JPH11207126A - NOxと低濃度CO2含有ガスからCO2とNOxとを分離回収する方法 - Google Patents

NOxと低濃度CO2含有ガスからCO2とNOxとを分離回収する方法

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JPH11207126A
JPH11207126A JP10022583A JP2258398A JPH11207126A JP H11207126 A JPH11207126 A JP H11207126A JP 10022583 A JP10022583 A JP 10022583A JP 2258398 A JP2258398 A JP 2258398A JP H11207126 A JPH11207126 A JP H11207126A
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gas
mordenite
nox
adsorption
recovering
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JP10022583A
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Masaaki O
正明 王
Takeshi Arai
剛 新井
Mikiro Kumagai
幹郎 熊谷
Yoichi Takashima
洋一 高島
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Institute of Research and Innovation
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Institute of Research and Innovation
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    • Y02C20/10Capture or disposal of greenhouse gases of nitrous oxide (N2O)

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  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 NOxと低濃度のCO2とを含有するガスから
CO2とNOxとを簡易かつ効率的に分離回収する方法を
提供する。 【解決手段】 NOxと低濃度のCO2とを含有するガス
からプロトン化モルデナイトを用いてNOxを吸着回収
した後、NOx除去後のガスからCO2を回収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は核燃料再処理工場か
ら排出されたオフガス中の微量なCO2の回収方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】核燃料再処理工場から排出されたオフガ
ス中に14C、85Kr、129Iなどの揮発性放射性核種並
びにウラン溶解に使用された濃硝酸に由来する揮発性窒
素酸化物が含まれており、水洗処理、銀添吸着剤処理の
順に処理されている。ところが、このような処理の後に
おいても、微量な14CO2はNOxと共に含酸素湿雰囲気
中に存在しており、14CO2をNOxを含む混合ガスから
回収する必要がある。しかし、NOxの極性がCO2のそ
れより強いため、通常の吸着手法を用いた場合NOx
優先して吸着剤に吸着されてしまうので、通常の吸着手
法を用いて14CO2を単独に吸着回収することは不可能
である。従って、14CO2とNOxとを分離し、個別に回
収する必要がある。また、上記に示したような、低濃度
のCO2とNOxの二成分を含むあらゆる乾湿排ガスの中
のCO2を分析用に全量集めたい時にNOxだけを吸着
し、CO2をまったく吸着しない吸着剤が必要になる。
【0003】ところで、CO2の除去プロセスとしては
例えばアルカリ洗浄法なども考えられるが、この方法に
よると、上記に示したようなガスの場合、炭酸塩のほか
に硝酸塩が生成してしまい、CO2のみの回収は極めて
困難である。
【0004】こうした実状から、処理後のオフガス中の
微量な14CO2とNOxのように、低濃度のCO2とNOx
とを含むガス中からCO2とNOxとを分離回収する新た
な方法が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、低濃
度のCO2とNOxとを含有するガスからCO2とNOx
を簡易かつ効率的に分離回収する方法を提供することで
ある。特に、核燃料再処理で発生したオフガスに対し所
定の処理を施した後のガス中においてもなお存在する14
CO2とNOxとを分離回収する方法を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明者は、吸着手法によるCO2とNOxとの分離
回収を試み、このような処理方法において、まず処理工
程の前段階にNOxに対する吸着量が大きく、CO2に対
する吸着量が極めて小さいか0である吸着剤を置いて処
理し、後段階にCO2に対する吸着量が大きい吸着剤を
置いて処理するか、あるいはCO2を吸収するアルカリ
性溶液によりアルカリ洗浄して処理することを考えた。
そして、この方法を実現するためには前段階の吸着剤の
選択が重要である。具体的には、NOxの極性がCO2
極性より強く、極性的な吸着剤媒体との親和力の差によ
り、NOxの吸着分離を行うことが可能である。極性的
な吸着剤媒体としてゼオライト、表面改質した活性炭な
どがあるが、活性炭の場合、活性炭とNOxを同時に取
り扱うために爆発などの実用上の問題があり、ゼオライ
トを用いるのが本系に適当である。本発明者は種々の合
成ゼオライトを用いて、比較検討を重ねた結果、吸着分
離特性の良さ、吸着容量の大きさ、吸着性能の安定性、
脱着性のしやすさ、構造の安定性などの観点から総合し
て、処理工程の前段階にプロトン化モルデナイトを用い
れば、NOxだけが吸着され、CO2ガスがそのまま通過
し、その後段階にてCO2を吸着あるいは吸収法により
単独に回収する方法を見出し、簡易で、効率的にNOx
とCO2とを分別回収する方法を提案するものである。
【0007】すなわち、本発明は下記のとおりである。 (1) NOxと低濃度のCO2とを含有するガスからゼ
オライトを用いてCO2とNOxとを分離回収するに際
し、前記ガスからプロトン化モルデナイトを用いてNO
xを吸着回収した後、NOxが回収された後のガスからC
2を回収するNOxと低濃度CO2含有ガスからCO2
NOxとを分離回収する方法。 (2) 前記ガスが核燃料再処理で発生したオフガスに
由来する上記(1)のNOxと低濃度CO2含有ガスから
NOxとを分離回収する方法。 (3) 前記ガスが14CO2を含有する上記(2)のN
xと低濃度CO2含有ガスからCO2とNOxとを分離回
収する方法。 (4) 前記プロトン化モルデナイトが合成モルデナイ
トであり、プロトンのイオン交換率が90%以上で、シ
リカ/アルミナ比が5〜6である上記(1)〜(3)の
いずれかのNOxと低濃度CO2含有ガスからCO2とN
xとを分離回収する方法。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明では、低濃度のCO2とNOxとを含有するガスか
らCO2とNOxとを分離回収する際、まず、処理工程の
前段階にプロトン化モルデナイト(プロトン型モルデナ
イト)の吸着剤を用いて、これによりNOxを吸着して
分離回収し、このようにしてNOxを分離回収した後の
ガスを処理工程の後段階に設置した、例えば金属イオン
交換したモルデナイト(金属イオン含有型モルデナイ
ト)の吸着剤を用いて、あるいはアルカリ溶液による吸
収などによりCO2を分離回収する。
【0009】このように、NOxのみを選択的に吸着
し、CO2を吸着しないプロトン化モルデナイトを処理
工程の前段階に設置し、CO2に対し吸着能を示す金属
イオン交換したモルデナイトやアルカリ性溶液を処理工
程の後段階に設置することによって、NOxとCO2とを
効率よく分離回収することができる。また吸着剤を充填
したカラムなどを用いて処理を行うことができるので処
理操作が簡便で装置構成が簡易である。また吸着剤は再
生して再使用できるためコスト面で有利である。
【0010】本発明において、処理の対象となる被処理
ガスは、低濃度のCO2とNOxとを含有するものであ
り、CO2の濃度は10000ppm程度以下であることが
好ましく、さらに好ましくは50〜3000ppmであ
る。一方、NOxの濃度は15000ppm程度以下が好ま
しく、さらに好ましくは300〜15000ppmであ
る。
【0011】特に、被処理ガスの好ましいものは、核燃
料再処理工程の溶解準備工程や燃料溶解工程で発生する
オフガスを処理した後においても残存するNOxと低濃
度の1 4CO2とを含む酸素ないし空気を主体とする混合
ガスであり、このようなガス中にはこのほか水分が含ま
れる。このようなガスにおけるNOx濃度は2000〜
15000ppm、14CO2濃度は100〜350ppm、水
分は0.01〜10vol%である。なお、NOxはNO2
NO等である。
【0012】オフガスは、使用済核燃料の溶解時に発生
し、14C、85Kr、129Iなどの揮発性放射性核種や、
ウラン溶解に使用された濃硝酸に由来するNOxを含有
する。濃硝酸に由来するNOxは冷却後水により洗浄さ
れ、NOxは硝酸として回収される。このときのNOx
収工程から出た気体は、脱被覆からのオフガスと合流
し、処理される。例えば、129Iは銀添吸着剤などによ
り除去される。このような処理後のオフガスにおいて
は、14CO2とNOxとが前記のような濃度で存在してい
る。なお、14Cは核燃料中に不純物として存在する14
の(n,p)反応により主に生成すると考えられ、これ
が硝酸溶解の際に14CO2として放出されると考えられ
る。
【0013】本発明のような14CO2の除去はALAR
Aの原則に従うのみならず、例えば、深冷分離による85
Kr回収工程をオフガス処理工程の後半部に付加するよ
うな場合に反応器の設計が楽になるので好ましい。
【0014】本発明において処理工程の前段階に用いら
れるプロトン化モルデナイトは、合成モルデナイトであ
ることが好ましい。プロトン化の安定性に優れるからで
ある。
【0015】また、シリカ/アルミナ比は5〜6(モル
比)であることが好ましい。耐熱性が十分で、NOx
脱離操作上好ましいからである。これに対し、この比が
小さくなると耐熱性が劣り、反対に大きくなるとNOx
の吸着容量が小さくなる。また、プロトンのイオン交換
率は85%以上が好ましく、さらには90〜100%で
あることが好ましい。これによりNOxを選択的に吸着
する吸着剤としての機能が充分になる。
【0016】プロトン化モルデナイトは、Na+等の金
属イオン含有型モルデナイトをプロトン化して得られ
る。
【0017】市販の金属イオン含有型モルデナイトをプ
ロトン化する場合、プロトン化の方法としては、希硝酸
等の無機酸を用いた直接法によることも考えられるが、
アンモニウムイオン含有水でくり返し洗い、モルデナイ
ト中の金属イオンをアンモニウムイオンで置換した後、
加熱焼成によりアンモニアを揮散させプロトン化する間
接法によることが好ましい。直接法では脱アルミナなど
が生じやすく、シリカ/アルミナ比に変化が生じやすい
からである。この場合用いられる金属イオン含有型モル
デナイトの具体例としては、商品名TSZ−600NA
A(トーソー製)等がある。
【0018】このほか、市販のプロトン化合成モルデナ
イト[例えば商品名HSZ−620HOD(トーソー
製)]を用いることもできる。さらには天然モルデナイ
ト[例えば秋田県板戸産のもの]を上記の間接法により
充分にNH4 +交換した後加熱焼成することによって得ら
れたプロトン型天然モルデナイトを用いることができ
る。
【0019】なお,上記のプロトンのイオン交換率はイ
オン交換する前のモルデナイト中に含有されるNa等の
金属イオンの量と、イオン交換した後のゼオライト中に
含有されるNa等の金属イオンの量との比較によって求
めることができる。定量は、誘導結合プラズマ(IC
P)発光分光分析法等の化学分析により行うことができ
る。
【0020】このようなプロトン化モルデナイトにより
被処理ガスを処理するときの温度は室温付近から100
℃までが可能であり、通常25℃〜60℃の温度範囲で
あることが好ましい。このような温度範囲とすることに
よって、CO2の吸着能力が小さくなるとともに、NOx
の吸着能力がほどほど大きい。これに対し、温度が低く
なるとCO2の吸着能力が向上し、温度が高くなると吸
着したNOxが脱離してしまい、NOxの吸着容量が低下
してしまう。
【0021】なお、プロトン化モルデナイト1g 当たり
のNOxの吸着量は、例えば60℃において気相NO2
度を950ppmとしたとき29cc(標準状態:STP)
程度である。一方CO2の吸着量は、例えば60℃にお
いて気相CO2濃度を700ppmとしたとき0.1cc/g以
下であり、実質的にCO2を吸着しない。
【0022】一方、処理工程の後段階に用いられるCO
2を回収する方法には特に制限はなく、吸着のような乾
式法でもアルカリ性溶液を用いる湿式の吸収法でもよ
い。例えば乾式法による場合金属イオン交換した合成モ
ルデナイトや金属イオン含有型天然モルデナイトを用い
ることができる。金属イオンの種類としてはLi+、N
+、K+等のアルカリ金属イオン、Mg2+、Ca2+、B
2+等のアルカリ土類金属イオンが好ましく、Na+
Ca2+等がより好ましく、Ca2+等が特に好ましい。C
2の吸着剤として機能的に好ましいからである。この
場合の金属イオンのイオン交換率は、CO2の吸着力を
向上させるという観点では70%以上が好ましい。また
シリカ/アルミナ比は、CO2の吸着サイトの数を稼げ
る観点から5〜6(モル比)であることが好ましい。
【0023】このような金属イオン交換した合成モルデ
ナイトは市販品を用いることができる。例えば、商品名
TSZ−600NAA(トーソー製)等がある。また、
天然モルデナイト、合成モルデナイトのいずれにおいて
も、プロトン化したものをさらに金属イオン交換して用
いてもよい。
【0024】なお、金属イオン交換率は、金属イオンの
化学分析によって求めることができ、具体的にはゼオラ
イトを硝酸に溶かし、誘導結合プラズマ(ICP)発光
分光分析法等により同一金属イオンのイオン交換前後の
量を比較することにより求める。
【0025】このような金属イオン交換したモルデナイ
トにより被処理ガスを処理するときの温度は低い方がよ
く、30℃以下であることが好ましい。このときの温度
の下限に特に制限はないが、実用的には−10℃程度で
ある。
【0026】このような温度範囲とすることによってC
2の吸着能力が向上する。これに対し、温度が高くな
るとCO2の吸着容量が低下することになる。
【0027】なお、金属イオン交換したモルデナイト1
g 当たりのCO2の吸着量は、例えば30℃において気
相CO2濃度を300ppmとしたとき2〜4cc(標準状
態:STP)である。
【0028】本発明において、被処理ガスからNOx
CO2とを分離回収する際に使用される装置の一構成例
を図1に示す。
【0029】図1の装置は、NOxを分離回収するプロ
トン化モルデナイトを充填したカラムA1、A2、CO
2回収手段として金属イオン交換したモルデナイトを充
填したカラムB1、B2が設置されており、被処理ガス
を導入するガス導入口10、開閉可能なバルブ11〜1
8、および処理後のガスを排出するガス排出口19を有
する。
【0030】このような装置において、まずバルブ1
1、12、13、14を開、バルブ15、16、17、
18を閉としておき、導入口10から被処理ガスをカラ
ムA1に流入し、被処理ガス中のNOxをプロトン化モ
ルデナイトに吸着させる。NOxが吸着により除去され
た後のガスはまずカラムB1に導入され、金属イオン交
換したモルデナイトによってCO2が吸着される。この
後のガスはガス排出口19から排出される。
【0031】被処理ガスのカラムA1への流入は、カラ
ムA1中のプロトン化モルデナイトの被過時間に至る前
の時間内において続行すればよく、予め設定しておく。
そして、その時間に達したときにバルブ11を閉にし、
バルブ12を閉とする。なお、その時間に達するまでの
間に、カラムB1内の金属イオン交換されたモルデナイ
トは、通常破過時間に達してしまうので、被過時間に達
する前の予め設定された時点にて、バルブ13、14を
閉にし、同時にバルブ17、18を開にする。これによ
り、カラムB1にかわり、カラムB2内でのCO2の吸
着が行われる。そして被過時間に達する前の予め設定さ
れた時点にて、今度は、予め吸着能力を回復させておい
たカラムB1でCO2の吸着が行われるようにバルブ1
3、14およびバルブ17、18の開閉を切り換える。
このようなカラムB1、B2における切り換え操作はバ
ルブ11、12を閉にするまでの間に適宜行われる。こ
うして、カラムA1、B1、B2によるNOxとCO2
の分離操作が終了し、カラムA1からNOxの脱離操作
が行われる。一方、上述のように、カラムB1、B2か
らCO2の脱離操作が適宜行われ、NOxとCO2とがそ
れぞれ分離回収される。NOxの脱離は200〜250
℃の昇温脱離とすればよく、CO2の脱離は100〜1
20℃の昇温脱離にすればよい。なお、脱離操作が終了
したプロトン化モルデナイト、金属イオン交換したモル
デナイトは再使用してもよい。
【0032】一方、バルブ11、12を閉にするととも
に、バルブ15、16を開にする。これにより、カラム
A2においてNOxの分離吸着が行われる。それと同時
にバルブ13、14あるいはバルブ17、18のいずれ
かの組合せを開として、カラムB1あるいはカラムB2
にてCO2の吸着操作を行い、破過時間に応じてこれら
バルブの切り換えを行うようにすればよい。具体的には
前述のカラムA1、B1、B2におけるときと同様であ
り、条件等も同様である。カラムA2、B1、B2のラ
インにおいて分離吸着操作が行われている間に、カラム
A1におけるカラムの再生および/または設置が行われ
るようにすればよい。そして、カラムA2、B1、B2
のラインにおいて操作が終了し、バルブ15、16を閉
にしたとき、直ちにバルブ11、12を開にし、今度は
カラムA1のラインにおける操作を開始できるように
し、このような操作がカラムA1あるいはカラムA2を
用いたラインで連続的に行えるようにしておく。
【0033】図示例では、カラムA1、B1、B2ある
いはカラムA2、B1、B2を用いた組合せの各ライン
で連続処理を行う装置としたが、適宜ラインないしカラ
ムを増加してもよく、本発明の範囲内において種々の変
更が可能である。また、CO2回収手段として金属イオ
ン交換したモルデナイトを充填したカラムを用いる構成
としたが、カラムにかえ、CO2を吸収するアルカリ性
溶液を満たした吸収槽を設置してもよい。この場合のア
ルカリ性溶液はNaOH、KOH等の1〜2モル/リッ
トル溶液とすればよく、炭酸塩としての回収が可能であ
る。
【0034】なお、図1におけるバルブ12、14、1
6、18はガスの逆流を防止する目的で設けられる。
【0035】本発明において、上述のような処理操作を
施した後のガス中のNOx濃度は、処理前の濃度の1/
10以下程度、CO2濃度は1/10以下程度に減少さ
せることができる。
【0036】なお、本発明の方法は、水分共存下におい
ても有効であり、NOxおよびCO2の吸着能力に影響を
与えることがなく、またこれらの吸着とともに水分が吸
着される。なお、水分濃度は1/10以下程度に減少さ
せることができる。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。 <実施例1>60℃においてCO2800ppm、NO2
50ppm、乾燥空気をバランスガスとする混合ガスを1c
c程度の吸着剤を充填したカラムに流したとき、CO2
NO2のそれぞれの破過時間から算出した吸着量を、用
いたゼオライト別に表1に示す。表中の繰り返し数1、
2、3はそれぞれ一回、二回、三回繰り返しをした実
験、即ち、吸着実験を終わった後、同一サンプルに対し
昇温脱離してから、再び吸着実験を行うことを手順とす
る繰り返し実験の結果を示す。このときの昇温速度は1
0℃/min.とし、ゼオライトによって多少異なるが、最
大450〜550℃程度の温度に30〜60分程度さら
されることになる。
【0038】なお、用いたゼオライトの特性値等は以下
に示すとおりである。 ナトリウム型モルデナイト(NaM:商品名HSZ−6
00NAA;トーソー製:Naイオン含有量5.7wt%
、Si/Al(モル)比5.3) プロトン型モルデナイト(HM:上記のNaMを間接法
によりプロトン交換して得られたもの:Hイオン交換率
92%、Si/Al(モル)比5.3) A型ゼオライト(4A:商品名Zeolum A-4;トーソー
製:Si/Al(モル)比2) A型ゼオライト(5A:商品名Zeolum A-5;トーソー
製:Si/Al(モル)比2) フォージャサイト型ゼオライト(13X:商品名Zeolum
F-9;トーソー製:Si/Al(モル)比2.5) フォージャサイト型モルデナイト(NaY:商品名TSZ-
310NAA;トーソー製:Si/Al(モル)比2.6) フォージャサイト型モルデナイト(USY:商品名TSZ-
330HVA;トーソー製:Si/Al(モル)比3.1)
【0039】
【表1】
【0040】表1の結果について考察する。NaMはC
2の吸着量が他のゼオライトより4〜8倍大きく、明
らかに低濃度CO2の吸着に優れている。HM、Na
Y、USYのCO2吸着量が0であり、これら以外のゼ
オライトはややCO2を吸着する。一方、NO2の吸着量
の大きさから比較すると、13X>NaY>NaM>H
M>5A>USY>4Aの順序となる。13X、NaY
のNO2吸着量が大きいが、2、3回の繰り返し実験で
は、NO2の吸着量が徐々に減少し、実用では脱着への
切り替え時間の予測が困難になるなど、プロセス操作上
では不便である。また13X、NaYのSi/Al比が
小さく、熱に弱い一方で、万一水分が漏れてくる時に、
ゼオライト構造の破壊が起こりやすい。5Aは、同様な
理由でゼオライトの構造が破壊されやすい上、NO2
着量がHMよりも小さい。従って、本実施例から判るよ
うに、HMは低濃度のCO2、NOxの分離吸着剤として
最適であり、NaMは低濃度CO2の回収吸着剤として
最適である。なお、上記NaMにおいて、金属イオンと
してNa+のかわりに100%イオン交換したCa2+
含有するカルシウム型モルデナイト(CaM)を用いて
実験したところ、CaMはNaMと同様の傾向を示した
が、NaMよりCO2の吸着能力が大きくCO2の回収吸
着剤としてより好ましいことがわかった。
【0041】<実施例2>実施例1で行った吸着実験の
後に、乾燥空気中、10℃/minの昇温速度で、昇温脱
離実験を行い、NO2最大脱離ピーク温度並びに90%
以上の吸着種が脱離されたときの温度をゼオライト別に
表2に示した。なお、用いたゼオライトは実施例1と同
じである。
【0042】
【表2】
【0043】表2の結果について考察する。HMの脱離
ピーク温度および90%以上の吸着種が脱離されたとき
の温度は他のゼオライトに比較すると、一番小さい。ま
た、HMのSi/Al比が大きく、熱に対する抵抗も大
きく、熱変動型吸脱着操作に用いるのが無難である。多
少水が漏れてきても直ちにHMを失活させることもな
い。従って、脱着過程からも前段階のNO2、CO2吸着
分離剤としてHMは最適である。
【0044】<実施例3>30℃においてCO2300p
pm、NOx(単独のNO2あるいは単独のNO)と水それ
ぞれ950ppm、乾燥空気をバランスガスとする混合ガ
スを1cc程度のHM、NaMに相当する板戸産天然モル
デナイト(D)を充填したカラムに流したときの各成分
の破過曲線を図2〜4に示す。なおHMは実施例1と同
じものである。
【0045】図2、3からわかるように、HMはNO2
あるいはNOだけを吸着し、CO2をほとんど吸着しな
い。従って、NOxとCO2の濃度差が大きい場合、HM
は水の含有に影響されず、効率的にCO2とNOxを分け
ることができる。
【0046】一方、図4からわかるように、Dの場合、
CO2とNOxは同時に破過し、吸着過程だけでは明らか
に分離できない。これより、金属イオン含有型モルデナ
イトはCO2とNOxに対する分離能が悪いが、NOx
回収した後のガスにおいては、CO2を効率的に吸着で
きると考えられる。
【0047】これらの結果からもHMはCO2とNOx
の吸着分離剤として金属イオン含有型モルデナイトはC
2の吸着回収剤として有望であることがわかる。
【0048】<実施例4>核燃料再処理工程で発生した
オフガスに所定の処理を施し、14CO2300ppm、NO
x5000ppm、水0.1vol%、酸素10vol%、窒素約8
9.37vol%を含有するガスを得た。このようなガスに
対し、30℃で図1に示すような装置を用いて連続処理
した。カラムA1、A2には2ccのHM(実施例1と同
じ)を充填し、カラムB1、B2には5ccのNaM(実
施例1と同じ)を充填した。ガス流量を100ml/分と
した。
【0049】適宜、バルブ11〜18の開閉の切り換
え、およびカラムの交換を行いながら回数操作を続行し
たが、いずれの段階においても排出ガスの組成の分析に
よって14CO2、NOxおよび水が効率よく回収されてい
ることがわかった。また排出ガスの組成にもバラツキが
少ないことから処理の安定性に優れることがわかった。
【0050】<実施例5>実施例4において、カラムB
1、B2にNaMのかわりにCaM(実施例1と同じ)
を充填するほかは同様にして連続処理を行ったところ、
14CO2の吸着回収をさらに効率よく行えることがわか
った。
【0051】<実施例6>実施例4において、カラムB
1、B2のかわりに2モル/リットルKOH水溶液を満
たした吸収槽を用いるほかは同様にして連続処理を行っ
たところ、同等以上の良好な結果が得られた。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、低濃度のCO2とNOx
とを含有するガスからCO2とNOxとを簡易かつ効率的
に分離回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる装置の一例を示す概略構成図で
ある。
【図2】プロトン型モルデナイトを用いたときの破過曲
線を示すグラフである。
【図3】プロトン型モルデナイトを用いたときの破過曲
線を示すグラフである。
【図4】Na+型モルデナイトを用いたときの破過曲線
を示すグラフである。
【符号の説明】
A1、A2 プロトン型モルデナイトを充填したカラム B1、B2 金属イオン交換したモルデナイトを充填し
たカラム 11 ガス導入口 12〜18 バルブ 19 ガス排出口
フロントページの続き (72)発明者 高島 洋一 千葉県柏市高田1201 財団法人 産業創造 研究所 柏研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 NOxと低濃度のCO2とを含有するガス
    からゼオライトを用いてCO2とNOxとを分離回収する
    に際し、 前記ガスからプロトン化モルデナイトを用いてNOx
    吸着回収した後、NOxが回収された後のガスからCO2
    を回収するNOxと低濃度CO2含有ガスからCO2とN
    xとを分離回収する方法。
  2. 【請求項2】 前記ガスが核燃料再処理で発生したオフ
    ガスに由来する請求項1のNOxと低濃度CO2含有ガス
    からNOxとを分離回収する方法。
  3. 【請求項3】 前記ガスが14CO2を含有する請求項2
    のNOxと低濃度CO2含有ガスからCO2とNOxとを分
    離回収する方法。
  4. 【請求項4】 前記プロトン化モルデナイトが合成モル
    デナイトであり、プロトンのイオン交換率が90%以上
    で、シリカ/アルミナ比が5〜6である請求項1〜3の
    いずれかのNOxと低濃度CO2含有ガスからCO2とN
    xとを分離回収する方法。
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