JPH11204051A - カラー受像管 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 マスクフレームに接触しないように磁気遮蔽
体を取付け、カラー受像管に加わる音声振動による雑音
の発生をなくし、かつ脱落粒子による画面欠点や耐電圧
特性を劣化をおこさないカラー受像管を構成することを
目的とする。 【解決手段】 カラー受像管において、ファンネル23の
径大部35内側に配置されるほぼ矩形台形状の磁気遮蔽体
36のコーナー部に支持体31のマスクフレーム固定部40に
取付けられマスクフレームとの間に一定の隙間を形成す
る舌片部41を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、カラー受像管に
係り、特に磁気遮蔽体の取付け構造を改善したカラー受
像管に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般にカラー受像管は、図４に示すよう
に、ほぼ矩形状のパネル１と漏斗状のファンネル２とか
らなる外囲器を有し、そのパネル１の内面に３色蛍光体
層からなる蛍光体スクリーン３が設けられ、この蛍光体
スクリーン３に対向して、その内側に多数の電子ビーム
通過孔が形成されたほぼ矩形状のマスク本体４およびそ
の周辺部に取付けられたほぼ矩形状のマスクフレーム５
からなるシャドウマスク６が配置されている。一方、フ
ァンネル２のネック８内に３電子ビーム９B ，９G ，９
R を放出する電子銃１０が配置されている。またファン
ネル２の径大部１１の内側に上記３電子ビーム９B ，９
G ，９R に対する地磁気の影響を防止するほぼ矩形台形
状の磁気遮蔽体１２が配置されている。そして、上記電
子銃１０から放出される３電子ビーム９B ，９G ，９R
をファンネル２の外側に装着された偏向装置（図示せ
ず）により偏向し、シャドウマスク５を介して蛍光体ス
クリーン３を水平、垂直走査することにより、カラー画
像を表示する構造に形成されている。

【０００３】従来、上記磁気遮蔽体１２は、図５に示す
ように、マスクフレーム５の一端部（電子銃１０側端
部）に設けられた内側張出し部１４の長辺および短辺に
複数の開孔を設けるとともに、磁気遮蔽体１２の径大端
に設けられたフランジ部１５の長辺および短辺に、上記
マスクフレーム５の各開孔と同軸になる複数の開孔を設
け、これら各開孔に挿入された係止ピン１６により、マ
スクフレーム５の内側張出し部１４に取付けられてい
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来、
３電子ビームに対する地磁気の影響を防止する磁気遮蔽
体は、マスクフレームの内側張出し部および磁気遮蔽体
のフランジ部の長辺および短辺にそれぞれ同軸に設けら
れた複数の開孔に係止ピンを挿入することにより取付け
られている。

【０００５】しかしこのような手段によりマスクフレー
ムに磁気遮蔽体を取付けると、マスクフレームの内側張
出し部と磁気遮蔽体のフランジ部は、ともに平坦度があ
まり良好でないために、互いに接触する部分と接触しな
い部分とができる。

【０００６】一方、カラー受像管は、テレビセットに組
込まれると、スピーカーからの音声が外囲器などを介し
てシャドウマスクや磁気遮蔽体に伝わり、音声の振動が
ある周波数帯域になったときに共振し、雑音を発生す
る。特にマスクフレームと磁気遮蔽体との接触状態が不
安定な場合、たとえばマスクフレームに対する磁気遮蔽
体の接触圧が弱い場合や、マスクフレームと磁気遮蔽体
との隙間が微細な場合に、両者が互いに擦り合って異常
音が発生し、視聴者に不快感を与える。

【０００７】またマスクフレームの内側張出し部と磁気
遮蔽体のフランジ部の平坦度が良好でないと、両者が局
部的な接触となるため、カラー受像管の製造工程などで
衝撃や振動が加わった場合に、これらマスクフレームや
磁気遮蔽体表面に形成されている酸化膜などが脱落し、
その脱落粒子によりシャドウマスクが目づまりして画面
欠点を生じたり、あるいは電子銃の電極などに付着して
耐電圧特性を劣化させるなどの問題が生ずる。

【０００８】この発明は、上記問題点を解決するために
なされたものであり、マスクフレームに接触しないよう
に磁気遮蔽体を取付け、カラー受像管に加わる音声の振
動による雑音の発生をなくし、かつ脱落粒子による画面
欠点や耐電圧特性を劣化をおこさないカラー受像管を構
成することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】ほぼ矩形状のパネルおよ
び漏斗状のファンネルからなる外囲器と、そのパネルの
内面に設けられた蛍光体スクリーンと対向するほぼ矩形
状のマスク本体およびこのマスク本体の周辺部に取付け
られる側壁部を有するほぼ矩形状のマスクフレームから
なるシャドウマスクと、そのマスクフレームのコーナー
部の側壁部に固定されパネルのコーナー部に設けられた
支持ピンに係止してシャドウマスクを支持する支持体
と、ファンネルの径大部内側に配置されるほぼ矩形台形
状の磁気遮蔽体とを備えるカラー受像管において、磁気
遮蔽体のコーナー部に支持体のマスクフレーム固定部に
取付けられマスクフレームとの間に一定の隙間を形成す
る舌片部を設けた。

【００１０】また、その支持体のフレーム固定部にマス
クフレームの側壁部よりもファンネル方向に突出した突
出部を設け、この突出部に磁気遮蔽体の舌片部を固定し
た。

【００１１】さらに、その舌片部にマスクフレーム固定
部の突出部側面に固定される固定部および突出部端に接
して磁気遮蔽体とマスクフレームとの間の隙間を規制す
る規制部を設けた。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
実施の形態について説明する。

【００１３】図１にその一形態であるカラー受像管の構
成を、また図２にその要部構成を示す。このカラー受像
管は、有効部２０の周辺部にスカート部２１が設けられ
たほぼ矩形状のパネル２２と、そのスカート部２１に接
合された漏斗状のファンネル２３とからなる外囲器を有
する。そのパネル２２の有効部２０の内面に青、緑、赤
に発光する３色蛍光体層からなる蛍光体スクリーン２４
が設けられている。またこの蛍光体スクリーン２４に対
向して、その内側にほぼ矩形状のシャドウマスク２５が
配置されている。このシャドウマスク２５は、上記蛍光
体スクリーン２４に対向する面に多数の電子ビーム通過
孔が形成されたほぼ矩形状のマスク本体２６と、このマ
スク本体２６の周辺部に取付けられる側壁部２７を有
し、この側壁部２７の一端部に内側張出し部２８が設け
られたほぼ矩形状のマスクフレーム２９とからなり、こ
のマスクフレーム２９の各コーナー部の側壁部２７外面
に取付けられて、パネル２２の各コーナー部のスカート
部２１内面に設けられた支持ピン３０に係止する楔状の
弾性支持体３１により、パネル２２の内側に支持されて
いる。

【００１４】一方、ファンネル２３のネック３２内に、
３電子ビーム３３B ，３３G ，３３R を放出する電子銃
３４が配置されている。またファンネル２３の径大部３
５の内側に磁気遮蔽体３６が配置されている。この磁気
遮蔽体３６は、シャドウマスク２５側がネック３２側よ
りも径大なほぼ矩形台形状に形成され、その径大端にほ
ぼ矩形環状のフランジ部３７が設けられている。

【００１５】特にこの実施の形態においては、図２に示
したように、弾性支持体３１のマスクフレーム２９への
固定部３９に、マスクフレーム２９の側壁部２７よりも
ファンネル２３方向に突出した突出部４０が設けられて
いる。一方、図３に示すように、磁気遮蔽体３６の径大
端に設けられたフランジ部３７の各コーナー部に舌片部
４１が設けられ、この舌片部４１を上記弾性支持体３１
の突出部４０に固定することにより、マスクフレーム２
９の内側張出し部２８と磁気遮蔽体３６のフランジ部３
７との間に、一定間隔ｄの隙間ができる構造に形成され
ている。

【００１６】すなわち、舌片部４１は、弾性支持体３１
の突出部４０の側面に沿って起立し、その突出部４０に
固定される固定部４２と、この固定部４２端部からパネ
ル２２のスカート部２１方向に折曲げられ、突出部４０
端に接してマスクフレーム２９の内側張出し部２８と磁
気遮蔽体３６のフランジ部３７との間の隙間を規制する
規制部４３とを備え、この規制部４３を弾性支持体３１
の突出部４０縁に接触させて、固定部４２を弾性支持体
３１の突出部３４の側面に溶接することにより、磁気遮
蔽体３６のフランジ部３７をマスクフレーム２９の内側
張出し部２８から一定間隔ｄ離して位置させる構造に形
成されている。

【００１７】上記のように、弾性支持体３１のマスクフ
レーム２９への固定部３９に突出部４０を設け、一方、
磁気遮蔽体３６の径大端のフランジ部３７の各コーナー
部に舌片部４１が設け、この舌片部４１を弾性支持体３
１の突出部４０に溶接固定することにより、マスクフレ
ーム２９の内側張出し部２８と磁気遮蔽体３６のフラン
ジ部３７との間に一定間隔ｄの隙間を形成する構造にす
ると、つぎの効果が得られる。

【００１８】（イ） 直接マスクフレーム２９に磁気遮
蔽体３６の重量が加わらないため、スピーカーからの音
声の振動がシャドウマスク２５や磁気遮蔽体３６に伝わ
って共振をおこしても、その共振が目立たなくなる （ロ） カラー受像管の製造工程などで衝撃や振動が加
わっても、マスクフレーム２９と磁気遮蔽体３６の擦り
合いによる脱落粒子の発生を低減でき、その脱落粒子に
よる画像欠点や耐電圧特性の劣化を防止できる （ハ） 磁気遮蔽体３６をコーナー部で保持することに
より、板厚を薄くして軽量化でき、安定した支持が得ら
れる （ニ） 磁気遮蔽体３６の固定点が少ないため、作業能
率が向上する （ホ） 弾性支持体３１の突出部４０に磁気遮蔽体３６
の舌片部４１を位置合わせするだけで、シャドウマスク
２５に対して磁気遮蔽体３６の位置決めでき、作業能率
が向上するばかりでなく、磁気遮蔽体３６の自動取付け
が可能となる

【００１９】

【発明の効果】上述のように、シャドウマスクを支持す
る弾性支持体のマスクフレームへの固定部に突出部を設
け、一方、磁気遮蔽体の径大端のフランジ部の各コーナ
ー部に舌片部を設け、この舌片部を弾性支持体の突出部
に固定することにより、マスクフレームの内側張出し部
と磁気遮蔽体のフランジ部との間に一定間隔の隙間を形
成する構造にすると、スピーカーからの音声の振動によ
る共振を目立たなくすることができる。またカラー受像
管の製造工程などで衝撃や振動が加わっても、マスクフ
レームと磁気遮蔽体の擦り合いによる脱落粒子の発生を
低減でき、脱落粒子による画像欠点や耐電圧特性の劣化
を防止できる。また磁気遮蔽体を軽量化でき、安定した
支持が得られる。さらに磁気遮蔽体の固定点が少なく、
またシャドウマスクに対して磁気遮蔽体の位置決めが容
易となり、磁気遮蔽体の取付けの作業能率が向上するば
かりでなく、磁気遮蔽体の自動取付けが可能となる、な
どの効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施の一形態であるカラー受像管の
構成を示す図である。

【図２】上記カラー受像管の磁気遮蔽体の取付け構造を
示す図である。

【図３】上記カラー受像管の磁気遮蔽体の構造を示す図
である。

【図４】従来のカラー受像管の構成を示す図である。

【図５】上記従来のカラー受像管の磁気遮蔽体の取付け
構造を示す図である。

【符号の説明】

２２…パネル ２３…ファンネル ２４…蛍光体スクリーン ２５…シャドウマスク ２６…マスク本体 ２７…側壁部 ２８…内側張出し部 ２９…マスクフレーム ３０…支持ピン ３１…弾性支持体 ３６…磁気遮蔽体 ４０…突出部 ４１…舌片部 ４２…固定部 ４３…規制部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ほぼ矩形状のパネルおよび漏斗状のファ
   ンネルからなる外囲器と、上記パネルの内面に設けられ
   た蛍光体スクリーンと対向するほぼ矩形状のマスク本体
   およびこのマスク本体の周辺部に取付けられる側壁部を
   有するほぼ矩形状のマスクフレームからなるシャドウマ
   スクと、上記マスクフレームのコーナー部の側壁部に固
   定され上記パネルのコーナー部に設けられた支持ピンに
   係止して上記シャドウマスクを支持する支持体と、上記
   ファンネルの径大部内側に配置されるほぼ矩形台形状の
   磁気遮蔽体とを備えるカラー受像管において、 上記磁気遮蔽体はコーナー部に上記支持体のマスクフレ
   ーム固定部に取付けられ上記マスクフレームとの間に一
   定の隙間を形成する舌片部が設けられていることを特徴
   とするカラー受像管。
2. 【請求項２】 支持体のフレーム固定部にマスクフレー
   ムの側壁部よりもファンネル方向に突出した突出部が設
   けられ、この突出部に磁気遮蔽体の舌片部が固定されて
   いることを特徴とする請求項１記載のカラー受像管。
3. 【請求項３】 舌片部にマスクフレーム固定部の突出部
   側面に固定される固定部および突出部端に接して磁気遮
   蔽体とマスクフレームとの間の隙間を規制する規制部が
   設けられていることを特徴とする請求項１または２記載
   のカラー受像管。