としての
結果である。
【0079】表4に示すように、本発明実施例のOK率
は少なくとも70%以上である。一方、比較例のOK率
は40%以下となっており、本発明のオーバレイ合金層
成分と構成が本特許範囲で効果が有ることが認められ
た。
は少なくとも70%以上である。一方、比較例のOK率
は40%以下となっており、本発明のオーバレイ合金層
成分と構成が本特許範囲で効果が有ることが認められ
た。
【0080】
【発明の効果】本発明による耐摩耗性に優れたすべり軸
受用オーバレイでは、請求項1に記載しているように、
重量%で、Cu:3〜10%、Sn:8〜15%、I
n:4〜15%、残余が実質的にPbよりなる第一層の
オーバレイ合金層で形成されていると共に、この第一層
のオーバレイ合金層の上に実質的にSnからなる第二層
のめっき層が第一層のオーバレイ合金層厚さに対し2.
5〜10%の厚さで形成されているものであり、従来の
オーバレイ合金層のCu含有量を増加するとともにIn
を加えたPb−Cu−Sn−Inの4元系のオーバレイ
合金層としてさらにSnめっき層を最表面に形成したも
のとしたから、長時間使用後も耐焼付性、耐食性等の諸
特性を損なうことなしに耐摩耗性が大幅に向上したオー
バレイ合金層を有する耐摩耗性に優れた平軸受などのす
べり軸受とすることが可能であり、従って、近年のエン
ジンの高出力化、高性能化により、軸受面における高面
圧化,高温度化,油膜厚さの減少など、より苛酷な条件
で使用したとしても、十分に対応できる耐摩耗性の優れ
たオーバレイ付軸受を提供することが可能であるという
顕著な効果がもたらされる。
受用オーバレイでは、請求項1に記載しているように、
重量%で、Cu:3〜10%、Sn:8〜15%、I
n:4〜15%、残余が実質的にPbよりなる第一層の
オーバレイ合金層で形成されていると共に、この第一層
のオーバレイ合金層の上に実質的にSnからなる第二層
のめっき層が第一層のオーバレイ合金層厚さに対し2.
5〜10%の厚さで形成されているものであり、従来の
オーバレイ合金層のCu含有量を増加するとともにIn
を加えたPb−Cu−Sn−Inの4元系のオーバレイ
合金層としてさらにSnめっき層を最表面に形成したも
のとしたから、長時間使用後も耐焼付性、耐食性等の諸
特性を損なうことなしに耐摩耗性が大幅に向上したオー
バレイ合金層を有する耐摩耗性に優れた平軸受などのす
べり軸受とすることが可能であり、従って、近年のエン
ジンの高出力化、高性能化により、軸受面における高面
圧化,高温度化,油膜厚さの減少など、より苛酷な条件
で使用したとしても、十分に対応できる耐摩耗性の優れ
たオーバレイ付軸受を提供することが可能であるという
顕著な効果がもたらされる。
【0081】そして、請求項2に記載しているように、
裏金に設けた軸受合金層に、直接、上記Pb−Cu−S
n−In4元系のSnめっきオーバレイ合金層が形成さ
れているすべり軸受とすることによって、オーバレイ合
金層中のInが下地合金層に拡散した場合にも耐食性を
大きく低下しないことから、耐摩耗性をはじめとして耐
食性等の良好なすべり軸受を中間めっき層の形成工程を
経ることなく製造することが可能であるという顕著な効
果がもたらされる。
裏金に設けた軸受合金層に、直接、上記Pb−Cu−S
n−In4元系のSnめっきオーバレイ合金層が形成さ
れているすべり軸受とすることによって、オーバレイ合
金層中のInが下地合金層に拡散した場合にも耐食性を
大きく低下しないことから、耐摩耗性をはじめとして耐
食性等の良好なすべり軸受を中間めっき層の形成工程を
経ることなく製造することが可能であるという顕著な効
果がもたらされる。
【0082】また、請求項3に記載しているように、裏
金に設けた軸受合金層に、中間めっき層を介して、上記
Pb−Cu−Sn−In4元系のSnめっきオーバレイ
合金層が形成されているすべり軸受とすることによっ
て、オーバレイ合金層中のSn,Inが下地合金層中に
拡散するのを防止することが可能であると共に、下地合
金層とオーバレイ合金層との密着性をより一層向上した
ものにすることが可能であるという顕著な効果がもたら
され、請求項4に記載しているように、中間めっき層が
Ni,Ni合金,Cu,Cu合金,Ag,Ag合金のう
ち少なくともいづれかの金属で形成されているものとす
ることによって、下地合金層とオーバレイ合金層との密
着性を向上させそしてまたオーバレイ合金層中の成分が
下地合金層に拡散移動するのを阻止することが可能であ
るという顕著な効果がもたらされる。
金に設けた軸受合金層に、中間めっき層を介して、上記
Pb−Cu−Sn−In4元系のSnめっきオーバレイ
合金層が形成されているすべり軸受とすることによっ
て、オーバレイ合金層中のSn,Inが下地合金層中に
拡散するのを防止することが可能であると共に、下地合
金層とオーバレイ合金層との密着性をより一層向上した
ものにすることが可能であるという顕著な効果がもたら
され、請求項4に記載しているように、中間めっき層が
Ni,Ni合金,Cu,Cu合金,Ag,Ag合金のう
ち少なくともいづれかの金属で形成されているものとす
ることによって、下地合金層とオーバレイ合金層との密
着性を向上させそしてまたオーバレイ合金層中の成分が
下地合金層に拡散移動するのを阻止することが可能であ
るという顕著な効果がもたらされる。
【図1】 Cu含有量と硬さとの関係を調べた結果を示
すグラフである。
すグラフである。
【図2】 Cu含有量と拡散層厚さとの関係を調べた結
果を示すグラフである。
果を示すグラフである。
【図3】 本発明の実施例1〜7,比較例1〜6で測定
した摩耗,焼付,腐食試験結果を示すグラフである。
した摩耗,焼付,腐食試験結果を示すグラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】 重量%で、Cu:3〜10%、Sn:8
〜15%、In:4〜15%、残余が実質的にPbより
なる第一層のオーバレイ合金層で形成されていると共
に、この第一層のオーバレイ合金層の上に実質的にSn
からなる第二層のめっき層が第一層のオーバレイ合金層
厚さに対し2.5〜10%の厚さで形成されていること
を特徴とするすべり軸受用オーバレイ。 - 【請求項2】 裏金に設けた軸受合金層に、直接、請求
項1に記載のオーバレイ合金層が形成されていることを
特徴とするすべり軸受。 - 【請求項3】 裏金に設けた軸受合金層に、中間めっき
層を介して、請求項1に記載のオーバレイ合金層が形成
されていることを特徴とするすべり軸受。 - 【請求項4】 中間めっき層が、Ni,Ni合金,C
u,Cu合金,Ag,Ag合金のうち少なくともいづれ
かの金属で形成されている請求項3に記載のすべり軸
受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP987298A JPH11210754A (ja) | 1998-01-21 | 1998-01-21 | すべり軸受用オーバレイおよびすべり軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP987298A JPH11210754A (ja) | 1998-01-21 | 1998-01-21 | すべり軸受用オーバレイおよびすべり軸受 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11210754A true JPH11210754A (ja) | 1999-08-03 |
Family
ID=11732246
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP987298A Pending JPH11210754A (ja) | 1998-01-21 | 1998-01-21 | すべり軸受用オーバレイおよびすべり軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11210754A (ja) |
-
1998
- 1998-01-21 JP JP987298A patent/JPH11210754A/ja active Pending
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