JPH11203853A - 車載用記録媒体再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 再生装置本体内に制御パネルを傾動させるた
めのモータを設ける必要がなく、またイジェクトスイッ
チを設ける必要がなく、更には制御パネルの各種キーの
操作性を向上させた車載用記録媒体再生装置を提供す
る。 【解決手段】 パーソナルコンピュータ機能を備えた車
載用の記録媒体再生装置であって、再生装置本体１の記
録媒体挿入口４を覆うように、当該再生装置本体１の前
面に傾動リンク機構を介して手動で傾動可能な制御パネ
ル３を備えたものであり、制御パネル３を傾動させるた
めのモータが不要になる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、パーソナルコンピ
ュータ機能を備えてなる車載用記録媒体再生装置の構造
に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、ＣＤプレーヤ等の車載用の記録
媒体再生装置において、記録媒体の挿入口を覆うよう
に、再生装置本体の前面に電動式で傾動可能な制御パネ
ルを備えた記録媒体再生装置が知られている。この種の
ものでは再生装置本体内に制御パネルを傾動させるモー
タが設けられている。

【０００３】ところで、近年では、車載用音響システ
ム、ナビゲーションシステム等、各種システムの複合化
が図られている。この複合化の延長線上には、パーソナ
ルコンピュータ機能、セキュリティ、無線通信等の各種
オペレーティングを可能にした記録媒体再生装置が模索
されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前述のパーソナルコン
ピュータ機能を付加した車載用記録媒体再生装置にあっ
ては、電装品等の部品点数が極端に増大するので、再生
装置本体内に制御パネルを傾動させるモータを設ける余
地はない。

【０００５】また、制御パネルを手動で傾動させる機構
を採用した場合において当該制御パネルを手動で傾動さ
せた後に、更に、再生装置本体から記録媒体を排出させ
るイジェクトスイッチを押す操作は面倒であると共に、
イジェクトスイッチを設ける分だけ製造コストが高くな
るという問題がある。

【０００６】更には、前述した車載用記録媒体再生装置
にあっては、パーソナルコンピュータ機能を動作させる
ためのスタートキーや、セキュリティシステム上で緊急
事態発生を発信するためのメーデーキー等が必要になる
が、これら各種キーのキー形状は操作性に優れものでな
ければならない。

【０００７】そこで、本発明の目的は、上記課題を解消
し、再生装置本体内に制御パネルを傾動させるモータを
設ける必要がなく、またイジェクトスイッチを設ける必
要がなく、更には制御パネルの各種キーのキー形状が操
作性に優れるものである、車載用記録媒体再生装置を提
供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項１記載の発明は、パーソナルコンピュータ機
能を備えた車載用の記録媒体再生装置であって、再生装
置本体の記録媒体挿入口を覆うように、当該再生装置本
体の前面に傾動リンク機構を介して手動で傾動可能な制
御パネルを備えたことを特徴とするものである。

【０００９】この発明では、例えば「Ｗｉｎｄｏｗｓ
ＣＥ」（マイクロソフト社製）等のオペレーティングシ
ステムをベースにした例えばカーオーディオ、ナビゲー
ション、パーソナルコンピュータ、セキュリティ、無線
通信等の各種システム・オペレーティングを可能にした
記録媒体再生装置が前提となる。

【００１０】この再生装置では、電装品等の部品点数が
極端に増大するので再生装置本体内に制御パネルを傾動
させるモータを設ける余地はない。そこで、制御パネル
を手動で傾動させる機構を採用して、モータを不要にし
たものである。

【００１１】請求項２記載の発明は、パーソナルコンピ
ュータ機能を備えた車載用の記録媒体再生装置であっ
て、再生装置本体の記録媒体挿入口を覆うように、当該
再生装置本体の前面に傾動リンク機構を介して手動で傾
動可能な制御パネルを備え、この制御パネルを最深傾動
位置に傾動させた時に再生装置本体から記録媒体を自動
排出させることを特徴とするものである。

【００１２】制御パネルを手動で傾動させる機構を採用
した場合において、当該制御パネルを手動で傾動させた
後に、更に、再生装置本体から記録媒体を排出させるイ
ジェクトスイッチを押す操作は面倒である。そこで、制
御パネルを手動で最深傾動位置に傾動させた時に再生装
置本体から記録媒体を自動排出させるように構成したも
のである。これによれば操作性が向上し、イジェクトス
イッチが不要になるので、製造コストが低減される。

【００１３】請求項３記載の発明は、パーソナルコンピ
ュータ機能を備えた車載用の記録媒体再生装置であっ
て、再生装置本体の前面の制御パネルに、前記パーソナ
ルコンピュータ機能を動作させるスタートキーを備え、
このスタートキーを固定部とこの固定部よりも引っ込ん
だ位置にある入力部とで構成したことを特徴とするもの
である。

【００１４】この発明では、キー操作時には例えば目視
によってキーの位置を確認しなくても、まず、手指を固
定部に動かしてキーの位置を確認した後、この固定部の
近くに手指を動かして、入力部の押圧を実行することが
できるので、ブラインドタッチでの誤入力等が防止され
るものである。

【００１５】請求項４記載の発明は、パーソナルコンピ
ュータ機能を備えた車載用の記録媒体再生装置であっ
て、再生装置本体の前面の制御パネルに、緊急事態発生
を発信するメーデーキーを備え、このメーデーキーを制
御パネルの本体ケースの凹んだ位置に設けたことを特徴
とするものである。

【００１６】このメーデーキーを使用するシステムは車
の保護等を目的としたセキュリティ・システムである。
この発明では、メーデーキーが制御パネルの本体ケース
の凹んだ位置に設けられるので、このメーデーキーを間
違って簡単に押圧できないので、セキュリティ・システ
ムの誤動作が防止される。

【００１７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。

【００１８】図１乃至図３において、参照符号１はパー
ソナルコンピュータ機能が付加された車載用の記録媒体
再生装置における再生装置本体（以下、「ＣＤプレー
ヤ」という。）を示している。このＣＤプレーヤ１の前
面には離脱可能制御パネル（Ｄｅｔａｃｈａｂｌｅ Ｃ
ｏｎｔｒｏｌ ｐａｎｅｌ、以下、「ＤＣＰ」とい
う。）３が設けられている。このＤＣＰ３は、図３中に
想像線で示すように、ＣＤプレーヤ１の記録媒体挿入口
４を覆うように、手動で傾動自在に構成されている。こ
のＣＤプレーヤ１には、ＤＣＰ３を傾動させた状態で、
記録媒体挿入口４を通じてコンパクトディスク（以下、
「ＣＤ」という。）５が挿入され、これによりＣＤ５に
記録された音楽等が再生可能になる。

【００１９】前記ＤＣＰ３には、図４に示すように、液
晶表示部１１、電源キー１２のほかに、パーソナルコン
ピュータ用としての各種キー類、例えばエンターキー１
３、ヘルプキー１５、スタートキー１７、メモキー１
８、メーデーキー１９、データ入力キー１６等が設けら
れている。

【００２０】ＣＤプレーヤ１には「Ｗｉｎｄｏｗｓ Ｃ
Ｅ」（マイクロソフト社製）等の汎用オペレーティング
システム（「ＯＳ」）が格納され、このＣＤプレーヤ１
は前記のオペレーティングシステムをベースにした、例
えばカーオーディオ、ナビゲーション、パーソナルコン
ピュータ、セキュリティ、無線通信等の各種システム・
オペレーティングが可能に構成される。

【００２１】前記オペレーティングシステムは、まずＤ
ＣＰ３のスタートキー１７の押圧によって立ち上げられ
る。このスタートキー１７は、図５に示すように、固定
部１７ａとこの固定部１７ａよりも引っ込んだ位置にあ
る入力部１７ｂとで構成されている。従って、キー操作
時には例えば目視によってキーの位置を確認しなくて
も、手指を固定部１７ａに動かしてキーの位置を確認し
た後、この固定部１７ａの真上に手指を動かして、入力
部１７ｂの押圧を実行することができる。これによれ
ば、ブラインドタッチでの誤入力が防止される。

【００２２】前記オペレーティングシステムが立ち上げ
られた後は各種キーの操作によって各種システムのオペ
レーティングが可能になる。

【００２３】ＤＣＰ３のメーデーキー１９が押圧される
と、ＣＤプレーヤ１の電源キー１２が入力されてなくて
も、電源が自動的に立ち上がり、無線通信によって例え
ばレスキュー隊員に緊急事態発生を示す情報が発信され
る。このシステムは車の保護等を目的としたセキュリテ
ィ・システムである。

【００２４】従って、図６に示すように、ＤＣＰ３の本
体ケース３ａを凹ませ、この凹んだ位置にメーデーキー
１９が設けられ、このメーデーキー１９は、間違って簡
単に押圧できないように構成される。

【００２５】パーソナルコンピュータ機能を付加したＣ
Ｄプレーヤ１にあっては、例えばメモリカード、ページ
ャ受信用カード、その他のカード等のコンパクト・フラ
ッシュ・カードが使用される。このコンパクト・フラッ
シュ・カードを使用する場合には、車載用のものにあっ
ては操作性、耐振性等が要求される。

【００２６】この実施形態では、図１に示すように、Ｃ
Ｄプレーヤ１の前面に横長のＤＣＰ３が設けられ、この
ＤＣＰ３の隣の前記ＣＤプレーヤ１の前面における縦長
スペースにコンパクト・フラッシュ・カード２０の挿入
部２１が設けられる。この挿入部２１は操作性の面から
ＤＣＰ３の近傍に設けることが望ましい。例えば、ＤＣ
Ｐ３を傾動させたときに運転者の前方に露出するＣＤプ
レーヤ１の内部、すなわち記録媒体挿入口４の近くに挿
入部２１を設けてもよい。

【００２７】この場合、例えばページャ受信用カードを
使用する時にはページャ受信用カードに接続されたアン
テナ（図示せず）の処理に問題が残る。ＤＣＰ３を起立
させた場合にページャ受信用カードに接続されるアンテ
ナをＣＤプレーヤ１の外部に導出することができないか
らである。

【００２８】この実施形態では、ＤＣＰ３の隣に挿入部
２１が設けられるので、この挿入部２１にページャ受信
用カードを挿入した場合、ページャ受信用カードに接続
されたアンテナ（図示せず）を外部に簡単に導出するこ
とができる。

【００２９】また、このＣＤプレーヤ１は例えば自動車
のダッシュボードやコンソールボックス等の極く限られ
たスペースに設置されるのが一般的である。

【００３０】従って、ＣＤプレーヤ１の操作面として許
容される面積は極めて限定される。この実施形態では、
ＣＤプレーヤ１の前面にまず横長のＤＣＰ３を設け、こ
の横長のＤＣＰ３の隣の縦長スペースに挿入部２１を設
けたので、当該操作面の中にＤＣＰ３と挿入部２１とを
極めて効率よくコンパクトに納めることができる。従っ
て、自動車の運転者にとっての操作性を向上させること
ができる。

【００３１】挿入部２１の内部には、図７に示すよう
に、上下に板ばね３１が設けられる。この板ばね３１
は、挿入されたコンパクト・フラッシュ・カード２０を
上下から保持する保持部材を構成する。自動車の振動に
耐え得るカード支持構造とするためである。また、この
板ばね３１はグランド接地することが望ましい。ページ
ャ受信用カードが挿入された場合にアースとなるからで
ある。

【００３２】つぎに、ＤＣＰ３の傾動機構について説明
する。

【００３３】ＣＤプレーヤ１の前面の両端部には、図８
に示すように、一対のブラケット３２が固定されてい
る。このブラケット３２には長孔３３が形成され、この
長孔３３にはローラ３５が遊嵌され、このローラ３５は
ＤＣＰ３の支持プレート３７に連結されている。この支
持プレート３７は、図９、図１０に示すように、手動で
任意の位置に傾動自在であり、この支持プレート３７に
はＤＣＰ３が固定されている。３９はリンクレバーであ
り、一端３９ａが支持プレート３７に連結され、他端３
９ｂがＣＤプレーヤ１の固定部に連結されている。この
ＤＣＰ３を傾動させる構造は傾動リンク機構を構成す
る。

【００３４】ＤＣＰ３は支持プレート３７に取り付けら
れるが、一般に、このＤＣＰ３は取外し自在に形成され
る。ＤＣＰ３の盗難防止のために、運転者が自動車から
離れるとき、車外に持ち出せるようにするためである。
このＤＣＰ３には爪部が設けられ、この爪部を支持プレ
ート３７の開口に係合させることによって、ＤＣＰ３
は、支持プレート３７にワンタッチで取り付けられる。

【００３５】ＤＣＰ３を脱着する場合には、図８に示す
ように、ＤＣＰ３が起立した位置で脱着される。仮に、
図９、図１０に示すように、ＤＣＰ３が傾動した位置で
脱着された場合には、ＤＣＰ３が取り外された後に支持
プレート３７がＣＤプレーヤ１の前面に露出するので、
この支持プレート３７に運転者の手指等が接触すると、
手指等を傷付けるおそれがあるからである。

【００３６】図８に示す位置でＤＣＰ３を取り外す場合
には爪部解除キー２５（図４）を押圧する。すると、Ｄ
ＣＰ３の爪部と支持プレート３７の開口との係合が解除
されて支持プレート３７からＤＣＰ３が取り外される。

【００３７】反対に装着するときにはＤＣＰ３の爪部を
支持プレート３７の開口に係合させる。この場合には挿
入部２１が案内・ガイドになる。すなわち、挿入部２１
の壁部２１ａにＤＣＰ３の一端部３ｂを当接・案内させ
た状態で、まず、この一端部３ｂを押圧して当該一端部
３ｂ側の爪部２７（図１参照）を支持プレート３７の開
口２９に係合させ、ついで、ＤＣＰ３の他端部３ｃ側を
押圧して当該他端部３ｃ側の爪部を支持プレート３７の
開口に係合させる。言い換えれば、ＤＣＰ３には当該Ｄ
ＣＰ３の端部を挿入部２１に当接・案内させて押圧する
時、支持プレート３７の開口２９に係合する爪部２７が
設けられる。

【００３８】このようにＤＣＰ３の装着時には、挿入部
２１の壁部２１ａをガイドにして装着できるので、ＤＣ
Ｐ３の装着作業が極めて容易になる。

【００３９】この実施形態では、ＤＣＰ３が図１０に示
す傾動位置に傾動されて、そこから更に僅か押下げられ
て、図１１に示すように、最深傾動位置に到達すると、
支持プレート３７のレバー４１が、ＣＤプレーヤ１の固
定部にピン４２を介して連結されたドッグ４３を回動
し、このドッグ４３を介してリミットスイッチ４５を動
作し、ＣＤ５のイジェクトモータ（図示せず）を駆動さ
せる。

【００４０】これによれば、ＤＣＰ３を手動で傾動させ
る機構を採用した場合、当該ＤＣＰ３を手動で傾動させ
た後に、更にＣＤプレーヤ１からＣＤ５を排出させるイ
ジェクトスイッチを押す必要がなく、操作性が向上し、
かつＣＤ５のイジェクトスイッチを省略できるので、コ
スト低減が図られる。

【００４１】

【発明の効果】請求項１記載の発明では、制御パネルを
手動で傾動させる機構を採用したので、電装品等の部品
点数が極端に増大して、傾動モータを設置するスペース
がないような場合の記録媒体再生装置に好適なものであ
る。

【００４２】請求項２記載の発明では、制御パネルを手
動で最深傾動させた時に再生装置本体から記録媒体を自
動排出させるように構成したので、操作性が向上し、イ
ジェクトスイッチが不要になるので、製造コストが低減
される。

【００４３】請求項３記載の発明では、キー操作時には
例えば目視によってキーの位置を確認しなくても、ま
ず、手指を固定部に動かしてキーの位置を確認した後、
この固定部の近くに手指を動かして、入力部の押圧を実
行することができるので、ブラインドタッチでの誤入力
等が防止されるものである。

【００４４】請求項４記載の発明では、メーデーキーが
制御パネルの本体ケースの凹んだ位置に設けられるの
で、このメーデーキーを間違って簡単に押圧できないの
で、セキュリティ・システムの誤動作が防止される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による車載用記録媒体再生装置の一実施
形態を示す平面図である。

【図２】同じく正面図である。

【図３】同じく側面図である。

【図４】制御パネルの正面図である。

【図５】制御パネルのスタートキーの断面図である。

【図６】制御パネルのメーデーキーの断面図である。

【図７】挿入部の保持部材を示す図である。

【図８】制御パネルの支持構造を示す図である。

【図９】制御パネルの支持構造を示す図である。

【図１０】制御パネルの支持構造を示す図である。

【図１１】ＣＤのエジェクトスイッチの構造を示す図で
ある。

【符号の説明】

１ ＣＤプレーヤ（再生装置本体） ３ ＤＣＰ（制御パネル） ４ 記録媒体挿入口 ５ ＣＤ（コンパクトディスク） １１ 液晶表示部 １２ 電源キー １７ スタートキー １９ メーデーキー ３３ 長孔 ３５ ローラ ３７ 支持プレート ３９ リンクレバー ４１ レバー ４５ リミットスイッチ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊勢崎 禎也 埼玉県戸田市上戸田50 クラリオン株式会 社内 (72)発明者 井戸 和弘 埼玉県戸田市上戸田50 クラリオン株式会 社内 (72)発明者 藤原 利春 埼玉県戸田市上戸田50 クラリオン株式会 社内

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 パーソナルコンピュータ機能を備えた車
   載用の記録媒体再生装置であって、再生装置本体の記録
   媒体挿入口を覆うように、当該再生装置本体の前面に傾
   動リンク機構を介して手動で傾動可能な制御パネルを備
   えたことを特徴とする車載用記録媒体再生装置。
2. 【請求項２】 パーソナルコンピュータ機能を備えた車
   載用の記録媒体再生装置であって、再生装置本体の記録
   媒体挿入口を覆うように、当該再生装置本体の前面に傾
   動リンク機構を介して手動で傾動可能な制御パネルを備
   え、この制御パネルを最深傾動位置に傾動させた時に前
   記再生装置本体から記録媒体を自動排出させることを特
   徴とする車載用記録媒体再生装置。
3. 【請求項３】 パーソナルコンピュータ機能を備えた車
   載用の記録媒体再生装置であって、再生装置本体の前面
   の制御パネルに、前記パーソナルコンピュータ機能を動
   作させるスタートキーを備え、このスタートキーを固定
   部とこの固定部よりも引っ込んだ位置にある入力部とで
   構成したことを特徴とする車載用記録媒体再生装置。
4. 【請求項４】 パーソナルコンピュータ機能を備えた車
   載用の記録媒体再生装置であって、再生装置本体の前面
   の制御パネルに、緊急事態発生を発信するメーデーキー
   を備え、このメーデーキーを制御パネルの本体ケースの
   凹んだ位置に設けたことを特徴とする車載用記録媒体再
   生装置。