JPH1120598A - エアバッグ用ガス発生器及びエアバッグ装置 - Google Patents

エアバッグ用ガス発生器及びエアバッグ装置

Info

Publication number
JPH1120598A
JPH1120598A JP10106286A JP10628698A JPH1120598A JP H1120598 A JPH1120598 A JP H1120598A JP 10106286 A JP10106286 A JP 10106286A JP 10628698 A JP10628698 A JP 10628698A JP H1120598 A JPH1120598 A JP H1120598A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
gas generator
generating agent
airbag
gas generating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10106286A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2926040B2 (ja
Inventor
Nobuyuki Katsuta
信行 勝田
Shogo Tomiyama
昇吾 富山
Sadahiro Nakajima
禎浩 中島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=26446404&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JPH1120598(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Daicel Chemical Industries Ltd filed Critical Daicel Chemical Industries Ltd
Priority to JP10106286A priority Critical patent/JP2926040B2/ja
Priority to DE69817910T priority patent/DE69817910T2/de
Priority to AT98107422T priority patent/ATE249351T1/de
Priority to EP98107422A priority patent/EP0876943B1/en
Priority to TW087107053A priority patent/TW369493B/zh
Priority to US09/074,609 priority patent/US6183006B1/en
Priority to CN98108404A priority patent/CN1098181C/zh
Publication of JPH1120598A publication Critical patent/JPH1120598A/ja
Publication of JP2926040B2 publication Critical patent/JP2926040B2/ja
Application granted granted Critical
Priority to US09/624,008 priority patent/US6224096B1/en
Priority to US09/845,176 priority patent/US6386582B2/en
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60RVEHICLES, VEHICLE FITTINGS, OR VEHICLE PARTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60R21/00Arrangements or fittings on vehicles for protecting or preventing injuries to occupants or pedestrians in case of accidents or other traffic risks
    • B60R21/02Occupant safety arrangements or fittings, e.g. crash pads
    • B60R21/16Inflatable occupant restraints or confinements designed to inflate upon impact or impending impact, e.g. air bags
    • B60R21/26Inflatable occupant restraints or confinements designed to inflate upon impact or impending impact, e.g. air bags characterised by the inflation fluid source or means to control inflation fluid flow
    • B60R21/264Inflatable occupant restraints or confinements designed to inflate upon impact or impending impact, e.g. air bags characterised by the inflation fluid source or means to control inflation fluid flow using instantaneous generation of gas, e.g. pyrotechnic
    • B60R21/2644Inflatable occupant restraints or confinements designed to inflate upon impact or impending impact, e.g. air bags characterised by the inflation fluid source or means to control inflation fluid flow using instantaneous generation of gas, e.g. pyrotechnic using only solid reacting substances, e.g. pellets, powder
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C06EXPLOSIVES; MATCHES
    • C06DMEANS FOR GENERATING SMOKE OR MIST; GAS-ATTACK COMPOSITIONS; GENERATION OF GAS FOR BLASTING OR PROPULSION (CHEMICAL PART)
    • C06D5/00Generation of pressure gas, e.g. for blasting cartridges, starting cartridges, rockets
    • C06D5/06Generation of pressure gas, e.g. for blasting cartridges, starting cartridges, rockets by reaction of two or more solids

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Fluid Mechanics (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Air Bags (AREA)
  • Feeding, Discharge, Calcimining, Fusing, And Gas-Generation Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】所望の時間内でガス発生剤を完全燃焼すること
を可能とし、十分な作動性能を示すエアバッグ用ガス発
生器を提供すること。 【解決手段】ガス排出口を有するハウジング内に、衝撃
センサが衝撃を感知することにより作動する点火手段
と、該点火手段により着火されて燃焼し燃焼ガスを発生
するガス発生剤と、前記燃焼ガスの冷却及び/又は燃焼
残渣の捕集を果たすフィルタ手段とを含んで収容してな
るエアバッグ用ガス発生器において、前記各ガス排出口
の開口面積の総和Atに対する前記ガス発生剤の表面積
の総和Aの値(A/At)を300より大に規制したエ
アバッグ用ガス発生器とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衝撃から乗員を保
護するエアバッグ用ガス発生器、及びエアバッグ装置に
関する。特にハウジングに形成された各ガス排出口の開
口面積の総和Atとハウジング内に収容されるガス発生
剤の表面積の総和Aの値(A/At)を規定したエアバ
ッグ用ガス発生器に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
エアバッグ用ガス発生器は、ガス排出口を有するハウジ
ング内に、衝撃センサが衝撃を感知することにより作動
する点火手段と、該点火手段により着火されて燃焼し燃
焼ガスを発生するガス発生剤と、前記燃焼ガスの冷却及
び/又は燃焼残渣の捕集を果たすフィルタ手段とを含ん
で収容して構成される。このガス発生器は、衝撃を感知
して点火手段が作動することによりガス発生剤を着火・
燃焼させて、燃焼ガスを発生させる。該燃焼ガスはハウ
ジング内に於いてフィルタ手段により冷却・浄化されて
ガス排出口から該ガス発生器の外に排出される。この燃
焼ガスを発生する為に使用されるガス発生剤としては、
従来においてはアジド系ガス発生剤と、それ以外の非ア
ジド系ガス発生剤に大別することができる。
【0003】アジド系ガス発生剤(例えばNaN3/C
uO)は、70kg/cm2の圧力下において、約45〜50mm/sec
という比較的高い線燃焼速度を有する。それ故に、形状
保持に優れた比較的大きいペレット形状、あるいはディ
スク形状のガス発生剤であっても、例えば運転席用エア
バッグにおけるガス発生器に用いられた場合、必要とさ
れる完全燃焼時間40〜60msecを十分満足することができ
ている。
【0004】一方、非アジド系ガス発生剤では、線燃焼
速度は一般的に 30mm/sec 以下であり、ガス発生剤の形
状保持に有利な例えば 2mm径のペレット形状、あるいは
例えば 2mm厚のディスク形状のガス発生組成物では、線
燃焼速度が約 20mm/sec の場合、燃焼時間が約 100msec
となってしまい、所望の燃焼時間 40〜60msec には達し
ない。線燃焼速度 20mm/sec前後の場合、所望の燃焼時
間とするにはペレット状あるいはディスク状の径又は厚
みは 1mm 前後となり、線燃焼速度が 10mm/sec以下では
厚みが 0.5mm 以下の薄肉が要求される。長時間の自動
車の振動に耐え、かつ工業的に安定した状態でペレット
形状、あるいはディスク形状にガス発生剤を製造するこ
とは事実上不可能であり、ガス発生器としての性能が満
足されず、実施可能なガス発生器の開発が従来では困難
であった。
【0005】よって本発明は所望の時間内でガス発生剤
を完全燃焼することを可能とし、十分な作動性能を示す
エアバッグ用ガス発生器を提供することを目的とする。
【0006】またガス発生器の作動時に於けるハウジン
グ内最大圧力は外気の温度によって異なることから、実
質的に外気の温度に依存することなく安定した作動性能
を示すことのできるエアバッグ用ガス発生器の提供は困
難である。
【0007】よって本発明は、更に、より製造コストを
削減可能であって、外気の温度に依存することなく安定
して作動することのできるエアバッグ用ガス発生器を提
供することをも目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のエアバッグ用ガ
ス発生器は、ハウジングに形成された各ガス排出口の開
口面積の総和Atに対する前記ハウジング内に収容され
るガス発生剤の表面積の総和Aの値(A/At)を規制
したことを特徴とする。
【0009】即ち本発明のエアバッグ用ガス発生器は、
ガス排出口を有するハウジング内に、衝撃センサが衝撃
を感知することにより作動する点火手段と、該点火手段
により着火されて燃焼し燃焼ガスを発生するガス発生剤
と、前記燃焼ガスの冷却及び/又は燃焼残渣の捕集を果
たすフィルタ手段とを含んで収容してなるエアバッグ用
ガス発生器において、前記各ガス排出口の開口面積の総
和Atに対する前記ガス発生剤の表面積の総和Aの値
(A/At)を300より大に規制することを特徴とす
るものである。
【0010】このように各ガス排出口の開口面積の総和
Atに対する前記ガス発生剤の表面積の総和Aの値(A
/At)を300より大に規制して、85℃と20℃、
また20℃と−40℃とでの、内容量60リットルタンクを用い
たタンク内圧力試験におけるそれぞれの最大圧力同士の
差を、20℃での該タンク内圧力試験の最大圧力の25
%以内とすることができる。特にこの最大圧力同士の差
は40kPa以下であることが望ましい。前記各ガス排出
口の開口面積の総和Atに対する前記ガス発生剤の表面
積の総和Aの値(A/At)は、運転席用及び助手席用
エアバッグ用ガス発生器において、A/At の値を30
0より大きく1300以下、好ましくは450〜130
0、更に好ましくは450〜1000とすることができ
る。
【0011】ただしA/Atの値を上記のように明確に
定義する上では、ガスの流れを絞り、燃焼内圧をコント
ロールする部分より手前側で大きな抵抗を持った部材を
有しないことが望ましい。例えば、後で説明する実施例
においてでもそうであるが、通常燃焼圧力をコントロー
ルする部分即ちガス排出口の手前にはクーラント・フィ
ルタが配置され、発生したガスの冷却とガス中の固形残
渣の捕集を行う。
【0012】このクーラント・フィルタは金属の線材を
網状の多孔質部材に成形し、ガスがその内部を通過する
様にして、上記の機能を発揮させる。これは、発生ガス
と該クーラント・フィルタの物理的接触により熱交換あ
るいは残渣の捕集が行われるためであり同時に通気抵抗
も生じさせる。この通気抵抗は、燃焼内圧をコントロー
ルする部分であるガス排出口にも存在するが、クーラン
ト・フィルタを配置する際には、ガス排出口の通気抵抗
よりもクーラント・フィルタの通気抵抗の方が低い場合
にA/Atの値を先述の如く正確に設定することができ
る。
【0013】このガス排出口の通気抵抗はその開孔面積
と相関があり、同様にクーラント・フィルタの通気抵抗
も、ガスの通過面積と相関がある。これらの相関関係の
一例は後ほど示す。
【0014】ここで、上記の運転席用のエアバッグ用ガ
ス発生器とは、運転席側、例えばハンドル等に配置する
のに適した構造であって、エアバッグ装置の作動によっ
て、運転者を保護するエアバッグ装置に使用されるガス
発生器のことであり、一方、助手席用のエアバッグ用ガ
ス発生器とは、助手席側、例えばダッシュボード近辺等
に配置するのに適した構造であって、エアバッグ装置の
作動によって助手席の搭乗者を保護するエアバッグ装置
に使用されるガス発生器のことである。
【0015】ハウジングは、鋳造・鍜造によって形成す
る他、ガス発生剤の燃焼によって生じたガスを排出する
為ガス排出口を有するディフューザシェルと、点火手段
を配設する為の中央孔を有するクロージャシェルとをプ
レス成形し、これらを各種溶接法、例えばプラズマ溶
接、摩擦溶接、プロゼクション溶接、電子ビーム溶接、
レーザ溶接、ティグ溶接などにより溶接して形成するこ
ともできる。このプレス形成によるハウジングは、その
製造が容易になると共に、製造コストを低減することが
できる。ディフューザシェルとクロージャシェルは、例
えば、それぞれ厚さ1.2〜3.0mmのステンレス鋼板を用い
て形成することができる。ハウジングの内容積は運転席
用のエアバッグ用ガス発生器では60〜130cc、助手席用
のエアバッグ用ガス発生器では150〜600ccであることが
望ましい。このハウジングに形成されるガス排出口は、
内径2〜5mmの円形孔であることが望ましく、その開口
面積の総和Atは、(a)運転席用のエアバッグ用ガス
発生器においては、50〜200mm2、(b)助手席用
のエアバッグ用ガス発生器においては、60〜500mm
2であることが望ましい。
【0016】このガス排出口には、ハウジング内に外部
より湿気が侵入するのを阻止するために、ハウジングの
ガス排出口がその直径の2〜3.5倍の幅を有するアル
ミニウムテープにより塞がれることが好ましい。アルミ
ニウムテープの貼付は、粘着性アルミニウムテープ、ま
たは接着剤、好ましくは加熱により溶融して接着を確実
なものとすることができる。例えばホットメルト系接着
剤を使用することによても行うことができる。
【0017】また本ガス発生器に使用するガス発生剤
は、特に、70kg/cm2の圧力下に於ける線燃焼速度が、7
〜30mm/sec、好ましくは7〜15mm/secのものを使用
した場合に一層の効果を奏することができる。このよう
なガス発生剤としては、例えば含窒素有機化合物と、酸
化剤と、スラグ形成剤とを含む非アジド系ガス発生剤が
あり、このガス発生剤中の含窒素有機化合物の含有量は
25〜60重量%、酸化剤の含有量が40〜65重量%、スラグ
形成剤の含有量が1〜20重量%とすることができる。
【0018】含窒素有機化合物は、燃料及び窒素源とし
て作用する。このようなものとしては、例えばテトラゾ
ール、トリアゾール、又はこれらの金属塩等の含窒素有
機化合物とアルカリ金属硝酸塩等の酸素含有酸化剤を主
成分とするもの、トリアミノグアニジン硝酸塩、カルボ
ヒドラジッド、ニトログアニジン等があるが、本発明に
於いては特にニトログアニジンが好ましい。ガス発生剤
中に於けるこの含窒素化合物の含有量は、分子式中の炭
素元素、水素元素及びその他の酸化される元素の数によ
って異なるが、通常25〜60重量%の範囲で用いられ、好
ましくは30〜40重量%の範囲で用いられる。用いられる
酸化剤の種類により絶対数値は異なるが、完全酸化理論
量より多いと発生ガス中の微量CO濃度が増大し、完全
酸化理論量及びそれ以下になると発生ガス中の微量NO
x 濃度が増大する。両者の最適バランスが保たれる範囲
が最も好ましい。
【0019】また、スラグ形成剤は、ガス発生剤組成物
中の特に酸化剤成分の分解によって生成するアルカリ金
属又はアルカリ土類金属の酸化物をミストとしてインフ
レータ外へ放出することを避けるため液状から固体状に
変えて燃焼室内に止める機能を果たすものであり、金属
成分の違いによって最適化されたスラグ形成剤を選ぶこ
とができる。このスラグ形成剤としては、例えばベント
ナイト系、カオリン系等のアミノケイ酸塩を主成分とす
る天然に産する粘土並びに合成マイカ、合成カオリナイ
ト、合成スメクタイト等の人工的粘土及び含水マグネシ
ウムケイ酸塩鉱物の1種であるタルク等が挙げられ、こ
の内の少なくとも1種から選ばれたスラグ形成剤を用い
ることができる。本発明に於ける好ましいスラグ形成剤
としては、酸性白土を挙げることができる。ガス発生剤
中に於けるこのスラグ形成剤の含有量は1〜20重量%の
範囲で変えることができるが、好ましくは3〜7重量%
の範囲である。多すぎると線燃焼速度の低下及びガス発
生効率の低下をもたらし、少なすぎるとスラグ形成能を
十分発揮することができない。
【0020】酸化剤は、従来から広く知られているアル
カリ金属又はアルカリ土類金属の硝酸塩、塩素酸塩、過
塩素酸塩などを使用することができ、特にアルカリ金属
又はアルカリ土類金属から選ばれたカチオンを含む硝酸
塩の少なくとも1種から選ばれた酸化剤が好ましく、例
えば硝酸ストロンチウムなどが挙げられる。ガス発生剤
中に於けるこの酸化剤の含有量は、用いられるガス発生
化合物の種類と量により絶対数値は異なるが40〜65重量
%の範囲で用いられ、特に上記のCO及びNOx 濃度に
関連して45〜60重量%の範囲が好ましい。
【0021】このガス発生剤には、該ガス発生剤を所定
形状の成形体とする場合には、各種公知のバインダーを
適宜配合することもできる。
【0022】而して、本発明において、非アジド系ガス
発生剤を用いる場合には、31.5重量部のニトログアニジ
ン、51.5重量部のSr(NO3)2、10.0重量部のカルボキシメ
チルセルロースのナトリウム塩、7.0重量部の酸性白土
からなる非アジド系ガス発生剤、又は31.0重量部のニト
ログアニジン、54.0重量部のSr(NO3)2、10.0重量部のカ
ルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、5.0重量部
の酸性白土からなる非アジド系ガス発生剤を用いること
ができる。
【0023】上記のガス発生剤は単孔円筒形状とするこ
とができ、その結果ガス発生剤1個当たりの表面積を大
きくすることができる。所望の燃焼時間で完全燃焼を達
成する為に、ガス発生剤の1個の形状における肉厚部分
の厚みの最も小さい厚み距離を0.01〜2.5mm、更
には0.01〜1.0mmとすることが好ましい。例えば
この厚み距離を0.85mmとする場合には、外径2.5
mm、内径0.8mmの単孔円筒形状とすることができ、該
厚み距離を1.2mmとする場合には、外径3.2mm、内
径0.8mmの単孔円筒形状とすることができる。
【0024】また、このガス発生剤は、ガス発生器中
に、(a)運転席用のエアバッグ用ガス発生器において
は、20〜50g、(b)助手席用のエアバッグ用ガス
発生器においては、50〜190g充填することが好ま
しい。
【0025】ハウジング内に充填するガス発生剤が非ア
ジド系ガス発生剤である場合、該ガス発生剤は70Kg/
cm2の圧力下において、5〜30mm/secの線燃焼速度を
持ち、このガス発生剤を用いて自動車用エアバッグのガ
ス発生器を構成するとき、運転席用エアバッグでは40
〜60msec、助手席用エアバッグでは50〜80msecで
ガス発生剤を全て燃焼させる必要がある。そこで、ガス
発生剤の燃焼を調整するために、上記の各ガス排出口の
開口面積の総和Atに対する前記ガス発生剤の表面積の
総和Aの値(A/At)を用い、この値を300より大
に規制する。このA/Atの値は、運転席用及び助手席
用のエアバッグ用ガス発生器において、A/At の値が
300より大きく1300以下、好ましくは450〜1
300、更に好ましくは450〜1000とすることが
できる。その結果、上記の時間でガス発生剤を全て燃焼
させることができる。
【0026】A/Atの値が最大値を越えると、ガス発
生器内での圧力が過剰に上昇し、ガス発生剤の燃焼速度
が大き過ぎる。一方、最小値に満たない場合は、ガス発
生器内の圧力が低くなり、燃焼速度が小さ過ぎる。その
結果、いずれの場合も所望の燃焼時間の範囲外となり、
実用可能なガス発生器を提供し得ない。
【0027】また各ガス排出口の開口面積の総和Atに
対する前記ハウジング内に収容されるガス発生剤の表面
積の総和Aの値(A/At)を上記のように規制した場
合には85℃と20℃、また20℃と−40℃とでの、
内容量60リットルタンクを用いたタンク内圧力試験におけるそ
れぞれの最大圧力同士の差を、20℃での該タンク内圧
力試験の最大圧力の25%以内とし、更に40kPa以下
にすることもでき、ガス発生器の作動時に於けるハウジ
ング内最大圧力が外気の温度に依存することなく、安定
した作動性能を発揮することのできるエアバッグ用ガス
発生器となる。
【0028】タンク内圧力試験とは、内容量60リットル
のSUS製(ステンレス鋼:JIS規格記号)タンク内に、ガ
ス発生剤成型体を充填したガス発生器を固定し、タンク
を密閉後、外部着火電気回路に接続する。別にタンクに
配置された圧力トランスデューサー(圧力変換器)によ
り、着火電気回路スイッチを入れた時間を0としてタン
ク内の圧力上昇変化を時間0〜200ミリ秒の間測定す
る。そして各測定データをコンピュータ処理により最終
的にタンク圧力/時間曲線として、ガス発生器を評価す
る曲線を得る試験である。なおこの試験に於いては、ガ
ス発生剤の燃焼終了後は、タンク内のガスを一部抜き取
り、CO及びNOX 等のガス分析に供することもでき
る。本発明に於いてはこのタンク内圧力試験を−40℃
と20℃と85℃とにおいて行い、各温度でのタンク圧
力/時間曲線に於いての最大圧力(即ち最大タンク内圧
力)を測定し、85℃と20℃とにおけるタンク内圧力
試験での最大圧力同士の差、及び20℃と−40℃とに
おけるタンク内圧力試験での最大圧力同士の差を算出し
た。
【0029】ガス発生剤がハウジング内で燃焼する場
合、その燃焼性能はガス発生剤が置かれた環境に依存す
る。特に圧力指数(rb=a・Pnのnにあたる指数、r
bは燃焼速度、aはガス発生剤の初期温度に依存する定
数、Pは内圧を示す)はガス発生剤の燃焼速度に影響を
与える因子で、この値が大きい場合、燃焼時の周辺圧力
(ハウジング内圧)が高いほど燃焼速度が増大する。従
来使用されていたアジド系ガス発生剤では、この圧力指
数が0.2〜0.5と比較的低いため周辺圧力の変化が燃焼速
度に与える影響は小さかったのであるが、非アジド系ガ
ス発生剤では圧力指数が0.4〜0.7とアジド系ガス発生剤
より高いため、燃焼中のハウジング内圧力変化(周辺圧
力)の影響を受けて、燃焼速度の値が大幅に変わり得
る。
【0030】また燃焼速度自体に着目すれば、アジド系
ガス発生剤(例えばNaN3とCuO)では、常温に於いて45
〜50mm/secという比較的高い燃焼速度を有することが
知られている一方、非アジド系ガス発生剤の燃焼速度は
一般的に30mm/sec以下である。言い換えれば、アジド
系ガス発生剤は燃焼中の圧力変化による影響が少なく、
比較的高い燃焼速度を維持するが、非アジド系ガス発生
剤では燃焼中の圧力変化に応じて、燃焼速度が変化す
る。また燃焼初期温度によっても、低温ではハウジング
内圧が下がり更に燃えにくく、高温では反対にハウジン
グ内圧が上がり燃焼速度が増大する。このように環境温
度によって燃焼速度の差が顕著になるような特性を持つ
非アジド系ガス発生剤を使ってガス発生器を完成させる
には、アジド系ガス発生剤を用いた場合に比べて問題が
多いため、以下の様な構造とすることが好ましい。
【0031】まず遅い燃焼速度でも所定の時間内に燃焼
を終了させるため、ガス発生剤を出来るだけ薄く成形
し、燃焼距離を短くする必要がある。この場合、自己燃
焼時の衝撃や、外部からの振動による破壊/粉砕を避け
るため、有孔形状、特に円筒状の単孔形状として、その
肉厚を調整するのが好ましい。
【0032】また時間内に燃焼を終了させるためには、
ガス発生剤への着火性を向上させる必要がある。その方
法の1つとしては、ガス発生剤の表面積(A)を広げる
(大きくする)ことがある。そして燃焼中のハウジング
内の圧力環境変化を、出来る限り小さくすることで、燃
焼性能が安定してくる。このためには非アジド系ガス発
生剤の表面積に合ったノズル面積(At)を設定するこ
とが必要となる。
【0033】非アジド系ガス発生剤はアジド系ガス発生
剤と同様、初期温度の違いによって燃焼速度が変化す
る。その温度依存性は両者でほぼ同じ傾向を示すが、非
アジド系ガス発生剤では初期温度の相異に基づく燃焼開
始後の圧力環境の違いから、その燃焼性能に大きな差が
出る。この差を出来る限り抑えるためには、A/Atを
調節してハウジング内圧力環境を出来る限り等しくする
必要がある。
【0034】非アジド系ガス発生剤ではアジド系ガス発
生剤よりもA/Atの値を高く設定することで上記の問
題が解決できた。
【0035】フィルタ手段は、ガス発生手段の燃焼によ
って生成した燃焼残渣を除去すると共に、燃焼ガスを冷
却する機能を果たすものである。このようなものとして
は、例えば従来使用されている発生ガスを浄化する為の
フィルタ及び/又は発生したガスを冷却するクーラント
を使用する他、ステンレス鋼或は鉄等の適宜材料から成
る金網を環状の積層体として圧縮成形した積層金網フィ
ルタ等も使用できる。この積層金網フィルタは、例えば
平編の金網を半径方向に重ね、半径方向及び軸方向に圧
縮して成形したものからなることができる。このように
して成形されたフィルタ手段は、空隙構造が複雑とな
り、優れた捕集効果を有する。そのために、冷却機能と
捕集機能を兼ね備えたクーラント・フィルタ一体型のフ
ィルタ手段が実現できる。より具体的には、平編のステ
ンレス鋼製金網を円筒体に形成し、この円筒体の一端部
を外側に繰り返し折り曲げて環状の積層体を形成し、こ
の積層体を型内で圧縮成形することによりフィルタ手段
を成形することができる。あるいは、平編のステンレス
鋼製金網を円筒体に形成し、この円筒体を半径方向に押
圧して板体を形成し、この板体を筒状に多重に巻回して
積層体を形成し、この積層体を型内で圧縮成形すること
によってもフィルタ手段を成形することができる。金網
の材料であるステンレス鋼は、SUS304、SUS310S、SUS31
6(JIS規格記号)などを使用することができる。SUS304
(18Cr−8Ni−0.06C)は、オーステナイト系ステ
ンレス鋼として優れた耐食性を示す。
【0036】ここでは主にクーラント・フィルタの線材
として、ステンレス鋼を例示したが、これに限定するこ
となく、コスト等の点で利点があれば鉄なども使用可能
である。
【0037】フィルタ手段はまた、その内側又は外側に
積層金網体からなる層を有する二重構造とすることがで
きる。内側の層は、燃焼するガス発生剤の燃焼ガスに対
しフィルタ手段を保護するフィルタ手段保護機能を有す
ることができる。また外側の層は、ガス発生器作動時に
ガス圧によりフィルタ手段が膨出してこのフィルタ手段
とハウジングの外周壁間に形成される上記間隙を塞ぐこ
とのないように、フィルタ手段の膨出を抑止する抑止手
段として機能することができる。なおこのフィルタ手段
を、ハウジングの内周面から離間して配置した場合、即
ちフィルタ手段の外周面とハウジングの内周面との間に
間隙を形成した場合には、該間隙はガス流路として機能
することから、発生した燃焼ガスはフィルタ手段全面を
通過し効率的に冷却・浄化されることとなる。
【0038】このクーラント・フィルタはかさ密度が3.
0〜5.0g/cm3、好ましくは3.5〜4.5g/cm3であり、その
線材となる金属製金網の線径は0.3〜0.6mmである。例え
ば線材の一例としてステンレス鋼製金網が挙げられる
が、このステンレス製線材は線径0.3〜0.6mmで平編の編
目構造を有する。平編は編目がすべて一方向に引き出さ
れてループ状をなしており、このような編目構造を有す
る金網を半径方向に積層し、圧縮成形してクーラント・
フィルタとなす。また線材はステンレス鋼に限ったもの
ではなく、前述したように鉄製等の線材を用いても同様
の編目構造を形成することでクーラント・フィルタとす
ることができる。
【0039】本クーラント・フィルタは上記のような複
雑な編目構造により、発生ガス中の燃焼残渣捕集性能を
呈するため、ガスの流れに対してある程度の抵抗(圧力
損失)値を有するものと考えられる。その値の範囲は後
ほど述べるクーラント・フィルタ圧力損失測定方法(図
8)で測定したとき、20℃の雰囲気下で1000リットル/min
の空気流量に対して10mmH2O〜2000mmH2O(1×10-3kgf
/cm2〜2×10-1kgf/cm2)であることが望ましい。
【0040】本発明において使用されるフィルタ手段の
圧力損失値は、望ましい実施の態様に於いては、ディフ
ューザシェルに形成されたガス排出口の圧力損失値より
も低く、A/Atの関係を明確に定義づける意味に於い
て影響を与えないような値とする。即ち本発明に於いて
好適に使用されるフィルタ手段は実質的なガスの流れを
チョークして、燃焼内圧をコントロールする機能は有し
ないものである。
【0041】本発明のエアバッグ用ガス発生器は、上記
の構造によるガス発生器であれば、その衝撃の感知及び
点火手段の作動形式に関しては、専ら機械的な機構によ
り衝撃を感知する衝撃センサにより点火手段を作動させ
ガスを発生させる機械着火式、又は衝撃を感知した衝撃
センサから伝達される電気信号により点火手段が作動し
てガスを発生させる電気着火式の何れでも良い。
【0042】機械着火式の点火手段を用いた機械着火式
ガス発生器は、オモリの移動により撃針を発射する等、
専ら機械的な機構により衝撃を感知する機械式センサを
ハウジング内に収容する。このハウジングには複数のガ
ス排出口が形成されており、またその内には、前記機械
式センサから発射される撃針に刺突され着火・燃焼する
雷管と、該雷管の火炎で着火・燃焼する伝火薬とからな
る点火手段と、伝火薬の火炎で着火・燃焼し、ガスを発
生するガス発生手段と、発生したガスを冷却・浄化する
フィルタ手段とを収容して構成される。一方、電気着火
式の点火手段を用いた電気着火式ガス発生器は、ガス排
出口を有するハウジング内に、衝撃を感知したセンサか
ら伝達される電気信号で作動する点火器と、点火器の作
動により着火・燃焼する伝火薬とからなる点火手段と、
該伝火薬の火炎で着火・燃焼してガスを発生するガス発
生手段と、発生したガスを冷却・浄化するフィルタ手段
とを収容して構成される。これら機械着火式又は電気着
火式のガス発生器は、その他にも作動性能上有利な構成
を適宜選択採用することも当然可能である。
【0043】なお、本発明のガス発生器に於いては、上
記のように各ガス排出口の開口面積の総和Atに対する
前記ハウジング内に収容されるガス発生剤の表面積の総
和Aの値(A/At)を規制したものであれば、上記し
た以外の有利な構成、例えばフィルタ手段の変形を阻止
するように該フィルタ手段の外周を包囲する多孔円筒板
や、発生したガスがフィルタ手段とハウジング内面との
隙間を通過する事態を阻止する為にフィルタ手段の内周
の上端及び/又は下端を包囲するショートパス防止手段
(プレート部材等)、及びガス発生手段とフィルタ手段
との直接接触を防止するようにフィルタ手段の内周を包
囲する多孔円筒状のパーフォレーテッドバスケットなど
を採用することは任意である。
【0044】上記のエアバッグ用ガス発生器は、該ガス
発生器で発生するガスを導入して膨張するエアバッグと
共にモジュールケース内に収容され、エアバッグ装置と
なる。このエアバッグ装置には、更に衝撃を感知してガ
ス発生器を作動させる衝撃センサも含まれる。ガス発生
器が機械着火式ガス発生器の場合には、この衝撃センサ
は機械式センサが該当し、ハウジング内に点火手段と共
に収容される。一方ガス発生器が電気着火式ガス発生器
の場合には、該衝撃センサは、例えばコンソールボック
ス外に配設された半導体式加速度センサなどが該当す
る。この半導体式加速度センサは、加速度が加わるとた
わむようにされたシリコン基板のビーム上に4個の半導
体ひずみゲージが形成され、これら半導体ひずみゲージ
はブリッジ接続されている。加速度が加わるとビームが
たわみ、表面にひずみが発生する。このひずみにより半
導体ひずみゲージの抵抗が変化し、その抵抗変化を加速
度に比例した電圧信号として検出するようになってい
る。特にガス発生器として電気着火式ガス発生器を使用
する場合には、該エアバッグ装置には、更にモジュール
ケース外に配設されるコントロールユニットも含むこと
ができる。このコントロールユニットは、点火判定回路
を備えており、この点火判定回路に前記半導体式加速度
センサからの信号が入力するようになっている。センサ
からの衝撃信号がある値を越えた時点でコントロールユ
ニットは演算を開始し、演算した結果がある値を越えた
ときガス発生器に作動信号を出力する。
【0045】このエアバッグ装置は、衝撃センサが衝撃
を感知することに連動してガス発生器が作動し、そのガ
ス排出口から燃焼ガスを排出する。この燃焼ガスはエア
バッグ内に噴出し、これによりエアバッグはモジュール
カバーを破って膨出し、車両中の硬い構造物と乗員との
間に衝撃を吸収するクッションを形成する。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき説明する。図1及び図2は運転席用のガス発生
器を示す。図1は、本発明のエアバッグ用ガス発生器の
断面図である。本ガス発生器は、ディフューザシェル1
とクロージャシェル2からなるハウジング3と、このハ
ウジング3内の収容空間に配設される点火手段、すなわ
ち点火器4及び伝火薬5と、これらにより点火されて燃
焼ガスを発生するガス発生剤6と、そしてこれらガス発
生剤6を収容する燃焼室28を画成するフィルタ手段、
すなわちクーラント・フィルタ7とを含んでいる。
【0047】ディフューザシェル1は、ステンレス鋼板
をプレスにより成形してなり、円形部12と、この円形
部12の外周部に形成される周壁部10と、この周壁部
10の先端部に半径方向外側に延在するフランジ部19
を有している。周壁部10に本実施例では3mm径のガ
ス排出口11が周方向に16個等間隔に配設されている
(各ガス排出口の開口面積の総和At=113mm2 )。この
ディフューザシェル1は、その円形部12の中央部に段
部49により外側に突出した突出円形部13が形成さ
れ、段部49は、ハウジング、特にその天井部を形成す
るディフューザシェル円形部12に剛性を与えると共
に、収容空間の容積増大を果たしている。突出円形部1
3と点火器4の間に伝火薬5を収容する伝火薬容器53
が挟持されている。
【0048】クロージャシェル2は、ステンレス鋼板を
プレスにより成形してなり、円形部30と、その中央部
に形成される中央孔15と、前記円形部30の外周部に
形成される周壁部47と、この周壁部47の先端部に半
径方向外側に延在するフランジ部20を有している。中
央孔15はその孔縁部に軸方向曲折部14を有してい
る。この曲折部14は、中央孔15の孔縁部に剛性を与
えると共に、中央筒部材16との間に比較的大きな接合
面を提供している。この中央孔15に嵌合して中央筒部
材16が配置され、この中央筒部材16の一端側端面1
7は曲折部14の端面18と面一になっている。
【0049】ディフューザシェル1とクロージャシェル
2は、ハウジング3の軸方向中央位置近辺でディフュー
ザシェルのフランジ部19とクロージャシェルのフラン
ジ部20とがかさね合わされ、レーザ溶接21がされ、
両者は接合されてハウジング3を形成している。これら
フランジ部19、20は、ハウジング、特にその外周壁
8に剛性を与え、ガス圧によるハウジングの変形を阻止
している。
【0050】中央筒部材16は両端が開放したステンレ
ス鋼管よりなり、その他端側は電子ビーム溶接22によ
りディフューザシェルの突出円形部13に固定されてい
る。この中央筒部材16の内側に点火手段収容室23が
形成され、この点火手段収容室23内に、センサ(図示
せず)からの信号により作動する点火器4と、この点火
器4により着火される伝火薬5を充填した伝火薬容器5
3が配設されている。この中央筒部材16は点火器用保
持部材24を有し、この保持部材24は、点火器4の軸
方向移動を規制する内向きフランジ部25と、点火器が
嵌合し中央筒部材16の内周面に固定される周壁部26
と、かしめにより前記内向きフランジ部25との間に点
火器を軸方向に固定するかしめ部27とからなってい
る。中央筒部材16はまた、その他端側に貫通孔54を
有している。本実施例の場合、直径2.5mmの貫通孔が
周方向に6個等間隔に配設されている。
【0051】中央筒部材16は、ステンレス鋼板を管状
に丸めて溶接した管よりなる。この中央筒部材は、電気
着火式ガス発生器の場合には厚さ1.2〜3.0mmのス
テンレス鋼板を管状に丸めて溶接し、17〜22mmの外
径の管とすることができ、また機械着火式ガス発生器の
場合には厚さ1.5〜7.0mmのステンレス鋼板を管状
に丸めて溶接し、19〜30mmの外径の管とすることが
できる。このような溶接管は、UOプレス方式(板をU
形に成形した後、O形に成形し、継目を溶接するも
の)、または電縫管方式(板を円形に成形し、継目に圧
力を加えながら大電流を流して抵抗熱で溶接するもの)
などにより形成することができる。
【0052】クーラント・フィルタ7は、ガス発生剤6
を取り囲んで配設され、中央筒部材16の周囲に環状の
室、すなわち燃焼室28を画成している。このクーラン
ト・フィルタ7は、ステンレス鋼製平編の金網を半径方
向に重ね、半径方向及び軸方向に圧縮してなる。このク
ーラント・フィルタ7は、各層においてループ状の編目
が押し潰されたような形をしており、それが半径方向に
層をなしている。従って、クーラント・フィルタの空隙
構造が複雑となり、このクーラント・フィルタは優れた
捕集効果を有する。クーラント・フィルタ7の外側に積
層金網体からなる外層29が形成されている。この外層
29は、ガス発生器作動時にガス圧によりクーラント・
フィルタ7が膨出して間隙9を塞ぐことのないように、
クーラント・フィルタの膨出を抑止する抑止手段として
機能すると共に、冷却機能も有している。このクーラン
ト・フィルタ7により、燃焼室28が画成されると共
に、燃焼室で発生した燃焼ガスが冷却され、そして燃焼
残渣が捕集される。
【0053】クロージャシェルの円形部30を取り囲ん
で周方向に傾斜部31が形成され、この傾斜部31は、
クーラント・フィルタ7の移動を阻止する移動阻止手段
として機能すると共に、ハウジングの外周壁8とクーラ
ント・フィルタ7間に間隙を形成する手段としても機能
している。
【0054】燃焼室28にガス発生剤6が多数配設され
ている。ガス発生剤6は中空円柱体をなしており、この
形状の故に、燃焼は外面及び内面で起こり、燃焼の進行
につれてガス発生剤全体の表面積はあまり変わらないと
いう利点を有している。この実施例に於いては、該ガス
発生剤を、ニトログアニジン25〜60重量%と、硝酸スト
ロンチウム40〜65重量%と、酸性白土1〜20重量%とを
含んで形成し、外径2.4mm、内径0.8mm、長さ2mmの中空
円柱体としたガス発生剤(70kg/cm2の圧力下において、
線燃焼速度11mm/sec)37g(ガス発生剤の表面積の総和
A=56804mm)を、ハウジング内に充填するこ
とができる。
【0055】クーラント・フィルタ7の上側端部にプレ
ート部材32が、また下側端部にプレート部材33がそ
れぞれ配設されている。プレート部材32は、クーラン
ト・フィルタ7の上側端部開口40を塞ぐ円形部36
と、この円形部36と一体に形成されクーラント・フィ
ルタの内周面41に当接する周壁部34とからなってい
る。円形部36は、前記中央筒部材16の外周に嵌合す
る中央孔35を有している。また周壁部34は、点火手
段の火炎用貫通孔54に対向して配置され、貫通孔54
付近のクーラント・フィルタ内周面41をカバーしてい
る。この周壁部34は、クーラント・フィルタ7に向け
噴出される火炎に対しクーラント・フィルタを保護する
と共に、噴炎の方向転換を図り火炎がガス発生剤6に十
分に回るようにする機能を有する。このプレート部材3
2は、半径方向移動に関し中央筒部材16に固定されて
おり、ガス発生器組立の際にクーラント・フィルタ7の
位置決め手段として機能すると共に、ガス発生器作動時
に燃焼ガスの圧力によりハウジングの内面37とクーラ
ント・フィルタ端面38間で隙間が生じた場合、この隙
間を通り燃焼ガスがクーラント・フィルタを通過しない
で通り抜ける、いわゆる燃焼ガスのショートパスを防止
するショートパス防止手段としても機能する。プレート
部材33は、クーラント・フィルタ7の下側端部開口4
2を塞ぐ円形部50と、この円形部50と一体に形成さ
れクーラント・フィルタの内周面41に当接する周壁部
51とからなっている。円形部50は、中央筒部材16
の外周に嵌合する中央孔39を有し、充填ガス発生剤に
当接してガス発生剤の移動を抑止する。このプレート部
材33は、弾性力により中央筒部材16とクーラント・
フィルタ7間に挟持され、クーラント・フィルタの前記
端面38と反対側の端面43における燃焼ガスのショー
トパスを防止すると共に、溶接の際に、溶接防護板とし
ても機能している。
【0056】ハウジングの外周壁8と、クーラント・フ
ィルタの外層29間に間隙9が形成されている。この間
隙9によりクーラント・フィルタ7の周囲に半径方向断
面が環状のガス通路が形成される。ガス通路の半径方向
断面における面積Stは、ディフューザシェルの各ガス
排出口11の開口面積Sの総和Atよりも大きくされて
いる。クーラント・フィルタ周囲のガス通路の存在によ
り、燃焼ガスはクーラント・フィルタの全領域を通過し
ガス通路に向かって進み、これによりクーラント・フィ
ルタの有効利用と燃焼ガスの効果的な冷却・浄化が達成
される。冷却・浄化された燃焼ガスは、上記ガス通路を
通ってディフューザシェルのガス排出口11に至る。
【0057】ハウジング3内に外部より湿気が侵入する
のを阻止するために、アルミニウムテープ52によりデ
ィフューザシェルのガス排出口11が塞がれている。
【0058】本ガス発生器において、各ガス発生剤6の
表面積の総和をA(56804mm2)、ディフューザシェルの
各ガス排出口11の開口面積の総和をAt(113mm2)とす
るとき、AとAtとの比の値(A/At)は502とな
り、A/At =450〜1000の範囲内とされてい
る。これにより、ガス発生剤の燃焼速度が運転席用エア
バッグに適した速度に調整され、本ガス発生器に備わる
ガス発生剤が所望の時間内で完全燃焼することができ
る。また外気の温度差によって影響を受けにくい安定し
た作動性能を示すガス発生器となる。
【0059】本ガス発生器を組み立てるときは、中央筒
部材16を接合したディフューザシェル1をその突出円
形部13を底にして置き、プレート部材32を中央筒部
材16に通し、プレート部材32の周壁部外側にクーラ
ント・フィルタ7を嵌合し、これによりクーラント・フ
ィルタ7の位置決めを行い、その内側にガス発生剤6を
充填し、更にその上にプレート部材33を配設する。そ
の後、クロージャシェルの中央孔15を中央筒部材16
に挿通してクロージャシェルのフランジ部20をディフ
ューザシェルのフランジ部19にかさね、レーザ溶接2
1及び44を行い、ディフューザシェル1とクロージャ
シェル2、及びクロージャシェル2と中央筒部材16を
接合する。最後に、中央筒部材16内に伝火薬容器53
及び点火器4を挿入し、点火器用保持部材のかしめ部2
7をかしめてこれらを固定する。このように構成された
本ガス発生器において、衝撃をセンサ(図示せず)が感
知すると、その信号が点火器4に送られて点火器4が作
動し、これによって伝火薬容器53内の伝火薬5が着火
して高温の火炎を生成する。この火炎は貫通孔54より
噴出し、貫通孔54付近のガス発生剤6に点火すると共
に、周壁部34により進路が曲げられて燃焼室下部のガ
ス発生剤に点火する。これによりガス発生剤が燃焼して
高温・高圧のガスを生成し、この燃焼ガスは、クーラン
ト・フィルタ7の全領域を通過し、その間に効果的に冷
却されまた燃焼残渣が捕集され、冷却・浄化された燃焼
ガスは、ガス通路(間隙9)を通り、アルミニウムテー
プ52の壁を破ってガス排出口11より噴出し、エアバ
ッグ(図示せず)内に流入する。これによりエアバッグ
が膨張し、乗員と堅い構造物の間にクッションを形成し
て衝撃から乗員を保護する。
【0060】図2は、本発明の別の実施例のエアバッグ
用ガス発生器の断面図である。本ガス発生器は、ディフ
ューザシェル61とクロージャシェル62からなるハウ
ジング63と、このハウジング63内の収容空間に配設
される点火器64と、この点火器64により点火されて
燃焼ガスを発生するガス発生剤66と、そしてこれらガ
ス発生剤66を収容する燃焼室84を画成するクーラン
ト・フィルタ67とを含んでいる。
【0061】ディフューザシェル61は、ステンレス鋼
板をプレスにより成形してなり、円形部78と、その外
周部に形成される周壁部76と、その先端部に半径方向
外側に延在するフランジ部86を有している。周壁部7
6にはガス排出口77が周方向に等間隔に複数個配設さ
れている。このディフューザシェル61は、その円形部
78に放射状に配置された複数の半径方向リブ状補強体
79を有している。これらリブ状補強体79は、ハウジ
ング、特にその天井部を形成するディフューザシェル円
形部78に剛性を与え、これによりハウジングがガス圧
により変形するのを阻止している。
【0062】クロージャシェル62は、ステンレス鋼板
をプレスにより成形してなり、円形部71と、その外周
部に形成される周壁部72と、その先端部に半径方向外
側に延在するフランジ部87を有している。円形部71
は中央部に段部48により凹部73が形成され、この凹
部73の中央部に中央孔74が形成されている。この中
央孔74は、その孔縁部に軸方向曲折部75を有し、こ
の曲折部75は、点火器の胴部80が嵌合する内周面8
1と、点火器の鍔部82が係止する端面83を有してい
る。軸方向曲折部75の内周面81の構成により、比較
的大きなシール面が確保される。気密性確保のために、
点火器の胴部80と内周面81間にシーリング材を充填
することができ、また点火器の鍔部82と端面83間に
溶接を行うことができる。点火器の鍔部82が係止する
端面83は、燃焼室84内のガス圧により点火器64が
抜け出るのを防止している。段部48は、ハウジング、
特にその底部を形成するクロージャシェル円形部71に
剛性を与え、また凹部73は、点火器のコネクタ底面8
5を円形部71の外面よりも内側の位置においている。
また曲折部75は、中央孔74の孔縁部に剛性を与えて
いる。
【0063】ディフューザシェルのフランジ部86とク
ロージャシェルのフランジ部87とがハウジングの軸方
向中央位置近辺でかさね合わされてレーザ溶接88がさ
れ、ディフューザシェル61とクロージャシェル62は
互いに接合されてハウジング63を形成している。これ
らフランジ部86、87は、ハウジングの外周壁68に
剛性を与え、ガス圧によるハウジングの変形を阻止して
いる。
【0064】点火器64は、センサ(図示せず)からの
信号により作動する慣用の電気式点火器からなってい
る。電気式点火器は、機械的な機構を含まず構造が簡単
でかつ小型・軽量であるため、機械式の点火器よりも好
ましい。この点火器64(出力:10cc密閉圧力容器内で
300〜1500psi)には、図1の伝火薬容器53に類するも
のが付随していない。これはガス発生剤66の着火性、
及び燃焼性が良いことによる。ガス発生剤66は中空円
柱体をなしており、この形状の故に、燃焼は外面及び内
面で起こり、燃焼の進行につれてガス発生剤全体の表面
積はあまり変わらないという利点を有している。
【0065】クーラント・フィルタ67は、中央孔74
と同心に配置され、ハウジング63と共に燃焼室84を
画成している。このクーラント・フィルタ67は、ステ
ンレス鋼製平編の金網を半径方向に重ね、半径方向及び
軸方向に圧縮してなる。このクーラント・フィルタ67
により、燃焼室84が画成されると共に、燃焼室で発生
した燃焼ガスが冷却され、そして燃焼残渣が捕集され
る。このクーラント・フィルタ67の外側に積層金網体
からなる外層89が形成されている。この外層89は、
クーラント・フィルタの補強とガス冷却を兼ねている。
【0066】かかるクーラント・フィルタの圧力損失値
の測定方法を説明する。
【0067】図8にクーラント・フィルタの圧力損失測
定装置の概略図を示す。ここでは例えばステンレス製の
線材を円筒状に成形したクーラント・フィルタ300の
圧力損失の測定を例示する。測定対象となるクーラント
300の内側から一定量の空気を流す。本図ではクーラ
ント・フィルタ300の両端部のうち、片端部には空気
を送り込む管をつけた支持板303を取り付け、もう一
方の片端部は空気が漏れないように塞ぐ支持板303を
付け、そこに圧力計304を取り付けている。即ち円筒
状のクーラント・フィルタ300の片端部に固定した支
持板303に取り付けた管302から内部に入った空気
は、すべてクーラント・フィルタ300の円筒側面部か
ら外部に流れ出るようにする。この時一定量の空気を送
り込む管302は、正確な圧力損失測定のため、断面積
は十分に大きく内面が平滑なものでなくてはならない。
305は一定量の空気をクーラント・フィルタ内に送る
ための流量計である。このとき支持板とクーラント・フ
ィルタの端部の接触面には、パッキン等のシール手段を
施し、支持板でクーラント・フィルタを強く挟み込み、
接触面から空気が漏れないようにする。この状態で所定
量の空気を流すと、クーラント300内に流入した空気
の一部は円筒クーラント・フィルタ300の側面部から
流出し、圧力降下が見られる。これでクーラント・フィ
ルタの通気抵抗が定義できる。つまり圧力計304が示
した値をそのクーラント・フィルタ300の圧力損失値
とする。
【0068】ここに上記測定方法により外径60mm、内径
47mm、高さ29.5mmに成形された線径0.5mmのステンレス
製線材からなるクーラント・フィルタの通気抵抗を測定
した結果を開示する(流す空気の量は1000リットル/mi
n)。同一形状で同一の線径のとき、クーラント・フィ
ルタの通気抵抗は、その見かけの密度(重量/体積)に
依存する。例えば見かけの密度3g/cm3では通気抵抗70
mmH2O(0.007kgf/cm2)、4g/cm3では300mmH2O(0.03
0kgf/cm2)、5g/cm3では800mmH2O(0.08kgf/cm2
となり、クーラント・フィルタの通気抵抗は相関よく密
度に依存することがわかる。
【0069】また同様にガス排出口(絞り部)の通気抵
抗を測定することが可能である。ガス排出口の通気抵抗
の測定装置の概略図を図9に示す。この測定方法は、前
記図8に示したクーラント・フィルタの圧力損失測定方
法と原理的には同じである。即ち、図9に於いては、ガ
ス排出口301を有するディフューザシェル307に圧
力計304を取り付けているが、これは図8でクーラン
ト・フィルタの上部を押さえている圧力計304のつい
た上部支持板に対応している。ガス排出口の正確な通気
抵抗の測定には、管302を通ってディフューザシェル
307内に導入された空気が、ガス排出口以外から漏れ
ないようにする必要があり、そのためO−リング306
を介して支持板303にディフューザシェル307を押
圧するように取り付ける。図9ではディフューザシェル
のフランジ部にあるエアバッグモジュールへの取り付け
孔を利用して、ネジで支持版303にディフューザシェ
ル307に押圧固定している。このO−リング306は
ディフューザシェル307のフランジ部と支持板303
との間からの空気の漏れを防止する。また、正確な圧力
損失測定には、管302は、図8で述べたように流れる
ガスの量に対して断面積は十分に大きく、内面は平滑な
ものでなければならない。この状態で所定量の空気を管
302から流すと、ディフューザシェル内に流入した空
気の一部はガス排出口301から流出し、圧力降下が見
られる。その結果、ガス排出口の通気抵抗は、圧力計3
04が示した値(圧力損失値)として得られる。この様
な方法によって測定したガス排出口の通気抵抗が、クー
ラント・フィルタの通気抵抗と比較して十分大きければ
A/Atの関係を正確に定義できる。このガス排出口の
通気抵抗は、例えばガス排出口の開口総面積が50mm2
時12000mmH2O(1.2kgf/cm2)、100mm2の時2500mmH2O
(0.25kgf/cm2)、200mm2の時1000mmH2O(0.1kgf/c
m2)となり相関よく開口総面積に依存する。
【0070】実際に組み合わされるガス排出口の開口部
総面積とその通気抵抗、及びクーラント・フィルタの密
度とその通気抵抗は、ガス排出口面積91mm2で4000mmH2O
(0.4kgf/cm2)、クーラント・フィルタ密度は4g/cm
3で300mmH2O(0.03kgf/cm2)である。
【0071】クロージャシェルはプレス成形されている
ので、その円形部71を取り囲んで周方向に傾斜部90
が必然的に形成され、この傾斜部90は、クーラント・
フィルタ67の位置決め乃至は移動を阻止する手段とし
て機能すると共に、ハウジングの外周壁68と、クーラ
ント・フィルタの外層89間に間隙69を形成する手段
としても機能している。
【0072】燃焼室84に中空円柱体のガス発生剤66
が多数配設されている。ガス発生剤66は、直接、燃焼
室内の空間に充填され点火器64に隣接して配設され、
クーラント・フィルタ67の一側端部開口45を塞ぐプ
レート部材の円形部92によりその移動が規制されてい
る。プレート部材91は、前記円形部92と、クーラン
ト・フィルタ67の一側端部の内周面に当接して該内周
面をカバーする、前記円形部92と一体の周壁部93を
有している。このプレート部材91により、クーラント
・フィルタの一側端面94とディフューザシェル円形部
78の内面間の燃焼ガスのショートパスが防止される。
プレート部材91が配設されないクーラント・フィルタ
他側端部における端面95は、溶接によりハウジング内
面46に固定されている。これにより端面95における
ショートパスが防止される。溶接を行うことにより、通
常、クーラント・フィルタ端面とハウジング内面間に配
設される、例えばシリコンゴムからなる難燃性で弾力性
を有するパッキンが不要となる。
【0073】ハウジングの外周壁68と、クーラント・
フィルタの外層89間に間隙69が形成されており、こ
の間隙69によりクーラント・フィルタ67の周囲に半
径方向断面が環状のガス通路が形成されている。図1に
示すガス発生器と同様に、ガス通路の半径方向断面にお
ける面積は、ディフューザシェルの各ガス排出口77の
開口面積の総和よりも大きくされている。クーラント・
フィルタ周囲のガス通路の存在により、燃焼ガスはクー
ラント・フィルタの全領域を通過しガス通路に向かって
進み、これによりクーラント・フィルタの有効利用と燃
焼ガスの効果的な冷却・浄化が達成される。冷却・浄化
された燃焼ガスは、上記ガス通路を通ってディフューザ
シェルのガス排出口77に至る。ハウジング63内に外
部より湿気が侵入するのを阻止するために、アルミニウ
ムテープ96によりディフューザシェルのガス排出口7
7がハウジング内側より塞がれている。
【0074】本ガス発生器において、各ガス発生剤66
の表面積の総和をA、ディフューザシェルの各ガス排出
口77の開口面積の総和をAtとするとき、AとAtとの
比の値 A/Atは、上記図1に示すガス発生器同様、
A/At =450〜1000とされている。これによ
り、ガス発生剤の燃焼速度が運転席用エアバッグに適し
た速度に調整され、本ガス発生器に備わるガス発生剤が
所望の時間内で完全燃焼することができる。また外気の
温度差によって影響を受けにくい安定した作動性能を示
すガス発生器となる。
【0075】本ガス発生器を組み立てるときは、クロー
ジャシェルの円形部71を底にしてクロージャシェル6
2を置き、その中央孔74に点火器64を配設する。次
に、クーラント・フィルタ67を配設し、その内側にガ
ス発生剤66を充填し、更にその上にプレート部材91
を配設する。最後に、ディフューザシェルのフランジ部
86をクロージャシェルのフランジ部87にかさね、レ
ーザ溶接88を行い、ディフューザシェル61とクロー
ジャシェル62を接合する。
【0076】このように構成された本ガス発生器におい
て、衝撃をセンサ(図示せず)が感知すると、その信号
が点火器64に送られて点火器64が作動し、これによ
って燃焼室84内のガス発生剤66に点火する。これに
よりガス発生剤が燃焼して高温・高圧のガスを生成し、
この燃焼ガスはクーラント・フィルタ67の全領域より
クーラント・フィルタ67に入り、クーラント・フィル
タ67を通過する間に冷却されまた燃焼残渣が捕集され
る。冷却・浄化された燃焼ガスは、間隙69により形成
されるガス通路を通り、アルミニウムテープ96の壁を
破ってガス排出口77より噴出し、エアバッグ(図示せ
ず)内に流入する。これによりエアバッグは膨張して乗
員と堅い構造物の間にクッションを形成し、衝撃から乗
員を保護する。
【0077】図3は、図1のガス発生器と類似してお
り、ディフューザシェル1′とクロージャシェル2′を
アルミニウム合金を使用して鋳造により成形した例を示
す。ディフューザシェル1′は、円形部12′と、これ
と一体に形成される中央筒部16′と、円形部12′の
外周部に形成される周壁部10′と、その先端部に半径
方向外側に延在するフランジ部19′を有している。ま
た、クロージャシェル2′は、円形部30′と、その中
央部に形成される中央孔15′と、前記円形部30′の
外周部に形成される周壁部47′と、この周壁部47′
の先端部に半径方向外側に延在するフランジ部20′を
有している。中央孔15′は前記中央筒部16′の外周
に嵌合し、ディフューザシェルのフランジ部19′とク
ロージャシェルのフランジ部20′とがかさね合わさ
れ、レーザ溶接21′がされ、ディフューザシェルとク
ロージャシェルは接合されてハウジング3′を形成して
いる。なお、図1と同一の部材は、同一の符号を付けて
説明を省略する。
【0078】図4は、図2のガス発生器と類似してお
り、ディフューザシェル61′とクロージャシェル6
2′をアルミニウム合金を使用して鋳造により成形した
例を示す。ディフューザシェル61′は、円形部78′
と、その外周部に形成される周壁部76′と、その先端
部に半径方向外側に延在するフランジ部86′を有して
いる。クロージャシェル62′は、円形部71′と、そ
の外周部に形成される周壁部72′と、その先端部に半
径方向外側に延在するフランジ部87′を有している。
円形部71′の中央部に中央孔74′が形成されてい
る。この中央孔74′に点火器64の胴部80が嵌合
し、また点火器64の鍔部82はクロージャシェル円形
部71′の内面129に係止している。ディフューザシ
ェルのフランジ部86′とクロージャシェルのフランジ
部87′とがかさね合わされてレーザ溶接88′がさ
れ、ディフューザシェル61′とクロージャシェル6
2′は互いに接合されてハウジング63′を形成してい
る。なお、図2と同一の部材は、同一の符号をつけて説
明を省略する。
【0079】図5は助手席用のガス発生器を示す。この
ガス発生器は、周方向及び軸方向に配列された複数個の
ガス排出口100を有する円筒状部101と、この円筒
状部101の両端部に配設される側壁部102及び10
3からなるハウジング104を有している。このハウジ
ング104内の中心部に伝火チューブ105が配設さ
れ、この伝火チューブ105の外面に嵌合してディスク
状のガス発生剤106が多数並置され、更にこれらを囲
繞してクーラント・フィルタ107が配設されている。
一方の側壁部102に伝火薬108と点火器109から
なる点火手段が配設され、この点火手段は伝火チューブ
105内に収容されている。他方の側壁部103には固
定用のねじボルト110が固着されている。伝火チュー
ブ105は伝火薬108の火炎が噴出する開口111を
多数備え、これら開口111は伝火チューブの管壁に均
一に分散して穿設されている。ハウジング104の内面
には、少なくとも排出口100が穿設される領域に、ア
ルミニウムテープ124が固着されている。このアルミ
ニウムテープ124は、排出口100より外部の湿気が
ハウジング内に侵入しないように、排出口100を気密
に閉鎖している。
【0080】クーラント・フィルタ107の図面右側端
部にプレート部材112が、また左側端部にプレート部
材113がそれぞれ配設されている。プレート部材11
2は、クーラント・フィルタ107の右側端部開口11
4を塞ぐ円形部115と、この円形部115と一体に形
成されクーラント・フィルタの内周面116に当接する
周壁部117とからなっている。円形部115は、前記
伝火チューブ105の外周面に嵌合する中央孔118を
有している。また、プレート部材113もプレート部材
112と同様に構成された円形部121、周壁部12
2、及び中央孔123を有している。これらプレート部
材112、113は、半径方向移動に関し伝火チューブ
105に固定されており、ガス発生器組立の際にクーラ
ント・フィルタ107の位置決め手段として機能し、ま
た車両振動などによりクーラント・フィルタ107が移
動するのを阻止する移動阻止手段として機能すると共
に、ガス発生器作動時にハウジングの内面119とクー
ラント・フィルタ端面120間の燃焼ガスのショートパ
スを防止するショートパス防止手段としても機能する。
ハウジングの円筒状部101と、クーラント・フィルタ
107間に間隙125が形成されている。この間隙12
5によりクーラント・フィルタ107の周囲に半径方向
断面が環状のガス通路が形成される。このガス通路の半
径方向断面における面積Stは、円筒状部の各ガス排出
口100の開口面積Sの総和Atよりも大きくされてい
る。このガス通路の存在により、燃焼ガスはクーラント
・フィルタの全領域を通過しガス通路に向かって進み、
これによりクーラント・フィルタの有効利用と燃焼ガス
の効果的な冷却・浄化が達成される。冷却・浄化された
燃焼ガスは、上記ガス通路を通って円筒状部のガス排出
口100に至る。
【0081】本ガス発生器において、各ガス発生剤10
6の表面積の総和をA、円筒状部の各ガス排出口100
の開口面積の総和をAtとするとき、AとAtとの比の値
A/Atが、A/At =450〜1000とされてい
る。この実施例に於いて、例えば内径3mmのガス排出口
を32個形成した場合にはその開口面積の総和Atは226
mm2であり、図1に示すガス発生剤100gをハウジン
グ内に充填した場合にはその表面積の総和Aは153524mm
2であることから、A/Atは679となる。これによ
り、ガス発生剤の燃焼速度が助手席用エアバッグに適し
た速度に調整され、本ガス発生器に備わるガス発生剤が
所望の時間内で完全燃焼することができる。また外気の
温度差によって影響を受けにくい、安定した作動性能を
示すガス発生器となる。
【0082】衝撃をセンサが感知するとその信号が点火
器109に送られて点火器109が作動し、これによっ
て伝火薬108が着火して高温の火炎を生成する。この
火炎は、伝火チューブ105の開口111より噴出す
る。噴出した火炎は、開口領域のガス発生剤106に点
火する。これによりガス発生剤106は燃焼して高温・
高圧の燃焼ガスを生成する。この燃焼ガスは、クーラン
ト・フィルタ107の全領域を通過し、その間に効果的
に冷却されまた燃焼残渣が捕集され、冷却・浄化された
燃焼ガスは、ガス通路(間隙125)を通り、アルミニ
ウムテープ124の壁を破ってガス排出口100より噴
出し、エアバッグ(図示せず)内に流入する。これによ
りエアバッグが膨張し、乗員と堅い構造物の間にクッシ
ョンを形成して衝撃から乗員を保護する。
【0083】図6に、本発明のガス発生器を有するエア
バッグ装置の例を示す。このエアバッグ装置は、ガス発
生器200と、衝撃センサ201と、コントロールユニ
ット202と、モジュールケース203と、そしてエア
バッグ204とからなっている。
【0084】ガス発生器200は、図1に基づいて説明
したガス発生器が使用されている。衝撃センサ201
は、例えば半導体式加速度センサからなることができ
る。この半導体式加速度センサは、加速度が加わるとた
わむようにされたシリコン基板のビーム上に4個の半導
体ひずみゲージが形成され、これら半導体ひずみゲージ
はブリッジ接続されている。加速度が加わるとビームが
たわみ、表面にひずみが発生する。このひずみにより半
導体ひずみゲージの抵抗が変化し、その抵抗変化を加速
度に比例した電圧信号として検出するようになってい
る。
【0085】コントロールユニット202は、点火判定
回路を備えており、この点火判定回路に前記半導体式加
速度センサからの信号が入力するようになっている。セ
ンサからの衝撃信号がある値を越えた時点でコントロー
ルユニット202は演算を開始し、演算した結果がある
値を越えたときガス発生器200の点火器4に作動信号
を出力する。
【0086】モジュールケース203は、例えばポリウ
レタンから形成され、モジュールカバー205を含んで
いる。このモジュールケース203内にエアバッグ20
4及びガス発生器200が収容されてパッドモジュール
として構成され、このパッドモジュールは自動車のステ
アリングホイール207に取り付けられている。
【0087】エアバッグ204は、ナイロン(例えばナ
イロン66)、またはポリエステルなどから形成され、
その袋口206がガス発生器のガス排出口を取り囲み、
折り畳まれた状態でガス発生器のフランジ部に固定され
ている。
【0088】自動車の衝突時に衝撃を半導体式加速度セ
ンサ201が感知すると、その信号がコントロールユニ
ット202に送られ、センサからの衝撃信号がある値を
越えた時点でコントロールユニット202は演算を開始
し、演算した結果がある値を越えたときガス発生器20
0の点火器4に作動信号を出力する。これにより点火器
4が作動してガス発生剤に点火しガス発生剤は燃焼して
ガスを生成する。このガスはエアバッグ204内に噴出
し、これによりエアバッグはモジュールカバー205を
破って膨出し、ステアリングホイール207と乗員の間
に衝撃を吸収するクッションを形成する。
【0089】
【実施例】
『タンク内圧力試験』ガス発生剤の表面積の総和A、各
ガス排出口の開口面積の総和Atが以下のようなガス発
生器を用いて、85℃と20℃と−40℃とにおいて、
内容量60リットルタンクを用いたタンク内圧力試験を行った。
その結果を図7に示す。
【0090】「ガス発生器」 各ガス排出口の開口面積の総和At:113mm2(内径3.0mm
のガス排出口を16個) クーラント・フィルタのかさ密度:4.03g/cm3 クーラント・フィルタの圧力損失:20℃の雰囲気下で10
00リットル/minの空気流量に対して、300mmH2O(0.03kgf/
cm2) 「ガス発生剤」 組成(重量比):ニトロク゛アニシ゛ン/Sr(NO3)2/カルホ゛キシメチルセルロ
ースのナトリウム塩/酸性白土=31.0/54.0/10.0/5.0 形状:外径2.35mm、内径0.69mm、長さ3.0mmの中空円柱
体 70kg/cm2の圧力下に於ける線燃焼速度:11mm/sec ガス発生剤の表面積の総和A:56804mm2(37g) 「ガス排出口の開口面積の総和Atに対するガス発生剤
の表面積総和Aの値(A/At)」 A/At=502 『評価』図7に示すタンク内圧力試験の結果を評価する
と、実施例に示すようにA/At=502とした場合に
は85℃と20℃とにおけるタンク内最大圧力同士の差
が約30kPaとなり、20℃と−40℃とにおけるタン
ク内最大圧力同士の差が約20kPaとなる。従って、8
5℃と20℃、また20℃と−40℃とでのタンク内圧
力試験におけるそれぞれの最大圧力同士の差が40kPa
以下となり、該ガス発生器の作動性能は外気の温度差の
影響を受けにくいものとなる。
【0091】また85℃と20℃、また20℃と−40
℃とでのタンク内圧力試験におけるそれぞれの最大内圧
力同士の差は、20℃でのタンク内圧力試験におけるタ
ンク内最大圧力(約160kPa)の25%以内となる。
【0092】
【発明の効果】本発明のガス発生器は、以上述べた通り
に構成されているので、本ガス発生器に備わるガス発生
剤を所望の時間内に完全燃焼させることができ、更にガ
ス発生器の作動時に於けるハウジング内最大圧力が、外
気の温度差によって影響を受けることなく、安定した作
動性能を示すことのできるガス発生器となる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のガス発生器の断面図。
【図2】本発明の別の実施例のガス発生器の断面図。
【図3】本発明の更に別の実施例のガス発生器の半断面
図。
【図4】本発明の更にまた別の実施例のガス発生器の半
断面図。
【図5】助手席用アバッグ装置に好適の本発明のガス発
生器の断面図。
【図6】本発明のエアバッグ装置の構成図。
【図7】実施例のタンク内圧力試験の結果を示すグラ
フ。
【図8】クーラント・フィルタの圧力損失測定装置の斜
視図である。
【図9】ガス排出口の通気抵抗の測定装置の斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 ディフューザシェル 2 クロージャシェル 3 ハウジング 4 点火器 6 ガス発生剤 7 クーラント・フィルタ 11 ガス排出口

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガス排出口を有するハウジング内に、衝撃
    センサが衝撃を感知することにより作動する点火手段
    と、該点火手段により着火されて燃焼し燃焼ガスを発生
    するガス発生剤と、前記燃焼ガスの冷却及び/又は燃焼
    残渣の捕集を果たすフィルタ手段とを含んで収容してな
    るエアバッグ用ガス発生器において、 前記各ガス排出口の開口面積の総和Atに対する前記ガ
    ス発生剤の表面積の総和Aの値(A/At)を300よ
    り大に規制することを特徴とするエアバッグ用ガス発生
    器。
  2. 【請求項2】前記各ガス排出口の開口面積の総和Atに
    対する前記ガス発生剤の表面積の総和Aの値(A/At)
    を300より大に規制して、85℃と20℃、また20
    ℃と−40℃とでの、内容量60リットルタンクを用いたタンク
    内圧力試験におけるそれぞれの最大圧力同士の差を、2
    0℃での該タンク内圧力試験の最大圧力の25%以内と
    したことを特徴とする請求項1記載のエアバッグ用ガス
    発生器。
  3. 【請求項3】前記各ガス排出口の開口面積の総和Atに
    対する前記ガス発生剤の表面積の総和Aの値(A/A
    t)を300より大に規制して、85℃と20℃、また
    20℃と−40℃とでの、内容量60リットルタンクを用いたタ
    ンク内圧力試験におけるそれぞれの最大圧力同士の差を
    40kPa以下とすることを特徴とする請求項1又は2記
    載のエアバッグ用ガス発生器。
  4. 【請求項4】前記各ガス排出口の開口面積の総和Atに
    対する前記ガス発生剤の表面積の総和Aの値(A/At)
    が、運転席用及び助手席用のエアバッグ用ガス発生器に
    おいて、A/At の値が300より大きく1300以下
    であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載
    のエアバッグ用ガス発生器。
  5. 【請求項5】前記各ガス排出口の開口面積の総和Atに
    対する前記ガス発生剤の表面積の総和Aの値(A/At)
    が、運転席用及び助手席用のエアバッグ用ガス発生器に
    おいて、A/At =450〜1300であることを特徴
    とする請求項1〜3の何れか1項記載のエアバッグ用ガ
    ス発生器。
  6. 【請求項6】前記各ガス排出口の開口面積の総和Atに
    対する前記ガス発生剤の表面積の総和Aの値(A/At)
    が、運転席用及び助手席用のエアバッグ用ガス発生器に
    おいて、A/At =450〜1000であることを特徴
    とする請求項1〜3の何れか1項記載のエアバッグ用ガ
    ス発生器。
  7. 【請求項7】前記各ガス排出口の開口面積の総和At
    は、(a)運転席用のエアバッグ用ガス発生器において
    は、50〜200mm2、(b)助手席用のエアバッグ用
    ガス発生器においては、60〜500mm2であることを
    特徴とする請求項1〜6の何れか1項記載のエアバッグ
    用ガス発生器。
  8. 【請求項8】前記各ガス発生剤の表面積の総和Aは、
    (a)運転席用のエアバッグ用ガス発生器においては、
    4×104〜7×104mm2、(b)助手席用のエアバッ
    グ用ガス発生器においては、6×104〜3×105mm2
    であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項記載
    のエアバッグ用ガス発生器。
  9. 【請求項9】前記ガス排出口は、その内径が2〜5mmで
    あることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項記載の
    エアバッグ用ガス発生器。
  10. 【請求項10】前記ガス発生剤は、70kg/cm2の圧力下に
    於ける線燃焼速度が、7〜30mm/secであることを特徴
    とする請求項1〜9の何れか1項記載のエアバッグ用ガ
    ス発生器。
  11. 【請求項11】前記ガス発生剤は、70kg/cm2の圧力下に
    於ける線燃焼速度が、7〜15mm/secであること
    を特徴とする請求項1〜9の何れか1項記載のエアバッ
    グ用ガス発生器。
  12. 【請求項12】前記ガス発生剤は、含窒素有機化合物
    と、酸化剤と、スラグ形成剤とを含む非アジド系ガス発
    生剤であることを特徴とする請求項1〜11の何れか1
    項記載のエアバッグ用ガス発生器。
  13. 【請求項13】前記ガス発生剤において、含窒素有機化
    合物の含有量が25〜60重量%、酸化剤の含有量が40〜
    65重量%、スラグ形成剤の含有量が1〜20重量%である
    ことを特徴とする請求項12記載のエアバッグ用ガス発
    生器。
  14. 【請求項14】前記含窒素有機化合物がニトログアニジ
    ンであることを特徴とする請求項12又は13記載のエ
    アバッグ用ガス発生器。
  15. 【請求項15】前記スラグ形成剤が酸性白土であること
    を特徴とする請求項12〜14の何れか1項記載のエア
    バッグ用ガス発生器。
  16. 【請求項16】前記ガス発生剤は単孔円筒形状であるこ
    とを特徴とする請求項1〜15の何れか1項記載のエア
    バッグ用ガス発生器。
  17. 【請求項17】前記ガス発生剤の充填量は、(a)運転
    席用のエアバッグ用ガス発生器においては、20〜50
    g、(b)助手席用のエアバッグ用ガス発生器において
    は、50〜190gであることを特徴とする請求項1〜
    16の何れか1項記載のエアバッグ用ガス発生器。
  18. 【請求項18】前記フィルタ手段の圧力損失値は、該ハ
    ウジングに形成されたガス排出口の圧力損失値よりも低
    いことを特徴とする請求項1〜17の何れか1項記載の
    ガス発生器。
  19. 【請求項19】エアバッグ用ガス発生器と、 衝撃を感知して前記ガス発生器を作動させる衝撃センサ
    と、 前記ガス発生器で発生するガスを導入して膨張するエア
    バッグと、 前記エアバッグを収容するモジュールケースとを含み、
    前記エアバッグ用ガス発生器が請求項1〜18の何れか
    1項記載のエアバッグ用ガス発生器であることを特徴と
    するエアバッグ装置。
JP10106286A 1997-05-09 1998-04-16 エアバッグ用ガス発生器及びエアバッグ装置 Expired - Lifetime JP2926040B2 (ja)

Priority Applications (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10106286A JP2926040B2 (ja) 1997-05-09 1998-04-16 エアバッグ用ガス発生器及びエアバッグ装置
DE69817910T DE69817910T2 (de) 1997-05-09 1998-04-23 Gasgenerator für einen Luftsack und Luftsacksystem
AT98107422T ATE249351T1 (de) 1997-05-09 1998-04-23 Gasgenerator für einen luftsack und luftsacksystem
EP98107422A EP0876943B1 (en) 1997-05-09 1998-04-23 Gas generator for air bag and air bag system
TW087107053A TW369493B (en) 1997-05-09 1998-05-07 Gas generator for air bag and air bag system
US09/074,609 US6183006B1 (en) 1997-05-09 1998-05-08 Gas generator for air bag and air bag system
CN98108404A CN1098181C (zh) 1997-05-09 1998-05-11 用于气囊的气体发生器以及气囊系统
US09/624,008 US6224096B1 (en) 1997-05-09 2000-07-21 Gas generator for air bag and air bag system
US09/845,176 US6386582B2 (en) 1997-05-09 2001-05-01 Gas generator for air bag and air bag system

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11954897 1997-05-09
JP9-119548 1997-05-09
JP10106286A JP2926040B2 (ja) 1997-05-09 1998-04-16 エアバッグ用ガス発生器及びエアバッグ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1120598A true JPH1120598A (ja) 1999-01-26
JP2926040B2 JP2926040B2 (ja) 1999-07-28

Family

ID=26446404

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10106286A Expired - Lifetime JP2926040B2 (ja) 1997-05-09 1998-04-16 エアバッグ用ガス発生器及びエアバッグ装置

Country Status (7)

Country Link
US (3) US6183006B1 (ja)
EP (1) EP0876943B1 (ja)
JP (1) JP2926040B2 (ja)
CN (1) CN1098181C (ja)
AT (1) ATE249351T1 (ja)
DE (1) DE69817910T2 (ja)
TW (1) TW369493B (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000044594A1 (fr) * 1999-01-29 2000-08-03 Nippon Kayaku Kabushiki-Kaisha Générateur de gaz
WO2001005632A1 (fr) * 1999-07-14 2001-01-25 Daicel Chemical Industries, Ltd. Refrigerant pour generateur de gaz d'airbag et procede de production correspondant
WO2001047753A1 (fr) * 1999-12-27 2001-07-05 Daicel Chemical Industries, Ltd. Generateur de gaz pour airbag et airbag
US6854395B2 (en) 2001-08-10 2005-02-15 Daicel Chemical Industries, Ltd. Inflator for an air bag
JP2005306162A (ja) * 2004-04-20 2005-11-04 Takata Corp ニーバッグモジュール

Families Citing this family (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0934854A4 (en) * 1996-11-14 2002-07-17 Nippon Kayaku Kk GAS GENERATOR FOR SAFETY AIR BAG
JP2000016226A (ja) * 1998-06-26 2000-01-18 Daicel Chem Ind Ltd エアバッグ用ガス発生器及びエアバッグ装置
CN100335317C (zh) * 1999-02-16 2007-09-05 大赛璐化学工业株式会社 多级式气囊装置、连接器和多级气囊气体发生器
CN1216759C (zh) * 1999-02-16 2005-08-31 大赛璐化学工业株式会社 多级气囊气体发生器和气囊装置
US6523855B2 (en) * 1999-09-24 2003-02-25 Breed Automotive Technologies, Inc. Air bag, method of manufacture and system therefor
US6886855B2 (en) * 2002-05-31 2005-05-03 Autoliv Asp, Inc. Gas generant filter assemblies
JP2004051076A (ja) * 2002-05-31 2004-02-19 Daicel Chem Ind Ltd 助手席エアバッグ用ガス発生器
JP2004009798A (ja) * 2002-06-04 2004-01-15 Takata Corp 乗員保護装置
US20040025991A1 (en) * 2002-08-07 2004-02-12 Canterberry Jb Nitroguanidine based gas generant containing mica
US7172214B2 (en) * 2002-12-09 2007-02-06 Daicel Chemical Industries, Ltd. Gas generator for air bag
JP4180993B2 (ja) * 2003-08-06 2008-11-12 日本化薬株式会社 ガス発生器
JP4994574B2 (ja) 2004-01-07 2012-08-08 株式会社ダイセル ガス発生器用フィルタ
JP4370177B2 (ja) * 2004-01-29 2009-11-25 中央発條株式会社 インフレータ用濾過部材及びインフレータ用濾過部材の製造方法
US7648163B2 (en) * 2004-08-10 2010-01-19 Daicel Chemical Industries, Ltd. Gas generator for air bag
US20060103122A1 (en) * 2004-11-12 2006-05-18 Trw Vehicle Safety Systems Inc. Crushed expanded sheet metal filter for an inflator
US20060186654A1 (en) * 2005-01-28 2006-08-24 Daicel Chemical Industries, Ltd. Gas generator for air bag
JP4907931B2 (ja) * 2005-09-15 2012-04-04 日本化薬株式会社 ガス発生器
EP2070870A1 (en) 2007-12-14 2009-06-17 Nederlandse Organisatie voor toegepast- natuurwetenschappelijk onderzoek TNO Formulation for generating nitrogen gas
US8925464B1 (en) * 2008-09-30 2015-01-06 Tk Holdings Inc. Housing structure for gas generating system
US8123815B2 (en) 2008-11-24 2012-02-28 Biomet Manufacturing Corp. Multiple bearing acetabular prosthesis
JP5719763B2 (ja) * 2009-03-13 2015-05-20 日本化薬株式会社 ガス発生剤組成物及びその成形体、並びにそれを用いたガス発生器
US8308810B2 (en) 2009-07-14 2012-11-13 Biomet Manufacturing Corp. Multiple bearing acetabular prosthesis
JP5770978B2 (ja) * 2010-04-19 2015-08-26 株式会社ダイセル ガス発生器
CA2943113C (en) * 2014-03-17 2022-10-25 Core Sports Technology Group Method and system for delivering biomechanical feedback to human and object motion
FR3019178B1 (fr) * 2014-03-28 2017-10-13 Livbag Sas Filtre pour generateur de gaz
CN111535952B (zh) * 2020-05-10 2022-08-12 陈超胜 一种废气再利用的磁力增压型发动机进气过滤装置

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5217619B2 (ja) 1972-09-09 1977-05-17
FR2269057B1 (ja) 1974-04-29 1976-12-17 Poudres & Explosifs Ste Nale
EP0589042A1 (en) 1991-06-17 1994-03-30 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Gas generator for air bag
US5201542A (en) * 1991-07-10 1993-04-13 Breed Automotive Corporation Two piece inflator housing
DE4135299C2 (de) * 1991-10-25 1998-12-24 Temic Bayern Chem Airbag Gmbh Gasgenerator
US5269561A (en) 1992-07-06 1993-12-14 Morton International, Inc. Vented gas passenger side air bag inflator
AU5091493A (en) * 1992-12-28 1994-07-19 Atlantic Research Corporation Inflating crash bags
JP2862023B2 (ja) 1994-09-30 1999-02-24 株式会社神戸製鋼所 ガス発生器
US5551725A (en) * 1995-03-10 1996-09-03 Ludwig; Christopher P. Vehicle airbag inflator and related method
WO1997005087A1 (fr) 1995-07-27 1997-02-13 Sensor Technology Co., Ltd. Composition explosive pour coussin gonflable de securite et son procede de production
US5507891A (en) * 1995-08-11 1996-04-16 Alliant Techsystems Inc. Propellant composition for automotive safety applications
WO1997010127A1 (fr) * 1995-09-13 1997-03-20 Daicel Chemical Industries, Ltd. Generateur de gaz pour airbags
CN2223221Y (zh) * 1995-09-15 1996-03-27 北京市赫达汽车安全技术公司 汽车乘员保护装置用的氮气发生器
US6234521B1 (en) * 1996-04-08 2001-05-22 Daicel Chemical Industries, Ltd. Airbag inflator and an airbag apparatus
JPH1095302A (ja) 1996-07-31 1998-04-14 Daicel Chem Ind Ltd エアバッグ用ガス発生器及びエアバッグ装置
US5876062A (en) * 1997-07-29 1999-03-02 Autoliv Asp, Inc. Airbag inflator with direct electrical ignition for small sized gas generant bodies

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000044594A1 (fr) * 1999-01-29 2000-08-03 Nippon Kayaku Kabushiki-Kaisha Générateur de gaz
WO2001005632A1 (fr) * 1999-07-14 2001-01-25 Daicel Chemical Industries, Ltd. Refrigerant pour generateur de gaz d'airbag et procede de production correspondant
US6840977B1 (en) 1999-07-14 2005-01-11 Daicel Chemical Industries, Ltd. Coolant for air-bag gas generator and production method therefor
WO2001047753A1 (fr) * 1999-12-27 2001-07-05 Daicel Chemical Industries, Ltd. Generateur de gaz pour airbag et airbag
US6854395B2 (en) 2001-08-10 2005-02-15 Daicel Chemical Industries, Ltd. Inflator for an air bag
JP2005306162A (ja) * 2004-04-20 2005-11-04 Takata Corp ニーバッグモジュール

Also Published As

Publication number Publication date
CN1098181C (zh) 2003-01-08
JP2926040B2 (ja) 1999-07-28
US20020017777A1 (en) 2002-02-14
EP0876943B1 (en) 2003-09-10
US6224096B1 (en) 2001-05-01
US6183006B1 (en) 2001-02-06
CN1198999A (zh) 1998-11-18
DE69817910D1 (de) 2003-10-16
TW369493B (en) 1999-09-11
ATE249351T1 (de) 2003-09-15
US6386582B2 (en) 2002-05-14
EP0876943A2 (en) 1998-11-11
EP0876943A3 (en) 2000-05-31
DE69817910T2 (de) 2004-05-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2926040B2 (ja) エアバッグ用ガス発生器及びエアバッグ装置
US6409214B2 (en) Airbag inflator and an airbag apparatus
JP2963086B1 (ja) エアバッグ用ガス発生器及びエアバッグ装置
JPH1159314A (ja) エアバッグ用ガス発生器
JPH1159317A (ja) エアバッグ用ガス発生器及びエアバッグ装置
US6135496A (en) Gas generator for air bag and air bag system
JPH1159316A (ja) エアバッグ用ガス発生器及びエアバッグ装置
US6116643A (en) Coolant/filter for air bag gas generator
JPH1095302A (ja) エアバッグ用ガス発生器及びエアバッグ装置
JP2000198409A (ja) エアバッグ用ガス発生器及びそのク―ラント
US6406060B1 (en) Gas generator for airbag and airbag system
JP2989788B2 (ja) エアバッグ用ガス発生器及びエアバッグ装置
JPH1159315A (ja) エアバッグ用ガス発生器のクッション部材
JP3218213B2 (ja) エアバッグ用ガス発生器及びエアバッグ装置
JPH11348711A (ja) エアバッグ用ガス発生器及びエアバッグ装置
WO2000026066A1 (fr) Generateur de gaz pour airbag, et refrigerant pour ce generateur
JP3267546B2 (ja) エアバッグ用ガス発生器及びエアバッグ装置
JPH10315900A (ja) エアバッグ用ガス発生器及びエアバッグ装置
JP2001206189A (ja) エアバッグ用ガス発生器及びエアバッグ装置
JPH10203298A (ja) エアバッグ用ガス発生器及びエアバッグ装置
JPH1044916A (ja) エアバッグ用ガス発生器及びエアバッグ装置
JPH11189125A (ja) エアバッグ用ガス発生器及びエアバッグ装置
JP2001219811A (ja) エアバッグ用ガス発生器及びエアバッグ装置
JP2001206188A (ja) エアバッグ用ガス発生器及びエアバッグ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19990406

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080507

Year of fee payment: 9

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080507

Year of fee payment: 9

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080507

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090507

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100507

Year of fee payment: 11

RVTR Cancellation due to determination of trial for invalidation