JPH11202662A - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JPH11202662A
JPH11202662A JP705898A JP705898A JPH11202662A JP H11202662 A JPH11202662 A JP H11202662A JP 705898 A JP705898 A JP 705898A JP 705898 A JP705898 A JP 705898A JP H11202662 A JPH11202662 A JP H11202662A
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JP
Japan
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roller
electrode member
cylindrical portion
peripheral surface
sheet
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Application number
JP705898A
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English (en)
Inventor
Yoshiya Tomatsu
義也 戸松
Kazuhiko Takagi
和彦 高木
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 円筒状ローラの内周面側にシート状発熱体を
配置し、その内側に摺動接点機構をなす電極部材を配置
した構造の定着装置において、シート状発熱体を損傷さ
せることなく、電極部材をシート状発熱体の内側へ圧接
固定すること。 【解決手段】 回転電極部材71は、集電キャップ73
とCリング74からなる。集電キャップ73の圧接片7
3cは、弾性変形を伴ってシート状発熱体50の第1通
電用端子55bに圧接し、Cリング74も弾性変形を伴
って圧接片73cに圧接している。これにより、回転電
極部材71は固定され、回転電極部材71とシート状発
熱体50は電気的に接続される。集電キャップ73を加
熱ローラ10内へ配置する際には、圧接片73cを加熱
ローラ10の内周面側へ弾性変形させ、その状態のまま
配置すればシート状発熱体50を損傷させることがな
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱溶融性の記録材
で記録媒体上に画像を形成した後、その記録媒体を加熱
することにより、記録媒体に画像を定着させる定着装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、複写機、プリンタ、ファクシ
ミリ装置など、記録媒体上に画像を形成可能な画像形成
機構を備えた機器(以下、画像形成装置という)の中に
は、画像形成用の記録材として、熱溶融性の記録材を使
用するタイプのものがある。このタイプの画像形成装置
は、通常、記録媒体に記録材を付着させた後、定着装置
で記録媒体を加熱することにより、記録媒体上の記録材
を溶融あるいは軟化させて記録媒体に定着させている。
より具体的には、例えば、レーザプリンタに代表される
ような、電子写真式の画像形成装置は、熱溶融性の記録
材であるトナーを用いて記録媒体上に画像を形成し、そ
の後、その記録媒体を定着装置で加熱することにより、
トナーを溶融あるいは軟化させて記録媒体に定着させて
いる。
【0003】また、このような画像形成装置に装備され
る定着装置としては、特開平8−194401号に記載
されているように、金属管の内周面にシート状発熱体を
固定して加熱ローラを構成し、この加熱ローラと加圧ロ
ーラとの間に記録媒体を挟み込みながら、加熱ローラか
らの熱で記録媒体を加熱するものが既に提案されてい
る。これらの定着装置において、加熱ローラとともに回
転駆動されるシート状発熱体へは、摺動接点機構を介し
て電力が供給される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記特開平
8−194401号記載の定着装置の場合、摺動接点機
構は、シート状発熱体の面内に形成されている通電用端
子のなす円筒状内周面に、装置本体側に配設された給電
用のブラシを接触させた構造になっている。
【0005】しかしながら、上記通電用端子の円筒状内
周面は、完全な連続面にはなっておらず、丸めたシート
状発熱体の継ぎ目部分に隙間ができるか、あるいは、継
ぎ目部分を重ねてあってもシート状発熱体の厚さ分に相
当する段差ができているため、加熱ローラが一回転する
たびに、必ず上記の隙間または段差がブラシとの接触点
を通過することになり、この通過の瞬間に電気抵抗が変
動したり通電が途切れたりするなど、給電状態が不安定
になりやすいという問題があった。
【0006】そこで、発明者らは、段差や溝などの凹凸
がない平滑な内周面を有する円筒状の導電性部材を、上
記シート状発熱体の内側に配置し、この円筒状導電性部
材をシート状発熱体の通電用端子に電気的に接続してお
き、上記給電用のブラシを円筒状導電性部材の内周面に
接触させることによって、通電状態の安定化を図ろうと
試みた。
【0007】しかし、このような円筒状導電性部材をシ
ート状発熱体の内側に配置することは、必ずしも容易な
ことではなかった。具体的には、まず、円筒状導電性部
材とシート状発熱体との間に遊びがある場合、円筒状導
電性部材を適切な位置に保持しておくことが困難で、し
かも、シート状発熱体との接触状態も不安定になりやす
いという問題がある。その一方、円筒状導電性部材とシ
ート状発熱体との間に遊びがない場合、容易には円筒状
導電性部材を適切な位置まで挿入することができず、無
理にシート状発熱体の内側へ圧入しようとすれば、シー
ト状発熱体を損傷する恐れがあった。
【0008】本発明は、この問題を解決するためになさ
れたものであり、その目的は、円筒状ローラの内周面側
に固定されるシート状発熱体に対して摺動接点機構を介
して電力を供給する定着装置において、シート状発熱体
を損傷させることなく、摺動接点機構をなす電極部材を
シート状発熱体の内側へ配置可能とすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段、および発明の効果】上述
の目的を達成するために、本発明は、請求項1記載の通
り、装置本体側に回転可能に支持された円筒状のローラ
と、円筒状にして前記ローラの内周面に固定され、通電
時には発熱するシート状発熱体と、前記ローラに固定さ
れて前記ローラと一体に回転する回転電極部材、および
前記装置本体側に配設されて前記回転電極部材に接触す
る静止電極部材を、前記ローラの回転時に両電極部材が
接触を維持したまま摺動可能に配設してなる摺動接点機
構とを備えてなり、該摺動接点機構を介して前記シート
状発熱体に電力を供給して前記ローラを加熱し、該ロー
ラの外周面を記録媒体に接触させて記録媒体表面に付着
した記録材を加熱することにより、該記録材を記録媒体
に定着させる定着装置において、前記回転電極部材が、
前記ローラの内側に配置される円筒部を有し、該円筒部
の外周面と前記ローラの内周面との間に、前記シート状
発熱体の面内に形成された通電用端子を介在させてあ
り、前記回転電極部材を前記ローラの内側に配置した後
に、前記通電用端子を挟み込んだ状態で前記円筒部の少
なくとも一部を前記ローラの内周面側に圧接させる圧接
手段を備え、該圧接手段によって、前記回転電極部材が
前記ローラに固定されるとともに、前記回転電極部材と
前記シート状発熱体とが電気的に接続された状態を維持
していることを特徴とする定着装置。
【0010】この定着装置において、回転電極部材は、
円筒部を有する。円筒部を有する形状としては、円筒部
のみからなるリング状のものはもちろんのこと、その円
筒リング状のものの一端面が閉塞されたキャップ状のも
のでもよい。また、電極部材間の接触を妨げない限り、
上記リング状ないしキャップ状のものに対して、さらに
何らかの突設物などが付加されていたり、穴などが形成
されているものであってもよい。
【0011】このような回転電極部材は、シート状発熱
体の面内に形成された通電用端子を円筒部の外周面とロ
ーラとの間に介在させた状態で、ローラの内側に配置さ
れる。そして、圧接手段が、通電用端子を挟み込んだ状
態で円筒部の少なくとも一部をローラの内周面側に圧接
させる。ここで、ローラの内周面側に圧接させるとは、
円筒部から見てローラの内周面側にある部材に圧接させ
るという意味であり、ローラの内周面自体に直接接触し
ている部分が存在するか否かは問わない。このような圧
接手段により、回転電極部材がシート状発熱体に電気的
に接続される。また、円筒部の少なくとも一部がローラ
の内周面側に圧接することで、回転電極部材が固定さ
れ、配置位置から容易には位置ずれしなくなる。
【0012】特に、圧接手段がローラの内面側に圧接し
ていれば、回転電極部材がローラに固定されるので、円
筒部全体がローラの内面側に圧接している必要はなく、
円筒部自体は、ローラの内部へ容易に配置できるような
寸法にすることができる。また、ローラの内周面側に圧
接する部分も、回転電極部材をローラの内側に配置した
後に圧接する構造なので、当該圧接部分が邪魔になって
回転電極部材をローラの内側へ配置しにくいといった問
題を招くことはなく、回転電極部材を圧入する必要もな
いので、圧入時にシート状発熱体を損傷するといった問
題も招かない。したがって、回転電極部材をきわめて容
易にローラの内側へ配置することができる。
【0013】なお、以上説明した定着装置において、シ
ート状発熱体には電流が流れるため、ローラが導体とな
る材料で形成されている場合には、ローラとの間に何ら
かの絶縁体を介在させる必要がある。摺動接点機構は、
シート状発熱体への電力供給路の一部をなす機構であ
り、少なくともシート状発熱体の両極となる2組を必要
とする。但し、シート状発熱体が3つ以上の通電用端子
を備えていれば、その数だけ摺動接点機構を設ける場合
もあり得る。また、2組の摺動接点機構の両方を、上記
の通り構成すれば最良の効果が得られるが、何らかの事
情があれば、いずれか一方だけを上記の通り構成し、他
方は従来品と同様に構成することも不可能ではなく、そ
の場合でも相応の効果が得られる。
【0014】回転電極部材および静止電極部材を形成す
る材料は、接点材料として一般に使われている金属など
の導電性材料を任意に選択することができ、その中で
も、耐摩耗性に優れている材料ほど望ましく、また、接
触界面における電気抵抗が小さい材料ほど望ましい。
【0015】また、両電極部材が接触する状態を安定し
て維持するには、いずれか一方の電極部材が他方の電極
部材へ付勢される構造になっているとよい。例えば、静
止電極部材を板バネ状にして、静止電極部材自体が弾性
変形を伴って回転電極部材に圧接するとよい。また、例
えば、静止電極部材を、電極となる導体部、およびこの
導体部に固着されたバネ部からなる構造とし、このバネ
部が弾性変形を伴って導体部を回転電極部材に圧接させ
るようにすればよい。こうすれば、導体部については電
気的特性に優れた材料で形成し、バネ部については弾性
に優れた材料で形成する、といったことも可能となる。
【0016】加えて、ローラは、公知の定着装置と同様
に構成されたものを、任意に採用することができる。例
えば、この種の定着装置において、ローラとしては、一
般に、熱伝導性の高い材料で構成された円柱状ないし円
筒状のものが用いられ、熱伝導性の高い材料としては、
金属類、特にアルミニウムなどが好適に用いられる。ま
た、ローラは、記録材を加熱した際、外周面に記録材を
付着させにくいものほどよく、例えば、ローラの外周面
にフッ素樹脂系の材料でコーティングが施されているも
のは好適である。
【0017】さて次に、上記圧接手段の構造について、
より具体的な例をいくつか説明する。まず、請求項2記
載の定着装置は、前記圧接手段として、前記回転電極部
材の円筒部の一部を切り起こして形成された弾性変形可
能な圧接片を備えたことを特徴とする。
【0018】この定着装置によれば、圧接片を回転電極
部材の回転軸心に近づける方向へ弾性変形させつつ円筒
部をローラの内側に配置すると、その配置後に圧接片の
変形が復元するのに伴って、圧接片がローラの内周面側
に圧接する。これにより、この圧接片の部分で回転電極
部材がシート状発熱体に電気的に接続される。また、圧
接片がローラの内周面側に圧接することで、回転電極部
材が固定され、配置位置から容易には位置ずれしなくな
る。
【0019】特に、圧接片がローラの内面側に圧接して
いれば、回転電極部材がローラに固定されるので、円筒
部全体がローラの内面側に圧接している必要はなく、円
筒部自体は、ローラの内部へ容易に配置できるような寸
法にすることができる。また、圧接片も、回転電極部材
の回転軸心に近づける方向へ弾性変形させ得るものなの
で、圧接片が邪魔になって回転電極部材をローラの内側
へ配置しにくいといった問題を招くことはなく、回転電
極部材を圧入する必要もないので、圧入時にシート状発
熱体を損傷するといった問題も招かない。したがって、
回転電極部材をきわめて容易にローラの内側へ配置する
ことができる。
【0020】次に、請求項3記載の定着装置は、前記圧
接手段として、前記回転電極部材の円筒部の一部を切り
起こして形成された接触片と、該接触片を前記回転電極
部材の回転軸心から離れる方向へ付勢する弾性体とを備
えたことを特徴とする。
【0021】この定着装置によれば、弾性体を円筒部の
内側にあらかじめ配置しておき、接触片を回転電極部材
の回転軸心に近づける方向へ変位させると、弾性体が弾
性変形し、その状態のまま円筒部をローラの内側に配置
すると、弾性体の変形が復元するのに伴って、接触片が
ローラの内周面側に圧接する。あるいは、円筒部の外周
面よりも外方へ突出した状態にある接触片を、回転電極
部材の回転軸心に近づける方向へ変位させつつ、円筒部
をローラの内側に配置し、その後で、弾性体を弾性変形
させつつ円筒部の内側に配置すると、接触片および弾性
体の変形が復元するのに伴って、接触片がローラの内周
面側に圧接する。あるいは、円筒部の外周面よりも外方
へ突出しない状態にある接触片を、特に変形させること
なく、円筒部をローラの内側に配置し、その後で、弾性
体を弾性変形させつつ円筒部の内側に配置すると、弾性
体の変形が復元するのに伴って、接触片がローラの内周
面側に圧接する。いずれにしても、上記のような手順で
回転電極部材をローラへ組み付けることにより、この接
触片の部分で回転電極部材がシート状発熱体に電気的に
接続される。また、接触片がローラの内周面側に圧接す
ることで、回転電極部材が固定され、配置位置から容易
には位置ずれしなくなる。
【0022】特に、接触片がローラの内面側に圧接して
いれば、回転電極部材がローラに固定されるので、円筒
部全体がローラの内面側に圧接している必要はなく、円
筒部自体は、ローラの内部へ容易に配置できるような寸
法にすることができる。また、接触片も、回転電極部材
の回転軸心に近づける方向へ変位させ得るものなので、
接触片が邪魔になって回転電極部材をローラの内側へ配
置しにくいといった問題を招くことはなく、回転電極部
材を圧入する必要もないので、圧入時にシート状発熱体
を損傷するといった問題も招かない。したがって、回転
電極部材をきわめて容易にローラの内側へ配置すること
ができる。
【0023】次に、請求項4記載の定着装置は、前記圧
接手段として、前記回転電極部材の円筒部の一部に形成
された穴と、一端は前記円筒部の内周面に圧接し、他端
は前記穴を通って前記ローラの内周面側に圧接する弾性
体とを備えたことを特徴とする。
【0024】この定着装置によれば、弾性体を円筒部の
内側にあらかじめ配置しておき、弾性体の両端を近づけ
る方向へ弾性変形させつつ円筒部をローラの内側に配置
すると、弾性体の変形が復元するのに伴って弾性体が円
筒部の内周面およびローラの内周面側に圧接して、弾性
体に押圧された円筒部がローラの内周面側に圧接する。
あるいは、まず円筒部をローラの内側に配置し、その後
で、弾性体を弾性変形させつつ円筒部の内側に配置する
と、弾性体の変形が復元するのに伴って、弾性体が円筒
部の内周面およびローラの内周面側に圧接する。いずれ
にしても、上記のような手順で回転電極部材をローラへ
組み付けることにより、弾性体に押圧された円筒部内周
面の裏側に当たる外周面部分で回転電極部材がシート状
発熱体に電気的に接続される。また、円筒部の外周面の
一部および弾性体がローラの内周面側に圧接すること
で、回転電極部材が固定され、配置位置から容易には位
置ずれしなくなる。
【0025】特に、円筒部の外周面の一部および弾性体
がローラの内面側に圧接していれば、回転電極部材がロ
ーラに固定されるので、円筒部全体がローラの内面側に
圧接している必要はなく、円筒部自体は、ローラの内部
へ容易に配置できるような寸法にすることができる。ま
た、弾性体も、円筒部の外周面側へ突出しないように弾
性変形させ得るものなので、弾性体が邪魔になって回転
電極部材をローラの内側へ配置しにくいといった問題を
招くことはなく、回転電極部材を圧入する必要もないの
で、圧入時にシート状発熱体を損傷するといった問題も
招かない。したがって、回転電極部材をきわめて容易に
ローラの内側へ配置することができる。
【0026】次に、請求項5記載の定着装置は、前記圧
接手段を構成する際に前記回転電極部材に形成される穴
が、前記ローラの外部空間と内部空間を連通させる位置
に形成されていることを特徴とする。
【0027】このような穴が回転電極部材に形成されて
いれば、回転電極部材がローラ端部の開口を閉塞するよ
うな形状になっている場合であっても、シート状発熱体
の加熱/放熱に伴ってローラの内圧が大きく変動するこ
とはなく、内圧上昇に伴って回転電極部材が押し出され
るようなことはなく、ローラの構成部品に余計な負荷が
かかることもない。
【0028】また特に、上記穴は、圧接手段を構成する
際に回転電極部材に形成されるものであって、この穴を
設けるために専用の加工工程を追加する必要はないの
で、圧接手段の加工とはまったく別工程で穴を加工した
ものに比べ、製造工程を簡素化でき、加工コストがかか
らない。
【0029】次に、請求項6記載の定着装置は、装置本
体側に回転可能に支持された円筒状のローラと、円筒状
にして前記ローラの内周面に固定され、通電時には発熱
するシート状発熱体と、前記ローラに固定されて前記ロ
ーラと一体に回転する回転電極部材、および前記装置本
体側に配設されて前記回転電極部材に接触する静止電極
部材を、前記ローラの回転時に両電極部材が接触を維持
したまま摺動可能に配設してなる摺動接点機構とを備え
てなり、該摺動接点機構を介して前記シート状発熱体に
電力を供給して前記ローラを加熱し、該ローラの外周面
を記録媒体に接触させて記録媒体表面に付着した記録材
を加熱することにより、該記録材を記録媒体に定着させ
る定着装置において、前記回転電極部材が、前記ローラ
の内側に配置される円筒部を有し、該円筒部の外周面と
前記ローラの内周面との間に、前記シート状発熱体の面
内に形成された通電用端子を介在させ、該通電用端子を
挟み込んだ状態で前記円筒部の少なくとも一部を前記ロ
ーラの内周面側に圧接させてあり、圧接させるに当たっ
ては、前記円筒部を前記ローラの使用温度域よりも低温
まで冷却して収縮させ、その上で前記円筒部を前記ロー
ラの内周面側に配置し、その後前記円筒部を前記使用温
度域に戻して膨張させることによって圧接させてあるこ
とを特徴とする。
【0030】この定着装置において、回転電極部材は、
円筒部を有する。円筒部は、例えば、リング状、キャッ
プ状など、上記請求項1〜請求項5記載のものと同様の
ものであるが、円筒部の外径は、ローラの使用温度域で
は配置位置の内径より大である一方、ローラの使用温度
域よりも低温では収縮して配置位置の内径より小となる
寸法にされている。
【0031】このような回転電極部材は、シート状発熱
体の面内に形成された通電用端子を円筒部の外周面とロ
ーラとの間に介在させた状態でローラの内側に配置さ
れ、配置の際には、円筒部を冷却して収縮させた上で配
置作業が行われる。この時、円筒部の外径は、配置位置
の内径より小となっている。そのため、円筒部が邪魔に
なって回転電極部材をローラの内側へ配置しにくいとい
った問題を招くことはなく、回転電極部材を圧入する必
要もないので、圧入時にシート状発熱体を損傷するとい
った問題も招かない。
【0032】また、その後円筒部を使用温度域に戻す
と、円筒部が膨張して元の寸法に戻り、円筒部がローラ
の内周面側に圧接する状態になる。その結果、回転電極
部材がシート状発熱体に電気的に接続される。また、円
筒部がローラの内周面側に圧接することで、回転電極部
材が固定され、配置位置から容易には位置ずれしなくな
る。
【0033】次に、請求項7記載の定着装置は、装置本
体側に回転可能に支持された円筒状のローラと、円筒状
にして前記ローラの内周面に固定され、通電時には発熱
するシート状発熱体と、前記ローラに固定されて前記ロ
ーラと一体に回転する回転電極部材、および前記装置本
体側に配設されて前記回転電極部材に接触する静止電極
部材を、前記ローラの回転時に両電極部材が接触を維持
したまま摺動可能に配設してなる摺動接点機構とを備え
てなり、該摺動接点機構を介して前記シート状発熱体に
電力を供給して前記ローラを加熱し、該ローラの外周面
を記録媒体に接触させて記録媒体表面に付着した記録材
を加熱することにより、該記録材を記録媒体に定着させ
る定着装置において、前記回転電極部材が、前記ローラ
の内側に配置される円筒部を有し、該円筒部は、記憶形
状復帰温度域にすると記憶された元の形状に復帰する形
状記憶合金で形成され、該円筒部の外周面と前記ローラ
の内周面との間に、前記シート状発熱体の面内に形成さ
れた通電用端子を介在させ、該通電用端子を挟み込んだ
状態で前記円筒部の少なくとも一部を前記ローラの内周
面側に圧接させてあり、圧接させるに当たっては、前記
円筒部を前記記憶形状復帰温度域よりも低温まで冷却
し、その状態で前記円筒部を前記ローラの内周面側に容
易に配置可能な形状に変形させ、その上で前記円筒部を
前記ローラの内周面側に配置し、その後前記円筒部を前
記記憶形状復帰温度域にすることによって圧接させてあ
ることを特徴とする。
【0034】この定着装置において、回転電極部材は、
円筒部を有する。円筒部は、例えば、リング状、キャッ
プ状など、上記請求項1〜請求項6記載のものと同様の
ものであるが、特に、少なくとも円筒部が、記憶形状復
帰温度域にすると記憶された元の形状に復帰する形状記
憶合金で形成され、その円筒部の外径は、配置位置の内
径より大となる寸法にされ、この形状が記憶されてい
る。
【0035】形状記憶合金については、組立時に収縮変
形させることができ、且つ、使用時には元の形状に戻っ
てその形状を維持できるようなものであれば、特に具体
的な組成については限定されないが、例えば、Ti−N
i合金(49〜51原子%Ni),Cu−Zn−X合金
(X=Si,Sn,Al,Ga;38.5〜41.5重
量%Zn,数重量%X),Ag−Cd合金(44〜49
原子%Cd)などを好適に使用できる。これらの他に
も、Au−Cd,Cu−Al−Ni,Cu−Au−Z
n,Cu−Sn,Cu−Zn,In−Ti,Ni−A
l,Fe−Pt,Fe−Pd,Mn−Cu等、種々の組
成の形状記憶合金を適宜採用することができる。
【0036】このような回転電極部材は、シート状発熱
体の面内に形成された通電用端子を円筒部の外周面とロ
ーラとの間に介在させた状態で、ローラの内側に配置さ
れるが、配置の際には、円筒部を記憶形状復帰温度域よ
りも低温まで冷却し、さらに外径を収縮させるように変
形させた上で配置作業が行われる。この時、円筒部の外
径を、配置位置の内径より小となるように変形させてお
けば、円筒部が邪魔になって回転電極部材をローラの内
側へ配置しにくいといった問題を招くことはなく、回転
電極部材を圧入する必要もないので、圧入時にシート状
発熱体を損傷するといった問題も招かない。
【0037】また、その後円筒部を上記記憶形状復帰温
度域にすると、円筒部が記憶されていた元の形状に戻
り、円筒部がローラの内周面側に圧接する状態になる。
その結果、回転電極部材がシート状発熱体に電気的に接
続される。また、円筒部がローラの内周面側に圧接する
ことで、回転電極部材が固定され、配置位置から容易に
は位置ずれしなくなる。
【0038】次に、請求項8記載の定着装置は、装置本
体側に回転可能に支持された円筒状のローラと、円筒状
にして前記ローラの内周面に固定され、通電時には発熱
するシート状発熱体と、前記ローラに固定されて前記ロ
ーラと一体に回転する回転電極部材、および前記装置本
体側に配設されて前記回転電極部材に接触する静止電極
部材を、前記ローラの回転時に両電極部材が接触を維持
したまま摺動可能に配設してなる摺動接点機構とを備え
てなり、該摺動接点機構を介して前記シート状発熱体に
電力を供給して前記ローラを加熱し、該ローラの外周面
を記録媒体に接触させて記録媒体表面に付着した記録材
を加熱することにより、該記録材を記録媒体に定着させ
る定着装置において、前記回転電極部材が、前記ローラ
の内側に配置される円筒部を有し、該円筒部の外周面と
前記ローラの内周面との間に、前記シート状発熱体の面
内に形成された通電用端子を介在させ、該通電用端子を
挟み込んだ状態で前記円筒部の少なくとも一部を前記ロ
ーラの内周面側に圧接させてあり、前記回転電極部材
が、前記ローラの内側に配置される円筒部を有し、該円
筒部の外周面と前記ローラの内周面との間に、前記シー
ト状発熱体の面内に形成された通電用端子を介在させ、
該通電用端子を挟み込んだ状態で前記円筒部の少なくと
も一部を前記ローラの内周面側に圧接させてあり、圧接
させるに当たっては、前記ローラを当該ローラの使用温
度域よりも高温まで加熱して膨張させ、その上で前記円
筒部を前記ローラの内周面側に配置し、その後前記ロー
ラを前記使用温度域に戻して収縮させることによって圧
接させてあることを特徴とする。
【0039】この定着装置において、回転電極部材は、
円筒部を有する。円筒部は、例えば、リング状、キャッ
プ状など、上記請求項1〜請求項7記載のものと同様の
ものであるが、円筒部の外径は、ローラの使用温度域で
は配置位置の内径より大である一方、ローラの使用温度
域よりも低温では収縮して配置位置の内径より小となる
寸法にされている。
【0040】このような回転電極部材は、シート状発熱
体の面内に形成された通電用端子を円筒部の外周面とロ
ーラとの間に介在させた状態でローラの内側に配置さ
れ、配置の際には、ローラを加熱して膨張させた上で配
置作業が行われる。この時、円筒部の配置位置となる部
分の内径はローラの加熱に伴って拡大するため、円筒部
の外径は配置位置の内径より小となっている。そのた
め、円筒部が邪魔になって回転電極部材をローラの内側
へ配置しにくいといった問題を招くことはなく、回転電
極部材を圧入する必要もないので、圧入時にシート状発
熱体を損傷するといった問題も招かない。
【0041】また、その後ローラを使用温度域に戻す
と、ローラが収縮して元の寸法に戻り、円筒部がローラ
の内周面側に圧接する状態になる。その結果、回転電極
部材がシート状発熱体に電気的に接続される。また、円
筒部がローラの内周面側に圧接することで、回転電極部
材が固定され、配置位置から容易には位置ずれしなくな
る。
【0042】次に、請求項9記載の定着装置は、前記通
電用端子が金属であって、前記回転電極部材との接触面
には、酸化被膜の除去処理が施されていることを特徴と
する。
【0043】この定着装置によれば、金属製の通電用端
子は、回転電極部材との接触面に酸化被膜の除去処理が
施され、その上で、回転電極部材が配置されている。そ
のため、通電用端子−回転電極部材間の電気抵抗は、酸
化被膜の除去処理を施すことなく回転部材を配置したも
のに比べて低くなり、しかも、製品間の電気抵抗のばら
つきが小さくなる。したがって、より効率よくシート状
発熱体に電力を供給することができ、発熱温度のばらつ
きもなくなる。
【0044】なお、以上説明した定着装置は、いずれ
も、紙などの記録媒体に対して熱溶融性の記録材を付着
させて画像を形成する画像形成機構と、該画像形成機構
によって前記画像が形成された記録媒体を加熱すること
により、前記記録材を溶融あるいは軟化させて前記記録
媒体に定着させる定着手段とを備えた画像形成装置にお
いて、前記定着手段として採用することができる。
【0045】このような画像形成装置の代表的な例とし
ては、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置などを挙げ
ることができる。熱溶融性の記録材を付着させて画像を
形成する画像形成機構としては、ドラム型電子写真感光
体の表面に電荷を与えておいて、その表面にレーザ光源
またはLEDアレイからの光を投射して静電潜像を作
り、これを熱溶融性の記録材であるトナーで現像し、こ
のトナーからなる画像を紙などの記録媒体に転写する電
子写真式画像形成機構、または、表面に誘電体が塗布さ
れた静電記録紙を記録媒体として、この静電記録紙上に
静電潜像を作り、これを熱溶融性の記録材であるトナー
で現像する静電記録式画像形成機構、または、常温で固
形のインクを熱溶融させ、その液状になったインクを記
録ヘッドから噴射して記録媒体上に画像を形成する固形
熱溶融性インク型のインクジェット式画像形成機構など
を考え得る。
【0046】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
一例を挙げて説明する。図1に示すように、本実施形態
における定着装置1は、レーザプリンタPに組み込まれ
ている。この定着装置1は、画像形成機構2において記
録媒体である用紙上にトナーからなる画像(以下、トナ
ー像という)が形成された後、その用紙を用紙搬送方向
下流側へ搬送しながら加熱し、用紙上でトナーを溶融あ
るいは軟化させてトナー像を用紙に定着させるものであ
る。
【0047】周知の通り、レーザプリンタPが備える画
像形成機構2は、電子写真式の画像形成処理を行うもの
で、ドラム型電子写真感光体,帯電器,露光器,現像
器,転写器,除電器等を備えている。用紙上にトナー像
を形成する際には、ドラム型電子写真感光体の表面に電
荷を与えておいて、その表面にレーザ光源からの光を投
射して静電潜像を作り、この静電潜像をトナーで現像
し、このトナー像を用紙搬送方向上流側から下流側へと
搬送される用紙に転写する処理を行う。
【0048】上記画像形成機構2の用紙搬送方向上流側
には、用紙供給機構3が配設されている。用紙供給機構
3は、用紙が積載収納された給紙カセット部4、もしく
は、一枚ずつ用紙を供給可能な手差し給紙部5のいずれ
かから用紙を吸入し、その用紙を回転するローラ間に挟
み込みつつ、用紙搬送方向下流側にある画像形成機構2
側へと搬送する。また、上記定着装置1の用紙搬送方向
下流側には、用紙排出機構6が配設されている。用紙排
出機構6は、定着装置1においてトナー像を定着した用
紙を、本体上部の受け皿へと搬送する。
【0049】なお、これら定着装置1、画像形成機構
2、用紙供給機構3、用紙排出機構6等は、すべて筐体
7の内部に収納されている。次に、定着装置1について
詳述する。定着装置1は、図2に示すように、一対の加
熱ローラ10およびプレッシャローラ12を備えてい
る。加熱ローラ10は、後から詳述する通り、アルミニ
ウム製の円筒体をベースにして、その内周面側に発熱体
を固定したものである。また、プレッシャローラ12
は、金属製の軸の回りに耐熱性のシリコーンゴムを設け
て構成されたものである。
【0050】これら加熱ローラ10およびプレッシャロ
ーラ12は、互いの外周面を接触させて平行に配置され
ている。プレッシャローラ12は、可動軸受け13によ
って回転可能に支持され、可動軸受け13は、バネ14
によって付勢されている。これにより、プレッシャロー
ラ12は加熱ローラ10に圧接した状態になっている。
【0051】加熱ローラ10およびプレッシャローラ1
2の近傍には、用紙ガイド16,17が配設されてい
る。用紙ガイド16は、用紙搬送方向上流側にある画像
形成機構2から搬送されてくる用紙Sを、加熱ローラ1
0およびプレッシャローラ12の圧接面へと案内する部
材である。用紙ガイド17は、加熱ローラ10およびプ
レッシャローラ12の圧接面に挟み込まれて両ローラの
回転に伴って送出される用紙Sを、さらに用紙搬送方向
下流側にある用紙排出機構6へと案内する部材である。
【0052】また、加熱ローラ10の上方に配設された
上部カバー18には、温度ヒューズ19が装着されてい
る。この温度ヒューズ19は、加熱ローラ10の外周面
に対向配置されており、制御装置の暴走等によって加熱
ローラ10の異常過熱が生じた際に、その熱を受けて断
線し、給電回路を通電不能な状態にするものである。な
お、この温度ヒューズ19は、所定の温度条件を超えた
場合に断線し、その後、通電可能な状態に復帰させるこ
とはできないものであるが、この温度ヒューズ19に代
えて、所定の温度条件で接続/切断が可逆的に切り替わ
るサーモスタットを利用しても、同様の異常過熱を防止
することができる。ちなみに、この定着装置1は、さら
に上記温度ヒューズ19とは別に、加熱ローラ10の表
面温度を検出する温度センサ(図示略)をも備えてお
り、この温度センサで加熱ローラ10の表面温度を常に
監視して、適切な温度が維持されるように制御を行って
いる。
【0053】加熱ローラ10自体は、図3に示すよう
に、中空円筒形状のアルミニウム製のローラ本体31を
基材として、ローラ本体31の外周面に付着防止層32
を形成し、ローラ本体31の内周面に、外周側から第1
耐熱絶縁層33、発熱層34、第2耐熱絶縁層35の3
層を形成し、これら3層をなすフィルム材を、その内側
に配置された圧接弾性体36によって、ローラ本体31
の内周面との間に挟み込んで保持した構造になってい
る。
【0054】これらの内、付着防止層32は、定着処理
時に記録媒体上のトナーが加熱ローラ10の表面に付着
するのを防止するために設けられたもので、ローラ本体
31の外周面に耐熱性および離型性に優れたフッ素樹脂
系材料をコーティングして形成され、その厚さは約10
〜30μmとなっている。圧接弾性体36は、シリコー
ンスポンジで形成された中空円筒形状のもので、無応力
状態の外径は、加熱ローラ10の内部に配置された時の
外径よりも大きくされている。加熱ローラ10の内部へ
配置する際には、圧接弾性体36を軸方向へ引き延ばし
て外径を細くし、その状態のまま加熱ローラ10の内部
へ配置して、引き延ばしを中止する。その結果、圧接弾
性体36は軸方向に縮んで外径が元に戻る方向へ膨ら
み、第1耐熱絶縁層33、発熱層34、第2耐熱絶縁層
35を押圧して、これらをローラ本体31との間に挟み
込んだ状態となる。
【0055】発熱層34は、図4に示すシート状発熱体
50によって構成されている。このシート状発熱体50
は、ポリイミド樹脂製のフィルムからなる絶縁基材51
に、ステンレス鋼の箔膜からなる抵抗発熱体55を張り
付けた可撓性を有するシートである。加熱ローラ10内
へ配置する際には、抵抗発熱体55が第2耐熱絶縁層3
5に接する向きにして配置される。抵抗発熱体55は、
発熱体として機能する発熱パターン部55aと、発熱パ
ターン部55aの両端部にそれぞれ接続された第1通電
用端子55b、および第2通電用端子55cとから構成
され、両通電用端子55b、55cの間に電流を流す
と、発熱パターン部55aが発熱する構造になってい
る。このような抵抗発熱体55の発熱パターン部55a
は、絶縁基材51にステンレス鋼の箔膜を張り付け、そ
のステンレス鋼に対してエッチング処理を施すことによ
って形成できる。
【0056】第1耐熱絶縁層33および第2耐熱絶縁層
35は、いずれも、ポリイミド樹脂製のフィルム材で、
優れた耐熱性および絶縁性を備えている。第1耐熱絶縁
層33は、シート状発熱体50の絶縁基材51とともに
二重の絶縁層を形成し、この二重の絶縁層でローラ本体
31と抵抗発熱体55の電気的な接続を防止している。
このような構造にすると、何らかの原因で第1耐熱絶縁
層33または絶縁基材51のいずれか一方が傷ついた場
合にも、直ちにローラ本体31と抵抗発熱体55との間
が電気的に接続されてしまうのを防止することができ
る。第2耐熱絶縁層35は、抵抗発熱体55と圧接弾性
体36が直接接触するのを防止している。このような構
造にすると、何らかの原因で抵抗発熱体55が局部的に
異常過熱し、その異常過熱部分の温度が、圧接弾性体3
6をなすシリコーンスポンジの耐熱温度を超えた場合に
も、圧接弾性体36自体の急激な温度上昇、およびそれ
に伴う発火等の事故を防止することができる。
【0057】以上のように構成された加熱ローラ10
は、図5に示すように、本体フレームに固定された軸受
け60,60により回転可能に支持されている。この軸
受け60は、マトリクスとなるPPS(ポリフェニレン
サルファイド樹脂)中に導電性フィラーとしてカーボン
を分散させた複合樹脂材料を成形加工したもので、約2
50℃〜260℃程度までは軟化しない耐熱性と導電性
とを備えている。そのため、加熱ローラ10が正常な温
度条件(約200℃前後)で使用されている限り、軸受
け60に変形等を招くことはない。また、加熱ローラ1
0は、軸受け60,60を介して、アースに落とされた
金属部品等に電気的に接続された状態になっていて、こ
れにより、加熱ローラ10の帯電が防止されている。ま
た、加熱ローラ10の一端には、駆動ギヤ62が装着さ
れ、モータ(図示略)からの駆動力が駆動ギヤ62に伝
えられて、加熱ローラ10が回転駆動されるようになっ
ている。なお、この駆動ギヤ62は、PPS製で、上記
軸受け60と同程度の耐熱性を備えている。
【0058】さらに、加熱ローラ10の両端には、摺動
接点機構70,70が構成されている。各摺動接点機構
70は、加熱ローラ10に固定されて加熱ローラ10と
一体に回転する回転電極部材71と、本体フレームに固
定されて回転電極部材71に接触する静止電極部材72
からなる。
【0059】回転電極部材71は、図6に示すように、
銅系合金製(例えば、燐青銅製)の集電キャップ73
と、Cリング74からなる。集電キャップ73は、円筒
部73aと円筒部73aの一端を閉塞する側端部73b
からなるキャップ状部材をベースとし、側端部73b側
から円筒部73aにわたる部分を、円筒部73a側を固
定端とする板バネ状に切り起こして、圧接片73cおよ
び通気穴73dを形成したものである。圧接片73c
は、それ自体がバネ性を有する弾性変形可能なもので、
弾性変形を伴ってシート状発熱体50の第1通電用端子
55bに圧接した状態にある。しかも、圧接片73cの
内側にはCリング74が嵌め込まれ、このCリング74
も弾性変形を伴って圧接片73cに圧接している。その
ため、Cリング74からの押圧力も、圧接片73cを介
してシート状発熱体50に作用している。このようにし
て圧接片73cが加熱ローラ10の内面側に圧接するこ
とにより、回転電極部材71は加熱ローラ10の内部に
固定され、しかも、この圧接部分で回転電極部材71と
シート状発熱体50は電気的に接続されている。なお、
図6では、上記圧接片73cおよび通気穴73dが、上
下双方に対称に描かれているが、実際は、図7に示すよ
うに、円周上で互いに等間隔な位置となる3箇所に形成
されている。また、図6では、集電キャップ73の円筒
部73aとシート状発熱体50の第1通電用端子55b
との間に、明確な隙間が描かれているが、この隙間は実
際は図に表れない程度の狭い隙間である。このような隙
間があると、集電キャップ73を加熱ローラ10内へス
ムーズに配置できるが、配置後に集電キャップ73が大
きくがたつくようなことはない。
【0060】静止電極部材72は、銅系合金製(例え
ば、燐青銅製)で、一体成形された給電プレート77お
よび弾性接触子78を備えている。給電プレート77
は、図5に示したとおり、一端が上部カバー18にネジ
止めされ、他端に弾性接触子78が形成されている。弾
性接触子78は、基部78aから延出された板バネ部7
8b,および板バネ部78bの先端にあって回転電極部
材71に接触する接触部78cを有する形状で、弾性変
形を伴って回転電極部材71の内周面に圧接している。
この圧接部分で回転電極部材71と静止電極部材72は
電気的に接続された状態にあり、特に、加熱ローラ10
の回転時にも接触を維持したまま摺動し、両者が電気的
に接続された状態を維持することができる。
【0061】なお、他方の端部にある摺動接点機構70
も、同様の構造になっている。シート状発熱体50へ
は、上記2つの摺動接点機構70,70を両極として、
交流電力(または直流電力)が供給される。ところで、
回転電極部材71は、シート状発熱体50の各通電用端
子の表面に圧接しているが、通電用端子の表面に金属酸
化物の被膜(以下、酸化被膜という)があると、接触界
面における電気抵抗が高くなりやすく、しかも、その電
気抵抗は酸化被膜が形成されている程度に応じて変わる
ため、それが製品性能をばらつかせる原因となる恐れが
ある。そこで、この定着装置1の場合、シート状発熱体
50を加熱ローラ10に組み付ける前に、第1通電用端
子55bおよび第2通電用端子55cの表面に酸化被膜
の除去処理を施してある。より具体的には、第1通電用
端子55bおよび第2通電用端子55cの表面をサンド
ペーパーで擦ることにより、酸化被膜を除去してある。
そのため、酸化物被膜の除去処理をまったく行っていな
いものに比べると、シート状発熱体50と回転電極部材
71との接触界面における電気抵抗は低くなり、しか
も、その電気抵抗は個体差の少ないきわめて安定した値
を示すようになっている。
【0062】以上のように構成された定着装置1によれ
ば、上記圧接片73cを回転電極部材71の回転軸心に
近づける方向へ弾性変形させつつ円筒部73aを加熱ロ
ーラ10の内側に配置すると、その配置後に圧接片73
cの変形が復元するのに伴って、圧接片73cが加熱ロ
ーラ10の内周面側に圧接する。この時、Cリング74
は、あらかじめ集電キャップ73内に配置しておき、集
電キャップ73とともに加熱ローラ10の内部に配置し
てもよいし、集電キャップ73を加熱ローラ10内に配
置した後で、Cリング74を加熱ローラ10の内部に配
置してもよい。
【0063】いずれにしても、この圧接片73cの部分
で回転電極部材71がシート状発熱体50に電気的に接
続され、また、圧接片73cが加熱ローラ10の内周面
側に圧接することで、回転電極部材71が加熱ローラ1
0に対して固定され、配置位置から容易には位置ずれし
なくなる。
【0064】上記円筒部73a自体は、加熱ローラ10
の内部へ容易に配置できるような寸法になっていて、圧
接片73cも、回転電極部材71の回転軸心に近づける
方向へ弾性変形させ得るものなので、圧接片73cが邪
魔になって回転電極部材71を加熱ローラ10の内側へ
配置しにくいといった問題を招くことはなく、回転電極
部材71を圧入する必要もないので、圧入時にシート状
発熱体50を損傷するといった問題も招かない。したが
って、回転電極部材71をきわめて容易に加熱ローラ1
0の内側へ配置することができる。
【0065】また、円筒部73aの一端は、大部分が側
端部73bによって閉塞されているので、加熱ローラ1
0内の熱が逃げにくく、発生させた熱を定着のために効
率よく利用することができる。しかも、集電キャップ7
3には通気穴73dが形成されているので、回転電極部
材71が加熱ローラ10の端部に装着されても、加熱ロ
ーラ10の端部の開口が集電キャップ73によって密閉
されてしまうことはない。したがって、シート状発熱体
50の加熱/放熱に伴って加熱ローラ10の内圧が大き
く変動することはないので、内圧上昇に伴って回転電極
部材71が押し出されるようなことはなく、また、加熱
ローラ10の構成部品に余計な負荷がかかることもな
い。また特に、通気穴73dは、圧接片73cの切り起
こし位置を側端部73bに及ぶ位置とすることにより、
圧接片73cと同時に形成されるものであって、わざわ
ざ通気穴73dを設けるために専用の加工工程を追加す
る必要はないので、圧接片73cとは別工程で通気穴を
加工した場合に比べ、製造工程を簡素化でき、加工コス
トがかからない。
【0066】さらに、シート状発熱体50の通電用端子
は、回転電極部材71との接触面に酸化被膜の除去処理
が施され、その上で、回転電極部材71が配置されてい
るので、通電用端子−回転電極部材間の電気抵抗は小さ
くなり、しかも、製品間の電気抵抗のばらつきが小さく
なり、その結果、より効率よくシート状発熱体50に電
力を供給することができ、加熱ローラ10の発熱温度に
個体差が現れることもない。
【0067】以上、本発明の実施形態について説明した
が、本発明の実施形態については上記のもの以外にも種
々の具体的形態が考えられる。以下、有用な変形例につ
いて説明する。例えば、上記定着装置1の回転電極部材
71は、圧接片73cとCリング74の双方がともに円
筒部73aの内側へ弾性変形した状態になっていて、そ
の復元力で加熱ローラ10の内周面側に圧接するように
構成したものであったが、圧接片73c自体が弾性変形
を伴って加熱ローラ10の内周面側に圧接可能なもので
あれば、Cリング74は必ずしも配置されていなくても
よい。逆に、弾性変形可能なCリング74が配置されて
いれば、圧接片73c自体は単独では加熱ローラ10の
内周面側に圧接しないものであってもよい。具体的に
は、圧接片73cに相当する部分が、そもそも円筒部の
外周面よりも突出しない形態になっていて、Cリング7
4からの押圧力を受けることによってはじめて円筒部の
外周面から突出する方向へ変形し、その結果、加熱ロー
ラ10内周面側(例えば、シート状発熱体50等)に圧
接する構造となっていてもよい。但し、上記定着装置1
のように、圧接片73cとCリング74の双方から加熱
ローラ10の内周面側へ押圧力を作用させる構造とする
方が、圧接片73cまたはCリング74のいずれか一方
だけから加熱ローラ10の内周面側へ押圧力を作用させ
る構造とするよりも、圧接力を大きくすることができる
点で、より望ましい構造となる。
【0068】また、上記定着装置1は、回転電極部材7
1として、図6および図7に示したような形状のものを
使用したが、回転電極部材は、加熱ローラ内への配置前
には、加熱ローラ内へ容易に配置できるるような形状お
よび寸法で、加熱ローラ内への配置後には、加熱ローラ
側に圧接固定されるようなものであれば、上述の通りの
効果を奏すると考えられ、その具体的な構造は種々考え
得る。
【0069】より具体的な例をいくつか挙げれば、例え
ば、図8(a)、同図(b)に示すような集電キャップ
80を回転電極部材とすることもできる。この集電キャ
ップ80は、円筒部80aと円筒部80aの一端を閉塞
する側端部80bからなるキャップ状部材をベースと
し、円筒部80aから側端部80bにわたる部分を、側
端部80b側を固定端とする板バネ状に切り起こして、
圧接片80cおよび通気穴80dを形成したものであ
る。圧接片80cは、それ自体がバネ性を有する弾性変
形可能なものである。このような集電キャップ80で
も、圧接片80cを回転軸心に近づける方向へ弾性変形
させつつ円筒部80aを加熱ローラ10の内側に配置す
ると、その配置後に圧接片80cの変形が復元するのに
伴って、圧接片80cが加熱ローラ10の内周面側に圧
接する。これにより、この圧接片80cを介して回転電
極部材がシート状発熱体50に電気的に接続される。ま
た、圧接片80cが加熱ローラ10の内周面側に圧接す
ることで、回転電極部材が固定され、配置位置から容易
には位置ずれしなくなる。
【0070】あるいは、例えば、図9(a)、同図
(b)に示すような集電キャップ82および弾性体83
からなる回転電極部材とすることもできる。集電キャッ
プ82は、円筒部82aと円筒部82aの一端を閉塞す
る側端部82bからなるキャップ状部材をベースとし、
円筒部82aに貫通穴82cを形成したものである。弾
性体83は、図示した例ではコイルスプリングである
が、同様な付勢ができれば、板バネ等といった、コイル
スプリング以外の弾性体であっても構わない。このよう
な回転電極部材は、弾性体83の一端83aが貫通穴8
2cを通って集電キャップ82の外周側へ突出しないよ
うに弾性変形させつつ、集電キャップ82を加熱ローラ
10の内側に配置すると、その配置後に弾性体83の変
形が復元するのに伴って、弾性体83の一端83aが加
熱ローラ10の内周面側に圧接し、同時に弾性体83の
他端83bに押圧された集電キャップ82の円筒部82
aの外周面が加熱ローラ10の内周面側に圧接する。こ
れにより、この円筒部82aを介して回転電極部材がシ
ート状発熱体50に電気的に接続される。また、上記円
筒部82aの外周面および弾性体83の一端83aが加
熱ローラ10の内周面側に圧接することで、回転電極部
材が固定され、配置位置から容易には位置ずれしなくな
る。
【0071】あるいは、例えば、図10(a)、同図
(b)に示すような集電キャップ85や、図11に示す
ような集電リング87を回転電極部材とすることもでき
る。集電キャップ85は、円筒部85aと円筒部85a
の一端を閉塞する側端部85bからなるキャップ状部材
で、側端部85bの略中央には通気穴85cが穿設され
ている。集電リング87は、両側端が開口とされた円筒
体からなるリング状部材である。
【0072】これら集電キャップ85および集電リング
87の場合、円筒部85aの外径、および集電リング8
7の外径は、いずれも加熱ローラ10の使用温度域、例
えば、常温(停止時)〜約200℃程度(稼働時)にお
いて、配置位置となる加熱ローラ10の内側にあるシー
ト状発熱体50の内側部分の内径より僅かに大きくなる
ように設計されている。
【0073】そのような集電キャップ85および集電リ
ング87は、そのままでは加熱ローラ10の内側へ圧入
せざるを得ないので、圧入時にシート状発熱体50を損
傷させる可能性もあるが、このような圧入を避けるに
は、次のような手法で組み立てればよい。
【0074】例えば、集電キャップ85が金属製(例え
ば、燐青銅製)である場合は、集電キャップ85を、例
えば液体窒素等を使って十二分に冷却することによっ
て、設計寸法よりも収縮した状態にし、その状態のまま
加熱ローラ10の内側に配置する。こうすれば、集電キ
ャップ85を圧入しなくても、加熱ローラ10の内側に
配置することができる。その後、集電キャップ85は、
常温に戻るまでの間に徐々に膨張し、円筒部85aの外
周は加熱ローラ10の内周面側に圧接する。
【0075】また、例えば、集電キャップ85を、記憶
形状復帰温度域にすると記憶された元の形状に復帰する
形状記憶合金によって形成し、この集電キャップ85
を、上記記憶形状復帰温度域よりも低温まで冷却し、そ
の上で絞り加工等を施して設計寸法よりも小さい外径寸
法となるように変形させ、その状態のまま加熱ローラ1
0の内側に配置する。こうすれば、集電キャップ85を
圧入しなくても、加熱ローラ10の内側に配置すること
ができる。その後、そのまま放置するか熱を加えること
によって集電キャップ85を上記記憶形状復帰温度域に
すると、集電キャップ85の変形させてあった箇所が元
の形状へ戻り、円筒部85aの外周は加熱ローラ10の
内周面側に圧接する。
【0076】さらに、集電キャップ85を変形させず
に、加熱ローラ10側を変形させても、圧入を避けるこ
とは可能である。すなわち、加熱ローラ10を十二分に
加熱することによって、通常の使用温度域における寸法
よりも膨張した状態にし、その状態で集電キャップ85
を加熱ローラ10の内側に配置してもよい。こうすれ
ば、加熱ローラ10が、常温に戻るまでの間に徐々に収
縮し、円筒部85aの外周は加熱ローラ10の内周面側
に圧接するので、集電キャップ85の圧入は不要とな
る。
【0077】ちなみに、集電リング87の場合について
も、上記集電キャップ85について詳述したような手
法、すなわち、集電リング87を十二分に冷却する、集
電リング87を形状記憶合金で形成する、加熱ローラ1
0を十二分に加熱するといった手法を採用することで、
無理な圧入を避けることができるのはもちろんである。
【0078】以上のように、加熱ローラ内への配置後に
加熱ローラ側に圧接固定されるようなものは種々考え得
るが、いずれにしても、回転電極部材は圧接固定され、
しかも、圧入する場合のように、誤ってシート状発熱体
を損傷させる可能性は低くなる。
【0079】加えて、上記実施形態では、定着装置1が
レーザプリンタPに内蔵されている場合を例示したが、
上記定着装置1は、紙などの記録媒体に対して熱溶融性
の記録材を付着させて画像を形成する画像形成機構を備
えた画像形成装置(例えば、複写機、プリンタ、ファク
シミリ装置など)であれば、その画像形成機構によって
形成された画像を記録媒体に定着させるための装置とし
て採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 定着装置を内蔵するレーザプリンタの概略構
造を示す縦断面図である。
【図2】 定着装置の概略構造を示す縦断面図である。
【図3】 加熱ローラの断面構造を示す断面図である。
【図4】 シート状発熱体を示す平面図である。
【図5】 定着装置の概略構造を示すA−A線断面図で
ある。
【図6】 摺動接点機構の詳細構造を示す拡大部分断面
図である。
【図7】 回転電極部品の側面図である。
【図8】 第1の変形例として示した回転電極部品を表
し、(a)はその側面図、(b)はその断面図である。
【図9】 第2の変形例として示した回転電極部品を表
し、(a)はその側面図、(b)はその断面図である。
【図10】 第3の変形例として示した回転電極部品を
表し、(a)はその側面図、(b)はその断面図であ
る。
【図11】 第4の変形例として示した回転電極部品と
その配置位置付近の断面図である。
【符号の説明】
1・・・定着装置、2・・・画像形成機構、3・・・用
紙供給機構、4・・・給紙カセット部、5・・・手差し
給紙部、6・・・用紙排出機構、7・・・筐体、10・
・・加熱ローラ、12・・・プレッシャローラ、13・
・・可動軸受け、14・・・バネ、16,17・・・用
紙ガイド、18・・・上部カバー、19・・・温度ヒュ
ーズ、31・・・ローラ本体、32・・・付着防止層、
33・・・第1耐熱絶縁層、34・・・発熱層、35・
・・第2耐熱絶縁層、36・・・圧接弾性体、50・・
・シート状発熱体、51・・・絶縁基材、55・・・抵
抗発熱体、55a・・・発熱パターン部、55b・・・
第1通電用端子、55c・・・第2通電用端子、60・
・・軸受け、62・・・駆動ギヤ、70・・・摺動接点
機構、71・・・回転電極部材、72・・・静止電極部
材、73,80,82,85・・・集電キャップ、73
a,80a,82a,85a・・・円筒部、73b,8
0b,82b,85b・・・側端部、73c,80c・
・・圧接片、73d,80d,85c・・・通気穴、7
4・・・Cリング、77・・・給電プレート、78・・
・弾性接触子、78a・・・基部、78b・・・板バネ
部、78c・・・接触部、82c・・・貫通穴、83・
・・弾性体、87・・・集電リング、P・・・レーザプ
リンタ。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 装置本体側に回転可能に支持された円筒
    状のローラと、円筒状にして前記ローラの内周面に固定
    され、通電時には発熱するシート状発熱体と、前記ロー
    ラに固定されて前記ローラと一体に回転する回転電極部
    材、および前記装置本体側に配設されて前記回転電極部
    材に接触する静止電極部材を、前記ローラの回転時に両
    電極部材が接触を維持したまま摺動可能に配設してなる
    摺動接点機構とを備えてなり、該摺動接点機構を介して
    前記シート状発熱体に電力を供給して前記ローラを加熱
    し、該ローラの外周面を記録媒体に接触させて記録媒体
    表面に付着した記録材を加熱することにより、該記録材
    を記録媒体に定着させる定着装置において、 前記回転電極部材が、前記ローラの内側に配置される円
    筒部を有し、 該円筒部の外周面と前記ローラの内周面との間に、前記
    シート状発熱体の面内に形成された通電用端子を介在さ
    せてあり、 前記回転電極部材を前記ローラの内側に配置した後に、
    前記通電用端子を挟み込んだ状態で前記円筒部の少なく
    とも一部を前記ローラの内周面側に圧接させる圧接手段
    を備え、 該圧接手段によって、前記回転電極部材が前記ローラに
    固定されるとともに、前記回転電極部材と前記シート状
    発熱体とが電気的に接続された状態を維持していること
    を特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の定着装置において、 前記圧接手段として、前記回転電極部材の円筒部の一部
    を切り起こして形成された弾性変形可能な圧接片を備え
    たことを特徴とする定着装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の定着装置において、 前記圧接手段として、前記回転電極部材の円筒部の一部
    を切り起こして形成された接触片と、該接触片を前記回
    転電極部材の回転軸心から離れる方向へ付勢する弾性体
    とを備えたことを特徴とする定着装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の定着装置において、 前記圧接手段として、前記回転電極部材の円筒部の一部
    に形成された穴と、一端は前記円筒部の内周面に圧接
    し、他端は前記穴を通って前記ローラの内周面側に圧接
    する弾性体とを備えたことを特徴とする定着装置。
  5. 【請求項5】 請求項2〜請求項4のいずれかに記載の
    定着装置において、 前記圧接手段を構成する際に前記回転電極部材に形成さ
    れる穴が、前記ローラの外部空間と内部空間を連通させ
    る位置に形成されていることを特徴とする定着装置。
  6. 【請求項6】 装置本体側に回転可能に支持された円筒
    状のローラと、円筒状にして前記ローラの内周面に固定
    され、通電時には発熱するシート状発熱体と、前記ロー
    ラに固定されて前記ローラと一体に回転する回転電極部
    材、および前記装置本体側に配設されて前記回転電極部
    材に接触する静止電極部材を、前記ローラの回転時に両
    電極部材が接触を維持したまま摺動可能に配設してなる
    摺動接点機構とを備えてなり、該摺動接点機構を介して
    前記シート状発熱体に電力を供給して前記ローラを加熱
    し、該ローラの外周面を記録媒体に接触させて記録媒体
    表面に付着した記録材を加熱することにより、該記録材
    を記録媒体に定着させる定着装置において、 前記回転電極部材が、前記ローラの内側に配置される円
    筒部を有し、 該円筒部の外周面と前記ローラの内周面との間に、前記
    シート状発熱体の面内に形成された通電用端子を介在さ
    せ、該通電用端子を挟み込んだ状態で前記円筒部の少な
    くとも一部を前記ローラの内周面側に圧接させてあり、 圧接させるに当たっては、前記円筒部を前記ローラの使
    用温度域よりも低温まで冷却して収縮させ、その上で前
    記円筒部を前記ローラの内周面側に配置し、その後前記
    円筒部を前記使用温度域に戻して膨張させることによっ
    て圧接させてあることを特徴とする定着装置。
  7. 【請求項7】 装置本体側に回転可能に支持された円筒
    状のローラと、円筒状にして前記ローラの内周面に固定
    され、通電時には発熱するシート状発熱体と、前記ロー
    ラに固定されて前記ローラと一体に回転する回転電極部
    材、および前記装置本体側に配設されて前記回転電極部
    材に接触する静止電極部材を、前記ローラの回転時に両
    電極部材が接触を維持したまま摺動可能に配設してなる
    摺動接点機構とを備えてなり、該摺動接点機構を介して
    前記シート状発熱体に電力を供給して前記ローラを加熱
    し、該ローラの外周面を記録媒体に接触させて記録媒体
    表面に付着した記録材を加熱することにより、該記録材
    を記録媒体に定着させる定着装置において、 前記回転電極部材が、前記ローラの内側に配置される円
    筒部を有し、該円筒部は、記憶形状復帰温度域にすると
    記憶された元の形状に復帰する形状記憶合金で形成さ
    れ、 該円筒部の外周面と前記ローラの内周面との間に、前記
    シート状発熱体の面内に形成された通電用端子を介在さ
    せ、該通電用端子を挟み込んだ状態で前記円筒部の少な
    くとも一部を前記ローラの内周面側に圧接させてあり、 圧接させるに当たっては、前記円筒部を前記記憶形状復
    帰温度域よりも低温まで冷却し、その状態で前記円筒部
    を前記ローラの内周面側に容易に配置可能な形状に変形
    させ、その上で前記円筒部を前記ローラの内周面側に配
    置し、その後前記円筒部を前記記憶形状復帰温度域にす
    ることによって圧接させてあることを特徴とする定着装
    置。
  8. 【請求項8】 装置本体側に回転可能に支持された円筒
    状のローラと、円筒状にして前記ローラの内周面に固定
    され、通電時には発熱するシート状発熱体と、前記ロー
    ラに固定されて前記ローラと一体に回転する回転電極部
    材、および前記装置本体側に配設されて前記回転電極部
    材に接触する静止電極部材を、前記ローラの回転時に両
    電極部材が接触を維持したまま摺動可能に配設してなる
    摺動接点機構とを備えてなり、該摺動接点機構を介して
    前記シート状発熱体に電力を供給して前記ローラを加熱
    し、該ローラの外周面を記録媒体に接触させて記録媒体
    表面に付着した記録材を加熱することにより、該記録材
    を記録媒体に定着させる定着装置において、 前記回転電極部材が、前記ローラの内側に配置される円
    筒部を有し、 該円筒部の外周面と前記ローラの内周面との間に、前記
    シート状発熱体の面内に形成された通電用端子を介在さ
    せ、該通電用端子を挟み込んだ状態で前記円筒部の少な
    くとも一部を前記ローラの内周面側に圧接させてあり、 圧接させるに当たっては、前記ローラを当該ローラの使
    用温度域よりも高温まで加熱して膨張させ、その上で前
    記円筒部を前記ローラの内周面側に配置し、その後前記
    ローラを前記使用温度域に戻して収縮させることによっ
    て圧接させてあることを特徴とする定着装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜請求項8のいずれかに記載の
    定着装置において、 前記通電用端子が金属であって、前記回転電極部材との
    接触面には、酸化被膜の除去処理が施されていることを
    特徴とする定着装置。
JP705898A 1998-01-16 1998-01-16 定着装置 Pending JPH11202662A (ja)

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JP705898A JPH11202662A (ja) 1998-01-16 1998-01-16 定着装置

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100694131B1 (ko) 2005-06-25 2007-03-12 삼성전자주식회사 정착롤러 및 상기 정착롤러를 적용한 정착장치
JP2016090987A (ja) * 2014-11-11 2016-05-23 キヤノン株式会社 定着装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100694131B1 (ko) 2005-06-25 2007-03-12 삼성전자주식회사 정착롤러 및 상기 정착롤러를 적용한 정착장치
JP2016090987A (ja) * 2014-11-11 2016-05-23 キヤノン株式会社 定着装置

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