JPH11203732A - 露光方法及びこれを用いた露光装置、ならびに原盤及び光記録媒体 - Google Patents

露光方法及びこれを用いた露光装置、ならびに原盤及び光記録媒体

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JPH11203732A
JPH11203732A JP10007973A JP797398A JPH11203732A JP H11203732 A JPH11203732 A JP H11203732A JP 10007973 A JP10007973 A JP 10007973A JP 797398 A JP797398 A JP 797398A JP H11203732 A JPH11203732 A JP H11203732A
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mask pattern
photoresist film
exposure
recording medium
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JP10007973A
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Minoru Takeda
実 武田
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光記録媒体の小型且つ大容量化を図る露光方
法及びこれを用いた露光装置、ならびに原盤及び光記録
媒体の提供。 【解決手段】 マスクパターン3aが形成されたフォト
マスク3とフォトレジスト膜5aが形成された原盤5と
の間に縮小投影レンズ4を配設し、原盤5をフォトマス
ク3のマスクパターン3a形成面の平行方向に移動させ
るとともに、フォトレジスト膜5aにマスクパターン3
aのm/n倍パターン(但し、n,mは整数、且つn>
m)の一括転写を複数回行い、フォトレジスト膜5aに
複数個のm/n倍パターンを形成することを特徴とす
る。例えば、マスクパターン3aに形成されたスパイラ
ル状のピットやグルーブの一括転写1/4倍パターン
を、原盤5上のフォトレジスト膜5aに複数個形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は露光方法及びこれを
用いた露光装置、ならびに原盤及び光記録媒体に関し、
さらに詳しくは、原盤上に形成されたフォトレジスト膜
に露光光を照射し、同心円状あるいはスパイラル状のピ
ットやグルーブを形成する露光方法及びこれを用いた露
光装置、ならびに原盤及び光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】円盤状の光記録媒体は、図9の概略外観
斜視図に示したように、光学的に透明なプラスチック等
で構成された基板8の少なくとも一方の面に信号記録領
域13が形成されている。そして、CD(商品名、Co
mpact Disc)に代表されるROM(Read
Only Memory)型の光記録媒体12あるい
は相変化型ディスクや光磁気ディスクに代表されるRA
M(Random Access Memory)型の
光記録媒体12の信号記録領域13には、少なくとも図
9における信号記録領域13を拡大した概略拡大図であ
る図10(a)に示したようなピット15及び同様の概
略拡大図である図10(b)に示したようなグルーブ1
6の何れか一方または両方が、例えば1〜2μmの所定
のトラックピッチで同心円状あるいはスパイラル状に形
成されている。
【0003】以下、原盤から光記録媒体12を作製する
までの工程順について、概略工程説明図である図11
(a)〜(c)及び図11(c)に続く概略工程説明図
である図12(a)〜(c)を参照して説明する。な
お、図12(a)は原盤5に形成されたグルーブ16及
びランド17の部分を拡大した概略拡大斜視図であり、
図12(b)は原盤5に形成されたグルーブ16及びラ
ンド17の部分の概略断面図であり、図12(c)は原
盤5からスタンパ7を転写する状態の概略断面図であ
る。
【0004】先ず、図11(a)に示したように、原盤
5の表面を十分平坦に研磨した後、これを十分に洗浄す
る。
【0005】次に、図11(b)に示したように、原盤
5上に、例えば露光処理によりアルカリ可溶性に変化す
るフォトレジスト膜5aを、例えば0.1μmの厚さに
塗布する。一般的に、この塗布工程はスピンコート法に
より行われる。
【0006】次に、図11(c)に示したように、後に
説明する露光装置の対物レンズ22を用い集光された露
光スポットをフォトレジスト膜5aに照射して露光す
る。このとき、原盤5を回転させながら露光スポットを
一回転あたり所定のトラックピッチでラジアル方向に移
動させることにより、図11(c)に示したように、フ
ォトレジスト膜5aにスパイラル状のグルーブ16の潜
像18、または、このとき露光スポットを断続的に照射
してフォトレジスト膜5aにピット15の潜像18を形
成する。
【0007】次に、フォトレジスト膜5a上に形成され
た潜像18を、例えばアルカリ性現像液で現像すること
により露光部、即ち、フォトレジスト膜5aの感光部分
を除去すれば、ROM型の光記録媒体12用原盤5には
連続したピット15が形成され、RAM型の光記録媒体
12用原盤5には、図12(a)に示したように、フォ
トレジスト膜5aに連続溝であるグルーブ16とランド
17がラジアル方向に交互に形成される。
【0008】次に、図12(b)に示したように、現像
処理されてフォトレジスト膜5aにグルーブ16とラン
ド17あるいはピット15が形成された原盤5上にニッ
ケルメッキ等を施してスタンパ前駆体7aを形成する。
そしてこのスタンパ前駆体7aを剥がすことによりフォ
トレジスト膜5aのグルーブ16及びランド17あるい
はピット15を転写したスタンパ7が作製される。
【0009】次に、図12(c)に示したように、スタ
ンパ7の凹凸形状を射出成型法等によりプラスチック材
料に転写してグルーブ16及びランド17が形成された
レプリカである基板8を作製する。そして、基板8の作
製後に、この基板8のグルーブ16及びランド17が形
成された凹凸面上あるいはピット15が形成された面
上、即ち信号記録領域13の面上に記録膜、反射膜及び
保護膜を形成すれば、光記録媒体12の作製が完了す
る。
【0010】図13は、上記した原盤5にグルーブ16
及びランド17あるいはピット15の潜像18を形成す
る露光装置の概略構成図である。符号1は、例えば波長
が413nmのKrイオンレーザ等の記録用の光源であ
り、符号19は光源1から出射される光束の出力の不安
定さを除去するとともに最終的な記録光強度を制御し、
EO(電気光学結晶素子)等で構成された記録光強度制
御部である。符号20は変調信号に応じた長さのピット
15を形成するための変調手段を有する変調部であり、
変調部20を構成する変調器には数十MHzの帯域で使
用できる性能が要求され、一般的にはEOM(電気光学
結晶素子変調器)あるいはAOM(音響光学結晶素子変
調器)が用いられる。符号21は記録光束の径を拡大す
る光学系を有するビームエキスパンダ部であり、ビーム
エキスパンダ部21における拡大率により原盤5のフォ
トレジスト膜5aに対物レンズ22を用い集光される露
光スポットの径が制御される。このような構成により、
原盤5を所定の回転数で回転させながら露光スポットを
ラジアル方向に一回転当たり所定のトラックピッチ移動
させれば、グルーブ16の潜像18あるいはピット15
の潜像18を所定のトラックピッチで同心円状あるいは
スパイラル状に形成することができる。
【0011】近年、従来のCDと比較して約5倍の記録
密度であるDVD(商品名、Digital Vers
atile Disc)が商品化される等、光記録媒体
の分野では益々高密度記録化の傾向にある。また、一方
では携帯用情報処理装置の進展から、ある程度の情報量
を確保しつつ高密度記録化によりディスクサイズの小型
化を図り、携帯用情報処理装置の更なる小型軽量化も求
められている。例えば、CDのサイズの1/4である外
径30mmの片面にCDと同等の650MBの情報量を
記録するためには、CDのトラックピッチ1.6μm、
最短ピット長0.83μmに対してトラックピッチ0.
4μm、最短ピット長0.2075μmにしなければな
らない。
【0012】このため、露光スポット径を小にする等の
手段により、更に小であるグルーブ16やピット15の
形成を可能とする露光技術が求められている。露光スポ
ット径φは、記録光波長λ及び対物レンズ22の開口数
NAから回折限界(φ=1.22×(λ/NA))にお
いて最小となる。従って、露光スポット径φをより小と
するためには、対物レンズ22の開口数NAを大とす
る、記録光波長λを小とする、あるいは対物レンズ22
の開口数NAを大とするとともに記録光波長λを小とす
ることが必要となる。
【0013】しかしながら、露光装置で使用されている
対物レンズ22の開口数NAは、一般的に開口数NAの
理論的最大値の1にほぼ同等である0.9〜0.95の
ものが既に使用されている。また、記録光波長λに関し
てはほぼ350nmの紫外光の使用が実用化され始めて
いるが、これよりも短波長である300nm以下のもの
を使用する場合にはフォトレジスト膜5aを始めとして
従来プロセスの大幅な変更の必要性、この波長に対応し
た光学部品の確保の困難性、この波長領域における人体
への悪影響等の問題点がある。また、原盤5に同心円状
あるいはスパイラル状のグルーブ16及びランド17あ
るいはピット15の潜像18の形成には多くの工数を要
するため、多くの工数を要しない露光方法及び露光装置
も求められている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、記録
密度を大にして光記録媒体の小型且つ大容量化を図ると
ともに、多くの工数を要しない露光方法及びこれを用い
た露光装置、ならびに原盤及び光記録媒体を提供するこ
とである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明の露光方法では、マスクパターンが
形成されたフォトマスクとフォトレジスト膜が形成され
た原盤との間に縮小投影レンズを配設し、原盤上に形成
されたフォトレジスト膜にマスクパターンのm/n倍パ
ターン(但し、n,mは整数、且つn>m)を一括転写
することを特徴とする。即ち、例えばマスクパターンに
形成された同心円状あるいはスパイラル状のピットやグ
ルーブの1/4倍パターンを、縮小投影レンズを介して
原盤上のフォトレジスト膜に一括転写することを特徴と
する露光方法である。
【0016】請求項2の発明の露光方法では、マスクパ
ターンが形成されたフォトマスクとフォトレジスト膜が
形成された原盤との間に縮小投影レンズを配設し、原盤
をフォトマスクのマスクパターン形成面の平行方向に移
動させるとともに、フォトレジスト膜にマスクパターン
のm/n倍パターン(但し、n,mは整数、且つn>
m)の一括転写を複数回行い、フォトレジスト膜に複数
個のm/n倍パターンを形成することを特徴とする。即
ち、例えばマスクパターンに形成された同心円状あるい
はスパイラル状のピットやグルーブの1/4倍パターン
の縮小投影レンズを介しての一括転写を、原盤をフォト
マスクのマスクパターン形成面の平行方向に移動させる
とともに複数回行い、原盤上のフォトレジスト膜に複数
個の1/4倍パターンを形成することを特徴とする露光
方法である。
【0017】また、請求項1または請求項2の露光方法
により作製された原盤と、この原盤を用いて作製された
光記録媒体を特徴とする。
【0018】請求項9の発明の露光装置では、マスクパ
ターンが形成されたフォトマスクとフォトレジスト膜が
形成された原盤との間に、マスクパターンのm/n倍パ
ターン(但し、n,mは整数、且つn>m)をフォトレ
ジスト膜に一括転写する縮小投影レンズが配設されてい
ることを特徴とする。即ち、例えばマスクパターンに形
成された同心円状あるいはスパイラル状のピットやグル
ーブの1/4倍パターンを、縮小投影レンズを介して原
盤上のフォトレジスト膜に一括転写することを特徴とす
る露光装置である。
【0019】請求項10の発明の露光装置では、マスク
パターンが形成されたフォトマスクとフォトレジスト膜
が形成された原盤との間に配設された縮小投影レンズ
と、原盤をフォトマスクのマスクパターン形成面と平行
方向に移動させる移動手段とを有し、移動手段により原
盤を移動させるとともに、フォトレジスト膜へのマスク
パターンのm/n倍パターン(但し、n,mは整数、且
つn>m)の一括転写を複数回行い、原盤上のフォトレ
ジスト膜に複数個のm/n倍パターンの形成が可能であ
ること特徴とする。即ち、例えばマスクパターンに形成
された同心円状あるいはスパイラル状のピットやグルー
ブの1/4倍パターンの縮小投影レンズを介しての一括
転写を、原盤をフォトマスクのマスクパターン形成面の
平行方向に移動させるとともに複数回行い、原盤上のフ
ォトレジスト膜に複数個の1/4倍パターンの形成が可
能であることを特徴とする露光装置である。
【0020】また、請求項9または請求項10の露光装
置により作製された原盤と、この原盤を用いて作製され
た光記録媒体を特徴とする。
【0021】上述した手段による作用を以下に記す。請
求項1の発明の露光方法によれば、フォトマスクに、例
えばトラックピッチ1.6μm、最短ピット長0.83
μmのスパイラル状のピットのマスクパターンを形成
し、これを1/4倍の縮小投影レンズを介して原盤上の
フォトレジスト膜に一括転写すれば、原盤上のフォトレ
ジスト膜にはトラックピッチ0.4μm、最短ピット長
0.2075μmの小型且つ高密度なスパイラル状のピ
ットパターンを多くの工数を要することなく形成するこ
とができる。
【0022】請求項2の発明の露光方法によれば、フォ
トマスクに、例えばトラックピッチ1.6μm、最短ピ
ット長0.83μmのスパイラル状のピットのマスクパ
ターンを形成し、これを1/4倍の縮小投影レンズを介
して原盤上のフォトレジスト膜への一括転写を複数回行
えば、原盤上のフォトレジスト膜にはトラックピッチ
0.4μm、最短ピット長0.2075μmの複数個の
小型且つ高密度なスパイラル状のピットパターンを多く
の工数を要することなく形成することができる。
【0023】請求項9の発明の露光装置によれば、多く
の工数を要することなく小型且つ高密度なスパイラル状
のピットパターンが形成された原盤を得ることができ、
この原盤を用いることにより小型且つ高密度な光記録媒
体の作製が可能となる。また、従来の露光装置のよう
に、原盤を高精度で回転させる手段や露光光学系等を高
精度で原盤の半径方向に移動させる手段は不要であり、
露光装置の簡素化を図ることができる。
【0024】請求項10の発明の露光装置によれば、多
くの工数を要することなく複数個の小型且つ高密度なス
パイラル状のピットパターンが形成された原盤を得るこ
とができ、この原盤を用いることにより一工程で複数個
の小型且つ高密度な光記録媒体の作製が可能となる。ま
た、原盤を載置してフォトマスクのマスクパターン形成
面と平行に移動させる手段は必要であるものの、従来の
露光装置のように、原盤を高精度で回転させる機構や露
光光学系を高精度で原盤の半径方向に移動させる機構は
不要であり、露光装置の簡素化を図ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明は、原盤上に形成されたフ
ォトレジスト膜に露光光を照射し、少なくとも同心円状
あるいはスパイラル状のピット及びグルーブの何れか一
方を形成する露光方法及びこれを用いた露光装置、なら
びに原盤及び光記録媒体に適用することができる。以
下、本発明を適用した実施例の一例について図1〜図8
を参照して説明する。なお、図中の構成要素で従来の技
術と同様の構造を成しているものについては、同一の参
照符号を付すものとする。
【0026】
【実施例】本実施例では、原盤上のフォトレジスト膜に
複数個の縮小一括転写パターンの形成が可能である露光
方法及びこれを用いた露光装置の一例について、概略構
成図である図1を参照して説明する。
【0027】露光装置は、例えば波長が248nmであ
るKrFエキシマレーザ等の光源1と、照明光学系2
と、例えばNA0.65、フィールドサイズ径30mm
の縮小投影レンズ4と、原盤5の移動手段であるXYス
テージ6とで概略構成されている。そして、照明光学系
2と縮小投影レンズ4との間には、例えば直径48mm
〜116mmの範囲内にトラックピッチ1.6μm、最
短ピット長0.83μmのスパイラル状のピットのマス
クパターン3aが形成されたフォトマスク3が配設さ
れ、XYステージ6上には、例えば直径200mm(8
インチ)、厚さ2mm〜6mmのガラス板上にフォトレ
ジスト膜5aが形成された原盤5が載置されている。こ
の場合、XYステージ6に載置された原盤5は、XYス
テージ6により、照明光学系2と縮小投影レンズ4との
間に配設されたフォトマスク3のマスクパターン3a形
成面と平行方向のXY方向に移動可能となっている。
【0028】上記した縮小投影レンズ4のNA値0.6
5であれば、L/S(Line/Space)の値が
0.2μmのパターン、即ち、グルーブであればトラッ
クピッチ0.4μmの解像が可能であり、ピットであれ
ば最短ピット長0.2μmの解像が可能である。また、
フォトマスク3上に形成されたマスクパターン3aが、
例えば露光光2aの干渉を利用するレベンソン型の位相
シフターを積層したものであれば、上記したトラックピ
ッチの更なる微細化が可能であり、例えばトラックピッ
チ0.2μmのグルーブの形成も可能となる。
【0029】光源1から出射された光束は、照明光学系
2によりフォトマスク3上に形成されたマスクパターン
3a全体をほぼ均等に照射する露光光2aに変換され、
フォトマスク3を透過した露光光2aは縮小投影レンズ
4を介して原盤5上のフォトレジスト膜5aに集光され
る。この場合、フォトレジスト膜5aに一括転写される
露光パターンは、例えば1/4倍に縮小されており、外
径29mmの範囲内にトラックピッチ0.4μm、最短
ピット長0.2075μmのスパイラル状のピットが一
括転写される。そして、XYステージ6により原盤5を
移動させ、転写パターンが重ならないようにこの一括転
写を複数回行えば、例えば直径200mm(8インチ)
の原盤5のフォトレジスト膜5aには、原盤5の外観斜
視図である図2に示したように、複数個の1/4倍パタ
ーン5bを形成することができる。
【0030】以下、上記した露光装置を用いて作製され
た原盤5を用いて、トラックピッチ0.4μm、最短ピ
ット長0.2075μmのスパイラル状のピットによ
り、650MBの情報量を有する外径30mmの光記録
媒体を作製する工程について、概略工程説明図である図
3〜図7及び完成した光記録媒体の概略外観斜視図であ
る図8を参照して説明する。
【0031】先ず、原盤5をアルカリ現像液を用いて、
例えばフォトレジスト膜5aがポジ型フォトレジスト膜
であればフォトマスク3のマスクパターン3aにより遮
光されなかった部分、即ち露光光2aで露光された露光
部分を除去し、図3に示したように、露光部分が除去さ
れた面にNiメッキを用いた電鋳法により、原盤5のレ
プリカであるスタンパ7を作製する。
【0032】次に、図4に示したように、一方の金型に
スタンパ7を収納し、この金型に対応する他方の金型か
らポリカーボネート樹脂等の熱可塑性樹脂を注入し、ス
タンパ7のレプリカである基板8を作製する。
【0033】次に、図5に示したように、基板8のスタ
ンパ7からの転写面に、RAM型の光記録媒体であれ
ば、例えばスパッタ成膜法を用いてZnS−SiO2
GeSbTe、ZnS−SiO2 、Alを順次積層した
相変化膜、あるいはGdFeCo系やPtCo系等の光
磁気材料膜(図示せず)である記録層9を形成する。ま
た、図示を省略するが、ROM型の光記録媒体であれ
ば、例えば反射層としてAl膜を形成する。
【0034】次に、図6に示したように、記録層9上全
面に、例えば液状のUVレジンをスピンコートした後に
紫外線照射し、例えば層厚が50μmの保護層10を形
成する。
【0035】次に、図7に示したように、基板8に形成
された個々の1/4倍パターン5bを打ち抜く、あるい
は複数の1/4倍パターン5bを一括して打ち抜くポン
チ11を用いて外径30mmと所定の内径で打ち抜き、
その外周縁に生じたバリ等を除去すれば、図8の概略外
観斜視図に示したようなトラックピッチ0.4μm、最
短ピット長0.2075μmのスパイラル状のピットに
より、650MBの情報量を有する外径30mmの光記
録媒体12の作製を完了する。この場合、基板8に形成
された個々の1/4倍パターン5bをレーザ加工機によ
り切断しても良く、その加工方法は限定されない。
【0036】上記した露光装置ではXYステージ6を移
動させて原盤5に複数個の1/4倍パターン5bを形成
する事例を示したが、XYステージ6を用いず、1/4
倍パターン5bを一個の原盤5に形成する露光装置であ
っても良い。
【0037】以下、上記した露光方法及びこれを用いた
露光装置により作製される光記録媒体12として、DV
D−RAM及びROMに適用した場合について記す。D
VD−RAMはGeSbTe系相変化膜を利用して波長
650nmの赤色半導体レーザにより記録再生が可能な
光記録媒体12であり、直径120mmのディスク上に
2.6GBの情報記録容量が収められる。トラックピッ
チは0.74μmでランド、グルーブ両方に記録するラ
ンドグルーブ記録を採用している。また、最短マーク長
は0.61μmである。そして、このDVD−RAMの
記録再生に使用される光学ピックアップ装置の光源であ
る半導体レーザの波長λは650nm、対物レンズのN
Aは0.6であり、集光スポットサイズをλ/NAで近
似すれば1.08μmとなる。これを本発明の光記録媒
体12では、例えば1/4倍パターン5bとした場合に
はトラックピッチは0.185μmになる。また、今後
の高密度化の進展を考慮すると、光学ピックアップ装置
における半導体レーザの短波長化、対物レンズの大NA
化が考えられ、例えば波長400nm、対物レンズのN
Aが0.90であれば集光スポットサイズは0.44μ
mとなり、DVD−RAMのマーク長から単純にこのサ
イズ比の分だけ最短マーク長が縮小されるとすると最短
マーク長は0.25μmとなる。以上のトラックピッチ
及び最短マーク長の比較から、例えば1/4倍パターン
5bとした場合の本発明の光記録媒体12は、その面密
度がDVD−RAMのほぼ9.1倍となる。また、例え
ば本発明の光記録媒体12の外径を30mmとして、記
録エリアがDVD−RAMの単純に1/4倍とした場
合、面積比では1/16倍となり、その情報記録容量は
1.5GBになると推察される。DVD−ROMはDV
D−RAMと同様の光学ピックアップ装置で再生され、
トラックピッチ0.74μm、最短ピット長0.4μm
で直径120mmで4.7GBの情報記録容量を有す
る。これを例えば本発明の光記録媒体12の外径を30
mmとして、トラックピッチ0.4μm、最短ピット長
0.2μmとすれば、その面密度はDVD−ROMのほ
ぼ3.7倍であり、面積比は1/16倍であるので、そ
の情報記録容量は1GBになると推察される。
【0038】
【発明の効果】請求項1の発明の露光方法によれば、多
くの工数を要することなく、フォトマスクに形成された
マスクパターンの例えば1/4倍パターンを、原盤上の
フォトレジスト膜に一括転写することができる。
【0039】請求項2の発明の露光方法によれば、多く
の工数を要することなく、フォトマスクに形成されたマ
スクパターンの例えば1/4倍パターンを、原盤上のフ
ォトレジスト膜に複数個の一括転写1/4倍パターンを
形成することができる。
【0040】請求項9の発明の露光装置によれば、小型
且つ高容量の光記録媒体原盤を容易に作製することがで
きる。また、従来の露光装置のように、原盤を高精度で
回転させる手段や露光光学系を高精度で原盤の半径方向
に移動させる手段は不要であり、露光装置の機構の簡素
化を図ることができる。
【0041】請求項10の発明の露光装置によれば、複
数個の小型且つ高容量である光記録媒体のレプリカであ
る基板を一工程で作成可能な原盤を作製することができ
る。また、原盤を載置してフォトマスクのマスクパター
ン形成面と平行に移動させる移動手段、例えばXYステ
ージはマスクパターン形成面と高精度に平行移動させる
機構とする必要があるものの、従来の露光装置のよう
に、原盤を高精度で回転させる手段や露光光学系を高精
度で原盤の半径方向に移動させる手段は不要であり、露
光装置の機構の簡略化を図ることができる。
【0042】上記した露光方法及びこれを用いた露光装
置により作製された原盤を用いれば、小型且つ高容量の
光記録媒体の作製が可能であり、この小型且つ高容量の
光記録媒体を適用する携帯用光記録再生装置の小型薄型
化及び軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の露光装置の概略構成図である。
【図2】 本発明の原盤の外観斜視図である。
【図3】 本発明の原盤からスタンパ作製までの概略工
程説明図である。
【図4】 本発明のスタンパから基板作製までの概略工
程説明図である。
【図5】 本発明の基板上に記録層を形成する概略工程
説明図である。
【図6】 本発明の記録層上に保護層を形成する概略工
程説明図である。
【図7】 本発明の基板から光記録媒体を作製する概略
工程説明図である。
【図8】 本発明の光記録媒体の概略外観斜視図であ
る。
【図9】 従来の光記録媒体の概略外観斜視図である。
【図10】 図9における信号記録領域を拡大した概略
拡大図であり、(a)はピット、(b)はグルーブの場
合である。
【図11】 (a)〜(c)は、従来の原盤からグルー
ブあるいはピットの潜像を形成するまでの概略工程説明
図である。
【図12】 (a)〜(c)は、従来のグルーブあるい
はピットの潜像が形成された原盤から基板作製までの概
略工程説明図である。
【図13】 従来の露光装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1…光源、2…照明光学系、2a…露光光、3…フォト
マスク、3a…マスクパターン、4…縮小投影レンズ、
5…原盤、5a…フォトレジスト膜、5b…1/4倍パ
ターン、6…XYステージ、7…スタンパ、7a…スタ
ンパ前駆体、8…基板、9…記録層、10…保護層、1
1…ポンチ、12…光記録媒体、13…信号記録領域、
14…読み取り面、15…ピット、16…グルーブ、1
7…ランド、18…潜像、19…記録光強度制御部、2
0…変調部、21…ビームエキスパンダ部、22…対物
レンズ

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスクパターンが形成されたフォトマス
    クとフォトレジスト膜が形成された原盤との間に縮小投
    影レンズを配設し、 前記フォトレジスト膜に、前記マスクパターンのm/n
    倍パターン(但し、n,mは整数、且つn>m)を一括
    転写することを特徴とする露光方法。
  2. 【請求項2】 マスクパターンが形成されたフォトマス
    クとフォトレジスト膜が形成された原盤との間に縮小投
    影レンズを配設し、 前記原盤を、前記フォトマスクの前記マスクパターン形
    成面の平行方向に移動させるとともに、前記フォトレジ
    スト膜への前記マスクパターンのm/n倍パターン(但
    し、n,mは整数、且つn>m)の一括転写を複数回行
    い、 前記フォトレジスト膜に、複数個の前記m/n倍パター
    ンを形成することを特徴とする露光方法。
  3. 【請求項3】 前記マスクパターンが、少なくとも同心
    円状のピット及びグルーブの何れか一方を形成したもの
    であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載
    の露光方法。
  4. 【請求項4】 前記マスクパターンが、少なくともスパ
    イラル状のピット及びグルーブの何れか一方を形成した
    ものであることを特徴とする請求項1または請求項2に
    記載の露光方法。
  5. 【請求項5】 前記マスクパターンが、露光光の干渉を
    利用する位相シフターを積層して形成したものであるこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2に記載の露光方
    法。
  6. 【請求項6】 前記原盤が光記録媒体原盤であることを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載の露光方法。
  7. 【請求項7】 請求項1または請求項2に記載の露光方
    法により作製されたことを特徴とする原盤。
  8. 【請求項8】 請求項1または請求項2に記載の露光方
    法により作製された原盤を用いて作製されたことを特徴
    とする光記録媒体。
  9. 【請求項9】 マスクパターンが形成されたフォトマス
    クとフォトレジスト膜が形成された原盤との間に、 前記マスクパターンのm/n倍パターン(但し、n,m
    は整数、且つn>m)を前記フォトレジスト膜に一括転
    写する縮小投影レンズが配設されていることを特徴とす
    る露光装置。
  10. 【請求項10】 マスクパターンが形成されたフォトマ
    スクとフォトレジスト膜が形成された原盤との間に配設
    された縮小投影レンズと、 前記原盤を、前記フォトマスクの前記マスクパターン形
    成面と平行方向に移動させる移動手段とを有し、 前記移動手段により前記原盤を移動させるとともに、前
    記フォトレジスト膜への前記マスクパターンのm/n倍
    パターン(但し、n,mは整数、且つn>m)の一括転
    写を複数回行い、 前記フォトレジスト膜に、複数個の前記m/n倍パター
    ンの形成が可能であることを特徴とする露光装置。
  11. 【請求項11】 前記マスクパターンが、少なくとも同
    心円状のピット及びグルーブの何れか一方であることを
    特徴とする請求項9または請求項10に記載の露光装
    置。
  12. 【請求項12】 前記マスクパターンが、少なくともス
    パイラル状のピット及びグルーブの何れか一方であるこ
    とを特徴とする請求項9または請求項10に記載の露光
    装置。
  13. 【請求項13】 前記マスクパターンが、露光光の干渉
    を利用する位相シフターを積層して形成したものである
    ことを特徴とする請求項9または請求項10に記載の露
    光装置。
  14. 【請求項14】 前記原盤が光記録媒体原盤であること
    を特徴とする請求項9または請求項10に記載の露光装
    置。
  15. 【請求項15】 請求項9または請求項10に記載の露
    光装置により作製されたことを特徴とする原盤。
  16. 【請求項16】 請求項9または請求項10に記載の露
    光装置により作製された原盤を用いて作製されたことを
    特徴とする光記録媒体。
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