JPH11209276A - ガン転移抑制剤及びコラゲナーゼ活性抑制剤 - Google Patents
ガン転移抑制剤及びコラゲナーゼ活性抑制剤Info
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- JPH11209276A JPH11209276A JP10009147A JP914798A JPH11209276A JP H11209276 A JPH11209276 A JP H11209276A JP 10009147 A JP10009147 A JP 10009147A JP 914798 A JP914798 A JP 914798A JP H11209276 A JPH11209276 A JP H11209276A
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- honokiol
- magnolol
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Abstract
(57)【要約】
【課題】ガン細胞の転移を抑制しうるガン転移抑制剤及
びコラゲナーゼ活性抑制剤を提供する。 【解決手段】 ホオノキ樹皮の熱水抽出液を試料濃度
0.1、1、10、100、1000(μg/ml)に
した場合、ホオノキ樹脂の熱水抽出液の試料濃度を上げ
ると、HT-1080 細胞の浸潤率が低下していることが認め
られた。
びコラゲナーゼ活性抑制剤を提供する。 【解決手段】 ホオノキ樹皮の熱水抽出液を試料濃度
0.1、1、10、100、1000(μg/ml)に
した場合、ホオノキ樹脂の熱水抽出液の試料濃度を上げ
ると、HT-1080 細胞の浸潤率が低下していることが認め
られた。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ガン転移抑制剤
及びコラゲナーゼ活性抑制剤に係り、詳しくは漢方薬、
ホウ葉寿司やホウ葉味噌等に広く使用されているホオノ
キ(Magnoliabark)の葉、樹皮(厚朴)、幹材、根皮な
どの部位及びこれらに含まれる成分を含むガン転移抑制
剤及びコラゲナーゼ活性抑制剤に関するものである。
及びコラゲナーゼ活性抑制剤に係り、詳しくは漢方薬、
ホウ葉寿司やホウ葉味噌等に広く使用されているホオノ
キ(Magnoliabark)の葉、樹皮(厚朴)、幹材、根皮な
どの部位及びこれらに含まれる成分を含むガン転移抑制
剤及びコラゲナーゼ活性抑制剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】原発性のガンを治療する方法としては、
ガン病巣の外科的切除、コバルト照射等の放射線治療、
薬物療法なとが主流である。又、薬物療法による薬剤に
はその作用機序から分類すると、下記のように分類され
る。
ガン病巣の外科的切除、コバルト照射等の放射線治療、
薬物療法なとが主流である。又、薬物療法による薬剤に
はその作用機序から分類すると、下記のように分類され
る。
【0003】1) 細胞の染色体のDNA或いはタンパ
ク質をアルキル化して変化させ、分裂を阻止して増殖を
抑えるアルキル化剤(ナイトロジェンマスタード、シク
ロホスファミドやニトロソ尿素形化合物、チオテパ、シ
スプラチン等) 2) 核酸の塩基配列に作用しDNA或いは(RNA)
合成阻害を起こす代謝拮抗剤(葉酸拮抗薬であるメトト
レキセート、メルカプトプリン、シトシンアラビノシ
ド、5−フルオロウラシル等) 3) 抗生物質の中でDNAにインターカレートしDN
Aと反応する、或いはDNA鎖を切断する作用によって
DNA合成を阻害し細胞の増殖阻止活性を持つ抗ガン性
物質(アクチノマイシンD、アントラテトラサイクリン
系化合物のダウノマイシン、アドリアマイシン、マイト
マイシンC、ブレオマイシン、ネオカルノスタチン) 4) ガン細胞の有糸分裂を阻害するビンクリスチン、
ビンブラスチン(ニチニチソウ中のアルカロイド化合
物)、エトポシド(喜樹中のポドフィロトキシン化合
物)、タキソール(西洋イチイ中のタキサン化合物)等
の植物成分 5) ホルモン依存により増殖するガン細胞に対し競合
的に作用するホルモン剤 6) 患者の免疫力一般を高める免疫賦活剤のピシバニ
ール、クレスチン、レンチナン、シゾフィラン、ベスタ
チン
ク質をアルキル化して変化させ、分裂を阻止して増殖を
抑えるアルキル化剤(ナイトロジェンマスタード、シク
ロホスファミドやニトロソ尿素形化合物、チオテパ、シ
スプラチン等) 2) 核酸の塩基配列に作用しDNA或いは(RNA)
合成阻害を起こす代謝拮抗剤(葉酸拮抗薬であるメトト
レキセート、メルカプトプリン、シトシンアラビノシ
ド、5−フルオロウラシル等) 3) 抗生物質の中でDNAにインターカレートしDN
Aと反応する、或いはDNA鎖を切断する作用によって
DNA合成を阻害し細胞の増殖阻止活性を持つ抗ガン性
物質(アクチノマイシンD、アントラテトラサイクリン
系化合物のダウノマイシン、アドリアマイシン、マイト
マイシンC、ブレオマイシン、ネオカルノスタチン) 4) ガン細胞の有糸分裂を阻害するビンクリスチン、
ビンブラスチン(ニチニチソウ中のアルカロイド化合
物)、エトポシド(喜樹中のポドフィロトキシン化合
物)、タキソール(西洋イチイ中のタキサン化合物)等
の植物成分 5) ホルモン依存により増殖するガン細胞に対し競合
的に作用するホルモン剤 6) 患者の免疫力一般を高める免疫賦活剤のピシバニ
ール、クレスチン、レンチナン、シゾフィラン、ベスタ
チン
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のようなこれまで
の抗ガン剤は、原発性のガン細胞の増殖を阻害すること
を目標にして開発されたものが多いが、原発の病巣から
ガン細胞が転移して起こる再発性の転移ガンに対して有
効な抗ガン剤はない。
の抗ガン剤は、原発性のガン細胞の増殖を阻害すること
を目標にして開発されたものが多いが、原発の病巣から
ガン細胞が転移して起こる再発性の転移ガンに対して有
効な抗ガン剤はない。
【0005】ガン転移は、ガン細胞が原発巣を離れて遊
離し、血管内或いはリンパ管に侵入し、さらに血流或い
はリンパ液に運ばれて他の遠隔組織の血管壁或いはリン
パ管壁に着床することから起こる。着床したガン細胞
は、血管壁、或いはリンパ管を抜けて脱出し、組織内で
毛細血管を新生して栄養分を補給しながら急激に増殖す
る。
離し、血管内或いはリンパ管に侵入し、さらに血流或い
はリンパ液に運ばれて他の遠隔組織の血管壁或いはリン
パ管壁に着床することから起こる。着床したガン細胞
は、血管壁、或いはリンパ管を抜けて脱出し、組織内で
毛細血管を新生して栄養分を補給しながら急激に増殖す
る。
【0006】ガン細胞が転移するためには、原発巣から
の離脱、浸潤、脈管内への移行、他臓器の内皮細胞への
接着、脈管外侵出、血管新生能の獲得等、それぞれ異な
る分子が関与するさらに複数のステップを経なければな
らない。このような考え方の基本形を提示したのが、リ
オッタ(Liotta )の浸潤の3段階説である。彼はガン
細胞による基底膜の浸潤は、ガン細胞の基底膜への接
着、基底膜の分解、溶解した間隙の移動のステップによ
って遂行されると提唱された。転移が成立するための分
子的な基盤が明らかになれば、その分子の機能を抑制す
ることで転移を抑制できる。このような過程を制御する
タイプの薬剤は、これまでの化学療法剤の主たる作用で
あるガン細胞の増殖阻害や殺傷、又、免疫賦活作用とは
作用機序が異なり、新しいタイプの抗ガン剤となりう
る。
の離脱、浸潤、脈管内への移行、他臓器の内皮細胞への
接着、脈管外侵出、血管新生能の獲得等、それぞれ異な
る分子が関与するさらに複数のステップを経なければな
らない。このような考え方の基本形を提示したのが、リ
オッタ(Liotta )の浸潤の3段階説である。彼はガン
細胞による基底膜の浸潤は、ガン細胞の基底膜への接
着、基底膜の分解、溶解した間隙の移動のステップによ
って遂行されると提唱された。転移が成立するための分
子的な基盤が明らかになれば、その分子の機能を抑制す
ることで転移を抑制できる。このような過程を制御する
タイプの薬剤は、これまでの化学療法剤の主たる作用で
あるガン細胞の増殖阻害や殺傷、又、免疫賦活作用とは
作用機序が異なり、新しいタイプの抗ガン剤となりう
る。
【0007】又、術後の再発防止を目的としたガン転移
抑制剤はこれまでにない新しいタイプの抗ガン剤であ
り、開発が強く望まれている。この発明は、ガン細胞の
転移を抑制しうるガン転移抑制剤及びコラゲナーゼ活性
抑制剤を提供することを目的としている。
抑制剤はこれまでにない新しいタイプの抗ガン剤であ
り、開発が強く望まれている。この発明は、ガン細胞の
転移を抑制しうるガン転移抑制剤及びコラゲナーゼ活性
抑制剤を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに、請求項1の発明は、マグノロール、ホオノキオー
ルのうち少なくとも一種を有効成分とするガン転移抑制
剤を要旨としている。
めに、請求項1の発明は、マグノロール、ホオノキオー
ルのうち少なくとも一種を有効成分とするガン転移抑制
剤を要旨としている。
【0009】請求項2の発明は、ホオノキもしくはホオ
ノキの同効物又はこれらの抽出物を有効成分とするガン
転移抑制剤をその要旨としている。請求項3の発明は、
請求項2において、抽出物がマグノロール、ホオノキオ
ールのうち少なくとも一種であるガン転移抑制剤を要旨
としている。
ノキの同効物又はこれらの抽出物を有効成分とするガン
転移抑制剤をその要旨としている。請求項3の発明は、
請求項2において、抽出物がマグノロール、ホオノキオ
ールのうち少なくとも一種であるガン転移抑制剤を要旨
としている。
【0010】請求項4の発明は、マグノロール、ホオノ
キオールのうち少なくとも一種を有効成分とするコラゲ
ナーゼ活性抑制剤を要旨としている。請求項5の発明
は、ホオノキもしくはホオノキの同効物又はこれらの抽
出物を有効成分とするコラゲナーゼ活性抑制剤を要旨と
するものである。
キオールのうち少なくとも一種を有効成分とするコラゲ
ナーゼ活性抑制剤を要旨としている。請求項5の発明
は、ホオノキもしくはホオノキの同効物又はこれらの抽
出物を有効成分とするコラゲナーゼ活性抑制剤を要旨と
するものである。
【0011】請求項6の発明は、抽出物がマグノロー
ル、ホオノキオールのうち少なくとも一種である請求項
2に記載のコラゲナーゼ活性抑制剤を要旨とするもので
ある。本発明に使用されるマグノロール(化1)、ホオ
ノキオール(化2)はビフェニルフェニルプロパノイド
骨格を有する。
ル、ホオノキオールのうち少なくとも一種である請求項
2に記載のコラゲナーゼ活性抑制剤を要旨とするもので
ある。本発明に使用されるマグノロール(化1)、ホオ
ノキオール(化2)はビフェニルフェニルプロパノイド
骨格を有する。
【0012】
【化1】
【0013】
【化2】 マグノロール、ホオノキオールに関しては、う蝕予防剤
(特開昭57−85319号)、抗酸化剤(特開昭60
−178818号公報)に挙げられているように生物活
性の面での提案がなされている。しかし、この発明にお
いては、上述した生物活性とは異なる知見を得て成され
たものである。
(特開昭57−85319号)、抗酸化剤(特開昭60
−178818号公報)に挙げられているように生物活
性の面での提案がなされている。しかし、この発明にお
いては、上述した生物活性とは異なる知見を得て成され
たものである。
【0014】本発明の有効成分であるマグノロール、ホ
オノキオールは、それぞれ有機合成的に製造することも
可能であるが、最も効率的に得られるのは、ホオノキか
らの抽出である。ホオノキ(Magnolia bark)の葉、樹
皮(厚朴)、幹材、根皮などの部位から、マグノロー
ル、ホオノキオールを得ることができる。
オノキオールは、それぞれ有機合成的に製造することも
可能であるが、最も効率的に得られるのは、ホオノキか
らの抽出である。ホオノキ(Magnolia bark)の葉、樹
皮(厚朴)、幹材、根皮などの部位から、マグノロー
ル、ホオノキオールを得ることができる。
【0015】特にホオノキの樹皮は生薬の厚朴として知
られており、主としてホオノキ(Magnolia obovata、和
厚朴)、カラホオ(Magnolia officinalis、唐厚朴)及
びその変種(Magnolia officinalis var. biloba、同
上)の樹皮を用いる。
られており、主としてホオノキ(Magnolia obovata、和
厚朴)、カラホオ(Magnolia officinalis、唐厚朴)及
びその変種(Magnolia officinalis var. biloba、同
上)の樹皮を用いる。
【0016】ガン転移抑制剤は、具体的には、再発性ガ
ン予防剤、遊離ガン細胞着床阻害剤、ガン細胞浸潤阻害
剤、ガン組織摘出術後の滋養剤等がある。ガン転移抑制
剤に関するもので、ホオノキの部位を利用調製したも
の、又はこれを加工した製剤等、このような薬剤は新し
いタイプの抗ガン剤としてガン予防、特に転移ガンに対
して有用である。
ン予防剤、遊離ガン細胞着床阻害剤、ガン細胞浸潤阻害
剤、ガン組織摘出術後の滋養剤等がある。ガン転移抑制
剤に関するもので、ホオノキの部位を利用調製したも
の、又はこれを加工した製剤等、このような薬剤は新し
いタイプの抗ガン剤としてガン予防、特に転移ガンに対
して有用である。
【0017】ホオノキの各部位を原料に調製したガン転
移抑制剤は、経口又は非経口に投与され、ガンの転移抑
制、再発予防、又は治療に用いることができる。又、ホ
オノキの全部或いは一部を利用した医療用医薬品の他、
ガン予防を目的とした医薬品、化粧品、医薬部外品、薬
草(薬膳)料理素材、健康食品として用いることができ
る。これらは、いずれも、ホオノキの成分であるマグノ
ロール、ホオノキオールの少なくともいずれか一種を有
効成分としている。
移抑制剤は、経口又は非経口に投与され、ガンの転移抑
制、再発予防、又は治療に用いることができる。又、ホ
オノキの全部或いは一部を利用した医療用医薬品の他、
ガン予防を目的とした医薬品、化粧品、医薬部外品、薬
草(薬膳)料理素材、健康食品として用いることができ
る。これらは、いずれも、ホオノキの成分であるマグノ
ロール、ホオノキオールの少なくともいずれか一種を有
効成分としている。
【0018】なお、この発明でいう、「同効物」には、
ホオノキの同属植物であって、同様の成分を含むもの及
び同一用途の代替品として取り引きされているものを含
む趣旨である。
ホオノキの同属植物であって、同様の成分を含むもの及
び同一用途の代替品として取り引きされているものを含
む趣旨である。
【0019】又、この発明でいう「抽出物」とは、水、
親水性有機溶媒(メタノール、エタノール、ケトン等)
又はこれらの混合物による抽出エキス、及び水蒸気蒸留
による留出物が含まれる。
親水性有機溶媒(メタノール、エタノール、ケトン等)
又はこれらの混合物による抽出エキス、及び水蒸気蒸留
による留出物が含まれる。
【0020】本発明における医薬品としては、カプセル
剤、散剤、顆粒剤、シロップ剤等の内服薬、軟膏剤、ク
リーム剤、吸入剤、点眼剤、点鼻剤、ハップ剤、挫剤、
プラスター剤等の外用薬、又は、注射薬等に応用でき、
日本薬局方製剤総則に記載された方法で製剤化できる。
剤、散剤、顆粒剤、シロップ剤等の内服薬、軟膏剤、ク
リーム剤、吸入剤、点眼剤、点鼻剤、ハップ剤、挫剤、
プラスター剤等の外用薬、又は、注射薬等に応用でき、
日本薬局方製剤総則に記載された方法で製剤化できる。
【0021】例えば、外用剤として使用する場合、基剤
としてはワセリン、パラフィン、シリコーン、及びプラ
スチックベース等の鉱物性基剤、植物油、豚油、ろう
類、単軟膏、単鉛軟膏等の動植物性基剤、親水軟膏等の
O/W型乳剤性基剤、親水ワセリン、精製ラノリン、ア
クアホール、オイセリン、ネオセリン、吸水軟膏、加水
ラノリン、親水プラスチベース(コールドクリーム)等
のO/W型乳剤基剤、マクロゴール類、及びソルベース
等の水溶性基剤、ベーシックローション、グリースレス
ローション等の懸濁性基剤、又、オレイン酸トリエタノ
ールアミン等の石鹸類、ジオクチルスルホコハク酸ナト
リウム等の硫酸化物等を挙げることができる。
としてはワセリン、パラフィン、シリコーン、及びプラ
スチックベース等の鉱物性基剤、植物油、豚油、ろう
類、単軟膏、単鉛軟膏等の動植物性基剤、親水軟膏等の
O/W型乳剤性基剤、親水ワセリン、精製ラノリン、ア
クアホール、オイセリン、ネオセリン、吸水軟膏、加水
ラノリン、親水プラスチベース(コールドクリーム)等
のO/W型乳剤基剤、マクロゴール類、及びソルベース
等の水溶性基剤、ベーシックローション、グリースレス
ローション等の懸濁性基剤、又、オレイン酸トリエタノ
ールアミン等の石鹸類、ジオクチルスルホコハク酸ナト
リウム等の硫酸化物等を挙げることができる。
【0022】又、化粧品としては、スキンローション、
クリーム、乳液等に応用でき、適量を皮膚に塗布し、皮
膚ガン等の転移抑制を目的とし、健康的な皮膚、皮膚色
を保持する。
クリーム、乳液等に応用でき、適量を皮膚に塗布し、皮
膚ガン等の転移抑制を目的とし、健康的な皮膚、皮膚色
を保持する。
【0023】さらに、ガン治療後の滋養やガン転移防止
を目的として使用する健康食品としても応用できる。ガ
ン転移は、ガン細胞が原発巣を離れて遊離し、血管内、
或いはリンパ管内に侵入し、さらに血流、或いはリンパ
液に運ばれて他の遠隔組織の血管壁或いはリンパ管に着
床することから起こる。着床したガン細胞は、血管壁或
いはリンパ管を抜けて脱出し、組織内で毛細血管を新生
して栄養分を補給しながら急激に増殖する。このガン転
移は複雑な過程を経て成立するため、その実験系も複雑
であるが、新しいタイプの抗ガン活性スクリーニング技
術としては、基底膜浸潤実験による活性で効果が確認で
きる。
を目的として使用する健康食品としても応用できる。ガ
ン転移は、ガン細胞が原発巣を離れて遊離し、血管内、
或いはリンパ管内に侵入し、さらに血流、或いはリンパ
液に運ばれて他の遠隔組織の血管壁或いはリンパ管に着
床することから起こる。着床したガン細胞は、血管壁或
いはリンパ管を抜けて脱出し、組織内で毛細血管を新生
して栄養分を補給しながら急激に増殖する。このガン転
移は複雑な過程を経て成立するため、その実験系も複雑
であるが、新しいタイプの抗ガン活性スクリーニング技
術としては、基底膜浸潤実験による活性で効果が確認で
きる。
【0024】そこで、本明細書では、ガン細胞の接着性
や浸潤性を調べるために基底膜浸潤法のモデルとしてケ
モインベージョン法を用いた。この方法はEHS(Enge
lbleth−HOLM−Swarm )腫瘍細胞が産生する細胞外マト
リックスを8ミクロンの穴の開いたフィルター上にコー
トして基底膜に見立てる。ガン細胞をその上に撒いて一
定時間培養すると細胞が基底膜に接着し伸展するのが観
察できる。ガン細胞が分泌する酵素で細胞外マトリック
ス層を分解すればガン細胞はフィルターの穴を通過でき
るようになり、下面に移動することができる。フィルタ
ーの下層に移動した細胞数を調べることにより細胞外マ
トリックスを浸潤する細胞数を調べることができる。ガ
ン組織での浸潤性の強さとケモインベージョン法による
細胞外マトリックス浸潤能とは相関性が見られることか
ら、本実験結果はガン転移抑制効果を検出できる。
や浸潤性を調べるために基底膜浸潤法のモデルとしてケ
モインベージョン法を用いた。この方法はEHS(Enge
lbleth−HOLM−Swarm )腫瘍細胞が産生する細胞外マト
リックスを8ミクロンの穴の開いたフィルター上にコー
トして基底膜に見立てる。ガン細胞をその上に撒いて一
定時間培養すると細胞が基底膜に接着し伸展するのが観
察できる。ガン細胞が分泌する酵素で細胞外マトリック
ス層を分解すればガン細胞はフィルターの穴を通過でき
るようになり、下面に移動することができる。フィルタ
ーの下層に移動した細胞数を調べることにより細胞外マ
トリックスを浸潤する細胞数を調べることができる。ガ
ン組織での浸潤性の強さとケモインベージョン法による
細胞外マトリックス浸潤能とは相関性が見られることか
ら、本実験結果はガン転移抑制効果を検出できる。
【0025】又、本発明はガン転移の抑制を行なうこと
ができるコラーゲン活性抑制剤としても利用できる。
ができるコラーゲン活性抑制剤としても利用できる。
【0026】
【実施例】以下に、実施例を説明するが、実施例に先立
ち、マグノロール及びホオノキオールの抽出法、及び調
製法の例を示す。
ち、マグノロール及びホオノキオールの抽出法、及び調
製法の例を示す。
【0027】(抽出及び調製)以下にホオノキの樹皮、
根皮及び葉から抽出し加工したものの抽出例を示すが、
これらを利用するための調製加工法を限定するものでは
ない。又、ホオノキから得た試料中のマグノロール、ホ
オノキオール含量を示すが、産地、採取樹齢、又は樹木
部位ごとに含量が異なるため、この結果に限定されるも
のではない。
根皮及び葉から抽出し加工したものの抽出例を示すが、
これらを利用するための調製加工法を限定するものでは
ない。又、ホオノキから得た試料中のマグノロール、ホ
オノキオール含量を示すが、産地、採取樹齢、又は樹木
部位ごとに含量が異なるため、この結果に限定されるも
のではない。
【0028】1.ホオノキの樹皮、根皮、幹材及び葉の
調製 ホオノキから樹皮及び根皮をはぎ取り(5月から9月頃
なら容易にはぎ取れる)乾燥し、ミキサーなどで粉砕し
た。幹材は、黄緑色に心材部と白色の辺材部があり、そ
れぞれ別個に削り取り乾燥し、ミキサーなどで粉砕す
る。葉は5月から8月に採取し、生葉、日陰で乾燥し
た。以下、調製用または加工用にこれらを使用した場合
は、単に原料という。
調製 ホオノキから樹皮及び根皮をはぎ取り(5月から9月頃
なら容易にはぎ取れる)乾燥し、ミキサーなどで粉砕し
た。幹材は、黄緑色に心材部と白色の辺材部があり、そ
れぞれ別個に削り取り乾燥し、ミキサーなどで粉砕す
る。葉は5月から8月に採取し、生葉、日陰で乾燥し
た。以下、調製用または加工用にこれらを使用した場合
は、単に原料という。
【0029】2.調製及び加工材中のマグノロール及び
ホオノキオール含量の測定 それぞれの原料約50gづつを300mlのナス型フラ
スコに秤量し、エーテル200mlを加え還流冷却器を
取り付けた後、50℃以下の水浴で1時間加熱した。冷
後ろ紙(定量用ろ紙)でろ過し、残渣にさらにエーテル
200mlを加え同様に操作した。エーテル層は合わ
せ、エバポレーターで減圧留去した。残留物にメタノー
ルを加えて溶解し、メタノールで正確に20mlとし試
料溶液とした。また、これらから抽出した希エタノール
エキス及び熱水抽出エキスはメタノール50mLに溶解し試
料溶液とした。
ホオノキオール含量の測定 それぞれの原料約50gづつを300mlのナス型フラ
スコに秤量し、エーテル200mlを加え還流冷却器を
取り付けた後、50℃以下の水浴で1時間加熱した。冷
後ろ紙(定量用ろ紙)でろ過し、残渣にさらにエーテル
200mlを加え同様に操作した。エーテル層は合わ
せ、エバポレーターで減圧留去した。残留物にメタノー
ルを加えて溶解し、メタノールで正確に20mlとし試
料溶液とした。また、これらから抽出した希エタノール
エキス及び熱水抽出エキスはメタノール50mLに溶解し試
料溶液とした。
【0030】ホオノキオール標準品(和光純薬工業,Lo
t.No.LEN7980)、マグノロール標準品(和光純薬工業,
Lot.No.LEP7742)各10mgを秤取し、メタノールに溶
解し正確に20mlとし標準溶液とした。HPLC条件
は、オクタデシルシラノール基を修飾したシリカゲル
(粒子径5μm、TSKgelトソー社)を4mm径長さ15
cmのカラムに充填したものを用い、移動相に水:アセ
トニトリル:酢酸混液(40:60:1 )を毎分1.0mlで
流し、紫外線吸光光度計(294nm)でマグノロール
及びホオノキオールを検出した。両成分の標準品を用い
含量を算出す
t.No.LEN7980)、マグノロール標準品(和光純薬工業,
Lot.No.LEP7742)各10mgを秤取し、メタノールに溶
解し正確に20mlとし標準溶液とした。HPLC条件
は、オクタデシルシラノール基を修飾したシリカゲル
(粒子径5μm、TSKgelトソー社)を4mm径長さ15
cmのカラムに充填したものを用い、移動相に水:アセ
トニトリル:酢酸混液(40:60:1 )を毎分1.0mlで
流し、紫外線吸光光度計(294nm)でマグノロール
及びホオノキオールを検出した。両成分の標準品を用い
含量を算出す
【0031】る。その結果を表1に示した。 (以下、余白)
【0032】
【表1】 3. 熱水抽出エキスの調製法 原料をミキサーなどで粉末にし、その約500gを秤取
し、2リットルのビーカーに入れる。これに蒸留水50
0mlを加え約30分間浸積する。さらに、蒸留水50
0mlを追加しホットプレート上或はバーナーで約3時
間煮する。冷後、ガーゼをろ布とした広口のロートでろ
過する。残渣に、蒸留水1リットルを加え約1時間煮沸
する。冷後、同様にろ過する。ろ液は合わせ、定性用ろ
紙を用いて再度ろ過する。200mlのビーカーに分注
し、凍結する。凍結乾燥機を用い乾燥する。乾燥粉末を
合わせ収量を測定する。
し、2リットルのビーカーに入れる。これに蒸留水50
0mlを加え約30分間浸積する。さらに、蒸留水50
0mlを追加しホットプレート上或はバーナーで約3時
間煮する。冷後、ガーゼをろ布とした広口のロートでろ
過する。残渣に、蒸留水1リットルを加え約1時間煮沸
する。冷後、同様にろ過する。ろ液は合わせ、定性用ろ
紙を用いて再度ろ過する。200mlのビーカーに分注
し、凍結する。凍結乾燥機を用い乾燥する。乾燥粉末を
合わせ収量を測定する。
【0033】4. 希エタノールエキスの調製法 原料を前項3.と同様に粉末とする。この約500gを
秤取し、2リットルのビーカーに入れる。希エタノール
を500mlに約30分間浸積する。さらに希エタノー
ルを500ml追加しよくかき混ぜ、約24時間放置す
る。定性用ろ紙を通し口のロートでろ過する。抽出液の
保存は冷蔵室で行い、残留物にはさらに希エタノールを
1リットル追加し約24時間放置する。同様にろ過し適
量ずつナス型フラスコに分注し、エバポレータで留去す
る。希エタノールエキスを合わせ収量を測定する。
秤取し、2リットルのビーカーに入れる。希エタノール
を500mlに約30分間浸積する。さらに希エタノー
ルを500ml追加しよくかき混ぜ、約24時間放置す
る。定性用ろ紙を通し口のロートでろ過する。抽出液の
保存は冷蔵室で行い、残留物にはさらに希エタノールを
1リットル追加し約24時間放置する。同様にろ過し適
量ずつナス型フラスコに分注し、エバポレータで留去す
る。希エタノールエキスを合わせ収量を測定する。
【0034】マグノロール及びホオノキオールの測定法
は前項と同様であり、その含量は表2に示す。
は前項と同様であり、その含量は表2に示す。
【0035】
【表2】 5.マグノロール及びホオノキオール精製法 次に、マグノロール及びホオノキオール精製法の例を示
し、本発明での抽出成分例を具体的に説明する。ただ
し、精製法はこれに限定されるものではない。
し、本発明での抽出成分例を具体的に説明する。ただ
し、精製法はこれに限定されるものではない。
【0036】5.1.ホオノキの樹皮又は根皮を材料に
したマグノロール及びホオノキオールの精製法 乾燥した原料(ホオノキの樹皮又は根皮)約3kgを粉
末とし、エーテルを加えて一昼夜浸漬した。ブフナーロ
ートで吸引ろ過(定性用ろ紙)してエーテル層を集め、
これを3回繰り返して抽出した。エーテル層を濃縮後、
これにメタノールを同量徐々に加え、恒温水槽中(水温
約30℃)で換気を行ないながら、エーテルを留去し
た。低温(約4℃)で一昼夜放置した上清部分をミリポ
アフィルター(膜孔サイズ50μm)でろ過し、分取液
体クロマトグラフ装置(分取HPLC)用の試料とし
た。
したマグノロール及びホオノキオールの精製法 乾燥した原料(ホオノキの樹皮又は根皮)約3kgを粉
末とし、エーテルを加えて一昼夜浸漬した。ブフナーロ
ートで吸引ろ過(定性用ろ紙)してエーテル層を集め、
これを3回繰り返して抽出した。エーテル層を濃縮後、
これにメタノールを同量徐々に加え、恒温水槽中(水温
約30℃)で換気を行ないながら、エーテルを留去し
た。低温(約4℃)で一昼夜放置した上清部分をミリポ
アフィルター(膜孔サイズ50μm)でろ過し、分取液
体クロマトグラフ装置(分取HPLC)用の試料とし
た。
【0037】分取HPLC条件は、逆相単体シリカゲル
(Prep Nova-PackHRC18、40mm×300cm、粒子径6
μm、日本ウォーターズ社製)を充填したカラムを用い
た。移動相に水:メタノール:酢酸混液(30:70:
1)を毎分5.0mlで流し、紫外線吸光光度計(29
4nm)でマグノロール、及びホオノキオールを常法によ
り分取した。分取成分は文献値(藤田路一ら、薬学雑
誌.93,422,1973)のマグノロール、及びホ
オノキオールと一致した。収率はおよそ87%及び92
%であった。
(Prep Nova-PackHRC18、40mm×300cm、粒子径6
μm、日本ウォーターズ社製)を充填したカラムを用い
た。移動相に水:メタノール:酢酸混液(30:70:
1)を毎分5.0mlで流し、紫外線吸光光度計(29
4nm)でマグノロール、及びホオノキオールを常法によ
り分取した。分取成分は文献値(藤田路一ら、薬学雑
誌.93,422,1973)のマグノロール、及びホ
オノキオールと一致した。収率はおよそ87%及び92
%であった。
【0038】5.2. ホオノキの葉を材料にしたマグ
ノロール及びホオノキオールの精製法 乾燥した原料(ホオノキの葉)約10kgをミキサー等
で粉末とする。この約1kgを5リットルのビーカーに
取り、エーテル3リットルを加え、一昼夜浸漬する。ブ
フナーロート(径15cm)に定性用ろ紙(アドバンテ
ック、No.2,12.5cm)を置き、吸引ろ過して
エーテル層を集める。これを10回繰り返し、エーテル
層を集めて約2リットルになるまで濃縮する。この50
0mlを2リットルの分液ロート入れ、水500mlを
加え振とう器で約3分振とうした後放置し、必要なら食
塩を加えて分離を早めてエーテル層を分離した。さらに
水500mlで3回同様に抽出した(クロロフィルの除
去のため)。残りのエーテル層についても同様に操作し
た。集めたエーテル層にメタノールを同量徐々に加え、
以下、前述の5.1.と同様に処理しマグノロール及び
ホオノキオールを得た。マグノロールの収率は約24
%、ホオノキオールの収率は15%であった。
ノロール及びホオノキオールの精製法 乾燥した原料(ホオノキの葉)約10kgをミキサー等
で粉末とする。この約1kgを5リットルのビーカーに
取り、エーテル3リットルを加え、一昼夜浸漬する。ブ
フナーロート(径15cm)に定性用ろ紙(アドバンテ
ック、No.2,12.5cm)を置き、吸引ろ過して
エーテル層を集める。これを10回繰り返し、エーテル
層を集めて約2リットルになるまで濃縮する。この50
0mlを2リットルの分液ロート入れ、水500mlを
加え振とう器で約3分振とうした後放置し、必要なら食
塩を加えて分離を早めてエーテル層を分離した。さらに
水500mlで3回同様に抽出した(クロロフィルの除
去のため)。残りのエーテル層についても同様に操作し
た。集めたエーテル層にメタノールを同量徐々に加え、
以下、前述の5.1.と同様に処理しマグノロール及び
ホオノキオールを得た。マグノロールの収率は約24
%、ホオノキオールの収率は15%であった。
【0039】(実施例)以下に、上記3.、4.のよう
に調製した熱水抽出エキス(熱水抽出液)及び希エタノ
ールエキス(希エタノール抽出液)のガン転移抑制作用
を示す実施例を説明する。
に調製した熱水抽出エキス(熱水抽出液)及び希エタノ
ールエキス(希エタノール抽出液)のガン転移抑制作用
を示す実施例を説明する。
【0040】(実施例1)本実施例1は、ホオノキ樹皮
(厚朴)の熱水抽出液及び希エタノール抽出液のガン転
移抑制作用を示す実施例である。
(厚朴)の熱水抽出液及び希エタノール抽出液のガン転
移抑制作用を示す実施例である。
【0041】以下に、本実施例1及び後記する他の各実
施例において、使用するガン細胞、試料及び試料の調製
について、説明する。 (1.1) 細胞及び試料の調製 (1.1.1) 使用するガン細胞 使用するHT−1080細胞は、ガン治療を受けていな
い35歳の白人男性の繊維芽肉腫から確立された株であ
り、試験管外(in vivo)及び試験管内(in vitro )
の転移実験に広く用いられている。本細胞の重要な特徴
の1つとしてin vivo及びin vitro での高い転移、浸
潤能力をもつことが挙げられ、分子量72kDa及び9
2kDaのIV型コラゲナーゼ(MMP2,MMP9)の
双方を分泌することが知られている。
施例において、使用するガン細胞、試料及び試料の調製
について、説明する。 (1.1) 細胞及び試料の調製 (1.1.1) 使用するガン細胞 使用するHT−1080細胞は、ガン治療を受けていな
い35歳の白人男性の繊維芽肉腫から確立された株であ
り、試験管外(in vivo)及び試験管内(in vitro )
の転移実験に広く用いられている。本細胞の重要な特徴
の1つとしてin vivo及びin vitro での高い転移、浸
潤能力をもつことが挙げられ、分子量72kDa及び9
2kDaのIV型コラゲナーゼ(MMP2,MMP9)の
双方を分泌することが知られている。
【0042】前記MMP9は、血管或いはリンパ管の基
底膜の成分であるコラーゲンを分解する酵素として知ら
れており、前記HT−1080細胞は、上記酵素によっ
て、血管等の基底膜へ浸潤する。
底膜の成分であるコラーゲンを分解する酵素として知ら
れており、前記HT−1080細胞は、上記酵素によっ
て、血管等の基底膜へ浸潤する。
【0043】本細胞は以下に示す10%Fetal Bovine
Serum (FBS )-EMEM 中にて培養し継代、維持した。 <無血清(SF)-EMEMの調製法> ・Eagle,s Minimum Essential Medium (EMEM)(Gibco ,Lot.No.72P 1063) 9.53g ・炭酸水素ナトリウム 2.2g ・5000単位/ml ペニシリン−5000μg/mlストレプトマイシン(Gibco , Lot.No.18P5366) 0.5ml ・MEM 非必須アミノ酸溶液(Gibco ,Lot.No.24K9164) 10ml ・MEM ビタミン溶液(Gibco ,Lot.No.24K0260) 20ml ・200mM L- グルタミン溶液(Gibco ,Lot.No.18K9164) 10ml ・100mM ピルビン酸ナトリウム(Gibco ,Lot.No.22N9561) 10ml 以上を特級水1リットルに溶解し、メンブランフィルタ
ー(0.20μm )にてろ過滅菌後、4℃で保存した。
Serum (FBS )-EMEM 中にて培養し継代、維持した。 <無血清(SF)-EMEMの調製法> ・Eagle,s Minimum Essential Medium (EMEM)(Gibco ,Lot.No.72P 1063) 9.53g ・炭酸水素ナトリウム 2.2g ・5000単位/ml ペニシリン−5000μg/mlストレプトマイシン(Gibco , Lot.No.18P5366) 0.5ml ・MEM 非必須アミノ酸溶液(Gibco ,Lot.No.24K9164) 10ml ・MEM ビタミン溶液(Gibco ,Lot.No.24K0260) 20ml ・200mM L- グルタミン溶液(Gibco ,Lot.No.18K9164) 10ml ・100mM ピルビン酸ナトリウム(Gibco ,Lot.No.22N9561) 10ml 以上を特級水1リットルに溶解し、メンブランフィルタ
ー(0.20μm )にてろ過滅菌後、4℃で保存した。
【0044】<10%FBS-EMEMの調製法>SF-EMEM 50
0mlに対しFBS (ウシ胎児血清)50mlを無菌的に
加え、4℃で保存した。
0mlに対しFBS (ウシ胎児血清)50mlを無菌的に
加え、4℃で保存した。
【0045】(1.1.2) 酵素活性測定における培
養上清精製試料の調製 酵素活性測定における培養上清精製試料の調製には、ヒ
ト急性単球性白血病細胞THP-1 を使用した。THP-1 はゼ
ラチンを基質とする92kDa のMMP9(gelatinase B)のみを
特異的に分泌することが知られている。本細胞は以下に
示す10%FBS-RPMI 中にて培養し継代、維持した。
養上清精製試料の調製 酵素活性測定における培養上清精製試料の調製には、ヒ
ト急性単球性白血病細胞THP-1 を使用した。THP-1 はゼ
ラチンを基質とする92kDa のMMP9(gelatinase B)のみを
特異的に分泌することが知られている。本細胞は以下に
示す10%FBS-RPMI 中にて培養し継代、維持した。
【0046】なお、HT−1080細胞から直接MMP
9を抽出する方法も考えられるが、MMP2との分離が
必要となり、又、量的にMMP9を多く得られないた
め、ここでは、上記THP-1 から分泌したMMP9を使用
した。
9を抽出する方法も考えられるが、MMP2との分離が
必要となり、又、量的にMMP9を多く得られないた
め、ここでは、上記THP-1 から分泌したMMP9を使用
した。
【0047】 <SF-RPMI の調製法> ・RPMI 1640 (Gibco ,Lot.No.72P8553) 10.39g ・炭酸水素ナトリウム 2.0g 以上を特級水1リットルに溶解し、メンブランフィルタ
ー(0.20μm )にてろ過滅菌後、4℃で保存した。
ー(0.20μm )にてろ過滅菌後、4℃で保存した。
【0048】<10%FBS-RPMI の調製法>SF-RPMI 500
mlに対しFBS 50mlを無菌的に加え、4℃で保存し
た。 (1.2) PBS およびEDTAの調製法 <PBS (りん酸緩衝溶液)の調製> ・NaCl 8.50g ・Na2HPO4 1.48g ・KH2PO4 0.35g 以上を特級水1.0リットルに溶解後、高圧蒸気滅菌
(121℃、20分間)した。非無菌的に使用するもの
についてはそのまま用いた。
mlに対しFBS 50mlを無菌的に加え、4℃で保存し
た。 (1.2) PBS およびEDTAの調製法 <PBS (りん酸緩衝溶液)の調製> ・NaCl 8.50g ・Na2HPO4 1.48g ・KH2PO4 0.35g 以上を特級水1.0リットルに溶解後、高圧蒸気滅菌
(121℃、20分間)した。非無菌的に使用するもの
についてはそのまま用いた。
【0049】<1mM EDTA-PBSの調製>1mM のEDTA(
0.37224g)をPBS 1.0リットルに溶解後、高
圧蒸気滅菌(121℃、20分間)した。
0.37224g)をPBS 1.0リットルに溶解後、高
圧蒸気滅菌(121℃、20分間)した。
【0050】(1.3) HT-1080細胞懸濁液の調製法 HT-1080 細胞は細胞懸濁液として実験に用いた。すなわ
ち、細胞を培養しているカルチャーフラスコから培養上
清を除き、フラスコにPBS を10ml入れて細胞を洗っ
た後、取り除く。フラスコに1mM EDTA-PBS を5ml
入れて1分ほど放置した後、取り除く。フラスコをたた
いて細胞をはがす。フラスコにSF-EMEMを適量加えてピ
ペット操作により細胞を撹拌した後、その一部を遠沈管
に移し、残りには適量の10%FBS-EMEMを加えて再び培
養を続けた。遠沈管を遠心分離(1000回転,5分
間)にかけ、上清を捨てる。遠心管の細胞の溜った底の
部分をタッピングした後、SF-EMEM を適量加えミキサ−
にかけて撹拌した。以後、遠沈管は氷中に置く。細胞数
の計測を行い、活性試験に必要な細胞数が得られるよう
に適量のSF-EMEM を加えて希釈した。
ち、細胞を培養しているカルチャーフラスコから培養上
清を除き、フラスコにPBS を10ml入れて細胞を洗っ
た後、取り除く。フラスコに1mM EDTA-PBS を5ml
入れて1分ほど放置した後、取り除く。フラスコをたた
いて細胞をはがす。フラスコにSF-EMEMを適量加えてピ
ペット操作により細胞を撹拌した後、その一部を遠沈管
に移し、残りには適量の10%FBS-EMEMを加えて再び培
養を続けた。遠沈管を遠心分離(1000回転,5分
間)にかけ、上清を捨てる。遠心管の細胞の溜った底の
部分をタッピングした後、SF-EMEM を適量加えミキサ−
にかけて撹拌した。以後、遠沈管は氷中に置く。細胞数
の計測を行い、活性試験に必要な細胞数が得られるよう
に適量のSF-EMEM を加えて希釈した。
【0051】(1.4) 試料 前項で得たホオノキ樹皮(厚朴)びホオノキの葉から抽
出した、希エタノールエキス及び熱水抽出エキスを使用
した。各試料とも100%DMSO(ジメチルスルホキ
シド)に溶解して20ml溶液とし、凍結保存する。こ
れを用時PBS で希釈したものをサンプルとした。
出した、希エタノールエキス及び熱水抽出エキスを使用
した。各試料とも100%DMSO(ジメチルスルホキ
シド)に溶解して20ml溶液とし、凍結保存する。こ
れを用時PBS で希釈したものをサンプルとした。
【0052】(2) ガン転移抑制試験方法(基底膜浸
潤試験) 次に、ガン転移抑制試験方法を、各試料毎に下記(2.
1)の「器具および試薬」を使用して、(2.2)の
「操作」に従って行った。
潤試験) 次に、ガン転移抑制試験方法を、各試料毎に下記(2.
1)の「器具および試薬」を使用して、(2.2)の
「操作」に従って行った。
【0053】(2.1) 器具および試薬 ・1mg/mlマトリジェル(MG)溶液 マトリジェル(Collaborative Biomedical Products )
を無菌PBS にて1mg/ml に希釈して用いた。
を無菌PBS にて1mg/ml に希釈して用いた。
【0054】・24穴マルチプレート ・トランスウェルチャンバー(Coastar 社) ・ポリビニルピロリドンフリー・ポリカーボネートフィ
ルター(8 μm ,13mm,Coastar 社) ・オイキット(EUKITT:製造元 O,KINDLER ,発売元
高橋技研硝子(株) ・ヘマトキシリン/ エオシン < ヘマトキシリン溶液の調製> ・ヘマトキシリン結晶(ナカライテスク、Lot.No.M3B7508) 2.5g ・95%エタノ−ル 25ml ・硫酸アルミニウムカリウム 50g ・過マンガン酸カリウム 0.5g ・蒸留水 ヘマトキシリン- 95%エタノ−ル溶液25mlと硫酸
アルミニウムカリウム溶液500ml、過マンガン酸カ
リウム溶液47mlを大型の蒸発皿にいれ、ガラス棒で
攪拌しながら加熱する。沸騰したら30秒後に加熱を止
め、放冷した後濾過する。500mlのバイアルビンに
て常温で保存する。尚、使用時には褐色小バイアルビン
に小分けする。
ルター(8 μm ,13mm,Coastar 社) ・オイキット(EUKITT:製造元 O,KINDLER ,発売元
高橋技研硝子(株) ・ヘマトキシリン/ エオシン < ヘマトキシリン溶液の調製> ・ヘマトキシリン結晶(ナカライテスク、Lot.No.M3B7508) 2.5g ・95%エタノ−ル 25ml ・硫酸アルミニウムカリウム 50g ・過マンガン酸カリウム 0.5g ・蒸留水 ヘマトキシリン- 95%エタノ−ル溶液25mlと硫酸
アルミニウムカリウム溶液500ml、過マンガン酸カ
リウム溶液47mlを大型の蒸発皿にいれ、ガラス棒で
攪拌しながら加熱する。沸騰したら30秒後に加熱を止
め、放冷した後濾過する。500mlのバイアルビンに
て常温で保存する。尚、使用時には褐色小バイアルビン
に小分けする。
【0055】 <エオシン溶液の調製> ・エオシン Y(林純薬工業,Lot.No. IHL-08436 ) 0.5g ・蒸留水 100ml エオシンYを蒸留水100mLに溶解させ、褐色バイアル
ビンにて常温で保存する。使用時に褐色小バイアルビン
に小分けする。
ビンにて常温で保存する。使用時に褐色小バイアルビン
に小分けする。
【0056】(2.2) 操作 (2.2.1) トランスウェルチャンバーの組立 チャンバー底面に薄くマニキュア(接着剤)を塗布す
る。ポリビニルピロリドンフリー・ポリカーボネートフ
ィルターの光沢面を上にして、上に接着剤のついたウェ
ルを押し付ける。フィルターとプラッテの間には付属の
シートが存在する。フィルターが完全に接着されたかど
うか確認する。チャンバーを逆さにして乾燥させる。
る。ポリビニルピロリドンフリー・ポリカーボネートフ
ィルターの光沢面を上にして、上に接着剤のついたウェ
ルを押し付ける。フィルターとプラッテの間には付属の
シートが存在する。フィルターが完全に接着されたかど
うか確認する。チャンバーを逆さにして乾燥させる。
【0057】(2.2.2) フィルターコーティング チャンバーを24穴プレートに入れ、チャンバーの内側か
らフィルターにマイクロピペッターでマトリジェル( P
BS中)を5μg/50μlのせる。室温で風乾させる。
らフィルターにマイクロピペッターでマトリジェル( P
BS中)を5μg/50μlのせる。室温で風乾させる。
【0058】(2.2.3) インキュベ−ション 24穴マルチプレートの各穴に10%FBS-EMEMを600μ
lずつ入れる。マイクロチューブに細胞懸濁液100μ
l(1.0 ×105 細胞数)及びサンプル(25μl)(ま
たはコントロールとしてPBS )を合わせ、ミキサーにか
けて撹拌する。チャンバーをプレートに入れる。チャン
バー上室に前記攪拌した液を125μlずつ加える。プ
レートにふたをして37℃でインキュベートする(CO
2 インキュベ−ター)。
lずつ入れる。マイクロチューブに細胞懸濁液100μ
l(1.0 ×105 細胞数)及びサンプル(25μl)(ま
たはコントロールとしてPBS )を合わせ、ミキサーにか
けて撹拌する。チャンバーをプレートに入れる。チャン
バー上室に前記攪拌した液を125μlずつ加える。プ
レートにふたをして37℃でインキュベートする(CO
2 インキュベ−ター)。
【0059】(2.2.4) 細胞の染色 インキュベート終了後チャンバーを横向きにして(フィ
ルター面を下にしないようにすること)メタノールに1
分間程度浸す。チャンバーをキムワイプに横向きに取
り、メタノールをきる。チャンバーごとにヘマトキシリ
ン液に3分間浸した後、水浴にいれてヘマトキシリンを
洗い流す。チャンバーをキムワイプに横向きに取り、水
をきる。チャンバーごとエオシン液に20秒間浸した後、
水洗する。次にチャンバーの水を切った後、押しつぶし
た綿棒でチャンバーの内側からフィルターを拭く。
ルター面を下にしないようにすること)メタノールに1
分間程度浸す。チャンバーをキムワイプに横向きに取
り、メタノールをきる。チャンバーごとにヘマトキシリ
ン液に3分間浸した後、水浴にいれてヘマトキシリンを
洗い流す。チャンバーをキムワイプに横向きに取り、水
をきる。チャンバーごとエオシン液に20秒間浸した後、
水洗する。次にチャンバーの水を切った後、押しつぶし
た綿棒でチャンバーの内側からフィルターを拭く。
【0060】(2.2.5) プレパラ−トの作成 スライドグラスにガラス棒でEUKITTを適量のせる。フィ
ルタ−をキシレンで湿らせて、フィルタ−下層面を上に
してスライドグラスのEUKITT上に静かにのせる。カバ−
ガラスの一端にキシレンをつけて気泡が入らないようス
ライドグラスにのせ、その上をピンセットで軽く押さえ
つけてEUKITTをはみ出させる。
ルタ−をキシレンで湿らせて、フィルタ−下層面を上に
してスライドグラスのEUKITT上に静かにのせる。カバ−
ガラスの一端にキシレンをつけて気泡が入らないようス
ライドグラスにのせ、その上をピンセットで軽く押さえ
つけてEUKITTをはみ出させる。
【0061】(2.2.6)カウント 100倍で観察し細胞が均一に出ている部分を選択し、
400倍に切り替える。400倍下でランダムに5視野
を選択し、カウントする。5視野の平均値をそのフィル
タ−についてのデ−タとする。
400倍に切り替える。400倍下でランダムに5視野
を選択し、カウントする。5視野の平均値をそのフィル
タ−についてのデ−タとする。
【0062】(2.2.7) 結果 本実施例において、ホオノキ樹皮(熱水抽出液及び希エ
タノール抽出液)の抽出液を試料濃度0.1、1、1
0、100、1000(μg/ml)にした場合の結果
を図1及び図2に示す。
タノール抽出液)の抽出液を試料濃度0.1、1、1
0、100、1000(μg/ml)にした場合の結果
を図1及び図2に示す。
【0063】なお、図1及び図2では、縦軸は浸潤率
(%)、横軸は試料(サンプル)濃度(μg/ml)を
表す。浸潤率とは、試料を入れないで同様に上記操作で
行なった場合に浸潤した細胞数との割合である。
(%)、横軸は試料(サンプル)濃度(μg/ml)を
表す。浸潤率とは、試料を入れないで同様に上記操作で
行なった場合に浸潤した細胞数との割合である。
【0064】上記図1及び図2に示されているように、
ホオノキ樹脂の熱水抽出液、希エタノール抽出液のいず
れもが、その試料濃度を上げると、HT-1080 細胞の浸潤
率が低下していることが認められ、これらのガン転移抑
制作用は極めて高いことが確認できた。
ホオノキ樹脂の熱水抽出液、希エタノール抽出液のいず
れもが、その試料濃度を上げると、HT-1080 細胞の浸潤
率が低下していることが認められ、これらのガン転移抑
制作用は極めて高いことが確認できた。
【0065】(実施例2)本実験例では、ホオノキ葉の
熱水抽出液及び希エタノール抽出液のガン転移抑制作用
を示す。
熱水抽出液及び希エタノール抽出液のガン転移抑制作用
を示す。
【0066】本実施例では、実施例1の操作、試料のう
ち、前項実施例1の1-4 の試料において、ホオノキ樹皮
(厚朴)やホオノキ葉抽出エキスを用いたところを、こ
の実施例2ではホオノキ葉の熱水抽出液及び希エタノー
ル抽出液を使用した。各試料とも100%DMSOに溶
解して20mM溶液とし、凍結保存する。これを用時P
BSで希釈したものをサンプル(試料)とした。上記の
試料が異なるのみで、他については、実施例1と同様に
測定した。その結果を図3及び図4に示す。
ち、前項実施例1の1-4 の試料において、ホオノキ樹皮
(厚朴)やホオノキ葉抽出エキスを用いたところを、こ
の実施例2ではホオノキ葉の熱水抽出液及び希エタノー
ル抽出液を使用した。各試料とも100%DMSOに溶
解して20mM溶液とし、凍結保存する。これを用時P
BSで希釈したものをサンプル(試料)とした。上記の
試料が異なるのみで、他については、実施例1と同様に
測定した。その結果を図3及び図4に示す。
【0067】上記図3及び図4に示されているように、
ホオノキ葉の熱水抽出液、希エタノール抽出液のいずれ
もが、その試料濃度を上げると、HT-1080 細胞の浸潤率
が低下していることが認められ、これらのガン転移抑制
作用は極めて高いことが確認できた。
ホオノキ葉の熱水抽出液、希エタノール抽出液のいずれ
もが、その試料濃度を上げると、HT-1080 細胞の浸潤率
が低下していることが認められ、これらのガン転移抑制
作用は極めて高いことが確認できた。
【0068】(実施例3)本実施例では、マグノロール
及びホオノキオールのガン転移抑制作用を示す。前記実
施例1の1−4の試料に、ホオノキ樹皮(厚朴)やホオ
ノキ葉抽出エキスを用いたところを、ホオノキオール及
びマグノロールを使用した。各試料とも100%DMS
Oに溶解して20mM溶液とし、凍結保存する。これを
用時PBSで希釈したものをサンプル(試料)とした。
上記の試料が異なるのみで、他については、実施例1と
同様に測定した。試料濃度は、それぞれ0.01、0.
11、10、100(μM)にした場合である。その結
果を図5及び図6に示す。
及びホオノキオールのガン転移抑制作用を示す。前記実
施例1の1−4の試料に、ホオノキ樹皮(厚朴)やホオ
ノキ葉抽出エキスを用いたところを、ホオノキオール及
びマグノロールを使用した。各試料とも100%DMS
Oに溶解して20mM溶液とし、凍結保存する。これを
用時PBSで希釈したものをサンプル(試料)とした。
上記の試料が異なるのみで、他については、実施例1と
同様に測定した。試料濃度は、それぞれ0.01、0.
11、10、100(μM)にした場合である。その結
果を図5及び図6に示す。
【0069】なお、図5及び図6において、縦軸は浸潤
率(%)、横軸は試料(サンプル)濃度(μM)を表
す。上記図5及び図6に示されているように、マグノロ
ール、ホオノキオールのいずれもが、その試料濃度を上
げると、HT-1080 細胞の浸潤率が低下していることが認
められ、これらのガン転移抑制作用は極めて高いことが
確認できた。
率(%)、横軸は試料(サンプル)濃度(μM)を表
す。上記図5及び図6に示されているように、マグノロ
ール、ホオノキオールのいずれもが、その試料濃度を上
げると、HT-1080 細胞の浸潤率が低下していることが認
められ、これらのガン転移抑制作用は極めて高いことが
確認できた。
【0070】又、実施例3においては、マグノロール及
びホオノキオールを試料(サンプル)としてIV型コラゲ
ナーゼ活性測定を行なった。以下に、IV型コラゲナーゼ
活性測定を説明する。
びホオノキオールを試料(サンプル)としてIV型コラゲ
ナーゼ活性測定を行なった。以下に、IV型コラゲナーゼ
活性測定を説明する。
【0071】(3) IV 型コラゲナーゼ活性測定 次に、IV型コラゲナーゼ活性測定を下記(3.1)「器
具および試薬」、(3.2)「操作」によって行なっ
た。
具および試薬」、(3.2)「操作」によって行なっ
た。
【0072】(3.1) 器具および試薬 ・A 緩衝液 Tris-HCl 1.2g NaCl 58.44g 以上を特級水1リットルに溶解し、pH7.5に調製す
る。
る。
【0073】・B 緩衝液 Tris-HCl 1.2g DMSO 100g 以上を特級水1リットルに溶解し、pH7.5に調製す
る。
る。
【0074】・TNC 緩衝液 Tris-HCl 6.0g NaCl 8.8g CaCl2 1.47g Brij-35 (ブリジ系界面活性剤)0.5g 以上を特級水1 リットルに溶解し、pH7.5に調製す
る。
る。
【0075】・50μg/l TPA-RPMI SF−EMEM(無血清EMEM)培地に12-O-tetradecanoylphor
bol 13-acetate(TPA)を50μg/lとなるように添加す
る。
bol 13-acetate(TPA)を50μg/lとなるように添加す
る。
【0076】・ゼラチンセファロースアフィニティーカ
ラム ・IV型コラゲナーゼ測定キット(ヤガイ) ・4-アミノフェニール水銀酢酸(APMA) (3.2) 操作 (3.2.1) THP-1 培養上清試料の精製 10%FBS-RPMI培地で培養しているTHP-1 を遠心分離
(1000回転,5分間)後、SF-RPMI に再懸濁させて
回収し、50μg/l TPA-RPMIで2日間培養する。細胞
培養液を遠心分離(1000回転,5分間)し、上清を
回収する。あらかじめA緩衝液を流しておいたゼラチン
セファロースアフィニティーカラムに培養上清をとお
す。B緩衝液で洗い流す。この画分は回収する。回収し
た画分をイオン交換水に対して1晩透析する。これを凍
結乾燥により1000倍濃縮する。これを TNC緩衝液で
希釈して用いる。
ラム ・IV型コラゲナーゼ測定キット(ヤガイ) ・4-アミノフェニール水銀酢酸(APMA) (3.2) 操作 (3.2.1) THP-1 培養上清試料の精製 10%FBS-RPMI培地で培養しているTHP-1 を遠心分離
(1000回転,5分間)後、SF-RPMI に再懸濁させて
回収し、50μg/l TPA-RPMIで2日間培養する。細胞
培養液を遠心分離(1000回転,5分間)し、上清を
回収する。あらかじめA緩衝液を流しておいたゼラチン
セファロースアフィニティーカラムに培養上清をとお
す。B緩衝液で洗い流す。この画分は回収する。回収し
た画分をイオン交換水に対して1晩透析する。これを凍
結乾燥により1000倍濃縮する。これを TNC緩衝液で
希釈して用いる。
【0077】(3.2.2) インキュベーション IV型コラゲナーゼ測定キット中のfluorecein isothiocy
anate (FITC)標IV型コラーゲン(25μg )に中和反応液(25μ
l )、培養上清試料 (25μl )、APMA(25μl )およびサンプル(25μl )
を氷中にて加え、室温で20分放置後、42℃、4時間
インキュベートする。また別にサンプル、培養上清試料
を加えず、TNC 緩衝液とPBS (各25μl )を入れ1分間
煮沸したものを総量とする。なお、サンプル(試料)と
は、ホオノキオール、及びマグノロールの各種濃度のも
のである。
anate (FITC)標IV型コラーゲン(25μg )に中和反応液(25μ
l )、培養上清試料 (25μl )、APMA(25μl )およびサンプル(25μl )
を氷中にて加え、室温で20分放置後、42℃、4時間
インキュベートする。また別にサンプル、培養上清試料
を加えず、TNC 緩衝液とPBS (各25μl )を入れ1分間
煮沸したものを総量とする。なお、サンプル(試料)と
は、ホオノキオール、及びマグノロールの各種濃度のも
のである。
【0078】(3.2.3) 蛍光測定 インキュベート終了後、5分間氷冷し、総量を含むすべ
てに蛍光測定調製液を300μl加えて撹拌、30分間
氷冷する。その後、総量以外は遠心にかけ( 15000
回転,10分間)、上清の蛍光強度を測定する(Ex=495
nm,Em=520nm)。
てに蛍光測定調製液を300μl加えて撹拌、30分間
氷冷する。その後、総量以外は遠心にかけ( 15000
回転,10分間)、上清の蛍光強度を測定する(Ex=495
nm,Em=520nm)。
【0079】(3.2.4) コラゲナーゼ活性阻害率
の計算 コラゲナーゼ活性阻害率(%)の計算を下記式にて行な
った。
の計算 コラゲナーゼ活性阻害率(%)の計算を下記式にて行な
った。
【0080】
【数1】 上記式において、Aはサンプル(試料)の蛍光強度、B
は総量の蛍光強度、Cはブランクの蛍光強度である。
は総量の蛍光強度、Cはブランクの蛍光強度である。
【0081】なお、上記式中、ブランクは、培養上清試
料の代わりにTNC 緩衝液をくわえたものを反応温度42
℃、反応時間4時間、使用した基質量25μg、酵素量
25μlで使用した。
料の代わりにTNC 緩衝液をくわえたものを反応温度42
℃、反応時間4時間、使用した基質量25μg、酵素量
25μlで使用した。
【0082】(3.2.5) 結果 本試験で得られた結果を図7に示す。図7において、縦
軸はコラゲナーゼ活性阻害率(%)、横軸は試料(サン
プル)濃度(μM)を表す。
軸はコラゲナーゼ活性阻害率(%)、横軸は試料(サン
プル)濃度(μM)を表す。
【0083】図7に示されているように、マグノロー
ル、ホオノキオールのいずれもが、その試料濃度を上げ
ると、コラゲナーゼ活性阻害率が高まっていることが認
められた。すなわち、マグノロール、ホオノキオールの
いずれもが、ガン細胞による血管等の基底膜を分解する
コラゲナーゼ(酵素)の活性を抑制し、その結果、ガン
転移抑制作用は極めて高いことが確認できた。
ル、ホオノキオールのいずれもが、その試料濃度を上げ
ると、コラゲナーゼ活性阻害率が高まっていることが認
められた。すなわち、マグノロール、ホオノキオールの
いずれもが、ガン細胞による血管等の基底膜を分解する
コラゲナーゼ(酵素)の活性を抑制し、その結果、ガン
転移抑制作用は極めて高いことが確認できた。
【0084】(実施例4)次に、製剤化した実施例を説
明する。この実施例は、内服用錠剤(1錠 370m
g)の実施例であって、下記の成分及び分量を使用す
る。
明する。この実施例は、内服用錠剤(1錠 370m
g)の実施例であって、下記の成分及び分量を使用す
る。
【0085】 (成分及び分量又は本質) 規格 成分名 分量 1-1 ホオノキオール 50mg 又は 1-2 マグノロール 50mg 2 賦形剤 日本薬局方 トウモロコシデンプン 100mg 3 賦形剤 日本薬局方 結晶セルロース 150mg 4 賦形剤 日本薬局方 ヒドロキシプロピルセルロース 30mg 5 崩壊剤 カルメロース 5mg 6 賦形剤 日本薬局方 無水ケイ酸 30mg 7 賦形剤 乳糖 5mg 合計 370mg 上記の分量比に従い、日本薬局方製剤総則錠剤の項に準
じて調製し、径約15mmの錠剤とする。ただし、ホオ
ノキオール及びマグノロールを同時に配合する場合は、
トウモロコシデンプンの量を加減して調製する。
じて調製し、径約15mmの錠剤とする。ただし、ホオ
ノキオール及びマグノロールを同時に配合する場合は、
トウモロコシデンプンの量を加減して調製する。
【0086】(実施例5)この実施例は、ガン転移抑制
剤としてスキンローション(1本 100ml)に具体
化した実施例であって、スキンローションは下記の成分
及び分量からなる。
剤としてスキンローション(1本 100ml)に具体
化した実施例であって、スキンローションは下記の成分
及び分量からなる。
【0087】 (成分及び分量又は本質) 規格 成分名 分量(w/v%) 1-1 ホオノキ樹皮エキス 5.0% 又は 1-2 ホオノキオール 0.5% 又は 1-3 マグノロール 0.5% 2 粧原基 1,3ブチレングリコール 4.0% 3 粧原基 ソルビット液 1.0% 4 薬審295 変性アルコール 4.0% 5 香料 0.3% 6 粧原基 パラオキシ安息香酸メチル 0.05% 7 粧原基 クエン酸 0.3% 8 法定色素 青色1号 微量 9 粧原基 精製水 上記各成分を混合したとき総量が100% となる分量 合計 100% 製造法は、上記成分のうち、香料を変性アルコールに溶
かし、別に1(ホオノキ樹皮エキス、ホオノキオール、
マグノロールのうちのいずれか一つ、或いは二つ又は三
つ併せて)〜3,5〜8を精製水に溶かし、両者を今後
した後、ろ過する。検査後、容器に充填して製品とす
る。
かし、別に1(ホオノキ樹皮エキス、ホオノキオール、
マグノロールのうちのいずれか一つ、或いは二つ又は三
つ併せて)〜3,5〜8を精製水に溶かし、両者を今後
した後、ろ過する。検査後、容器に充填して製品とす
る。
【0088】なお、上記1の成分(ホオノキ樹皮エキ
ス、ホオノキオール、マグノロール)のうち、二つ又は
三つの成分を合わせる場合は、精製水の量を加減する。 (実施例6)次に、ガン治療後のガン転移防止を目的に
使用する健康食品滋養剤(1錠 410mg)の実施例
について説明する。同滋養剤は下記の成分及び分量から
なる。
ス、ホオノキオール、マグノロール)のうち、二つ又は
三つの成分を合わせる場合は、精製水の量を加減する。 (実施例6)次に、ガン治療後のガン転移防止を目的に
使用する健康食品滋養剤(1錠 410mg)の実施例
について説明する。同滋養剤は下記の成分及び分量から
なる。
【0089】 (成分及び分量又は本質) 規格 成分名 分量 1-1 ホオノキオール 50mg 又は 1-2 マグノロール 50mg 2 賦形剤 コムギデンプン 200mg 3 賦形剤 結晶セルロース 100mg 4 崩壊剤 カルメロース 5mg 5 賦形剤 ヒドロキシメチルセルロース 50mg 7 賦形剤 ショ糖 5mg 合計 410mg 上記の分量比に従い、秤取して均一になるまで混合す
る。錠剤製造に準じて打錠し、径約10mmの錠剤とす
る。ただし、ホオノキオール及び マグノロールを同時
に配合する場合は、コムギデンプンの量を加減して調製
する。
る。錠剤製造に準じて打錠し、径約10mmの錠剤とす
る。ただし、ホオノキオール及び マグノロールを同時
に配合する場合は、コムギデンプンの量を加減して調製
する。
【0090】(実施例7)次に、ガン転移防止を目的に
使用する健康食品として、ホオノキ入り粥に具体化した
実施例について説明する。同健康食品は下記の成分及び
分量からなる。
使用する健康食品として、ホオノキ入り粥に具体化した
実施例について説明する。同健康食品は下記の成分及び
分量からなる。
【0091】 製造法は、上記白米を水でといた後、ホオノ葉エキス,
クコ,オタネニンジンと水300ml入れて炊き上げ、
レトルト容器に充填して製品とする。
クコ,オタネニンジンと水300ml入れて炊き上げ、
レトルト容器に充填して製品とする。
【0092】ただし、ホオノキ葉エキスの代わりに、ホ
オノキオール又はマグノロールを配合してもよい。な
お、上記実施例1で示された、ホオノキ樹皮の熱水抽出
液、ホオノキ樹皮の希エタノール抽出液はそれぞれコラ
ーゲナーゼ活性抑制剤にもなる。
オノキオール又はマグノロールを配合してもよい。な
お、上記実施例1で示された、ホオノキ樹皮の熱水抽出
液、ホオノキ樹皮の希エタノール抽出液はそれぞれコラ
ーゲナーゼ活性抑制剤にもなる。
【0093】又、実施例2で示されたホオノキ葉の熱水
抽出液、ホオノキ葉の希エタノール抽出液はそれぞれコ
ラーゲナーゼ活性抑制剤にもなる。実施例3で示された
マグノロール、ホオノキオールはそれぞれコラーゲナー
ゼ活性抑制剤にもなる。
抽出液、ホオノキ葉の希エタノール抽出液はそれぞれコ
ラーゲナーゼ活性抑制剤にもなる。実施例3で示された
マグノロール、ホオノキオールはそれぞれコラーゲナー
ゼ活性抑制剤にもなる。
【0094】実施例4、実施例5、実施例6及び実施例
7で説明した内服用錠剤、スキンローション、健康食品
滋養剤、健康食品はコラーゲナーゼ活性抑制剤ともな
る。
7で説明した内服用錠剤、スキンローション、健康食品
滋養剤、健康食品はコラーゲナーゼ活性抑制剤ともな
る。
【0095】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1乃至請求
項3の発明によれば、血管、リンパ管の基底膜を分解し
て浸潤するガン細胞の転移を抑制することができる。こ
のため、このガン転移抑制剤を医療用薬品、医療用医薬
品の他、ガン転移予防を目的とした医薬品、化粧品、医
薬部外品、薬草(薬膳)料理素材、健康食品の有効成分
として利用することができる。
項3の発明によれば、血管、リンパ管の基底膜を分解し
て浸潤するガン細胞の転移を抑制することができる。こ
のため、このガン転移抑制剤を医療用薬品、医療用医薬
品の他、ガン転移予防を目的とした医薬品、化粧品、医
薬部外品、薬草(薬膳)料理素材、健康食品の有効成分
として利用することができる。
【0096】又、請求項4乃至請求項6の発明によれ
ば、血管、リンパ管の基底膜の成分であるコラーゲンを
分解する酵素の活性を抑制することができる。
ば、血管、リンパ管の基底膜の成分であるコラーゲンを
分解する酵素の活性を抑制することができる。
【図1】実施例1のホオノキ樹皮の熱水抽出液を使用し
たときのガン細胞の浸潤率を示すグラフ。
たときのガン細胞の浸潤率を示すグラフ。
【図2】実施例1のホオノキ樹皮の希エタノール抽出液
を使用したときのガン細胞の浸潤率を示すグラフ。
を使用したときのガン細胞の浸潤率を示すグラフ。
【図3】実施例2のホオノキ葉の熱水抽出液を使用した
ときのガン細胞の浸潤率を示すグラフ。
ときのガン細胞の浸潤率を示すグラフ。
【図4】実施例2のホオノキ葉の希エタノール抽出液を
使用したときのガン細胞の浸潤率を示すグラフ。
使用したときのガン細胞の浸潤率を示すグラフ。
【図5】実施例3のマグノロールを使用したときのガン
細胞の浸潤率を示すグラフ。
細胞の浸潤率を示すグラフ。
【図6】実施例3のホオノキオールを使用したときのガ
ン細胞の浸潤率を示すグラフ。
ン細胞の浸潤率を示すグラフ。
【図7】実施例3のマグノロール及びホオノキオールの
コラゲナーゼ活性阻害率を示すグラフ。
コラゲナーゼ活性阻害率を示すグラフ。
【手続補正書】
【提出日】平成10年11月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに、請求項1の発明は、ホオノキオールを有効成分と
するガン転移抑制剤を要旨としている。
めに、請求項1の発明は、ホオノキオールを有効成分と
するガン転移抑制剤を要旨としている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】請求項2の発明は、ホオノキもしくはホオ
ノキの同効物又はこれらの抽出物であるホオノキオール
を有効成分とするガン転移抑制剤をその要旨としてい
る。
ノキの同効物又はこれらの抽出物であるホオノキオール
を有効成分とするガン転移抑制剤をその要旨としてい
る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】請求項3の発明は、マグノロール、ホオノ
キオールのうち少なくとも一種を有効成分とするコラゲ
ナーゼ活性抑制剤を要旨としている。請求項4の発明
は、ホオノキもしくはホオノキの同効物又はこれらの抽
出物を有効成分とするコラゲナーゼ活性抑制剤を要旨と
するものである。
キオールのうち少なくとも一種を有効成分とするコラゲ
ナーゼ活性抑制剤を要旨としている。請求項4の発明
は、ホオノキもしくはホオノキの同効物又はこれらの抽
出物を有効成分とするコラゲナーゼ活性抑制剤を要旨と
するものである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】請求項5の発明は、抽出物がマグノロー
ル、ホオノキオールのうち少なくとも一種である請求項
4に記載のコラゲナーゼ活性抑制剤を要旨とするもので
ある。
ル、ホオノキオールのうち少なくとも一種である請求項
4に記載のコラゲナーゼ活性抑制剤を要旨とするもので
ある。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】ホオノキの各部位を原料に調製したガン転
移抑制剤は、経口又は非経口に投与され、ガンの転移抑
制、再発予防、又は治療に用いることができる。又、ホ
オノキの全部或いは一部を利用した医療用医薬品の他、
ガン予防を目的とした医薬品、化粧品、医薬部外品、薬
草(薬膳)料理素材、健康食品として用いることができ
る。これらは、いずれも、ホオノキの成分であるホオノ
キオールを有効成分としている。
移抑制剤は、経口又は非経口に投与され、ガンの転移抑
制、再発予防、又は治療に用いることができる。又、ホ
オノキの全部或いは一部を利用した医療用医薬品の他、
ガン予防を目的とした医薬品、化粧品、医薬部外品、薬
草(薬膳)料理素材、健康食品として用いることができ
る。これらは、いずれも、ホオノキの成分であるホオノ
キオールを有効成分としている。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0095
【補正方法】変更
【補正内容】
【0095】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1及び請求
項2の発明によれば、血管、リンパ管の基底膜を分解し
て浸潤するガン細胞の転移を抑制することができる。こ
のため、このガン転移抑制剤を医療用薬品、医療用医薬
品の他、ガン転移予防を目的とした医薬品、化粧品、医
薬部外品、薬草(薬膳)料理素材、健康食品の有効成分
として利用することができる。
項2の発明によれば、血管、リンパ管の基底膜を分解し
て浸潤するガン細胞の転移を抑制することができる。こ
のため、このガン転移抑制剤を医療用薬品、医療用医薬
品の他、ガン転移予防を目的とした医薬品、化粧品、医
薬部外品、薬草(薬膳)料理素材、健康食品の有効成分
として利用することができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0096
【補正方法】変更
【補正内容】
【0096】又、請求項3乃至請求項5の発明によれ
ば、血管、リンパ管の基底膜の成分であるコラーゲンを
分解する酵素の活性を抑制することができる。
ば、血管、リンパ管の基底膜の成分であるコラーゲンを
分解する酵素の活性を抑制することができる。
Claims (6)
- 【請求項1】 マグノロール、ホオノキオールのうち少
なくとも一種を有効成分とするガン転移抑制剤。 - 【請求項2】 ホオノキもしくはホオノキの同効物又は
これらの抽出物を有効成分とするガン転移抑制剤。 - 【請求項3】 抽出物がマグノロール、ホオノキオール
のうち少なくとも一種である請求項2に記載のガン転移
抑制剤。 - 【請求項4】 マグノロール、ホオノキオールのうち少
なくとも一種を有効成分とするコラゲナーゼ活性抑制
剤。 - 【請求項5】 ホオノキもしくはホオノキの同効物又は
これらの抽出物を有効成分とするコラゲナーゼ活性抑制
剤。 - 【請求項6】 抽出物がマグノロール、ホオノキオール
のうち少なくとも一種である請求項2に記載のコラゲナ
ーゼ活性抑制剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10009147A JP2886523B1 (ja) | 1998-01-20 | 1998-01-20 | ガン転移抑制剤及びコラゲナーゼ活性抑制剤 |
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---|---|---|---|
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2886523B1 JP2886523B1 (ja) | 1999-04-26 |
JPH11209276A true JPH11209276A (ja) | 1999-08-03 |
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ID=11712518
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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- 1998-01-20 JP JP10009147A patent/JP2886523B1/ja not_active Expired - Fee Related
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