JPH11204077A - エネルギー分析器およびスピン回転器 - Google Patents

エネルギー分析器およびスピン回転器

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JPH11204077A
JPH11204077A JP10005378A JP537898A JPH11204077A JP H11204077 A JPH11204077 A JP H11204077A JP 10005378 A JP10005378 A JP 10005378A JP 537898 A JP537898 A JP 537898A JP H11204077 A JPH11204077 A JP H11204077A
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JP
Japan
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charged particle
magnetic field
particle beam
magnetic
trajectory
Prior art date
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JP10005378A
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English (en)
Inventor
Teruo Takahashi
照生 孝橋
Kazuyuki Koike
和幸 小池
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GIJUTSU KENKYU KUMIAI ANGSTROM
GIJUTSU KENKYU KUMIAI ANGSTROM TECHNOL KENKYU KIKO
Hitachi Ltd
Original Assignee
GIJUTSU KENKYU KUMIAI ANGSTROM
GIJUTSU KENKYU KUMIAI ANGSTROM TECHNOL KENKYU KIKO
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 荷電粒子軌道を偏向させるタイプのエネルギ
ー分析器もしくはスピン回転器において、任意に収束作
用を調節できる方式を提供すること。 【解決手段】 磁極の形状を調節して、磁力線が双曲線
的になるようにする。また、入り口出口部の磁極の形状
により、磁場が印加される領域の長さを変化させて収束
作用を生じさせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、荷電粒子線のエネ
ルギー分析器およびスピン回転器に関する。
【0002】
【従来の技術】運動する荷電粒子に磁場を印加すると、
ローレンツ力により軌道は曲がり、ラーモア歳差運動に
よってそのスピンも回転する。この原理を利用して荷電
粒子線のエネルギー分析器(ブイ、コラリック他、オプ
ティック87巻、1-12頁(1991年) (V. Kolarik,et a
l., Optik 87, 1-12 (1991)))や、スピン回転器(小
池他、特開平8―240697号公報)が作製できる
が、現実の荷電粒子線は有限の線径と開き角を持ってい
るため、該エネルギー分析器もしくはスピン回転器はビ
ームの収束作用を持たなくてはいけない。ウィーンフィ
ルターとして知られている、ローレンツ力を静電気力で
キャンセルすることにより荷電粒子軌道を偏向させない
タイプのエネルギー分析器もしくはスピン回転器に関し
ては、この収束作用を持たせる方式に関していくつかの
報告がある(津野他、 オプティック80巻、149-154頁
(1987年) (K. Tsuno,et al., Optik 80, 149-154 (1
987))。
【0003】図1は磁場のみで荷電粒子線を偏向させる
タイプのエネルギー分析器もしくはスピン回転器の持つ
収束作用に関して示したものである。この例は荷電粒子
軌道を90度偏向させるものであり、rθzの円柱座標
系で表している。図1(a)はz方向、(b)は(a)における
破線部での断面図で、磁極1により作り出される磁場中
の、rの小さい部分の荷電粒子軌道2、rの大きい部分
の荷電粒子軌道3、その中間の荷電粒子軌道4を示して
いる。この時磁極1により作り出されている磁力線5は
直線状で、2、3、4のいずれの荷電粒子軌道の部分で
も磁場は一定である。一様磁場下ではエネルギーが等し
い荷電粒子はサイクロトロン半径が等しく、rが大きい
領域では磁場印加領域が長いため偏向角度が大きく、r
が小さい領域では磁場印加領域が短くなるため偏向角度
が小さく、図に示すようにr方向の収束作用が生じる。
しかしz方向の収束作用は生じない。出入り口部分の
不均一な磁場を利用してz方向の収束作用を生じさせる
という方法もあるが、これはその収束強度を調整するこ
とが難しく、r方向の収束作用とあわせて等方的な収束
作用を実現するのが難しい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これまでに報告されて
いる荷電粒子軌道を偏向させるタイプのエネルギー分析
器もしくはスピン回転器はその収束作用を調節すること
はできず、また必ずしも収束は等方的ではない。本発明
が解決しようとする課題は、荷電粒子軌道を偏向させる
タイプのエネルギー分析器もしくはスピン回転器におい
て、収束作用を調節できるようにする事である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題解
決のために、磁極を変形させ、磁場分布を調節すること
によって荷電粒子線の収束作用を制御できるようにし
た。従来の方法では収束作用を生じさせることが困難で
あったz方向の収束作用は、以下に述べる方法で生じさ
せる事ができる。磁極の形状を、荷電粒子線に垂直な断
面が双曲線を含むような形状にし、磁力線を双曲線状に
して、z方向に軌道の中心から離れると磁場のr方向成
分が大きくなり、荷電粒子軌道がz方向に偏向させられ
るようにする。これは荷電粒子軌道を偏向させないタイ
プのエネルギー分析器もしくはスピン回転器に関して開
示されている、孝橋他、特開平7―122231号公報
に示されている収束作用と本質的に同じである。ただ
し、この双曲線状の磁力線分布がz方向に収束作用を持
つとき、r方向にには収束作用は働かない。そのため、
r方向の収束作用にはこれとは別の手段をとらなくては
いけない。
【0006】本発明では、r方向の収束作用を、磁極の
出入り口部の形状を、荷電粒子軌道に垂直な面よりも傾
ける事により、rの大きい部分ではより一層長い領域
で、rの小さい部分でもより一層短い領域で磁場が印加
されるようにする。これにより図1に示したr方向への
収束効果が強調されるわけである。これは出入り口部分
の形状を調整する事でその収束作用の大きさも調整でき
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下図を用いて本発明の実施例を
示す。
【0008】図2は本発明によって得られるエネルギ分
析器もしくはスピン回転器の実施例で、z方向からみて
いる。つまり図1(a)と同じ方向から見ている。磁極1
は例えばパーマロイなどの軟磁性材料でつくる。磁極1
における荷電粒子線6の入り口や出口部分7の形状を、
荷電粒子線6の軌道に垂直な面よりφだけ傾けているた
め、磁場が印加されている領域の長さがrによって異な
り、その異なり具合はφが大きいほど顕著である。これ
によりrが大きい領域では磁場が印加されている領域が
長く、偏向角度が大きくなるのでrの小さい方向へ近づ
き、rの小さい領域では磁場印加領域が短いため偏向角
度が小さくなり、rの大きい方へ近づく。このためφの
大きさによって、r方向の収束作用を制御する事ができ
る。また図3では荷電粒子軌道方向に磁極は一つだけで
あるが、角度φだけ入り口出口部分7を傾けている長さ
の短い磁極をθ方向に並べる事により、rの大きさの違
いによる磁場印加領域の長さの違いを大きくし収束作用
を強調する事もできる。ただしこの作用だけではz方向
の収束作用は生じない。
【0009】図3は本発明によって得られるエネルギ分
析器もしくはスピン回転器の実施例で、図2における破
線部での断面図で示す。つまり図1(b)と同じ方向から
見ている。磁極1は例えばパーマロイなどの軟磁性材料
でつくり、その断面は双曲線を含む形状にする。これに
より作り出される磁力線5は双曲線状になる。この磁場
によりスピン回転と軌道の偏向が起こるが、それらは同
じ角度だけ起こる。電極8により荷電粒子線6に電場を
かけられるようにしておくと、この電場はスピン回転を
起こさずに軌道のみを偏向させる。そのため、磁極1と
電極8を装備し、荷電粒子線6に適当な割合で電場と磁
場を印加してやる事により、任意の角度のスピン回転を
実現できる。例えば電場のみで磁場を印加せずに荷電粒
子線を偏向させた場合はスピン回転角はゼロである。ま
た収束作用を持たせるために電極8は球面偏向器を用い
ている。電極8の材料としては磁場を乱さないようチタ
ンなどの非磁性材料が望ましい。荷電粒子線6のエネル
ギーに応じて磁極1や電極8の電位は調節される。本発
明では収束作用は磁場によって作り出される。図中に示
すような向きの磁場を印加すると、荷電粒子線6はロー
レンツ力によってrを半径とする円弧運動をするが、双
曲線状の磁力線の分布のため、場所によっては磁場のr
方向成分ができるため荷電粒子線6にz方向のローレン
ツ力が生じ、z方向の収束作用ができる。このz方向へ
の収束作用は、磁極形状を変化させ、磁力線の曲率を変
化させる事により、その大きさを調節する事ができる。
図2での実施例と図3での実施例の効果を組み合わせる
事により、等方的に収束作用を得る事ができる。
【0010】図4は本発明によって得られるエネルギ分
析器もしくはスピン回転器の実施例で、図3と同様、図
2における破線部での断面図で示す。図3では磁極1の
形状はその断面が双曲線を含む形状になっていたが、こ
こでは図2の形状を近似した多角形型の磁極を示してい
る。これは図3のものに比べて簡便で安価に作成でき
る。この状態でも図3で示したものと近いz方向の収束
作用が得られるし、図2で示したような入り口や出口部
分の形状をとることによってr方向の収束作用も得られ
る。
【0011】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
荷電粒子軌道を偏向させるタイプのエネルギー分析器も
しくはスピン回転器において、荷電粒子線の等方的な収
束作用を得る事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の磁場のみで荷電粒子軌道を偏向させるタ
イプのエネルギー分析器もしくはスピン回転器をrθ面
で示す図。
【図2】本発明によって得られるエネルギー分析器もし
くはスピン回転器の実施例をrθ面で示す図。
【図3】本発明によって得られるエネルギー分析器もし
くはスピン回転器の実施例を荷電粒子軌道に垂直な断面
で示す断面図。
【図4】本発明によって得られるエネルギー分析器もし
くはスピン回転器の実施例を荷電粒子軌道に垂直な断面
で示す断面図。
【符号の説明】
1…磁極、 2…荷電粒子軌道、 3…荷電粒子軌道、 4…荷電粒子軌道、 5…磁力線、 6…荷電粒子線、 7…入り口、出口部分、 8…電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 孝橋 照生 埼玉県比企郡鳩山町赤沼2520番地 株式会 社日立製作所基礎研究所内 (72)発明者 小池 和幸 埼玉県比企郡鳩山町赤沼2520番地 株式会 社日立製作所基礎研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】荷電粒子線に適当な強度の磁場、あるいは
    磁場と電場を印加させることにより内部を通過する荷電
    粒子線の軌道を偏向させるエネルギー分析器において、
    荷電粒子軌道に垂直な面での磁極の断面が双曲線を含む
    形状もしくはそれを近似した形にすることを特徴とする
    エネルギー分析器。
  2. 【請求項2】荷電粒子線に適当な強度の磁場、あるいは
    磁場と電場を印加させることにより内部を通過する荷電
    粒子線の軌道を偏向させるエネルギー分析器において、
    荷電粒子線の入射方向又は出射方向に面する面を入射も
    しくは出射方向に垂直な面から傾けることにより、荷電
    粒子が通過する領域の内周側では磁場印加領域を短く、
    外周側では磁場印加領域を長くしている磁極の集合体と
    して構成されることを特徴とするエネルギー分析器。
  3. 【請求項3】荷電粒子線に適当な強度の磁場、あるいは
    磁場と電場を印加させることにより内部を通過する荷電
    粒子線の軌道を偏向させるエネルギー分析器において、
    荷電粒子線の入射方向又は出射方向に面する面を入射も
    しくは出射方向に垂直な面から傾けることにより、荷電
    粒子が通過する領域の内周側では磁場印加領域を短く、
    外周側では磁場印加領域を長く、かつ荷電粒子軌道に垂
    直な面での磁極の断面が双曲線を含む形状もしくはそれ
    を近似した形をしている磁極の集合体として構成される
    ことを特徴とするエネルギー分析器。
  4. 【請求項4】荷電粒子線に適当な強度の磁場、あるいは
    磁場と電場を印加させることにより内部を通過する荷電
    粒子線の軌道を偏向させるスピン回転器において、荷電
    粒子軌道に垂直な面での磁極の断面が双曲線を含む形状
    もしくはそれを近似した形にすることを特徴とするスピ
    ン回転器。
  5. 【請求項5】荷電粒子線に適当な強度の磁場、あるいは
    磁場と電場を印加させることにより内部を通過する荷電
    粒子線の軌道を偏向させるスピン回転器において、荷電
    粒子線の入射方向又は出射方向に面する面を入射もしく
    は出射方向に垂直な面から傾けることにより、荷電粒子
    が通過する領域の内周側では磁場印加領域を短く、外周
    側では磁場印加領域を長くしている磁極の集合体として
    構成されることを特徴とするスピン回転器。
  6. 【請求項6】荷電粒子線に適当な強度の磁場、あるいは
    磁場と電場を印加させることにより内部を通過する荷電
    粒子線の軌道を偏向させるスピン回転器において、荷電
    粒子線の入射方向又は出射方向に面する面を入射もしく
    は出射方向に垂直な面から傾けることにより、荷電粒子
    が通過する領域の内周側では磁場印加領域を短く、外周
    側では磁場印加領域を長く、かつ荷電粒子軌道に垂直な
    面での磁極の断面が双曲線を含む形状もしくはそれを近
    似した形をしている磁極の集合体として構成されること
    を特徴とするスピン回転器。
JP10005378A 1998-01-14 1998-01-14 エネルギー分析器およびスピン回転器 Pending JPH11204077A (ja)

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JP10005378A JPH11204077A (ja) 1998-01-14 1998-01-14 エネルギー分析器およびスピン回転器

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JP10005378A JPH11204077A (ja) 1998-01-14 1998-01-14 エネルギー分析器およびスピン回転器

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JPH11204077A true JPH11204077A (ja) 1999-07-30

Family

ID=11609517

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Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10005378A Pending JPH11204077A (ja) 1998-01-14 1998-01-14 エネルギー分析器およびスピン回転器

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JP (1) JPH11204077A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008251525A (ja) * 2007-03-05 2008-10-16 Hitachi Ltd 荷電粒子スピン検出器、顕微鏡、及び光電子分光装置
JP2020126840A (ja) * 2019-01-31 2020-08-20 エム・ベー・サイエンティフィック・アクチボラゲットMb Scientific Ab スピンマニピュレータ

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