JPH11206724A - 血圧計 - Google Patents

血圧計

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JPH11206724A
JPH11206724A JP10010473A JP1047398A JPH11206724A JP H11206724 A JPH11206724 A JP H11206724A JP 10010473 A JP10010473 A JP 10010473A JP 1047398 A JP1047398 A JP 1047398A JP H11206724 A JPH11206724 A JP H11206724A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】リバウンド現象の影響を受けない脈波の測定が
可能なコロトコフ音方式、オシロメトリック方式での血
圧測定を提供する。 【解決手段】仮の脈波の大きさ=A、脈波のボトムポイ
ントの空気袋の圧力値=Pb、脈波のボトムポイントよ
りt時間前の空気袋の圧力値=Ptとして、真の脈波の
大きさArを、Ar=A×(1−σ×(Pb−Pt))
で求め、これを測定で使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は加圧用空気袋によ
り動脈を圧し、階段状に減圧しながら拍動に同期して発
生する脈波の大きさの変化、消滅により血圧を測定する
血圧計に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の血圧の測定では、加圧用空気袋
(加圧袋)を最高血圧値以上に加圧し、加圧袋内の空気
を2〜3mmHg/秒の速度で微速排気することによ
り、加圧圧力である加圧袋内の圧力に重畳している脈波
の大きさを検出し、これらを時系列に加圧袋の圧力と対
にして記憶する。記憶した時系列データより脈波の大き
さが最大となった拍の時の加圧袋の圧力値を平均血圧
値、加圧袋の平均血圧値よりも高い圧力であって、脈波
の大きさが脈波の最大値の約50%に最も近い脈波の拍
のタイミングの加圧袋の圧力値を最高血圧値とする。ま
た、平均血圧値よりも低い圧力値にて、脈波の大きさが
脈波の最大値の約60%に最も近い大きさの拍のタイミ
ングの加圧袋の圧力値を最低血圧値とするオシロメトリ
ック法に基づいたオシロメトリック方式がある。
【0003】コロトコフ法に基づいたコロトコフ音式で
は、加圧袋の装着時の末梢側に設置したコロトコフ音セ
ンサにより、脈拍に同期して発生するコロトコフ音(K
音)を検出し、コロトコフ音が発生した拍の時点におけ
る加圧袋の圧力値を最高血圧値、また、その後のコロト
コフ音の連続を監視し、コロトコフ音が消滅する最後の
拍の時点における加圧袋の圧力を最低血圧値とする測定
の方式が用いられている。
【0004】この両方式は、血圧値として求められる加
圧袋の圧力値は拍に同期したタイミングでの加圧袋の圧
力である。拍と拍の間の加圧袋の圧力値は測定値にはで
きず、拍当たりの減圧量が測定の最小分解能となり、誤
差となる。すなわち、測定精度は脈波拍数に依存するこ
とになる、微速排気速度を2〜3mmHg/秒とする
と、たとえば脈拍数が60拍/分の場合には、2〜3m
mHgであるが、40拍/分の場合には3〜4.5mm
Hgと精度が悪化する。また、脈拍数が逆に大きい場合
には、測定に必要以上の拍数となり、加圧袋を装着して
いる部位より末梢部位の血液プーリング容積には限度が
あることから、鬱血を起こしやすく、脈波、コロトコフ
音が減弱し測定の支障となる。また、脈が速い場合に
は、必要以上に測定時間をかけることとなり、患者に余
分な苦痛を与えることとなる。したがって、減圧速度は
脈拍数により一定の速度になるようコントロールするこ
とが望ましい。
【0005】拍当たりの減圧圧力を一定にする方法に
は、リニア減圧方式と階段状減圧(ステップ減圧)方式
があるが、リニア減圧方式は測定中、減圧スピードを2
〜3mmHg/秒の一定の傾きに制御する方式で、減圧
スピードを計測し排気口のオリフィス径を調整しなけれ
ばならず、特に、圧力が高い場合には微妙な調子で行う
必要がある。
【0006】この制御は、加圧袋下の血管容積の変化に
よる加圧袋圧力の変化をも減ずる結果となり、脈波の大
きさを検出する目的と矛盾を生ずること、また、脈波弁
機構、コントロール機構も精密で高価なものが必要とな
り、血圧計を安価にユーザに供給することへの障害とな
る欠点を持っている。
【0007】これに対して、階段状減圧方式の場合に
は、まず減圧を中断して脈波を検出し、検出が終了した
ら2〜3mmHgを瞬時に減圧し、また、減圧を中断し
て脈波を検出し、さらに、2〜3mmHgの減圧を行う
ように階段状に減圧、減圧の停止、測定を繰り返す方式
である。この方式は圧力が高い場合には、弁を開く時間
を短く、圧力が低い場合には弁を開く時間を長くする制
御だけですみ、また、減圧スピードコントロール時には
脈波の検出を行わないので、リニア減圧方式のように、
脈波の検出には影響を与えず、脈波の検出目的との矛盾
を生じない。また、一般の血圧計に広く用いられている
機構が簡単な排気弁用の電磁バルブで実現でき、廉価で
ユーザ供給が可能である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】階段状の減圧方式の場
合の脈波の検出は、各段毎に2〜3mmHgの減圧を行
った後に減圧をストップした状態で行わなければなら
ず、加圧袋の材質および加圧袋内の空気量を含めたカフ
全体のコンプライアンス、生体の粘弾性、圧力センサの
レスポンスにより、減圧をストップした状態から過度的
に圧力が上昇する現象(リバウンド現象)がみられ、
又、この現象は加圧袋圧力が低くなると大きくなる傾向
がある。したがって、このリバウンド現象と脈波による
圧力変化が重なるため、正確な脈波の大きさの検出の障
害となり、結果としてオシロメトリック法による血圧値
の演算の大きな誤差要因となっていた。
【0009】図9にリバウンド現象と重なった脈波の大
きさの変化を破線で、また、真の脈波の変化を実線で示
す。したがって、各加圧袋圧力において、実線と破線で
示された脈波の大きさの差がリバウンド現象による脈波
の大きさの影響分である。実線で示した真の脈波で演算
した最高血圧値は、脈波の最大値であるP8の脈波の5
0%のポイントの脈波である。これはP4の脈波にあた
り、最高血圧値は111mHgとなる。これに対して、
リバウンドの影響を受けている脈波の大きさで演算した
最高血圧値は、脈波の最大値であるP8の破線で示す脈
波の50%のポイントの脈波であり、これはP6の脈波
にあたり最高血圧は105mHgとなる。このように、
真の最高血圧値がリバウンド現象の影響により誤差を含
んだものとなってしまう。又、最低血圧値については、
最大脈波(P8)の60%のポイントの脈波であるから、
真の脈波の値を用いた場合はP10のポイントで93m
Hgとなり、リバウンド現象の影響を受けている脈波の
値を用いた場合は、P11のポイントで90mHgとな
り、やはり誤差を含んでしまう。
【0010】これに対処する為、脈波とリバウンド現象
をハイパスフィルタにて周波数的に分離する方式が用い
られている。このハイパスフィルタのカットオフ周波数
は脈波の周波数が低いため、約0.5Hz程度より低い
周波数にしなければならない。したがって、ハイパスフ
ィルタに過大入力が入った場合には系が安定するのに2
秒以上の時間を要する。減圧ストップによる圧力変動は
過大入力となり2秒以上の間、脈波の検出が中断してし
まう欠点があった。また、ハイパスフィルタには高価な
アンプおよびコンデンサ等の電気部品が必要であり、安
くユーザに供給する障害となっていた。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の課題を、
加圧袋により目標動脈を圧し、階段状に前記加圧体を減
圧しながらコロトコフ音の発生、消滅により血圧を測定
する血圧計において、階段状に減圧される夫々の段階で
減圧を停止したとき前記加圧袋内に発生する圧力のリバ
ウンドの時間Tに亘る上昇分を測定する第1の測定手段
と、リバウンド成分に乗る見掛けの脈波成分を測定する
第2の測定手段と、リバウンドの上昇分でもって、第2
の測定手段が測定した見掛けの脈波成分の大きさを補正
する補正手段と、該補正手段が補正した値で血圧値を出
力する出力手段を備えた血圧計によって達成する。
【0012】また、本発明の他の課題は、加圧袋により
目標動脈を圧し、階段状に前記加圧体を減圧しながら拍
動により生じる脈波を検出して、該脈波の大きさの変化
により血圧を測定する血圧計において、階段状に減圧さ
れる夫々の段階で減圧を停止したとき前記加圧袋内に発
生する圧力のリバウンドを時間長Tに亘って上昇勾配を
測定する第1の測定手段と、リバウンド成分に乗る見掛
けの脈波成分を測定する第2の測定手段と、見掛けの前
記脈波成分からリバウンドの上昇勾配の成分でもって、
第2の測定手段が測定した見掛けの脈波成分の大きさを
補正する補正手段と、血圧判定手段に補正された前記脈
波情報を出力する出力手段を備えた血圧計によって達成
する。
【発明の実施の形態】(実施形態1)この発明の実施形
態1を図1および図2に基づいて説明する。
【0013】図1の横軸は時間(秒)、縦軸は加圧袋の
圧力(mmHg)であり、測定のある期間を抜き出して
示したものである。W1は加圧袋の圧力変化を示し、圧
力のサンプリングポイントを結んだものである。W2は
減圧終了ポイント、W3は脈波のボトムポイントからt
秒前のポイント、W4は脈波のボトムポイント、W5は
脈波のピークポイント、W6は減圧開始ポイントであ
る。
【0014】図2は、実施形態1の測定装置の構成を示
すブロック図である。図2において、1は加圧用空気袋
を内蔵したカフ、2はコロトコフ音検出用マイクロフォ
ン、3はカフと血圧計本体を接続するコネクタ、4は定
電流源、5は加圧袋の圧力を検出する圧力センサ、6は
圧力信号を増幅するDCアンプ、7は圧力信号をデジタ
ル化するA/D変換器、8はコロトコフ音を弁別し増幅
するフィルタアンプ、9はコロトコフ音をデジタル化す
るA/D変換器、10は制御中枢であるCPU(マイク
ロコンピュータ)、11は測定された血圧値を表示する
表示部、12は排気弁制御部、13は電磁式の排気弁、
14は加圧用のポンプ、15は電源の安定化およびON
/OFF、電池電圧を監視する電源制御部、16は電
池、17はエアー管、18は開始/停止SWである。
【0015】図1において、減圧終了ポイント(W2)
から脈波のボトムポイントの検出を始め、ある閾値a以
上の変化が検出されたら、その一つ前に検出されたポイ
ントを脈波のボトムポイント(W4)とし、さらにある
時間bの間圧力を検出し、この期間bの最大圧力値の脈
波のピークポイントを(W5)とする。仮の脈波の大き
さを脈波のピークポイント(W5)の圧力値と脈波のボ
トムポイント(W4)の圧力値との差分の圧力値とす
る。
【0016】脈波のボトムポイント(W4)よりt秒前
のポイント(W3)と脈波のボトムポイント(W4)の
圧力差を計算し、この圧力差を加圧袋の圧力の過度的変
化量とし、この圧力差にある定数σ(前述の周波数弁別
法によりリバウンド現象と脈波を弁別した真の脈波の大
きさと、本願の方式にて検出した仮の脈波の大きさを同
時計測し、数多くの臨床データにより相関を統計的に解
析することにより算出した値)を仮の脈波の大きさに乗
算した値を仮の脈波の大きさから減算した値を真の脈波
の大きさとする。
【0017】なお、定数σは0.8程度であるが、カフ
(1)の大きさ、圧力センサ(5)の種類によって若干異
なる。
【0018】仮の脈波の大きさ=A 脈波のボトムポイントの加圧袋の圧力値=Pb 脈波のボトムポイントよりt時間前の加圧袋の圧力値=
Pt 真の脈波の大きさAr=A×(1−σ×(Pb−Pt)) …式(1) 従って、脈波のピークポイントにおける圧力値をBpと
すれば、真の血圧値BPは次の(2)式、 BP=Bp−Ar …式(2) で求まる。
【0019】以上の説明を更に解り易いように図3及び
図4を参照して説明する。図3及び図4は図1に示した
圧力測定波形の一部を拡大して示したものである。図3
が示す如く、実際の大きさがaである脈波がリバウンド
成分に重畳されると、見掛けの大きさBp−Pbを持つ
脈波Aに化ける。そこで、図4が示すように、リバウン
ド成分を脈波が始まる前の時間長tの長さに亘るリバウ
ンド成分の変化量(Pb−Pt)を求めて見掛けの大き
さAの脈波から、真の脈波Arの大きさを求める。次
に、コロトコフ音式とオシロメトリック式を併設した方
式の本実施形態による血圧計の一連の血圧測定動作を図
5及び図6のフローチャートに従って記述する。
【0020】先ず、加圧袋を内蔵したカフ(1)を腕に
巻く。次に開始/停止SW(18)をONすると、CP
U(10)がこれを検出して、必要なリセット動作を行
った後に血圧測定をスタートする。まず、CPU(1
0)の指令で、電磁式排気弁(13)はOFF状態で大
気開放され、圧力センサ(5)のゼロリセットを行う
(ステップS1)。引き続き、電磁式排気弁(13)を
閉じて(ステップS2)、ポンプ(14)を駆動して予
想される最高血圧よりも高い圧力(加圧目標値)までカ
フ(1)の加圧を行う(ステップS3)。
【0021】次に、目標加圧値に到達した時点で、カフ
加圧が十分か否かを判断し、カフの加圧が足りないと判
断されれば、加圧目標値を30mmHg程度上げて、再
加圧を行う(ステップS4、S5)。ここで、カフ加圧
が十分か否かの判断は、例えば、マイクロフォン(2)
によるコロトコフ音の検出によって行う。コロトコフ音
が検出されたら、最高血圧よりも高い圧力までカフが加
圧されていない、すなわち十分にカフが加圧されていな
いものと判断する。
【0022】さて、最高血圧より高い目標圧力に加圧さ
れたら、まず、減圧を行わずに脈波のボトムポイントお
よび脈波のピークポイントの検出を行う(ステップS
6)。脈波が検出されれば、測定値から脈波の大きさを
検出して、式(1)を用いて真の脈波の大きさArを求
め、測定された圧力値Bpとペアで記憶する(ステップ
S7)。
【0023】ステップS7では、まず、脈波のボトムポ
イントおよびピークポイントを検出して仮の脈波の大き
さAを検出する。そして、脈波のボトムポイントからt
時間前のカフ圧力値と脈波のボトムポイントの圧力値と
からリバウンド現象の程度を検出し、上記仮の脈波の大
きさAから式(1)を使用して、真の脈波の大きさAr
を計算する。そして、計算された真の脈波の大きさをC
PU(10)の内部メモリに圧力値Bpと対にして記憶
する。
【0024】又、マイク2によるコロトコフ音信号の検
出を行う(ステップS8)。ここで、コロトコフ音が検出
されれば当該コロトコフ音の大きさを検出し(ステップ
S9)、コロトコフ音の大きさを上記圧力値に対応させ
て記憶する(ステップS10)。
【0025】次に、ステップS11では、検出された脈
波の大きさの最大値が得られたかどうかを判定する。ま
だ脈波の最大値が得られていなければステップS12へ
進み、2〜3mHg程度のステップ減圧を行う。
【0026】ステップS12では、カフ圧を2〜3mm
Hg減圧するために、あらかじめCPU(10)のメモ
リに記憶されているカフ圧に応じた電磁式排気弁開放時
間だけ排気制御部(12)により、電磁式排気弁(1
3)を開き、圧力を大気解放し、2〜3mmHg瞬時に
減圧する。ステップ減圧を終えたら、電磁式排気弁(1
3)を閉じて減圧を中断し、真の脈波の大きさの検出と
記憶、及び、コロトコフ音の検出とその大きさの記憶を
実行する(ステップS6〜S10)。なお、真の脈波の
大きさとコロトコフ音の大きさは測定された圧力値Bp
と対応付けて記憶される。
【0027】以上のステップS6〜S12の処理を繰り
返し、脈波の大きさの最大値が検出されたならば、ステ
ップS11からステップS13に処理を進める。ステッ
プS13では、現在の脈波の大きさが最大値の25%よ
り大きいかどうかを判定し、25%より大きければステ
ップS12へ、そうでなければステップS14へ夫々進
む。すなわち、最大の脈波が検出された後も、脈波の大
きさがその最大値の25%以下になるまで、ステップ減
圧と脈波及びコロトコフ音の検出(S6〜S10)が繰
り返される。
【0028】以上のように、脈波に関して、最大値が検
出され、その後の脈波の値がその最大値の25%以下に
なったならば、処理はステップS14へ進み、電磁式排
気弁(13)を開放して、大気圧までカフ圧力を減圧す
る。
【0029】次に、コロトコフ音が検出されたか否か、
すなわちコロトコフ音法による血圧測定が行えたか否か
を判定し(ステップS15)、検出された場合にはコロ
トコフ音法による最高血圧値、最低血圧値を測定血圧値
として表示する(ステップS16、S17)。又、コル
トコフ音が検出されなかった場合には、オシロメトリッ
ク法の最高血圧値、最低血圧値を血圧値として表示する
(ステップS18、S19)。
【0030】なお、血圧計が測定した血圧値には脈波成
分が乗っているので、式(2)を用いて、測定した血圧
値に含まれる脈波成分を除き、真の大きさの圧力値BP
に入れ替えて、誤差を含まない、真の最高、最低血圧を
求める。この式(2)に従う処理は、ステップS6〜S
10で記憶されたデータに基づいて、ステップS16及
びS18で行われる。
【0031】以上のように、電磁式排気弁(13)の開
閉制御により2〜3mmHg/拍の減圧を行い、脈波の
大きさ、コロトコフ音の有無を検出し、脈波の大きさ
(Ar)、カフ圧力値(Bp)、コロトコフ音の大きさ
をひとまとめにしてメモリに記憶する。このような処理
を拍毎に繰り返す。
【0032】ここで、コロトコフ音法の最高血圧値は、
コロトコフ音を最初に検出したカフ圧値をコロトコフ音
の最高血圧値とし、コロトコフ音法による最低血圧値は
コロトコフ音が消滅した脈波の一つ前の脈波を検出した
カフ圧力値をコロトコフ音法の最低血圧とする。
【0033】以上のように、コロトコフ音法にて血圧が
測定できた場合には血圧値としてコロトコフ法の血圧値
を表示部(11)に表示する(ステップS17)。しか
し、コロトコフ音が検出できなかった場合には、医療機
関に広く普及している聴診法との相関が最も良いオシロ
メトリック法の血圧値を演算し(ステップS18)、表
示部(11)に表示する(ステップS19)。
【0034】この場合、CPU(10)の内部メモリに
記憶した脈波の大きさと対になっている圧力値により、
前述のオシロメトリック式により、オシロメトリック法
の最高血圧値、最低血圧値を演算する(ステップS1
8)。
【0035】開始/停止SWをOFFすることにより全
ての動作を停止する。
【0036】(実施形態2)この発明の実施形態2を図
1および図7に基づいて説明する。
【0037】図1の横軸は時間(秒)、縦軸は加圧袋の
圧力(mmHg)であり、測定のある期間を抜き出して
示したものである。(W1)は加圧袋の圧力変化を示
し、圧力のサンプリングポイントを結んだものである。
(W2)は減圧終了ポイント、(W3)は脈波のボトム
ポイントからt秒前のポイント、(W4)は脈波のボト
ムポイント、(W5)は脈波のピークポイント、(W
6)は減圧開始ポイントである。
【0038】図7の1は加圧用空気袋を内蔵したカフ、
3はカフと血圧計本体を接続するコネクタ、4は定電流
源、5は加圧袋の圧力を検出する圧力センサ、6は圧力
信号を増幅するDCアンプ、7は圧力信号をデジタル化
するA/D変換器、10は制御中枢であるCPU(マイ
クロコンピュータ)、11は測定された血圧値を表示す
る表示部、12は排気弁制御部、13は電磁式排気弁、
14は加圧用ポンプ、15は電源の安定かおよびON/
OFF、電池電圧を監視する電源制御部、16は電池、
17はエアー管、18は開始/停止SWである。
【0039】図1において、減圧終了ポイント(W2)
から脈波のボトムポイントの検出を初め、ある閾値a以
上の変化が検出されたら、その一つ前に検出されたポイ
ントを脈波のボトムポイント(W4)とし、さらにある
時間bの間の圧力を検出し、この期間bの最大の圧力値
を脈波のピークポイント(W5)とする。仮の脈波の大
きさを脈波のピークポイント(W5)の圧力値と脈波の
ボトムポイント(W4)の圧力値との差分の圧力値とす
る。
【0040】脈波のボトムポイント(W4)よりt秒前
のポイント(W3)と脈波のボトムポイント(W4)の
圧力差を計算し、この圧力差を加圧袋の圧力の過度的変
化量とし、この圧力差にある定数σ(前述の周波数弁別
法によりリバウンド現象と脈波を弁別した真の脈波の大
きさと、本願の方式にて検出した仮の脈波の大きさを同
時計測し、数多く臨床データにより相関を統計的に解析
することにより算出した値)を仮の脈波の大きさに乗算
した値を仮の脈波の大きさから減算した値を真の脈波の
大きさとする。
【0041】なお、定数σは、0.8とするが、この値
はカフの大きさや圧力センサの種類によって若干異な
る。
【0042】仮の脈波の大きさ=A 脈波のボトムポイントの加圧袋の圧力値=Pb 脈波のボトムポイントよりt時間前の加圧袋の圧力値=
Pt 真の脈波の大きさAr= A (1−σ×(Pb−Pt)) …式(1) 同様に、真の血圧値BPを上述の第2式で求める。
【0043】 BP=Bp- Ar …式(2) 以下に、一連の血圧測定動作を図8のフローチャートに
従って記述する。加圧用空気袋を内蔵したカフ(1)を
巻き、開始/停止SW(18)をONすると、CPU
(10)はこれを検出して、装置を初期化(リセット)
し、血圧測定を開始させる。
【0044】CPU(10)の指定で電磁式排気弁(1
3)を開き、圧力を大気に解放し、圧力センサ(5)の
ゼロセットを行う(ステップS101)。次に、電磁式
排気弁(13)を閉じ、ポンプ(14)を駆動して予想
される最高血圧よりも高い圧力までカフ(1)の加圧を
行う(ステップS102)。ここで、加圧不足かどうか
を判断し、加圧不足が判断されたときは、更に30mm
Hg程度再加圧を行う。
【0045】あらかじめCPU(10)のメモリに記憶
されているカフ圧に応じた電磁式排気弁開放時間だけ排
気弁制御部(12)により、電磁式排気弁(13)をO
FFし、大気解放し2〜3mmHg瞬時に減圧する(ス
テップS105)。次に、電磁式排気弁(13)を閉じ
減圧を中断し、前記のように脈波のボトムポイントおよ
びピークポイントを検出して仮の脈波の大きさを算出す
る(ステップS104)。また、脈波のボトムポイント
からt時間前のカフ圧力値と脈波のボトムポイントの圧
力値とからリバウンド現象の程度を検出し、実測した仮
の脈波Aの大きさから式(1)より真の脈波の大きさA
rの計算を行い、真の脈波の大きさをCPU(10)の
内部メモリに真の圧力値(BP:式(2)に基づいて算
出される)と対にして記憶する(ステップS104a)。
もちろん、実施形態1で示したように、この時点では測
定値Bpを記憶しておき、後のオシロメトリック法によ
る血圧値の計算時に真の圧力値を求めるようにしてもよ
い。
【0046】S104,S104a,S105の処理を
繰り返して所定圧までの減圧を完了するとメモリに記憶
された脈波と圧力値のデータからオシロメトリック法に
よる血圧値の計算を行い(S106)、得られた血圧値
を記憶する(S107)。そしてそれを表示部に表示す
る(ステップS108)。
【0047】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明によれば、コロ
トコフ音方式、オシロメトリック方式、或いはコロトコ
フ音方式とオシロメトリック方式を併用した方式の何れ
の方式での測定においても、脈波の大きさ、あるいは血
圧値に表れるリバウンド現象の影響を除いた測定が可能
となる。
【0048】また、リバウンド現象と脈波を周波数的に
弁別するための、高価な増幅器、コンデンサ等の電子部
品が不要となり、ユーザに安価な血圧計が供給できる。
【0049】
【図面の簡単な説明】
【図1】加圧袋の時間に対する圧力変化を示す図であ
る。
【図2】本願発明の実施の形態1の測定装置の構成を示
すブロック図である。
【図3】脈波と、脈波が乗ったリバウンド成分の関係を
表わす説明図である。
【図4】図3の詳細図である。
【図5】実施の形態1の装置が実行する制御手順のフロ
ーチャートである。
【図6】実施の形態1の装置が実行する制御手順のフロ
ーチャートである。
【図7】実施の形態2の測定装置のブロック図である。
【図8】実施の形態2の装置が実行する制御手順のフロ
ーチャートである。
【図9】リバウンド現象と重なった脈波の大きさの変化
と真の脈波の変化を示す図である。
【符号の説明】
1 カフ 5 圧力センサ 6 アンプ 7,9 A/D変換器 12 排気制御部 13 排気弁

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加圧袋により目標動脈を圧し、階段状に前
    記加圧体を減圧しながらコロトコフ音の発生、消滅によ
    り血圧を測定する血圧計において、 階段状に減圧される夫々の段階で減圧を停止したとき前
    記加圧袋内に発生するリバウンド圧力の時間Tに亘る上
    昇分を測定する第1の測定手段と、 リバウンド成分に乗る見掛けの脈波成分を測定する第2
    の測定手段と、 リバウンドの上昇分でもって、第2の測定手段が測定し
    た見掛けの脈波成分の大きさを補正する補正手段と、 該補正手段が補正した値で血圧値を出力する出力手段を
    備えた血圧計。
  2. 【請求項2】前記時間長Tは、脈波成分が乗リ始める前
    の時間長であることを特徴とする請求項第1項に記載の
    血圧計。
  3. 【請求項3】前記第1の測定手段は、前記加圧用空気袋
    内の圧力を検出し、該圧力を表わす圧力信号を出力する
    圧力センサであることを特徴とする請求項第1項に記載
    の血圧計。
  4. 【請求項4】 加圧袋により目標動脈を圧し、階段状に
    前記加圧体を減圧しながら拍動により生じる脈波を検出
    して、該脈波の大きさの変化により血圧を測定する血圧
    計において、 階段状に減圧される夫々の段階で減圧を停止したとき前
    記加圧袋内に発生するリバウンド圧力を時間長Tに亘っ
    て上昇勾配を測定する第1の測定手段と、 リバウンド成分に乗る見掛けの脈波成分を測定する第2
    の測定手段と、 見掛けの前記脈波成分からリバウンドの上昇勾配の成分
    でもって、第2の測定手段が測定した見掛けの脈波成分
    の大きさを補正する補正手段と、 血圧判定手段に補正された前記脈波情報を出力する出力
    手段を備えた血圧計。
  5. 【請求項5】前記時間長Tは、脈波成分が乗リ始める前
    の時間長であることを特徴とする請求項第1項に記載の
    血圧計。
  6. 【請求項6】前記上昇成分測定手段は、前記加圧用空気
    袋内の圧力を検出し、該圧力を表わす圧力信号を出力す
    る圧力センサであることを特徴とする請求項第4項に記
    載の血圧計。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7894212B2 (en) 2007-03-09 2011-02-22 Fuji Electric Systems Co., Ltd. Switching power supply device
JP2013172835A (ja) * 2012-02-24 2013-09-05 Omron Healthcare Co Ltd 血圧測定装置、血圧測定方法、血圧測定プログラム
US10064561B2 (en) 2012-09-28 2018-09-04 Omron Healthcare Co., Ltd. Blood pressure measurement apparatus, blood pressure measurement method, and blood pressure measurement program
JP2019017553A (ja) * 2017-07-13 2019-02-07 株式会社タニタ 血圧測定装置

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