JPH11209053A - 乗客コンベアのハンドレール速度異常診断装置 - Google Patents

乗客コンベアのハンドレール速度異常診断装置

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JPH11209053A
JPH11209053A JP892998A JP892998A JPH11209053A JP H11209053 A JPH11209053 A JP H11209053A JP 892998 A JP892998 A JP 892998A JP 892998 A JP892998 A JP 892998A JP H11209053 A JPH11209053 A JP H11209053A
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JP
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speed
handrail
aging
speed difference
data
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Application number
JP892998A
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English (en)
Inventor
Tomoya Takei
智也 竹井
Takeyoshi Ando
武喜 安藤
Yoshiharu Igarashi
芳治 五十嵐
Masayuki Abe
賢行 阿部
Toshiaki Matsuo
利昭 松尾
Shigenori Hatsutori
茂紀 八鳥
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Hitachi Building Systems Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Building Systems Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 乗客コンベアのハンドレールの空転による一
時的な速度異常の診断を行う。経年変化による踏板とハ
ンドレールとの間に僅かな相対位置のズレ、経年劣化に
より生じた僅かな速度低下の予兆の診断を行う。 【解決手段】 診断回路17は最新の速度差データΔV
L ,ΔVR を受信すると、診断基準記憶回路16から瞬
間速度差許容値データΔVIAを読み出してそれぞれ比較
し、|速度差データ|≧瞬間速度差許容値データなら
ば、次の標本周期に採取した速度差データについて上述
の処理と同一の診断処理を行い、同様の診断結果が継続
して得られたならば、ハンドレールの移動速度は一時的
に異常変化したと診断し、経年変化検出回路15から受
信した経年変化データΔGP と、診断基準記憶回路16
から読み出した相対位置ズレ許容値データΔGPAとを比
較し、経年変化データ≧相対位置ズレ許容値データであ
った場合は、異常状態と診断するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は周回移動する踏板の
周回速度と、踏板に同期してその左右を周回移動するよ
うに配置されたハンドレールの周回速度をそれぞれ検出
して、その検出信号に応じて制御するようにした乗客コ
ンベアのハンドレール速度異常診断装置の技術分野に属
する。
【0002】
【従来の技術】最近は利用者の利便性を向上させるため
に、百貨店は勿論、各交通機関の駅等においてもエスカ
レーター、「動く歩道」等の乗客コンベアが設置される
ようになった。このため、乗客コンベアの利用者の数も
急速に増加し、乗客コンベアの故障が利用者に迷惑を及
ぼす度合いが大きくなると共に、影響を与える人々の数
も増大し、さらに思わぬ事故を招く虞もある。
【0003】ところで、乗客コンベアは周回する踏板の
左右にハンドレールが設けられていて、乗客は踏板に乗
ってハンドレールを掴むことにより転倒等の危険を避け
られるようになっている。上記ハンドレール駆動部が故
障したり、乗客が悪戯すると、ハンドレールに対して摩
擦力を利用して駆動力を伝達する駆動輪が空転し、踏板
とハンドレールあるいは左右のハンドレールの間で相対
速度が瞬間的に急低下することがある。このような現象
が生じると、踏板に乗ってハンドレールに掴まっている
乗客が転倒する等の非常に危険な状態になるので、速や
かに乗客コンベアを非常停止させなければならない。
【0004】また、ハンドレールと駆動輪との間の摩擦
力が経年劣化により低下すると、踏板とハンドレールの
移動速度に差が生じるようになる。この速度差が部分的
には僅かな値であっても、乗客コンベアが一周する過程
で踏板とハンドレールの相対位置に大きなズレが生じ、
踏板に乗ってハンドレールに掴まっている乗客が平衡状
態を保てなくなる原因となる。このため、定期的に行わ
れる保守作業では、踏板とハンドレールの間の移動速度
を調べて、両者の速度差があまり大きくならないように
摩擦力を調整している。
【0005】このようなハンドレールの空転を防止する
技術に関連した発明として、特開昭55−135084
号公報にはハンドレール速度の異常を検知する方法の発
明が開示されている。即ち、この発明では、駆動電動機
にチェーンを介して接続されたハンドレール駆動輪に踏
板の移動速度を検出する第1の速度検出器を、また、ハ
ンドレール駆動輪に従動するハンドレールにハンドレー
ルの移動速度を検出する第2の速度検出器を設けてそれ
ぞれの移動速度を検出し、検出した踏板の移動速度とハ
ンドレールの移動速度を加算する。そして、加算値と診
断基準値とを比較器で比較し、加算値が診断基準値より
大きければハンドレールの空転無し、加算値が診断基準
値以下ならばハンドレールの空転有りと判定するように
なっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来技術によれ
ば、ハンドレールが空転し始めてある程度ハンドレール
の移動速度が低下すると、ハンドレールの空転異常とし
て判定するので、保守員による定期的な保守作業を待た
ずにハンドレールの空転異常を検出できる。しかし、ハ
ンドレールの移動速度が踏板の移動速度よりも早くなっ
てしまう速度異常を検出できないばかりでなく、ハンド
レールおよび踏板の移動速度を記憶していないため、両
者の速度差の経年変化を把握し難く、踏板とハンドレー
ルとの間の相対位置のズレがある程度小さい間はハンド
レールの空転異常を検出できないといった問題点があっ
た。
【0007】本発明は従来技術におけるかかる課題を解
決して、乗客コンベアのハンドレールの空転による一時
的な速度異常の診断を的確に行うことができると共に、
経年変化による踏板とハンドレールとの間に僅かな相対
位置のズレが生じる場合であっても確実にそれを把握で
き、さらには、ハンドレールの経年劣化により生じた僅
かな空転による速度低下の予兆の診断を行える乗客コン
ベアのハンドレール速度異常診断装置を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、踏板速度検出器から出力された踏板速度信
号とレール速度検出器から出力されたレール速度信号に
基づいて踏板とハンドレールの速度差を演算する速度差
演算手段と、予め記憶した初期状態における前記速度差
と速度差演算手段が演算した速度差との差の所定期間の
積分値である経年変化量を演算する経年変化検出手段
と、踏板とハンドレールの速度差の許容値である瞬間速
度差許容値と前記経年変化量の許容値である経年変化許
容値とを記憶する記憶手段と、速度差演算手段が演算し
た速度差と記憶手段から読み出した瞬間速度差許容値と
を比較すると共に、経年変化検出手段が演算した前記経
年変化量と記憶手段から読み出した経年変化許容値とを
比較してハンドレールの速度異常を診断する診断手段と
を有したしたものである。
【0009】好ましくは、診断手段がハンドレールの速
度は異常と診断した時、該診断結果を通信回線を介して
中央監視所に通報する通信手段と、経年変化検出手段が
演算した経年変化量と記憶手段から読み出した経年変化
許容値とを比較して診断手段がハンドレールの速度が正
常と診断した場合に、前記経年変化検出手段が演算した
経年変化量が前回演算した経年変化量より所定値以上多
かった時に劣化予兆信号を発する劣化予兆判定手段とを
有し、速度差演算手段は踏板速度検出器から出力された
踏板速度信号とレール速度検出器から出力されたレール
速度信号をそれぞれ微小周期で標本化した踏板速度デー
タとレール速度データとの差を速度差として演算するも
のであり、診断手段は速度差演算手段が演算した前記速
度差の絶対値が記憶手段から読み出した瞬間速度差許容
値以上か否かを判定し、その判定結果が然りであった時
は、その後、連続した所定回数の踏板速度信号とレール
速度信号の標本化毎に上記判定処理を繰り返し、その何
れの判定結果も然りであった時はハンドレールの速度は
異常と診断するものであり、経年変化検出手段は予め記
憶した初期状態における踏板とハンドレールの速度差と
速度差演算手段が演算した前記速度差との差の乗客コン
ベアの一周期間の積分値を演算するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明を具
体化した一具体例を詳細に説明する。図1はこの具体例
のハンドレール速度異常診断装置の回路構成を示すブロ
ック図、図2はエスカレーターの駆動部の概略を示す構
成図である。まず、図2を参照してエスカレーターの駆
動部の概略構成を説明する。1はハンドレール速度異常
診断装置本体、2は乗客コンベアの一例としてのエスカ
レーター装置、3は通信回線を介してエスカレーター装
置2を遠隔地で監視する保守会社の中央監視所、20は
乗客が掴まって安全に移動できるように、乗客の左右に
同じ速度で周回移動するハンドレール、21はエスカレ
ーター装置2を制御する制御装置、22はエスカレータ
ーを駆動する駆動電動機、23は駆動電動機22の駆動
リールに架け渡された第1チェーン、24は第1チェー
ン23により伝達された動力を回転速度を減速して伝達
する減速機である。
【0011】また、25は減速機24から出力された動
力を伝達する第2チェーン、26aは第2チェーン25
から伝達された動力により回転して後述する踏板を周回
移動させる駆動鎖歯車、26bは駆動鎖歯車26aとの
間に架け渡された踏板連鎖を介して駆動鎖歯車26aに
連れ回る従動鎖歯車、27はハンドレール20に接触し
てこれを駆動するレール駆動装置、28は駆動鎖歯車2
6aに伝達された動力をレール駆動装置27に伝達する
第3チェーン、29は駆動鎖歯車26aに駆動されて周
回移動する踏板連鎖に従って周回移動する踏板、11S
は駆動電動機22の駆動リールに接触して踏板29の移
動速度を検出する踏板速度検出器、11L,11Rは左
右のハンドレール20に接触して左右のハンドレール2
0の移動速度を検出する左右のレール速度検出器であ
る。
【0012】次に、図1を参照して本具体例の回路構成
を説明する。12は踏板速度検出器11S、左右のレー
ル速度検出器11L,11Rで検出された踏板29およ
び左右のハンドレール20の各移動速度の検出信号を微
小周期で標本化する隔離回路、13a,13bは隔離回
路12から出力された踏板速度データVS と左右のレー
ル速度データVHL,VHRに基づいて、それぞれ踏板速度
と左のレール速度との速度差(ΔVL )および踏板速度
と右のレール速度との速度差(ΔVR )を演算する速度
差演算回路、14は速度差演算回路13a,13bで演
算されたエスカレーターの初期状態の速度差データΔV
L0,ΔVR0と隔離回路12の標本化毎に更新される最新
の速度差データΔVL ,ΔVR を記憶する速度差記憶回
路、15は速度差記憶回路14から出力されたエスカレ
ーターの初期状態の速度差データΔVL0,ΔVR0と最新
の速度差データΔVL ,ΔVR に基づいて左右のレール
速度の経年変化データΔGP を出力する経年変化検出回
路である。
【0013】16はハンドレール20の速度が瞬間的に
低下した時にハンドレール20に掴まっている乗客が転
倒しない、ハンドレール20と踏板29との最大の速度
差のデータ、即ち、瞬間速度差許容値データΔVIAと、
エスカレーターが一周した時にハンドレール20と踏板
29の相対位置のズレの最大許容値のデータ、即ち、相
対位置ズレ許容値データΔGPAを診断基準値として記憶
する診断基準記憶回路、17は速度差記憶回路14から
読み出されたエスカレーターの最新の速度差データΔV
L ,ΔVR と、経年変化検出回路15から出力された左
右のレール速度の経年変化データΔGP と、診断基準記
憶回路16から読み出された瞬間速度差許容値データΔ
VIAおよび相対位置ズレ許容値データΔGPAとを比較し
て、ハンドレール20の瞬間的な速度変化と経年的な速
度低下を診断する診断回路、18は診断回路17から出
力された診断データと劣化予兆データを制御装置21と
中央監視所3に伝送する通信回路である。
【0014】駆動電動機22の駆動力は第1チェーン2
3、減速機24、第2チェーン25、駆動鎖歯車26a
の順に伝達され、駆動鎖歯車26aと従動鎖歯車26b
との間に架け渡された踏板連鎖が周回駆動されるように
なっているから、駆動電動機22と踏板29との間には
空転機械要素は存在せず、従って、踏板29は常に駆動
電動機22と完全同期して周回移動する。つまり、踏板
29の移動速度に経年的な速度変化が生じることはな
い。一方、ハンドレール20の動力伝達経路について
は、駆動鎖歯車26aに動力伝達されるまでは踏板29
と同じ経路を辿るが、第3チェーン28を介して伝達さ
れた動力がレール駆動装置27からハンドレール20に
伝達される過程では両者の接触摩擦力を利用しているた
め、外部からの大きな負荷が作用したり接触部の素材が
経年劣化すると当該接触部で空転する場合がある。
【0015】以下に、上記接触部の空転により生じたハ
ンドレール20の速度異常を診断する本具体例の動作を
説明する。エスカレーターの運転中は踏板速度検出器1
1S、左右のレール速度検出器11L,11Rはそれぞ
れ踏板29および左右のハンドレール20の各移動速度
を検出して隔離回路12にそれぞれの速度信号を出力す
る。隔離回路12は各速度信号を微小周期で標本化し
て、踏板速度データVSおよび左右のレール速度データ
VHL,VHRとして出力する。速度差演算回路13a,1
3bは隔離回路12から出力された踏板速度データVS
と左右のレール速度データVHL,VHRの差を演算して、
それぞれ踏板29と左のハンドレール20との速度差デ
ータΔVL および踏板29と右のハンドレール20との
速度差データΔVR を算出する。
【0016】この左右の速度差データΔVL ,ΔVR は
エスカレーターの初期状態のものが速度差データΔV
L0,ΔVR0として速度差記憶回路14に記憶され、さら
に、最新の速度差データΔVL ,ΔVR が速度差記憶回
路14に更新記憶されると共に診断回路17に出力され
る。診断回路17は隔離回路12の標本周期毎に最新の
速度差データΔVL ,ΔVR を受信すると、診断基準記
憶回路16から瞬間速度差許容値データΔVIAを読み出
してそれぞれ比較(差を演算)する。|速度差データΔ
VL ,ΔVR |<瞬間速度差許容値データΔVIAなら
ば、隔離回路12の標本化時における踏板29と左右の
ハンドレール20との速度差は許容範囲内なので、ハン
ドレール20の移動速度は正常と診断される。
【0017】しかし、|速度差データΔVL ,ΔVR |
≧瞬間速度差許容値データΔVIAならば、ハンドレール
20の移動速度は異常の可能性がある。そこで、踏板2
9および左右のハンドレール20の各移動速度が誤測定
されたものでないかどうかを確認するために、隔離回路
12の次の標本周期に採取した速度差データΔVL ′,
ΔVR ′について上述の処理と同一の診断処理を行う。
この場合にも同様の診断結果が得られたならば、さらに
同一の診断処理を所定回数繰り返して、同様の診断結果
が継続して得られたならば、ハンドレール20の移動速
度は一時的に異常変化したと診断する。そして、診断回
路17は通信回路18に異常信号指令を出力する。通信
回路18は異常信号指令を受信すると、エスカレーター
の制御装置21と中央監視所3に異常信号を発信する。
【0018】制御装置21が異常信号を受信すると、エ
スカレーター装置2を非常停止させるが、瞬間速度差許
容値データΔVIAはハンドレール20の速度が瞬間的に
異常変化した時にハンドレール20に掴まっている乗客
が転倒しない、ハンドレール20と踏板29との最大の
速度差のデータとして設定されているから、エスカレー
ター装置2が非常停止しても乗客が転倒することはな
い。なお、隔離回路12は各速度信号を微小周期で標本
化するから、速度差データΔVL ,ΔVR の絶対値が瞬
間速度差許容値データΔVIA以上になってからハンドレ
ール20の移動速度が一時的に異常変化したと診断され
るまでの時間は短く、従って、エスカレーター装置2が
非常停止するまでの空走時間は短くて済む。
【0019】また、速度差記憶回路14はエスカレータ
ーの初期状態の速度差データΔVL0,ΔVR0と、隔離回
路12の標本周期毎に更新される速度差データΔVL ,
ΔVR を記憶している。経年変化検出回路15は速度差
記憶回路14から読み出されたエスカレーターの初期状
態の速度差データΔVL0,ΔVR0と最新の速度差データ
ΔVL ,ΔVR の差から左右のレール速度の経年変化デ
ータΔGP を演算し、来歴として記憶する。
【0020】経年変化検出回路15は隔離回路12の標
本周期毎に演算された速度差データΔVL ,ΔVR をハ
ンドレール20の一周期間に亘って積分し、エスカレー
ターが一周した時にハンドレール20と踏板29の相対
位置のズレ量のデータである経年変化データΔGP を演
算する。診断回路17は経年変化検出回路15から受信
した経年変化データΔGP と、診断基準記憶回路16か
ら読み出した相対位置ズレ許容値データΔGPAとを比較
し、経年変化データΔGP <相対位置ズレ許容値データ
ΔGPAであった場合は、エスカレーターが一周した時に
ハンドレール20と踏板29の相対位置のズレは許容範
囲内にある、即ち、正常状態と診断する。これに対し
て、経年変化データΔGP ≧相対位置ズレ許容値データ
ΔGPAであった場合は、ハンドレール20と踏板29の
相対位置のズレは許容範囲内にない、即ち、異常状態と
診断する。この場合は上述のように、診断回路17は通
報回路18に異常信号指令を出力し、通報回路18はエ
スカレーターの制御装置21と中央監視所3に異常信号
を発信する。これにより、制御装置21はエスカレータ
ー装置2を非常停止させる。
【0021】上述のように、診断回路17は経年変化デ
ータΔGP と相対位置ズレ許容値データΔGPAとを比較
し、経年変化データΔGP <相対位置ズレ許容値データ
ΔGPAであった場合は正常状態と診断するが、経年変化
検出回路15から読み出した前回の経年変化データΔG
P - と今回得た経年変化データΔGP とを比較し、両者
の差が所定値以上大きかった場合は、通報回路18にハ
ンドレール駆動部劣化予兆信号を出力する。通報回路1
8はハンドレール駆動部劣化予兆信号を受信すると、通
信回線を介して中央監視所3にハンドレール駆動部劣化
予兆情報を伝送する。なお、この場合はハンドレール駆
動部の劣化がエスカレーター装置2の運行に当面は差し
支えることはないので、制御装置21にはハンドレール
駆動部劣化予兆信号を出力しない。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
によれば、踏板速度検出器から出力された踏板速度信号
とレール速度検出器から出力されたレール速度信号に基
づいて踏板とハンドレールの速度差を演算すると共に、
予め記憶した初期状態における前記速度差と演算した速
度差との差を所定期間に亘り積分した経年変化量を演算
し、演算した速度差と前記速度差の許容値である瞬間速
度差許容値とを比較すると共に、演算した前記経年変化
量と前記経年変化量の許容値である経年変化許容値とを
比較してハンドレールの速度異常を診断するようにした
ので、乗客コンベアのハンドレールの空転による一時的
な速度異常が生じたり、経年変化による踏板とハンドレ
ールとの間に僅かな相対位置のズレが生じた場合であっ
ても、それらを的確に把握してハンドレールの速度異常
を正しく診断することができる。
【0023】請求項2記載の発明によれば、演算した踏
板とハンドレールの速度差の絶対値が瞬間速度差許容値
以上か否かを判定し、その判定結果が然りであった時
は、その後、連続した所定回数の踏板速度信号とレール
速度信号の標本化毎に上記判定処理を繰り返し、その何
れの判定結果も然りであった時はハンドレールの速度は
異常と診断するようにしたので、踏板やハンドレールの
移動速度の誤測定によりハンドレールの速度異常と診断
するのを防止することができる。
【0024】請求項3記載の発明によれば、経年変化検
出手段は予め記憶した初期状態における踏板とハンドレ
ールの速度差と速度差演算手段が演算した前記速度差と
の差の乗客コンベアの一周期間の積分値を演算するよう
にしたので、乗客コンベアの踏板とハンドレールの僅か
な速度差により、乗客コンベアの行程の終端で踏板とハ
ンドレールとの間に大きな相対的位置ズレが生じるのを
防止することができる。請求項4記載の発明によれば、
ハンドレールの速度は異常と診断した時、該診断結果を
通信回線を介して中央監視所に通報するようにしたの
で、ハンドレールの速度異常に対する速やかな補修対応
を行うことができる。請求項5記載の発明によれば、演
算した経年変化量と経年変化許容値とを比較してハンド
レールの速度が正常と診断した場合に、演算した経年変
化量が前回演算した経年変化量より所定値以上多かった
時に劣化予兆信号を発するようにしたので、ハンドレー
ルの経年劣化により生じた僅かな空転によるハンドレー
ルの速度低下の予兆を診断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体例のハンドレール速度異常診断装
置の回路構成を示すブロック図
【図2】エスカレーターの駆動部の概略を示す構成図
【符号の説明】
1 ハンドレール速度異常診断装置 2 エスカレーター装置 3 中央監視所 11S 踏板速度検出器 11L,11R レール速度検出器 12 隔離回路 13(a,b) 速度差演算回路 14 速度差記憶回路 15 経年変化検出回路 16 診断基準記憶回路 17 診断回路 18 通信回路 20 ハンドレール 21 制御装置 22 駆動電動機 26a 駆動鎖歯車 27 レール駆動装置 29 踏板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿部 賢行 東京都千代田区神田錦町1丁目6番地 株 式会社日立ビルシステム内 (72)発明者 松尾 利昭 東京都千代田区神田錦町1丁目6番地 株 式会社日立ビルシステム内 (72)発明者 八鳥 茂紀 東京都千代田区神田錦町1丁目6番地 株 式会社日立ビルシステム内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動手段に駆動されて周回移動する踏板
    と、前記駆動手段に摩擦力を利用して駆動され、前記踏
    板に同期してその左右を周回移動するように配置された
    ハンドレールと、前記踏板の周回速度を検出する踏板速
    度検出器と、前記ハンドレールの周回速度を検出するレ
    ール速度検出器と、前記駆動手段の運転を制御する制御
    手段とを具えた乗客コンベアのハンドレール速度異常診
    断装置において、前記踏板速度検出器から出力された踏
    板速度信号と前記レール速度検出器から出力されたレー
    ル速度信号に基づいて前記踏板と前記ハンドレールの速
    度差を演算する速度差演算手段と、予め記憶した初期状
    態における前記速度差と前記速度差演算手段が演算した
    前記速度差との差の所定期間の積分値である経年変化量
    を演算する経年変化検出手段と、前記踏板と前記ハンド
    レールの速度差の許容値である瞬間速度差許容値と前記
    経年変化量の許容値である経年変化許容値とを記憶する
    記憶手段と、前記速度差演算手段が演算した前記速度差
    と前記記憶手段から読み出した前記瞬間速度差許容値と
    を比較すると共に、前記経年変化検出手段が演算した前
    記経年変化量と前記記憶手段から読み出した前記経年変
    化許容値とを比較して前記ハンドレールの速度異常を診
    断する診断手段とを有したことを特徴とする乗客コンベ
    アのハンドレール速度異常診断装置。
  2. 【請求項2】 速度差演算手段は踏板速度検出器から出
    力された踏板速度信号とレール速度検出器から出力され
    たレール速度信号をそれぞれ微小周期で標本化した踏板
    速度データとレール速度データとの差を速度差として演
    算するものであり、診断手段は前記速度差演算手段が演
    算した前記速度差の絶対値が記憶手段から読み出した瞬
    間速度差許容値以上か否かを判定し、その判定結果が然
    りであった時は、その後、連続した所定回数の踏板速度
    信号とレール速度信号の標本化毎に上記判定処理を繰り
    返し、その何れの判定結果も然りであった時はハンドレ
    ールの速度は異常と診断するものであることを特徴とす
    る請求項1記載の乗客コンベアのハンドレール速度異常
    診断装置。
  3. 【請求項3】 経年変化検出手段は予め記憶した初期状
    態における踏板とハンドレールの速度差と速度差演算手
    段が演算した前記速度差との差の乗客コンベアの一周期
    間の積分値を演算するものであることを特徴とする請求
    項1記載の乗客コンベアのハンドレール速度異常診断装
    置。
  4. 【請求項4】診断手段がハンドレールの速度は異常と診
    断した時、該診断結果を通信回線を介して中央監視所に
    通報する通信手段を有したことを特徴とする請求項1記
    載の乗客コンベアのハンドレール速度異常診断装置。
  5. 【請求項5】 経年変化検出手段が演算した経年変化量
    と記憶手段から読み出した経年変化許容値とを比較し
    て、診断手段がハンドレールの速度を正常と診断した場
    合に、前記経年変化検出手段が演算した経年変化量が前
    回演算した経年変化量より所定値以上多かった時に劣化
    予兆信号を発する劣化予兆判定手段を有したことを特徴
    とする請求項1記載の乗客コンベアのハンドレール速度
    異常診断装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009029540A (ja) * 2007-07-25 2009-02-12 Hitachi Building Systems Co Ltd 乗客コンベアのハンドレール駆動力監視装置
JP2010285230A (ja) * 2009-06-09 2010-12-24 Mitsubishi Electric Corp 乗客コンベアの手摺走行異常監視装置
CN113233302A (zh) * 2021-04-25 2021-08-10 南京广厦软件有限公司 电动扶梯的安全控制板及其控制方法、电动扶梯及介质

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