JPH11210714A - 固定装置 - Google Patents

固定装置

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JPH11210714A
JPH11210714A JP10009117A JP911798A JPH11210714A JP H11210714 A JPH11210714 A JP H11210714A JP 10009117 A JP10009117 A JP 10009117A JP 911798 A JP911798 A JP 911798A JP H11210714 A JPH11210714 A JP H11210714A
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Japan
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fixing device
insertion portion
hole
engaging portion
rearward
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Application number
JP10009117A
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English (en)
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Ryusuke Tokui
隆介 徳井
Hiroki Okuyama
裕樹 奥山
Shiro Mukai
史朗 向井
Takeshi Koyama
健 小山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Precision Products Co Ltd
Kato Spring Works Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Precision Products Co Ltd
Kato Spring Works Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な構成で確実に2つの部材を密接状態に
固定し得る固定装置を提供することである。 【解決手段】 相互に位置合わせされた貫通孔に第1の
部材側から挿入される挿入部2と、その挿入部2の挿入
先端側に貫通孔に挿入可能に設けられ、かつ、貫通孔を
通過後に第2の部材に係合可能に設けられた係合部3
と、挿入部2の挿入後端側に設けられ、挿入部2の貫通
孔への挿入に伴って弾性変形され、挿入部2を挿入方向
後方に向かって付勢する付勢手段4とを具備し、少なく
とも係合部3と付勢手段4とを、単一の部材によって一
体的に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、2つの部材を相
互に密接状態に固定する固定装置に関し、さらに詳細に
は、例えば、IC部品を実装したプリント基板のような
部材にヒートシンクのような部材を密接状態に固定する
のに使用される固定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、プリント基板に実装されたIC
部品を冷却するために、IC部品に対応する位置のプリ
ント基板に、複数の放熱フィンを有するヒートシンクが
固定される。ヒートシンクは、IC部品において発生す
る熱を効果的に放散するために、IC部品との密接状態
を維持するように取り付けられる必要がある。この場
合、ヒートシンク等の部品の製造公差等による部品の寸
法誤差を吸収して、確実な密接状態を維持することも必
要である。
【0003】従来、ヒートシンクをプリント基板に固定
するための固定装置としては、例えば、米国特許第5.
384,940号明細書に開示されている構造のものが
ある。この固定装置は、一端に2つ割に形成された円錐
部、他端に円筒部を有する割ピン状に形成されたナイロ
ン製のシャフトと、該シャフトの周囲に該シャフトを取
り巻くように組み付けられるコイルスプリングとから構
成されている。
【0004】この固定装置によれば、円錐部を縮径する
ように弾性変形させてヒートシンクおよびプリント基板
の両方に形成された貫通孔を通過させた後に円錐部の弾
性変形を復元させることにより、円錐部の後縁をプリン
ト基板に係合させる。その一方、シャフトに組み付けた
コイルスプリングを、ヒートシンクと円筒部との間で圧
縮して付勢力を生じさせ、この付勢力によってヒートシ
ンクをプリント基板に密接させるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
構造の固定装置は、ナイロンその他の材料からなるシャ
フトと、例えばバネ用線材からなるコイルスプリングと
から構成されるものであるために、シャフトおよびコイ
ルスプリングを異なる工程で別々に製造しなければなら
ない不都合がある。また、別々に製造されたシャフトお
よびコイルスプリングから固定装置を得るには、これら
の部品を相互に組み付ける組付工程が必要である。さら
に、別々に製造されるシャフトおよびコイルスプリング
は、組付工程において組み付けられるまで、別々に部品
管理されなければならないという不都合もある。
【0006】また、上記構造の固定装置は、円錐部と円
筒部とを両端に有し、円錐部の先端から軸方向に切り込
みを設けることにより割ピン状に構成された複雑な形状
のシャフトを主要構成要素とする必要があるが、かかる
シャフトは、製造コストがきわめて高いという難点があ
る。すなわち、シャフトがナイロン等の樹脂材料からな
る場合には、これを成形するための金型を製造しなけれ
ばならない。また、金属材料から製造する場合には、切
削加工が必要であるが、形状が複雑であるために、単一
の工程では製造することができず、多くの工数を必要と
することになるという欠点がある。
【0007】本発明は上述した事情に鑑みてなされたも
のであって、ヒートシンク等の第1の部材をプリント基
板等の第2の部材に密接状態に固定するための、極めて
簡易な構成を有しかつ製品コストの低い固定装置を提供
することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、貫通孔を有する第1の部材と第2の部材
とを密接状態に固定する固定装置であって、相互に位置
合わせされた前記貫通孔に前記第1の部材側から挿入さ
れる挿入部と、該挿入部の挿入先端側に前記貫通孔に挿
入可能に設けられ、かつ、前記貫通孔を通過後に前記第
2の部材に係合可能に設けられた係合部と、前記挿入部
の挿入後端側に設けられ、前記挿入部の貫通孔への挿入
に伴って弾性変形され、前記挿入部を挿入方向後方に向
かって付勢する付勢手段とを具備し、少なくとも係合部
と付勢手段とが、単一の部材によって一体的に形成され
ている固定装置を提案している。
【0009】
【作用】本発明に係る固定装置によれば、第1の部材お
よび第2の部材の両方に形成された貫通孔を通して挿入
部を挿入する際に、該挿入部の挿入先端側に設けた係合
部が挿入される。この状態で挿入部に挿入方向前方に向
かって押圧力を加え、挿入部が第1の部材側から貫通孔
に挿入されていくと、該挿入部の挿入後端側に設けた付
勢手段が漸次弾性変形されていき、挿入部を挿入方向後
方に向かって付勢するようになる。そして、その付勢力
に抗して、挿入部をさらに挿入していくと係合部が第2
の部材の貫通孔を通過したところで、第2の部材に係合
し、挿入部が挿入方向後方に移動することを阻止する。
【0010】その結果、付勢手段は、その付勢力によっ
て、第1の部材を第2の部材の方向に押圧する一方、挿
入部の挿入先端側に設けた係合部は、前記付勢手段の付
勢力によって、第2の部材を第1の部材の方向に引き戻
す。したがって、2つの部材は相互に密接する方向に押
圧されることになり、両部材が密接状態に配されること
になる。
【0011】この場合において、少なくとも前記係合部
と付勢手段とは、単一の部材によって一体的に形成され
ているので、複数の部品を管理する必要がなく、しか
も、組付工程が不要である。すなわち、これら係合部お
よび付勢手段を単一のバネ用線材または板バネ用板材に
より構成すれば、比較的簡単な線材または板材の切断お
よび曲げ加工のみで製造することができ、極めて簡易な
構成で、しかも製造コストの低い固定装置を提供するこ
とが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る固定装置の第
1の実施形態について、図1〜図3を参照して説明す
る。本実施形態に係る固定装置1は、単一のバネ用線材
Sを折り曲げて構成したものであって、直線状の挿入部
2と、その一端を折り曲げて形成した係合部3と、前記
挿入部2の他端を折り曲げて形成したコイルスプリング
4からなる付勢手段とを一体的に有している。
【0013】前記係合部3は、前記挿入部2の一端を円
環状に曲げることにより、挿入部2の概略径方向に沿っ
て相反する方向に突出する2つの突出部3a,3bを有
する形状に形成されている。これら突出部3a,3b
は、自由状態における相互間の最大寸法が、第1の部材
5、例えば、ヒートシンクおよび第2の部材6、例え
ば、プリント基板のそれぞれに形成された貫通孔7,8
の内径寸法よりも大きくなるように形成されている。
【0014】また、この係合部3は、バネ用線材Sを折
り曲げただけの構造であるので、突出部3a,3bどう
しを近づける方向に力を加えると、突出部3a,3b相
互間の寸法を前記貫通孔7,8の内径寸法よりも小さく
なるように弾性変形させられるようになっている。な
お、本実施形態では、係合部3は円環状に形成されてい
るので、該係合部3の突出部3a,3bの挿入先端側の
傾斜部分を貫通孔7の周縁部分7aに押し当てて挿入力
を加えるだけで、貫通孔7の周縁部分7aから受ける反
力によって、貫通孔7に挿入され得る寸法まで弾性変形
させられるようになっている。
【0015】前記コイルスプリング4は、前記挿入部2
の他端を折り曲げて、該挿入部2を取り巻くように、挿
入部2の挿入後端側から挿入先端側に向かって湾曲形成
されている。このコイルスプリング4は、例えば、前記
第1の部材5に形成された貫通孔7の内径寸法よりも大
きなコイル平均径を有する円筒形状のものである。
【0016】本実施例に係る固定装置1を製造するに
は、適当な長さに切断したバネ用線材Sの一端を円環状
に曲げ、他端を折り曲げてコイル状に形成していくだけ
で済む。したがって、極めて簡易な製造設備により、短
時間で製造することができるので、製造コストを低く抑
えることが可能である。
【0017】このように構成された本実施形態に係る固
定装置1によれば、図2に示されるように、第1の部材
5に形成された貫通孔7を第2の部材6に形成された貫
通孔8に一致させるように配置した状態で、前記固定装
置1の係合部3を第1の部材5の貫通孔7にあてがい、
該固定装置1の挿入部2の長手方向に沿って押圧力を加
えることにより、係合部3の突出部3a,3bが相互に
近づくように弾性変形させられて、係合部3が貫通孔7
に挿入される。このとき、挿入部2の他端に形成したコ
イルスプリング4の挿入先端側の端部4aが第1の部材
5の貫通孔7の周縁部分7aに当接する。
【0018】この状態からさらに挿入部2に挿入方向へ
の押圧力を加えると、係合部3が弾性変形したまま、第
1の部材5および第2の部材6の貫通孔7,8内を移動
する。一方、コイルスプリング4は、押圧力によって圧
縮され続け、挿入部2を挿入方向後方に向かって付勢す
る付勢力を発生するようになる。そして、係合部3が第
2の部材6の貫通孔8を通過すると、そこで、貫通孔8
から解放された係合部3の弾性変形が復元し、図3に示
されるように、貫通孔8の内径よりも大きな最大寸法が
回復される。
【0019】この状態で、挿入部2への押圧力を除去す
ると、挿入部2はコイルスプリング4の付勢力によって
挿入方向後方に向かって付勢されるが、最大寸法を回復
した係合部3が第2の部材6の貫通孔8の周縁部分8a
に係合するので、コイルスプリング4による付勢力は、
第1の部材5と第2の部材6とを密接させる力となって
両部材5,6に作用し続けることになる。したがって、
両部材5,6が密接状態に固定されることになる。な
お、図中、両部材5,6間には間隔が開いているように
示されているが、これは、ヒートシンクにおける固定装
置の取付位置の問題であり、現実には、ヒートシンク
は、基板から突出し基板の一部を構成しているパッケー
ジに密接させられている。
【0020】この場合において、両部材5,6は弾性変
形するコイルスプリング4によって相互に密接状態に固
定されるので、熱による寸法変化、両部材5,6および
固定装置1の加工公差にかかわらず、常に安定した押圧
力で両部材5,6を密接状態に維持することができる。
なお、本実施形態に係る固定装置1では、第2の部材6
の貫通孔8の周縁部分8aに係合している係合部3の最
大寸法を縮小させる方向に力を加えれば、該係合部3と
第2の部材6との係合を容易に解除することができ、両
部材5,6の取り外しおよび当該固定装置1を再使用し
た再組立を容易に実施することができることは言うまで
もない。
【0021】上記第1の実施形態に係る固定装置1で
は、係合部3を、挿入部2の先端のバネ用線材Sを円環
状に湾曲させることにより構成したが、本発明の固定装
置1は、この形状に限定されるものではない。すなわ
ち、自由状態で貫通孔7,8の内径寸法より大きな幅寸
法を有し、かつ、貫通孔7,8の内径寸法より小さく弾
性変形可能な形状であれば、例えば、三角形、四角形等
の矩形状、楕円形状等の任意の形状でよい。ただし、貫
通孔7への挿入を容易にすると同時に、第2の部材6へ
の確実な係合を達成するためには、図4に示されるよう
な三角形状、または、図5に示されるスペード形状等が
より有効である。
【0022】また、第1実施形態においては、コイルス
プリング4として円筒状のものを用いたが、これに代え
て、円錐形、堤形、太鼓型等の任意の形状のコイルスプ
リング4を使用してもよい。
【0023】次に、本発明に係る固定装置の第2の実施
形態について、図6および図7を参照して説明する。本
実施形態に係る固定装置10は、主として係合部11に
おいて第1の実施形態に係る固定装置1と相違してい
る。なお、第1の実施形態に係る固定装置1と構成を共
通とする箇所には同一符号を付して説明を簡略化する。
以降の第3〜第5実施形態においても同様である。
【0024】本実施形態に係る固定装置10の係合部1
1は、図6に示されるように、挿入部2の先端を折り曲
げることにより2つの突出部11a,11bを有する三
角形状に形成されているとともに、上記突出部11a,
11bが、挿入方向に沿って前後にずれて配置されてい
る。その結果、一方の突出部11aが、貫通孔7への挿
入端を形成しており、該挿入端は、直線状の挿入部2の
延長線上からずれた位置に配置されている。
【0025】このように形成された固定装置10により
第1の部材5と第2の部材6とを固定する場合につい
て、以下に説明する。まず、貫通孔7,8どうしを合わ
せた第1の部材5と第2の部材6とを重ね合わせて、固
定装置10の係合部11の挿入端を構成している第1の
突出部11aを貫通孔7に挿入する。この際、挿入部2
は、図7に実線で示されるように若干傾斜する。挿入部
2をさらに押圧するとコイルスプリング4に付勢力が生
ずるが、これに抗して押し続けると、挿入方向後方に配
されていた第2の突出部11bが貫通孔7に挿入され始
める。この際に、第2の突出部11bには挿入方向に交
差する方向への力が作用し、該第2の突出部11bが図
7に鎖線で示されるように弾性変形させられる。このと
き、弾性変形させられる部分は第2の突出部11b一カ
所だけであるため、弾性変形に要する押圧力は少なくて
済む。
【0026】そして、さらに挿入部2を押し続けると、
第1の突出部11aが貫通孔8を通過したところで、挿
入部2の傾斜が復元し、次いで、第2の突出部11bが
貫通孔8を通過したところで、図7の下方に実線で示さ
れるように、該第2の突出部11bの弾性変形が復元す
る。これにより、両突出部11a,11bの後方に第2
の部材6の貫通孔8の周縁部分8aが係合し、第1の部
材5と第2の部材6とが固定されることになる。本実施
形態に係る固定装置10によれば、係合部11を貫通孔
7に挿入する際の挿入力を低減することができるので、
取付作業を極めて簡易にすることができるという効果を
奏する。
【0027】次に、本発明に係る固定装置の第3の実施
形態について、図8および図9を参照して説明する。本
実施形態に係る固定装置20は、図8に示されるよう
に、挿入部21、係合部22および付勢手段23を帯板
状の板バネ用板材Pにより一体的に形成している点にお
いて、上記第1および第2実施形態に係る固定装置1と
相違している。
【0028】本実施形態に係る固定装置20では、係合
部22が、板バネ用板材Pの中央部分を折り曲げて、そ
の折曲部24近傍に形成され、該係合部22の後方に略
平行に延びる一対の直線部分により挿入部21が形成さ
れ、該挿入部21のさらに後方に該挿入部21から後方
に向かって漸次広がるように傾斜する傾斜部23a,2
3bによって付勢手段23が形成されている。
【0029】前記係合部22は、前記折曲部24近傍の
板バネ用板材Pの一部を切り欠いて後方に向かって漸次
広がるように配置された一対の片持ち梁状部分22a,
22bにより形成されており、その端部どうしは、自由
状態において、挿入方向に交差する方向に第1、第2の
部材5,6の貫通孔7,8の内径よりも大きな寸法をあ
けて配置されている。そして、この係合部22が貫通孔
7に対して挿入方向に押圧されると、貫通孔7入口の周
縁部分7aによって、該係合部22の梁状部分22a,
22bの端部間の間隔寸法が貫通孔7の内径より小さく
なるまで弾性変形されて、係合部22が貫通孔7内に挿
入され得るようになっている。
【0030】前記付勢手段23は、前記挿入部21から
後方に向かって広がる傾斜部23a,23bにより構成
されているので、図9に示される位置まで挿入されて、
前記傾斜部23a,23bが貫通孔7入口の周縁部分7
aに当接するようになると、この傾斜部23a,23b
によって、挿入部21が倒れるように弾性変形されて、
傾斜部23a,23bから貫通孔7の周縁部分7aに反
力が作用する結果、挿入部21を挿入方向後方に付勢す
る付勢力が発生される。また、付勢手段23は、傾斜部
23a,23bの後端側を折り返して形成した折返し部
23c,23dの端部どうしを近接する位置に配置して
いる。これにより、挿入部21が倒れるように弾性変形
されると、近接配置された前記折返し部23c,23d
の端部どうしが接触して、相互に押圧され、この部分に
おいても弾性変形が発生する。すなわち、傾斜部23
a,23bがある程度まで貫通孔7,8内に挿入される
と、挿入部21、傾斜部23a,23bおよび折返し部
23c,23dが弾性変形されて、挿入部21を挿入方
向後方に付勢するようになっている。
【0031】このように構成された本実施形態に係る固
定装置20によれば、貫通孔7,8内に係合部22およ
び挿入部21を挿入した状態でこれらをさらに挿入方向
前方に向かって押圧することにより、挿入部21の挿入
後端側に形成された付勢手段23に挿入部21を挿入方
向後方に向けて付勢する付勢力が生じる。そして、この
付勢力に抗して挿入部21を挿入し続け、係合部22が
貫通孔8を通過すると、弾性変形されていた係合部22
が解放されることにより復元されてその端部間の寸法が
貫通孔8の内径寸法より大きくなる結果、押圧力を解除
すると、上記係合部22が第2の部材6の貫通孔8出口
の周縁部分8aに係合し、付勢手段23の付勢力によっ
て、第1の部材5と第2の部材6とが密接状態に固定さ
れることになる。
【0032】この第3の実施形態に係る固定手段20
も、単一の帯板材Pを折り曲げて成形しているので、極
めて簡易な構成であり、その製品コストを低く抑えるこ
とができるという、第1の実施形態と同様の効果を奏す
る。
【0033】次に、本発明に係る固定装置の第4の実施
形態について、図10を参照して説明する。本実施形態
に係る固定装置30も、板バネ用板材Pを使用して形成
している点においては、第3の実施形態に係る固定装置
20と共通している。しかし、本実施形態に係る固定装
置30は、板材Pを断面C字状の円筒状に丸めることに
より形成されている点において、第3の実施形態に係る
固定装置20と相違している。
【0034】本実施形態に係る固定装置30は、挿入方
向後方に向かって一定の角度で広がる略テーパ円筒状の
挿入部31の挿入先端側の壁面の一部を切り抜いて、第
3の実施形態の係合部22と同様の片持ち梁状の係合部
32を形成するとともに、テーパ円筒状の挿入部31の
後端部を貫通孔7より大きく形成することにより付勢手
段33を形成したものである。前記係合部32は、挿入
方向後方に向かって漸次広がるように傾斜しており、貫
通孔7へ挿入される際に弾性変形させられる一方、貫通
孔8を通過した後には、その弾性変形が復元されること
によって、該貫通孔8出口の周縁部分8aに係合するこ
とができるような寸法に設定されている。
【0035】前記付勢手段33は、挿入部31が貫通孔
7,8に挿入されるに従って、貫通孔7入口の周縁部分
7aによって半径方向内方に向けて収縮するように弾性
変形され、その復元力によって挿入部31を挿入方向後
方に付勢するようになっている。なお、図中、符号34
で示すものは、前記係合部32が貫通孔8出口から出た
時点で第1の部材5に当接するように設けられた係止突
起であり、固定装置30の貫通孔7,8へのそれ以上の
挿入を抑止するように機能する。
【0036】このように形成された本実施形態に係る固
定装置30によっても、第1〜第3の実施形態に係る固
定装置1,10,20と同様に、極めて簡易な構成で、
確実に第1の部材5と第2の部材6とを密接状態に固定
することができるという効果を奏する。
【0037】次に、本発明に係る固定装置の第5の実施
形態について図11を参照して説明する。本実施形態に
係る固定装置40も、第4の実施形態に係る固定装置3
0と同様に、板バネ用板材Pを断面C字状の筒状に丸め
ることにより構成されている。しかしながら、本実施形
態に係る固定装置40は、係合部41と付勢手段42と
が間隔をあけて設けられ、それらが板状の挿入部43に
よって連結されている点において第4の実施形態に係る
固定装置30と相違している。すなわち、前記係合部4
1および付勢手段42は、それぞれ、貫通孔7,8の内
径寸法より小さい先端側径寸法と、貫通孔7,8の内径
寸法より大きい後端側寸法とを有するテーパ円筒状に形
成されている。
【0038】このように構成された固定装置40によれ
ば、係合部41先端を貫通孔7に挿入して、挿入方向に
押圧力を加えると、係合部41後端側が縮径するように
弾性変形させられて貫通孔7内に挿入される。そして、
所定寸法だけ挿入されたところで、挿入部43後端側に
設けられている付勢手段42の先端側が貫通孔7内に挿
入され、該付勢手段42のテーパ状の外面が貫通孔7の
入口周縁部分7aに接触させられる。その後、さらに押
圧力を加えると、付勢手段42が貫通孔7によって漸次
縮径するように弾性変形され、固定装置40を挿入方向
後方に向けて付勢する付勢力が発生する。この後に、係
合部41が貫通孔8を通過することにより、係合部41
の弾性変形が復元してその後端部が第2の部材6の貫通
孔8出口の周縁部分8aに係合し、第1の部材5と第2
の部材6とが密接状態に固定されることになる。
【0039】なお、本発明に係る固定装置1,10,2
0,30,40は、上述した第1〜第5の実施形態で示
された構造のものに限定されるものではなく、係合部、
挿入部および付勢手段の形状は任意でよい。すなわち、
上記においては、円環状、三角形状、四角形状等を例示
したがこれに代えて、図12に示されるような形状や、
単に引っかけるだけの形状、すなわち、J字状またはL
字状のような鉤形に形成してもよい。また、係合部の第
2の部材との係合を補強するために、係合部に樹脂等か
らなる係合部材を一体的に設けてもよい。さらに、上述
したバネ用線材からなる固定装置と板バネ用板材からな
る固定装置とを組み合わせることにより、付勢手段によ
る付勢力および係合部による係合力を高めることにして
もよい。
【0040】さらに、コイルスプリングの倒れ防止のた
めに、コイルスプリング内部に筒体を配置することにし
てもよい。また、図12に示されるように、コイルスプ
リング4の挿入先端側の端部4aを小径に形成すること
により、コイルスプリング4の中央位置に配されている
挿入部2の半径方向への移動を制限して、該挿入部2の
倒れによるコイルスプリング4の倒れを防止することに
してもよい。
【0041】また、相互に固定する第1の部材と第2の
部材の例として、ヒートシンクとプリント基板とを掲げ
たが、これに限定されるものではなく、相互に密接状態
に配することが必要とされる任意の2つの部材どうしの
固定のために本発明の固定装置を利用することにしても
よい。
【0042】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係る固定
装置によれば、少なくとも挿入部と付勢手段とを単一の
部材によって一体的に構成したので、極めて簡易な構成
で、確実に2つの部材を密接状態に固定することができ
る。また、極めて簡易な構成であるため、その製造に要
する工程数や工数が少なくて済み、また、特殊な製造設
備を準備する必要がない。このため、製品のコストを極
めて低く抑えることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る固定装置の第1の実施形態を示
す正面図である。
【図2】 図1の固定装置が第1の部材の貫通孔に挿入
される際の状態を示す縦断面図である。
【図3】 図1の固定装置が第2の部材の貫通孔を通過
した状態を示す縦断面図である。
【図4】 図1の固定装置の係合部の第1の変形例を示
す一部を破断した正面図である。
【図5】 図1の固定装置の係合部の第2の変形例を示
す一部を破断した正面図である。
【図6】 本発明に係る固定装置の第2の実施形態を示
す正面図である。
【図7】 図6の固定装置の貫通孔への挿入状態を説明
するための縦断面図である。
【図8】 本発明に係る固定装置の第3の実施形態を示
す正面図である。
【図9】 図8の固定装置を貫通孔に挿入した状態を示
す縦断面図である。
【図10】 本発明に係る固定装置の第4の実施形態を
示す斜視図である。
【図11】 本発明に係る固定装置の第5の実施形態を
示す斜視図である。
【図12】 本発明に係る固定装置の他の変形例を示す
正面図である。
【符号の説明】
1,10,20,30,40 固定装置 2,21,31,43 挿入部 3,11,22,32,41 係合部 3a,3b,11a,11b 突出部 4 コイルスプリング(付勢手段) 5 第1の部材 6 第2の部材 7,8 貫通孔 23,33,42 付勢手段 23a,23b 傾斜部 P バネ用板材 S バネ用線材
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年2月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、貫通孔を有する第1の部材と第2の部材
とを密接状態に固定する固定装置であって、相互に位置
合わせされた前記貫通孔に前記第1の部材側から挿入さ
れる挿入部と、該挿入部の挿入先端側に前記貫通孔に挿
入可能に設けられ、かつ、前記貫通孔を通過後に前記第
2の部材に係合可能に設けられた、先端側に傾斜部分を
有する係合部と、前記挿入部の挿入後端側に設けられ、
前記挿入部の貫通孔への挿入に伴って弾性変形され、前
記挿入部を挿入方向後方に向かって付勢する付勢手段と
を具備し、少なくとも係合部と付勢手段とが、単一の部
材によって一体的に形成され、前記付勢手段の挿入先端
側の端部を小径に形成したことを特徴とする固定装置を
提案している。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】その結果、付勢手段は、その付勢力によっ
て、第1の部材を第2の部材の方向に押圧する一方、挿
入部の挿入先端側に設けた係合部は、前記付勢手段の付
勢力によって、第2の部材を第1の部材の方向に引き戻
す。したがって、2つの部材は相互に密接する方向に押
圧されることになり、両部材が密接状態に配されること
になる。また、付勢手段の挿入先端側の端部を小径に形
成することにより、付勢手段の中央位置に配されている
挿入部の半径方向への移動を制限して、該挿入部の倒れ
による付勢手段の倒れを防止する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係る固定
装置によれば、少なくとも挿入部と付勢手段とを単一の
部材によって一体的に構成したので、極めて簡易な構成
で、確実に2つの部材を密接状態に固定することができ
る。また、付勢手段の挿入先端側の端部を小径に形成す
ることにより、付勢手段の中央位置に配されている挿入
部の半径方向への移動を制限して、該挿入部の倒れによ
る付勢手段の倒れを防止する。また、極めて簡易な構成
であるため、その製造に要する工程数や工数が少なくて
済み、また、特殊な製造設備を準備する必要がない。こ
のため、製品のコストを極めて低く抑えることができる
という効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 向井 史朗 兵庫県尼崎市扶桑町1番10号 住友精密工 業株式会社内 (72)発明者 小山 健 兵庫県尼崎市扶桑町1番10号 住友精密工 業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貫通孔を有する第1の部材と第2の部材
    とを密接状態に固定する固定装置であって、 相互に位置合わせされた前記貫通孔に前記第1の部材側
    から挿入される挿入部と、 該挿入部の挿入先端側に前記貫通孔に挿入可能に設けら
    れ、かつ、前記貫通孔を通過後に前記第2の部材に係合
    可能に設けられた係合部と、 前記挿入部の挿入後端側に設けられ、前記挿入部の貫通
    孔への挿入に伴って弾性変形され、前記挿入部を挿入方
    向後方に向かって付勢する付勢手段とを具備し、 少なくとも係合部と付勢手段とが、単一の部材によって
    一体的に形成されていることを特徴とする固定装置。
  2. 【請求項2】 前記係合部が、挿入方向に対して交差す
    る方向の寸法を伸縮させるように弾性変形可能に形成さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の固定装置。
  3. 【請求項3】 前記挿入部、前記係合部および前記付勢
    手段が、1本のバネ用線材からなることを特徴とする請
    求項1または請求項2記載の固定装置。
  4. 【請求項4】 前記付勢手段が、前記挿入部を形成する
    バネ用線材の一端を折り曲げることにより、前記挿入部
    を取り囲むコイルバネ状に形成されていることを特徴と
    する請求項2記載の固定装置。
  5. 【請求項5】 前記係合部が、挿入方向に交差する方向
    に変位可能に突出する少なくとも2つの突出部を有し、
    これら突出部が、挿入方向に沿って前後にずれて配置さ
    れていることを特徴とする請求項1から請求項4のいず
    れかに記載の固定装置。
  6. 【請求項6】 前記挿入部、前記係合部および前記付勢
    手段が、1枚の板バネ用板材からなることを特徴とする
    請求項1または請求項2記載の固定装置。
  7. 【請求項7】 前記係合部が、前記挿入部を形成する板
    バネ用板材の一部を切り抜いて、前記挿入方向に交差す
    る方向に弾性変形可能な片持ち梁状に形成され、挿入方
    向後方に向かって漸次広がるように配設されていること
    を特徴とする請求項6記載の固定装置。
  8. 【請求項8】 前記付勢手段が、前記挿入方向に交差す
    る方向に弾性変形可能に設けられかつ前記挿入方向後方
    に向かって漸次広がるように傾斜した傾斜部からなるこ
    とを特徴とする請求項6または請求項7記載の固定装
    置。
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