JPH11207294A - ゴミ焼却灰の再資源化方法 - Google Patents

ゴミ焼却灰の再資源化方法

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JPH11207294A
JPH11207294A JP10014335A JP1433598A JPH11207294A JP H11207294 A JPH11207294 A JP H11207294A JP 10014335 A JP10014335 A JP 10014335A JP 1433598 A JP1433598 A JP 1433598A JP H11207294 A JPH11207294 A JP H11207294A
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water
washed
ash
alkali
fly ash
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JP10014335A
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English (en)
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Chikashi Tamura
▲ちかし▼ 田村
Naoto Matsueda
直人 松枝
Akio Henmi
彰男 逸見
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Eguchigumi Kk
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Eguchigumi Kk
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 家庭から排出されるゴミ等廃棄物の再資源化
を容易、かつ安価に行なう。 【解決手段】 可燃性ゴミを焼却して生じた焼却灰を水
洗したのち、塩酸処理後、加熱下でアルカリ処理し、水
洗により脱アルカリ後、乾燥してイオン交換能、吸着能
を有する資材とすることを特徴とするゴミ焼却灰の再資
源化方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家庭から排出され
るゴミ等から大量に生じる焼却灰を土壌改良資材や排水
中の有害物質の吸着除去等の有用な物質へと変えること
のできるゴミ焼却灰の再資源化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】家庭からのゴミの総排出量は年間600万
トンを越えており、その量は年々約3パーセントずつ増
加しているといわれている。排出されたゴミの約7割が
清掃工場で焼却され、多量の焼却灰が廃棄物として生じ
ている。各市町村は年々増えるこの焼却灰の多くを埋立
て処分したり、セメントなどで固めて投棄処分するなど
して処分してきたが処分地の確保に困難をきたすなど深
刻な問題を抱えている。ゴミ焼却灰のうち粒径の細かい
飛散灰を野積みにして露天にそのまま放置した場合、特
に気温の高い多雨の時期は流出量が大きく付近一帯に広
がってしまう。また、これらを埋立て材に利用した場合
には地盤沈下や地震時の液状化などが懸念される。
【0003】現在報告されている処理技術としては、焼
却灰を溶融スラグにしてコンクリート用の細骨材,人工
骨材として有効利用することで再資源化している例がみ
られる(「焼却灰・ばいじんの高度処理技術」発刊エヌ・テ
ィー・エス(1994))。この方法は溶融するのに多量の電力
を必要とするため、コストが高く、広く普及するまでに
至っていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
深刻な問題を緩和し、廃棄物の再資源化を目的とし、容
易かつ安価に行なうことを検討した。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を検討した結
果、可燃性ゴミを焼却して生じた焼却灰を水洗した後、
加熱下でアルカリ処理し、水洗及び、アルカリ土類金属
塩化物により脱アルカリ後、乾燥してイオン交換能、吸
着能を有する資材とすることを特徴とするゴミ焼却灰の
再資源化方法を開発した。
【0006】また、前記アルカリ処理前に、塩酸処理を
施すと、更にイオン交換能、吸着能を増加させ得ること
を見出し、可燃性ゴミを焼却して生じた焼却灰を水洗し
たのち、塩酸処理後、加熱下でアルカリ処理し、水洗に
より脱アルカリ後、乾燥してイオン交換能、吸着能を有
する資材とすることを特徴とするゴミ焼却灰の再資源化
方法とした。
【0007】
【発明の実施の形態】実施例1 ごみ焼却場の一般家庭から収集したごみを焼却した際に
煙道に付着した微細な飛散灰(フライアッシュ,以下Fと
略記)を水洗して、図1のフローシートに示すように可
溶性成分を取り除いたもの(以下FWと略記)20gを1リ
ットル容の三角フラスコに採り、これに濃度3.5Mの水
酸化ナトリウム水溶液を160ミリリットル加えた。この
三角フラスコに還流冷却管を取り付けて、ホットプレー
ト上でスラリー状の混合物を80〜90℃で加熱し反応させ
た。反応後、過剰の水酸化ナトリウムを水で洗浄除去
し、0.5M塩化マグネシウム溶液で洗浄処理し、再び水
洗した後風乾して粉末を得た。上記加熱時間は最大90時
間とし、FWを30,60,90時間処理して得た反応物をそれ
ぞれ、FW30,FW60,及びFW90と略記する。
【0008】上記飛散灰及び反応精製物を化学分析,X
線回折測定,赤外線吸収スペクトル測定,熱分析,走査型
電子顕微鏡観察を行ない、処理による特性変化や反応生
成物の内容を調べた。なお、X線回折測定と走査型電子
顕微鏡観察は上記加熱時間のほかにも適時行なった。分
析方法等は下記に従った。 化学分析 試料を110℃で5時間加熱後,湿式法および蛍光X線分
析法(使用装置:理学電機製RlX3000型蛍光X線分析装
置)によって分析した。 X線回折測定 理学製RADIIA型X線回折装置により、Co‐Kα線を用
いて粉末無配向法で測定した。 赤外吸収スペクトル測定 試料を相対湿度79%下で3日間放置した後、約1%の臭
化カリウム錠剤に成形し、透過法にて日本分光製FTIR‐
300で測定した。 熱分析 試料を相対湿度79%下で3日間放置した後、試料採取量
20mg前後、昇温速度10℃min~1の条件下で、理学TAS‐30
0差動型示差熱天秤で熱重量測定(TG)および示差熱分析
(DTA)を行った。 電子顕微鏡観察 金を蒸着した試料を日立走査型電子顕微鏡S‐2300で観
察・撮影した。
【0009】測定結果 1)化学分析 化学分析の結果を表1に示す。
【0010】
【表1】
【0011】本実験で用いた焼却灰由来フライアッシュ
は黒褐色の微粒子で、炭素分や水溶性成分に富む。本試
料(F)の場合、水による洗浄で49.6%の重量損失が認め
られた。この損失成分はナトリウム,カリウム,カルシ
ウムの塩化物,硫酸塩,炭酸塩,および水溶性と浮揚性
の炭素分から成る。このうち、炭酸カルシウムは化学合
成物質の燃焼中に発生する塩化水素の中和剤として添加
されたものである。これらの成分が水洗で除去された結
果、FWではFと比較してケイ素,アルミニウム,鉄の含
有量が増大し、灼熱損失量が減少した。ゼオライトの主
成分であるケイ素とアルミニウムについてみると、水で
洗浄した石炭灰におけるケイ酸(SiO2)と酸化アルミニウ
ム(A1203)の含有量は、それぞれ40〜60%と25〜40%で
ある。これに対して、本実験で用いた水洗焼却灰(FW)の
場合、含有量は低いものの、ケイ酸と酸化アルミニウム
の比は石炭灰のそれとほぼ等しいことがわかる。このこ
とから、本焼却灰からゼオライトまたはゼオライト成分
が合成できていることが分かる。
【0012】2)X線回折 図2に、FWおよびFW60のX線回折パターンを示す。FWに
はブロードな回折帯に加えて、いくつかの鋭い回折ピー
クが認められた。これはFWの大部分が非晶質であり、炭
酸カルシウム等の無機不溶性塩を含んでいることを示し
ている。これに対して、FW60では、6.37Å,3.66Å,お
よび2.57Å付近にソーダライトあるいは水和ソーダライ
ト由来の鋭い回折ピークが出現している。これらのピー
クは加熱処理5時間程度から認められ、加熱時間の増大
とともにピーク強度も増大し、約60時間加熱で最大とな
ることが確認された。その後は加熱を続けてもピーク強
度は増大しなかった。これらのことから、本焼却灰をア
ルカリ処理することによって、ソーダライトあるいは水
和ソーダライトが生成することが示された。なお、加熱
処理物にみられる3.05Åと2.86ÅのピークはFW中の炭酸
カルシウム等の無機塩がそのまま残存していることを示
している。
【0013】3)赤外吸収スペクトル 赤外吸収スペクトルからも、焼却灰をアルカリ処理する
ことによってソーダライトあるいは水和ソーダライトが
生成することが示された(図3)。すなわち、FWの赤外吸
収スペクトルでは、1000ないし1100cm~1付近にブロード
な吸収ピークが現れており、焼却灰フライアッシュがお
もに非晶質ケイ酸塩から成ることを示している。これに
対してFWのアルカリ処理物のスペクトルは、ソーダライ
トあるいは水和ソーダライトの吸収スペクトルにほとん
ど一致した(FW30,FW60,FW90のスペクトルはほぼ同一
で、図3にはFW60スペクトルのみを示した)。ソーダラ
イトと水和ソーダライトのX線回折パターンはほぼ同一
で、両者を区別することはできなかったが、赤外吸収ス
ペクトルでは3400cm~1付近のOH伸縮振動領域および1640
cm~1付近のH20変角振動領域の吸収から、生成物中に水
和ソーダライトが含まれることが示された。ソーダライ
トはテクトケイ酸塩類に分類され、ゼオライト骨格構造
の代表的な化学構造を有しているが、いわゆるフッ石水
を含んでいないためにゼオライトには分類されず、ゼオ
ライトと類縁関係にある鉱物である。一方水和ソーダラ
イトはソーダライトとほぼ同様の構造を有しているが、
結晶格子の空洞には水分子が存在している。この水は、
加熱または減圧することによって結晶格子の構造を破壊
することなしに、一部あるいは全部が比較的容易に脱水
される。したがって、水和ソーダライトはゼオライトの
一種である。
【0014】4)熱分析 FWとFW30のDTA‐TG曲線を図4a,bに示す。FWの場合、DT
Aでは460℃付近の有機物由来の発熱ピークがみられるの
みである。これに対してFW30では60℃付近に水和ソーダ
ライト中の結晶水由来の吸熱ピークが出現しており、TG
から見積もったこの領域での重量減は約21%であった.
この重量滅の値は水和ソーダライトの理想構造式から予
想される値よりも大きいが、これは、末反応物や反応中
間産物として非晶質ないし結晶度の低い水和物質が共存
するためと思われる。FW60とFW90の場合にもFW30とほぼ
同様のDTA‐TG曲線が得られたが、加熱時間が増大する
につれて60℃付近の重量減の値は減少し、FW90では約13
%となった。これは、結晶化が進行し、上記水和物質の
量が減少したためと思われる。
【0015】5)電子顕微鏡観察 図5(a)〜(c)に、各試料の走査型電子顕微鏡写真を示
す。FW中にみられる粒子は、焼却灰の生成過程で、最初
高温で溶融した液体状物質が冷却時に直径約10μmの球
状あるいは楕円状粒子として析出したものと思われる。
アルカリ加熱処理の進行に伴い、加熱時間約5時間程度
から、この粒子の表面に凹凸が観察されるようになる。
さらに反応が進行すると、粒子の内部素材が露出し、表
面の凹凸は針状結晶の綿状組織に成長する。そしてFW60
では粒子の表面が直径1ないし2μmのゼオライト様の
微結晶でほぼ完全に被覆されていることがわかった。こ
れらの観察結果は、焼却灰フライアッシュから(水和)ソ
ーダライトヘの転換反応の反応過程に関して、以下のこ
とを示唆している。すなわち、1)フライアッシュがい
ったんすべて溶解したのち、新たな(水和)ソーダライト
粒子を生成するのではないこと、2)フライアッシュ粒
子の表面が、原子の再配列を伴う固相反応によって順次
(水和)ソーダライトヘ転換する可能性のあること、3)
フライアッシュがいったん溶解する場合でも、(水和)ソ
ーダライトヘの転換と再析出はフライアッシュ粒子の表
面で起こることである。
【0016】イオン吸着量 この実施例のゴミ焼却灰から得られた資材はイオン交換
能、吸着能を有しており、反応生成物のアンモニウムイ
オンの吸着容量測定を行なった。測定方法は、セミミク
ロ・シエーレンベルガー(SCH0LENBERGER)法であって、単
位はセンチ・モルチヤージ・バアキログラム(cmol(+)・kg
~1)で示す。図6にアンモニウムイオン吸着量測定結果
を示す。水洗したフライアッシュは13.6cmol(+)・kg~1
アルカリ濃度(2,3.5,6mol),処理60時間の反応
で、アンモニウムイオン交換容量(CEC)は増加するが100
cmol(+)・kg~1以下であった
【0017】更に、アルカリ土類金属塩化物のMgCl2
処理によって優れた土壌改良材として使用できる。例え
ば、アスパラガス,ワサビ栽培の土壌中に添加すると作
物の色が引き立つ。また、セメント中に混ぜて固化した
コンクリートの場合、植生効果が得られて、苔が付きや
すくなる。Mg以外にCaでも構わない。
【0018】実施例2 図7のフローシートに示すように実施例1で行なったア
ルカリ処理に先立って塩酸前処理を行なった。
【0019】水洗したフライアッシュ(Fw)の一年間
(5,8,11,2月)の組成を表2に示す。
【0020】
【表2】
【0021】本実施例で用いた焼却灰由来のフライアッ
シュは黒褐色の微粒子で、石炭灰由来のフライアッシュ
と比較すると炭素分や水溶性成分に富むことが特徴であ
る。本試料(F)の場合、水による洗浄で49.6%の溶解損
失が認められた。この損失成分はナトリウム,カリウ
ム,カルシウムの塩化物,硫酸塩,炭酸塩,および水溶
性と浮揚性の炭素分から成る。このうち、カルシウム分
の多いのは化学合成物質の燃焼中に発生する塩化水素の
中和剤として炭酸カルシウムが添加されたものである。
炭酸カルシウムの添加量、また、灰中の残留量が一定し
ていなく、組成の割合にも影響する。極端な場合、焼却
炉灰に30%、フライアッシュ中にも22%を超えているこ
とがみられる。
【0022】a)塩酸を加えて前処理 フライアッシュ200gに6M-HC1を100mlを加えた。表3に
原料のフライアッシュ(F)と水洗後(FW)、また塩酸で除
去した(FH)のEMAによる元素分析結果示す。
【0023】
【表3】
【0024】比較した場合、減少する成分もあるが、ケ
イ素,アルミニウム,鉄の含有量が濃縮されるのか少し
多くなっている。ゼオライトの主成分であるケイ素とア
ルミニウムについてみると、本実験で用いた焼却灰(FH)
の場合のケイ酸と酸化アルミニウムの含有量は20〜30
%,13〜16%と大きくなり、実施例のFWよりゼオライト
を容易に合成することができる。
【0025】b)塩酸処理後アルカリと反応 上記同様に水熱合成を行う。
【0026】c)反応生成物のアンモニウムイオンの吸着
量 図8にアンモニウムイオンの吸着量の測定値を示す。ア
ンモニウムイオン交換容量(CEC)の大きい物質を生成さ
せるためにアルカリの濃度,反応処理時間,反応中の圧
力,温度の影響を検討した。塩酸処理したフライアッシ
ュは32.9cmol(+)・kg~1の値を示す。
【0027】アルカリ濃度については0.5M,1M,2
M,3.5M,6MのNa0H溶液で反応させた。実験結果に
おいて1M-Na0Hの濃度で処理したCECが200cmol(+)・kg~
1以上を示し良好であった。
【0028】
【表4】
【0029】アルカリ反応処理時間をみるとアルカリ濃
度1M,2Mにおける反応処理60時間までのCEC値を示
す。約20時間加熱で最太CEC値となることが確認され
た。
【0030】d)走査型電子顕微鏡による観察 フライアッシュの水洗物,塩酸による処理物のアルカリ
処理による形態の状態を比較する。図9にその様子を示
すが、FW中にみられる粒子状のものは、焼却灰の生成過
程で最初高温で溶融した液体状物質が、冷却時に直径約
10μmの球状あるいは楕円状粒子として析出している。
アルカリ加熱処理の進行に伴い、加熱時間約5時間程度
から、この粒子の表面に凹凸がみられる。さらに反応が
進行すると、粒子の内部素材が露出し、表面の凹凸は針
状結晶に成長する。そして1M-Na0H溶液PH20では、粒子
の表面が1〜2μmのゼオライト様の微結晶でほぼ完全に
被覆されていることがわかる。
【0031】e)X線回折 図10にFW,FHおよびアルカリ処理後の生成物のX線回折
パターンを示す。FHにもFWと同様に2.86,3.05,1.76の
位置に鋭い回折ピークが認められた。塩酸処理灰に0.5
M,1M,2M-Na0H溶液、またマグネット撹拌子で撹拌した
場合では7.1Å,3.2Å,4.1Åに,またアルカリ濃度を
上げた3.5M,6.0M-Na0H溶液,塩酸処理しない場合は6.4
Å,3.7Åおよび2.6Å付近に鋭い回折ピークが出現して
いる。これらのピークは加熱処理3時間程度から認めら
れ、加熱時間の増大とともにピーク強度も増大してい
る。ここではPHを1M-Na0Hで加熱すると7.1Å,3.2Å,
4.1Åにピークがみられた変化を示す。またその中には
数種類の物質が合成されて存在し、加熱を続けてもピー
ク強度はあまり増大しなかった.
【0032】f)赤外吸収スペクトル 赤外吸収スペクトルからも、フライアッシュをアルカリ
処理することによって新しい結晶物が生成することが示
された。すなわち、図11に示すように、FHの赤外吸収ス
ペクトルでは、1000ないし1100cm~1付近に、またFH,1M
-FH20および2M-FH20,2M-FH30の赤外吸収スペクトルで
は3400cm~1付近の0H伸縮振動領域および1640cm~1付近の
H20変角振動領域の吸収帯がみられた。生成物中の結晶
格子には水分子が存在しているようである。
【0033】h)熱分析 FHと1M-Na0HFH20のDTAおよびTGを回に示す。FHの場合、
DTAでは460℃付近の有機物由来の発熱ピークがみられる
のみである。これに対してFH20では60℃、137℃付近に
結晶水由来の吸熱ピークが出現しており、TGから見積も
ったこの領域での重量滅は約10%であった。
【0034】以上の実施例から明らかなように、本焼却
灰を塩酸で前処理してアルカリ処理することによって、
FWのアルカリ処理よりもアンモニウムイオン吸着量を増
加することが判明した。汚水や排水中のアンモニウムイ
オンの除去などを行うための陽イオン無機交換体ないし
は吸着剤として水処理にも用いることができる。全国各
地で処理に困っている焼却灰を有用資材として再利用の
方法を示すとともに、廃棄物処理という観点から環境保
全にも役立つものと期待できる。
【0035】具体的な利用方法としては、芝を植えた土
壌中に混ぜることによって、水分養分の保持力を上げ
て、枯れるのを防いだり、吸着力に優れていることを利
用して排水処理材や脱臭材に混入させたり、葉わさびの
栽培培地に用いることによって高い成長率が望める。ま
た、花壇ブロツクの内部に充填された土壌中に混入させ
ることによって、植物の育成が良好となる。
【0036】
【発明の効果】本発明によって、家庭から排出されるゴ
ミ等から大量に生じる焼却灰を土壌改良資材や排水中の
有害物質の吸着除去等の有用な物質へと変えることので
きることとなった。また、セメント中に混ぜて植生効果
を付与させる等の広範囲な使用が可能であるから、広く
産業界に寄与する資材の提供を可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のゴミ焼却灰の再資源化方法のフロー
シートである。
【図2】フライアッシュとそのアルカリ処理物のX線回
折図である。
【図3】フライアッシュとそのアルカリ処理物の赤外吸
収スペクトルである。
【図4】フライアッシュとそのアルカリ処理物のDTA
-TG曲線である。
【図5】フライアッシュとそのアルカリ処理物の走査型
電子顕微鏡写真である。
【図6】フライアッシュのアルカリ処理物のアンモニウ
ムイオン吸着量を示すグラフである。
【図7】実施例2のゴミ焼却灰の再資源化方法のフロー
シートである。
【図8】フライアッシュの塩酸・アルカリ処理物のアン
モニウムイオン吸着量を示すグラフである。
【図9】フライアッシュの水洗・塩酸処理物とそのアル
カリ処理後の走査型電子顕微鏡写真である。
【図10】フライアッシュの水洗・塩酸処理物とそのア
ルカリ処理後のX線回折図る。
【図11】フライアッシュの塩酸処理物とそのアルカリ
処理物の赤外吸収スペクトルである。
【図12】フライアッシュの塩酸処理物(a)とそのアル
カリ処理物(b)のDTA-TG曲線である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可燃性ゴミを焼却して生じた焼却灰を水
    洗したのち、加熱下でアルカリ処理し、水洗及びアルカ
    リ土類金属塩化物により脱アルカリ後、乾燥してイオン
    交換能、吸着能を有する資材とすることを特徴とするゴ
    ミ焼却灰の再資源化方法。
  2. 【請求項2】 可燃性ゴミを焼却して生じた焼却灰を水
    洗したのち、塩酸処理後、加熱下でアルカリ処理し、水
    洗により脱アルカリ後、乾燥してイオン交換能、吸着能
    を有する資材とすることを特徴とするゴミ焼却灰の再資
    源化方法。
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