JPH11203A - スポーツ用シューズのミッドソール構造およびその成形方法 - Google Patents

スポーツ用シューズのミッドソール構造およびその成形方法

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JPH11203A
JPH11203A JP2267098A JP2267098A JPH11203A JP H11203 A JPH11203 A JP H11203A JP 2267098 A JP2267098 A JP 2267098A JP 2267098 A JP2267098 A JP 2267098A JP H11203 A JPH11203 A JP H11203A
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midsole
midsole structure
corrugated sheet
heel
corrugated
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Kenjiro Kita
憲二郎 北
Takanari Kimura
隆也 木村
Yasunori Kaneko
靖仙 金子
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  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種競技種目に応じて競技者の着地時の横振
れを防止して、過回外および過回内を抑制し、しかも着
地時のクッション性確保と競技力の低下防止とを両立さ
せる。 【解決手段】 スポーツ用シューズのミッドソール構造
において、軟質弾性部材から構成されるミッドソール3
内の少なくとも踵部分に波形シート4を介在させるとと
もに、波形シート4の波形状の振幅Aおよび波長λの少
なくともいずれか一方を踵部分の前,後端部間あるいは
内,外側部間の少なくともいずれか一方で異ならせる。
たとえば、波形シート4の踵部分内側部側の振幅Ai
踵部分外側部側の振幅Ao よりも大きくし、踵部分内側
部側の波長λi を踵部分外側部側の波長λo よりも大き
くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スポーツ用シュー
ズのミッドソール構造およびその成形方法に関し、詳細
には、軟質弾性部材で構成されたミッドソール内に波形
シートが内蔵されたものに関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】各種スポーツに使用され
るスポーツ用シューズの靴底は、ミッドソール(中底)
と、その下面に貼り合わされ、路面と直接接地するアウ
トソールとから主として構成されている。そして、ミッ
ドソールは、シューズとしてのクッション性を確保する
ために、一般に軟質弾性部材で構成されている。
【0003】ところで、スポーツ用シューズとしては、
クッション性の他に走行安定性が要求される。すなわ
ち、着地時にシューズが左右方向に過度に変形していわ
ゆる横振れを起こすのを防止する必要がある。
【0004】そこで、ミッドソール内に波形シートを内
蔵させることにより、このような横振れを防止するよう
にしたものが本件出願人により提案されている(実公昭
61−6804号公報参照)。
【0005】前記公報に示すものでは、波形シートがミ
ッドソールの踵部位に内蔵されており、これにより、シ
ューズの着地時には、ミッドソールの踵部位が左右方向
に横ずれ変形するのを抑制する抵抗力が発生するように
なっており、その結果、シューズの踵部位の横振れが防
止されている。
【0006】その一方、競技種目によってあるいは競技
者によって、踵の内側部から着地する頻度が高いかある
いは外側部から着地する頻度が高いか等の違いがある。
たとえばテニスやバスケットボールの場合には、横方向
の動きが多いため、踵の内側部から着地して踵が外側に
倒れ、いわゆる回外を起こす傾向が強い。またランニン
グの場合には、踵後端部の外側から着地して爪先方向に
荷重が移動していくため、踵が内側に倒れ、いわゆる回
内を起こす傾向が強い。
【0007】これら回内または回外は、足の着地時に生
じる自然な運動であるが、過度の場合には過回内または
過回外となって、競技者の足首や膝、腰などに障害を誘
発させる原因となる。
【0008】ところが、従来のミッドソールにおいて
は、踵部位の前後方向および左右方向のいずれの方向に
おいても波形状が一定である波形シートを用いているた
め、ミッドソールの全体にわたって圧縮硬度が一定とな
り、その結果、競技種目に応じて要求される競技者の足
の回内または回外の制御を有効に行うことができない。
【0009】一般に、波形シートを挿入することによっ
て、ミッドソールの踵部位が左右方向に変形しにくくな
る傾向があり、さらに波形シートが高弾性素材からなる
場合には、ミッドソールの踵部位が上下方向にも変形し
にくくなる傾向がある。したがって、波形シートの波形
状が一定の場合には、ミッドソールの踵部位においてク
ッション性が必要とされる部位にあっても、着地時のク
ッション性が低下してしまう場合もあり得る。
【0010】その一方、スポーツ用シューズにおいてク
ッション性がよいことは必要不可欠の条件ではあるが、
クッション性が高まると、逆に競技者の推進力や跳躍力
といった競技力が吸収されていまう恐れがある。
【0011】本発明は、このような従来の実情に鑑みて
なされたもので、各種競技種目に応じて競技者の着地時
の横振れを防止して、過回内および過回外を抑制するこ
とができ、しかも、着地時のクッション性確保と競技力
の低下防止とを両立させることができるスポーツ用シュ
ーズのミッドソール構造を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るス
ポーツ用シューズのミッドソール構造は、軟質弾性部材
から構成されるミッドソール内の少なくとも踵部分に波
形シートが介在するとともに、前記波形シートの波形状
の振幅、波長の少なくともいずれか一方が、前記踵部分
の前,後端部間あるいは内,外側部間の少なくともいず
れか一方において異なっていることを特徴としている。
【0013】請求項2の発明に係るスポーツ用シューズ
のミッドソール構造は、請求項1において、前記波形シ
ートの波形状の振幅が、前記踵部分の後端側で小さくか
つ前端側で大きくなっていることを特徴としている。
【0014】請求項3の発明に係るスポーツ用シューズ
のミッドソール構造は、請求項1において、前記波形シ
ートの波形状の振幅が、前記踵部分の内側部側で大きく
かつ外側部側で小さくなっていることを特徴としてい
る。
【0015】請求項4の発明に係るスポーツ用シューズ
のミッドソール構造は、請求項3において、前記波形シ
ートの波形状の波長が、前記踵部分の内側部側で大きく
かつ外側部側で小さくなっていることを特徴としてい
る。
【0016】請求項5の発明に係るスポーツ用シューズ
のミッドソール構造は、請求項3において、前記波形シ
ートの波形状の波長が、前記踵部分の外側部側で大きく
かつ内側部側で小さくなっていることを特徴としてい
る。
【0017】請求項6の発明に係るスポーツ用シューズ
のミッドソール構造は、請求項1において、前記波形シ
ートの波形状の振幅が、前記踵部分の外側部側で大きく
かつ内側部側で小さくなっていることを特徴としてい
る。
【0018】請求項7の発明に係るスポーツ用シューズ
のミッドソール構造は、請求項6において、前記波形シ
ートの波形状の波長が、前記踵部分の外側部側で大きく
かつ内側部側で小さくなっていることを特徴としてい
る。
【0019】請求項8の発明に係るスポーツ用シューズ
のミッドソール構造は、請求項6において、前記波形シ
ートの波形状の波長が、前記踵部分の内側部側で大きく
かつ外側部側で小さくなっていることを特徴としてい
る。
【0020】請求項9の発明に係るスポーツ用シューズ
のミッドソール構造は、軟質弾性部材から構成されるミ
ッドソール内の少なくとも踵部分に波形シートが介在す
るとともに、前記波形シートの波形状の振幅が、前記踵
部分の内,外側部側で大きく、前記踵部分の内,外側部
間の中央部分で小さくなっていることを特徴としてい
る。
【0021】請求項10の発明に係るスポーツ用シュー
ズのミッドソール構造は、軟質弾性部材から構成される
ミッドソール内の少なくとも踵部分に波形シートが介在
するとともに、前記波形シートの波形状の位相が前記踵
部分の内,外側部側間で1/2波長ずれていることを特
徴としている。
【0022】請求項11の発明に係るスポーツ用シュー
ズのミッドソール構造は、請求項1ないし10のいずれ
かにおいて、前記波形シートの硬度が前記ミッドソール
の硬度よりも高くなっていることを特徴としている。
【0023】請求項12の発明に係るスポーツ用シュー
ズのミッドソール構造は、請求項1ないし11のいずれ
かにおいて、前記波形シートが繊維強化プラスチックか
ら構成されていることを特徴としている。
【0024】請求項13の発明に係るスポーツ用シュー
ズのミッドソール構造は、請求項12において、前記繊
維強化プラスチックの繊維が、一方向に引き揃えられた
繊維であることを特徴としている。
【0025】請求項14の発明に係るスポーツ用シュー
ズのミッドソール構造は、請求項13において、前記繊
維強化プラスチックの繊維が、前記波形シートの波形状
の尾根の方向と一致して配向されていることを特徴とし
ている。
【0026】請求項15の発明に係るスポーツ用シュー
ズのミッドソール構造は、請求項13において、前記繊
維強化プラスチックの繊維が前記波形シートの波形状の
尾根の方向に対して±30°の範囲で配向されているこ
とを特徴としている。
【0027】請求項16の発明に係るスポーツ用シュー
ズのミッドソール構造は、請求項12において、前記繊
維強化プラスチックの繊維が、横糸と縦糸とからなる織
組織であって、前記横糸の弾性率が前記縦糸の弾性率よ
りも大きいかもしくは同等であることを特徴としてい
る。
【0028】請求項17の発明に係るスポーツ用シュー
ズのミッドソール構造は、請求項16において、前記横
糸が前記波形シートの波形状の尾根の方向と一致して配
向されていることを特徴としている。
【0029】請求項18の発明に係るスポーツ用シュー
ズのミッドソール構造は、請求項16において、前記横
糸が前記波形シートの波形状の尾根の方向に対して±3
0°の範囲で配向されていることを特徴としている。
【0030】請求項19の発明に係るスポーツ用シュー
ズのミッドソール構造は、請求項1ないし12のいずれ
かにおいて、前記波形シートの表面には、リブとして機
能するリブ構造が設けられていることを特徴としてい
る。
【0031】請求項20の発明に係るスポーツ用シュー
ズのミッドソール構造は、請求項19において、前記リ
ブ構造が、前記波形状の尾根の方向と一致する複数の凸
条部から構成されていることを特徴としている。
【0032】請求項21の発明に係るスポーツ用シュー
ズのミッドソール構造は、請求項1,9または10のい
ずれかにおいて、前記波形シートが、熱可塑性または熱
硬化性の樹脂からなりかつその外周端面がシューズの踵
側壁面よりも内側に配置される第1の波形シートと、前
記第1の波形シートよりも弾性率が小さい軟質弾性部材
からなりかつその外周端面がシューズの踵側壁面と略面
一に配置される第2の波形シートとから構成されている
ことを特徴としている。
【0033】請求項22の発明に係るスポーツ用シュー
ズのミッドソール構造は、請求項1ないし21のいずれ
かにおいて、前記ミッドソールの踵中央部分に窓孔が形
成されていることを特徴としている。
【0034】請求項23の発明に係るミッドソール構造
の成形方法は、スポーツ用シューズのミッドソール内の
少なくとも踵部分に波形シートが介在するミッドソール
構造の成形方法において、熱可塑性または熱硬化性の樹
脂から構成されかつその外周端面がシューズの踵側壁面
よりも内側に配置される第1の平坦状シートと、前記第
1の平坦状シートよりも弾性率が小さい軟質弾性部材か
ら構成されかつその外周端面がシューズの踵側壁面と略
面一に配置される第2の平坦状シートとを積層する工程
と、前記第1および第2の平坦状シートを金型内に配置
して熱成形することにより、前記第1および第2の平坦
状シートを波形状に成形して波形シートを得る工程とを
含んでいることを特徴としている。
【0035】請求項24の発明に係るスポーツ用シュー
ズのミッドソール構造は、軟質弾性部材から構成される
ミッドソール内の踵部分および前足部にそれぞれ波形シ
ートを介在させるとともに、前記各波形シートを前記ミ
ッドソール内の中足部で連結したことを特徴としてい
る。
【0036】請求項25の発明に係るスポーツ用シュー
ズのミッドソール構造は、請求項24において、前記踵
部分における波形シートの波形状の振幅が、前記踵部分
の内側部側で小さくかつ外側部側で大きくなっているこ
とを特徴としている。
【0037】請求項26の発明に係るスポーツ用シュー
ズのミッドソール構造は、請求項24または25のいず
れかにおいて、前記前足部における波形シート部分が前
記前足部の外側部分にのみ配置されていることを特徴と
している。
【0038】請求項27の発明に係るスポーツ用シュー
ズのミッドソール構造は、請求項24ないし26のいず
れかにおいて、前記前足部における波形シートの波形状
の振幅が、前記前足部の内側部側で小さくかつ外側部側
で大きくなっていることを特徴としている。
【0039】請求項28の発明に係るスポーツ用シュー
ズのミッドソール構造は、請求項24ないし27のいず
れかにおいて、前記前足部における波形シートの波形状
の波長が、前記前足部の内側部側で小さくかつ外側部側
で大きくなっていることを特徴としている。
【0040】請求項29の発明に係るスポーツ用シュー
ズのミッドソール構造は、請求項24ないし28のいず
れかにおいて、前記各波形シートを連結する連結部に、
リブとして機能するリブ構造が設けられていることを特
徴としている。
【0041】請求項30の発明に係るスポーツ用シュー
ズのミッドソール構造は、請求項29において、前記リ
ブ構造が、前記連結部の配設方向に延びる複数の凹部ま
たは凸部から構成されていることを特徴としている。
【0042】請求項31の発明に係るスポーツ用シュー
ズのミッドソール構造は、請求項24ないし30のいず
れかにおいて、前記波形シートの硬度が前記ミッドソー
ルの硬度よりも高くなっていることを特徴としている。
【0043】請求項32の発明に係るスポーツ用シュー
ズのミッドソール構造は、請求項24ないし31のいず
れかにおいて、前記波形シートが繊維強化プラスチック
から構成されていることを特徴としている。
【0044】請求項33の発明に係るスポーツ用シュー
ズのミッドソール構造は、請求項32において、前記繊
維強化プラスチックの繊維が、一方向に引き揃えられた
繊維であることを特徴としている。
【0045】請求項34の発明に係るスポーツ用シュー
ズのミッドソール構造は、請求項33において、前記繊
維強化プラスチックの繊維が、前記各波形シートの波形
状の尾根の方向と一致して配向されていることを特徴と
している。
【0046】請求項35の発明に係るスポーツ用シュー
ズのミッドソール構造は、請求項33において、前記繊
維強化プラスチックの繊維が、前記波形シートの波形状
の尾根の方向に対して±30°の範囲で配向されている
ことを特徴としている。
【0047】請求項36の発明に係るスポーツ用シュー
ズのミッドソール構造は、請求項32において、前記繊
維強化プラスチックの繊維が、横糸と縦糸とからなる織
組織であって、前記横糸の弾性率が前記縦糸の弾性率よ
りも大きいかもしくは同等であることを特徴としてい
る。
【0048】請求項37の発明に係るスポーツ用シュー
ズのミッドソール構造は、請求項36において、前記横
糸が前記波形シートの波形状の尾根の方向と一致して配
向されていることを特徴としている。
【0049】請求項38の発明に係るスポーツ用シュー
ズのミッドソール構造は、請求項36において、前記横
糸が、前記波形シートの波形状の尾根の方向に対して±
30°の範囲で配向されていることを特徴としている。
【0050】請求項39の発明に係るスポーツ用シュー
ズのミッドソール構造は、請求項24ないし38のいず
れかにおいて、前記波形シートの表面に、リブとして機
能するリブ構造が設けられていることを特徴としてい
る。
【0051】請求項40の発明に係るスポーツ用シュー
ズのミッドソール構造は、請求項39において、前記リ
ブ構造が、前記波形状の尾根の方向と一致する複数の凸
条部から構成されていることを特徴としている。
【0052】請求項41の発明に係るスポーツ用シュー
ズのミッドソール構造は、請求項24において、前記各
波形シートが熱可塑性または熱硬化性の樹脂から構成さ
れるとともに、その外周端面がシューズの側壁面よりも
内側に配置されていることを特徴としている。
【0053】請求項42の発明に係るスポーツ用シュー
ズのミッドソール構造は、請求項24ないし41のいず
れかにおいて、前記ミッドソールの踵中央部分に窓孔が
形成されていることを特徴としている。
【0054】請求項1の発明においては、ミッドソール
内の少なくとも踵部分に波形シートが介在するととも
に、波形シートの波形状の振幅、波長の少なくともいず
れか一方が、踵部分の前,後端部間あるいは内,外側部
間の少なくともいずれか一方において異なっており、こ
れにより、次のような作用効果を奏する。
【0055】たとえば、踵部分において波形シートの波
形状の振幅を小さくすれば、ミッドソールの柔軟性が保
たれ、踵接地時の衝撃が緩和されてクッション性が確保
される。一方、踵部分において波形シートの波形状の振
幅を大きくすれば、ミッドソールの圧縮硬度が大きくな
り、着地後の横振れが防止されるとともに、足の踵がミ
ッドソール内に不必要に沈み込むのが抑制できるため、
競技力のロスが低減される。
【0056】請求項2の発明では、波形シートの波形状
の振幅がミッドソールの踵部分の後端側で小さくかつ前
端側で大きくなっているので、振幅の小さい踵後端側で
ミッドソールの柔軟性が保たれ、振幅の大きい踵前端側
でミッドソールの圧縮硬度が大きくなる。これにより、
踵後端部分から接地する頻度の高い競技種目において、
着地時の衝撃を効果的に緩和してクッション性を確保で
きるとともに、着地後に踵横方向に変形するのを防止で
きる。
【0057】また着地後、圧縮硬度の高い踵前端側に荷
重が移動したとき、踵の不必要な沈み込みが抑制される
ことによって、競技者が次の動作に移る際に競技力のロ
スを低減できる。
【0058】請求項3の発明では、波形シートの波形状
の振幅がミッドソールの踵部分の内側部側で大きくかつ
外側部側で小さくなっているので、振幅の小さい踵外側
部側でミッドソールの柔軟性が保たれ、振幅の大きい踵
内側部側でミッドソールの圧縮硬度が大きくなる。これ
により、踵外側部分から着地する頻度の高い競技種目に
おいて、着地時の衝撃を効果的に緩和してクッション性
を確保できるとともに、着地後に踵横方向に変形するの
を防止できる。
【0059】また着地後、足の踵が回内したとき、圧縮
硬度の大きい踵内側部により、足の踵がミッドソール内
側部側に不必要に沈み込むのが抑制されるので、過回内
を防止できる。
【0060】請求項4の発明では、請求項3において、
波形シートの波形状の波長がミッドソールの踵部分の内
側部側で大きくかつ外側部側で小さくなっているので、
踵外側部分から着地する頻度の高い競技種目において、
シューズの踵部分から爪先部分にかけて順に着地してい
く際に、その荷重負荷経路(ロードパス)と波形シート
の波形状の進行経路とをほぼ一致させることができる。
これにより、踵部分における横振れおよび過回内を確実
に防止できるばかりでなく、着地時に大きな接地面積を
確保でき、これにより、グリップ性を向上でき、靴底の
耐摩耗性を向上できる。
【0061】請求項5の発明では、請求項3において、
波形シートの波形状の波長がミッドソールの踵部分の外
側部側で大きくかつ内側部側で小さくなっているので、
踵内側部分から着地する頻度の高い競技種目において、
シューズの踵部分から爪先部分にかけて順に着地してい
く際に、その荷重負荷経路(ロードパス)と波形シート
の波形状の進行経路とをほぼ一致させることができる。
これにより、踵部分における横振れおよび過回外を確実
に防止できるばかりでなく、着地時に大きな接地面積を
確保でき、これにより、グリップ性を向上でき、靴底の
耐摩耗性を向上できる。
【0062】請求項6の発明では、波形シートの波形状
の振幅がミッドソールの踵部分の外側部側で大きくかつ
内側部側で小さくなっているので、振幅の小さい踵内側
部側でミッドソールの柔軟性が保たれ、振幅の大きい踵
外側部側でミッドソールの圧縮硬度が大きくなる。これ
により、踵内側部分から着地する頻度の高い競技種目に
おいて、着地時の衝撃を効果的に緩和してクッション性
を確保できるとともに、着地後に踵横方向に変形するの
を防止できる。
【0063】また着地後、足の踵が回外したとき、圧縮
硬度の大きい踵外側部により、足の踵がミッドソール外
側部側に不必要に沈み込むのが抑制されるので、過回外
を防止できる。
【0064】請求項7の発明では、請求項6において、
波形シートの波形状の波長がミッドソールの踵部分の外
側部側で大きくかつ内側部側で小さくなっているので、
踵内側部分から着地する頻度の高い競技種目において、
シューズの踵部分から爪先部分にかけて順に着地してい
く際に、その荷重負荷経路(ロードパス)と波形シート
の波形状の進行経路とをほぼ一致させることができる。
これにより、踵部分における横振れおよび過回外を確実
に防止できるばかりでなく、着地時に大きな接地面積を
確保でき、これにより、グリップ性を向上でき、靴底の
耐摩耗性を向上できる。
【0065】請求項8の発明では、請求項6において、
波形シートの波形状の波長がミッドソールの踵部分の内
側部側で大きくかつ外側部側で小さくなっているので、
踵外側部分から着地する頻度の高い競技種目において、
シューズの踵部分から爪先部分にかけて順に着地してい
く際に、その荷重負荷経路(ロードパス)と波形シート
の波形状の進行経路とをほぼ一致させることができる。
これにより、踵部分における横振れおよび過回内を確実
に防止できるばかりでなく、着地時に大きな接地面積を
確保でき、これにより、グリップ性を向上でき、靴底の
耐摩耗性を向上できる。
【0066】請求項9の発明では、ミッドソール内の少
なくとも踵部分に波形シートが介在するとともに、波形
シートの波形状の振幅が、踵部分の内,外側部側で大き
く、踵部分の内,外側部間の中央部分で小さくなってい
る。
【0067】これにより、振幅の小さい踵中央部分でミ
ッドソールの柔軟性が保たれ、振幅の大きい踵内,外側
部側でミッドソールの圧縮硬度が大きくなる。その結
果、踵着地時のクッション性を踵中央部分で確保できる
とともに、着地後の踵横方向の変形を防止でき、安定性
を向上できる。
【0068】請求項10の発明では、ミッドソール内の
少なくとも踵部分に波形シートが介在するとともに、波
形シートの波形状の位相が踵部分の内,外側部側間で1
/2波長ずれている。
【0069】これにより、踵内側部側から踵外側部側に
かけての波形状に関し、踵内側部側で波の山の部分が踵
外側部側に向かうにしたがい徐々に振幅が小さくなっ
て、踵内,外側部間の中央部分で振幅零となり、この中
央部分から踵外側部側に向かうにしたがい逆側に振幅が
徐々に大きくなって、踵外側部側で波の谷の部分に位置
する。
【0070】同様に、踵外側部側から踵内側部側にかけ
ての波形状に関し、踵外側部側で波の山の部分が踵内側
部側に向かうにしたがい徐々に振幅が小さくなって、踵
内,外側部間の中央部分で振幅零となり、この中央部分
から踵内側部側に向かうにしたがい逆側に振幅が徐々に
大きくなって、踵内側部側で波の谷の部分に位置する。
【0071】このように、踵内,外側部間の中央部分に
おける波形状の波の振幅が零となっているので、請求項
9の発明の場合と同様に、踵内,外側部間の中央部分で
ミッドソールの柔軟性が保たれ、相対的に振幅の大きい
踵内,外側部側でミッドソールの圧縮硬度が大きくな
る。その結果、踵着地時のクッション性を踵中央部分で
確保できるとともに、着地後の踵横方向の変形を防止で
き、安定性を向上できる。
【0072】請求項11の発明では、請求項1ないし1
0のいずれかにおいて、波形シートの硬度がミッドソー
ルの硬度よりも高くなっている。一般に、シューズの着
地時において衝撃荷重が繰り返しミッドソールに作用す
ると、波形シートはミッドソールとともに繰り返し変形
し、その結果、ミッドソールが徐々に弾性を失ってへた
りを生じ易くなる。これに対して、波形シートの硬度を
高く設定した場合には、波形シートの復元性によりミッ
ドソールがへたりにくくなるため、長期間の使用におい
ても着地時の衝撃を緩和でき、クッション性を確保でき
る。
【0073】請求項12の発明では、請求項1ないし1
1のいずれかにおいて、たとえば炭素繊維、アラミド繊
維、ガラス繊維等を強化用繊維とし、熱硬化性樹脂や熱
可塑性樹脂をマトリックス樹脂とした繊維強化プラスチ
ック(FRP)から波形シートが構成されるので、波形
シートの弾性および耐久性が向上して、波形シートが長
期間の使用に耐え得るようになる。
【0074】この繊維強化プラスチックの繊維は、請求
項13の発明のように、一方向に引き揃えられた繊維で
あるのが好ましい。
【0075】請求項14の発明では、繊維強化プラスチ
ックの繊維が波形シートの波形状の尾根の方向と一致し
て配向されているので、尾根に対し直角方向の弾性を過
度に上げてしまうことなく、尾根の方向の弾性を選択的
に向上させることが可能になる。
【0076】また繊維強化プラスチックの繊維は、請求
項15の発明のように、波形シートの波形状の尾根の方
向に対して±30°の範囲で配向されていてもよい。
【0077】さらに、請求項16の発明のように、繊維
強化プラスチックの繊維が横糸と縦糸とからなる織組織
であって、横糸の弾性率が縦糸の弾性率よりも大きいか
もしくは同等であってもよい。
【0078】この織組織の横糸は、請求項17または1
8の発明のように、波形シートの波形状の尾根の方向と
一致して配向されているか、もしくは、波形シートの波
形状の尾根の方向に対して±30°の範囲で配向されて
いるのが好ましい。
【0079】請求項19の発明では、請求項1ないし1
2のいずれかにおいて、波形シートの表面にリブ構造が
設けられるので、波形シートの弾性を適宜変化させるこ
とができる。
【0080】このリブ構造は、請求項20の発明のよう
に、波形状の尾根の方向と一致する複数の凸条部から構
成されているのが好ましく、この場合には、尾根に対し
直角方向の弾性を過度に上げてしまうことなく、尾根の
方向の弾性を選択的に向上させることが可能になる。
【0081】請求項21の発明では、波形シートが、熱
可塑性または熱硬化性の樹脂からなりかつその外周端面
がシューズの踵側壁面よりも内側に配置される第1の波
形シートと、第1の波形シートよりも弾性率が小さい軟
質弾性部材からなりかつその外周端面がシューズの踵側
壁面と略面一に配置される第2の波形シートとから構成
されている。
【0082】このように、第1の波形シートの外形寸法
を踵側壁面の外形寸法よりも小さくしたことにより、弾
性率が大きく変形しにくい第1の波形シートを金型のキ
ャビティ内に容易に挿入できるようになり、成形が容易
になる。
【0083】その一方、第1の波形シートの外周端面が
踵側壁面の内側に配置されることにより、成形後、実質
的にミッドソールの変形を抑制する機能を発揮する第1
の波形シートの外周端面が踵側壁面に埋もれて外部から
見えにくくなる。しかしながら、第1の波形シートと密
着する第2の波形シートの外形寸法が踵側壁面の外形寸
法と略同一なので、成形後も第2の波形シートの外周端
面は外部から見える。
【0084】したがって、シューズの購買者および使用
者は、波形シートの存在をこの第2の波形シートから認
識することができ、これにより、商品の美観を向上させ
ることができる。
【0085】なお、成形前の第2の波形シートの外形寸
法は一般に金型のキャビティの寸法よりも大きいが、第
2の波形シートが軟質弾性部材から構成されていること
により弾性率が小さく変形しやすいので、キャビティ内
への挿入に支障はない。
【0086】請求項22の発明では、請求項1ないし2
1のいずれかにおいて、ミッドソールの踵中央部分に窓
孔が形成されているので、ミッドソールが担っていた圧
縮硬度の分だけ、踵中央部分におけるミッドソール構造
の圧縮硬度が低下することになる。これにより、踵中央
部分において十分なクッション性を得ることができるよ
うになる。
【0087】請求項23の発明においては、熱可塑性ま
たは熱硬化性の樹脂からなりかつその外周端面がシュー
ズの踵側壁面よりも内側に配置される第1の平坦状シー
トと、第1の平坦状シートよりも弾性率が小さい軟質弾
性部材からなりかつその外周端面がシューズの踵側壁面
と略面一に配置される第2の平坦状シートとを積層する
とともに、これら第1および第2の平坦状シートを金型
内に配置して熱成形することにより、第1および第2の
平坦状シートを波形状に成形して波形シートを得るよう
にしている。
【0088】このように、第1の平坦状シートの外形寸
法を踵側壁面の外形寸法よりも小さくしたことにより、
弾性率が大きく変形しにくい第1の平坦状シートを金型
のキャビティ内に容易に挿入できるようになり、成形が
容易になる。
【0089】その一方、第1の平坦状シートの外周端面
が踵側壁面の内側に配置されることにより、実質的にミ
ッドソールの変形を抑制する機能を発揮する第1の平坦
状シートの成形後の外周端面が踵側壁面に埋もれて外部
から見えにくくなる。しかしながら、第1の平坦状シー
トと密着する第2の平坦状シートの外形寸法が踵側壁面
の外形寸法と略同一なので、第2の平坦状シートの外周
端面は成形後も外部から見える。
【0090】したがって、シューズの購買者および使用
者は、波形シートの存在を成形後の第2の平坦状シート
から認識することができ、これにより、商品の美観を向
上できる。
【0091】なお、第2の平坦状シートの外形寸法は一
般に金型のキャビティの寸法よりも大きいが、第2の平
坦状シートが軟質弾性部材から構成されていることによ
り弾性率が小さく変形しやすいので、キャビティ内への
挿入に支障はない。
【0092】請求項24の発明においては、ミッドソー
ル内の踵部分および前足部にそれぞれ波形シートが介在
するとともに、各波形シートがミッドソール内の中足部
で連結されている。この構成により、次のような作用効
果を奏する。
【0093】すなわち、シューズの着地時において、ミ
ッドソールの踵部位から前足部位にかけての部分が左右
方向に横ずれ変形しにくくなり、その結果、踵部分(す
なわち後足部)のみならず前足部の横振れが防止され
る。
【0094】この踵部分における波形シートの波形状の
振幅は、請求項25の発明のように、踵部分の内側部側
で小さくかつ外側部側で大きくなっているのが好まし
い。この場合には、踵外側部側でのミッドソールの圧縮
硬度が大きくなっているので、着地後、足の踵がミッド
ソール外側部側に不必要に沈み込むのが抑制される。
【0095】また、前足部における波形シート部分は、
請求項26の発明のように、前足部の外側部分にのみ配
置されているのが好ましい。
【0096】さらに、前足部における波形シートの波形
状の振幅は、請求項27の発明のように、前足部の内側
部側で小さくかつ外側部側で大きくなっているのが好ま
しい。この場合には、前足部の外側部側でのミッドソー
ルの圧縮硬度が大きくなっているので、着地後、足の前
足部がミッドソール外側部側に不必要に沈み込むのが抑
制される。
【0097】前足部における波形シートの波形状の波長
は、請求項28の発明のように、前足部の内側部側で小
さくかつ外側部側で大きくなっているのが好ましい。こ
の場合には、前足部の外側部側で着地した後、競技者が
次の一歩を内側に踏み出す際に、その荷重負荷経路(ロ
ードパス)と波形シートの波形状の進行経路とをほぼ一
致させることが可能になる。これにより、前足部の横振
れを確実に防止できるばかりでなく、けり出し時に踏み
出し方向に対する屈曲性が向上し、その結果、的確なグ
リップ性を保持しつつ、スムーズなけり出しが実現され
る。
【0098】請求項29の発明では、請求項24ないし
28のいずれかにおいて、各波形シートを連結する連結
部にリブ構造が設けられるので、該リブ構造によりシャ
ンク効果を発揮させることができ、これにより、中足部
(土踏まず部分)の剛性を向上できる。
【0099】このリブ構造は、請求項30の発明のよう
に、連結部の配設方向に延びる複数の凹部または凸部か
ら構成されているのが好ましく、これにより、構造を簡
略化できる。
【0100】請求項31の発明では、請求項24ないし
30のいずれかにおいて、波形シートの硬度がミッドソ
ールの硬度よりも高くなっており、これにより、波形シ
ートが内蔵されたミッドソールをへたりにくくすること
ができる。
【0101】請求項32の発明では、請求項24ないし
31のいずれかにおいて、波形シートが繊維強化プラス
チック(FRP)から構成されるので、波形シートの弾
性および耐久性を向上でき、波形シートを長期間使用で
きるようになる。
【0102】この繊維強化プラスチックの繊維は、請求
項33の発明のように、一方向に引き揃えられた繊維で
あるのが好ましい。
【0103】請求項34の発明では、繊維強化プラスチ
ックの繊維が波形シートの波形状の尾根の方向と一致し
て配向されているので、尾根に対し直角方向の弾性を過
度に上げてしまうことなく、尾根の方向の弾性を選択的
に向上させることが可能になる。
【0104】また繊維強化プラスチックの繊維は、請求
項35の発明のように、波形シートの尾根の方向に対し
て±30°の範囲で配向されていてもよい。
【0105】さらに、請求項36の発明のように、繊維
強化プラスチックの繊維が横糸と縦糸とからなる織組織
であって、横糸の弾性率が縦糸の弾性率よりも大きいか
もしくは同等であってもよい。
【0106】この織組織の横糸は、請求項37または3
8の発明のように、波形シートの波形状の尾根の方向と
一致して配向されているか、もしくは、波形シートの波
形状の尾根の方向に対して±30°の範囲で配向されて
いるのが好ましい。
【0107】請求項39の発明では、請求項24ないし
38のいずれかにおいて、波形シートの表面にリブ構造
が設けられるので、波形シートの弾性を適宜変化させる
ことができる。
【0108】このリブ構造は、請求項40の発明のよう
に、波形状の尾根の方向と一致する複数の凸条部から構
成されているのが好ましく、この場合には、尾根に対し
直角方向の弾性を過度に上げてしまうことなく、尾根の
方向の弾性を選択的に向上させることが可能になる。
【0109】請求項41の発明では、波形シートが熱可
塑性または熱硬化性の樹脂から構成されるとともに、そ
の外周端面がシューズの側壁面よりも内側に配置されて
いるので、波形シートを金型のキャビティ内に容易に挿
入できるようになり、成形が容易になる。
【0110】請求項42の発明では、請求項24ないし
41のいずれかにおいて、ミッドソールの踵中央部分に
窓孔が形成されているので、ミッドソールが担っていた
圧縮硬度の分だけ、踵中央部分におけるミッドソール構
造の圧縮硬度が低下することになる。これにより、踵中
央部分において十分なクッション性を得ることができる
ようになる。
【0111】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施態様を添付図
面に基づいて説明する。 〔ミッドソール構造全体の概要〕図1および図2は、本
発明の第1,第2の発明によるミッドソール構造がそれ
ぞれ採用されたスポーツ用シューズを示している。図1
に示すスポーツ用シューズ1は主にランニング用として
用いられるランニングシューズであり、図2に示すスポ
ーツ用シューズ1′は、たとえばテニスシューズやバス
ケットシューズあるいはバレーボールシューズである。
なお、各図中の同一符号は同一または相当部分を示して
いる。
【0112】スポーツ用シューズ1,1′の靴底は、甲
被部2の下部が貼り付けられたミッドソール(中底)3
と、ミッドソール3内に介在し、波形状を有する波形シ
ート4と、ミッドソール3の下面に貼り合わされ、路面
と直接接地するアウトソール5とから主として構成され
ている。
【0113】ミッドソール3は、着地時にシューズ1の
底部にかかる衝撃を緩和する目的で用いられており、図
3の分解組立図に示すように、波形シート4をその上下
方向から挟み込むように配置された上部ミッドソール3
aおよび下部ミッドソール3bから構成されている。
【0114】ミッドソール3を形成する材料としては、
一般に、良好なクッション性を備えた材料である軟質弾
性部材が用いられるが、具体的には、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体(EVA)等の熱可塑性合成樹脂の発泡体
やポリウレタン(PU)等の熱硬化性樹脂の発泡体、ま
たはブタジエンラバーやクロロプレンラバー等のラバー
素材の発泡体が用いられる。
【0115】本発明によるミッドソール構造を一般的な
ランニングシューズに適用する場合には、ミッドソール
3を形成する発泡体として、引張弾性率が1〜100k
g/cm2 程度、好ましくは10kg/cm2 程度のも
のが用いられる。
【0116】波形シート4は、比較的弾性に富む素材で
ある熱可塑性ポリウレタン(TPU)やポリアミドエラ
ストマー(PAE)、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂ある
いはエポキシ樹脂等や不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬
化性樹脂から構成される。
【0117】本ミッドソール構造を一般的なランニング
シューズに適用する場合には、波形シート4として、引
張弾性率が100〜50000kg/cm2 程度、好ま
しくは1000kg/cm2 程度で厚み約1mmの熱可
塑性ポリウレタンシートが用いられる。
【0118】なお、図1および図2では明確に表れてい
ないが、後述するように、図1に示すスポーツ用シュー
ズ1では、波形シート4がミッドソール3内の踵部分に
配設されており、これに対して、図2に示すスポーツ用
シューズ1′では、波形シート4がミッドソール3内の
踵部分(すなわち後足部)および前足部に配設されてい
る。
【0119】〔ミッドソール構造の作用効果〕本発明に
よるミッドソール構造では、上部ミッドソール3aと下
部ミッドソール3bとの間に波形シート4が挟み込まれ
て、全体が一体化されている。このような構成になるミ
ッドソール構造において、シューズ着地時には、上部ミ
ッドソール3aから作用する圧力が波形シート4により
分散されて、下部ミッドソール3bの受圧面積が拡大
し、その結果、ミッドソール構造全体の圧縮硬度が大き
くなっている。
【0120】この圧縮硬度は、波形シート4を構成する
材料の曲げ剛性EI(E:縦弾性係数,I:断面二次モ
ーメント)によって決まる。ここで、波形シート4に対
して図4に示すような座標系をとり、波形シート4にz
軸回りの曲げモーメントMが作用している状態を考え
る。
【0121】波形シート4が厚みtのシートを振幅A、
波長λの正弦波状に曲げたものであると仮定すると、波
形シート4のy−z断面は図5に示すようになる。この
断面の波形は、数式1のように表すことができる。
【数1】
【0122】いま、波形シート4の全長をLとして L
=nλ(n:自然数) の関係があるとき、この断面の
中立軸は y=0 となる。断面上の微小面積をdsと
すると、この断面の中立軸に関する断面二次モーメント
Iは数式2のようになる。
【数2】
【0123】ここで、t=1(mm),L=100(m
m)としたときの波長λ,振幅Aおよび断面二次モーメ
ントIの関係を図6に示す。図6から分かるように、波
長λがある一定値を超えると、断面二次モーメントIに
はもっぱら振幅Aのみが寄与し、波長λはほとんど寄与
していない。
【0124】式からこのことを確認すると、数式2にお
いて λ≫A の場合には、数式2は数式3のようにな
る。
【数3】
【0125】これは、振幅Aに比べて波長λが十分に大
きいとき、断面二次モーメントIは振幅Aの二乗に比例
するが、波長λは断面二次モーメントIに何ら影響しな
いことを表している。
【0126】これに対して A≫λ の場合には、数式
2は数式4のようになる。
【数4】 これは、振幅Aに比べて波長λが十分に小さいとき、断
面二次モーメントIは振幅Aの三乗に比例するととも
に、波長λに反比例することを表している。
【0127】実際には、振幅Aおよび波長λの断面二次
モーメントIに及ぼす影響は、上記各数式3および4の
中間的なものであって、いずれの場合においても、断面
二次モーメントIに対する振幅Aの影響は波長λに比べ
て極めて大きい。
【0128】次に、波形シート4の曲げ剛性EIと、該
波形シート4を内蔵したミッドソール3のクッション性
との関係を図7に示す。 同図において、縦軸Cはクッ
ション係数であり、これは、波形シート4が介在してい
ないミッドソール3に所定の荷重を作用させたときの圧
縮変形量を基準値100として、これとの比較で、波形
シート4が介在したミッドソール3のクッション性を表
したものである。同図に示すように、曲げ剛性EIが大
きくなるほど、クッション係数Cが小さくなってクッシ
ョン性が悪くなる反面、安定性は良くなることが分か
る。
【0129】したがって、ミッドソール3内において着
地時の安定性が要求される領域では、振幅Aを大きくか
つ波長λを小さくすることにより、断面二次モーメント
Iすなわち曲げ剛性EIを大きくして圧縮硬度を大きく
し、逆に、クッション性が要求されるミッドソール内領
域では、振幅Aを小さくかつ波長λを大きくすることに
より、断面二次モーメントIすなわち曲げ剛性EIを小
さくして圧縮硬度を小さくする。
【0130】このように、振幅Aおよび波長λを適宜調
節することにより、波形シート4の曲げ剛性EIを調節
でき、これにより、ミッドソール構造全体の圧縮硬度を
調節できるようになる。
【0131】なお、ミッドソール構造全体の圧縮硬度が
波形シート4の波長λよりも振幅Aによりほぼ決定され
ることから、圧縮硬度の調節は専ら振幅Aによって行
い、ミッドソール構造の変形特性(すなわち、着地時に
ミッドソール構造が波形シートの波形状の尾根線または
谷線に沿ってどのように変形するかということ)の調節
を波長λによって行うようにしてもよい。
【0132】〔ミッドソール構造の成形方法〕上述した
ミッドソール構造は、以下のようにして成形される。な
お、以下の説明文中の数値は単なる一例を示したもので
あり、本発明がこれらの数値に限定されないことはいう
までもない。
【0133】<方法1>成形後に下部ミッドソール3b
を構成することになる、厚み10〜20mm程度の軟質
弾性部材からなる平坦状シート3b′(図8)をたとえ
ば踵の外周形状に沿うように裁断する。
【0134】また、成形後に実質的な(機能上の)波形
シート4を構成することになる、厚み0.5〜2mm程
度の熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂からなる平坦状シ
ート4′(図8)を踵の外周形状よりも若干小さい形状
に裁断するとともに、成形後に見かけ上(外観上)の波
形シート4を構成することになる、厚み0.5〜2mm
程度の軟質弾性部材からなる平坦状シート4″(図8)
を踵の外周形状に沿うように裁断する。
【0135】なお、成形後において平坦状シート4″の
外周端面が下部ミッドソール3bの外周端面から識別で
きるように、平坦状シート4″には平坦状シート3b′
と異なる色が着色されている、もしくは異なる模様が付
されている方が好ましい。
【0136】次に、平坦状シート3b′の上面に平坦状
シート4′および4″を接着し(図8参照)、これら平
坦状シート3b′および各平坦状シート4′,4″を凹
金型(キャビティ)10の凹部10a内に挿入する(図
9参照)。なお、図8では、平坦状シート3b′の上に
順に平坦状シート4′,4″を配置したものを示した
が、平坦状シート4′,4″の配置はこの逆でもよい。
また、図8および図9では、図示の便宜上、平坦状シー
ト4′および4″の厚みを誇張して描いている(以下の
図10ないし図13においても同様)。
【0137】平坦状シート3b′および4″の外寸d1
は、キャビティ10の凹部10aの内寸Dよりも大きい
が、軟質弾性部材から構成される各平坦状シート3b′
および4″は弾性率が小さく変形しやすいので、凹部1
0a内への挿入時には、各平坦状シート3b′および
4″は凹部10a内に容易に挿入される。
【0138】一方、平坦状シート4′は熱可塑性樹脂ま
たは熱硬化性樹脂から構成されているので、弾性率が大
きく変形しにくいが、その外寸d2が凹部10aの内寸
Dよりも若干小さいので、平坦状シート4′は凹部10
a内に同様に容易に挿入される。
【0139】次に、下面に波形状面12aを有する凸金
型(コア)12をキャビティ10の凹部10a内にイン
サートして加熱加圧する(図9および図10参照)。こ
の熱成形後、コア12を後退させると、平坦状シート3
b′の上面に波形状面が形成された下部ミッドソール3
bが得られるとともに、各平坦状シート4′および4″
が波形状に形成されてなる波形シート4が得られる(図
11参照)。
【0140】一方、下部ミッドソール3bの場合と同様
にして、軟質弾性部材からなる厚み10〜20mm程度
の平坦状シートを踵の外周形状に沿うように裁断する。
そして、この裁断したものを、一方の金型が波形状面を
有する金型にインサートして加熱加圧することにより、
上面が平坦面で下面が波形状面を有する上部ミッドソー
ル3aが熱成形法によって成形される。成形後の上部ミ
ッドソール3aの最大厚みは10〜15mm程度に設定
される。
【0141】次に、上述のようにして成形された上部ミ
ッドソール3aの波形状面を、下部ミッドソール3b上
の波形シート4に密着させて両者を接着一体化すること
により、本発明によるミッドソール構造が形成される
(図12および図13参照)。
【0142】ところで、下部ミッドソール3bおよび波
形シート4の熱成形前においては、上述のように、平坦
状シート4′の外周端面が平坦状シート3b′および
4″の外周端面よりも内方に後退しているため、熱成形
後には、実質的な波形シート4を構成する平坦状シート
4′の外周端面が下部ミッドソール3bおよび平坦状シ
ート4″の外周端面内部に埋もれて外部から見えにくく
なる。
【0143】しかしながら、平坦状シート4′に密着す
る平坦状シート4″の成形後の外周端面が踵側壁面と略
面一に配置され、しかも、平坦状シート4″は下部ミッ
ドソール3bと異なる色もしくは模様を有しているの
で、シューズの購買者および使用者には、波形シート4
の存在をこの平坦状シート4″により認識することがで
きる。これにより、商品の美観を向上できる。
【0144】なお、図8ないし図13では、熱可塑性樹
脂または熱硬化性樹脂からなる平坦状シート4′と、軟
質弾性部材からなる平坦状シート4″とから波形シート
4を構成した例を示したが、波形シート4は平坦状シー
ト4′のみから構成されていてもよい。
【0145】この場合には、平坦状シート4′の外寸を
大きくして、成形後の平坦状シート4′すなわち波形シ
ート4の外周端面が外部から見えるようにした方が好ま
しい。ところが、平坦状シート4′は弾性率が大きく変
形しにくいので、平坦状シート4′の外寸を大きくする
と、その外周がキャビティの凹部内に入りきれなくな
り、成形後の平坦状シート4′の外周にバリを生じるこ
とになる。このため、このバリの除去処理が必要にな
る。
【0146】<方法2>方法1では、波形シート4を構
成する平坦状シートを下部ミッドソール3bの上面に接
着した後、下部ミッドソール3bの上面および平坦状シ
ートを波形状に成形した例を示したが、本発明の適用は
これに限定されない。
【0147】下部ミッドソール3bの上面および波形シ
ートをそれぞれ別個に波形状に成形した後、上部ミッド
ソール3aの下面および下部ミッドソール3bの上面の
間に波形シート4を挟み込んで、これらを接着固定する
ようにしてもよい。
【0148】すなわち、この場合には、厚み10〜20
mm程度の軟質弾性部材からなる平坦状シートをたとえ
ば踵(あるいは踵,中足部および前足部)の外周形状に
沿うように裁断し、この裁断したものを、一方の金型が
波形状面を有する金型にインサートして加熱加圧するこ
とにより、上面がほぼ平坦面でかつ下面が波形状面を有
する上部ミッドソール3aを熱成形法によって成形す
る。成形後の上部ミッドソール3aの最大厚みは5〜7
mm程度に設定される。
【0149】また、同様にして、厚み10〜20mm程
度の軟質弾性部材からなる平坦状シートを踵の外周形状
に沿うように裁断し、この裁断したものを、一方の金型
が波形状面を有する金型にインサートして加熱加圧する
ことにより、下面がほぼ平坦面でかつ上面が波形状面を
有する下部ミッドソール3bを熱成形法によって成形す
る。成形後の下部ミッドソール3bの最大厚みは10〜
15mm程度に設定される。
【0150】一方、波形シート4の成形は、熱成形法に
よっても射出成形法によってもよい。熱成形法で成形す
る場合には、方法1で説明したのと同様の平坦状シート
4′および4″を重ね合わせたもの(あるいは波形シー
ト4′のみ)を、双方の金型がともに波形状面を有する
金型にインサートして加熱加圧することにより、波形シ
ート4が成形される。また、射出成形法で成形する場合
には、溶融した熱可塑性樹脂を、波形状面を有する射出
成形型に導入することにより、波形シート4が成形され
る。
【0151】次に、上部ミッドソール3aの下面側の波
形状面と下部ミッドソール3bの上面側の波形状面との
間に波形シート4を挟み込み、波形シート4を上,下部
ミッドソール3a,3bの各波形状面に密着させて相互
に接着一体化することにより、ミッドソール構造が形成
される。
【0152】<方法3>方法3は、上記方法1および2
とは全く異なる方法であり、まず、波形シート4を熱成
形法や射出成形法によって成形し、成形された波形シー
ト4を金型内に載置する。次に、予め混合されたポリウ
レタン発泡体原料を金型内に注入して、金型内で発泡さ
せる。これにより、上部ミッドソール3aおよび下部ミ
ッドソール3bが波形シート4の上,下面と一体的に形
成され、ミッドソール構造が形成されることになる。
【0153】以上説明したような成形方法で成形される
ミッドソール構造では、下部ミッドソール3bの下面に
アウトソール5が接着されることにより靴底が構成され
る。アウトソール5は主にソリッドラバーから構成され
ており、その接地面には防滑用の溝もしくは突起が設け
られている。
【0154】なお、ミッドソール構造の中足部(土踏ま
ず部分)の内外側部に、剛性を高める目的で、硬質剛性
樹脂や金属からなるシャンク部材を設置するようにして
もよい。また、上部ミッドソール3aの上面に接着され
る甲被部2と上部ミッドソール3aとの間に、踵部位の
安定性を向上させる目的で、スタビライザー等の部材を
設置するようにしてもよい。
【0155】〔スポーツ用シューズ1における好ましい
実施態様の説明〕次に、本発明の第1の発明によるスポ
ーツ用シューズ1(図1)におけるミッドソール構造の
好ましい実施態様を図13ないし図29を用いて説明す
る。これらの図は、いずれもミッドソール3内の踵部分
に波形シート4を配設した例を示しており、波形シート
4の波形状の波長λおよび振幅Aを適宜変化させたもの
が各図に示されている。
【0156】図14ないし図21および図24中、
(a)は各実施態様における左足側のミッドソール構造
の平面図、(b)はその外側側面図、(c)は内側側面
図である。各図には、図示の便宜上、振幅Aを2倍にし
たものが図示され、また波長λを1/2にしたものが図
示されている。また、図22は図21の踵部分拡大図、
図23は図22のB矢視図、図25は図24の踵部分拡
大図、図26は図25のC矢視図である。さらに、図2
8中、(a)は左足側のミッドソール構造の底面図、
(b)はそのX−X線断面図である。
【0157】<第1の実施態様>図14は、本発明の第
1の実施態様によるミッドソール構造を説明するための
図である。同図に示すように、波形シート4の波形状の
踵部分前,後端側における振幅をそれぞれA1 ,A2
するとき、この第1の実施態様では 2A1 >2A2 すなわち A1 >A2 の関係がある。
【0158】このように、波形シート4の波形状の振幅
を踵部分後端側で小さくかつ踵部分前端側で大きくする
ことにより、振幅の小さい踵後端側でミッドソール3の
柔軟性が保たれ、振幅の大きい踵前端側でミッドソール
3の圧縮硬度が大きくなる。これにより、踵後端部分か
ら接地する頻度の高い競技種目において、着地時の衝撃
を効果的に緩和してクッション性を確保できるととも
に、着地後に踵部分が横方向に変形するのを防止でき
る。
【0159】また着地後、圧縮硬度の高い踵前端側に荷
重が移動したとき、踵の不必要な沈み込みが抑制される
ことによって、競技者が次の動作に移る際に競技力のロ
スを低減できる。
【0160】<第2の実施態様>図15は、本発明の第
2の実施態様によるミッドソール構造を説明するための
図である。同図に示すように、波形シート4の波形状の
踵部分内,外側部側における振幅をそれぞれAi ,Ao
とするとき、この第2の実施態様では 2Ai >2Ao すなわち Ai >Ao の関係がある。
【0161】このように、波形シート4の波形状の振幅
を踵部分の内側部側で大きくかつ外側部側で小さくする
ことにより、振幅の小さい踵外側部側でミッドソール3
の柔軟性が保たれ、振幅の大きい踵内側部側でミッドソ
ール3の圧縮硬度が大きくなる。これにより、踵外側部
分から着地する頻度の高い競技種目において、着地時の
衝撃をミッドソール踵外側部分で効果的に緩和してクッ
ション性を確保できるとともに、着地後の足の踵内側へ
の倒れ込みをミッドソール踵内側部分で支えることがで
きるようになり、着地後の踵横方向への変形を防止でき
る。
【0162】また着地後、足の踵が回内したとき、圧縮
硬度の大きい踵内側部により、足の踵がミッドソール内
側部側に不必要に沈み込むのが抑制されるので、過回内
を防止できる。
【0163】<第3の実施態様>図16は、本発明の第
3の実施態様によるミッドソール構造を説明するための
図である。この第3の実施態様では、第2の実施態様と
同様に Ai >Ao の関係がある。
【0164】さらに、この第3の実施態様では、波形シ
ート4の波形状の踵部分内,外側部側における波長をそ
れぞれλi ,λo とするとき λi /2>λo /2 すなわち λi >λo の関係がある。
【0165】この場合には、波形シート4の波形状の振
幅が踵部分の内側部側で大きくかつ外側部側で小さくな
っていることにより、第2の実施態様の場合と同様に、
踵外側部分から着地する頻度の高い競技種目においてク
ッション性を確保でき、着地後の踵横方向への変形を防
止できる。
【0166】さらに、この場合には、波形シート4の波
形状の波長が踵部分の内側部側で大きくかつ外側部側で
小さくなっているので、踵外側部分から着地する頻度の
高い競技種目において、シューズの踵部分から爪先部分
にかけて順に着地していく際に、その荷重負荷経路(ロ
ードパス)と波形シート4の波形状の進行経路とをほぼ
一致させることができる。すなわち、着地時にミッドソ
ール3が波形シート4の波形状の尾根線または谷線に沿
って変形する。
【0167】これにより、踵部分における横振れおよび
過回内を確実に防止できるばかりでなく、着地時に大き
な接地面積を確保でき、これにより、グリップ性を向上
でき、靴底の耐摩耗性を向上できる。
【0168】なお、このミッドソール構造が一般的なラ
ンニングシューズに適用される場合には、たとえば Ai =6(mm),Ao =3.25(mm) λi =40(mm),λo =25(mm) に設定される。
【0169】<第4の実施態様>図17は、本発明の第
4の実施態様によるミッドソール構造を説明するための
図である。この第4の実施態様では、第2の実施態様と
同様に Ai >Ao の関係があり、さらに、第3の実施態様とは逆に λo /2>λi /2 すなわち λo >λi の関係がある。
【0170】この場合には、波形シート4の波形状の波
長が踵部分の外側部側で大きくかつ内側部側で小さくな
るようにしたので、踵内側部分から着地する頻度の高い
競技種目において、シューズの踵部分から爪先部分にか
けて順に着地していく際に、その荷重負荷経路(ロード
パス)と波形シート4の波形状の進行経路とをほぼ一致
させることができる。これにより、踵部分における横振
れおよび過回内を確実に防止できるばかりでなく、着地
時に大きな接地面積を確保でき、これにより、グリップ
性を向上でき、靴底の耐摩耗性を向上できる。
【0171】<第5の実施態様>図18は、本発明の第
5の実施態様によるミッドソール構造を説明するための
図である。この第5の実施態様では、第2の実施態様と
は逆に 2Ao >2Ai すなわち Ao >Ai の関係がある。
【0172】このように、波形シート4の波形状の振幅
を踵部分の外側部側で大きくかつ内側部側で小さくする
ことにより、振幅の小さい踵内側部側でミッドソール3
の柔軟性が保たれ、振幅の大きい踵外側部側でミッドソ
ール3の圧縮硬度が大きくなる。これにより、踵内側部
分から着地する頻度の高い競技種目において、着地時の
衝撃をミッドソール踵内側部分で効果的に緩和してクッ
ション性を確保できるとともに、着地後の足の踵外側へ
の倒れ込みをミッドソール踵外側部分で支えることがで
きるようになり、着地後の踵横方向への変形を防止でき
る。
【0173】また着地後、足の踵が回外したとき、圧縮
硬度の大きい踵外側部により、足の踵がミッドソール外
側部側に不必要に沈み込むのが抑制されるので、過回外
を防止できる。
【0174】<第6の実施態様>図19は、本発明の第
6の実施態様によるミッドソール構造を説明するための
図である。この第6の実施態様では、第5の実施態様と
同様に Ao >Ai の関係がある。さらに、この第6の実施態様では λo /2>λi /2 すなわち λo >λi の関係がある。
【0175】この場合には、波形シート4の波形状の振
幅が踵部分の外側部側で大きくかつ内側部側で小さくな
っていることにより、第5の実施態様の場合と同様に、
踵内側部分から着地する頻度の高い競技種目においてク
ッション性を確保でき、着地後の踵横方向の変形を防止
できる。
【0176】さらに、この場合には、波形シート4の波
形状の波長を踵部分の外側部側で大きくかつ内側部側で
小さくなるようにしたので、踵内側部分から着地する頻
度の高い競技種目において、シューズの踵部分から爪先
部分にかけて順に着地していく際に、その荷重負荷経路
(ロードパス)と波形シート4の波形状の進行経路とを
ほぼ一致させることができる。すなわち、着地時にミッ
ドソール3が波形シート4の波形状の尾根線または谷線
に沿って変形する。
【0177】これにより、踵部分における横振れおよび
過回外を確実に防止できるばかりでなく、着地時に大き
な接地面積を確保でき、これにより、グリップ性を向上
でき、靴底の耐摩耗性を向上できる。
【0178】<第7の実施態様>図20は、本発明の第
7の実施態様によるミッドソール構造を説明するための
図である。この第7の実施態様では、第5の実施態様と
同様に Ao >Ai の関係があり、さらに、第6の実施態様とは逆に λi /2>λo /2 すなわち λi >λo の関係がある。
【0179】この場合には、波形シート4の波形状の波
長が踵部分の内側部側で大きくかつ外側部側で小さくな
るようにしたので、踵外側部分から着地する頻度の高い
競技種目において、シューズの踵部分から爪先部分にか
けて順に着地していく際に、その荷重負荷経路(ロード
パス)と波形シート4の波形状の進行経路とをほぼ一致
させることができる。これにより、踵部分における横振
れおよび過回外を確実に防止できるばかりでなく、着地
時に大きな接地面積を確保でき、これにより、グリップ
性を向上でき、靴底の耐摩耗性を向上できる。
【0180】<第8の実施態様>図21ないし図23
は、本発明の第8の実施態様によるミッドソール構造を
説明するための図である。これらの図に示すように、波
形シート4の波形状の振幅が踵部分内,外側部側から踵
部分中央部に向かうにしたがい徐々に小さくなってい
る。すなわち、波形シート4の波形状の踵部分内,外側
部側における振幅をA,踵部分中央部における振幅を
A′とするとき 2A>2A′ すなわち A>A′ の関係がある。
【0181】このように、波形シート4の波形状の振幅
を踵部分内,外側部側で大きくかつ踵部分中央部で小さ
くすることにより、振幅の小さい踵部分中央部でミッド
ソール3の柔軟性が保たれ、振幅の大きい踵部分内,外
側部側でミッドソール3の圧縮硬度が大きくなる。その
結果、踵着地時のクッション性を踵中央部分で確保でき
るとともに、着地時の踵横方向の変形を防止でき、安定
性を向上できる。
【0182】なお、波形シート4の踵部分内,外側面に
おける各波形状は、少なくとも波長が一致しておればよ
く、振幅が異なっていてもよい。すなわち、一方の波形
状の振幅をAとするとき、他方の波形状の振幅はAでな
くてもよい。
【0183】また、波形シート4の波形状の稜線Lおよ
び谷線L′(図23)は、踵部分中央部で交差していて
もよい。すなわち、振幅A′は零であってもよい。
【0184】<第9の実施態様>図24ないし図26
は、本発明の第9の実施態様によるミッドソール構造を
説明するための図である。この第9の実施態様では、波
形シート4の波形状の位相が、踵部分の内,外側部間で
1/2波長ずれている。
【0185】すなわち、踵内側部側から踵外側部側にか
けての波形状に関し、踵内側部側で波の山の部分が踵外
側部側に向かうにしたがい徐々に振幅が小さくなって、
踵内,外側部間の中央部分で振幅零となり、この中央部
分から踵外側部側に向かうにしたがい逆側に振幅が徐々
に大きくなって、踵外側部側で波の谷の部分に位置す
る。
【0186】同様に、踵外側部側から踵内側部側にかけ
ての波形状に関し、踵外側部側で波の山の部分が踵内側
部側に向かうにしたがい徐々に振幅が小さくなって、踵
内,外側部間の中央部分で振幅零となり、この中央部分
から踵内側部側に向かうにしたがい逆側に振幅が徐々に
大きくなって、踵内側部側で波の谷の部分に位置する。
【0187】このように、踵内,外側部間の中央部分に
おける波形状の波の振幅が零となっている。これによ
り、第8の実施態様の場合と同様に、踵内,外側部間の
中央部分でミッドソールの柔軟性が保たれ、相対的に振
幅の大きい踵内,外側部側でミッドソールの圧縮硬度が
大きくなる。その結果、踵着地時のクッション性を踵中
央部分で確保できるとともに、着地後の踵横方向の変形
を防止でき、安定性を向上できる。
【0188】なお、図26中の破線Lは、波形シート4
の踵部分内,外側面における波形状の山の部分とこれら
にそれぞれ対応する踵部分外,内側面における波形状の
谷の部分とを結んだ線を表している。
【0189】<第10の実施態様>第10の実施態様で
は、上記第1ないし第9の実施態様のいずれかにおいて
波形シート4の硬度がミッドソール3の硬度よりも高く
なっている。一般に、シューズの着地時に衝撃荷重が繰
り返しミッドソール3に作用すると、波形シート4はミ
ッドソール3とともに繰り返し変形し、その結果、ミッ
ドソール3が徐々に弾性を失ってへたりを生じ易くな
る。これに対して、波形シート4の硬度を高く設定した
場合には、波形シート4の復元性によりミッドソール3
がへたりにくくなるため、長期間の使用においても着地
時の衝撃を緩和でき、クッション性を確保できるように
なる。
【0190】<第11の実施態様>第11の実施態様で
は、上記第1ないし第10の実施態様のいずれかにおい
て波形シート4が、ガラス繊維等で強化された繊維強化
プラスチック(FRP)から構成される。これにより、
波形シート4の弾性および耐久性が向上して、長期間の
使用に耐え得るようになる。
【0191】この繊維強化プラスチックの繊維は、一方
向に引き揃えられた繊維であるのが好ましい。
【0192】<第12の実施態様>第12の実施態様で
は、繊維強化プラスチックの繊維が波形シート4の波形
状の尾根の方向と一致して配向されるので、尾根に対し
て直角方向の弾性を過度に上げてしまうことなく、尾根
方向の弾性を選択的に向上させることが可能になる。
【0193】なお、繊維強化プラスチックの繊維は、波
形シート4の波形状の尾根の方向に対して±30°の範
囲で配向されていてもよい。
【0194】<第13の実施態様>第13の実施態様で
は、繊維強化プラスチックの繊維が横糸と縦糸とからな
る平織りなどの織組織であって、横糸の弾性率が縦糸の
弾性率よりも大きいかもしくは同等になっている。
【0195】この織組織の横糸は、波形シートの波形状
の尾根の方向と一致して配向されているのが好ましい。
あるいは、当該横糸は、波形シートの波形状の尾根の方
向に対して±30°の範囲で配向されていてもよい。
【0196】また、第3の実施態様や第4の実施態様の
ように、波形シートの波形状の尾根の方向がそれぞれ平
行でない場合には、引き揃えられた繊維の方向や横糸の
方向を、踵部領域のほぼ中心を通る尾根の方向と一致す
るように配向させるとともに、その他の尾根の方向と±
30°の範囲で配向させるようにする。
【0197】<第14の実施態様>図27は、本発明の
第14の実施態様によるミッドソール構造を構成する波
形シートの斜視部分図である。同図において、波形シー
ト4の表面には、波形状の尾根の方向(矢印方向)に延
びる凸条のリブ6が複数本設けられている。
【0198】波形シート4をこのようなリブ構造にする
ことにより、尾根方向に対して直角方向の弾性を過度に
上げてしまうことなく、尾根方向の弾性を選択的に向上
させることが可能になる。
【0199】<第15の実施態様>図28は、本発明に
係るミッドソール構造が適用された靴底の一実施態様を
示している。(a)はこのミッドソール構造の底面図、
(b)はそのX−X線断面図である。同図には、波形シ
ート4の波形状部以外の部分が前足部側に延長されたも
のが示されている。また、靴底の踵部の中心領域には、
アウトソール5および下部ミッドソール3bを貫通する
窓孔20が形成されている。この窓孔20は好ましくは
楕円形状をしている。
【0200】ここで、ランニング中の足裏にかかる圧力
の最大値を等高線で表したものを図29に示す。同図に
示すように、踵部の中心領域には最も大きな圧力が作用
することが分かる。したがって、踵部の中心領域には良
好なクッション性が要求される。
【0201】図28のように、踵部の中心領域に窓孔2
0を設けた場合には、下部ミッドソール3bが担ってい
た圧縮硬度の分だけ、中心領域におけるミッドソール構
造の圧縮硬度が相対的に低下することになる。
【0202】これにより、中心領域において十分なクッ
ション性を得ることができる。また、この場合、波形シ
ート4が適度な弾性を有しており、踵部で受けた圧力を
支持して下部ミッドソール3bおよびアウトソール5に
分散させるので、踵部が不必要に沈み込むことはない。
【0203】とくに、踵部が独立した構造を有する靴底
や、踵部にスパイク鋲等の防滑構造を有する靴底におい
ては、平坦な靴底に比べてその踵部に接地時の圧力が集
中しやすいので、踵部に窓孔を設けるのは非常に効果的
である。
【0204】また高齢者の場合、踵部の脂肪が痩せて踵
骨棘が圧迫されることにより疼痛が発症する場合がある
が、上記窓孔はこのような疼痛の緩和にも有効である。
【0205】〔スポーツ用シューズ1′における好まし
い実施態様の説明〕次に、本発明の第2の発明によるス
ポーツ用シューズ1′(図2)におけるミッドソール構
造の好ましい実施態様を図30ないし図35を用いて説
明する。
【0206】<第1の実施態様>図30中、(a)は左
足側のミッドソール構造の平面図、(b)はその外側側
面図、(c)は内側側面図であって、同図には、図示の
便宜上、振幅Aを2倍にしたものが図示されている。ま
た、図31,図33,図34,図35は、それぞれ図3
0のI-I 線断面図、 III-III線断面図、 IV-IV線断面
図、 V-V線断面図であり、図32は図30の変形例を示
す図である。なお、各図中、前記第1の発明の各実施態
様と同一符号は同一または相当部分を示している。
【0207】この第2の発明による実施態様が、前記第
1の発明による各実施態様と大きく異なるのは、図30
に示すように、波形シート4の波形状部分がミッドソー
ル3内の踵部分のみならず前足部にも配設されている点
である。
【0208】この構成により、シューズの着地時には、
ミッドソール3の踵部位から前足部位にかけての部分が
左右方向に横ずれ変形しにくくなり、その結果、踵部分
のみならず前足部の横振れが防止されるようになってい
る。
【0209】一方、前記第1の発明による各実施態様で
は、波形シート4の波形状部分をミッドソール3内の踵
部分に配設することにより、踵部分から着地する頻度の
高い競技種目において着地時のクッション性確保と横振
れ防止とを両立させようとしている。
【0210】しかしながら、前記第1の発明の各実施態
様は、たとえばランニングのようにシューズの踵部分か
ら着地する頻度の高い競技種目に好適のものとなってお
り、たとえばテニスやバスケットボールあるいはバレー
ボールのように、横方向の動きが激しくシューズの前足
部を頻繁に使用する競技種目の場合には、必ずしも好適
のものとはいえない。
【0211】そこで、この第2の発明においては、踵部
分のみならず前足部においても競技者の横方向の動きを
支持させるために、図30に示すように、ミッドソール
3内の踵部分および前足部に波形シート4の波形状部分
を配設したのである。
【0212】波形シート4の各波形状部分は、中足部
(土踏まず部分)で連結されており、この連結部4aに
は、複数本(ここでは3本)の凹部41からなるリブ構
造を設けるようにしてもよい。これらの凹部41は、連
結部4aの配設方向に延びている。また各凹部41は、
図31に示すように、連結部4aの一部をたとえば断面
円弧状に成形することにより形成されている。
【0213】このようなリブ構造によりシャンク効果を
発揮させることができ、これにより、簡単な構造で中足
部の剛性を向上でき、中足部のねじれを防止できる。
【0214】なお、凹部41のかわりにたとえば断面円
弧状の凸部を形成するようにしてもよく、あるいは、こ
れら凹部41および凸部を組み合わせて用いるようにし
てもよい。また、凹部41のかわりに図32に示すよう
な凸条のリブ42を設けるようにしてもよい。
【0215】前足部における波形シート4の波形状部分
は、図30(a)に示すように、前足部の主に外側部分
に配設されている。これは、前足部におけるミッドソー
ル3の厚みが一般に薄く、とくにこの第1の実施態様の
ように内外側部の振幅を異ならせた場合には、波形シー
ト4を前足部全面に配設するのが困難であることによ
る。
【0216】前足部における波形シート4の波形状の振
幅については、外側部側の方が内側部側よりも大きい方
が好ましい。なお、本実施態様では、図33および図3
4に示すように、外側部側から内側部側に向かうにした
がい徐々に振幅が小さくなっており、内側部側での振幅
が零になっている。
【0217】このように、前足部外側部側の振幅を大き
くすることによって、ミッドソール3の前足部外側部側
における圧縮硬度が大きくなっている。これにより、着
地後、前足部外側部側に向かう荷重Fが作用した際に
(図33,図34参照)、足の前足部がミッドソール外
側部側に不必要に沈み込むのが抑制され、その結果、前
足部の横方向への動きが支持されるとともに、弾性変形
していたミッドソール外側部の復元力を利用して、競技
者が次のステップに容易に移行できるようになる。
【0218】また、波形シート4の波形状の前足部内,
外側部側における波長をそれぞれλi ,λo とすると
き、図30(a)に示すように λo >λi の関係があるのが好ましい。
【0219】この場合には、前足部の外側部側で着地し
た後、競技者が次の一歩を踏み出す際に、その荷重負荷
経路(ロードパス)と波形シート4の波形状の進行経路
とをほぼ一致させることができる。これにより、前足部
の横振れを確実に防止できるばかりでなく、踏み出し方
向に対する屈曲性を向上でき、その結果、的確なグリッ
プ性を保持しつつスムーズなけり出しを実現できる。
【0220】なお、前足部における波形シート4の波形
状の稜線Lの方向(尾根方向)は、該前足部の屈曲性を
阻害しないような角度に適宜設定される。
【0221】また、波形シート4の波形状の踵部分内,
外側部側における振幅をそれぞれAi ,Ao とすると
き、図30(b),(c)に示すように 2Ao >2Ai すなわち Ao >Ai の関係があるのが好ましい。
【0222】本実施態様では、図35に示すように、図
30(a)の V-V線断面において下部ミッドソール3b
の外側部側の厚みをt1 ,内側部側の厚みをt2 とする
とき t1 >t2 の関係がある。すなわち、波形シート4の振幅が外側部
側から内側部側に向かうにしたがい徐々に小さくなって
いる。
【0223】このように、踵部分外側部側の振幅を大き
くすることによって、ミッドソール3の踵部分外側部側
における圧縮硬度が大きくなっている。これにより、着
地後、踵部部分外側部側に向かう荷重Fが作用した際に
(図35参照)、足の踵部がミッドソール外側部側に不
必要に沈み込むのが抑制される。その結果、競技者の横
方向の動きが、前足部における支持と相俟ってより効果
的に支持されるとともに、弾性変形していたミッドソー
ル外側部の復元力を利用して、競技者が次のステップに
容易に移行できるようになる。
【0224】このようなミッドソール外側部における支
持は、従来より、ミッドソール3の外側部側の高さ(厚
み)を内側部側よりも高く(厚く)して、競技者の足裏
が接地する側の面を外側部側から内側部側にかけて徐々
に下降する傾斜面とすることによっても可能であった。
【0225】しかしながら、この場合には、競技者がシ
ューズを履いている間は常に(すなわち静止時において
も)足の外側部側が持ち上げられた状態になり、このた
め、足に障害をもたらす恐れがあり、また荷重が繰り返
し作用したときにミッドソールがへたりやすいという問
題もあるため、実用上好ましくない。
【0226】これに対して、本実施態様では、ミッドソ
ールの厚みを変えずに、すなわち、高負荷が作用した時
にだけ波形シート4を作用させるようにして、外側部に
おける荷重を効果的に支持させるようにしている。
【0227】<第2の実施態様>第2の実施態様では、
波形シート4の硬度がミッドソール3の硬度よりも高く
なっている。これにより、波形シート4の復元性を利用
してミッドソール3をへたりにくくすることができ、そ
の結果、長期間の使用においてもクッション性を維持で
きるようになる。
【0228】<第3の実施態様>第3の実施態様では、
上記第1および第2の実施態様のいずれかにおいて、波
形シート4が、ガラス繊維等で強化された繊維強化プラ
スチック(FRP)から構成されている。これにより、
波形シート4の弾性および耐久性が向上して、長期間の
使用に耐え得るようになる。
【0229】この繊維強化プラスチックの繊維は、一方
向に引き揃えられた繊維であるのが好ましい。
【0230】<第4の実施態様>第4の実施態様では、
繊維強化プラスチックの繊維が波形シート4の波形状の
尾根の方向と一致して配向されるので、尾根に対して直
角方向の弾性を過度に上げてしまうことなく、尾根方向
の弾性を選択的に向上させることが可能になる。
【0231】なお、繊維強化プラスチックの繊維は、波
形シート4の波形状の尾根の方向に対して±30°の範
囲で配向されていてもよい。
【0232】<第5の実施態様>第5の実施態様では、
繊維強化プラスチックの繊維が横糸と縦糸とからなる平
織りなどの織組織であって、横糸の弾性率が縦糸の弾性
率よりも大きいかもしくは同等になっている。
【0233】この織組織の横糸は、波形シートの波形状
の尾根の方向と一致して配向されているのが好ましい。
あるいは、当該横糸は、波形シートの波形状の尾根の方
向に対して±30°の範囲で配向されていてもよい。
【0234】また、波形シート4の前足部における波形
状のように、尾根の方向がそれぞれ平行でない場合に
は、引き揃えられた繊維の方向や横糸の方向を、前足部
領域のほぼ中心を通る尾根の方向と一致するように配向
させるとともに、その他の尾根の方向と±30°の範囲
で配向させるようにしてもよい。
【0235】<第6の実施態様>第6の実施態様では、
前記第1の発明における第12の実施態様のように、波
形シート4の表面に、波形状の尾根方向に延びる凸状の
リブが複数本設けられている。
【0236】波形シート4をこのようなリブ構造にする
ことにより、尾根方向に対して直角方向の弾性を過度に
上げてしまうことなく、尾根方向の弾性を選択的に向上
させることが可能になる。
【0237】<第7の実施態様>第7の実施態様では、
図30(a)および図34に示すように、下部ミッドソ
ール3bの踵部の中心領域に、アウトソール5および下
部ミッドソール3bを貫通する窓孔20が形成されてい
る。この窓孔20は好ましくは楕円形状をしている。
【0238】このような窓孔20を踵部の中心領域に設
けることにより、下部ミッドソール3bが担っていた圧
縮硬度の分だけ、中心領域におけるミッドソール構造の
圧縮硬度が相対的に低下する。これにより、中心領域に
おいて十分なクッション性を得ることができる。また、
この場合、波形シート4が適度な弾性を有しており、踵
部で受けた圧力を支持して下部ミッドソール3bおよび
アウトソール5に分散させるので、踵部が不必要に沈み
込むことはない。
【0239】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の第1の発
明に係るスポーツ用シューズのミッドソール構造によれ
ば、ミッドソール内の少なくとも踵部分に波形シートを
介在させるとともに、波形シートの波形状の振幅、波長
の少なくともいずれか一方を踵部分の前,後端部間ある
いは内,外側部間の少なくともいずれか一方で異ならせ
ている。あるいは、波形シートの波形状の振幅を踵部分
の内,外側部側で大きくかつ踵部分の中央部分で小さく
している。または、波形シートの波形状の位相を踵部分
の内,外側部側間で1/2波長ずらしている。
【0240】本発明の第2の発明に係るスポーツ用シュ
ーズのミッドソール構造によれば、ミッドソール内の踵
部分および前足部にそれぞれ波形シートを介在させると
ともに、各波形シートをミッドソール内の中足部で連結
している。
【0241】これにより、各種競技種目に応じて競技者
の着地時の横振れを防止して、過回外および過回内を抑
制することができ、しかも、着地時のクッション性確保
と競技力の低下防止とを両立させることができる効果が
ある。
【0242】また、本発明に係るミッドソール構造の成
形方法によれば、第1の平坦状シートの外周端面をシュ
ーズの踵側壁面よりも内側に配置するようにしたので、
第1の平坦状シートの金型内への挿入が容易になって、
成形を容易に行えるようになる効果がある。さらに、第
2の平坦状シートの外周端面をシューズの踵側壁面と略
面一に配置するようにしたので、成形後に第2の平坦状
シートの外周端面を外部から認識することができ、これ
により、商品の美観を向上できる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の発明によるミッドソール構造が
採用されたスポーツ用シューズ(たとえばランニングシ
ューズ)の側面図。
【図2】本発明の第2の発明によるミッドソール構造が
採用されたスポーツ用シューズ(たとえばテニスシュー
ズまたはバスケットシューズ)の側面図。
【図3】前記ミッドソール構造の分解組立部分図。
【図4】前記ミッドソール構造を構成する波形シートの
斜視部分図。
【図5】前記波形シートのy−z断面図。
【図6】前記波形シートの断面二次モーメントI,波長
λおよび振幅Aの関係を示す図。
【図7】前記波形シートの曲げ剛性EIと、該波形シー
トを内蔵したミッドソールのクッション係数Cとの関係
を示す図。
【図8】前記ミッドソール構造の成形工程を説明するた
めの図。
【図9】前記ミッドソール構造の成形工程を説明するた
めの図。
【図10】前記ミッドソール構造の成形工程を説明する
ための図。
【図11】前記ミッドソール構造の成形工程を説明する
ための図。
【図12】前記ミッドソール構造の成形工程を説明する
ための図。
【図13】前記ミッドソール構造の成形工程を説明する
ための図。
【図14】第1の発明の第1の実施態様によるミッドソ
ール構造を説明するための図であって、(a)は左足側
のミッドソール構造の平面図、(b)はその外側側面
図、(c)は内側側面図。
【図15】第1の発明の第2の実施態様によるミッドソ
ール構造を説明するための図であって、(a)は左足側
のミッドソール構造の平面図、(b)はその外側側面
図、(c)は内側側面図。
【図16】第1の発明の第3の実施態様によるミッドソ
ール構造を説明するための図であって、(a)は左足側
のミッドソール構造の平面図、(b)はその外側側面
図、(c)は内側側面図。
【図17】第1の発明の第4の実施態様によるミッドソ
ール構造を説明するための図であって、(a)は左足側
のミッドソール構造の平面図、(b)はその外側側面
図、(c)は内側側面図。
【図18】第1の発明の第5の実施態様によるミッドソ
ール構造を説明するための図であって、(a)は左足側
のミッドソール構造の平面図、(b)はその外側側面
図、(c)は内側側面図。
【図19】第1の発明の第6の実施態様によるミッドソ
ール構造を説明するための図であって、(a)は左足側
のミッドソール構造の平面図、(b)はその外側側面
図、(c)は内側側面図。
【図20】第1の発明の第7の実施態様によるミッドソ
ール構造を説明するための図であって、(a)は左足側
のミッドソール構造の平面図、(b)はその外側側面
図、(c)は内側側面図。
【図21】第1の発明の第8の実施態様によるミッドソ
ール構造を説明するための図であって、(a)は左足側
のミッドソール構造の平面図、(b)はその外側側面
図、(c)は内側側面図。
【図22】前記ミッドソール構造(図21)の踵部分の
拡大斜視図。
【図23】前記踵部分(図22)のB矢視図。
【図24】第1の発明の第9の実施態様によるミッドソ
ール構造を説明するための図であって、(a)は左足側
のミッドソール構造の平面図、(b)はその外側側面
図、(c)は内側側面図。
【図25】前記ミッドソール構造(図24)の踵部分の
拡大斜視図。
【図26】前記踵部分(図25)のC矢視図。
【図27】第1の発明の第14の実施態様によるミッド
ソール構造を構成する波形シートの斜視部分図。
【図28】第1の発明の第15の実施態様によるミッド
ソール構造を説明するための図であって、(a)は左足
側のミッドソール構造の底面図、(b)はそのX−X線
断面図。
【図29】第1の発明の第15の実施態様においてラン
ニング中の足裏にかかる圧力の最大値を等高線で表した
図。
【図30】第2の発明の好ましい実施態様によるミッド
ソール構造を説明するための図であって、(a)は左足
側のミッドソール構造の平面図、(b)はその外側側面
図、(c)は内側側面図。
【図31】ミッドソール構造(図30)のI-I 線断面
図。
【図32】ミッドソール構造(図31)の変形例を示す
図。
【図33】ミッドソール構造(図30)の III-III線断
面図。
【図34】ミッドソール構造(図30)の IV-IV線断面
図。
【図35】ミッドソール構造(図30)の V-V線断面
図。
【符号の説明】
1,1′ スポーツ用シューズ 2 甲被部 3 ミッドソール 3a 上部ミッドソール 3b 下部ミッドソール 4 波形シート 4′,4″ 平坦状シート 4a 連結部 5 アウトソール 20 窓孔 A 振幅 λ 波長

Claims (42)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スポーツ用シューズのミッドソール構造
    において、 軟質弾性部材から構成されるミッドソール内の少なくと
    も踵部分に波形シートが介在するとともに、 前記波形シートの波形状の振幅、波長の少なくともいず
    れか一方が、前記踵部分の前,後端部間あるいは内,外
    側部間の少なくともいずれか一方において異なってい
    る、ことを特徴とするスポーツ用シューズのミッドソー
    ル構造。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のスポーツ用シューズの
    ミッドソール構造において、 前記波形シートの波形状の振幅が、前記踵部分の後端側
    で小さくかつ前端側で大きくなっている、ことを特徴と
    するスポーツ用シューズのミッドソール構造。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のスポーツ用シューズの
    ミッドソール構造において、 前記波形シートの波形状の振幅が、前記踵部分の内側部
    側で大きくかつ外側部側で小さくなっている、ことを特
    徴とするスポーツ用シューズのミッドソール構造。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のスポーツ用シューズの
    ミッドソール構造において、 前記波形シートの波形状の波長が、前記踵部分の内側部
    側で大きくかつ外側部側で小さくなっている、ことを特
    徴とするスポーツ用シューズのミッドソール構造。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載のスポーツ用シューズの
    ミッドソール構造において、 前記波形シートの波形状の波長が、前記踵部分の外側部
    側で大きくかつ内側部側で小さくなっている、ことを特
    徴とするスポーツ用シューズのミッドソール構造。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載のスポーツ用シューズの
    ミッドソール構造において、 前記波形シートの波形状の振幅が、前記踵部分の外側部
    側で大きくかつ内側部側で小さくなっている、ことを特
    徴とするスポーツ用シューズのミッドソール構造。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のスポーツ用シューズの
    ミッドソール構造において、 前記波形シートの波形状の波長が、前記踵部分の外側部
    側で大きくかつ内側部側で小さくなっている、ことを特
    徴とするスポーツ用シューズのミッドソール構造。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載のスポーツ用シューズの
    ミッドソール構造において、 前記波形シートの波形状の波長が、前記踵部分の内側部
    側で大きくかつ外側部側で小さくなっている、ことを特
    徴とするスポーツ用シューズのミッドソール構造。
  9. 【請求項9】 スポーツ用シューズのミッドソール構造
    において、 軟質弾性部材から構成されるミッドソール内の少なくと
    も踵部分に波形シートが介在するとともに、 前記波形シートの波形状の振幅が、前記踵部分の内,外
    側部側で大きく、前記踵部分の内,外側部間の中央部分
    で小さくなっている、ことを特徴とするスポーツ用シュ
    ーズのミッドソール構造。
  10. 【請求項10】 スポーツ用シューズのミッドソール構
    造において、 軟質弾性部材から構成されるミッドソール内の少なくと
    も踵部分に波形シートが介在するとともに、 前記波形シートの波形状の位相が前記踵部分の内,外側
    部側間で1/2波長ずれている、ことを特徴とするスポ
    ーツ用シューズのミッドソール構造。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし10のいずれかに記載
    のスポーツ用シューズのミッドソール構造において、 前記波形シートの硬度が前記ミッドソールの硬度よりも
    高くなっている、ことを特徴とするスポーツ用シューズ
    のミッドソール構造。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし11のいずれかに記載
    のスポーツ用シューズのミッドソール構造において、 前記波形シートが繊維強化プラスチックから構成されて
    いる、ことを特徴とするスポーツ用シューズのミッドソ
    ール構造。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載のスポーツ用シュー
    ズのミッドソール構造において、 前記繊維強化プラスチックの繊維が、一方向に引き揃え
    られた繊維である、ことを特徴とするスポーツ用シュー
    ズのミッドソール構造。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載のスポーツ用シュー
    ズのミッドソール構造において、 前記繊維強化プラスチックの繊維が、前記波形シートの
    波形状の尾根の方向と一致して配向されている、ことを
    特徴とするスポーツ用シューズのミッドソール構造。
  15. 【請求項15】 請求項13に記載のスポーツ用シュー
    ズのミッドソール構造において、 前記繊維強化プラスチックの繊維が前記波形シートの波
    形状の尾根の方向に対して±30°の範囲で配向されて
    いる、ことを特徴とするスポーツ用シューズのミッドソ
    ール構造。
  16. 【請求項16】 請求項12に記載のスポーツ用シュー
    ズのミッドソール構造において、 前記繊維強化プラスチックの繊維が、横糸と縦糸とから
    なる織組織であって、前記横糸の弾性率が前記縦糸の弾
    性率よりも大きいかもしくは同等である、ことを特徴と
    するスポーツ用シューズのミッドソール構造。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載のスポーツ用シュー
    ズのミッドソール構造において、 前記横糸が前記波形シートの波形状の尾根の方向と一致
    して配向されている、ことを特徴とするスポーツ用シュ
    ーズのミッドソール構造。
  18. 【請求項18】 請求項16に記載のスポーツ用シュー
    ズのミッドソール構造において、 前記横糸が前記波形シートの波形状の尾根の方向に対し
    て±30°の範囲で配向されている、ことを特徴とする
    スポーツ用シューズのミッドソール構造。
  19. 【請求項19】 請求項1ないし12のいずれかに記載
    のスポーツ用シューズのミッドソール構造において、 前記波形シートの表面には、リブ構造が設けられてい
    る、ことを特徴とするスポーツ用シューズのミッドソー
    ル構造。
  20. 【請求項20】 請求項19に記載のスポーツ用シュー
    ズのミッドソール構造において、 前記リブ構造が、前記波形シートの波形状の尾根の方向
    と一致する複数の凸条部から構成されている、ことを特
    徴とするスポーツ用シューズのミッドソール構造。
  21. 【請求項21】 請求項1,9または10のいずれかに
    記載のスポーツ用シューズのミッドソール構造におい
    て、 前記波形シートが、熱可塑性または熱硬化性の樹脂から
    なりかつその外周端面がシューズの踵側壁面よりも内側
    に配置される第1の波形シートと、前記第1の波形シー
    トよりも弾性率が小さい軟質弾性部材からなりかつその
    外周端面がシューズの踵側壁面と略面一に配置される第
    2の波形シートとから構成されている、ことを特徴とす
    るスポーツ用シューズのミッドソール構造。
  22. 【請求項22】 請求項1ないし21のいずれかに記載
    のスポーツ用シューズのミッドソール構造において、 前記ミッドソールの踵中央部分に窓孔が形成されてい
    る、ことを特徴とするスポーツ用シューズのミッドソー
    ル構造。
  23. 【請求項23】 スポーツ用シューズのミッドソール内
    の少なくとも踵部分に波形シートが介在するミッドソー
    ル構造の成形方法において、 熱可塑性または熱硬化性の樹脂から構成されかつその外
    周端面がシューズの踵側壁面よりも内側に配置される第
    1の平坦状シートと、前記第1の平坦状シートよりも弾
    性率が小さい軟質弾性部材から構成されかつその外周端
    面がシューズの踵側壁面と略面一に配置される第2の平
    坦状シートとを積層する工程と、 前記第1および第2の平坦状シートを金型内に配置して
    熱成形することにより、前記第1および第2の平坦状シ
    ートを波形状に成形して波形シートを得る工程と、を含
    むスポーツ用シューズのミッドソール構造の成形方法。
  24. 【請求項24】 スポーツ用シューズのミッドソール構
    造において、 軟質弾性部材から構成されるミッドソール内の踵部分お
    よび前足部にそれぞれ波形シートを介在させるととも
    に、 前記各波形シートを前記ミッドソール内の中足部で連結
    した、ことを特徴とするスポーツ用シューズのミッドソ
    ール構造。
  25. 【請求項25】 請求項24に記載のスポーツ用シュー
    ズのミッドソール構造において、 前記踵部分における波形シートの波形状の振幅が、前記
    踵部分の内側部側で小さくかつ外側部側で大きくなって
    いる、ことを特徴とするスポーツ用シューズのミッドソ
    ール構造。
  26. 【請求項26】 請求項24または25のいずれかに記
    載のスポーツ用シューズのミッドソール構造において、 前記前足部における波形シート部分が前記前足部の外側
    部分にのみ配置されている、ことを特徴とするスポーツ
    用シューズのミッドソール構造。
  27. 【請求項27】 請求項24ないし26のいずれかに記
    載のスポーツ用シューズのミッドソール構造において、 前記前足部における波形シートの波形状の振幅が、前記
    前足部の内側部側で小さくかつ外側部側で大きくなって
    いる、ことを特徴とするスポーツ用シューズのミッドソ
    ール構造。
  28. 【請求項28】 請求項24ないし27のいずれかに記
    載のスポーツ用シューズのミッドソール構造において、 前記前足部における波形シートの波形状の波長が、前記
    前足部の内側部側で小さくかつ外側部側で大きくなって
    いる、ことを特徴とするスポーツ用シューズのミッドソ
    ール構造。
  29. 【請求項29】 請求項24ないし28のいずれかに記
    載のスポーツ用シューズのミッドソール構造において、 前記各波形シートを連結する連結部には、シャンクとし
    て機能するリブ構造が設けられている、ことを特徴とす
    るスポーツ用シューズのミッドソール構造。
  30. 【請求項30】 請求項29に記載のスポーツ用シュー
    ズのミッドソール構造において、 前記リブ構造が、前記連結部の配設方向に延びる複数の
    凹部または凸部から構成されている、ことを特徴とする
    スポーツ用シューズのミッドソール構造。
  31. 【請求項31】 請求項24ないし30のいずれかに記
    載のスポーツ用シューズのミッドソール構造において、 前記波形シートの硬度が前記ミッドソールの硬度よりも
    高くなっている、ことを特徴とするスポーツ用シューズ
    のミッドソール構造。
  32. 【請求項32】 請求項24ないし31のいずれかに記
    載のスポーツ用シューズのミッドソール構造において、 前記波形シートが繊維強化プラスチックから構成されて
    いる、ことを特徴とするスポーツ用シューズのミッドソ
    ール構造。
  33. 【請求項33】 請求項32に記載のスポーツ用シュー
    ズのミッドソール構造において、 前記繊維強化プラスチックの繊維が、一方向に引き揃え
    られた繊維である、ことを特徴とするスポーツ用シュー
    ズのミッドソール構造。
  34. 【請求項34】 請求項33に記載のスポーツ用シュー
    ズのミッドソール構造において、 前記繊維強化プラスチックの繊維が、前記各波形シート
    の波形状の尾根の方向と一致して配向されている、こと
    を特徴とするスポーツ用シューズのミッドソール構造。
  35. 【請求項35】 請求項33に記載のスポーツ用シュー
    ズのミッドソール構造において、 前記繊維強化プラスチックの繊維が、前記波形シートの
    波形状の尾根の方向に対して±30°の範囲で配向され
    ている、ことを特徴とするスポーツ用シューズのミッド
    ソール構造。
  36. 【請求項36】 請求項32に記載のスポーツ用シュー
    ズのミッドソール構造において、 前記繊維強化プラスチックの繊維が、横糸と縦糸とから
    なる織組織であって、前記横糸の弾性率が前記縦糸の弾
    性率よりも大きいかもしくは同等である、ことを特徴と
    するスポーツ用シューズのミッドソール構造。
  37. 【請求項37】 請求項36に記載のスポーツ用シュー
    ズのミッドソール構造において、 前記横糸が前記波形シートの波形状の尾根の方向と一致
    して配向されている、ことを特徴とするスポーツ用シュ
    ーズのミッドソール構造。
  38. 【請求項38】 請求項36に記載のスポーツ用シュー
    ズのミッドソール構造において、 前記横糸が、前記波形シートの波形状の尾根の方向に対
    して±30°の範囲で配向されている、ことを特徴とす
    るスポーツ用シューズのミッドソール構造。
  39. 【請求項39】 請求項24ないし38のいずれかに記
    載のスポーツ用シューズのミッドソール構造において、 前記波形シートの表面には、リブ構造が設けられてい
    る、ことを特徴とするスポーツ用シューズのミッドソー
    ル構造。
  40. 【請求項40】 請求項39に記載のスポーツ用シュー
    ズのミッドソール構造において、 前記リブ構造が、前記波形状の尾根の方向と一致する複
    数の凸条部から構成されている、ことを特徴とするスポ
    ーツ用シューズのミッドソール構造。
  41. 【請求項41】 請求項24に記載のスポーツ用シュー
    ズのミッドソール構造において、 前記各波形シートが熱可塑性または熱硬化性の樹脂から
    構成されるとともに、その外周端面がシューズの側壁面
    よりも内側に配置されている、ことを特徴とするスポー
    ツ用シューズのミッドソール構造。
  42. 【請求項42】 請求項24ないし41のいずれかに記
    載のスポーツ用シューズのミッドソール構造において、 前記ミッドソールの踵中央部分に窓孔が形成されてい
    る、ことを特徴とするスポーツ用シューズのミッドソー
    ル構造。
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