JPH11204078A - 放電管用陰極、該陰極の製造方法およびアークランプ - Google Patents
放電管用陰極、該陰極の製造方法およびアークランプInfo
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- JPH11204078A JPH11204078A JP10020346A JP2034698A JPH11204078A JP H11204078 A JPH11204078 A JP H11204078A JP 10020346 A JP10020346 A JP 10020346A JP 2034698 A JP2034698 A JP 2034698A JP H11204078 A JPH11204078 A JP H11204078A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 アークランプの高出力時においても安定した
動作ができる放電管用陰極とその製造方法およびアーク
ランプを提供する。 【解決手段】 周期律表IVa、Va、VIa族元素を
含む炭化物または窒化物を陰極基材とした。
動作ができる放電管用陰極とその製造方法およびアーク
ランプを提供する。 【解決手段】 周期律表IVa、Va、VIa族元素を
含む炭化物または窒化物を陰極基材とした。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高圧にて動作させ
る放電管用陰極及びアークランプに関し、特に高出力時
においても安定した動作を行えるものに関する。
る放電管用陰極及びアークランプに関し、特に高出力時
においても安定した動作を行えるものに関する。
【0002】
【従来技術】従来の放電管用陰極は、先端が鋭利化され
た形状をしており、その種類は大別して、トリア入りタ
ングステン陰極、タングステン陰極、含浸型陰極の3種
類が使用されてきた。
た形状をしており、その種類は大別して、トリア入りタ
ングステン陰極、タングステン陰極、含浸型陰極の3種
類が使用されてきた。
【0003】トリア入りタングステン陰極は、トリア
(ThO2)を1〜5%程度含有させたタングステン材
料を機械加工によって、図8(a)に示すような先端鋭
利な形状の陰極基材1を整形し、図9(a)に示すよう
に、この陰極基材1をモリブデン製リボン2にロウ付
け、カシメ、溶接などで固着して形成したものである。
(ThO2)を1〜5%程度含有させたタングステン材
料を機械加工によって、図8(a)に示すような先端鋭
利な形状の陰極基材1を整形し、図9(a)に示すよう
に、この陰極基材1をモリブデン製リボン2にロウ付
け、カシメ、溶接などで固着して形成したものである。
【0004】タングステン陰極は、99%以上の純度を
持つタングステン材料を使用したもので、その形状は上
記と同様である。
持つタングステン材料を使用したもので、その形状は上
記と同様である。
【0005】含浸型陰極は、多孔質タングステンを図8
(b)に示すように、前述の2種類のものよりやや緩い
勾配で尖らせた形状に整形し、空孔に電子放射材料とし
てBaO、CaO、Al2O3を混合した酸化物を水素ガ
ス中、1700℃程度の温度で含浸させた陰極基材1で
高電子放出能力を持つ。そしてこの陰極基材1を図9
(b)に示すように、モリブデン製のリード3で支持
し、リード3にモリブデン製リボン2を接続して形成し
たものである。
(b)に示すように、前述の2種類のものよりやや緩い
勾配で尖らせた形状に整形し、空孔に電子放射材料とし
てBaO、CaO、Al2O3を混合した酸化物を水素ガ
ス中、1700℃程度の温度で含浸させた陰極基材1で
高電子放出能力を持つ。そしてこの陰極基材1を図9
(b)に示すように、モリブデン製のリード3で支持
し、リード3にモリブデン製リボン2を接続して形成し
たものである。
【0006】これら3種類それぞれの陰極は、図10に
示すように、陽極5とともに放電ガスが充填されたガラ
ス管6内に封止され、アークランプとなる。このように
アークランプとなった上記3種類の陰極によって放電点
灯が行われる。
示すように、陽極5とともに放電ガスが充填されたガラ
ス管6内に封止され、アークランプとなる。このように
アークランプとなった上記3種類の陰極によって放電点
灯が行われる。
【0007】従来のトリア入りタングステン陰極では、
先端角度は約20°で高い輝度を持つ。しかし、基本的
に高温に加熱されたトリア入りタングステンは、靱性が
低下し先端の先鋭形状が維持できなくなる。または溶融
による先端形状の破壊が生じる。その結果、輝点が先端
に集中できなくなり輝度の低下を生じ約1700時間で
寿命となる。
先端角度は約20°で高い輝度を持つ。しかし、基本的
に高温に加熱されたトリア入りタングステンは、靱性が
低下し先端の先鋭形状が維持できなくなる。または溶融
による先端形状の破壊が生じる。その結果、輝点が先端
に集中できなくなり輝度の低下を生じ約1700時間で
寿命となる。
【0008】この現象は、タングステン陰極においても
同様であるが、この輝度低下の進行はトリア入りタング
ステン陰極よりも更に早い。
同様であるが、この輝度低下の進行はトリア入りタング
ステン陰極よりも更に早い。
【0009】含浸型陰極では、その高電子放出能力によ
って放電開始電圧、放電維持電圧が下がり、また前記2
種類の陰極に比べて先端角度が比較的緩い勾配(約80
°)であることによって、輝点が大きくなり先端温度の
上昇が抑制されるので点灯時において形状変化は小さく
長寿命である。しかし、輝度はトリア入りタングステン
陰極と比較すると約3〜4割低い。そこでトリア入りタ
ングステン陰極のような先端角度にすると、輝度は向上
するが寿命を極めて短くする。更に、含浸させているア
ルミン酸バリウムカルシウム化合物が蒸発し、ランプの
ガラス管内壁に付着して透光率を低下させて寿命を短く
する。
って放電開始電圧、放電維持電圧が下がり、また前記2
種類の陰極に比べて先端角度が比較的緩い勾配(約80
°)であることによって、輝点が大きくなり先端温度の
上昇が抑制されるので点灯時において形状変化は小さく
長寿命である。しかし、輝度はトリア入りタングステン
陰極と比較すると約3〜4割低い。そこでトリア入りタ
ングステン陰極のような先端角度にすると、輝度は向上
するが寿命を極めて短くする。更に、含浸させているア
ルミン酸バリウムカルシウム化合物が蒸発し、ランプの
ガラス管内壁に付着して透光率を低下させて寿命を短く
する。
【0010】つまり、陰極の先端角度は、輝点の大きさ
及び揺らぎ等に関与し、従って輝度を支配する。また仕
事関数は、放電開始電圧や放電維持電圧に関与し、一般
に仕事関数が低い程、陰極降下電圧を緩和し先端温度の
上昇を抑制する。ここで従来技術で陰極先端角度を先鋭
化し、放電の輝点を先端に集中させた場合、放電によっ
て生じるガスイオンに絶えず叩かれることによって、陰
極先端が高エネルギーで加熱され、それと同時に先端を
鈍化する方向に応力を受ける。これによって陰極先端
は、融けまたは徐々に押しつぶされ先鋭化が失われる。
この状態になると輝点は拡大し、従って輝度が低下す
る。
及び揺らぎ等に関与し、従って輝度を支配する。また仕
事関数は、放電開始電圧や放電維持電圧に関与し、一般
に仕事関数が低い程、陰極降下電圧を緩和し先端温度の
上昇を抑制する。ここで従来技術で陰極先端角度を先鋭
化し、放電の輝点を先端に集中させた場合、放電によっ
て生じるガスイオンに絶えず叩かれることによって、陰
極先端が高エネルギーで加熱され、それと同時に先端を
鈍化する方向に応力を受ける。これによって陰極先端
は、融けまたは徐々に押しつぶされ先鋭化が失われる。
この状態になると輝点は拡大し、従って輝度が低下す
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決し、アークランプの高出力時においても安定した
動作ができる放電管用陰極とその製造方法およびアーク
ランプを提供することを目的とする。
を解決し、アークランプの高出力時においても安定した
動作ができる放電管用陰極とその製造方法およびアーク
ランプを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の放電管用陰極は、周期律表IVa、Va、
VIa族元素を含む炭化物または窒化物を陰極基材とす
ることを特徴とする。
に、本発明の放電管用陰極は、周期律表IVa、Va、
VIa族元素を含む炭化物または窒化物を陰極基材とす
ることを特徴とする。
【0013】なお、前記陰極基材は、緻密質の前記元素
を含む炭化物または窒化物である基材としても良い。
を含む炭化物または窒化物である基材としても良い。
【0014】または、前記元素を含む多孔質焼結体の炭
化物または窒化物材の基材としても良い。
化物または窒化物材の基材としても良い。
【0015】更に、前記多孔質基材は、アルミン酸バリ
ウムカルシウムを含浸して、低仕事関数化しても良い。
ウムカルシウムを含浸して、低仕事関数化しても良い。
【0016】次に、これらの陰極を製造する本発明の放
電管用陰極の製造方法は、前記元素を含む緻密質または
多孔質焼結体を、炭素化合物ガス、窒素ガス若しくは窒
素化合物ガスまたはこれらの混合ガスを含む水素ガス若
しくは不活性ガス雰囲気で陽極と対向させ、プラズマ放
電処理によって炭化物または窒化物の陰極基材を製造す
ることを特徴とする。ここで、炭化物の陰極基材は、前
記元素を水素または不活性ガス雰囲気で、炭素からなる
陽極と対向させ、放電処理によって製造しても良い。
電管用陰極の製造方法は、前記元素を含む緻密質または
多孔質焼結体を、炭素化合物ガス、窒素ガス若しくは窒
素化合物ガスまたはこれらの混合ガスを含む水素ガス若
しくは不活性ガス雰囲気で陽極と対向させ、プラズマ放
電処理によって炭化物または窒化物の陰極基材を製造す
ることを特徴とする。ここで、炭化物の陰極基材は、前
記元素を水素または不活性ガス雰囲気で、炭素からなる
陽極と対向させ、放電処理によって製造しても良い。
【0017】更に、炭素化合物ガス、窒素ガス若しくは
窒素化合物ガスまたはこれらの混合ガスに富む水素ガス
若しくは不活性ガス雰囲気で、前記元素を含む緻密質ま
たは粉末を加圧、焼成することによって炭化物または窒
化物を製造する工程を有することを特徴とする。
窒素化合物ガスまたはこれらの混合ガスに富む水素ガス
若しくは不活性ガス雰囲気で、前記元素を含む緻密質ま
たは粉末を加圧、焼成することによって炭化物または窒
化物を製造する工程を有することを特徴とする。
【0018】なお、前記炭素化合物ガスの供給源として
炭化水素またはグラファイトとし、前記窒素化合物ガス
の供給源としてアンモニアまたはアンモニウム錯体とし
て好適である。
炭化水素またはグラファイトとし、前記窒素化合物ガス
の供給源としてアンモニアまたはアンモニウム錯体とし
て好適である。
【0019】更に、前記元素を含む多孔質焼結体に、樹
脂または樹脂とトリア(ThO2)の混合物を含浸させ
た後、加熱し炭素を析出させ、更に加熱することにより
前記多孔質焼結体を炭化物にすることを特徴とする。
脂または樹脂とトリア(ThO2)の混合物を含浸させ
た後、加熱し炭素を析出させ、更に加熱することにより
前記多孔質焼結体を炭化物にすることを特徴とする。
【0020】また、本発明のアークランプは上記の陰極
と陽極を放電ガスを充填したガラス管内に封入して構成
したことを特徴とする。
と陽極を放電ガスを充填したガラス管内に封入して構成
したことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に沿って説明する。なお、複数の図面にわたって同一ま
たは相当するものには同一の符号を付し、説明の重複を
避けた。
に沿って説明する。なお、複数の図面にわたって同一ま
たは相当するものには同一の符号を付し、説明の重複を
避けた。
【0022】図1(a)、(b)は、本発明により形成
した陰極の実施の形態を示した図である。本図において
11は炭化物若しくは窒化物またはこれらの混合体の陰
極基材、3はモリブデン製のリードを示す。
した陰極の実施の形態を示した図である。本図において
11は炭化物若しくは窒化物またはこれらの混合体の陰
極基材、3はモリブデン製のリードを示す。
【0023】図2は、本発明の放電管用陰極の製造工程
を示す図である。本図において、4は陰極基材1にリー
ド3を固着した場合も含めた半製品の陰極本体を示す。
を示す図である。本図において、4は陰極基材1にリー
ド3を固着した場合も含めた半製品の陰極本体を示す。
【0024】本発明の放電管用陰極の製作は、次のよう
にして行われる。まず、タングステン、タンタル、ハフ
ニウム等の周期律表IVa、Va、VIa族元素からな
る緻密質または多孔質体(事前に銅若しくは樹脂が含浸
されており加工性を容易にしてある。)を研磨または切
削加工により先端を円錐状に鋭利に形成する(図2
(a)、(b))。ここで緻密質とは、これを構成して
いる粒界が最密化した状態で気孔率がほぼ100%の基
材である。また、多孔質体とは気孔率15〜30%まで
の基材である。
にして行われる。まず、タングステン、タンタル、ハフ
ニウム等の周期律表IVa、Va、VIa族元素からな
る緻密質または多孔質体(事前に銅若しくは樹脂が含浸
されており加工性を容易にしてある。)を研磨または切
削加工により先端を円錐状に鋭利に形成する(図2
(a)、(b))。ここで緻密質とは、これを構成して
いる粒界が最密化した状態で気孔率がほぼ100%の基
材である。また、多孔質体とは気孔率15〜30%まで
の基材である。
【0025】放電処理による炭化物または窒化物の製造
は、半製品の陰極本体4を図3のチェンバー内に装着す
る。本図において、5は陽極、6は真空チャンバー、7
は直流電源を示す。ここで、メタン等を供給源とする活
性な炭素化合物ガス若しくはアンモニア等を供給源とす
る活性な窒素ガスまたはこれらの混合ガスを含む水素ガ
ス若しくはアルゴンガス雰囲気(10-2〜10-3tor
r)で、半製品の陰極本体4の温度が900〜2000
℃(例えば、径2[mm]のタンタルの場合、印加電
力:約300〜1000[W])となるように印加電力
を制御しプラズマ放電処理を行う。処理時間は15〜6
0[min]で、50〜1000[μm]の炭化または
窒化領域8を形成し図4(a)、(b)に示す陰極本体
を得る。更に炭化処理においては、5の陽極を高純度の
グラファイトとし、水素ガスまたはアルゴンガス雰囲気
で前記同様の放電処理をすることによっても炭化が可能
である。
は、半製品の陰極本体4を図3のチェンバー内に装着す
る。本図において、5は陽極、6は真空チャンバー、7
は直流電源を示す。ここで、メタン等を供給源とする活
性な炭素化合物ガス若しくはアンモニア等を供給源とす
る活性な窒素ガスまたはこれらの混合ガスを含む水素ガ
ス若しくはアルゴンガス雰囲気(10-2〜10-3tor
r)で、半製品の陰極本体4の温度が900〜2000
℃(例えば、径2[mm]のタンタルの場合、印加電
力:約300〜1000[W])となるように印加電力
を制御しプラズマ放電処理を行う。処理時間は15〜6
0[min]で、50〜1000[μm]の炭化または
窒化領域8を形成し図4(a)、(b)に示す陰極本体
を得る。更に炭化処理においては、5の陽極を高純度の
グラファイトとし、水素ガスまたはアルゴンガス雰囲気
で前記同様の放電処理をすることによっても炭化が可能
である。
【0026】以上のように陰極基材の炭化を実施するこ
とにより、極めて高い耐熱温度が得られるので、先端形
状を先鋭化した場合においても、従来よりも先端形状の
劣化が緩やかで高輝度長寿命となる。特に放電処理によ
る炭化は、放電状態を制御することによって、特定部分
だけを炭化することもでき、炭化領域の制御が比較的容
易に行われ、後工程のリードとリボンの固着を容易にす
る。また、放電処理中のイオン衝撃によってガス出しの
効果もあり、コンタミネーションの無い表面が得られ、
アーク放電時の特性が安定する。
とにより、極めて高い耐熱温度が得られるので、先端形
状を先鋭化した場合においても、従来よりも先端形状の
劣化が緩やかで高輝度長寿命となる。特に放電処理によ
る炭化は、放電状態を制御することによって、特定部分
だけを炭化することもでき、炭化領域の制御が比較的容
易に行われ、後工程のリードとリボンの固着を容易にす
る。また、放電処理中のイオン衝撃によってガス出しの
効果もあり、コンタミネーションの無い表面が得られ、
アーク放電時の特性が安定する。
【0027】また、陰極を高純度のグラファイトとして
炭化した場合も、より簡単に上記効果を得ることができ
る。
炭化した場合も、より簡単に上記効果を得ることができ
る。
【0028】次に図5は、高温水素炉で炭化物若しくは
窒化物またはこれらの混合体の陰極基材を製造する方法
を示す。本図において、4は半製品の陰極本体、9は水
素炉、10はメタンガス若しくはアンモニアガスまたは
これらの混合ガスを含む水素ガス(1〜1.5[kgf
/cm2])を示す。ここで、タングステン等、前記元
素からなる緻密質または加圧成形して得た多孔質体を炉
内温度1000〜2000[℃]、処理時間10〜10
0[min]で処理し、様々な組成の炭化物または窒化
物を得る。(例えば、タングステンの炭化においては、
1400[℃]、20[min]でW2Cに富む、14
00[℃]、60[min]ではWCに富んだ基材がで
きる。)
窒化物またはこれらの混合体の陰極基材を製造する方法
を示す。本図において、4は半製品の陰極本体、9は水
素炉、10はメタンガス若しくはアンモニアガスまたは
これらの混合ガスを含む水素ガス(1〜1.5[kgf
/cm2])を示す。ここで、タングステン等、前記元
素からなる緻密質または加圧成形して得た多孔質体を炉
内温度1000〜2000[℃]、処理時間10〜10
0[min]で処理し、様々な組成の炭化物または窒化
物を得る。(例えば、タングステンの炭化においては、
1400[℃]、20[min]でW2Cに富む、14
00[℃]、60[min]ではWCに富んだ基材がで
きる。)
【0029】以上のような高温水素炉を用いた炭化若し
くは窒化の効果も前期同様、耐熱温度を上げ高輝度長寿
命が得られる。特に陰極形状や処理数にほとんど依存す
ることなく炭化若しくは窒化が可能であり、特に量産性
に優れている。
くは窒化の効果も前期同様、耐熱温度を上げ高輝度長寿
命が得られる。特に陰極形状や処理数にほとんど依存す
ることなく炭化若しくは窒化が可能であり、特に量産性
に優れている。
【0030】また図6は、多孔質体の陰極基材中にアル
ミン酸バリウムカルシウムを含浸する場合の方法であ
る。本図において、14は炭化または窒化済みの陰極本
体、9は水素炉、12はモリブデン製含浸容器、13は
アルミン酸バリウムカルシウムを示す。ここで、炉内温
度約1600〜1800[℃]、処理時間20[mi
n]程度で含浸する。このアルミン酸バリウムカルシウ
ム含浸によって、陰極表面近傍に電子があふれ、陰極降
下電圧を緩和する。これは、イオンによる衝突エネルギ
ーを下げ、陰極がスパッタされることによる形状劣化、
陰極温度の過度な温度上昇を抑えることができ、高輝度
を実現しながら一層の長寿命化が可能となる。
ミン酸バリウムカルシウムを含浸する場合の方法であ
る。本図において、14は炭化または窒化済みの陰極本
体、9は水素炉、12はモリブデン製含浸容器、13は
アルミン酸バリウムカルシウムを示す。ここで、炉内温
度約1600〜1800[℃]、処理時間20[mi
n]程度で含浸する。このアルミン酸バリウムカルシウ
ム含浸によって、陰極表面近傍に電子があふれ、陰極降
下電圧を緩和する。これは、イオンによる衝突エネルギ
ーを下げ、陰極がスパッタされることによる形状劣化、
陰極温度の過度な温度上昇を抑えることができ、高輝度
を実現しながら一層の長寿命化が可能となる。
【0031】更に図7は、多孔質体の陰極基材に樹脂ま
たは樹脂とトリア(ThO2)を含浸させ、更に炭化層
を得る方法を示す。本図において、9は水素炉、16は
IVa、Va、VIa族元素からなる多孔質焼結体、1
7は樹脂または樹脂とトリア(ThO2)の混合物、1
8は真空炉を示す。
たは樹脂とトリア(ThO2)を含浸させ、更に炭化層
を得る方法を示す。本図において、9は水素炉、16は
IVa、Va、VIa族元素からなる多孔質焼結体、1
7は樹脂または樹脂とトリア(ThO2)の混合物、1
8は真空炉を示す。
【0032】まず、真空炉で約500℃、30[mi
n]の処理を行い樹脂を炭化させ、続いて水素炉で最大
2000℃まで昇温し前記多孔質焼結体を炭化する。こ
のように樹脂による炭化の効果も、前記と同様に耐熱温
度を上げ高輝度長寿命が得られる。特に炭化に樹脂を用
いると、メタンガス等の反応ガスの制御を除くことがで
き工程の簡便化ができる。また、この際トリア(ThO
2)を樹脂に混ぜて炭化すれば、アーク放電時、トリア
から発せられる放射線によって陰極表面近傍のガスが電
離され、適度に陰極降下電圧を緩和すると同時に、放電
のトリガーの役割を果たし、放電開始を安定に行うこと
ができる。
n]の処理を行い樹脂を炭化させ、続いて水素炉で最大
2000℃まで昇温し前記多孔質焼結体を炭化する。こ
のように樹脂による炭化の効果も、前記と同様に耐熱温
度を上げ高輝度長寿命が得られる。特に炭化に樹脂を用
いると、メタンガス等の反応ガスの制御を除くことがで
き工程の簡便化ができる。また、この際トリア(ThO
2)を樹脂に混ぜて炭化すれば、アーク放電時、トリア
から発せられる放射線によって陰極表面近傍のガスが電
離され、適度に陰極降下電圧を緩和すると同時に、放電
のトリガーの役割を果たし、放電開始を安定に行うこと
ができる。
【0033】以上のように構成された放電管用陰極を陽
極と組み合わせ、ガラス管の中に封入し、放電ガスを充
填してアークランプが出来上がる。
極と組み合わせ、ガラス管の中に封入し、放電ガスを充
填してアークランプが出来上がる。
【0034】以上、発明の実施の形態について述べた
が、本発明はこれに限らず種々の変更が可能である。例
えば、上記実施の形態では陰極基材を円錐形としたが、
電界集中をさせるに足る多角錐その他の先端鋭利な形状
でも良い。
が、本発明はこれに限らず種々の変更が可能である。例
えば、上記実施の形態では陰極基材を円錐形としたが、
電界集中をさせるに足る多角錐その他の先端鋭利な形状
でも良い。
【0035】また、上記発明の実施の形態では、陰極基
材の基となる緻密質や多孔質体を周期律表IVa、V
a、VIa族元素単体で形成したが、これら元素を複数
含む合金であっても可能である。
材の基となる緻密質や多孔質体を周期律表IVa、V
a、VIa族元素単体で形成したが、これら元素を複数
含む合金であっても可能である。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
放電管用陰極の先端に輝点が集中し、その場合において
も先端形状は長時間保持されるので、高輝度、長寿命の
アーク放電が可能である。
放電管用陰極の先端に輝点が集中し、その場合において
も先端形状は長時間保持されるので、高輝度、長寿命の
アーク放電が可能である。
【図1】本発明の放電管用陰極の実施の形態を示す断面
図である。
図である。
【図2】図1の放電管用陰極を製造する方法の説明図で
ある。
ある。
【図3】放電処理による炭化物または窒化物の製造方法
を示す説明図である。
を示す説明図である。
【図4】放電処理によって得た陰極本体を示す説明図で
ある。
ある。
【図5】高温水素炉で炭化物若しくは窒化物またはこれ
らの混合体の陰極基材を製造する方法を示す説明図であ
る。
らの混合体の陰極基材を製造する方法を示す説明図であ
る。
【図6】多孔質体の陰極基材中にアルミン酸バリウムカ
ルシウムを含浸する場合の方法を示す説明図である。
ルシウムを含浸する場合の方法を示す説明図である。
【図7】多孔質体の陰極基材に樹脂または樹脂とトリア
(ThO2)を含浸させ、更に炭化層を得る方法を示す
説明図である。
(ThO2)を含浸させ、更に炭化層を得る方法を示す
説明図である。
【図8】従来の陰極基材を示す図である。
【図9】従来の陰極を示す図である。
【図10】アークランプを示す図である。
1 陰極基材 2 リボン 3 リード 4 半製品の放電管用陰極本体 5 陽極 6 真空チャンバ 7 直流電源 8 炭化または窒化領域 9 水素炉 10 活性な炭素化合物ガス若しくは活性な窒素ガスま
たはこれらの混合ガスを含む水素ガス 11 炭化または窒化した陰極基材 12 モリブデン含浸容器 13 アルミン酸バリウムカルシウム 14 炭化または窒化済みの陰極本体 15 IVa、Va、VIa族元素からなる緻密質 16 IVa、Va、VIa族元素からなる多孔質焼結
体 17 樹脂または樹脂とトリア(ThO2)の混合物 18 真空炉
たはこれらの混合ガスを含む水素ガス 11 炭化または窒化した陰極基材 12 モリブデン含浸容器 13 アルミン酸バリウムカルシウム 14 炭化または窒化済みの陰極本体 15 IVa、Va、VIa族元素からなる緻密質 16 IVa、Va、VIa族元素からなる多孔質焼結
体 17 樹脂または樹脂とトリア(ThO2)の混合物 18 真空炉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 玉井 秀昭 埼玉県上福岡市福岡二丁目1番1号 新日 本無線株式会社川越製作所内 (72)発明者 佐藤 恭一 埼玉県上福岡市福岡二丁目1番1号 新日 本無線株式会社川越製作所内
Claims (10)
- 【請求項1】 周期律表IVa、Va、VIa族元素を
含む炭化物または窒化物を陰極基材とすることを特徴と
する放電管用陰極。 - 【請求項2】 前記陰極基材が、緻密質の前記IVa、
Va、VIa族元素を含む炭化物または窒化物であるこ
とを特徴とする請求項1に記載の放電管用陰極。 - 【請求項3】 前記陰極基材が、前記IVa、Va、V
Ia族元素を含む炭化物または窒化物の多孔質焼結体で
あることを特徴とする請求項1に記載の放電管用陰極。 - 【請求項4】 前記多孔質焼結体は、アルミン酸バリウ
ムカルシウムが含浸されていることを特徴とする請求項
3に記載の放電管用陰極。 - 【請求項5】 前記周期律表IVa、Va、VIa族元
素を含む緻密質または多孔質焼結体を炭素化合物ガス、
窒素ガス若しくは窒素化合物ガスまたはこれらの混合ガ
スを含む水素ガス若しくは不活性ガス雰囲気で陽極と対
向させ、前記炭化物または窒化物をプラズマ放電処理に
よって製造する工程を有することを特徴とする請求項2
または3に記載の放電管用陰極の製造方法。 - 【請求項6】 周期律表IVa、Va、VIa族元素を
含む多孔質焼結体を水素ガスまたは不活性ガス雰囲気
で、炭素からなる陽極と対向させ、前記炭化物を放電処
理によって製造する工程を有することを特徴とする請求
項2または3に記載の放電管用陰極の製造方法。 - 【請求項7】 炭素化合物ガス、窒素ガス若しくは窒素
化合物ガスまたはこれらの混合ガスに富む水素ガス若し
くは不活性ガス雰囲気で、前記周期律表IVa、Va、
VIa族元素を含む緻密質または粉末を加圧、焼成する
ことによって前記陰極基材を製造する工程を有すること
を特徴とする請求項2または3に記載の放電管用陰極の
製造方法。 - 【請求項8】 前記炭素化合物ガスの供給源として炭化
水素またはグラファイトとすることと、前記窒素化合物
ガスの供給源としてアンモニアまたはアンモニウム錯体
とすることを特徴とする請求項5または7に記載の放電
管用陰極の製造方法。 - 【請求項9】 周期律表IVa、Va、VIa族元素を
含む多孔質焼結体に、樹脂または樹脂とトリア(ThO
2)の混合物を含浸させた後、加熱し炭素を析出させ、
更に加熱することにより前記多孔質焼結体を炭化物にす
ることを特徴とする請求項3に記載の放電管用陰極の製
造方法。 - 【請求項10】 陰極と陽極を放電ガスを充填したガラ
ス管内に封入したアークランプにおいて、前記陰極に請
求項1乃至4のいずれかの放電管用陰極を用いたことを
特徴とするアークランプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10020346A JPH11204078A (ja) | 1998-01-16 | 1998-01-16 | 放電管用陰極、該陰極の製造方法およびアークランプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10020346A JPH11204078A (ja) | 1998-01-16 | 1998-01-16 | 放電管用陰極、該陰極の製造方法およびアークランプ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11204078A true JPH11204078A (ja) | 1999-07-30 |
Family
ID=12024578
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10020346A Pending JPH11204078A (ja) | 1998-01-16 | 1998-01-16 | 放電管用陰極、該陰極の製造方法およびアークランプ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11204078A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100430007B1 (ko) * | 2002-04-12 | 2004-05-03 | 엘지전자 주식회사 | 무전극 조명 시스템의 피더 구조 |
US7828622B1 (en) * | 2007-10-25 | 2010-11-09 | Kla-Tencor Technologies Corporation | Sharpening metal carbide emitters |
-
1998
- 1998-01-16 JP JP10020346A patent/JPH11204078A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100430007B1 (ko) * | 2002-04-12 | 2004-05-03 | 엘지전자 주식회사 | 무전극 조명 시스템의 피더 구조 |
US7828622B1 (en) * | 2007-10-25 | 2010-11-09 | Kla-Tencor Technologies Corporation | Sharpening metal carbide emitters |
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