JPH11209771A - 固体潤滑転がり軸受の製造方法 - Google Patents

固体潤滑転がり軸受の製造方法

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JPH11209771A
JPH11209771A JP2397398A JP2397398A JPH11209771A JP H11209771 A JPH11209771 A JP H11209771A JP 2397398 A JP2397398 A JP 2397398A JP 2397398 A JP2397398 A JP 2397398A JP H11209771 A JPH11209771 A JP H11209771A
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JP
Japan
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film
solid lubricant
rolling element
solid
bearing
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Pending
Application number
JP2397398A
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English (en)
Inventor
Tadaki Itabe
忠喜 板部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yaskawa Electric Corp
Original Assignee
Yaskawa Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低発塵性と耐久性を兼ね備えた固体潤滑転が
り軸受を提供する。 【解決手段】 転動体13の表面粗さが最大高さRyを
用いて、Ry=R1 で表されるとき、転動体13の表面
にスパッタリングによって、膜厚が0.5R1 〜2.0
1 のMoS2 の固体潤滑膜を形成した後で、転動体1
3の表面を研磨して、余分な前記固体潤滑膜を除去す
る。また、内輪11および外輪12の転送面の表面粗さ
が最大高さRyを用いて、Ry =R2 で表されるとき、
内輪11および外輪12の転送面に、MoS2 あるいは
自己潤滑性複合材料をすりこみ、膜厚が0.5R2
2.0R2 の転移膜を形成する。転動体13の表面の固
体潤滑膜の過剰な層を除去するので、運転初期における
発塵が減少する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空中およびクリーン
環境中に使用される発塵の少ない固体潤滑転がり軸受の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、固体潤滑転がり軸受の潤滑には、
内輪、外輪の転送面や転動体の表面にMoS2 をスパッ
タリングし、転動体の保持器をポリテトラフルオロエチ
レン(PTFE)、MoS2 、ポリエーテルエーテルケ
トン(PEEK)樹脂、アラミド繊維からなる自己潤滑
性複合材料で構成し、保持器から潤滑剤を供給するよう
にしたもの(例えば、特開平4−102718号)が開
示されている。この軸受は、運転初期にMoS2 スパッ
タリング膜が潤滑し、次第に保持器の自己潤滑性複合材
料が転動体の表面に転移し、さらに内輪、外輪の転送面
に転移することによって、長期間の潤滑を行う構成にな
っている。また、内輪、外輪の転送面や転動体の表面
に、平均分子量が5000以下のPTFEテロマーから
なる潤滑膜を形成したものが(例えば、特開平5−33
813号)が開示されている。PTFEテロマーは剪断
強度が著しく小さく、柔らかいため、その磨耗粉は再転
移性に優れ、低発塵であるという特徴を持っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前者の軸受
の内輪、外輪の転送面および転動体の表面には、長寿命
を得るために、厚い固体潤滑膜を形成している。そのた
め、この過剰に付着している固体潤滑膜が軸受の回転中
に剥離するために、発塵が多いという問題があった。一
方、後者の軸受は、低発塵性において前者より優れてい
るが、耐久性において前者に劣り、寿命が短いという問
題があった。そこで、本発明は、低発塵性と耐久性を兼
ね備えた固体潤滑転がり軸受を提供することを目的とす
るものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するた
め、本発明は、転動体の表面粗さが最大高さRy =R1
で表されるとき、前記転動体の表面にスパッタリングに
よって、膜厚が0.5R1 〜2.0R1 のMoS2 の固
体潤滑膜を形成した後に、タンブリングなどによって、
前記転動体の表面の余分な固体潤滑膜を除去するもので
ある。また、内輪および外輪の転送面の表面粗さが最大
高さRy =R2 で表されるときに、前記内輪および外輪
の転送面にMoS2 あるいは自己潤滑性複合材料をすり
こみ、膜厚が0.5R2 〜2.0R2 の転移膜を形成す
るものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図に基づ
いて説明する。図1は本発明に用いた軸受1の要部側面
図である。11は内輪、12は外輪、13は転動体、1
4はPTFE、MoS2 、PEEK樹脂、アラミド繊維
の複合材料よりなる保持器である。転動体13の表面に
は、MoS2 の固体潤滑膜15aが形成されている。内
輪11、外輪12の転送面にはMoS2 の転移膜15b
が形成されている。通常、固体潤滑膜15aや転移膜1
5bを形成する前において、転動体13の表面粗さを最
大高さRyで表すと、Ry=0.05〜0.30μmで
ある、また内輪11および外輪12の転送面の表面粗さ
は、同様にRy=0.3〜1.0μmである。次に、こ
の軸受1の製造方法を説明する。まず、転動体13の表
面粗さが最大高さRyを用いて、Ry=R1 で表される
とき、転動体13の表面にスパッタリングによって、M
oS2 の固体潤滑膜を膜厚が0.5R1 〜2.0R1
なるように成膜する。膜厚が0.5R1 より小さいと、
後述するタンブリング後に表面粗さの谷を埋めるのに不
十分であり、逆に、膜厚が2.0R1 を越えると成膜に
要する時間が長くなり、処理コストが増えるだけであ
る。次にスパッタリングの完了した転動体13を、例え
ば、ステンレス鋼製の円筒状のポットに入れてタンブリ
ングすることによって、転動体13の表面を研磨し、M
oS2 膜の過剰な層を除去し、素材表面に強固に付着し
て潤滑作用を果たす実効層のみを残す。内輪11および
外輪12の転送面の表面粗さが最大高さRyを用いて、
Ry =R2 で表されるとき、内輪11および外輪12の
転送面にバルク状のMoS2 をすりこむことによって、
膜厚が0.5R2 〜2.0R2 の転移膜を形成する。膜
厚が0.5R2 より薄いと、転送面の表面粗さの谷を埋
めることができないので、転送面の潤滑性を得られな
い。逆に、膜厚が2.0R2 を越えると、処理コストも
嵩むし、転送面に形成された転移膜が転動体13の回転
抵抗になって潤滑性も低下する。なお、内輪11および
外輪12の転送面にすりこむ材料は、自己潤滑性複合材
料あるいはその他の固体潤滑材料であってもよい。ま
た、上記の転動体13のMoS2 膜の過剰な層を除去す
る操作や、内輪11および外輪12の転送面に固体潤滑
材料をすりこむ操作は大気中で実施しても構わないが、
真空中や不活性ガス中で行うことが望ましい。以上の操
作を実施した後、内輪11、外輪12および転動体13
をクリーンエアーで十分に洗浄して、内輪11、外輪1
2、転動体13および保持器14を結合して、軸受1を
組み立てる。
【0006】次に、上記の方法で製造した軸受1と従来
の軸受の性能の違いを確認するために実施した実験につ
いて説明する。実験に供した軸受は次の3種類であり、
いずれも型番#608(内径*外径*幅=φ8*φ22
*7mm)のオープンタイプの深みぞ玉軸受である。 軸受A:本発明の軸受 軸受B:転動体に膜厚0.30μmのMoS2 の固体潤
滑膜を施し、保持器にPTFE、MoS2 、PEEKお
よびアラミド繊維の複合体からなる自己潤滑性複合材料
で構成した軸受 軸受C:内輪、外輪の転送面および転動体の表面に、平
均分子量が5000以下のPTFEテロマーからなる潤
滑膜を形成した軸受 これらの軸受を次の条件で回転して、発塵量と寿命を測
定した。 雰囲気圧力:1×10-4Pa 雰囲気温度:25℃ 回転速度:1200rpm 荷重:61.7N この実験の結果の図2に示す、図2の横軸は軸受の寿命
を示し、縦軸は運転初期の相対発塵量を示す。本発明の
軸受Aは軸受Cと同等の寿命と、軸受Cと同等の低発塵
性を兼ね備えていることが分かる。なお、軸受の寿命
は、軸受の摩擦トルクが50gf・c mを越えた時の運
転時間である。
【0007】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、軸
受を組み立てる前に軸受の転動体の表面に過剰に付着し
たMoS2 のスパッタ膜を除去し、内輪および外輪の転
送面に、MoS2 あるいは自己潤滑性複合材料の転移膜
を形成するので、低発塵性と耐久性を兼ね備えた固体潤
滑転がり軸受を提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の軸受の要部側面図である。
【図2】本発明の軸受と従来の軸受の寿命および、発塵
性の比較実験の結果を示す説明図である。
【符号の説明】
1 軸受 11 内輪 12 外輪 13 転動体 14 保持器 15a 固体潤
滑膜 15b 転移膜
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10N 40:02 70:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内輪、外輪の転送面および転動体の表面
    の両方もしくはどちらかに固体潤滑膜を施し、前記内
    輪、外輪、転動体および、固体潤滑剤を含有した複合材
    料からなる保持器を結合する固体潤滑転がり軸受の製造
    方法において、前記転動体の表面にスパッタリングによ
    ってMoS2 の固体潤滑膜を形成した後で、前記転動体
    の表面を研磨して、余分な前記固体潤滑膜を除去するこ
    とを特徴とする固体潤滑転がり軸受の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記転動体の表面粗さが最大高さRy =
    1 で表されるとき、前記転動体の表面に施す固体潤滑
    膜の膜厚が0.5R1 〜2.0R1 であることを特徴と
    する請求項1に記載の固体潤滑転がり軸受の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記内輪および前記外輪の転送面の表面
    粗さが最大高さRy=R2 で表されるとき、前記内輪お
    よび前記外輪の転送面に施す固体潤滑膜が、MoS2
    るいは自己潤滑性複合材料をすりこんで得られる、膜厚
    が0.5R2〜2.0R2 の転移膜であることを特徴と
    する請求項1または請求項2に記載の固体潤滑転がり軸
    受の製造方法。
JP2397398A 1998-01-20 1998-01-20 固体潤滑転がり軸受の製造方法 Pending JPH11209771A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001115177A (ja) * 1999-10-20 2001-04-24 Dowa Mining Co Ltd 耐焼付き性に優れた摺動部材およびその製法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001115177A (ja) * 1999-10-20 2001-04-24 Dowa Mining Co Ltd 耐焼付き性に優れた摺動部材およびその製法

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